JP2018090897A - 陽極酸化皮膜の製造方法及び陽極酸化皮膜 - Google Patents

陽極酸化皮膜の製造方法及び陽極酸化皮膜 Download PDF

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恵実 杉澤
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Abstract

【課題】 気孔率が高く、且つ、内部に形成されている気孔を容易に封孔することができる陽極酸化皮膜の製造方法を提供すること。【解決手段】 硫酸水溶液中に、金属製の被処理物10及び陰極3を浸漬し、第一電圧V1以下の電圧を陽極と陰極との間に印加して、表面に開口した第一気孔21bが内部に形成された第一陽極酸化皮膜21を成膜する第一陽極酸化処理工程と、シュウ酸水溶液中に、第一陽極酸化皮膜21が表面に成膜された被処理物10及び陰極を浸漬し、第一陽極酸化処理工程の印加電圧よりも高い一定の第二電圧V2を陽極と陰極との間に印加して、被処理物10の表面と第一陽極酸化皮膜21との間に、第一気孔21bの径よりも大きい径の第二気孔22bが内部に形成された第二陽極酸化皮膜22を成膜する第二陽極酸化処理工程と、第一陽極酸化皮膜21の表面に開口した第一気孔21bを封孔する封孔処理工程と、を含む、陽極酸化皮膜の製造方法とすること。【選択図】 図4

Description

本発明は、陽極酸化皮膜の製造方法及び陽極酸化皮膜に関する。
車両のエンジン等の内燃機関に用いられるピストンは、内燃機関の燃焼室に面する頂面を有する。この頂面を通じて、燃焼室内の熱がピストンに伝達される。ピストンの熱伝導率が高い場合、燃焼室からピストンを伝わって外部に流出する熱量、すなわち熱損失量が増加して内燃機関の燃焼効率が低下する。そのためピストンを伝わって外部に流出する熱量(熱損失量)は少ないのが望ましい。
また、車両の軽量化を図るため、内燃機関に用いられるピストンの材質として、軽金属であるアルミニウムやマグネシウムが採用される場合がある。このような金属の表面には、陽極酸化処理により陽極酸化皮膜を成膜することができる。陽極酸化皮膜内には、膜厚方向に延びるとともに表面に開口した複数の気孔(ポアとも言う)が形成される。陽極酸化皮膜内の気孔が断熱層を形成するため、陽極酸化皮膜の断熱性能は高い。つまり、陽極酸化皮膜の熱伝導率は低い。よって、このような陽極酸化皮膜をピストンの頂面に成膜することで、燃焼室からピストンを介して流出する熱量の低減、すなわち熱損失量の低減が、期待される。
特許文献1は、内燃機関の燃焼室を構成する壁面に形成された陽極酸化皮膜を開示する。特許文献1に記載の陽極酸化皮膜の製造方法は、陽極酸化処理工程と、ポアワイドニング処理工程と、封孔処理工程とを有する。陽極酸化処理工程にて、燃焼室の壁面を構成する金属部材の表面に陽極酸化皮膜が成膜される。また、陽極酸化処理工程にて、印加電圧及び電解液温度を調整することで、陽極酸化皮膜の気孔率が所望の範囲に調整される。また、ポアワイドニング処理工程にて陽極酸化皮膜に酸エッチングを施すことにより、陽極酸化皮膜内に形成された気孔の径(ポア径)が拡大される。気孔の径が拡大されることにより陽極酸化皮膜の気孔率が高められる。こうして気孔率が高められることにより、陽極酸化皮膜の断熱性能が高められる。また、封孔処理工程にて陽極酸化皮膜に沸騰水又は水蒸気による封孔処理を施すことにより、陽極酸化皮膜内に形成された気孔の表面開口が封止される。封孔処理の実施により、陽極酸化皮膜の断熱性能がさらに高められるとともに、これを燃焼室の壁面に用いた場合に陽極酸化皮膜内に燃焼室内の燃料や燃焼ガスが進入することが防止される。
特開2012−46784号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1によれば、陽極酸化皮膜の気孔率を高めるために、ポアワイドニング処理工程にて陽極酸化皮膜内の気孔の径が拡大されるが、気孔の径が拡大されると気孔の開口径も拡大するので、開口径が拡大した気孔を封孔処理により封孔することが困難である。封孔処理を十分に行うことができない場合、陽極酸化皮膜の断熱性能を十分に高めることができない。
本発明は、断熱性能が高い(熱伝導率が低い)陽極酸化皮膜の製造方法、及び、断熱性能が高い(熱伝導率が低い)陽極酸化皮膜を提供することを目的とする。
本発明は、電解液としての硫酸水溶液(4A)中に、陽極としての金属製の被処理物(10)及び陰極(3)を浸漬し、所定の低電圧である第一電圧(V1)以下の電圧を陽極と陰極との間に印加することにより、表面に開口した複数の第一気孔(21b)が内部に形成された第一陽極酸化皮膜(21)を被処理物の表面に成膜する第一陽極酸化処理工程と、電解液としてのシュウ酸水溶液(4B)中に、陽極としての第一陽極酸化皮膜が表面に成膜された被処理物及び陰極を浸漬し、第一陽極酸化処理工程にて印加した電圧よりも高い一定の高電圧である第二電圧(V2)を陽極と陰極との間に印加することにより、被処理物の表面と第一陽極酸化皮膜との間に、第一気孔の径よりも大きい径を有する複数の第二気孔(22b)が内部に形成された第二陽極酸化皮膜(22)を成膜する第二陽極酸化処理工程と、第一陽極酸化皮膜の表面に開口した第一気孔を封孔する封孔処理工程と、を含む、陽極酸化皮膜の製造方法を提供する。
本発明によれば、第一陽極酸化処理工程により第一陽極酸化皮膜が成膜され、続く第二陽極酸化処理工程により第二陽極酸化皮膜が成膜される。ここで、陽極酸化反応は界面反応であり、陽極である被処理物の表面で起きるので、第一陽極酸化皮膜も第二陽極酸化皮膜も被処理物の表面に成膜される。このため、第二陽極酸化処理工程の実施によって被処理物の表面に成膜した第二陽極酸化皮膜によって、既に第一陽極酸化処理工程の実施によって被処理物の表面に成膜されている第一陽極酸化皮膜が被処理物の表面から持ち上げられる。従って、第二陽極酸化皮膜は被処理物の表面と第一陽極酸化皮膜との間に形成され、第一陽極酸化皮膜は第二陽極酸化皮膜の表面に形成される。つまり、第二陽極酸化皮膜は第一陽極酸化皮膜の内側に形成され、第一陽極酸化皮膜は第二陽極酸化皮膜の外側、すなわち最表面に形成される。
また、第二陽極酸化皮膜を成膜する際に陽極と陰極との間に印加される第二電圧は、第一陽極酸化皮膜を成膜する際に陽極と陰極との間に印加される電圧(第一電圧以下の電圧)よりも高い。ここで、陽極酸化皮膜内に形成される気孔の径は、陽極酸化処理工程にて陽極と陰極との間に印加する電圧の大きさに影響を受ける。具体的には、印加電圧が高いほど、陽極酸化皮膜内に形成される気孔の径が大きく、印加電圧が低いほど、陽極酸化皮膜内に形成される気孔の径は小さい。従って、印加電圧の低い第一陽極酸化処理工程にて成膜される第一陽極酸化皮膜内に形成される第一気孔の径は小さく、印加電圧の高い第二陽極酸化処理工程にて成膜される第二陽極酸化皮膜内に形成される第二気孔の径は大きい。
つまり、外側に形成される第一陽極酸化皮膜内の第一気孔の径が小さく、内側に形成される第二陽極酸化皮膜内の第二気孔の径が大きい。このように内側に形成される第二陽極酸化皮膜内の第二気孔の径を大きくすることにより、陽極酸化皮膜の気孔率を高めることができる。また、外側に形成される第一陽極酸化皮膜内の第一気孔の径は小さいので、第一気孔の開口径も小さい。よって、封孔処理工程により容易に第一陽極酸化皮膜の表面に開口した第一気孔を封孔することができる。
このように、本発明によれば、気孔率が高く、且つ、内部に形成されている気孔が封孔された陽極酸化皮膜を製造することができる。気孔率が高く、且つ、内部の気孔が封孔された陽極酸化皮膜の断熱性能は高い。すなわち、本発明によれば、断熱性能が高い陽極酸化皮膜の製造方法を提供することができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、第一陽極酸化処理工程にて、硫酸水溶液中で陽極酸化が行われる。硫酸の電気伝導度は高いので、第一陽極酸化処理工程にて高電圧を印加しようとすると、生成された皮膜に大電流が流れて皮膜が破損する。故に、第一陽極酸化処理工程では高電圧を印加することができない。逆に言えば、硫酸水溶液を用いる第一陽極酸化処理工程では低電圧しか印加できない。そのため第一陽極酸化処理工程により成膜した第一陽極酸化皮膜内に形成される第一気孔の径は小さい。その一方で、第二陽極酸化処理工程では、シュウ酸水溶液中で、陽極酸化が行われる。シュウ酸の電気伝導度は低い(すなわち液抵抗が高い)ので、高電圧を印加しても、成膜中の皮膜に大電流が流れて皮膜が破壊されることはない。よって、シュウ酸水溶液を用いる第二陽極酸化処理工程にて高電圧を印加することができ、その結果、第二気孔の径を大きくすることができる。なお、シュウ酸は皮膜の溶解性が高い物質である。そのため、シュウ酸を用いた第二陽極酸化処理工程により、成膜される皮膜の孔径(第二気孔の径)をより大きくすることができる。
本発明に係る製造方法において、第一陽極酸化処理工程にて陽極と陰極との間に印加される電圧は、第一電圧以下であれば、一定の電圧でもよいし、一定の電圧でなくてもよい。つまり、定電圧制御により第一陽極酸化処理工程を実施してもよいし、定電流制御により第一陽極酸化処理工程を実施してもよい。一方、第二陽極酸化処理工程にて陽極と陰極との間に印加される電圧は、定電圧である。第二陽極酸化処理工程を定電圧制御により実施することにより、第二気孔の径を安定化させることができる。一方、第二陽極酸化処理工程を定電流制御により実施すると、第二気孔の径が安定せず、それ故に気孔率を調整することができない。
第一陽極酸化処理工程における印加電圧は、第一陽極酸化皮膜内に形成された第一気孔の開口径が、その後の封孔処理により十分に封孔できる程度の径となるような大きさの電圧であると良い。特に、第一陽極酸化処理工程における印加電圧は、20V以下の電圧であると良い。すなわち第一電圧以下の電圧が20V以下の電圧であると良い。第一陽極酸化処理工程における印加電圧が20V以下であれば、その後の封孔処理工程にて容易に封孔することができる程度の径を持つ第一気孔が、第一陽極酸化皮膜内に形成される。また、第二陽極酸化処理工程における印加電圧(第二電圧)は、製造される陽極酸化皮膜が所望の径の気孔を有するような大きさの電圧であると良い。特に、第二電圧は、100V以上であると良い。第二電圧が100V以上であれば、製造される陽極酸化皮膜の気孔率を十分に高めることができる。
また、本発明に係る製造方法において、被処理物がアルミニウム合金であるのがよい。この場合、アルミニウム合金にシリコン(ケイ素)が含有されているとよい。アルミニウム合金は、純アルミニウムよりも抵抗が高い。そのため、アルミニウム合金により構成される被処理物を陽極として用いて陽極酸化処理を行う場合に陽極と陰極との間に印加することができる電圧の上限は、純アルミニウムにより構成される被処理物を陽極として用いて陽極酸化処理を行う場合に陽極と陰極との間に印加することができる電圧の上限よりも高い。このため、第二陽極酸化処理工程にて、より高い電圧を印加することができ、これにより、第二気孔の径をより大きくすることができる。その結果、製造される陽極酸化皮膜の気孔率をより高めることができる。
また、本発明において、被処理物が内燃機関に用いられるピストンであるのがよい。より詳細には、本発明に係る陽極酸化皮膜が成膜される被処理物の表面が、内燃機関に用いられるピストンの頂面であるのがよい。これによれば、ピストンの頂面に本発明に係る陽極酸化皮膜を成膜することにより、そのピストンを用いた内燃機関の燃焼室内の断熱性が向上し、その結果、内燃機関の燃焼効率を向上させることができる。また、本発明に係る陽極酸化皮膜の表面は封孔処理されているので、これをピストンの頂面に用いた場合に陽極酸化皮膜内に燃焼室内の燃料や燃焼ガスが進入することが防止される。
また、本発明は、金属製の被処理物(10)の表面に形成される陽極酸化皮膜(20)であって、表面に開口するとともに開口が封孔された複数の第一気孔(21b)が内部に形成された第一陽極酸化皮膜(21)と、被処理物の表面と第一陽極酸化皮膜との間に形成された第二陽極酸化皮膜(22)と、を備え、第二陽極酸化皮膜内に、第一気孔の径よりも大きい径を有する複数の第二気孔(22b)が形成され、第二気孔の孔壁に、横穴(22c)が形成されている、陽極酸化皮膜を提供する。この場合、第二陽極酸化皮膜の膜厚が、第一陽極酸化皮膜の膜厚よりも厚いと良い。
本発明に係る陽極酸化皮膜は、第一陽極酸化皮膜と第二陽極酸化皮膜を備え、第二陽極酸化皮膜が第一陽極酸化皮膜の内側に形成される。内側に形成される第二陽極酸化皮膜内の第二気孔の径は、外側に形成される第一陽極酸化皮膜内の第一気孔の径よりも大きい。径の大きい第二気孔が第二陽極酸化皮膜内に形成されることにより、陽極酸化皮膜の気孔率が高められる。さらに、第二気孔の孔壁(側壁)には横穴が形成される。この横穴の形成により、陽極酸化皮膜の気孔率がさらに高められる。また、外側に形成される第一陽極酸化皮膜内の第一気孔の径は第二気孔の径よりも小さいので、第一気孔は容易に封孔される。気孔率が高く、且つ、内部の気孔が封孔された陽極酸化皮膜の断熱性能は高い。すなわち、本発明によれば、断熱性能が高い陽極酸化皮膜を提供することができる。また、本発明に係る陽極酸化皮膜を内燃機関のピストンの頂面に形成することにより、陽極酸化皮膜内に燃焼室内の燃料や燃焼ガスが進入することが防止される。
また、本発明に係る陽極酸化皮膜の膜厚方向における熱伝導率が、0.5W/m・K以下であるとよい。これによれば、本発明に係る陽極酸化皮膜が形成された部材の断熱性を向上させることができる。
陽極酸化処理装置の概略図である。 第一陽極酸化処理工程の実施後の被処理物表面付近の断面を示す模式図である。 第二陽極酸化処理工程の実施後の被処理物表面付近の断面を示す模式図である。 各工程を経て製造された本実施形態に係る陽極酸化皮膜の断面模式図である。 比較例1に係る陽極酸化皮膜の断面模式図である。 比較例2に係る陽極酸化皮膜の断面模式図である。 比較例3に係る陽極酸化皮膜の断面模式図である。 実施例に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像である。 比較例1に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像である。 比較例2に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像である。 比較例3に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像である。
以下、本発明の実施形態に係る陽極酸化皮膜の製造方法について説明する。
本実施形態に係る陽極酸化皮膜の製造方法は、第一陽極酸化処理工程と、第二陽極酸化処理工程と、封孔処理工程とを含む。上記工程を上記した順に実施することにより、金属製の被処理物の表面に陽極酸化皮膜が成膜される。
金属製の被処理物の材質は、陽極酸化処理によって陽極酸化皮膜がその表面に成膜され得る金属であればよい。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金が、金属製の被処理物の材質として例示できる。特に、金属製の被処理物の材質は、アルミニウム合金であるのがよい。アルミニウム合金に含まれるアルミニウム以外の金属として、ケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、錫、鉛、チタン、クロム、ジクロニウム等の一種又は複数種の組み合わせを例示することができる。アルミニウム合金として、例えば、アルミニウム合金鋳物材であるAC8A材、AC8R材等を例示することができる。
また、金属製の被処理物は、その表面に成膜される陽極酸化皮膜により断熱性が高められることによって何等かの効果を奏する物品であるのがよい。本実施形態において、金属製の被処理物は、アルミニウム合金製のピストンである。そして、このピストンの頂面に、本実施形態に係る製造方法によって、陽極酸化皮膜が形成される。以下、本実施形態に係る陽極酸化皮膜の製造方法を工程順に説明する。
(1)第一陽極酸化処理工程
第一陽極酸化処理工程は、陽極酸化処理装置を用いて実施される。図1は、第一陽極酸化処理工程の実施に用いる陽極酸化処理装置1の概略図である。図1に示すように、陽極酸化処理装置1は、直流電源2と、陰極3と、内部に電解液4(4A、4B)が充填される電解槽5と、通電制御部6と、温度制御部7を備える。なお、この陽極酸化処理装置1は、後述する第二陽極酸化処理工程に用いることもできる。
直流電源2はプラス端子2aとマイナス端子2bとを備え、プラス端子2aとマイナス端子2b間に所定の直流電圧を印加することができるように構成される。この直流電源2のプラス端子2aに、陽極としての被処理物10であるピストンが導電線を介して電気的に接続され、マイナス端子2bに、陰極3が導電線を介して電気的に接続される。陰極3の材質は、電極として用いることができる材質であれば、どのような材質でも良い。陰極3の材質として、鉛、白金を例示することができる。
温度制御部7は、電解槽5内に充填される電解液4の温度を調整する。この場合、電解槽5に接触させた冷凍機の作動を制御することにより、電解液4の温度を調整することができる。また、内部を冷却液が流通する冷却管を電解槽5に接触させ、冷却管内を流通する冷却液の流量を制御することにより、電解液4の温度を調整することもできる。
また、電解槽5内には、電解液4を撹拌するための撹拌手段(不図示)が設置される。攪拌手段が作動して電解液4を攪拌することにより、電解液4の温度のばらつきが抑えられる。撹拌手段としては、例えば、エアパブリシング、或いはポンプによる電解液の循環、などが考えられる。
上記構成の陽極酸化処理装置1を用いて第一陽極酸化処理工程を実施するにあたり、まず、電解槽5内に電解液4を充填する。ここで、第一陽極酸化処理工程では、電解液4として硫酸水溶液が用いられる。以下、第一陽極酸化処理工程にて用いられる電解液(硫酸水溶液)を、電解液4Aと呼ぶ。
次いで、図1に示すように、直流電源2のプラス端子2aに電気的に接続された陽極としての被処理物10及び、直流電源2のマイナス端子2bに電気的に接続された陰極3が、電解槽5に充填された電解液4A中に浸漬される。この場合において、被処理物10の全体が電解液4A中に浸漬されてもよいし、一部分のみ(特に、皮膜形成部分(本実施形態ではピストンの頂面)及びその周辺部分のみ)が、電解液4A中に浸漬されてもよい。電解液4A中に浸漬された被処理物10の表面であって陽極酸化皮膜を形成しない部分には、マスキング部材を貼付しておくのがよい。
電解液4A中に陽極(被処理物10)及び陰極3が浸漬された後、陽極と陰極3との間に電圧が印加される。印加電圧は、通電制御部6により制御される。本実施形態では、第一陽極酸化処理工程にて、所定の低電圧である第一電圧V1以下の電圧が印加される。第一電圧V1以下の電圧として、20V以下の電圧を例示することができる(V1=20V)。この場合、第一陽極酸化処理工程にて、20V以下の電圧が印加されるように、通電制御部6が定電圧制御又は定電流制御を行う。また、陽極と陰極3との間に電圧を印加している間、電解液4Aの温度が所定温度(例えば、−5℃〜25℃)に維持されるように、温度制御部7によって電解液4Aの温度が調整される。
第一陽極酸化処理工程にて陽極(被処理物10)と陰極3との間に第一電圧V1以下の電圧を印加すると、被処理物10の表面(ピストンの頂面)からアルミニウムイオンが溶出するとともに、被処理物10の表面にて電気化学反応(陽極酸化反応)が起こり、陽極酸化皮膜(アルマイト皮膜)が成膜される。この第一陽極酸化処理工程にて成膜された陽極酸化皮膜を、本明細書では第一陽極酸化皮膜と呼ぶ。図2は、第一陽極酸化処理工程の実施後の被処理物表面付近の断面を示す模式図である。図2に示すように、第一陽極酸化処理工程の実施により、被処理物10の表面に第一陽極酸化皮膜21が成膜される。
第一陽極酸化皮膜21は、被処理物10の表面から垂直方向に延びる複数のセル21aにより構成される。また、各セル21a内に気孔が形成される。従って、第一陽極酸化皮膜21は、複数の気孔が内部に形成された多孔質層である。第一陽極酸化皮膜21の各セル21a内に形成される気孔を、本明細書では第一気孔21bと呼ぶ。第一気孔21bは、第一陽極酸化皮膜21の膜厚方向(被処理物10の表面に垂直な方向)に延び、その先端が第一陽極酸化皮膜21の表面に開口する。このように、第一陽極酸化処理工程にて、表面に開口した複数の第一気孔21bが内部に形成された第一陽極酸化皮膜21が、被処理物10の表面に成膜される。
第一陽極酸化処理工程において、電解槽5内に充填される電解液4Aである硫酸水溶液の硫酸濃度が100g/L未満であると、第一陽極酸化皮膜21の膜厚が安定しない。また、硫酸濃度が350g/L程度であるときに、電解液4Aの電気伝導度が最も高いが、硫酸濃度が400g/Lを越えると、電解液4Aの電気伝導度が低下して成膜速度を速めることができない。また、硫酸の使用量が増大する。故に、硫酸濃度は、100g/L以上であり且つ400g/L以下であるのがよい。
(2)第二陽極酸化処理工程
第一陽極酸化処理工程の後に、第二陽極酸化処理工程が実施される。第二陽極酸化処理工程は、第一陽極酸化処理工程に用いた陽極酸化処理装置1と同様な構成の陽極酸化処理装置を用いて実施することができる。この場合、陽極酸化処理装置1が備える直流電源2のプラス端子2aに、陽極としての、第一陽極酸化皮膜21が表面に成膜された被処理物10が、電気的に接続され、マイナス端子2bに陰極3が電気的に接続される。
また、第二陽極酸化処理工程では、電解槽5内に、電解液4としてシュウ酸水溶液が充填される。以下、第二陽極酸化処理工程にて用いられる電解液(シュウ酸水溶液)を、電解液4Bと呼ぶ。
電解槽5内に電解液4Bを充填した後に、直流電源2のプラス端子2aに電気的に接続された陽極(第一陽極酸化皮膜21が表面に成膜された被処理物10)及び、直流電源2のマイナス端子2bに電気的に接続された陰極3が、電解液4B中に浸漬される。この場合において、被処理物10の全体が電解液4B中に浸漬されてもよいし、一部分のみ(特に、第一陽極酸化皮膜21が成膜された部分(本実施形態ではピストンの頂面)及びその周辺部分のみ)が、電解液4B中に浸漬されてもよい。電解液4B中に浸漬された被処理物10の表面であって陽極酸化皮膜を形成しない部分には、マスキング部材を貼付しておくのがよい。
電解液4B中に陽極(第一陽極酸化皮膜21が表面に成膜された被処理物10)及び陰極3が浸漬された後、陽極と陰極3との間に電圧が印加される。印加電圧は、通電制御部6により制御される。本実施形態では、第二陽極酸化処理工程にて、第一陽極酸化処理工程で印加した電圧よりも高い一定の高電圧である第二電圧V2が印加される。第二電圧V2として、例えば100Vを例示することができる。この場合、第二陽極酸化処理工程にて、陽極と陰極3との間に100Vの一定電圧が印加されるように、通電制御部6が定電圧制御を行う。また、陽極と陰極3との間に電圧(第二電圧V2)を印加している間、電解液4Bの温度が所定温度(例えば、−5℃〜25℃)に維持されるように、温度制御部7によって電解液4Bの温度が調整される。
第二陽極酸化処理工程にて陽極(第一陽極酸化皮膜21が表面に成膜された被処理物10)及び陰極3との間に一定の高電圧である第二電圧V2を印加すると、被処理物10の表面(ピストンの頂面)からアルミニウムイオンが溶出するとともに、被処理物10の表面にて電気化学反応(陽極酸化反応)が起こり、陽極酸化皮膜(アルマイト皮膜)が成膜される。第二陽極酸化処理工程にて成膜された陽極酸化皮膜を、第二陽極酸化皮膜と呼ぶ。
図3は、第二陽極酸化処理工程の実施後の被処理物表面付近の断面を示す模式図である。図3に示すように、被処理物10の表面に第二陽極酸化皮膜22が成膜される。また、第二陽極酸化処理にて被処理物10の表面に第二陽極酸化皮膜22が成膜されることにより、第一陽極酸化処理工程にて既に成膜されていた第一陽極酸化皮膜21は、第二陽極酸化皮膜22によって持ち上げられる。このため、第一陽極酸化皮膜21は、第二陽極酸化皮膜22の表面に形成されることになる。つまり、第二陽極酸化皮膜22は、被処理物10の表面と第一陽極酸化皮膜21との間に成膜される。換言すれば、第二陽極酸化皮膜22は、第一陽極酸化皮膜21の内側に形成される内側皮膜であり、第一陽極酸化皮膜21は、第二陽極酸化皮膜22の外側に形成される外側皮膜である。
第二陽極酸化皮膜22は、被処理物10の表面から垂直方向に延びる複数のセル22aにより構成される。各セル22aの先端部分は、第一陽極酸化皮膜21を構成する各セル21aに接続している。また、各セル22a内に気孔が形成される。従って、第二陽極酸化皮膜22は、複数の気孔が内部に形成された多孔質層である。第二陽極酸化皮膜22の各セル22a内に形成される気孔を、本明細書では第二気孔22bと呼ぶ。第二気孔22bも第一気孔21bと同様に、膜厚方向に延び、その先端が第一気孔21bに連通する。このように、第二陽極酸化処理工程にて、複数の第二気孔22bが内部に形成された第二陽極酸化皮膜22が、被処理物10の表面と第一陽極酸化皮膜21との間に成膜される。
また、上記したように、第二陽極酸化処理工程における印加電圧(第二電圧V2)は、第一陽極酸化処理工程における印加電圧(第一電圧V1以下の電圧)よりも大きい。印加電圧の大きさは、成膜された陽極酸化皮膜を構成するセルの径(外径)及びセル内の気孔の径に影響を及ぼす。具体的には、印加電圧が高いほど、陽極酸化皮膜を構成するセルの径及びセル内の気孔の径が大きく、印加電圧が低いほど、陽極酸化皮膜を構成するセルの径及びセル内の気孔の径が小さい。従って、図3に示すように、印加電圧が高い第二陽極酸化処理工程にて成膜した第二陽極酸化皮膜22の各セル22aの径は、印加電圧が低い第一陽極酸化処理工程にて成膜した第一陽極酸化皮膜21の各セル21aの径よりも大きい。また、印加電圧が高い第二陽極酸化処理工程にて成膜した第二陽極酸化皮膜22の各セル22a内の第二気孔22bの径(D2)は、印加電圧が低い第一陽極酸化処理工程にて成膜した第一陽極酸化皮膜21の各セル21a内の第一気孔21bの径(D1)よりも大きい。
なお、第二陽極酸化処理工程では、第二電圧V2の印加によって第一陽極酸化皮膜21のセル21aから第二陽極酸化皮膜22のセル22aが成長するが、セル22aの成長速度は完全に均一ではなく、成長しやすいセルと成長しにくいセルが存在する。つまり、セルの成長ムラが存在する。また、セル22aの径はセル21aの径よりも大きいため、先に成長したセル22aは、後に成長しようとするセル22aの成長領域に張り出す。このため後に成長しようとするセル22aの成長が先に成長したセル22aにより阻害される。その結果、図3に示すように、セル22aの成長が停止したセル21aが存在する。セル22aの成長が停止したセル21aが、図3においてセル21Aとして示される。
また、第二陽極酸化処理工程では、電解液としてシュウ酸水溶液が用いられるが、電解液がシュウ酸水溶液であると、図3に示すように成膜される第二陽極酸化皮膜22の各セル22a内の第二気孔22bの孔壁(第二気孔22bを囲むセル22aの内側壁)に、穴が形成されやすい。このようにして形成される穴を、本明細書では、横穴22cと呼ぶ。
また、第二陽極酸化処理工程において、電解槽5内に充填される電解液4Bであるシュウ酸水溶液のシュウ酸濃度が20g/L未満であると、成膜速度が極端に遅くなる。また、シュウ酸濃度が40g/Lを越えても、成膜速度はさほど早くならない。このことから、シュウ酸濃度は、20g/L以上であり且つ40g/L以下であるとよい。
(3)封孔処理工程
第二陽極酸化処理工程の実施によって、第一陽極酸化皮膜21が第二陽極酸化皮膜22に持ち上げられるため、第一陽極酸化皮膜21が皮膜表面(最表面)を構成する。従って、第一陽極酸化皮膜21の各セル21a内に形成された第一気孔21bが皮膜表面に開口する。封孔処理工程では、表面に開口している第一気孔21bの開口が封孔される。この場合、沸騰水や酢酸ニッケルなどを用いて封孔処理が施される。例えば沸騰水処理の場合、第一陽極酸化皮膜21及び第二陽極酸化皮膜22が形成された被処理物10を沸騰水に浸漬して、第一気孔21bの孔壁を水和膨張させることによって、第一気孔21bが封孔される。
以上の工程を経て、本実施形態に係る陽極酸化皮膜が製造される。図4は、上記した各工程を経て製造された陽極酸化皮膜20の断面模式図である。図4からわかるように、陽極酸化皮膜20は、第一陽極酸化処理工程にて成膜された多孔質状の第一陽極酸化皮膜21と、第二陽極酸化処理工程にて成膜された多孔質状の第二陽極酸化皮膜22とを備える。第二陽極酸化皮膜22は、被処理物10の表面と第一陽極酸化皮膜21との間に形成され、第一陽極酸化皮膜21は第二陽極酸化皮膜22の表面に形成される。つまり、第一陽極酸化皮膜21は第二陽極酸化皮膜22の外側に形成され、第二陽極酸化皮膜22は第一陽極酸化皮膜21の内側に形成される。なお、厳密に言えば、陽極酸化皮膜20の最下層に緻密なバリア層Bが形成され、このバリア層B上に多孔質状の第二陽極酸化皮膜22が形成され、第二陽極酸化皮膜22上に多孔質状の第一陽極酸化皮膜21が形成される。
また、第一陽極酸化処理工程にて、第一陽極酸化皮膜21の各セル21a内には第一気孔21bが形成されるが、この第一気孔21bは、その後の封孔処理工程にて封孔される。なお、第一気孔21bは、その表面開口が封孔されていれば、それ以外の部分が気孔として第一陽極酸化皮膜21内に存在していてもよい。
また、上記したように、第二陽極酸化処理工程の実施によって形成される第二陽極酸化皮膜22の各セル22a内の第二気孔22bの径(D2)は、第一陽極酸化処理工程の実施によって形成される第一陽極酸化皮膜21の各セル21a内の第一気孔21bの径(封孔前の第一気孔21bの径D1)よりも大きい。これは、第二陽極酸化処理工程における印加電圧が、第一陽極酸化処理工程における印加電圧よりも大きいことに起因する。
このように、本実施形態に係る製造方法により製造された陽極酸化皮膜20によれば、外側に形成される第一陽極酸化皮膜21内の第一気孔21bの径が小さく、内側に形成される第二陽極酸化皮膜22内の第二気孔22bの径が大きい。内側に形成される第二陽極酸化皮膜22内の第二気孔22bの径を大きくすることにより、陽極酸化皮膜20の気孔率を高めることができる。さらに、第二気孔22bの孔壁(側壁)には多数の横穴22cが形成される。この横穴の形成も、気孔率の向上に寄与する。
また、第一陽極酸化皮膜21の各セル21a中の複数の第一気孔21bの径は小さいので、第一気孔21bの表面の開口を、封孔処理工程によって容易に封孔することができる。こうして第一気孔21bが容易に封孔されることにより、陽極酸化皮膜20内に形成されている気孔(特に第一気孔21bに連通した第二気孔22b)を閉じることができる。このため陽極酸化皮膜20内に閉じた断熱空間が多数存在することになる。これにより断熱性能が高められる。
つまり、本実施形態に係る陽極酸化皮膜20の気孔率は高く、且つ、皮膜の内部の気孔が封孔されている。気孔率が高く、且つ、内部の気孔が封孔された陽極酸化皮膜の断熱性能は高い。すなわち、本実施形態によれば、断熱性能が高い陽極酸化皮膜の製造方法、及び、断熱性能が高い陽極酸化皮膜を提供することができる。また、本発明に係る陽極酸化皮膜を内燃機関のピストンの頂面に形成することにより、陽極酸化皮膜内に燃焼室内の燃料や燃焼ガスが進入することが防止される。その結果、断熱皮膜としての性能が長期間確保される。
また、図4からわかるように、第二陽極酸化皮膜22の膜厚は、第一陽極酸化皮膜21の膜厚よりも厚い。このため、陽極酸化皮膜20の気孔率を高めることができる。なお、第一陽極酸化皮膜21の膜厚が10μmを超えると、熱伝導率が高くなる虞がある。一方、第一陽極酸化皮膜21の膜厚が3μm未満であると、第一陽極酸化皮膜21の表面開口を封孔することができなくなる虞がある。従って、第一陽極酸化皮膜21の膜厚は、3μm以上であり且つ10μm以下であるのが良い。この場合、第一陽極酸化皮膜21の膜厚が3μm以上であり且つ10μm以下の範囲に収まるように、第一陽極酸化処理工程における通電時間が通電制御部6により制御される。
また、第二陽極酸化皮膜22の膜厚が40μm未満であると、陽極酸化皮膜20の断熱性能(熱伝導率)が十分に発揮されない。一方、第二陽極酸化皮膜22の膜厚が200μmを超えると、陽極酸化皮膜20の体積比熱が増大して、熱容量が大きくなる。このため、スイング特性(陽極酸化皮膜を内燃機関のピストン頂面に形成した場合において、燃焼室内のガス温度に被膜温度が追随する特性)が悪化する。従って、第二陽極酸化皮膜22の膜厚は、4050μm以上であり且つ200μm以下であるのがよい。この場合、第二陽極酸化皮膜22の膜厚が4050μm以上であり且つ200μm以下の範囲に収まるように、第二陽極酸化処理工程における通電時間が通電制御部6により制御される。
(実施例)
アルミニウム合金鋳物素材であるAC8A材からなるテストピースを用意した。次いで、電解液としての硫酸水溶液(硫酸濃度:200g/L)中に陽極としてのテストピース及び陰極を浸漬し、陽極と陰極との間に20Vの一定電圧を30分間印加した。これにより、テストピースの表面に陽極酸化皮膜(第一陽極酸化皮膜)を成膜した(第一陽極酸化処理工程)。次に、電解液としてのシュウ酸水溶液(シュウ酸濃度:30g/L)中に、陽極としての、表面に第一陽極酸化皮膜が成膜されたテストピース、及び陰極を浸漬し、陽極と陰極との間に100Vの一定電圧を360分間印加した。これにより、テストピースの表面と第一陽極酸化皮膜との間に陽極酸化皮膜(第二陽極酸化皮膜)を成膜した。続いて、沸騰水により、第一陽極酸化皮膜の表面に開口した孔(第一気孔)の孔壁を水和膨張させて、第一陽極酸化皮膜内に形成された複数の第一気孔を封孔した(封孔処理工程)。以上の工程を経て、図4に示すような陽極酸化皮膜20を製造した。
(比較例1)
アルミニウム合金鋳物素材であるAC8A材からなるテストピースを用意した。次いで、電解液としての硫酸水溶液(硫酸濃度:200g/L)中に陽極としてのテストピース及び陰極を浸漬し、陽極と陰極との間に2Aの一定電流を60分間流した。これにより、テストピースの表面に陽極酸化皮膜を成膜した。なお、比較例1において、成膜中に印加された電圧は、20〜80Vであった。図5に、比較例1に係る陽極酸化皮膜C1の断面模式図を示す。図5に示すように、比較例1に係る陽極酸化皮膜C1内に形成されている気孔の径は、図4に示す実施例に係る陽極酸化皮膜20内に形成されている気孔の径よりも小さい。よって、比較例1に係る陽極酸化皮膜C1の気孔率は低い。
(比較例2)
アルミニウム合金鋳物素材であるAC8A材からなるテストピースを用意した。次いで、電解液としてのシュウ酸水溶液(シュウ酸濃度:30g/L)中に陽極としてのテストピース及び陰極を浸漬し、陽極と陰極との間に100Vの一定電圧を60分間印加した。これにより、テストピースの表面に陽極酸化皮膜を成膜した。図6に、比較例2に係る陽極酸化皮膜C2の断面模式図を示す。図6に示すように、比較例2に係る陽極酸化皮膜C2内に形成されている気孔の径は大きく、且つ、気孔の孔壁に横穴が形成されている。従って、陽極酸化皮膜C2の気孔率は高い。しかし、気孔の開口径が大きく、且つ、気孔の開口が封孔されていない。
(比較例3)
アルミニウム合金鋳物素材であるAC8A材からなるテストピースを用意した。次いで、電解液としての硫酸水溶液(硫酸濃度:200g/L)中に陽極としてのテストピース及び陰極を浸漬し、陽極と陰極との間に20Vの一定電圧を30分間印加した。これにより、テストピースの表面に陽極酸化皮膜(第一陽極酸化皮膜)を成膜した(第一陽極酸化処理工程)。次に、電解液としてのシュウ酸水溶液(シュウ酸濃度:30g/L)中に、陽極としての、表面に第一陽極酸化皮膜が成膜されたテストピース、及び陰極を浸漬し、陽極と陰極との間に100Vの一定電圧を360分間印加した。これにより、テストピースの表面と第一陽極酸化皮膜との間に陽極酸化皮膜(第二陽極酸化皮膜)を成膜した(第二陽極酸化処理工程)。以上の工程を経て、比較例3に係る陽極酸化皮膜を製造した。図7に、比較例3に係る陽極酸化皮膜C3の断面模式図を示す。図7に示すように、比較例3に係る陽極酸化皮膜C3内に形成されている気孔の径は大きく、且つ、気孔の開口径が小さい。従って、陽極酸化皮膜C3の気孔率は高い。しかし、気孔の開口が封孔されていない。
[SEMによる断面観察]
上記のようにして得られた各例に係る陽極酸化皮膜の断面を観察した。図8は、実施例に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像であり、図9は、比較例1に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像であり、図10は、比較例2に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像であり、図11は、比較例3に係る陽極酸化皮膜の断面のSEM画像である。ここで、図8(a)、図10(a)、図11(a)は、成膜した陽極酸化皮膜の全体を、膜厚方向に平行な直線を含む平面で切断した断面のSEM画像(倍率:1000倍)である。また、図8(b)、図9(a)、図10(b)、図11(b)は、成膜した陽極酸化皮膜の表層部分を、膜厚方向に平行な直線を含む平面で切断した断面のSEM画像(倍率:50000倍)である。また、図8(c)、図9(b)、図10(c)、図11(c)は、成膜した陽極酸化皮膜の膜厚方向における中央部分を、膜厚方向に平行な直線を含む平面で切断した断面のSEM画像(倍率:50000倍)である。
図8(特に図8(b))からわかるように、実施例に係る陽極酸化皮膜の表層部分を構成する第一陽極酸化皮膜中のセル内の気孔の径は小さく、表層部分よりも内側の部分を構成する第二陽極酸化皮膜中のセル内の気孔の径は大きい。これに対し、図9に示す比較例1に係る陽極酸化皮膜の表層部分を構成するセル内の気孔の径と表層部分よりも内側の部分(例えば中央部分)を構成するセル内の気孔の径はほぼ等しい。同様に、図10に示す比較例2に係る陽極酸化皮膜の表層部分を構成するセル内の気孔の径と表層部分よりも内側の部分(例えば中央部分)を構成するセル内の気孔の径はほぼ等しい。このことから、実施例に係る陽極酸化皮膜においては、皮膜の内部において気孔の径が大きく、皮膜の表層において気孔の径が小さいことがわかる。
また、図9(特に図9(b))に示すように、比較例1に係る陽極酸化皮膜中の気孔の径は、膜厚方向に沿って、ほぼ均一であり、且つ、膜厚方向にほぼ直線状に延びている。これに対し、図8(特に図8(b)及び図8(c))に示すように、実施例に係る陽極酸化皮膜中の気孔、特に第二陽極酸化皮膜中の気孔は、膜厚方向にほぼ直線状に延びているものの、所々で拡径している。このことから、実施例に係る陽極酸化皮膜のうち第二陽極酸化皮膜中の気孔の孔壁に横穴が形成されていることがわかる。
[熱伝導率の測定]
各例に係る陽極酸化皮膜の膜厚方向における熱伝導率を、NETZSCH JAPAN 株式会社製の型式LFA457 Micro Flash(登録商標)を用いて、レーザーフラッシュ法により、それぞれ測定した。表1に、各例における処理条件、成膜した陽極酸化皮膜の膜厚、及び測定した熱伝導率を示す。
表1において、実施例及び比較例3に係る陽極酸化皮膜の膜厚の欄には、上下に2つの膜厚が記載されている。2つの膜厚のうち上欄に記載の膜厚は陽極酸化皮膜の総膜厚(つまり、第一陽極酸化皮膜の膜厚と第二陽極酸化皮膜の膜厚との総和)であり、下欄に記載の膜厚は、第一陽極酸化皮膜の膜厚である。従って、実施例及び比較例3に係る陽極酸化皮膜の総膜厚は、54.4μmであり、そのうち第一陽極酸化皮膜の膜厚が5.4μmであり、第二陽極酸化皮膜の膜厚が、49.0μmである。つまり、実施例(及び比較例3)に係る陽極酸化皮膜中の第二陽極酸化皮膜の膜厚(49.0μm)は、第一陽極酸化皮膜の膜厚(5.4μm)よりも厚い。
表1に示すように、比較例1に係る陽極酸化皮膜の熱伝導率は、1.1W/m・Kと高い。この理由は、皮膜の気孔率が低いためであると考えられる。また、比較例2に係る陽極酸化皮膜の熱伝導率は、0.73W/m・Kと、さほど低くない。この理由は、皮膜の気孔率は高いものの、気孔の開口径が大きく、且つ、気孔の開口が封孔されていないために、気孔内の空間が断熱空間として十分に機能しないためと考えられる。また、比較例3に係る陽極酸化皮膜の熱伝導率は、0.70W/m/Kと十分に低くない。この理由は、皮膜の気孔率は高く、気孔の開口が狭いものの、気孔の開口が封孔されていないために、気孔内の空間が断熱空間として十分に機能しないためと考えられる。
これに対し、実施例に係る陽極酸化皮膜の熱伝導率は、表1に示すように0.45W/m・Kと、各比較例に係る陽極酸化皮膜の熱伝導率よりも低い。実施例に係る陽極酸化皮膜においては、図4及び図8に示すように皮膜内部(表層よりも内側)に形成された気孔の径が大きく(すなわち気孔率が高く)、且つ、気孔の開口が封孔されている。つまり、実施例に係る製造方法により、気孔率が高く、且つ、気孔が封孔された陽極酸化皮膜が製造される。こうして製造された実施例に係る陽極酸化皮膜によれば、皮膜内部に形成された気孔内の空間が閉じた断熱空間として十分に機能して、熱伝導率を十分に低下させることができる。このように、実施例に係る製造方法により製造された陽極酸化皮膜の断熱性能は、極めて高いことがわかる。
以上のように、本実施形態に係る陽極酸化皮膜の製造方法は、電解液としての硫酸水溶液(電解液4A)中に、陽極としての金属製の被処理物10及び陰極3を浸漬し、所定の低電圧である第一電圧V1以下の電圧を陽極と陰極との間に印加することにより、表面に開口した複数の第一気孔21bが内部に形成された第一陽極酸化皮膜21を被処理物10の表面に成膜する第一陽極酸化処理工程と、電解液としてのシュウ酸水溶液(電解液4B)中に、陽極としての第一陽極酸化皮膜21が表面に成膜された被処理物10及び陰極を浸漬し、第一陽極酸化処理工程にて印加した電圧よりも高い一定の高電圧である第二電圧V2を陽極と陰極との間に印加することにより、被処理物10の表面と第一陽極酸化皮膜21との間に、第一気孔21bの径よりも大きい径を有する複数の第二気孔22bが内部に形成された第二陽極酸化皮膜22を成膜する第二陽極酸化処理工程と、第一陽極酸化皮膜21の表面に開口した第一気孔21bを封孔する封孔処理工程と、を含む。
本実施形態に係る陽極酸化皮膜の製造方法によれば、第二陽極酸化皮膜22が第一陽極酸化皮膜21の内側に形成され、第一陽極酸化皮膜21が第二陽極酸化皮膜22の外側に形成される。また、外側に形成される第一陽極酸化皮膜21内の第一気孔21bの径が小さく、内側に形成される第二陽極酸化皮膜22内の第二気孔22bの径が大きい。このように内側に形成される第二陽極酸化皮膜22内の第二気孔22bの径を大きくすることにより、陽極酸化皮膜20の気孔率を高めることができる。また、外側に形成される第一陽極酸化皮膜21内の第一気孔21bの径は小さいので、封孔処理工程により容易に第一陽極酸化皮膜21の表面に開口した第一気孔21bを封孔することができる。つまり、本実施形態に係る製造方法により、気孔率が高く、且つ、皮膜の内部の気孔が封孔された陽極酸化皮膜が製造される。気孔率が高く、且つ、皮膜の内部の気孔が封孔された陽極酸化皮膜の断熱性能は高い。すなわち、本実施形態によれば、断熱性能が高い陽極酸化皮膜の製造方法及び、断熱性能が高い陽極酸化皮膜を提供することができる。
また、第一陽極酸化処理工程にて、電気伝導度の高い硫酸水溶液中で陽極酸化が行われるので、高電圧の印加による皮膜の破損を防ぐために、印加電圧を低く設定せざるを得ない。そのため第一陽極酸化処理工程により成膜した第一陽極酸化皮膜21内に形成される第一気孔21bの径は、必然的に小さくなる。また、第二陽極酸化処理工程にて、電気伝導度の低いシュウ酸水溶液中で陽極酸化が行われるので、第二陽極酸化処理工程では所望の高電圧を陽極と陰極との間に印加することができる。そのため第二気孔22bの径を大きくすることができ、その結果、陽極酸化皮膜20の気孔率を高めることができる。加えて、第二陽極酸化工程にて電解液としてシュウ酸水溶液を用いることにより、第二陽極酸化皮膜22内の第二気孔22bの孔壁に横穴22cが形成される。この横穴22cの形成により、より一層、陽極酸化皮膜20の気孔率を高めることができる。
また、第一陽極酸化処理工程にて20V以下の低電圧を印加することにより、その後の封孔処理工程にて容易に封孔することができる程度の径を持つ第一気孔21bを、第一陽極酸化皮膜21内に形成させることができる。また、第二陽極酸化処理工程にて100V以上の一定の高電圧を印加することにより、製造される陽極酸化皮膜20の気孔率を十分に高めることができる。
また、本実施形態において、陽極酸化皮膜20が成膜される被処理物1は、アルミニウム合金である。アルミニウム合金は、純アルミニウムよりも抵抗が高い。そのため、アルミニウム合金により構成される被処理物10を陽極として用いて陽極酸化処理を行う場合に陽極と陰極との間に印加することができる電圧の上限は、純アルミニウムにより構成される被処理物を陽極として用いて陽極酸化処理を行う場合に陽極と陰極との間に印加することができる電圧の上限よりも高い。このため、第二陽極酸化処理工程にて、より高い電圧を印加することができ、これにより、第二陽極酸化皮膜22内の第二気孔22bの径をより大きくすることができる。その結果、陽極酸化皮膜20の気孔率がより一層高められ、それにより陽極酸化皮膜20の断熱性能をより一層高めることができる。
また、本実施形態において、被処理物10が内燃機関のピストンである。より詳細には、本実施形態に係る陽極酸化皮膜20が成膜される被処理物10の表面が、内燃機関のピストンの頂面である。これによれば、ピストンの頂面に本実施形態に係る陽極酸化皮膜20を成膜することにより、そのピストンを用いた内燃機関の燃焼室内の断熱性が向上し、その結果、内燃機関の燃焼効率を向上させることができる。加えて、陽極酸化皮膜内に燃焼室内の燃料や燃焼ガスが進入することが防止される。その結果、断熱皮膜としての性能が長期間確保される。
また、本実施例に示す陽極酸化皮膜の熱伝導率は、0.5W/m・K以下である。このように熱伝導率が低い陽極酸化皮膜を内燃機関のピストンの頂面に成膜することで、内燃機関の燃焼効率をより一層向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態によれば、被処理物の材質がアルミニウム合金であるが、陽極酸化皮膜を形成することができる材質であれば、本発明を適用することができる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
1…陽極酸化処理装置、2…直流電源、3…陰極、4…電解液、4A…電解液(硫酸水溶液)、4B…電解液(シュウ酸水溶液)、5…電解槽、6…通電制御部、7…温度制御部、10…被処理物、20…陽極酸化皮膜、21…第一陽極酸化皮膜、21b…第一気孔、22…第二陽極酸化皮膜、22b…第二気孔、22c…横穴、V1…第一電圧、V2…第二電圧

Claims (6)

  1. 電解液としての硫酸水溶液中に、陽極としての金属製の被処理物及び陰極を浸漬し、所定の低電圧である第一電圧以下の電圧を前記陽極と前記陰極との間に印加することにより、表面に開口した複数の第一気孔が内部に形成された第一陽極酸化皮膜を前記被処理物の表面に成膜する第一陽極酸化処理工程と、
    電解液としてのシュウ酸水溶液中に、陽極としての前記第一陽極酸化皮膜が表面に成膜された前記被処理物及び陰極を浸漬し、前記第一陽極酸化処理工程にて印加した電圧よりも高い一定の高電圧である第二電圧を前記陽極と前記陰極との間に印加することにより、前記被処理物の表面と前記第一陽極酸化皮膜との間に、前記第一気孔の径よりも大きい径を有する複数の第二気孔が内部に形成された第二陽極酸化皮膜を成膜する第二陽極酸化処理工程と、
    前記第一陽極酸化皮膜の表面に開口した前記第一気孔を封孔する封孔処理工程と、
    を含む、陽極酸化皮膜の製造方法。
  2. 請求項1に記載の陽極酸化皮膜の製造方法において、
    前記第一電圧以下の電圧が20V以下の電圧である、陽極酸化皮膜の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の陽極酸化皮膜の製造方法において、
    前記第二電圧が、100V以上である、陽極酸化皮膜の製造方法。
  4. 金属製の被処理物の表面に形成される陽極酸化皮膜であって、
    表面に開口するとともに前記開口が封孔された複数の第一気孔が内部に形成された第一陽極酸化皮膜と、
    前記被処理物の表面と前記第一陽極酸化皮膜との間に形成された第二陽極酸化皮膜と、
    を備え、
    前記第二陽極酸化皮膜内に、前記第一気孔の径よりも大きい径を有する複数の第二気孔が形成され、
    前記第二気孔の孔壁に、横穴が形成されている、
    陽極酸化皮膜。
  5. 請求項4に記載の陽極酸化皮膜において、
    前記第二陽極酸化皮膜の膜厚が、前記第一陽極酸化皮膜の膜厚よりも厚い、
    陽極酸化皮膜。
  6. 請求項4又は5に記載の陽極酸化皮膜において、
    膜厚方向における熱伝導率が、0.5W/m・K以下である、
    陽極酸化皮膜。
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