JPH11100700A - アルミニウム製部品の中空部内面の電解研磨方法 - Google Patents
アルミニウム製部品の中空部内面の電解研磨方法Info
- Publication number
- JPH11100700A JPH11100700A JP26339297A JP26339297A JPH11100700A JP H11100700 A JPH11100700 A JP H11100700A JP 26339297 A JP26339297 A JP 26339297A JP 26339297 A JP26339297 A JP 26339297A JP H11100700 A JPH11100700 A JP H11100700A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルミニウム製部品に適用される電解研磨方
法に関し、特に円筒状の上記部品の中空部内面に有利に
適用しうる同方法に関する。 【解決手段】 内側中空で中空部内面が曲面であるアル
ミニウム又はアルミニウム合金製の被研磨物と、被研磨
物の中空部内に設置された電極を電解液中に垂直に保持
し、被研磨物を陽極とし、内部設置電極を陰極として被
研磨物の中空部内面を電解する方法であって、電解作用
による陰極ガスによって発生する電解液の上昇流が、陰
極ガスによる気泡の被研磨面への付着を妨げるのに適し
た距離となるよう、被研磨物と電極との距離を調整する
ことを特徴とするアルミニウム製部品の中空部内面の電
解研磨方法。
法に関し、特に円筒状の上記部品の中空部内面に有利に
適用しうる同方法に関する。 【解決手段】 内側中空で中空部内面が曲面であるアル
ミニウム又はアルミニウム合金製の被研磨物と、被研磨
物の中空部内に設置された電極を電解液中に垂直に保持
し、被研磨物を陽極とし、内部設置電極を陰極として被
研磨物の中空部内面を電解する方法であって、電解作用
による陰極ガスによって発生する電解液の上昇流が、陰
極ガスによる気泡の被研磨面への付着を妨げるのに適し
た距離となるよう、被研磨物と電極との距離を調整する
ことを特徴とするアルミニウム製部品の中空部内面の電
解研磨方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウム（及び
アルミニウム合金）製部品に適用される電解研磨方法に
関し、特に円筒状の上記部品の中空部内面に適用して有
利な電解研磨法に関する。
アルミニウム合金）製部品に適用される電解研磨方法に
関し、特に円筒状の上記部品の中空部内面に適用して有
利な電解研磨法に関する。
【０００２】
【従来の技術】アルミニウム及びアルミニウム合金（以
下、「アルミニウム」と総称する）製部品の電解研磨に
おいては陰極ガスの付着によるピットが発生しやすいと
いう問題があり、ピットのない平滑な研磨面を得ること
が実用的に困難であった。本発明者らはこれを打破して
実用的にピットのない平滑な研磨面を得ることができる
ようにする方法を既に提案した。その既提案方法は振動
モーターで上下振動する軸に取り付けられた羽根板によ
って液流動を発生させ撹拌する方法（特願平６−２４１
２０９号，特願平７−７９８５号）であり、またその改
良法として同羽根板により槽を分割した液流動を発生さ
せる電解研磨方法である（特願平８−１４１６２３
号）。
下、「アルミニウム」と総称する）製部品の電解研磨に
おいては陰極ガスの付着によるピットが発生しやすいと
いう問題があり、ピットのない平滑な研磨面を得ること
が実用的に困難であった。本発明者らはこれを打破して
実用的にピットのない平滑な研磨面を得ることができる
ようにする方法を既に提案した。その既提案方法は振動
モーターで上下振動する軸に取り付けられた羽根板によ
って液流動を発生させ撹拌する方法（特願平６−２４１
２０９号，特願平７−７９８５号）であり、またその改
良法として同羽根板により槽を分割した液流動を発生さ
せる電解研磨方法である（特願平８−１４１６２３
号）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等が提案した
前記の方法はいずれもそれなりの効果が奏され、円筒状
部品内面の電解研磨にも応用できるものであるが、部品
及びその同心軸上に配置された電極を電解液中に全没さ
せて、撹拌流が円筒内で部品と電極との間を貫通させな
ければならず、作業上の制約が多いため、より簡便で適
用性に優れた方法が求められていた。本発明者等はこれ
らの課題を解決し、円筒状部品内面をより簡便に処理し
てピットのない平滑な研磨面を得られるアルミニウム製
部品の電解研磨方法を提供しようとするものである。
前記の方法はいずれもそれなりの効果が奏され、円筒状
部品内面の電解研磨にも応用できるものであるが、部品
及びその同心軸上に配置された電極を電解液中に全没さ
せて、撹拌流が円筒内で部品と電極との間を貫通させな
ければならず、作業上の制約が多いため、より簡便で適
用性に優れた方法が求められていた。本発明者等はこれ
らの課題を解決し、円筒状部品内面をより簡便に処理し
てピットのない平滑な研磨面を得られるアルミニウム製
部品の電解研磨方法を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は内側中空で中空
部内面が曲面であるアルミニウム又はアルミニウム合金
製の被研磨物と、被研磨物の中空部内に設置された電極
を電解液中に垂直に保持し、被研磨物を陽極とし、内部
設置電極を陰極として被研磨物の中空部内面を電解する
方法であって、電解作用による陰極ガスによって発生す
る電解液の上昇流が、陰極ガスによる気泡の被研磨面へ
の付着を妨げるのに適した距離となるよう、被研磨物と
電極との距離を調整することを特徴とするアルミニウム
製部品の中空部内面の電解研磨方法である。
部内面が曲面であるアルミニウム又はアルミニウム合金
製の被研磨物と、被研磨物の中空部内に設置された電極
を電解液中に垂直に保持し、被研磨物を陽極とし、内部
設置電極を陰極として被研磨物の中空部内面を電解する
方法であって、電解作用による陰極ガスによって発生す
る電解液の上昇流が、陰極ガスによる気泡の被研磨面へ
の付着を妨げるのに適した距離となるよう、被研磨物と
電極との距離を調整することを特徴とするアルミニウム
製部品の中空部内面の電解研磨方法である。
【０００５】
【発明の実施の形態】本発明で対象とするアルミニウム
製部品は純アルミニウム製部品のみならず、アルミニウ
ム合金製部品も含むものであり、アルミニウム合金とし
ては５０５２材、２０２４材及び７０７５材のようなも
のが例示される。また、アルミニウム製部品の中空部に
設置される電極（陰極）材料としては被処理部品と同材
料または純チタンが例示される。
製部品は純アルミニウム製部品のみならず、アルミニウ
ム合金製部品も含むものであり、アルミニウム合金とし
ては５０５２材、２０２４材及び７０７５材のようなも
のが例示される。また、アルミニウム製部品の中空部に
設置される電極（陰極）材料としては被処理部品と同材
料または純チタンが例示される。
【０００６】〔作用〕中空アルミニウム製部品の内径と
陰極の外径を適切に設置し、電解液が両者の間隙を適切
な流速で上昇するようにすることによって、陰極ガスが
アルミニウム製部品の内面に付着することを避けること
ができる。
陰極の外径を適切に設置し、電解液が両者の間隙を適切
な流速で上昇するようにすることによって、陰極ガスが
アルミニウム製部品の内面に付着することを避けること
ができる。
【０００７】〔実施例〕図１において、１は被処理部品
で、内径：４７ｍｍ、肉厚：１．５ｍｍ、長さ：２００
ｍｍの陽極となる純アルミニウム製パイプである。２は
陰極で、外径：２５ｍｍ、長さ：４００ｍｍの純アルミ
ニウム製丸棒である。図１に示すように、陰極２を被処
理部品（被研磨物）１と同軸上にセットした。電極間の
距離は１１ｍｍとなる。
で、内径：４７ｍｍ、肉厚：１．５ｍｍ、長さ：２００
ｍｍの陽極となる純アルミニウム製パイプである。２は
陰極で、外径：２５ｍｍ、長さ：４００ｍｍの純アルミ
ニウム製丸棒である。図１に示すように、陰極２を被処
理部品（被研磨物）１と同軸上にセットした。電極間の
距離は１１ｍｍとなる。
【０００８】電解研磨は図２に示すように、陰極２をセ
ットした被処理部品１を液槽３内の電解液４中に浸漬
し、液温：８２〜８４℃、電流密度：１２Ａ／ｄｍ2 で
４分間実施した。なお、図２中、符号５は水素ガス気泡
を示す。電解液４は表１に示すリン酸−硫酸−クロム酸
混合液を用いた。
ットした被処理部品１を液槽３内の電解液４中に浸漬
し、液温：８２〜８４℃、電流密度：１２Ａ／ｄｍ2 で
４分間実施した。なお、図２中、符号５は水素ガス気泡
を示す。電解液４は表１に示すリン酸−硫酸−クロム酸
混合液を用いた。
【０００９】
【表１】
【００１０】電解研磨中、被処理部品１と陰極２との空
間にある電解液４が図２に示すように気泡５とともに勢
い良く上昇し、外部の電解液との間で循環するのが観察
された。陰極２と被処理部品（陽極）１との間に通電し
て電解研磨を開始すると、陰極２上に水素ガスが発生
し、水素ガス気泡５が発生する。この水素ガス気泡５は
浮力により電解液４中を上昇するが、その際近傍の電解
液４に上昇流を生じせしめる。電極間距離が本実験のよ
うに適切な値であると、電極で挟まれた空間にある電解
液４には被処理部品１の表面に陰極ガス気泡が付着する
のを許さない強い上昇流が生じる。これに対し、電極間
距離が大きすぎると、被処理部品表面近傍の上昇流の強
さが充分でなくなり、水素ガス気泡５が被処理部品１の
表面に付着してピットを発生させる。また逆に、電極間
距離が小さすぎると、電解液中の水素ガス含有率が過大
になりすぎて、良好な電解研磨ができなくなる。本実験
において、被処理部品１の内面は全面にわたりピットを
発生させることなく平滑に電解研磨されていた。
間にある電解液４が図２に示すように気泡５とともに勢
い良く上昇し、外部の電解液との間で循環するのが観察
された。陰極２と被処理部品（陽極）１との間に通電し
て電解研磨を開始すると、陰極２上に水素ガスが発生
し、水素ガス気泡５が発生する。この水素ガス気泡５は
浮力により電解液４中を上昇するが、その際近傍の電解
液４に上昇流を生じせしめる。電極間距離が本実験のよ
うに適切な値であると、電極で挟まれた空間にある電解
液４には被処理部品１の表面に陰極ガス気泡が付着する
のを許さない強い上昇流が生じる。これに対し、電極間
距離が大きすぎると、被処理部品表面近傍の上昇流の強
さが充分でなくなり、水素ガス気泡５が被処理部品１の
表面に付着してピットを発生させる。また逆に、電極間
距離が小さすぎると、電解液中の水素ガス含有率が過大
になりすぎて、良好な電解研磨ができなくなる。本実験
において、被処理部品１の内面は全面にわたりピットを
発生させることなく平滑に電解研磨されていた。
【００１１】本発明においては、従来技術のように、陰
極２を電解液４中に全没させる必要はなく、液面より外
に出せるので、この陰極２を利用して陰極２及び被処理
部品１を保持でき、電解研磨処理は極めて容易となる。
また、被処理部品の内径や長さに応じた陰極を用いるこ
とにより、種々のサイズの円筒状部品内面の電解研磨に
対し汎く適用可能である。
極２を電解液４中に全没させる必要はなく、液面より外
に出せるので、この陰極２を利用して陰極２及び被処理
部品１を保持でき、電解研磨処理は極めて容易となる。
また、被処理部品の内径や長さに応じた陰極を用いるこ
とにより、種々のサイズの円筒状部品内面の電解研磨に
対し汎く適用可能である。
【００１２】
【発明の効果】本発明によれば、極めて簡単な方法によ
り、アルミニウム中空部品の内面を研磨することがで
き、その工業的効果は顕著なものがある。
り、アルミニウム中空部品の内面を研磨することがで
き、その工業的効果は顕著なものがある。
【図１】本発明のアルミニウム中空部品と電極（陰極）
との相関関係を示す模式図。
との相関関係を示す模式図。
【図２】本発明の一実施例を説明する模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 泰宏 京都府京都市上京区下立売通智恵光院西入 下丸屋町503番地 旭金属工業株式会社
Claims (1)
- 【請求項１】 内側中空で中空部内面が曲面であるアル
ミニウム又はアルミニウム合金製の被研磨物と、被研磨
物の中空部内に設置された電極を電解液中に垂直に保持
し、被研磨物を陽極とし、内部設置電極を陰極として被
研磨物の中空部内面を電解する方法であって、電解作用
による陰極ガスによって発生する電解液の上昇流が、陰
極ガスによる気泡の被研磨面への付着を妨げるのに適し
た距離となるよう、被研磨物と電極との距離を調整する
ことを特徴とするアルミニウム製部品の中空部内面の電
解研磨方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26339297A JPH11100700A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | アルミニウム製部品の中空部内面の電解研磨方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26339297A JPH11100700A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | アルミニウム製部品の中空部内面の電解研磨方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11100700A true JPH11100700A (ja) | 1999-04-13 |
Family
ID=17388864
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26339297A Withdrawn JPH11100700A (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | アルミニウム製部品の中空部内面の電解研磨方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11100700A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107151816A (zh) * | 2017-06-02 | 2017-09-12 | 无锡市鹏振智能科技有限公司 | 一种电解抛光方法 |
| CN108570705A (zh) * | 2018-05-02 | 2018-09-25 | 宣城品宙洁净科技有限公司 | 一种用于不锈钢管内壁的电解抛光设备 |
| WO2019137094A1 (zh) * | 2018-01-11 | 2019-07-18 | 北京科技大学 | 一种中空金属零件内壁抛光方法 |
| CN111152073A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-05-15 | 河北思泰嘉业新能源汽车部件有限公司 | 等离子纳米抛光装置及半封闭内孔金属工件自动抛光设备 |
| WO2021085845A1 (ko) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 주식회사 더블유에스지 | 전해연마용 표면처리 금속 전극봉 |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP26339297A patent/JPH11100700A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN107151816A (zh) * | 2017-06-02 | 2017-09-12 | 无锡市鹏振智能科技有限公司 | 一种电解抛光方法 |
| CN107151816B (zh) * | 2017-06-02 | 2019-07-02 | 无锡市鹏振智能科技有限公司 | 一种电解抛光方法 |
| WO2019137094A1 (zh) * | 2018-01-11 | 2019-07-18 | 北京科技大学 | 一种中空金属零件内壁抛光方法 |
| US11697154B2 (en) | 2018-01-11 | 2023-07-11 | University Of Science And Technology Beijing | Polishing method for inner wall of hollow metal part |
| CN108570705A (zh) * | 2018-05-02 | 2018-09-25 | 宣城品宙洁净科技有限公司 | 一种用于不锈钢管内壁的电解抛光设备 |
| WO2021085845A1 (ko) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 주식회사 더블유에스지 | 전해연마용 표면처리 금속 전극봉 |
| CN111152073A (zh) * | 2019-12-27 | 2020-05-15 | 河北思泰嘉业新能源汽车部件有限公司 | 等离子纳米抛光装置及半封闭内孔金属工件自动抛光设备 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041207 |