JP2013533381A - 強不動態化金属の電解システム及び加工方法 - Google Patents

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Abstract

フッ化水素を含まない電解質溶液と、電解質溶液に接触した電極と、電極から離間して配置され、電解質溶液に接触した加工物と、電極に電気的に接続された第1電気リード及び加工物に電気的に接続された第2電気リードを有する電源とを備え、電源は電極と加工物との間に電流を通すように構成され、電流はアノードパルスとカソードパルスとからなり、カソードパルスは少なくともいくつかのアノードパルス間に挟まれる、強不動態化特性を有する金属及び合金の電解加工システム。

Description

本発明は、エネルギー省P.O.第594128号及びエネルギー省中小企業技術革新研究プログラム契約番号DE−SC0004588下で開発された。
本出願は、金属及び合金の電解加工又は研磨に関し、特に、ニオブ及びニオブ合金、(ニチノールとして知られているチタン−モリブデン合金、チタン−ニッケル合金のような)チタン及びチタン合金、ジルコニウム及びジルコニウム合金、ハフニウム及びハフニウム合金、タンタル及びタンタル合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、並びに、フッ化水素及びフッ化物塩を含有しない水性電解質中で強不動態化特性を有する他の金属及び合金のような金属の電気に媒介された電解研磨工程に関するものである。
ニオブ及びニオブ合金は、比較的高い温度(例えば、2〜9ケルビン)で超伝導体となる。そのため、ニオブ及びニオブ合金は、磁気共鳴画像(MRI)装置を含む様々な超伝導体用途に用いられる誘引材料及び粒子状促進剤である。また、これらの金属及び類似の金属及びコバルト−クロム合金のような合金は、医療用ステント及びインプラントのような医療装置に適用される。しかしながら、これら全ての用途においては、これらの用途に用いられるのに望ましい特性を低減させることなく、金属表面を研磨する必要がある。これらの金属の電解研磨にしばしば用いられる媒介物の1つにフッ化水素がある。しかしながら、フッ素の金属への導入は、医療用途に適さない金属とすることがある。したがって、汚染物質をできる限り導入させないニオブ及び他の強不動態化金属及びコバルトークロム合金の研磨方法が必要となる。
電気化学研磨又は電解研磨又は電気研磨は、式1で示された化学式の電気化学反応によって金属(M)が選択的に表面から除去される工程である。
Figure 2013533381
図1に示されたように、電解研磨の間、電流分布が制御され、表面のピーク又は隆起が対象表面内の凹所又は谷に対して優先的に削除される。図2示されたように、第1の又は幾何学的な電流分布の場合、カソードから表面隆起までの抵抗性経路長(Ω)は、カソードから凹所までの距離(Ω)よりも短い。その結果、ピークは優先的に溶解される。ピークと凹所との間の差異は、電解質抵抗の増加と共に大きくなる。高抵抗性電解質及び低電解質温度は、ピークの電流と凹所の電流との差異の増大を望んでいる。温度低下は抵抗を増大する。
図3に示されたように、第3の又は物質移動制御された電流分布の場合、ピークからバルク溶液までの拡散距離(D)は、凹所からバルク溶液までの拡散距離(D)よりも短い。拡散限定電流がピークから離れて拡散する溶解金属イオン又はピークに拡散するアクセプターイオンのいずれかに基づくことは当業者にとって理解し得ることであるため、ピークでの金属溶解用拡散限定電流は、凹所での拡散限定電流よりも高い。その結果、ピークは優先的に溶解される。ピークと凹所との間の拡散限定電流分布の差異は、粘性溶液よりも高い。粘性溶液は、拡散工程を減速させる効果を有する。その結果、高粘性をもたらす高粘性電解質(例えば、約15〜30cP)及び低温(例えば、10〜30℃)は、ピークの電流と凹所の電流との差異を増大させる。電解研磨チタン:INCONEL(登録商標)(Specialty Metal社製)及びアルキレングリコールを基にしたステンレス鋼に用いられる高抵抗性電解質の一例は特許文献1に開示されている。
その結果、上記システムで用いられる電解研磨溶液は、非特許文献1に開示されたような低温における操作の場合、一般に高抵抗性(例えば、10〜20mS/cm)及び高粘性(例えば、約15〜30cP)溶液である。従来技術において公知な電解研磨溶液に追加の添加剤及び錯化剤がしばしば添加されることは当業者にとって理解し得るであろう。しかしながら、このような電解研磨溶液は、取り扱いが難しく、制御が困難であり、しばしば環境への懸念が存在する。
Zhouの特許文献2は、不動態化表面層を形成する金属及び合金の電解加工用パルス/パルス反転工程を開示している。開示された工程は、金属及び合金表面の電解成形又は電解研磨又は電解バリ取りに有用である。この開示された工程は、硝酸ナトリウム及び塩化ナトリウム等の塩類水溶液を利用する。開示全体は参照により内包される。
Taylorの特許文献3は、電解加工及び電解研磨用の連続パルス/パルス反転電気波形を備えた2ステップ電解工程を開示している。2ステップ工程は、表面粗さが大きく、その結果、拡散限界を表面輪郭にしたがわせ又は一致させる電解加工工程の開始段階、及び、表面隆起の除去により拡散限界が表面輪郭より大きい電解加工工程の後の段階を説明するように調節される。開示全体は参照により内包される。
ニオブ及びニオブ合金、(ニチノールとして知られているチタン−モリブデン合金、チタン−ニッケル合金のような)チタン及びチタン合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金、アルミニウム及びアルミニウム合金は、下地材料に強く結合される不動態化層を形成する傾向がある。例えば、ニオブ金属は、水のような酸素源の存在下で酸化不動態化層を形成し、酸化物不動態化層は、原子数個分の厚さであり、下地ニオブ金属に強く結合される。これらの強く結合された不動態化層は、除去するのが難しく、そのため、これらの金属及び合金は、電解処理工程に顕著な抵抗性を示す。
強く結合された不動態化層により形成された障害にもかかわらず、ニオブ及びニオブ合金のような金属の電解工程についての様々な技術が開発されている。高抵抗性及び高粘性の電解質に加えて、これらの技術では、一般に高電圧及び/又は電解質溶液中のフッ化水素が要求される。例えば、特許文献4は、水にHSO及びHFからなる電解質中でニオブ部品を電解研磨する方法を開示している。濃硫酸は抵抗性及び粘着性であり、凹所に対してピークで優先的に電解溶解される。このような電解質溶液中のフッ化水素は、酸化ニオブ不動態化層を溶解する特性により、長い間本質的な成分として見なされている。しかしながら、前述したように、これら金属中のフッ素の存在は、取り扱い、制御、使用者曝露及び処分の困難さと同様に、特に医療用途用の統合組織成長の立場から不利である。特許文献5は、有機溶媒及びフッ化物含有塩を基にしたニオブ及びニオブ合金、(ニチノールとして知られているチタン−モリブデン合金、チタン−ニッケル合金のような)チタン及びチタン合金、ジルコニウム及びジルコニウム合金、ハフニウム及びハフニウム合金、タンタル及びタンタル合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金を電解研磨する電解質を開示している。チタンを電解研磨する他のアプローチとしては、水の含有率が低い又は水を含まない硫酸及びアルコールを基にした電解溶液が含まれる(非特許文献2参照)。上記式1に示された反応をすすめる電解条件は、不動態化酸化物を形成させる下記反応もすすめる。
Figure 2013533381
非水又は最小含水電解質中で電解研磨することにより、これらの不動態化酸化物を形成する酸素源が削除される。しかしながら、低含水率の維持は新たな制御のチャレンジとなる。本発明の反転電流パルス条件を用いることにより、相当水が存在していたとしても、酸化物が電解研磨を阻害しないように、不動態化酸化物の層の形成を管理する手段が提供される。
非水又は低含水率電解質と同様に高粘性及び高抵抗性電解質の使用は、取り扱い、制御及び廃棄の多くの問題を生じる。フッ化水素の使用は、その高腐食性により様々な健康的及び環境的なチャレンジを生じ、これにより製造コストを増大させる。さらに、電解的に加工処理した加工物上に残留したフッ化水素は、特にこのような加工物が粒子促進剤及び外科用移植材料(例えば、ステント)に用いられる場合には、微量であっても、このような加工物を使用目的に不向きにさせる。
したがって、当業者は、ニオブ及びニオブ合金、(ニチノールとして知られているチタン−モリブデン合金、チタン−ニッケル合金のような)チタン及びチタン合金、ジルコニウム及びジルコニウム合金、ハフニウム及びハフニウム合金、タンタル及びタンタル合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金のような、強不動態化層を形成する傾向のある金属の電解加工に関して、高抵抗性及び高粘性電解質及び/又はフッ化水素含有電解質溶液及び非水又は最小含水電解質溶液の使用に代わるものを探し続ける。
米国特許第6,835,300号 米国特許第6,402,931号 米国特許第6,558,231号 米国特許第3,689,388号 米国特許出願第11/379,792号
D. Ward "Electropolishing" in Electroplating Handbook ed. L. Durney 4th edition pg. 108, Van Nostrand Reinhold, New York (1984) D. Landolt, P. Chauvy, and O. Zinger Electrochimica Acta 3185 - 3201 48(2003) A. Lozano-Morales, A. Bonifas, M. Inman, P. Miller and E.J. Taylor, J. Appl. Surf. Finish., 2 (3), 192-197 (2007) J.J. Sun, E. J. Taylor, R. Srinivasan, J. Materials Processing Technology, 1O8 356-368 (2001) L. Lilje, E. Kako, D. Kostin, A. Matheisen, W.-D Moller, D. Proch, D. Reschke, K. Saito, P. Schmuser, S. Simrock, T. Suzuki, and K. Twarowski, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A 524 1-12 (2004)
一態様においては、本発明の電解システムは、電解質溶液と、前記電解質溶液に接触した電極と、前記電極から離間して配置され、前記電解質溶液に接触した加工物と、前記電極に電気的に接続された第1電気リード及び前記加工物に電気的に接続された第2電気リードを有する電源とを備え、前記電源は前記電極と前記加工物との間に電流を通すように構成され、前記電流はアノードパルスとカソードパルスとからなり、前記カソードパルスは少なくともいくつかの前記アノードパルス間に挟まれる。電解質は、フッ化水素及び/又はフッ化物塩を含まないことが特徴である。一実施形態においては、電解質は濃度70重量%以下の硫酸水溶液である。ある実施形態においては、電解質中の含水量は、5重量%超であり、好ましくは10重量%超であり、より好ましくは20重量%超であり、さらに好ましくは70重量%超である。
本発明によれば、フッ化水素及び/又はフッ化物塩の必要性を除去し、これらの高い不動態化金属表面の仕上げにおける水素の効果を低減するために、電気的媒介アプローチが用いられる。電気的媒介工程は、環境に優しく、スピードと投下資本についての電解工程の利点を維持する。表面を研磨するために、加工物を横切る電解質の流速に応じて波形が選択される。表面粗さが低下し、微細粗さが低下するので、波形が要求に従って変化してもよい。
他の態様においては、本発明の電解加工方法は、任意で水性電解質溶液とし得るフッ化水素を含まない電解質溶液を加工物と電極との間で位置決めする工程と、加工物と電極との間に電流を通す工程を備え、前記電流はアノードパルスとカソードパルスとからなり、前記カソードパルスは少なくともいくつかの前記アノードパルス間に挟まれる。
他の態様においては、電解質溶液は、電解工程において発生する酸素気泡の放出を容易にするためにTriton-Xのような界面活性剤を含む。
本発明の電解加工システム及び方法の他の態様は、以下の記載、付随する図面及び付加された請求の範囲から明らかになるであろう。
電解研磨の概略図である。 抵抗性電解質を有する電解研磨の概略図である。 粘性電解質を有する電解研磨の概略図である。 本発明の電解加工システムの一実施形態の概略図である。 図4の電解加工システムに用いられるアノードパルス−カソードパルス波形のグラフである。 異なる電解質における金属の分極曲線の一例である。 異なる電解質におけるニオブの2種類の電極の分極曲線である。 (a)V=20V、(b)V=30V及び(c)V=40Vを用いた周囲温度(20℃以下)での31重量%のHSOの電解質における電解研磨後のNbの平均表面粗さに対するVの効果を示すグラフである。 =30V、V=8V、周波数=1000Hz、D/D=10%/90%及び異なるRaを用いた室温での31重量%のHSOの電解質における電解研磨後のNbの平均表面粗さに対する時間の効果を示すグラフである。
ここで用いられているように、「電解加工」は、除去の程度にかかわらず加工物からの材料の除去を含むいずれの電解処理をも広く含む。例えば、電解加工には、電解研磨、電解エッチング、電解マスクエッチング、電解成形、電解バリ取り等が含まれる。
ここで用いられているように、「フッ化水素を含まない」は、フッ化水素と同様に、フッ化物及び塩を本質的に含まないよう明確に述べられた電解質を含む。
ここでは、他の金属及び金属合金と同様に、不動態化層に強く結合する傾向のある他の金属及び金属合金を含むニオブ及びニオブ合金を電解加工するために、アノードパルス−カソードパルス波形とともに用いられる電解質溶液が開示されている。例えば、開示された電解質溶液は、ニオブ及びニオブ合金、(ニチノールとして知られているチタン−モリブデン合金、チタン−ニッケル合金のような)チタン及びチタン合金、ジルコニウム及びジルコニウム合金、ハフニウム及びハフニウム合金、タンタル及びタンタル合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金を電解加工するために、アノードパルス−カソードパルス波形とともに用いられる。他の実施形態においては、この工程は、血管及び他のステントのような医療用途に用いられるタイプのコバルト−クロム合金を研磨するために用いられる。
一実施形態において開示されたフッ化水素を含まない電解質溶液は、約1〜15cP又は約1〜8cP又は約1〜4cPの粘度のような低粘度を有する電解質であってもよい。特定の実施形態においては、低濃度、例えば約1〜70重量%、好ましくは約15〜40重量%、より好ましくは約20〜40重量%の濃度の硫酸を含む水溶液であってもよい。本発明の他の実施形態においては、硫酸/クロム酸/リン酸、リン酸/クロム酸、リン酸/硫酸、リン酸、リン酸/硫酸/クロム酸、リン酸/硫酸/塩酸、硫酸/グリコール酸、リン酸/硫酸、硫酸/クロム酸、硫酸等の組み合わせのような他の酸、フッ化水素、フッ化物及び塩を含まない電解質を用いてもよい。一般に、200mS/cm超又は400mS/cm超又は600mS/cm超又は800mS/cm超のような高伝導性を有する電解質を選択することが望まれる。
本発明の一実施形態においては、上記のような相当な水を含む水性電解質を用いてもよい。しかしながら、他の実施において、含水率15%未満、10%未満又は5%未満の非水又は最小含水電解質を用いてもよい。含水電解質を用いると、下記式にしたがって酸素が発生する。
Figure 2013533381
界面活性剤の添加により電解研磨が容易になることが見出される。この理由の1つは、界面活性剤が、電解質の攪拌による拡散工程を妨害しない小さな気泡の形成を促進するためである。この目的のためには、Rohm及びHaasの生成物であるTriton X(ポリエチレングリコールp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルエーテル)のような従来の界面活性剤を従来の量で用いることができる。
図4を参照すると、一般に符号200で示された開示された電解加工システムの特定の一実施形態は、タンク204及びカバー208により定義された作業チャンバー202、電解質保持タンク222、導管218、ポンプ220、電極304、加工物302、電源228及び開示された電解質溶液を備えている。作業チャンバー202は、重力配水管206を介して電解質保持タンク222と流体連通状態である。フィルタ224は、作業チャンバー202から電解質保持タンク222まで流れる電解質溶液を濾過するために排水管206に連結される。作業チャンバー202は、導管218を介して電解質保持タンク222と流体連通状態としてもよく、ポンプ220は、矢印234により示されているように、電解質保持タンク222から作業チャンバー202まで電解質溶液を送り出す。
作業チャンバー202内においては、電解質保持タンク222内に電解質保持を排出させるためにタンク204の壁及び底から十分に離間させて、加工物ホルダー210がタンク204の底付近に設置されている。加工物202は、加工物ホルダー210上に支持され、電源228の第1電気リード230に接続される。
加工物302は、電解加工され得るいずれかの装置又は物であってもよい。一実施形態においては、加工物は医療用ステントであってもよい。他の実施形態においては、加工物は線形粒子加速器の構成部品であるRF超伝導空洞であってもよい。第1表現においては、加工物26は、金属又は金属合金から形成されあるいは金属又は金属合金を含むいずれかの機械又は物であってもよい。第2表現においては、加工物は、強く結合された不動態化層を形成する金属又は金属合金から形成されあるいはこの金属又は金属合金を含むいずれかの機械又は物であってもよい。強く結合された不動態化層を形成する金属の例としては、ニオブ、チタン及びタンタルが挙げられる。第3表現においては、ニオブ又はニオブ合金から形成されあるいはニオブ又はニオブ合金を含むいずれかの装置であってもよい。例えば、加工物は、粒子加速器におけるRF超伝導空洞を定義するニオブ構造体又はニオブ構造体の一部であってもよい。第4表現においては、加工物は、チタン又はチタン合金から形成されあるいはチタン又はチタン合金を含むいずれかの機械又は物であってもよい。例えば、加工物は、抵抗性材料で被覆されたニチノール管であってもよい。抵抗性材料は、電解加工後に外科用ステントを定義するように作られる。他の表現においては、加工物は、コバルト−クロム合金から形成されあるいはコバルト−クロム合金を含むいずれかの装置であってもよい。
電極ホルダー214は作業チャンバー内の加工物ホルダー210の上方に配置される。電極ホルダー214は導管218を介して電解質溶液を供給できる。電極304は、電源228の第2電気リード232(第1電気リード302とは反対の極性)に接続され、電極ホルダー214が電極移送コントローラ226の制御下で垂直軸方向に電極304を移動するように、電極ホルダー214により支持されている。
特定の一態様においては、電極304は中央穴を備え、電極は304、電極304の中央穴が加工物302に向けられるように、電極ホルダー214に接続される。電解工程の間に、電解質溶液は、導管218を介して電解質保持タンク222から電極ホルダー214に、そして、最終的に電極304までポンプ22により送り込まれる。ここでは、電解質溶液の流速はEとした。電解質溶液は、電極304の中央穴を通して流れ、配水管206を介して電解質保持タンク222に戻る前に電極304と加工物302との間に入り込む。電源228は、開示されたアノードパルス−カソードパルス波形にしたがって、第1及び第2電気リード230,232を介して加工物302及び電極304に電流を供給する。
加工中の電極と加工物302との間の間隔は、最適化パラメータとみなされ、電解質溶液の組成や実施される電解加工工程のタイプ等に依存する。例えば、電極と加工物との間の間隔は、約0.5〜20mm又は電解成形工程においては特に0.5〜10mm、電解研磨工程においては約5〜12mm及び電解バリ取り工程においては約5〜50mmの範囲である。
図5(A)に示されているように、一般に符号50で示されたアノードパルス−カソードパルス波形は、複数のアノードパルス52と複数のカソードパルス54を含む。特定の一実施形態は図5(B)に示されている。
波形の期間Tは、アノード通電時間t、カソード通電時間t、緩和期間t及び中間期間tの合計(T=t+t+t+t)である。波形の期間Tの逆数(1/T)は波形の周波数fである。期間Tに対するアノード通電時間tの比率(t/T)はアノード負荷サイクルDであり、期間Tに対するカソード通電時間tの比率(t/T)はカソード負荷サイクルDである。アノード通電時間t及びカソード通電時間tの電流密度(すなわち、電極の単位面積あたりの電流)は、それぞれアノードピークパルス電流密度及びカソードピークパルス電流密度とする。アノード電化移送密度Qはアノード電流密度I及びアノード通電時間tの積(I)であり、カソード電化移送密度Qはカソード電流密度I及びカソード通電時間tの積(I)である。
アノードパルス−カソードパルス波形の第1表現においては、アノードピーク電流Iは約2〜6A/cmの範囲であり、カソードピーク電流Iは約8〜15A/cmの範囲である。
一実施形態においては、アノードパルスの電圧及び通電時間は、カソード負荷サイクルの間には効果的に除去されない不動態化層厚さを上記式2により累積することなく、表面における微小ピークから金属を除去するために上記式1により調整される。したがって、アノード電圧及び通電時間は、カソードパルスにより除去される不動態化酸化物の総量のみを生成ながら、微小ピーク上の金属を酸化するために調整される。不動態化酸化物層が除去されないと、これが研磨を妨げ又は終了させる。適切な条件は金属の性質に応じて変化する。一実施形態においては、比較的短いアノードパルスtは典型的に約0.01〜100ms、好ましくは約0.05〜10msであり、アノード負荷サイクルは約1〜60%又は約5〜60%、好ましくは約1〜40%又は約10〜40%である。カソードパルスtは約0.01〜900ms、好ましくは約0.1又は0.5〜90msのパルス幅を有し、負荷サイクルは約40〜99又は約95%、好ましくは約60〜99又は90%である。緩和期間tは約0〜600msの範囲であり、中間オフ期間tは約0〜1000msの範囲である。波形50の周波数fは約1〜5000Hz、好ましくは約10〜2000Hz、より好ましくは約100〜2000Hz又は約100〜1000Hzの範囲である。
この点では、加工物から均一に金属を除去するようパルス波形50のパラメータが選択され、加工物の適合性をより正確にすることは、当業者は理解するであろう。また、加工物表面で発生された水素を低減又はアノードで消費するためあるいは不均一な酸化物膜の効果を排除するために、場が実施される。アノードピーク電流I、アノード通電時間t、カソードピーク電流I、カソード通電時間t、緩和期間t及び中間オフ期間tは、これらの目的を達成するために、加工物26の組成、電極の組成、電解質溶液の組成、実施される電解加工工程のタイプ等に応じて変化される。さらに、電圧及び電流は開示されたシステム及び方法の状況下で比例するため、図2の縦座標は電圧を制御するために一般に実務上より便利であるが、電流又は電圧のいずれかを意味することは、当業者は理解するであろう。さらに、必要な波形50は示されているように長方形ではない。アノードパルス及びカソードパルスはいずれかの電圧時間(又は電流時間)を有する。長方形パルスは単に単純さのためであると推測される。また、パルス列の初期点として選択される時点が完全に任意であることは、当業者は認識するであろう。アノード初期パルスによる表現は、議論における単純さのために導入される。一実施形態によれば、カソード電圧は約4〜40ボルト又は約4〜15ボルト又は約8〜35ボルト又は約6〜12ボルトであり、一実施形態においては、約35ボルトである。これは、4ボルト以下のカソード電圧が満足される強不動態化金属から加工物が形成されない工程とは対照的である。カソード電圧は表面を非不動態化するのに用いられ、カソード電圧が4ボルト超であることが必要である強不動態化材料のためには、当業者は、所望の電解溶解、すなわちエッチング及び/又は研磨に要求されるアノード電圧を測定することができる。
開示された工程は、医療用ステントの研磨に特に有用である。このようなステントは、ニッケル−チタン形状記憶合金のような強不動態化金属の管からしばしばレーザー切断される。この工程は、ステントが移植される前に除去されなければならないバリ及び他の欠陥をしばしば取り除く熱的損傷を付与する。従来の電解研磨は、工程に起因して不安定性が電解研磨ステントの高棄却率をもたらす硫酸−リン酸研磨溶液をしばしば用いる。
いずれかの特定の理論に限定されることなく、アノードパルス間のカソードパルスの導入は、発生期の酸素をカソードで消費する又は酸化膜をカソードで低減する効果を有し、これにより、不均一な酸化膜の形成に起因して不利な効果を低減又は除去すると考えられる。その結果、次のアノードパルスが負荷されると、形成されたいずれかの不動態化層がより容易に破壊され、そのため、下地金属の腐食性に耐性を有する傾向のある不動態化の局所的な島を形成しない。
純度99.9%のニオブ箔(Figure 131)をペンシルバニア州オークデールのGood Fellow社から入手し、電解研磨研究に用いるために、2種類の異なるサイズの試験片に切り分けた。最終的な試験片のサイズは、1)25.4mm×25.4mm×3mm及び2)30mm×10mm×3mmとした。
簡単で効率的でありコスト効果の高いスクリーニング法としては、分極曲線が候補電解質を選択するのに用いられる。図6において、曲線1は活性金属の挙動を示しており、曲線2は不動態化金属の挙動を示している。電場が印加される前に、電解質中に浸された金属アノードは安定状態の電圧(Ess)を有する。電力が印加されると、電極電圧はEssからEab(破壊電圧)へ正方向にシフトする。Eabを超えると、アノード(AB領域)上に生じる溶解反応により、電流密度が急激に上昇する。金属原子が金属イオンと活性アニオンを有する化合物とを形成し、電解質中を通過する(BC領域)に限界電流密度Ilimが到達すると、アノード金属の溶解速度の上昇が停止する。限界電流密度Ilim及びΔEに対するΔIの比率(分極曲線上のABの傾き)は、それぞれ金属溶解速度及び電解質中の電流効率と定義される。BC領域においては、電流密度は、一定を維持し(曲線1)、又は、金属イオンの除去割合を制限する物質移動現象を示す低い値に落下する(曲線2)。金属溶解物の溶解度が限界に達し、電極表面上に遊離析出物又は不動態化膜が形成される。金属溶解が不動態化電極内で行われると、不動態化膜が電極内を通過する金属イオンより早く成長し、その結果、電流密度が低い値に低下する(曲線2)。一般に、反応生成物の溶解度の低下による電解質濃度の上昇にともない、限界電流密度は減少する。限界電流は拡散に著しく関与するため、パルス/パルス反転工程において、電解質流速の上昇により限界電流が増大される。アノード電圧が分極曲線のCD領域まで上昇すると、高電圧が不動態化膜及び析出物を破壊又は除去し、電流密度を上昇する金属のイオン化速度を上昇させる。
異なる電解質中の金属光沢度及び平滑度は、エッチング工程における電解質の効果についての情報を提供する分極化試験から直接観測される。分極曲線のAB領域において、金属は腐食される。表面上の様々な微視的領域の異なる溶解速度に起因して、金属表面粗さは高い。高アノード電圧(BC領域)では、曲線1の場合と同様に、金属表面は平滑化され又は均一に研磨される。アノード電圧がCD領域に達すると、高電圧での金属溶解は、(微細線、線条、孔のような)微細欠陥を有する研磨表面を生じさせる。最適な分極曲線は、(1)低破壊電圧(Eab)を示し、(2)ΔI/ΔEの高い比率を有し、(3)平滑かつ光沢のある表面を提供する。
パルス/パルス反転工程によりNb試験片を研磨し得る電解質を選択するために、DC分極研究が行われた。異なる電極タイプ及び濃度のNbの電解活性(例えば、総電流密度)の研究のために、25.4mm×25.4mm×3mmのNb試験片上で、2電極DC分極の研究が行われた。カソードとして白金被覆Nbメッシュを用いた。全ての分極曲線実験は室温(20℃以下)で行われた。この研究のために、Tec Nuパワーサプライ(Model SPR-300/10048-3)を用いた。毎分5ボルトの上昇率でセル電圧を上昇させた。FLUKE 196C Scopemeterカラーシステム上に記録されたオシロスコープ結果から総電流密度を計測した。
図7は、組成が200及び300g/Lの塩化ナトリウム(NaCl)、31重量%の硫酸(HSO)、200g/Lの臭化ナトリウム(NaBr)、50g/Lのフッ化ナトリウム(NaF)及び21重量%のリン酸(HPO)である異なる電解質中のNb気質の電解活性を要約している。全ての場合において、Nbの破壊は観測されなかった。測定された電流は水酸化(2HO→O+2H+2e)及びNbアニオン化に関連すると推測される。70Vまでの電圧で観測された最高及び最低の総電流密度は、それぞれ31重量%のHSO及び50g/LのNaF中であった。
このデータはNb酸化膜の強靱性を示しており、DC分極研究はフッ化水素を使用せずに酸化膜を破壊するために要求される条件に光明を与えることはできなかった。Nbの電解研磨にパルス/パルス反転波形の有効性を試験するために、図4に示されたような可変流量の電解セルを用いた。従来技術に記載されているように、可変流量チャンネルセルは、不動態化金属及び合金の金属除去を好適に行うために用いられる(非特許文献3及び4)。電解液流の利点は、Nbイオン、熱及び(水電解から生じる酸素及び水素に主に起因する)気泡のような不要な副産物を電解研磨する基材の表面から除去することである。
従来技術において報告されているように、300g/LのNaClの電解質は、合金を基にしたニッケル及びステンレス鋼のような異なる不動態化材料をパルス/パルス反転電解研磨するために好適に用いられており、そのため、最初にNbの電解活性を研究するために用いられた。実験の最初の設計は、MINITAB(登録商標)と呼ばれる統計的ソフトウエアを用いて開発された。周波数、負荷サイクル及び逆(カソード)電圧を3種類のレベルで変化させた。3種類の異なる周波数は、3種類の異なる順(アノード)負荷サイクル(D=10、50及び90%)及び3種類の異なる逆電圧(V=2、4及び8V)で10、100及び1000Hzに変化させた。アノードと同サイズのNb試験片をカソードとして用いた。周囲温度(20℃以下)の全ての実験において、電解質粘度を12m/sに一定に維持し、48Vの順(アノード)電圧(V)を用いた。電解質温度は制御しなかった。各場合の総実施時間は10分間であった。
300g/LのNaCL中では、均一なエッチングは達成されなかったが、電解液流がセルを出入りするようなNb破壊の証拠が試験片端部で見られた。電解活性を示す酸化物も表面上で形成された。これらの酸化物は、スコッチブライトパッド、石けん及び水を用いて除去可能な程度で、強靱ではなかった。しかしながら、高電解液流及び極めて僅かな電極ギャップは、現実的に適応されそうではない。
31重量%のHSOにおける最初の実験においては、一定のパラメータは、電解質粘度(E)=0.4m/s、V=20V、V=8V、実施時間=10分間、アノードからカソードまでの距離=5mm、及び、周囲温度(20℃以下)であった。低流量チャンネルセルは温度制御機構を内蔵していなかったので、電解質温度は開始時の20℃から実験終了時の約27℃まで上昇した。従来の電解研磨においては、Nb基材上にエッチング孔を生じさせないために、温度を約40℃を超えることは避けなければならない(非特許文献5)。実験の設計はMINITAB(登録商標)を用いて行った。2種類の異なる負荷サイクル(D=10及び90%)(表1参照)、総実験回数3回で、2種類の異なる周波数(10及び100Hz)を用いた。
Figure 2013533381
実施1では、エッチングの証拠が全く示されなかった。基材上に形成されたNb酸化物層を意味する異なる色が観測された。実施2では、フッ化水素を含まない電解質中でNb基材が均一に電解エッチングされたことを示唆するいくつかのエッチング度が示された。実施3でも、実施2と比べてかなり低いが、いくつかのエッチング度が示された。
これらの予備的な結果に基づき、実施2で用いられたパルス/パルス反転波形をさらに調査した。具体的には、10分間に代えて37分間試験片を電解研磨したが、実施2と同じ波形パラメータを用いた。2.7μm/minの平均除去率で面積約161mm2の試験片から好適にNbの100μmを均一に除去した。
Nb電解研磨実施の上でVを20Vから30Vや40Vに上昇させる効果を研究した。全ての場合において、他のパルス/パルス反転工程パラメータを一定:V=8V、周波数=1000Hz、D/D=10%/90%に維持した。図8は、最終的なNb表面上のアノードピーク電圧の効果を要約している。20Vで最終的な表面粗さを観測した。Vが30Vまで上昇すると、Nbの最終的な表面が1.38μmから0.29μmまで落下した。40Vで、最終的なNb表面が再び荒れ始め、表面変色が観測された。
異なるRaでの電解研磨時間を調べることにより、最終的な表面粗さRaに対するNbの最初の表面粗さRaの効果も研究した。図9は、Ra=0.56μm(実施4)及びRa=1.53μm(実施5)の31重量%のHSOの電解質中で電解研磨した後のNb試験片の平均表面粗さに対する時間の効果を比較している。高い最初の表面粗さでは、10分後のRaに1.53μmから0.85μm以下に顕著な低下があった。その後、60分までの電解研磨時間を増加することにより、RaはさらにRa0.33μmまで低下した。さらに50分後は、最終的な表面の低下は生じなかった。
したがって、本発明のアノードパルス−カソードパルス波形を有する電解質溶液を用いる電解加工システム及び方法は、他の金属及び合金と同様に、フッ化水素のようなフッ化物又は塩を必要とすることなくニオブ及びニオブ合金の加工に用いてもよい。
本発明のニオブ及び他の金属を加工する電解システム及び方法は様々な態様が見られ、記載されているが、本発明の詳細を読むことにより当業者が改良してもよい。本発明は、このような改良を含んでおり、請求の範囲によってのみ限定されている。

Claims (28)

  1. フッ化水素を含まない電解質溶液と、
    前記電解質溶液に接触した電極と、
    前記電極から離間して配置され、前記電解質溶液に接触した加工物と、
    前記電極と前記加工物との間に電流を通すように構成された電源とを備え、
    前記電流は複数のアノードパルスと複数のカソードパルスとからなり、前記カソードパルスは少なくともいくつかの前記アノードパルス間に挟まれることを特徴とする電解加工システム。
  2. 前記電解溶液は、粘度が15cp未満であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記電解溶液は、水性電解溶液であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 前記電解溶液は、少なくとも10%の水を含むことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
  5. 前記電解溶液は、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
  6. 前記電解溶液は、伝導度が約200mS/cm超であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  7. 前記電解溶液は、フッ化物又は塩を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  8. 前記カソードパルス電圧は、4V超であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  9. 前記加工物は、ニオブ及びニオブ合金、チタン及びチタン合金、ジルコニウム及びジルコニウム合金、ハフニウム及びハフニウム合金、タンタル及びタンタル合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金、アルミニウム及びアルミニウム合金、並びに、コバルト−クロム合金の一群から選択された金属から形成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  10. 前記加工物は、チタン−モリブデン合金を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  11. 前記加工物は、ニッケル−チタン合金を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  12. 前記電解溶液は、硫酸を約1〜70重量%含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  13. 前記電解溶液は、硫酸を約20〜40重量%含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  14. 加工物と電極との間に、硫酸水溶液を含み、フッ化水素を含まない電解溶液を配置する工程と、
    前記加工物と前記電極との間に電流を通す工程とを備え、
    前記電流は複数のアノードパルスと複数のカソードパルスとからなり、前記カソードパルスは少なくともいくつかの前記アノードパルス間に挟まれることを特徴とする加工物を電解加工する方法。
  15. 前記電解溶液は、粘度が15cp未満であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記電解溶液は、粘度が4cp未満であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 前記電解溶液は、伝導度が約200mS/cm超であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記アノードパルスの電圧及び通電時間は、不動態化金属酸化物の厚さが、カソードパルスにより効果的に除去される程度に形成されるように限定しつつ、加工物を研磨するように調整されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  19. 前記電解溶液は、フッ化物又は塩を実質的に含まないことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  20. 前記カソードパルス電圧は、4V超であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 前記電解溶液は、水性電解溶液であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. 前記加工物は、ニオブ及びニオブ合金、チタン及びチタン合金、ジルコニウム及びジルコニウム合金、ハフニウム及びハフニウム合金、タンタル及びタンタル合金、モリブデン及びモリブデン合金、タングステン及びタングステン合金、並びに、コバルト−クロム合金の一群から選択された金属から形成されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  23. 前記加工物は、チタン−モリブデン合金を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  24. 前記加工物は、ニッケル−チタン合金を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  25. 前記電解溶液は、少なくとも10%の水を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
  26. 前記電解溶液は、硫酸を約1〜70重量%含むことを特徴とする請求項25に記載の方法。
  27. 前記電解溶液は、硫酸を約20〜40重量%含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
  28. 前記電解溶液は、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項25に記載の方法。
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