JP2007154302A - アルミニウム合金陽極酸化用電源システム - Google Patents

アルミニウム合金陽極酸化用電源システム Download PDF

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【課題】アルミニウム合金陽極酸化皮膜の品質を維持しながら成膜速度を高め生産性を向上できるアルミニウム合金陽極酸化用電源を提供すること。
【解決手段】定電圧陽極酸化の場合、▲1▼正電圧をマックスデュティで固定し、電流密度は成行きとする(図5(▲1▼))。▲2▼電流密度が抵抗上昇によりある閾値まで低下したならば、デュティの変更を行い負電圧の印加を開始する(図5(▲2▼))。▲3▼電流密度の回復(上昇)が思わしくない場合には、さらに負電圧印加のデュティの割合を増やす(図5(▲3▼))。▲4▼所定の電流密度に回復したならば、負電圧印加を止め、当初の前記正電圧マックスデュティに戻す(図5(▲4▼))。▲5▼再び、抵抗上昇により電流密度の低下が起これば、上記の電圧印加方式を繰り返す。
【選択図】図5

Description

本発明は、アルミニウム合金陽極酸化皮膜の品質を維持しながら成膜速度を高め生産性を向上できるアルミニウム合金陽極酸化用電源システムに関する。
従来から、アルミニウム合金表面の硬度や耐磨耗性、耐食性を向上及び着色を目的として、硫酸、蓚酸、燐酸等の水溶液浴中で陽極酸化し該アルミニウム合金の表面に酸化皮膜を形成することが行われている。この陽極酸化皮膜は、緻密なバリヤー層と多孔質のポーラス層で構成されており、組成はAlである。
希望する特性の皮膜を得るため、加える電力の方法としては、直流法、電流反転法、交直重畳法、パルス波形法等が報告されている(非特許文献1、2、特許文献1、2)。
直流法で高い成膜速度を得るために、大電流を流すべく高電圧を印加すると、前記バリヤー層で発生するジュール熱の発熱量が大きくなり、焼けと呼ばれる酸化皮膜に欠陥が発生する。したがって、直流法では、特に多量のSi、Cu、Fe等を含み電流の流れ難いアルミニウム鋳造材及びアルミニウムダイカスト材に対して短時間で厚い陽極酸化皮膜を形成することは、困難であった。
これに対し、希望する酸化皮膜を「皮膜焼け」と呼ばれる欠陥を発生させることなく生産性良く短時間に形成するには、直流法よりも電流反転法を含むパルス電解法が良いといわれている。例えば下記非特許文献1には、硫酸浴において、間歇的に負電流を流す電流反転法による陽極酸化で、直流法による陽極酸化よりも低い酸化電圧において高速で酸化皮膜が形成できることが報告されている。また、非特許文献2では、アルミニウムA1080Pを20℃の20Wt%硫酸+10g/lシュウ酸浴中で、電流反転法、周波数13.3Hz、電流密度4A/dm、duty95%の条件で65分電解を行い92μmのアルミニウム陽極酸化皮膜を得ている(1.4μm/min)。しかし、これ等の方法は数10Hzオーダの周波数、特に合金元素の多いアルミニウムダイカスト材においては成膜速度を早くできないという問題があった。また、正電圧、負電圧を印加しなければならず、用いる電源がバイポーラで複雑になるという問題があった。
特許文献1には、交流に直流を印加した交直重畳法で交流成分が負成分を含まず且つ交流成分が直流成分の5%以上含まれる電解条件で耐熱性に優れしかも耐食性も良好なアルミニウム陽極酸化皮膜がアルミニウム合金表面に形成できることが示されている。しかし、好適とされる電流密度は0.1〜2A/dmと低く、この電流密度では成膜速度は遅く、生産性並びにコスト上に問題があった。さらにこの方法においても、交流電源と直流電源が必要で電源系が複雑になるという問題があった。
また下記特許文献2には、生産性の観点からアルミニウム陽極酸化皮膜の成膜速度を向上する方法として、硫酸水溶液浴中で200〜5000Hz(好ましくは600〜2000Hz)の正弦波高周波電流に直流電流を重畳した電流を通電する方法を提案している。即ち、アルミニウム合金ADC12を、17℃の10%の硫酸水溶液中で、周波数が1000Hzで電圧が±20Vの正弦波の高周波に19.8Vの直流電圧を重畳させ電解処理時間20分で22μの陽極酸化膜を得ている(成長速度1.1μm/min)。なお、電解開始5分後の電流密度は13.8A/dmであったと報告している。しかしながら、周波数が200〜5000Hzに限定されておりかつ実際に使用されているのが正弦波であるため短時間内に流せる電流が矩形波より少ないと言う問題を残している。また、交流電源と直流電源が必要で電源系が複雑になるという問題があった。
以上のように高速で良質の酸化皮膜得るためのアルミニウム合金陽極酸化法が報告されているが、今日の市場ニーズに対して不十分である。即ちより短時間で高品質の成膜を実現することが求められている。このような状況にあって、本発明者らは上記市場ニーズに応えるべく以下の電源システムを提案するものである。
金属表面技術、39、512(1988) 近畿アルミニウム表面処理研究会誌、No.1334、p.1(1988) 特開2000−282294号 公報 特開2004−35930号 公報
しかしながら特許文献2を除く上記従来技術には、電流密度数A/dmオーダであり成膜速度が遅く、生産性並びにコスト上問題があった。特許文献2では10A/dmオーダの電流を流しており成膜速度も大きく生産性もかなり向上させているが、周波数が200〜5000Hzに限定されておりバリヤー層の制御が不十分でありまた正弦波が主流であるため、矩形波に比べ単位時間内に流せる電流に劣る問題があった。
本発明は上記の問題点や制約に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、アルミニウム合金陽極酸化皮膜の品質を維持しながら成膜速度を高め生産性を向上できるアルミニウム合金陽極酸化用電源を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載したように、パルス電力によってアルミニウム合金を陽極酸化するアルミニウム合金陽極酸化用電源システムにおいて、条件入力手段部と陽極酸化の進行に伴う電解電圧又は電解電流密度の変化に応じパルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段部と電源部とを備えていることを特徴とするアルミニウム合金陽極酸化用電源システムを構成する。
また、本発明は、請求項2に記載したように、前記条件入力手段が、設定電流密度、設定正電圧、設定正電圧マックスデュティー、設定正電圧閾値、設定正電圧閾値到達後の正電圧デュティ、設定正電流密度閾値、設定閾値到達後の正電圧デュティー、設定負電圧、設定負電圧デュティー、設定閾値以下に正電圧が低下しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率、設定閾値以上に正電流密度が上昇しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率、設定ソフトスタート所用時間、設定処理時間、設定周波数、設定緊急停止電圧、設定緊急停止電流密度、を入力する手段であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金陽極酸化用電源システムを構成する。
また、本発明は、請求項3に記載したように、前記パルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段が、定電圧陽極酸化の場合、前記設定正電圧を前記設定正電圧マックスデュティーで固定し電流密度は成行きとするが、電流密度が前記設定正電流密度閾値まで低下したならば設定電圧のデュティ変更を行い前記設定負電圧を前記設定負電圧デュティーで印加を開始し、該電流密度の上昇が遅い場合は前記設定閾値以上に正電流密度が上昇しない場合の正・負電圧デュティー変更率で電圧を印加し、該電流密度が前記設定電流密度へ回復されたならば該設定負電圧の印加を停止し、当初の該設定正電圧で該設定正電圧マックスデュティーに戻す、
再び電流密度が該設定正電流密度閾値まで低下したならば上記の操作を繰り返すパルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金陽極酸化用電源システムを構成する。
また、本発明は、請求項4に記載したように、前記パルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段が、定電流陽極酸化の場合、前記設定電流密度になるま前記設定マックスデュティーで前記設定正電圧を印加し、アルミニウム合金の陽極酸化による抵抗増大に伴い電圧が上昇し前記設定正電圧閾値に到達したならば前記設定閾値到達後の正電圧デュティーにし前記設定負電圧の印加を開始し、それでも電圧が低下しない場合は前記設定閾値に正電圧が低下しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率にし、
正電圧が前記設定正電圧まで下がれば該設定負電圧印加を停止し、該設定正電圧で該設定正電圧マックスデュティーに戻す、
再び抵抗上昇により電圧上昇が起こり該設定正電圧閾値に達すれば上記の操作を繰り返す定常処理実行手段であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金陽極酸化用電源システムを構成する。
本発明の実施により、アルミニウム合金陽極酸化皮膜の品質を維持しながら成膜速度を高め生産性を向上できるアルミニウム合金陽極酸化用電源を提供することが可能となる。
本発明者らは、皮膜の品質を維持しながら成膜速度を高め生産性を向上できるアルミニウム合金陽極酸化用電源を追及した。その結果、単位時間内に多くの電流を流せる矩形波の高周波パルス電力を出力する電源を用い、かつ陽極酸化進行に伴う電圧または電流の変化に応じパルスの波形及びパルスのデュティを制御することが有効であることを見出した。
即ち、直流電解での成長速度及び膜厚を規制しているのはバリア層の電気抵抗の経時増大であり、電気抵抗を制御(即ち好ましいバリア層を維持)できれば上記規制を克服できる。電気抵抗の経時増大の原因は、バリヤ層内のAl3+、O2−イオン濃度勾配が生じること及び固液界面の生じる電気二重層等の濃度勾配のためであると推定される。従って、電気抵抗の経時増大を防ぐには、電気抵抗がある値に達したら逆電流を流しバリヤ層及び固液界面のイオン濃度勾配を解消すればよい。またこの逆電流によって電気抵抗値の大きいバリヤ層を薄くし適切な電気抵抗値を示す厚さに保てばよい。このように逆電流によって、イオンの濃度勾配およびバリヤ層を適切に保つことは、次のパルス時に大電流を受け入れる状況を作り出していることになる。
本発明では、このバリヤ層内のイオン濃度勾配、固液界面の電気二重層、およびバリヤ層の厚さを適切に保ちながら酸化皮膜の品質を落とすことなく高速でアルミニウム合金陽極酸化を実現できるアルミニウム合金陽極酸化用電源システムを作製した。
一方、本発明では、別途、アルミニウム素材毎に、焼け・粉吹きを起こすことなく、好ましい成長速度、膜圧、硬度、等を得る電解条件を求め、そのパラメータライブラリ(Data Base)を構築した。そして、アルミニウム合金種、被陽極酸化面積及び用いる電解浴を指定すれば、該ライブラリを参照して最適陽極酸化条件パラメータを選定し、上記アルミニウム合金陽極酸化用電源システムで高速陽極酸化膜の形成を可能にした。
以下発明の構成を具体的に説明する。図1は本発明電源システムの構成を示すブロックダイヤグラムである。該アルミニウム合金陽極用電源システムは、条件入力手段部、ライブラリー部、制御手段部、電源部より構成されている。
図2に本発明の電源部100の構成を示す。電源部100は、正側直流電源110、正側チョッパースイッチ111、正側逆流防止ダイオード112、負側直流電源120、負側チョッパースイッチ121、負側逆流防止ダイオード122、くり返し周波数発生器130、正側パルス発生回路131、正側チョッパーゲートアンプ132、負側パルス発生回路133、負側チョッパーゲートアンプ134より構成されている。
図3に、前記電源部100の作動状況を示す。くり返し周波数発生器130より運転くり返し周期T(周波数f=1/T)(図3(A))が出力され、これに応じて、正側パルス発生回路131により入力条件によって設定されたデュティの正側パルス(図3(B))が、負側パルス発生回路133より同じく入力条件によって設定されたデュティの負側パルス(図3(C))が出力され、これに応じて正側チョッパーゲート信号(図3(D))、負側チョッパーゲート信号(図3(E))が発生し、これ等に連動して正側チョッパー出力(図3(F))、短絡側チョッパー出力(図3(G))が作動し、この結果出力電圧(E)(図3(H))を発生する。なお、該周波数fは4〜20KHzの範囲で、該正側デュティ即ち正側パルス幅(図3(B))、該負側デュティ即ち負側パルス幅(図3(C))、該正側電圧E(図3(F))、該負側電圧E(図3(G))これ等は許容範囲内で前記の条件入力手段部によってそれぞれ独立に自由に設定することができる。
図4は本発明のアルミニウム合金陽極酸化プロセス全体のフローを、図5は定電圧陽極酸化の場合の電圧、電流、デュティ制御プログラムを、図6は定電流陽極酸化の場合の電流、電圧、デュティ制御プログラムを示したものである。
図4の条件入力では、必須入力事項としてアルミニウム合金素材種名、該アルミニウム合金の陽極酸化される面積、電解液組成、電解液温度、求める陽極酸化皮膜の厚さを入力し、続いて下記入力事項を入力するか又は入力しない場合は該必須事項をもとに前記ライブラリーを参照して好ましい標準値を自動入力できるようになっている。
−−−−−記−−−−−
設定周波数、設定電流密度、設定緊急停止電流密度、設定正電圧、設定緊急停止正電圧、設定ソフトスタート所用時間、設定正電圧マックスデュティー、設定正電圧閾値、設定閾値到達後の正電圧デュティ、設定正電流密度閾値、設定閾値到達後の正電圧デュティー、設定負電圧、設定負電圧デュティー、設定閾値以下に正電圧が低下しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率、設定閾値以上に正電流密度が上昇しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率、設定処理時間。
前記ライブラリー参照初期条件自動設定は、アルミニウム合金素材種名毎に、過去の実験事実から、好ましいアルミニウム合金陽極酸化皮膜が得られる陽極酸化条件を収録したデータベースを持ち、前記必須入力事項の場合の最適初期条件を該データベースを参照して自動出力できるようになっている。
図4の処理条件選択では定電圧制御又は定電流制御を選択する。
図4のソフトスタート実行は、前記設定ソフトスタート所用時間を入力し又は入力しない場合は前記必須入力事項をもとに前記ライブラリーを参照して自動設定され、前記定電圧制御の場合は印加電圧を0Vから前記設定正電圧まで該ソフトスタート所用時間で到達するよう電流が傾斜印加される(図5(s))。又前記定電流制御の場合は電流密度が0A/dmから前記設定電流密度まで該ソフトスタート所用時間で到達するよう電圧が傾斜印加されるようになっている(図6(s))。
図4の定常処理の実行は、前記定電圧制御の場合は図5に示すように、以下のようなプログラムになっている:
▲1▼正電圧をマックスデュティ(設定正電圧マクッスデュティ)で固定し、電流密度は成行きとする(図5(▲1▼))。
▲2▼電流密度が抵抗上昇によりある閾値(設定正電流密度閾値)まで低下したならば、デュティの変更(設定閾値到達後の正電圧デュティ)を行い負電圧の印加(設定負電圧デュティ)を開始する(図5(▲2▼))。
▲3▼電流密度の回復(上昇)が思わしくない場合には、さらに負電圧印加のデュティの割合を増やす(設定閾値以上に正電流密度が上昇しない場合の正・負電圧デュティ変更率)(図5(▲3▼))。
▲4▼所定の電流密度(設定電流密度)に回復したならば、負電圧印加を止め、当初の前記正電圧マックスデュティに戻す(図5(▲4▼))。
▲5▼再び、抵抗上昇により電流密度の低下が起これば、上記の電圧印加方式を繰り返す。
以上を総て自動制御で行う。
又前記定電流制御の場合は図6に示すように、以下のようなプログラムになっている:
▲1▼最適と想定される電流密度(設定電流密度)が印加されるよう正電圧設定を行う。そしてデュティは印加できる最高値(前記正電圧マックスデュティ)に設定し、電圧印加を開始する(図6(▲1▼))。
▲2▼抵抗値の上昇に伴う正電圧上昇がある閾値(設定正電圧閾値)に到達したならば、正電圧印加のデュティを下げ負電圧印加のデュティ値(設定閾値到達後の正電圧デュティ)とし、負電圧印加(設定負電圧デュティ)を開始する(図6(▲2▼))。
▲3▼電圧の回復(低下)が思わしくない場合には、さらに負電圧印加のデュティの割合を増やす(設定閾値以下に正電圧が低下しまい場合の正・負電圧デュティ変更率)(図6(▲3▼))。
▲4▼正電圧印加電圧が所定の電圧(設定正電圧)まで下がれば、負電圧印加を止め、初期設定の正電圧のみの印加を再スタートする(図6(▲4▼))。
▲5▼再び、抵抗上昇により、電圧上昇が起これば、上記電圧印加方法を繰り返す。
以上を総て自動制御で行う。
図4の緊急停止は、前記設定緊急停止電圧又は前記設定緊急停止電流密度に達した場合に自動的に緊急停止するようになっている。
また図4の処理完了は、前記緊急停止手段を経過することなく前記設定処理時間に達したら処理を自動的に終了するようになっている。
以上のように本発明では、最大デュティの正電圧(又は最大デュティの正電流)で陽極酸化を進行させ、その結果バリヤ層が成長し電気抵抗がある値に達したら逆電流を流し電気抵抗増大の原因になっているバリヤ層内のイオン濃度勾配、固液界面の電気二重層、およびバリヤ層の厚さを減し、電気抵抗がある値まで下がれば又最大デュティの正電圧(又は最大デュティの正電流)で陽極酸化を進行させる。即ち、常にバリヤ層を最適状態に保ち且つ最大電流が流れるように制御されてアルミニウム合金の陽極酸化が進行しているので、焼けなど陽極酸化皮膜の品質を劣化させることなく成膜速度を高め生産性を向上させることができる。
以下に、実施例を通して本発明の効果を具体的に説明する。アルミニウム合金の陽極酸化は、上記の電源を用い下記の実験条件で行った。
試験片には、基本的な特性評価のためのA1100P材、通常の酸化処理では電解電圧が高くなるなど電解処理が比較的難しいA2017P材、A6063P材および均質な皮膜生成が困難なADC12材を用いた。試験片のサイズは60mm×60mm×2mmである。
電解槽は電解液量約200l、液循環及びミクロ爆気による撹拌、プレート型熱交換器による冷却、陰極バーは鉛、陰極板は炭素である。浴組成は遊離硫酸濃度約200g/l、浴温度10℃とした。
また、設定周波数:1.0、2.5、5.0、7.5、10.0、15.0KHz、設定電流密度:18A/dm、設定緊急停止電流密度:27A/dm、設定正電圧:30V、設定緊急停止正電圧:45V、設定ソフトスタート所用時間:3分、設定正電圧マックスデュティー:95%、設定正電圧閾値:38V、設定正電流密度閾値:12A/dm、設定閾値到達後の正電圧デュティー:50%、設定負電圧:−4V、設定負電圧デュティー:30%、設定閾値以下に正電圧が低下しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率:20−50%、設定閾値以上に正電流が上昇しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率:20−50%、設定処理時間:15分(ソフトスタート時間3分を含む)である。
陽極酸化処理後、井水流水で約2分間水洗し、温風による強制乾燥を施した。
上記条件で、アルミニウム合金A1100P、A2017P、A6061P、ADC12について陽極酸化を行い、それぞれ平均値として7.5、7.0、6.5、5.2μm/minの成膜速度を得た。生成した陽極酸化皮膜には焼けなどは認められず良質の皮膜であった。
本発明の電源システム構成を説明する図である。 本発明の電源部構成を説明する図である。 本発明の電源部作動状況を説明する図である。 本発明の陽極酸化プロセスの全体の流れを説明する図である。 本発明の定電圧陽極酸化の場合の電圧、電流、デュティ制御プログラムを説明する図である。 本発明の定電流陽極酸化の場合の電流、電圧、デュティ制御プログラムを説明する図である。
符号の説明
100…陽極酸化電源部、110…正側直流電源、111…正側チョッパースイッチ、112…正側逆流防止ダイオード、120…負側直流電源、121…負側チョッパースイッチ、122…負側逆流防止ダイオード、130…くり返し周波数発生器、131…正側パルス発生回路、132…正側チョッパーゲートアンプ、133…負側パルス発生回路、134…負側チョッパーゲートアンプ。

Claims (4)

  1. パルス電力によってアルミニウム合金を陽極酸化するアルミニウム合金陽極酸化用電源システムにおいて、条件入力手段部と陽極酸化の進行に伴う電解電圧又は電解電流密度の変化に応じパルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段部と電源部とを備えていることを特徴とするアルミニウム合金陽極酸化用電源システム。
  2. 前記条件入力手段が、設定電流密度、設定正電圧、設定正電圧マックスデュティー、設定正電圧閾値、設定正電圧閾値到達後の正電圧デュティ、設定正電流密度閾値、設定閾値到達後の正電圧デュティー、設定負電圧、設定負電圧デュティー、設定閾値以下に正電圧が低下しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率、設定閾値以上に正電流密度が上昇しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率、設定ソフトスタート所用時間、設定処理時間、設定周波数、設定緊急停止電圧、設定緊急停止電流密度、を入力する手段であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金陽極酸化用電源システム。
  3. 前記パルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段が、定電圧陽極酸化の場合、前記設定正電圧を前記設定正電圧マックスデュティーで固定し電流密度は成行きとするが、電流密度が前記設定正電流密度閾値まで低下したならば設定電圧のデュティ変更を行い前記設定負電圧を前記設定負電圧デュティーで印加を開始し、該電流密度の上昇が遅い場合は前記設定閾値以上に正電流密度が上昇しない場合の正・負電圧デュティー変更率で電圧を印加し、該電流密度が前記設定電流密度へ回復されたならば該設定負電圧の印加を停止し、当初の該設定正電圧で該設定正電圧マックスデュティーに戻す、
    再び電流密度が該設定正電流密度閾値まで低下したならば上記の操作を繰り返すパルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金陽極酸化用電源システム。
  4. 前記パルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段が、定電流陽極酸化の場合、前記設定電流密度になるま前記設定マックスデュティーで前記設定正電圧を印加し、アルミニウム合金の陽極酸化による抵抗増大に伴い電圧が上昇し前記設定正電圧閾値に到達したならば前記設定閾値到達後の正電圧デュティーにし前記設定負電圧の印加を開始し、それでも電圧が低下しない場合は前記設定閾値に正電圧が低下しない場合の正・負電圧印加デュティー変更率にし、
    正電圧が前記設定正電圧まで下がれば該設定負電圧印加を停止し、該設定正電圧で該設定正電圧マックスデュティーに戻す、
    再び抵抗上昇により電圧上昇が起こり該設定正電圧閾値に達すれば上記の操作を繰り返す定常処理実行手段であることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金陽極酸化用電源システム。
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