JP2018527516A - シリンダヘッドのダクトのコーティングを形成するための改善された方法およびこれにより得られるシリンダヘッド - Google Patents

シリンダヘッドのダクトのコーティングを形成するための改善された方法およびこれにより得られるシリンダヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2018527516A
JP2018527516A JP2018530963A JP2018530963A JP2018527516A JP 2018527516 A JP2018527516 A JP 2018527516A JP 2018530963 A JP2018530963 A JP 2018530963A JP 2018530963 A JP2018530963 A JP 2018530963A JP 2018527516 A JP2018527516 A JP 2018527516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
duct
cylinder head
cathode
anode
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018530963A
Other languages
English (en)
Inventor
ケランプラン,パトリック
マッシノン,デニス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Montupet SA
Original Assignee
Montupet SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Montupet SA filed Critical Montupet SA
Publication of JP2018527516A publication Critical patent/JP2018527516A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/024Anodisation under pulsed or modulated current or potential
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/42Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads
    • F02F1/4264Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads of exhaust channels
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/005Apparatus specially adapted for electrolytic conversion coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D11/00Electrolytic coating by surface reaction, i.e. forming conversion layers
    • C25D11/02Anodisation
    • C25D11/04Anodisation of aluminium or alloys based thereon
    • C25D11/06Anodisation of aluminium or alloys based thereon characterised by the electrolytes used
    • C25D11/08Anodisation of aluminium or alloys based thereon characterised by the electrolytes used containing inorganic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D17/00Constructional parts, or assemblies thereof, of cells for electrolytic coating
    • C25D17/10Electrodes, e.g. composition, counter electrode
    • C25D17/12Shape or form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D21/00Processes for servicing or operating cells for electrolytic coating
    • C25D21/16Regeneration of process solutions
    • C25D21/18Regeneration of process solutions of electrolytes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/004Cylinder liners
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2203/00Non-metallic inorganic materials
    • F05C2203/08Ceramics; Oxides
    • F05C2203/0865Oxide ceramics
    • F05C2203/0869Aluminium oxide
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

本発明は、鋳造アルミニウム合金部品における内部パイプの壁に、ライニングを形成する方法に関する。当該方法は、前記パイプにカソードを挿入するステップと、前記パイプ内の、前記カソードとアノードを形成するパイプとの間で、電解質溶液を循環するステップと、前記アノードと前記カソードとの間に電位差を印加するステップと、を有し、前記アノードと前記カソードとの間に電位差を印加するステップは、前記アノードに、一連の直流電圧パルスを印加するステップを有する。また、本発明は、前記方法の実施により得られたライニングで排気パイプが被覆された、シリンダヘッドに関する。

Description

本願は、アルミニウム合金製のエンジンシリンダヘッドの内部ダクトの壁に、アルミニウム酸化物コーティングを形成する方法、およびそのような方法により得られるエンジンシリンダヘッドに関する。
エンジンシリンダヘッドは、軽量化のため、実質的にアルミニウム合金で構成される。近年の開発エンジンに対するパワー対重量比の高まりのため、シリンダヘッドは、より大きな熱応力に晒されている。
シリンダヘッドの良好な冷却は、サンドコアを用いてシリンダヘッドを成形する際に形成される、より複雑な冷却回路の一体化により得られる。
ある範囲までは、これにより、増大するエンジンのパワー対重量比によって生じる温度上昇が補償されるが、これは次第に不十分となり、追加でシリンダヘッドの内部ダクトの形状を変更する必要があることが明らかとなっている。
シリンダヘッドの温度上昇をさらに抑制するため、電気化学的プロセスが提案されており、この場合、シリンダヘッドの内部ダクト、例えば排気ダクトの壁に、酸化物コーティングを形成することにより、シリンダヘッドとダクト(例えばダクトに含まれる排気ガス)の間の熱交換が抑制できる。
この場合、まずシリンダヘッド温度が抑制され、2番目にシリンダヘッドから出るガスの温度を高めることが可能になり、これにより、ダクトの形状に影響を及ぼさずに、エンジンイールドが改善される。
例えば、国際公開第WO2013/38249号には、シリンダヘッドの排気ダクト壁の陽極酸化のための、そのような方法が記載されている。
しかしながら、この方法では、電解の際のアルミニウム溶解のため、得られるコーティングがポーラスであるという問題がある。これらのポロシティの存在は、特に、シリンダヘッドが、250℃以上に達し得る通常のエンジン作動温度に曝された場合、初期クラックの発生につながるおそれがある。
これは、これらのダクトに対する排気ダクトの近傍における、水回路の間またはクーラントのリークにつながるおそれがあり、エンジンに不具合が生じ得る。
従って、酸化物コーティングをシールするポスト処理を実施する必要が生じ、これにより、プロセスが長くなるとともに、コストが上昇する。
また、日本国特許第3944788号から、回転シリンダを有する内部ダクトにコーティングする方法が知られている。この文献に記載の処理方法では、良好な潤滑性を確保したまま、シリンダの内面に良好な耐摩耗性が提供される。従って、形成される酸化層は、ダクトの内部と壁との間の熱交換を、あまり抑制しない。また、この文献の開示は、極めて単純な形状を有するシリンダの処理に限られ、複雑な形状に対する処理は、全く想定されていない。
米国特許出願公開第2013/0146041号には、直流電圧パルスの適用について言及していない、別の方法が記載されている。
この文献に記載の方法も、単純なシリンダ形状に限られている。従って、日本国特許第3944788号および米国特許出願公開第2013/0146041号において、被コーティング表面は、ユニタリー(unitary)容積の周囲に延伸する。
日本国特許第3944788号明細書 米国特許出願公開第2013/0146041号明細書
ここで、図Aに示すように、ユニタリー容積は、以下の容積として定められる。すなわち、容積の2点M、Nを直線で結ぶ任意のセグメントが、当該容積の一体化部分にある、容積(換言すれば、容積内の任意の組の点(M、N)において、これらの2点を直線で結ぶセグメントの任意の点は、依然として前記容積に属する)。従って、ブランチを有する複雑な容積は、ユニタリー容積ではない。
従って、日本国特許第3944788号および米国特許出願公開第2013/0146041号では、特にシリンダヘッドの、複雑な形状に適用することは難しい。
また、これらの方法では、ポロシティが低く、厚さが薄いアルミニウム酸化物を提供することは難しい。
このように、これらの問題を有さず、排気ガスとシリンダヘッドの間の熱交換を抑制することが可能な解決策に対して、要望がある。
本発明の目的は、シリンダヘッドの内部ダクトに酸化物コーティングを形成する方法であって、前述のような短所を有さない方法を提供することである。
特に、本発明の一目的は、ポストシール処理を必要とせずに、酸化物コーティングの形成を可能にすることである。
本発明の別の目的は、従来技術に比べて改善された品質の酸化物を得るための酸化物コーティングを形成する方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、従来に比べて迅速に行うことができ、大量生産が可能な、酸化物コーティングを形成する方法を提供することである。
この点、本発明の主題は、アルミニウム合金製の鋳造部品の内部ダクトの壁に酸化物コーティングを形成する方法であり、当該方法は、前記ダクトにカソードを挿入するステップと、前記ダクト内の、前記カソードと前記ダクトのアノード形成壁との間で、電解質溶液を循環するステップと、前記アノードと前記カソードとの間に電位差を印加するステップと、を有し、前記アノードと前記カソードとの間に電位差を印加するステップは、前記アノードに、一連の直流電圧パルスを印加するステップを有する。
必要な場合、本発明の方法は、以下の特徴の少なくとも一つを有することが有利である:
−前記一連の各パルスは、0.01から0.02秒の間の期間を有し、2つの連続するパルスは、0.001から0.01秒だけ分離される。
−前記アノードに印加される電圧は、0から150Vの間で、前記一連のパルスにわたって変化し、被処理表面の10から50A/dm2の間の電流密度が維持される。
−前記一連のパルスの全期間は、被処理合金の種類および所望の酸化物の厚さの関数として、30から300秒の間である。
−前記電解質は、10から20%の硫酸と、1から5%の硫酸鉄とを含む。
−前記電解質のダクト内の流速は、被処理表面の単位dm2あたり、0.5から2.0m3/hの間である。
−ダクト内の前記電解質の温度は、−10℃から0℃の間である。
−前記カソードは、前記鋳造部品の前記内部ダクトの形状に整合するように形状化され、前記カソードと前記ダクト壁の間に、3から15mmの間の平均隙間が残される。
本発明の別の主題は、アルミニウム合金製のエンジンシリンダヘッドであって、少なくとも一つの内部ダクトの壁に、厚さが50から200μmの間のアルミニウム酸化物のコーティングを有し、前記ダクト内に、900℃を超える温度の排気ガスが流れた際に、前記シリンダヘッドの前記内部ダクト壁の熱絶縁性、およびシールを確保するように適合された、エンジンシリンダヘッドである。
前記シリンダヘッドは、前述の方法を実施することにより得られることが有意である。
ある実施形態では、酸化物コーティングが提供された前記シリンダヘッドの内部ダクトは、燃焼製品の排気ダクトである。
シリンダヘッドの陽極酸化処理を実施する際のパルス化電流の使用により、所定の厚さのコーティングを、より迅速に得ることが可能になる。
また、パルス化電流により、非ポーラスで、高品質のコーティングを得ることが可能になる。従って、このコーティングは、シリンダヘッドダクトをシールすることができ、これにより、ポストシール処理を介在させる必要性を回避することが可能になる。
コーティングされるシリンダヘッドの内部ダクトの形状と共形の形状を有するカソードの使用により、ダクト全体にわたって均一な電流ラインが形成され、これにより、処理の完了後に、均一厚さのコーティングを得ることが可能になる。図6に示すように、シリンダヘッドの内部ダクトの形状は、複雑であることに留意する必要がある。この図において、断面には、ベース開口から分岐し、燃焼チャンバ(図示されていない)に導かれる、複数の分岐が存在することに留意する必要がある。各分岐は、この基部から、ベース開口を貫通する構造のX-X対称軸からの距離に応じた異なる曲率で延伸する。従って、この図から、ダクト全体にわたって均一な厚さを有するコーティングを得るには、常時均一な電流ラインを印加する処理プロセスが必要となることが理解される。本発明の方法は、これらの要望に合致する。
電解質の組成の選定は、コーティングの多孔質性を軽減する方向に寄与し、従って、コーティングのシール性に寄与する。
電解質の流速を調整することにより、電解によって生じるカロリー(ジュールロス)の最良の排出を得ることが可能となり、酸化層が形成された際に生じる酸化層溶解の現象を、抑制することができる。必要な範囲内に電解質温度を維持することにより、得られるコーティング層の品質を改善することができる。
本発明の他の特徴、目的、および利点は、以下の記載から明らかとなる。以下の記載は、一例としての非限定的なものであり、ユニタリー容積の考えを示した図Aに加えて、添付図面とともに読解される。
ユニタリー容積と、非ユニタリー容積とを示した図である。 本発明の一実施例による、シリンダヘッドにコーティングを形成する方法を実施するシステムを、概略的に示した図である。 シリンダヘッドの内部ダクトを示した図である。 一体化排気ガスコレクタを有するシリンダヘッドを示した図である。 シリンダヘッドの内部ダクトの形状と整合するように形状化されたカソードを示した図である。 絶縁コーティングを形成する方法を実施する際の、シリンダヘッドに印加される電圧、およびアノードとカソードの間の電流密度の変化を示した図である。 本方法で成膜されるアルミニウム酸化物のEDS分析スペクトルを示した図である。 本発明によるコーティングを形成する方法が適用された、シリンダヘッド内部ダクトの形状の断面を示した図である。 陽極酸化層の厚さの観察断面を示した図である。 陽極酸化層の厚さの別の観察断面を示した図である。
図1を参照すると、図1には、アルミニウム合金の鋳造部品10が概略的に示されている。この鋳造部品は、複雑な形状を有し、特に、コア状の内部ダクト11を有する。
この鋳造部品の構成合金は、12.5wt%未満のシリコンを有する、亜共晶のアルミニウム−シリコン系であり、銅およびマグネシウムのような合金元素を有しても良い。
非限定的な例では、この部品10の構成合金は、AA319タイプまたはAA356タイプの合金である。
図2に示すように、鋳造部品は、エンジンシリンダヘッド10であることが有意である。この場合、対象の内部ダクト11は、燃焼製品用の排気ダクトであることが有意である。この点、シリンダヘッド10は、一体化排気ガスコレクタを有するシリンダヘッドであることが有意である。例えば、図2bにおけるシリンダヘッドは、この場合である。図2bには、シリンダヘッドの燃焼チャンバ19も示されている。
温度が900℃を超えるダクト11内を循環する排気ガスと、部品10との間の熱交換を抑制するため、各ダクト11の内壁に、陽極酸化法を用いて、アルミニウム酸化物の絶縁コーティング13を形成する方法が実施される。
図1には、この方法の実施に使用されるシステム1を示す。
これは、シリンダヘッドの内部に配置されたカソード3、カソードとシリンダヘッドのアノード形成壁との間の電解質溶液の循環回路2、およびアノードとカソードとの間に印加される電位差を制御する回路4を有し、前記電位差により、アノードで酸化反応が生じ、酸化物コーティングが形成される。
(電解質溶液循環システム)
図1には、シリンダヘッドダクト11内で電解質溶液を循環するシステム2が示されている。これは、電解質溶液20のタンク、ポンプ21、およびタンクとシリンダヘッドのダクト11との間で、溶液を循環させる閉止回路22を有することが有意である。電解質溶液は、10から20%の硫酸と、1から5%の硫酸鉄とを有することが好ましい。
コーティングを形成する方法により形成される酸化物の溶解を抑制するため、溶液は、−10℃から0℃の間の温度に維持されることが有意である。この溶解は、電解によって生じる熱により活性化される。
この点、回路2は、膜23を有し、電解質溶液を冷却することが有意である。また、ポンプは、可変流速を有し、温度の関数として、電解質の流速を調節できることが有意である。
ポンプ21は、被コーティング表面積、および成長する酸化層の厚さの関数として、寸法化されることが有意であり、シリンダヘッド内で、被処理表面の単位平方デシメートル(/h・dm2)当たり、0.5から2m3/hの間の流速で、電解質溶液の流れを循環するように適合されることが有意である。
−10℃から0℃の間の温度でのダクト内の電解質の循環により、均一なコーティングを得ることができる。
(カソードの配置)
カソード3は、シリンダヘッドの排気ダクト11の内部に配置される。このカソードは、電解質溶液中で酸化還元反応の発生が可能な材料で構成される。特に、カソードは、例えば316Lのような、ステンレス鋼製であることが有意である。
図3を参照すると、カソード3は、該カソードとダクトの間が隙間をあけて、特に一定の隙間で、ダクト11の形状と整合するように形状化されることが有意である。これにより、電解質の循環が可能になる。この場合、アノードとカソードの間に、電位差が印加された際に、被コーティング表面全体にわたって、均一な電流線を構築することが可能となり、これにより、表面に、層の同様の成長速度を得ることができる。本方法が完了した際に、全ての処理表面において得られる厚さが均一な層を得ることができる。
カソードとダクトの壁の間の平均隙間は、3から15mmの間であることが有意である。これは、カソードとダクト11の壁との間に維持される厚さと、良好なトレードオフ関係になる。まず、酸化物層の形成が開始された際に、電解により生じるガスを伴う電解質の循環が促進され、第2に、十分な電流密度が維持され、酸化層の成長の低下が抑制される。
(陽極酸化)
再度図1を参照すると、シリンダヘッド10のダクトにコーティング層を形成する方法を実施するシステムは、さらに、アノードとカソードの間の電位差を制御する回路4を有する。
回路4は、アノード形成シリンダヘッド10に電圧を供給するように適合された電圧源40と、該電圧源を制御する回路ユニット41と、アノードとカソードの間の電圧、およびアノードとカソードの間の電流を記録するように適合された、1または2以上のセンサ(図示されていない)と、を有し、所定の電流が得られるようになる。
図4を参照すると、ダクト11の壁に酸化層13を形成するため、制御ユニット41は、電圧源40を駆動し、アノードに一連の直流電圧パルスを供給する。
電圧パルスの周波数は、10Hz超であることが有意であり、10から50Hzの間であることが好ましい。
特に、各電圧パルスは、0.1秒未満の期間を有することが好ましく、0.01から0.02秒の間であることが好ましい。この時間の間、印加電圧の値は、一定である。また、各パルスは、0.1秒未満でゼロ以外の時間インターバルで、後続のパルスから分離される。時間インターバルは、0.01秒未満であることが好ましく、0.001から0.01秒の間であることが有意である。従って、この時間インターバルの間、アノードに印加される電圧は、ゼロである。
そのような一連の電圧パルスの印加により、方法の実行に必要な時間が抑制され、ジュール熱ロスおよびガスの排出が促進される。
比較として、50から200μmの間の厚さを有する酸化層を得るには、70秒のオーダの処理時間が必要となるのに対して、従来技術において必要な時間は、数分のオーダである。
また、酸化層が形成されると、各パルスの電圧の値は、徐々に変化する。実際、絶縁性のため、酸化層は、アノードとカソードの間の電流の構築を阻害する。
特に、制御ユニット41による電圧源40の誘導は、アノードとカソードの間の電流密度の値により定められる。センサによる電流の測定により、制御ユニット41は、電流密度を計算し、その結果の関数として、電圧源40により供給される電圧の値が駆動される。
層の連続成長用の十分な電流密度を維持するため、電圧は、一連のパルスにわたって全体的に上昇する。所望の電流密度は、被処理表面の5から50A/dm2の間であることが有意である。
従って、各パルスの電圧の値は、0と150Vの間であり、0と120Vの間であることが有意であり、本方法の最初の数秒、例えば、最初の5または10秒で生じるパルスは、0から50Vの間の電圧を有し、以降のパルスは、十分な電圧によって電流密度が維持されるまで、上昇する電圧を有することが有意であり、この電流密度は、5A/dm2よりも大きいことが有意であり、10A/dm2よりも大きいことが好ましい。この最大電圧は、70から150Vの間であることが有意であり、70から120Vの間であることが好ましい。
アノードにおけるこの一連のDC電圧パルスは、被処理合金の種類および望ましい酸化層の厚さの関数として、30から300秒の間の時間、実施される。
従って、アノードに対する電位の印加により、シリンダヘッドとカソードの間に電位差が生じ、シリンダヘッドのアルミニウム上で化学反応が生じ、排気ダクト11の壁に、アルミニウム酸化物が形成される。
図5には、得られたアルミニウム酸化物において実施された、EDS(エネルギー分散分光法)分析スペクトルを示す。この試料のピークの相対高さは、アルミナAl2O3に近い化学量論の酸化物組成を表し、他の成分は、電解質組成から得られた不純物である。
酸化層13は、作動の際、すなわち温度が950℃のガスが内部ダクトの中に流れる際の、シリンダヘッドの絶縁を確保するため、各内部ダクトに形成される酸化層は、50から200μmの間の厚さを有することが有意である。この厚さは、主として、被処理アルミニウム合金におけるケイ素および銅の濃度の関数として変化する。ただし、これは、十分に薄く維持され、誤差範囲が±0.5mm内の製品の寸法的特徴は変化しない。
T7タイプの熱処理、すなわち490から540℃の間の温度における溶液処理(使用されるアルミニウム合金に依存する)、水または空気中の冷却、および200℃以上の温度での熱処理、の適用により、厚さおよび密度に関して、より均一なコーティング層が得られることは明らかである。
非限定的な例として、図7aおよび7bには、本発明の方法に従った処理の後に得られた、シリンダヘッド上の酸化物コーティングの断面図が示されている。これらの図において、酸化層は、34.92μmから70.32μmの間にあり、最大ポロシティは、15%である。ポロシティは、酸化層内の全体のボイドの百分率を意味する。
このように、良好な層密度が得られるとともに、薄い厚さが得られている。従って、ポストシール処理、再機械加工、または仕上げ処理を実施する必要はない。また、記載の方法により、自動車産業部門において大量生産が可能となるサイクル時間(すなわち5から6分)が得られる。
従って、提案された方法では、エンジンシリンダヘッドのようなアルミニウム合金製の部品の内部ダクトに、短い時間で、均一な厚さの絶縁コーティングを得ることができる。

Claims (11)

  1. アルミニウム合金における鋳造部品の内部ダクトの壁に、アルミニウム酸化物コーティングを形成する方法であって、
    前記ダクトにカソードを挿入するステップと、
    前記ダクト内の、前記カソードと前記ダクトのアノード形成壁との間で、電解質溶液を循環するステップと、
    前記アノードと前記カソードとの間に電位差を印加するステップと、
    を有し、
    前記アノードと前記カソードとの間に電位差を印加するステップは、前記アノードに、一連の直流電圧パルスを印加するステップを有する、方法。
  2. 前記一連の各パルスは、0.01から0.02秒の間の期間を有し、2つの連続するパルスは、0.001から0.01秒だけ分離される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アノードに印加される電圧は、0から150Vの間で、前記一連のパルスにわたって変化し、被処理表面の10から50A/dm2の間の電流密度が維持される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記一連のパルスの全期間は、被処理合金の種類および所望の酸化物の厚さの関数として、30から300秒の間である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記電解質は、10から20%の硫酸と、1から5%の硫酸鉄とを含む、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記電解質のダクト内の流速は、被処理表面の単位dm2あたり、0.5から2.0m3/hの間である、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の方法。
  7. ダクト内の前記電解質の温度は、−10℃から0℃の間である、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の方法。
  8. 前記カソードは、前記鋳造部品の前記内部ダクトの形状に整合するように形状化され、
    前記カソードと前記ダクト壁の間に、3から15mmの間の平均隙間が残される、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の方法。
  9. アルミニウム合金におけるエンジンシリンダヘッドであって、
    少なくとも一つの内部ダクトの壁に、厚さが50から200μmのアルミニウム酸化物のコーティングを有し、
    前記ダクト内に、900℃を超える温度の排気ガスが流れた際に、前記シリンダヘッドの前記内部ダクトの熱絶縁性、およびシールを確保するように適合された、エンジンシリンダヘッド。
  10. 前記シリンダヘッドは、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の方法を実施することにより得られる、請求項9に記載のエンジンシリンダヘッド。
  11. 酸化物コーティングが提供された前記内部ダクトは、燃焼製品の排気ダクトである、請求項9または10に記載のエンジンシリンダヘッド。
JP2018530963A 2015-09-03 2016-09-05 シリンダヘッドのダクトのコーティングを形成するための改善された方法およびこれにより得られるシリンダヘッド Pending JP2018527516A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1558180 2015-09-03
FR1558180A FR3040712B1 (fr) 2015-09-03 2015-09-03 Procede ameliore de formation d'un revetement de conduit de culasse et culasse ainsi obtenue
PCT/EP2016/070897 WO2017037303A1 (fr) 2015-09-03 2016-09-05 Procede ameliore de formation d'un revetement de conduit de culasse et culasse ainsi obtenue

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018527516A true JP2018527516A (ja) 2018-09-20

Family

ID=54608764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018530963A Pending JP2018527516A (ja) 2015-09-03 2016-09-05 シリンダヘッドのダクトのコーティングを形成するための改善された方法およびこれにより得られるシリンダヘッド

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20180252180A1 (ja)
EP (1) EP3344801A1 (ja)
JP (1) JP2018527516A (ja)
KR (1) KR20180081039A (ja)
CN (1) CN108368633A (ja)
CA (1) CA2997386A1 (ja)
FR (1) FR3040712B1 (ja)
MX (1) MX2018002736A (ja)
WO (1) WO2017037303A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6539200B2 (ja) * 2015-12-21 2019-07-03 株式会社豊田中央研究所 アルミニウム系部材の陽極酸化方法
CN113294261B (zh) * 2021-06-29 2022-08-23 潍柴动力股份有限公司 缸盖、涂层制备装置及涂层制备方法
CN113441703A (zh) * 2021-06-29 2021-09-28 潍柴动力股份有限公司 一种钢质缸套的制备方法及钢质缸套

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB374806A (en) * 1931-12-18 1932-06-16 Vaw Ver Aluminium Werke Ag Improvements in the production of oxide coatings on aluminium and its alloys
US2897125A (en) * 1954-06-21 1959-07-28 Sanford Process Co Inc Electrolytic process for producing oxide coatings on aluminum and aluminum alloys
US3434943A (en) * 1966-07-18 1969-03-25 Kenneth C Working Anodizing process and additive for anodizing aluminum and its alloys
US3546088A (en) * 1967-03-14 1970-12-08 Reynolds Metals Co Anodizing apparatus
RU2149929C1 (ru) * 1999-04-02 2000-05-27 Закрытое акционерное общество "Техно-ТМ" Способ микроплазменной электролитической обработки поверхности электропроводящих материалов
CN1243133C (zh) * 2003-12-23 2006-02-22 长安大学 铝合金缸体内表面微弧氧化处理工艺
CA2568579A1 (en) * 2004-06-16 2005-12-29 Honda Motor Co., Ltd. Plating apparatus
CN2755106Y (zh) * 2004-12-06 2006-02-01 西安理工大学 铝\镁合金管材及异型件微弧氧化处理装置
JP3944788B2 (ja) * 2005-01-12 2007-07-18 怡和 楊 アルミ合金シリンダー内壁の陽極酸化コーティング膜形成方法
ZA200906786B (en) * 2008-10-16 2010-05-26 Internat Advanced Res Ct Arci A process for continuous coating deposition and an apparatus for carrying out the process
KR101285485B1 (ko) * 2008-12-26 2013-07-23 니혼 파커라이징 가부시키가이샤 금속의 전해 세라믹스 코팅방법, 금속의 전해 세라믹스 코팅용 전해액 및 금속재료
JP5696351B2 (ja) * 2009-04-15 2015-04-08 トヨタ自動車株式会社 エンジン燃焼室構造
JP5315308B2 (ja) * 2010-08-25 2013-10-16 トヨタ自動車株式会社 内燃機関とその製造方法
CN102691086A (zh) * 2012-06-18 2012-09-26 哈尔滨工业大学 铝合金发动机缸体缸孔陶瓷化处理方法
DE102013221375A1 (de) * 2013-10-22 2015-04-23 Ford Global Technologies, Llc Verfahren zur Herstellung einer beschichteten Bohrungsfläche, insbesondere einer Zylinderbohrung

Also Published As

Publication number Publication date
CN108368633A (zh) 2018-08-03
EP3344801A1 (fr) 2018-07-11
CA2997386A1 (fr) 2017-03-09
WO2017037303A1 (fr) 2017-03-09
FR3040712B1 (fr) 2019-12-13
MX2018002736A (es) 2018-09-05
KR20180081039A (ko) 2018-07-13
FR3040712A1 (fr) 2017-03-10
US20180252180A1 (en) 2018-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5152574B2 (ja) アルミニウム部材の陽極酸化処理方法
Dehnavi et al. Effect of duty cycle and applied current frequency on plasma electrolytic oxidation (PEO) coating growth behavior
Hussein et al. Influence of process parameters on electrolytic plasma discharging behaviour and aluminum oxide coating microstructure
US8691403B2 (en) Method for anodizing aluminum and anodized aluminum
Famiyeh et al. Plasma electrolytic oxidation coatings on aluminum alloys: microstructures, properties, and applications
Fattah-alhosseini et al. Effects of disodium phosphate concentration (Na 2 HPO 4· 2H 2 O) on microstructure and corrosion resistance of plasma electrolytic oxidation (PEO) coatings on 2024 Al alloy
JP2018527516A (ja) シリンダヘッドのダクトのコーティングを形成するための改善された方法およびこれにより得られるシリンダヘッド
EA012825B1 (ru) Способ формирования на поверхности металлических изделий защитного керамического покрытия
TWI424096B (zh) Method for forming anodic oxide film
CN107164662B (zh) 铝系构件的表面结构
JP6814406B2 (ja) アルミニウム部材の表面構造及びその製造方法
RU2149929C1 (ru) Способ микроплазменной электролитической обработки поверхности электропроводящих материалов
JP4595830B2 (ja) アルマイト処理方法及び処理装置ならびにアルマイト処理システム
CN111979569B (zh) 隔热涂层、被涂部件以及制造被涂部件的方法
RU2390587C2 (ru) Способ упрочнения седел клапанов двигателя внутреннего сгорания из алюминиевого сплава
JP2008081839A (ja) アルミニウム合金製部材とその製造方法及び該アルミニウム合金製部材を備えた燃料ポンプ
CN114438568B (zh) 一种金属防护涂层的制备方法
Wang et al. Characterization of micro-arc oxidation coatings on 6N01 aluminum alloy under different electrolyte temperature control modes
CN107345309B (zh) 一种高硅铝合金等离子体电解氧化陶瓷涂层制备方法
Lee et al. Fabrication of Plasma Electrolytic Oxidation Coatings on Magnesium AZ91D Casting Alloys
JP2728313B2 (ja) アルミニウム又はその合金の表面処理方法
JP2000026997A (ja) アルミニウム合金の陽極酸化方法
RU2616146C1 (ru) Способ тепловой защиты поршня двигателя внутреннего сгорания из алюминиевых сплавов
RU2775013C1 (ru) Способ плазменно-электрохимического формирования наноструктурированного хромового покрытия и устройство для реализации способа
RU2771409C1 (ru) Способ плазменно-электрохимического формирования наноструктурированного хромового покрытия и устройство для реализации способа