JP4868020B2 - アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム - Google Patents

アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム Download PDF

Info

Publication number
JP4868020B2
JP4868020B2 JP2009096227A JP2009096227A JP4868020B2 JP 4868020 B2 JP4868020 B2 JP 4868020B2 JP 2009096227 A JP2009096227 A JP 2009096227A JP 2009096227 A JP2009096227 A JP 2009096227A JP 4868020 B2 JP4868020 B2 JP 4868020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
film
anodizing
anodized
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009096227A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010168642A (ja
Inventor
聖二 天草
哲義 内藤
功寛 立岩
晋治 倉野
光一 横山
孝信 岩出
裕司 大見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009096227A priority Critical patent/JP4868020B2/ja
Priority to US12/655,142 priority patent/US8691403B2/en
Priority to KR1020090130847A priority patent/KR101207708B1/ko
Publication of JP2010168642A publication Critical patent/JP2010168642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4868020B2 publication Critical patent/JP4868020B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • C25D11/06Anodisation of aluminium or alloys based thereon characterised by the electrolytes used
    • C25D11/10Anodisation of aluminium or alloys based thereon characterised by the electrolytes used containing organic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/12Process control or regulation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被処理物を電解液中で陽極酸化してアルマイト皮膜を形成するアルミニウムの陽極酸化方法に関するものである。さらに、本発明は、そのような陽極酸化方法による陽極酸化アルミニウムの製造方法、およびそれによって得られる陽極酸化アルミニウムに関するものである。
近年、家電業界や自動車業界等の幅広い業界において、アルミニウムの需要が増大して来ている。このことは、アルミニウムが、軽量、高加工性(高展伸性・高鍛造性)、高熱電導性等の優れた特性を有することに起因している。但し、アルミニウムは、そのままの状態では柔らかくて実用に適さないので、アルミニウムを素材として作製された物品の表面を陽極酸化して硬度、耐食性、耐摩耗性、密着性、均一性、着色性などに優れた陽極酸化皮膜を形成することが、広く行われている。得られるアルミニウムの陽極酸化皮膜は、一般的には「アルマイト皮膜」と呼ばれている。
アルミニウムに陽極酸化皮膜を形成する方法としては、酸性浴もしくはアルカリ性浴中で電解を行う方法が一般的に知られている。中でも、硫酸浴を用いた方法は最も多用されている方法であり、硫酸浴により作製した皮膜は、高い耐食性及び耐摩耗性を示すだけでなく、低コストで作製することが可能であるという利点も有する。尚、それ以外の酸性浴として、シュウ酸浴、クロム酸浴、燐酸浴等が知られている。
アルマイト処理は、硫酸やシュウ酸などの電解液中で被処理物を陽極にして通電することで、被処理物表面を、以下の反応式
2Al3+ + 3O2- → Al23 (アルマイト皮膜)
に従って、ジュール熱の発生を伴いながら酸化させ、深さ方向に、Al23 皮膜(アルマイト皮膜)を生成するものである。即ち、図1に示すように、この際被処理物1におけるアルマイト皮膜2は処理面3において体積膨張を示すため、無処理面4に対し、上下に成長した皮膜となる。また、被処理物10に出来る皮膜は、通常図2に示すように細孔11と呼ばれる孔の空いた、セル径12を有するセル形状を持つ多孔質層13とその下のバリヤー層14からなる構造を示す。
これまでの陽極酸化は、例えば硫酸浴を使用して2.5μm程度のアルマイト皮膜を形成させるのにおよそ1時間もの長い処理時間を要しており、その改善が強く望まれていた。
アルマイト皮膜を形成するための陽極酸化の処理時間を短縮しようとする試みが、特許文献1に見られる。即ち、特許文献1には、アルミニウム合金からなる被処理部材の表面を高速アルマイト処理して被処理部材の表面に酸化被膜を形成する高速アルマイト処理方法において、被処理部材の表面に酸化被膜を形成しながらその酸化被膜の表面を平坦にするように加工することを特徴とする高速アルマイト処理方法が開示されている。しかしながら、かかるアルマイト処理方法では、陰極に被処理部材に形成された酸化被膜の表面を平坦にするための加工部が必要であって、更なる改良が望まれる。
また、特許文献2には、一対のパルス電流発生回路を備え、正,負個別に直流電流を可変制御して、負荷回路に高周波パルス電流を供給し、高速、高密度で陽極に酸化膜を形成する陽極酸化用電源装置が開示されており、特許文献3には、パルス電圧不印加時に陽極酸化用陽極と陽極酸化用陰極とを短絡することを特徴とするアルミニウム合金陽極酸化方法が開示されており、特許文献4には、電解電圧が最小値を示す周波数において陽極酸化を行うことを特徴とするアルミニウム合金陽極酸化方法が開示されており、さらに特許文献5には、条件入力手段部と陽極酸化の進行に伴う電解電圧又は電解電流密度の変化に応じパルスの波形及びパルスのデュティを制御する制御手段部と電源部とを備えていることを特徴とするアルミニウム合金陽極酸化用電源システムが開示されている。
また、特許文献6には、被処理物であるアルミニウム材又はアルミニウム合金材を処理浴中に浸漬し、200〜5000Hzの高周波電流を通電することによって、被処理物に陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金材の陽極酸化処理方法が開示されており、より具体的には、例えば、処理浴の濃度は、硫酸浴では3〜30%、蓚酸浴では1〜5%が好ましく、処理浴の温度は、硫酸浴では−5〜40℃、蓚酸浴では10〜60℃が好ましいことが記載されている。
また、特許文献7には、膜厚が150μm以上の厚い陽極酸化皮膜を有するアルミニウム材、及びアルミニウム材の高速陽極酸化皮膜形成方法が開示されており、その高速陽極酸化皮膜形成方法として、電解を、直流電流に交流電流を重畳させて印加し、経時的に電流密度を制御することにより行うことを特徴とするアルミニウム材の陽極酸化皮膜形成方法が開示されている。より具体的には、電解時において、基底電流密度を0.5〜20A/dm2の範囲で、振幅を0.5〜15A/dm2の範囲で夫々変化させること、酸性浴が硫酸浴またはシュウ酸浴であることが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献2〜7に記載される陽極酸化処理方法では、例えば正,負個別に直流電流を可変制御して、負荷回路に高周波パルス電流を供給するなどの特別の装置を要する等の問題点がある。
また、シュウ酸浴を使用するアルミニウムの陽極酸化に関しては、特許文献8に、基板となるアルミニウム合金板を、アルカリ溶液で処理し、続いて酸溶液で処理し、その表面状態を比表面積増加率が3〜30%であるようにし、ついで陽極酸化処理を施し、さらにその基板の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂を積層してなる熱可塑性樹脂被覆アルミニウム合金板を製造する方法において、酸処理後のアルミニウム合金板を、主成分として、10〜100g/Lの硫酸、リン酸、カルボン酸およびオキシカルボン酸の中から選ばれた1種または2種以上含む酸性溶液を用いて、温度30〜80℃、電流密度2.5〜50A/dm2の条件で陽極酸化処理する方法が開示されており、より具体的には、陽極酸化処理により形成される酸化皮膜の厚さが2〜10nmであり、カルボン酸がシュウ酸又は酢酸であることが記載されている。
また、特許文献9には、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材の表面に陽極酸化皮膜を生成せしめるアルミニウム材の表面処理方法であり、シュウ酸溶液からなる電解浴中最終電圧100〜550Vの条件で陽極酸化処理を行い、次いで雰囲気温度100〜300℃で15〜300分間の加熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム材の表面処理方法が開示され、さらに、陽極酸化処理において、電解浴のシュウ酸濃度5〜80g/L、浴温度0〜15℃、及び電流密度2〜10A/dm2から選ばれた1つ又は2つ以上の条件が採用されることが記載されている。
また、特許文献10には、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム基材を電解液に浸漬して通電する陽極酸化処理工程と、アルミニウム基材を加圧水蒸気又は95℃以上の高温水を用いて封孔する封孔処理工程とを有する表面処理アルミニウム材製造方法において、電解液の溶存アルミニウム濃度が0〜5g/Lであることを特徴とする表面処理アルミニウム材製造方法が開示され、さらに、電解液はシュウ酸、リンゴ酸、メロン酸、マロン酸又は酒石酸のうちいずれか1の酸又はこれらの混合酸を10〜50g/L含有すること、電解液の温度が5〜20℃であることが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献8〜10に記載される電解液にシュウ酸を用いた陽極酸化処理方法では、2.5μm程度のアルマイト皮膜を形成させる際の陽極酸化処理時間の短縮化が困難であって、更なる改良が必要とされる。
また、特許文献11には、電解液中で長尺のアルミニウム又はその合金製の帯状物を走行させるとともに、電解液中に設けた電極で帯状物に通電させて陽極酸化する方法において、電解液を少なくとも流速200mm/秒で流すことを特徴とする平版印刷版用支持体の陽極酸化方法が開示されている。
また、特許文献12には、陽極回路に電流分配抵抗を設け、電解液を均一に流量分配して回転噴射盤のスリット吐出口から陽極の被処理物表面に均一に噴射させる構成としたことを特徴とするアルミニウムまたはアルミニウム合金の陽極酸化処理装置が記載されている。
また、特許文献13には、被処理物に対する電解浴流速を30cm/秒以上、300cm/秒以下に規制した電解浴循環攪拌の流速管理下において所定の初期電流密度を低減制御して被処理物に陽極酸化を施すことを特徴とするアルミニウムの高速陽極酸化方法が記載されている。
また、特許文献14には、吐出口から噴出された電解液が、電解槽内で被処理部材の周囲を回転しながら流され、その後、電解槽から排出され、この排出された電解液が吐出口に戻される循環操作を行いながら、通電して被処理部材に陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム合金の表面処理方法が記載されている。
また、特許文献15には、電解槽に被処理部材の断面形状よりも若干大きな形状の開口穴を設け、陽極酸化皮膜が形成される被処理部材の被処理部位が電解槽の内部に位置するように被処理部材を開口穴に挿通させることにより、被処理部材における被処理部位と他の部位との境界で、開口穴と被処理部材との隙間が形成され、電解槽の外部に配置されたエアー吐出口より被処理部材の外周面の全方向から被処理部材の境界にエアーを吹き付け、電解槽の内部より隙間から流出した電解液を除去させるようにしたことを特徴とするアルミニウム合金の陽極酸化処理方法が記載されている。
また、特許文献16には、被処理部材中空部の開口部を塞ぐシール部材と、この中空部に配置する電極とを備え、電極は中空体からなり、電極の中空室から内面部に向けた概ね接線方向斜めに電解液吐出口を備えていることを特徴とする陽極酸化処理装置が記載されている。
また、特許文献17には、側周面にリング状の凹部を持つ金属製の被処理物に電流を通電する第1電極部と、電解液通路を備え、被処理物の側周面を囲う内周面を有し、内周面に電解液通路に連通し凹部と対向する吐出孔を有する第2電極部と、電解液通路に電解液を供給し、電解液を吐出孔から凹部に向かって噴出する電解液供給手段と、第1電極部と第2電極部とに電圧を印加する通電手段と、を有することを特徴とする陽極酸化処理装置が記載されている。
しかしながら、これらの特許文献11〜17に記載される方法では、高速な液流を発生させる装置が必要であったり、均一な液流を与えるノズル等が必要であり、装置が複雑化し、単純な処理槽では処理できないため、更なる改良が必要とされる。
アルマイト処理を高速化するためには、一般に電流密度を高くする必要があり、電流密度を高くすると被処理物表面での発熱も高くなるため、液攪拌やエアレーション等を強化して、被処理物表面温度を下げるのが一般的である。但し、複雑形状の部品の表面を液流やエアレーション等で均一に冷却する事は困難であり、特に発熱の大きいシュウ酸浴では、表面温度バラツキが生じ、温度の高い部分が厚く、冷えた部分が薄くなり、膜厚ばらつきが大きくなる。そして極端な場合には、液流の反対側の皮膜の成長が激しくなり、発熱しすぎこげた状態になる。
特開平7−90688号公報 特開2005−304197号公報 特開2007−154300号公報 特開2007−154301号公報 特開2007−154302号公報 特開2004−35930号公報 特開2007−204831号公報 WO97/35716号公報 特開2003−328187号公報 特開2005−29891号公報 特開平5−24377号公報 特開平9−217200号公報 特開平11−236696号公報 特開2004−43873号公報 特開2005−68458号公報 特開2005−314751号公報 特開2006−336050号公報
アルマイト皮膜の成膜速度は下記式で示され、成膜の高速化を図るためには、皮膜生成係数の高い処理液を用い、電流密度を高くすれば良いと推定されるが、平均表面粗度(以下「表面粗度」とも言う)の悪化などが懸念されるため、その最適解を見出す必要がある。
皮膜厚さ(μm)=K(皮膜生成係数)× 電流密度(A/dm2)× 電解時間(分)
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、特に、2.5μm程度の厚さを有し、所定の表面粗度および所定の硬度を有するアルマイト皮膜を形成させるための陽極酸化方法において、その陽極酸化処理時間が大幅に短縮された陽極酸化方法を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記の課題に対して、例えばアルミニウム合金中でSiの多い部位では電流が流れにくく、低電流密度で処理したときは生成されたアルマイト皮膜が抵抗となり次の瞬間アルマイト皮膜の薄いところに電流が流れて比較的均一になるが、高電流密度では局部的な厚膜化が進むと推定され、その傾向が顕著であると考えられるアルマイト成膜速度の速い硫酸浴の代わりに、アルマイト成膜速度の遅いシュウ酸浴を用いれば、出来たアルマイト皮膜の抵抗値が大きくなったときに、皮膜の薄いところの反応が進み比較的均一な皮膜が形成出来ることを期待して、陽極酸化処理において、アルマイト成長の妨げとなりアルマイト皮膜を不均一にし易いアルミニウム合金中のSiによる表面粗度増加の抑制のために、強酸でありアルミニウム等を溶解する能力が高くアルマイト成膜速度が速い硫酸浴の代わりに、弱酸でありアルミニウムを溶解する速度が遅くアルマイト成膜速度が低いシュウ酸浴を用いて鋭意検討したところ、驚くべきことには、陽極酸化処理時に被処理物周辺の電解液の流れを極端に小さくすることによって、表面粗度増加を抑制した状態で、陽極酸化処理時間が大幅に短縮し得ることを見出し、本願発明に到達した。
本願の参考例としての第1の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被処理物(29)を電解液(25)中で陽極酸化して該被処理物(29)の表面にアルマイト皮膜を形成するアルミニウムの陽極酸化方法であって、該電解液(25)に2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を含有せしめ、該電解液(25)が該被処理物(29)の少なくとも外表面側を15cm/秒以下の平均速度で移動し、該被処理物(29)の外表面の温度が80℃以下で、電流密度が10〜170A/d 2 範囲内における条件下で該陽極酸化を行うことを特徴とするものである。
かかる第一の態様のアルミニウムの陽極酸化方法では、アルマイト処理時に被処理物周辺の電解液の流れを15cm/秒以下の平均速度と極端に小さくすることによって、被処理物29の表面温度が陽極酸化処理と共に上昇するその被処理物内の温度のばらつきが抑えられ、膜厚が均一化することを可能にして、所定の厚さ、表面粗度および硬度を有するアルマイト皮膜を形成させるための陽極酸化の処理時間を、従来の陽極酸化処理時間より大幅に短縮させることが可能である。例えば、2.5μm程度の均一な厚さを有したアルマイト皮膜を形成させるのに要する、陽極酸化の処理時間が短い場合には16秒程度にもなり得る。
ここで、被処理物29の少なくとも外表面側を移動する電解液25の平均速度(cm/秒)とは、図3に例示されるように、被処理物29の外表面の近傍を移動する電解液25の平均速度(cm/秒)を意味し、具体的には、通常、例えばアルマイト処理槽20の下部から上部に電解液25が移動する場合に、その電解液25の流量(cm3/秒)を、アルマイト処理槽中の電解液の上昇する領域(流路)の水平方向の全断面積(cm2)で割ることによって得られるものである。
尚、「被処理物29の少なくとも外表面側」とは、被処理物29が例えば筒状の形状を有する場合に、その外表面側のみならず、内表面側においても、必要に応じて電解液25の平均速度を15cm/秒以下としても良いことを意味する。
そのような第一の態様のアルミニウムの陽極酸化方法における被処理物の外表面側の電解液の平均移動速度が15cm/秒よりも高い場合には、液の直接あたる部分と影になって当たらない部分の被処理物表面温度のばらつきが発生し、液のあたる部分の膜厚は薄くなり、影となる部分が厚くなって、極端な場合には焦げが発生となり好ましくない。
また、第一の態様のアルミニウムの陽極酸化方法において、被処理物(29)の外表面の温度が80℃を超えると、表面硬度等が低下するため好ましくない。
さらに、第一の態様のアルミニウムの陽極酸化方法において、電流密度が、10A/dm2未満では陽極酸化の進行が遅く、陽極酸化処理時間の大幅な短縮が困難であり、170A/dm2を超えた場合には陽極酸化に伴って発生するジュール熱が大きくなりすぎて被処理物表面において電解液の沸騰が生じ易くなり、好ましくない。
尚、2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
本願発明としての第二の態様である陽極酸化アルミニウムの製造方法は、請求項に記載のように、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被処理物(29)を電解液(25)中で陽極酸化して該被処理物(29)の表面にアルマイト皮膜を形成することによる、該アルマイト皮膜の厚さが0.5〜5μm、表面粗度が2.4μm以下、ビッカース硬度が250Hv以上である、陽極酸化アルミニウムの製造方法であって、該電解液(25)に2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を含有せしめ、該電解液(25)が該被処理物(29)の少なくとも外表面側を15cm/秒以下の平均速度で移動し、該被処理物(29)の外表面の温度が80℃以下で、電流密度が10〜170A/dm2の範囲内における条件下で該陽極酸化を行うことを特徴とするものである。
かかる第二の態様の陽極酸化アルミニウムの製造方法においても、所定の厚さ、表面粗度および硬度を有するアルマイト皮膜を形成させるための陽極酸化の処理時間を、従来の陽極酸化処理時間より大幅に短縮させることが可能であり、また、膜厚を均一化することも可能である。
本願発明としての第三の態様である陽極酸化アルミニウムは、請求項に記載のように、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被処理物(29)を、2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を含有させた電解液(25)中で、該電解液(25)が該被処理物(29)の少なくとも外表面側を15cm/秒以下の平均速度で移動し、該被処理物(29)の外表面の温度が80℃以下で、電流密度が10〜170A/dm2の範囲内における条件下で陽極酸化して該被処理物(29)の表面にアルマイト皮膜を形成させた、陽極酸化アルミニウムであって、形成された該アルマイト皮膜の厚さが0.5〜5μm、表面粗度が2.4μm以下、ビッカース硬度が250Hv以上である、陽極酸化アルミニウムである。
かかる第三の態様では、従来の陽極酸化処理時間より大幅に短縮された陽極酸化処理によって形成された、所定の厚さ、表面粗度および硬度を有し、膜厚が均一化されたアルマイト皮膜を備えた陽極酸化アルミニウムを能率よく提供することが可能である。
第二の態様の陽極酸化アルミニウムの製造方法、および第三の態様の陽極酸化アルミニウムにおいて、アルマイト皮膜の厚さが0.5μm未満、または5μmを超えた場合にはその発明によって奏される効果が得にくい場合が生じ易くなり、表面粗度が2.4μm以下を超えた場合、およびビッカース硬度が250Hv未満である場合には得られる陽極酸化アルミニウムが目的とするものに適さなくなり、好ましくない。
陽極酸化におけるアルマイト皮膜の形成を模式的に示した説明図である。 陽極酸化によるアルマイト皮膜の構造を模式的に示した説明図である。 本願の実施例等で使用された陽極酸化処理装置を模式的に示した説明図である。 本願の実施例等で使用された超微小硬度計によるアルマイト皮膜の表面硬度の測定を模式的に示した説明図である。 本願の実施例等で使用された超微小硬度計による硬度とビッカース硬度の相関関係に示した説明図である。 本願の比較例における電流密度による陽極酸化処理およびアルマイト皮膜の表面粗度への影響を示した説明図である。 参考例における電解液の流速による陽極酸化処理における全体の電圧への影響を示した説明図である。 本願の実施例等における電流密度による陽極酸化処理およびアルマイト皮膜の表面粗度への影響を示した説明図である。 本願の実施例等における電流密度によるアルマイト皮膜の表面硬度への影響を示した説明図である。 本願の実施例等における硝酸、塩酸または硫酸の添加によるアルマイト皮膜の表面粗度への影響を示した説明図である。 本願の実施例におけるアルマイト処理槽の電解液中のシュウ酸の濃度による表面粗度への影響を示した説明図である。 本願の実施例における被処理物の外表面の温度による表面粗度への影響を示した説明図である。 本願の実施例における被処理物の外表面での温度の経時変化を示した説明図である。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法の好ましい具体的形態として、電解液(25)が重力と反対の方向に移動して、陽極酸化の際に発生する酸素ガスの被処理物(29)表面からの分離及び上昇が促進される、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。かかるアルミニウムの陽極酸化方法では、陽極酸化の際に発生する酸素ガスの気泡の上昇が電解液の上昇流れによって促進されて、その酸素ガスの除去がよりスムーズに行われることによって、被処理物への電気の流れの妨げが減少し、均一な高速化ができるようになる。また、陽極酸化の発熱によって被処理物(29)の外表面の温度は上昇するが、その温まった電解液をオーバーフローによってアルマイト処理槽20外に出して、温まっていない電解液が常に浴槽の下部から入るようにすることが好ましい。尚、かかる電解液(25)の重力と反対の方向への移動としては、自然対流による電解液(25)の移動であっても良い。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、被処理物(29)の外表面側での電解液(25)の平均移動速度が10cm/秒以下である、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。かかるアルミニウムの陽極酸化方法では、被処理物表面の温度のばらつき低減がより確実にできるようになる。尚、連続的な陽極酸化処理を可能にするため、陽極酸化処理中は液流、即ち電解液の平均移動速度を低くし、被処理物の入れ替え時にはその流速を高くして、陽極酸化処理中に高められた被処理物29の外表面の温度が所定の温度まで低下し易くすることが好ましい。かかる被処理物29の外表面側での電解液25の平均移動速度は、特に好ましくは5cm/秒以下である。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、電流密度が40〜170A/dm2の範囲内にある、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。第1の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法における電流密度は、10〜170A/dm2、より好ましくは40〜170A/dm2、特に好ましくは40〜120A/dm2の範囲内にある。尚、かかる電流密度としては、通常その範囲内において選択された一定の電流密度で設定されて、陽極酸化が実施される。このように電流密度をこれまでよりも高められた範囲に保つことによって、特に40〜170A/dm2の範囲内に保つことによって、図8に例示されるように陽極酸化処理時間をより大幅に短縮化することができるようになる。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、電解液(25)中に含有される、2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸の濃度が、合計で20〜120g/Lである、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。即ち、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の、2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸の濃度としては、単独で用いられる場合には、20〜120g/Lが好ましく、特に20〜60g/Lが好ましく、2種以上が組み合わされて用いられる場合には、それらの濃度の合計が、好ましくは20〜120g/Lであり、特に好ましくは20〜60g/Lである。このように、濃度の2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を用いることによって、生成する膜厚が均一になり、処理後の面粗度悪化の抑制がより確実にできるようになる。尚、シュウ酸の場合には、水に対する溶解度が低いため、濃度を高くすると、浴槽の温度が下がったときに処理液が付着した所でシュウ酸の結晶が析出し易く、また濃度を高くすることは排水処理の負荷の増大につながり、好ましくなく、その濃度としては20〜60g/Lが特に好ましい。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、電解液(25)に、0.02g/L以下の硝酸、0.02g/L以下の塩酸、および0.003g/L以下の硫酸の少なくとも一種の酸を更に含有せしめる、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。即ち、硝酸が0〜0.02g/L、好ましくは0〜0.002g/Lであり、塩酸が0〜0.02g/L、好ましくは0〜0.002g/Lであり、そして硫酸が0〜0.003g/L、好ましくは0〜0.001g/Lの範囲で電解液中に含有されても良い。尚、硝酸、塩酸および硫酸が含有されない方が好ましいが、場合によってはこれらの酸が上記の濃度で電解液中に含有されても、特に問題を生じない。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、その電解液(25)中に含有される酸がシュウ酸であるアルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。第1の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法では、電解液中に含有される酸として、2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を使用することが出来る。陽極酸化によるアルマイト皮膜の形成速度が高められた場合に生じやすいアルマイト皮膜の表面粗度の増加を抑制する上で、かかる2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられるが、シュウ酸が最も分子構造が単純で、排水処理の点で特に優れている。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、前記被処理物(29)の外表面の温度が、3〜80℃である、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。かかる被処理物29の外表面の温度は、より好ましくは3℃〜70℃であり、特に好ましくは5〜70℃である。このように、陽極酸化温度を比較的低い温度に保つことによって、陽極酸化によって形成されるアルマイト皮膜をより安定に保持して、形成されるアルマイト皮膜の表面粗度の増加を抑制した状態で、陽極酸化処理を短縮化することができるようになる。
また、被処理物29の表面温度は処理と共に上昇するが、陽極酸化処理時に被処理物周辺の電解液の流れを極端に小さくすることによって、被処理物29中の温度のばらつきを抑えて、膜厚を均一化することが可能である。尚、被処理物29の表面での発熱によって被処理物29の表面の温度と共にその周辺の電解液25の温度も上昇するため、アルマイト処理槽20の下部から常により低い温度の電解液が浴槽に入り、温まった液がアルマイト処理槽外に出るようにアルマイト処理槽からオーバーフローさせることによって、温まった電解液を取り除くことが望ましい。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、前記被処理物(29)の外表面の温度が陽極酸化の進行に応じて可変である、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。このように、陽極酸化の進行に応じて前記被処理物(29)の外表面の温度を最適に設定することによって、皮膜硬度劣化抑制と面粗度悪化抑制がより確実にできるようになる。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、前記被処理物(29)の外表面の温度が、前記陽極酸化の最初(以下「初期」とも言う)において3〜30℃であり、前記陽極酸化の最終(以下「終期」とも言う)において5〜80℃である、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。このように、陽極酸化の進行に応じて初期の前記被処理物(29)の外表面の温度と終期の前記被処理物(29)の外表面の温度を最適に設定することによって、より容易に、皮膜硬度劣化抑制と面粗度悪化抑制ができるようになる。尚、初期温度としては5〜30℃が更に好ましく、終期温度としては10〜70℃が更に好ましい。
第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法のもう一つの好ましい具体的形態として、被処理物(29)がSiを含むアルミダイカスト物品である、アルミニウムの陽極酸化方法が挙げられる。被処理物(29)がSiを含むアルミダイカスト物品である場合には、特に膜厚の均一化は難しく、本方法を用いることで膜厚を均一にし、面粗度悪化抑制がより確実にできるようになる。
尚、電解液中に含有される酸として上記のごとき2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を用いて電流密度を高めることは、形成されるアルマイト皮膜のセル径を大きくするが、発熱によるアルマイト皮膜の電解液中への溶解で皮膜の表層部の細孔が大きくなる傾向がある。上記のように、陽極酸化処理時に被処理物周辺の電解液の流れを極端に小さくして、陽極酸化温度を比較的低い温度に保つことによって、そのようなアルマイト皮膜の電解液中への溶解を抑制することも可能になり、皮膜の表層部の細孔が大きくなることを抑制し得る。
第二の態様である陽極酸化アルミニウムの製造方法、並びに第三の態様である陽極酸化アルミニウムにおいても、上記の第一の態様であるアルミニウムの陽極酸化方法の好ましい具体的形態が適宜適用可能である。
また、第二の態様である陽極酸化アルミニウムの製造方法、並びに第三の態様である陽極酸化アルミニウムにおいて、アルマイト皮膜の厚さは0.5〜5μmであるが、より好ましくは1〜4μm、特に好ましくは1.5〜3.0μmである。尚、そのアルマイト皮膜の厚さの測定法としては、通常用いられるものであって良く、より具体的には、埋め込み樹脂に埋め断面を研磨し顕微鏡で観察する方法が挙げられる。
さらに、アルマイト皮膜の表面粗度は、2.4μm以下である。尚、そのアルマイト皮膜の表面粗度の測定法としては、通常用いられるものであって良く、より具体的には、触針式表面粗度計なる方法が挙げられる。
さらに、アルマイト皮膜のビッカース硬度は250Hv以上である。尚、そのアルマイト皮膜のビッカース硬度の測定法としては、通常用いられるものであって良く、より具体的には、ビッカース硬度計もしくは微小硬度計による方法が挙げられる。
これらの第一〜第三の態様において、アルミニウム合金としては特に限定されるものではなく、具体的には、Al−Si−Cu系ダイカスト用合金(ADC12、ADC10)、Al−Si−Mg系ダイカスト用合金(ADC3)、Al−Si系ダイカスト用合金(ADC1)等が挙げられる。さらに、被処理物としては特に限定されるものではなく、具体的には、円筒形スリーブバルブ、スクロールコンプレッサ等が挙げられるが、特に本願発明の被処理物に適するものとして、それらのものがSiを含むアルミダイカスト物品である場合が挙げられる。
以下に本願発明についての実施例を挙げて更に具体的に本願発明を説明するが、それらの実施例によって本願発明が何ら限定されるものではない。
アルマイト処理装置
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、以下の実施例、比較例および参考例を実施した。図3に示されるアルマイト処理装置において、アルマイト処理槽20(内側水平断面の形状;長方形、内側水平断面の面積;100cm2)が恒温槽21中に備えられており、恒温槽21中の電解液22がポンプ23によって所定の流量(約3L/分、又は必要に応じてそれ以下)で汲み上げられ配管24の開口部32,33から、アルマイト処理槽20の底部から上方に向けて噴出されて、アルマイト処理槽20内を上昇(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;約0.5cm/秒、又は必要に応じてそれ以下)し、アルマイト処理槽20中の電解液25がアルマイト処理槽20の上部からあふれ出て恒温槽21に戻る。恒温槽21中の電解液22は、温度調節機26に連結された冷却管27によって冷却されて一定温度に保たれている。アルマイト処理槽20内の電解液25おいて、陽極の先に固定された被処理物29の表面が、陰極30,31との間(例えば、電極28,30の間および電極28,31の間の距離;約50mm、各陰極30,31の被処理物29側面積の、被処理物29のその陰極側の外表面積に対する比;約2、又は必要に応じてそれ以上)で陽極酸化される。尚、被処理物29の外表面上には、被処理物29の外表面の温度を測定するための熱伝対が固定されている(図示せず)。
表面粗度の測定方法
本願における表面粗度は、例えば内面が見えるように、先端周辺部で部分的に半分を切り取った円筒形の形状を有する被処理物を用いて、その内面を触針式の表面粗度計(東京精密社製の型番SURFCOM480A)を用いて測定した。
表面硬度の測定方法
本願における表面硬度の測定では、アルマイト皮膜の膜厚が2.5μm程度であるため、通常のビッカース硬度計では圧痕が皮膜厚さより大きくなり測定が困難であるので、ここでは2.5μmでも硬度が測定できる超微小硬度計(島津製作所社製の型番DUH−W201S)を用いて測定した。尚、超微小硬度計とビッカース硬度計では測定原理が異なり、得られる値も異なるため、まず、あらかじめ膜厚を約10μmに作成した、硬度を変えた種々のアルマイト皮膜サンプル40を用いて、図4(a)に示すように荷重41を加え、そのときにサンプル40の表面に形成された圧痕の大きさ(圧痕の広がり)からビッカース硬度値を求め、また図4(b)に示すように、負荷時においてサンプル40の表面での圧痕による変位量(圧痕の深さ)と荷重の関係を求め、それによって図5に示すような超微小硬度計による硬度とビッカース硬度の相関関係式を求め、ビッカース硬度値に換算した。
(超微小硬度計による硬度)=1.3057×(ビッカース硬度)+24.069
尚、R2=0.9055は良い相関があることを示すものである。
比較例1〜5
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、アルミニウムが80.7〜88.9重量%、シリカが9.6〜12.0重量%のアルミニウム合金からなる円筒形の形状(外径;18mm、内径;9.5mm、長さ;55mm)を有する被処理物29を、硫酸(H2SO4)を200g/Lの濃度で含み、溶存Al3+が3〜4g/Lの電解液中、被処理物29の外表面の初期温度が15℃(終期温度が80℃以下)で、電流密度が0.3A/dm2(比較例1)、1A/dm2(比較例2)、2A/dm2(比較例3)、10A/dm2(比較例4)および20A/dm2(比較例5)で、陽極酸化処理を行った。尚、ポンプ23による流量は、3L/分(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;約0.5cm/秒)であった。
その結果、図6に示すように、2.5μmのアルマイト皮膜を得るのに、0.3A/dm2(比較例1)では3600秒の処理時間を要し、1A/dm2(比較例2)では650秒を要した。また、2A/dm2(比較例3)、10A/dm2(比較例4)および20A/dm2(比較例5)では、それぞれ325秒、60秒、30秒の処理時間であった。また、得られたアルマイト皮膜について、上記の方法で測定した各々の複数の表面粗度の平均値が、比較例3,4,5でそれぞれ3.0μm、3.2μm、3.6μmと高い値を示し、アルマイト皮膜の表面粗度としては好ましいものではなかった。尚、図6中に示すように、1.0A/dm2(比較例2)のアルマイト皮膜の断面写真(顕微鏡写真)ではアルマイト皮膜が均一であるのに対して、2A/dm2(比較例3)のアルマイト皮膜の断面写真(顕微鏡写真)ではアルマイト皮膜が不均一であった。
参考例1〜6
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、アルミニウムが80.7〜88.9重量%、シリカが9.6〜12.0重量%のアルミニウム合金からなる円筒形の形状(外径;18mm、内径;9.5mm、長さ;55mm)を有する被処理物29を、アルマイト処理槽20の、シュウ酸((COOH)2・2H2O)を50g/L((COOH)2で36g/L)の濃度で含み、溶存Al3+が1g/L以下の電解液25中で、被処理物29の外表面の初期温度を26℃(終期温度が80℃以下)、電流密度を10A/dm2、ポンプ23による流量を0L/分(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;約0cm/秒)(参考例1)、2L/分(電解液25の平均上昇速度;約0.3cm/秒)(参考例2)、3L/分(電解液25の平均上昇速度;約0.5cm/秒)(参考例3)、5L/分(電解液25の平均上昇速度;約0.8cm/秒)(参考例4)及び10L/分(電解液25の平均上昇速度;約1.7cm/秒)(参考例5)として、陽極酸化処理を行った。
その結果、図7に示されるように、電解液25の流量を増加させると全体の電圧が高くなる現象が認められた、これは、電解液25の上昇速度を増加によって被処理物29の表面での反応抵抗が大きくなるためと考えられる。この結果に基づいて、ポンプ23による流量を3L/分(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;0.5cm/秒)以下が、電圧の上昇を抑制できる点でより好ましい。
尚、図3のように配管24の二つの開口部32,33から上部に向けて電解液を噴出させる方式以外に、配管24の開口部を一つにして被処理物29の真下から上部に向けて電解液を噴出させる方式で上記と同様にして陽極酸化処理を行った(参考例6)ところ、全体の電圧が高くなり易い傾向が見られた。これは、電解液25が直接被処理物29にあたり、被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度が高くなり易いためと考えられる。この結果に基づいて、配管24の開口部を一つにして被処理物29の真下から上部に向けて電解液を噴出させる方式より、図3のように配管24の二つの開口部32,33から上部に向けて電解液を噴出させる方式の方がより好ましい。
実施例1〜6、比較例6,7
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、アルミニウムが80.7〜88.9重量%、シリカが9.6〜12.0重量%のアルミニウム合金からなる円筒形の形状(外径;18mm、内径;9.5mm、長さ;55mm)を有する被処理物29を、シュウ酸((COOH)2・2H2O)を50g/L((COOH)2で36g/L)の濃度で含み、溶存Al3+が1g/L以下の電解液中、被処理物29の外表面の初期温度が26℃(終期温度が80℃以下)で、ポンプ23による流量が3L/分(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;約0.5cm/秒)で、電流密度が1A/dm2(比較例6)、10A/dm2(比較例7)、40A/dm2(実施例1)、60A/dm2(実施例2)、80A/dm2(実施例3)、100A/dm2(実施例4)、120A/dm2(実施例5)および150A/dm2(実施例6)で、陽極酸化処理を行った。
その結果、図8に示すように、2.5μmのアルマイト皮膜を得るための処理時間と得られたアルマイト皮膜の平均表面粗度が、40A/dm2(実施例1)で60秒、1.5μm、60A/dm2(実施例2)で40秒、1.2μm、80A/dm2(実施例3)で30秒、1.5μm、100A/dm2(実施例4)で24秒、1.2μm、120A/dm2(実施例5)で20秒、1.5μm、150A/dm2(実施例6)で16秒、1.5μmであり、処理時間および平均表面粗度がともに良好であった。他方、図8に示すように、2.5μmのアルマイト皮膜を得るための処理時間と得られたアルマイト皮膜の平均表面粗度が、1A/dm2(比較例6)では2400秒、1.3μm、10A/dm2(比較例7)では240秒、1.3μmであって、処理時間が長くて不適当であった。尚、図8には、参考のため、左端に上記の比較例2(H2SO4、1A/dm2)の結果も示す。さらに、図8中に示すように、120A/dm2(実施例5)のアルマイト皮膜の断面写真(顕微鏡写真)では、比較例2(H2SO4、1A/dm2)の結果と同様に、アルマイト皮膜が均一であって、表面粗度の増大が適度に抑制されているものと認められる。
さらに図9に、上記の40A/dm2(実施例1)、80A/dm2(実施例3)、120A/dm2(実施例5)および0.3A/dm2(比較例1)において得られたアルマイト皮膜のビッカース硬度を示す。かかる図9では、実施例1,3および5で得られたアルマイト皮膜のビッカース硬度が290〜400の範囲にあって、比較例1(処理時間3600秒)のアルマイト皮膜の370〜470の範囲にあるビッカース硬度よりもやや低いものの、それらの実施例では表面硬度の低下が適度に抑制されているものと認められる。
実施例7〜17、比較例8〜11
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、アルミニウムが80.7〜88.0重量%、シリカが9.6〜12.0重量%のアルミニウム合金からなる円筒形の形状(外径;18mm、内径;9.5mm、長さ;55mm)を有する被処理物29を、以下の表1に示す条件下で陽極酸化処理を行った。尚、被処理物29の外表面の初期温度が18℃(終期温度が80℃以下)で、ポンプ23による流量は、3L/分(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;約0.5cm/秒)であった。
その結果、図10に示すように、実施例7〜17では、アルマイト皮膜の厚さが1〜4μmで、表面粗度が2.4μm以下の範囲内にあり、目的とする陽極酸化アルミニウムが得られたが、比較例8ではアルマイト皮膜の厚さが0.5μm未満であり、比較例9〜11では平均の表面粗度が2.4μmを超えて、目的とする陽極酸化アルミニウムが得られなかった。
実施例18〜20
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、電解液25中のシュウ酸濃度を、50g/L(実施例18)、80g/L(実施例19)、100g/L(実施例20)とした以外は、上記の実施例7と同様の条件下で陽極酸化処理を行った。その結果、図11に示すように、実施例18〜20において、50g/L〜100g/Lの間では大きな変化が無いことが判明した。
実施例21〜23、比較例12
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、被処理物29の外表面の初期温度を、15℃(終期温度が約45℃)(実施例21)、20℃(終期温度が約55℃)(実施例22)、26℃(終期温度が約70℃)(実施例23)、40℃(終期温度が約90℃)(比較例12)とした以外は、上記の実施例7と同様の条件下で陽極酸化処理を行った。その結果、図12に示すように、実施例21〜23において、被処理物29の外表面の初期温度を15℃まで下げると面粗度がばらつき易い傾向が少し見られたが、実用的には特に問題が無い範囲であると思われる。但し、被処理物29の外表面の初期温度を40℃とした比較例12では、終期温度が約90℃となり表面硬度の低下が見られた。
実施例24〜26
図3に示されるアルマイト処理装置を使用して、アルミニウムが80.7〜88.9重量%、シリカが9.6〜12.0重量%のアルミニウム合金からなる円筒形の形状(外径;18mm、内径;9.5mm、長さ;55mm)を有する被処理物29を、シュウ酸((COOH)2・2H2O)を50g/L((COOH)2で36g/L)の濃度で含み、溶存Al3+が1g/L以下の電解液中で、被処理物29の外表面の初期温度が15℃(実施例24)、20℃(実施例25)、25℃(実施例26)で、ポンプ23による流量が3L/分(被処理物29の外表面側での電解液25の平均上昇速度;約0.5cm/秒)で、電流密度が80A/dm2の条件下で、陽極酸化処理を行って、被処理物29の外表面の経時変化を求めた。その結果、図13に示すように、被処理物29の外表面の終期温度が、実施例24では約50℃、実施例25では約60℃、実施例26では約75℃であり、いずれもアルマイト皮膜の厚さが1〜4μmで、表面粗度が2.4μm以下の範囲内にあり、目的とする陽極酸化アルミニウムが得られた。

Claims (2)

  1. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被処理物(29)を電解液(25)中で陽極酸化して該被処理物(29)の表面にアルマイト皮膜を形成することによる、該アルマイト皮膜の厚さが0.5〜5μm、平均表面粗度が2.4μm以下、ビッカース硬度が250Hv以上である、陽極酸化アルミニウムの製造方法であって、該電解液(25)に2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を含有せしめ、該電解液(25)が該被処理物(29)の少なくとも外表面側を15cm/秒以下の平均速度で移動し、該被処理物(29)の外表面の温度が80℃以下で、電流密度が10〜170A/dm2の範囲内における条件下で該陽極酸化を行うことを特徴とする、陽極酸化アルミニウムの製造方法。
  2. アルミニウム又はアルミニウム合金からなる被処理物(29)を、2個以上のカルボキシル基を持つ有機酸から選択される少なくとも一種の酸を含有させた電解液(25)中で、該電解液(25)が該被処理物(29)の少なくとも外表面側を15cm/秒以下の平均速度で移動し、該被処理物(29)の外表面の温度が80℃以下で、電流密度が10〜170A/dm2の範囲内における条件下で陽極酸化して該被処理物(29)の表面にアルマイト皮膜を形成させた、陽極酸化アルミニウムであって、形成された該アルマイト皮膜の厚さが0.5〜5μm、平均表面粗度が2.4μm以下、ビッカース硬度が250Hv以上である、陽極酸化アルミニウム。
JP2009096227A 2008-12-26 2009-04-10 アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム Expired - Fee Related JP4868020B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009096227A JP4868020B2 (ja) 2008-12-26 2009-04-10 アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム
US12/655,142 US8691403B2 (en) 2008-12-26 2009-12-23 Method for anodizing aluminum and anodized aluminum
KR1020090130847A KR101207708B1 (ko) 2008-12-26 2009-12-24 알루미늄의 양극산화 방법 및 양극산화 알루미늄

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008335296 2008-12-26
JP2008335296 2008-12-26
JP2009096227A JP4868020B2 (ja) 2008-12-26 2009-04-10 アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010168642A JP2010168642A (ja) 2010-08-05
JP4868020B2 true JP4868020B2 (ja) 2012-02-01

Family

ID=42701048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009096227A Expired - Fee Related JP4868020B2 (ja) 2008-12-26 2009-04-10 アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8691403B2 (ja)
JP (1) JP4868020B2 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5648660B2 (ja) 2012-09-10 2015-01-07 株式会社デンソー アルミニウムの陽極酸化方法
JP2014077373A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Toyota Motor Corp タービンハウジングの製造方法及びタービンハウジング
CN104032346B (zh) * 2014-06-04 2016-10-19 张家港市金邦铝业股份有限公司 高效铝合金型材氧化装置及铝合金型材磨砂工艺
CN208087763U (zh) 2014-08-29 2018-11-13 苹果公司 包括阳极氧化物涂层以及促进粘附的阳极氧化物层的部件
US9359686B1 (en) 2015-01-09 2016-06-07 Apple Inc. Processes to reduce interfacial enrichment of alloying elements under anodic oxide films and improve anodized appearance of heat treatable alloys
US9869623B2 (en) 2015-04-03 2018-01-16 Apple Inc. Process for evaluation of delamination-resistance of hard coatings on metal substrates
US10760176B2 (en) 2015-07-09 2020-09-01 Apple Inc. Process for reducing nickel leach rates for nickel acetate sealed anodic oxide coatings
US10584869B2 (en) 2015-07-27 2020-03-10 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Heater
US11877687B2 (en) 2015-07-27 2024-01-23 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Heater and cookware for flameless catalytic combustion
US9970080B2 (en) 2015-09-24 2018-05-15 Apple Inc. Micro-alloying to mitigate the slight discoloration resulting from entrained metal in anodized aluminum surface finishes
US10711363B2 (en) 2015-09-24 2020-07-14 Apple Inc. Anodic oxide based composite coatings of augmented thermal expansivity to eliminate thermally induced crazing
US10174436B2 (en) 2016-04-06 2019-01-08 Apple Inc. Process for enhanced corrosion protection of anodized aluminum
US11352708B2 (en) 2016-08-10 2022-06-07 Apple Inc. Colored multilayer oxide coatings
CN106591915A (zh) * 2016-12-08 2017-04-26 华南理工大学 一种具有三层结构的等离子体电解氧化催化膜及其制备方法
US11242614B2 (en) 2017-02-17 2022-02-08 Apple Inc. Oxide coatings for providing corrosion resistance on parts with edges and convex features
CN110246738A (zh) * 2018-03-08 2019-09-17 北京北方华创微电子装备有限公司 反应腔室部件结构及其制备方法、反应腔室
US11549191B2 (en) 2018-09-10 2023-01-10 Apple Inc. Corrosion resistance for anodized parts having convex surface features
CN110373699B (zh) * 2019-08-22 2021-04-02 南昌航空大学 一种zl105铝合金砂铸件硬质阳极氧化电解液及氧化方法
TWI769825B (zh) * 2021-05-20 2022-07-01 遠東科技大學 具有高硬度氧化鋁層的導電線的製造方法

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3511661A (en) * 1966-07-01 1970-05-12 Eastman Kodak Co Lithographic printing plate
JPS5713196A (en) * 1980-06-26 1982-01-23 Ngk Insulators Ltd Anodic oxidation of aluminum
DE3418111A1 (de) * 1984-05-16 1985-11-21 Hoechst Ag, 6230 Frankfurt Verfahren zur nachbehandlung von aluminiumoxidschichten mit phosphoroxo-anionen enthaltenden waessrigen loesungen und deren verwendung bei der herstellung von offsetdruckplattentraegern
US4647346A (en) * 1985-10-10 1987-03-03 Eastman Kodak Company Anodized aluminum support, method for the preparation thereof and lithographic printing plate containing same
JPH05125597A (ja) 1991-11-06 1993-05-21 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体の陽極酸化装置及び陽極酸化方法
US5314607A (en) 1991-06-21 1994-05-24 Fuji Photo Film Co., Ltd. Apparatus and method for anodizing supports for lithographic printing plate
JPH0524377A (ja) 1991-07-26 1993-02-02 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体の陽極酸化方法
JPH0532083A (ja) 1991-07-29 1993-02-09 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体の陽極酸化方法
JPH05195291A (ja) 1992-01-23 1993-08-03 Fuji Photo Film Co Ltd 陽極酸化処理方法及び装置
JP3344024B2 (ja) 1993-09-13 2002-11-11 アイシン精機株式会社 高速アルマイト処理方法及び処理装置
JP3896598B2 (ja) 1995-06-09 2007-03-22 アイシン精機株式会社 アルマイト処理方法
JP2837397B2 (ja) 1995-12-04 1998-12-16 テクノ工業株式会社 アルミニウムまたはアルミニウム合金の陽極酸化処理装置
US6099953A (en) 1996-03-27 2000-08-08 Toyo Kohan Co., Ltd. Thermoplastic resin-coated aluminum alloy plate, and process and apparatus for producing the same
JP3004622B2 (ja) 1998-02-24 2000-01-31 中小企業事業団 アルミニウムの高速陽極酸化方法
US6014929A (en) * 1998-03-09 2000-01-18 Teng; Gary Ganghui Lithographic printing plates having a thin releasable interlayer overlying a rough substrate
JP3046594B1 (ja) 1999-04-02 2000-05-29 日本テクノ株式会社 振動流動攪拌を活用した金属の陽極酸化処理システム
DE60119824T3 (de) * 2000-04-07 2012-05-31 Fujifilm Corp. Wärmeempfindlicher lithographischer Druckplattevorläufer
US7118848B2 (en) * 2001-04-03 2006-10-10 Fuji Photo Film Co., Ltd. Support for lithographic printing plate and original forme for lithographic printing plate
WO2003004281A1 (en) * 2001-07-02 2003-01-16 Alcoa Inc. Printing plate with dyed and anodized surface
JP2003328187A (ja) 2002-05-17 2003-11-19 Nippon Light Metal Co Ltd アルミニウム材の表面処理方法
JP2004035930A (ja) 2002-07-02 2004-02-05 Suzuki Motor Corp アルミニウム合金材及びその陽極酸化処理方法
JP4175840B2 (ja) 2002-07-10 2008-11-05 アイシン軽金属株式会社 アルミニウム合金の表面処理方法
JP3803353B2 (ja) 2003-06-17 2006-08-02 中国電化工業株式会社 表面処理アルミニウム材とその製造方法
JP2005068458A (ja) 2003-08-28 2005-03-17 Aisin Keikinzoku Co Ltd アルミニウム合金の陽極酸化処理方法
JP4631047B2 (ja) * 2004-01-05 2011-02-16 国立大学法人広島大学 陽極酸化アルミナ膜を具備する構造体およびその製造方法並びにその利用
JP2005304197A (ja) 2004-04-13 2005-10-27 Idx Corp 陽極酸化用電源装置
JP2005314751A (ja) 2004-04-28 2005-11-10 Aisin Keikinzoku Co Ltd 陽極酸化処理装置及び処理方法
JP2005329451A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Fuji Photo Film Co Ltd アルミニウム板の表面加工方法及び平版印刷版用支持体並びに平版印刷版
JP4608331B2 (ja) * 2005-02-07 2011-01-12 財団法人神奈川科学技術アカデミー 陽極酸化ポーラスアルミナおよびその製造方法
JP4677829B2 (ja) 2005-05-31 2011-04-27 アイシン精機株式会社 金属製部品の陽極酸化処理装置
JP2007154301A (ja) 2005-11-30 2007-06-21 Idx Corp アルミニウム合金陽極酸化方法およびアルミニウム合金陽極酸化用電源
JP2007154302A (ja) 2005-11-30 2007-06-21 Idx Corp アルミニウム合金陽極酸化用電源システム
JP2007154300A (ja) 2005-11-30 2007-06-21 Idx Corp アルミニウム合金陽極酸化方法およびアルミニウム合金陽極酸化用電源
JP4888948B2 (ja) 2006-02-03 2012-02-29 学校法人近畿大学 アルミニウム材の高速陽極酸化皮膜形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010168642A (ja) 2010-08-05
US20110203933A1 (en) 2011-08-25
US8691403B2 (en) 2014-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4868020B2 (ja) アルミニウムの陽極酸化方法、および陽極酸化アルミニウム
JP5152574B2 (ja) アルミニウム部材の陽極酸化処理方法
TWI564437B (zh) 非金屬塗覆物及其生產方法
JP4182002B2 (ja) 金属および合金にセラミック被膜を形成するプロセスと装置、およびこのプロセスによって生成される被膜
JP2008179901A (ja) 金属および合金にセラミック被膜を形成するプロセスと装置、およびこのプロセスによって生成される被膜
TWI424096B (zh) Method for forming anodic oxide film
JP5700235B2 (ja) アルマイト膜の形成方法
JP4888948B2 (ja) アルミニウム材の高速陽極酸化皮膜形成方法
JP2018090897A (ja) 陽極酸化皮膜の製造方法及び陽極酸化皮膜
KR100695999B1 (ko) 고주파펄스를 이용한 금속재의 아노다이징 공정
RU2149929C1 (ru) Способ микроплазменной электролитической обработки поверхности электропроводящих материалов
JP5369083B2 (ja) 高耐電圧性を有する表面処理アルミニウム部材およびその製造方法
KR101207708B1 (ko) 알루미늄의 양극산화 방법 및 양극산화 알루미늄
WO2019143270A2 (ru) Способ формирования защитного оксидно-керамического покрытия на поверхности вентильных металлов и сплавов
US20040040854A1 (en) Method of making oxide film by anodizing magnesium material
JP6350551B2 (ja) 陽極酸化皮膜生成方法
KR101726260B1 (ko) 피처리물의 양극산화 방법
EP2045367A1 (en) Method for anodically oxidizing aluminum alloy and power supply for anodically oxidizing aluminum alloy
JP2018527516A (ja) シリンダヘッドのダクトのコーティングを形成するための改善された方法およびこれにより得られるシリンダヘッド
JP2008081839A (ja) アルミニウム合金製部材とその製造方法及び該アルミニウム合金製部材を備えた燃料ポンプ
JP7072810B1 (ja) アルミニウム合金の陽極酸化処理方法および陽極酸化皮膜を有するアルミニウム合金材
JP2728313B2 (ja) アルミニウム又はその合金の表面処理方法
WO2021215962A1 (ru) Способ нанесения покрытия на изделия из вентильного металла или его сплава
JPH04224695A (ja) ピストンのアルマイト処理方法及び装置
JP2000282292A (ja) アルマイト処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111018

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111031

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4868020

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees