JP2008024944A - 放射線硬化性シリコーンゴム組成物で封止又はコーティングされた電子部品 - Google Patents
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Abstract
短時間の放射線照射で速やかに硬化して、各種基材に対し良好な接着性を示す放射線硬化性組成物のシリコーンゴム硬化物で封止又はコーティングされた電子部品、および電子部品の封止又はコーティング方法を提供する。
【解決手段】
(A) 複数のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B) 放射線増感剤、および
(C) 式:−SiR6 3(R6 は独立に炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基である)で表されるトリオルガノシリル基を有するイソシアヌレート化合物
(更に、好ましくは(D) チタネート化合物およびチタンキレート化合物より成る群から選ばれる少なくとも一種のチタン含有有機化合物)
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物に放射線を照射して得られたシリコーンゴム硬化物で封止又はコーティングされた電子部品、および該組成物でコーティング又はポッティングした電子部品に放射線を照射して該組成物を硬化させることを特徴とする、電子部品の封止又はコーティング方法。
【選択図】 なし
Description
(A) 下記一般式(1):
(式中、Rは水素原子またはメチル基である)
で表されるアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1〜3個有する炭素原子数4〜25の1価の有機基であり、R4 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、R5 は独立に炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、nは1〜3、mは0〜2、かつn+mの和は1〜3の整数である。但し、n=1のとき、前記R3 は2〜3個のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する有機基である。}で表される基であり、Lは8〜10,000の整数である〕
で表されるオルガノポリシロキサン、
(B) 放射線増感剤、並びに、
(C) 式:−SiR6 3(R6 は独立に炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基である)で表されるトリオルガノシリル基を有するイソシアヌレート化合物および/またはその加水分解縮合物
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物を提供する。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1)で表されるものであり、本発明の放射線硬化性シリコーンゴム組成物の主剤(ベースポリマー)として使用されるものである。
(式中、Rは水素原子またはメチル基である)
で表されるアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1〜3個有する炭素原子数4〜25、好ましくは5〜20の1価の有機基、R4 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9、好ましくは1〜6の1価炭化水素基、R5 は独立に炭素原子数1〜18、好ましくは1〜8の1価炭化水素基であり、nは1〜3、mは0〜2、かつn+mの和は1〜3の整数である。但し、n=1のとき、前記R3 は2〜3個のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する有機基である。}で表される基であり、Lは8〜10,000、好ましくは 48〜1,000の整数である〕
等の、1〜3個の(メタ)アクリロイルオキシ基で置換された炭素原子数1〜10、好ましくは2〜6のアルキル基等が挙げられる。中でも好ましくは、[CH2=C(CH3)COOCH2]3C-CH2-、(CH2=CHCOOCH2)3C-CH2-、(CH2=CHCOOCH2)2C(C2H5)CH2-および
(B)成分の放射線増感剤としては、特に限定されないが、好ましくは、ベンゾフェノン等のベンゾイル化合物(または、フェニルケトン化合物)、特に、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン等のカルボニル基のα−位の炭素原子上にヒドロキシ基を有するベンゾイル化合物(またはフェニルケトン化合物);2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビスアシルモノオルガノフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4,-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のオルガノホスフィンオキサイド化合物;イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル化合物;アセトフェノンジエチルケタール等のケタール化合物;チオキサントン系化合物;アセトフェノン系化合物等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
本発明組成物の(c)成分の式:−SiR6 3(R6 は独立に炭素原子数1〜8、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のアルキル基またはアルコキシ基である)で表されるトリオルガノシロキシ基を1分子中に1〜3個、好ましくは2〜3個有するイソシアヌレート化合物および/またはその加水分解縮合物(即ち、オルガノポリシロキサン変性イソシアヌレート化合物)は、ビニル基、アリル基等のアルケニル基を有するイソシアヌレートと、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH)を有するトリアルキルシラン、トリアルコキシシラン等のハイドロジェントリオルガノシランとを白金系触媒の存在下で付加反応させることにより合成することができる(特公昭45-233544号公報、米国特許第3,821,218号明細書、米国特許第3,517,001号明細書参照)。
本発明の組成物中の該(C)成分の含有量は、上記(A)成分 100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは 0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。
本発明の組成物には、上記(A)〜(C)成分に加えて、更に、必要に応じて配合される任意成分として、(D) チタネート化合物およびチタンキレート化合物より成る群から選ばれる少なくとも一種のチタン含有有機化合物を配合することができる。この(D)成分のチタネート化合物およびチタンキレート化合物より成る群から選ばれるチタン含有有機化合物は、接着助剤として機能する上記(C)成分のイソシアヌレート化合物と併用することによって、放射線照射で硬化した際に、各種基材に対する接着性を速やかに発現させる成分である。
また、本発明の組成物中の該(D)成分の含有量は、上記(A)成分 100重量部に対して、20重量部以下(即ち、0〜20重量部)の範囲で必要に応じて配合することができ、通常、0.001〜20重量部、好ましくは 0.01〜10重量部、より好ましくは 0.1〜5重量部である。
本発明の組成物には、上記(A)〜(D)成分に加えて、更に、本発明の目的および効果を損なわない限度において他の成分を配合することは任意である。例えば、硬化時における収縮率、および得られる硬化物の熱膨張係数、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、難燃性、燃膨張係数、ガス透過率等を適宜調整することを目的として各種添加剤を配合してもよい。
本発明の上記(A)〜(D)成分、および必要に応じてその他の配合成分を混合することにより得られる。得られた組成物は、これに放射線を照射することにより速やかに硬化して硬化直後から強固な接着性を発現するゴム状弾性体を与える。
本発明の組成物から得られる硬化物は、シリコン、シリコン酸化膜、ガラス、アルミニウム、ポリイミド(例えば、カプトン(商品名、デュポン社製)、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の基材に対する接着性に優れたものである。更に、接着性に乏しいNi、Cr、Ag、Au等の金属製基材にも優れた接着性を示す。従って、電子部品(例えば、液晶デバイス)の電極封止剤、ハイブリッドIC等の高温加熱硬化が不可能な電子部品実装回路をはじめとする各種電子部品のコーティング材として有用であり、硬化工程の短縮による生産性の向上を図ることが可能となる。
攪拌装置、還流冷却器、滴下ロートおよび乾燥空気導入器を備えた1,000mLの反応装置に、(A)下記平均一般式:
で示されるオルガノポリシロキサン 571g、2-ヒドロキシ-1-アクリロイルオキシ-3-メタクリロイルオキシプロパン(商品名:NKエステル701−A、新中村化学工業(株)製)47g、トルエン 200mL、トリエチルアミン 26g、および重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(2,6-ジ-tert-ブチル-p−クレゾール)2,000ppmとを仕込み、これらを攪拌しながら、70℃に昇温して7時間加熱した。その後、放冷し、濾過し、得られたろ液に中和剤としてプロピレンオキサイド4gを添加し室温にて1時間攪拌した。その後、100℃/30mmHgの条件でストリップを行って、次式で示される透明なオイル状のオルガノポリシロキサンを得た。
(A)合成例1で得られたオイル状のオルガノポリシロキサン 100部、(B1) 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1オン2部、(B2) 2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1部、(C1)下記式:
・物性
得られた硬化物について、その物性(硬度、伸び、引張り強度)を、JIS K 6301 に準拠して測定した(なお、硬度はスプリング式A型試験機によって測定した)。その結果を表1に示す。
・接着性
また、前記組成物を、シリコン、シリカ、ガラス、アルミニウム、ポリイミド(商品名、カプトン)およびクロム製の各基板の上に、2cm×2cmの面積に厚さ2mmに塗布した後、上記照射条件(照度:80W/cm2、エネルギー量:800mJ)で紫外線を照射し、硬化させた。硬化後1時間室温に放置した後に、得られた硬化被膜の各基板に対する接着性を、以下のようにして評価した。その結果を表1に示す。
完全に接着して、剥離できない(凝集破壊率:90%以上)場合について、接着性が良好であると評価して○で表示した。
被膜の一部が剥離する(凝集破壊率:20%以上90%未満)場合について、接着性がやや不良であると評価して△で表示した。
全部が完全に剥離する(凝集破壊率:20%未満)場合について、接着性が不良であると評価して×で表示した。
得られた組成物保存安定性を評価するめ、組成物を5℃、25℃の各温度に放置し、粘度の経時的変化を測定した。その結果を表2に示す。
実施例1に記載の(C1)イソシアヌレート化合物に代えて、(C2)下記式:
で示されるイソシアヌレート化合物1重量部を用いること、および、更に(E)テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(メトキシシロキサンオリゴマー)1部を追加したこと以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
実施例1に記載の(C1)イソシアヌレート化合物に代えて、(C3)下記式:
で示されるイソシアヌレート化合物1重量部を用いること、および、更に(E)テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(メトキシシロキサンオリゴマー)1部を追加したこと以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
実施例1に記載の(C1)イソシアヌレート化合物を使用しないこと以外は実施例1と同様にして組成物を調製し、この組成物について実施例1と同様の試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
Claims (15)
- (A) 下記一般式(1):
〔式中、R1 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、
Xは独立に下記一般式(2):
{式中、R2 は炭素原子数2〜4の2価炭化水素基または酸素原子であり、R3 は独立に下記一般式:
で表されるアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1〜3個有する炭素原子数4〜25の1価の有機基であり、R4 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、R5 は独立に炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、nは1〜3、mは0〜2、かつn+mの和は1〜3の整数である。但し、n=1のとき、前記R3 は2〜3個のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する有機基である。}で表される基であり、Lは8〜10,000の整数である〕
で表されるオルガノポリシロキサン、
(B) 放射線増感剤、並びに、
(C) 式:−SiR6 3(R6 は独立に炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基である)で表されるトリオルガノシリル基を有するイソシアヌレート化合物および/またはその加水分解縮合物
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物に放射線を照射して得られたシリコーンゴム硬化物で封止又はコーティングされた電子部品。 - 前記(A)成分の前記一般式(2)のR3 が2〜3個のアクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を有するアルキル基である、請求項1記載の電子部品。
- 前記放射線硬化性シリコーンゴム組成物が更に(D) チタネート化合物およびチタンキレート化合物より成る群から選ばれる少なくとも一種のチタン含有有機化合物を含有する、請求項1または2に記載の電子部品。
- 前記(D)成分のチタン含有有機化合物が、式:(R7O)pTi(OSiR8R9R10)4-p(式中、R7 は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、R8、R9、R10は各々独立に炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基であり、pは0〜4の整数である)で表される化合物、並びに、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルもしくはアセト酢酸エチルに由来する配位子を有する錯体、およびケイ素原子含有基を有し、かつチタン原子に酸素原子を介して前記ケイ素原子含有基中のケイ素原子が結合している錯体より成る群から選ばれる化合物である、請求項3記載の電子部品。
- 前記放射線硬化性シリコーンゴム組成物が、前記(A)成分 100重量部に対して、前記(B)成分 0.1〜10重量部、前記(C)成分 0.1〜20重量部、および前記(D)成分0〜20重量部を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品。
- 前記放射線硬化性シリコーンゴム組成物が更に(E) アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物0〜10重量部を含有する、請求項5記載の電子部品。
- 前記放射線が紫外線、遠赤外線、電子線、X線及びγ線から選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項記載の電子部品。
- (A) 下記一般式(1):
〔式中、R1 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、
Xは独立に下記一般式(2):
{式中、R2 は炭素原子数2〜4の2価炭化水素基または酸素原子であり、R3 は独立に下記一般式:
で表されるアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1〜3個有する炭素原子数4〜25の1価の有機基であり、R4 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、R5 は独立に炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、nは1〜3、mは0〜2、かつn+mの和は1〜3の整数である。但し、n=1のとき、前記R3 は2〜3個のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する有機基である。}で表される基であり、Lは8〜10,000の整数である〕
で表されるオルガノポリシロキサン、
(B) 放射線増感剤、並びに、
(C) 式:−SiR6 3(R6 は独立に炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基である)で表されるトリオルガノシリル基を有するイソシアヌレート化合物および/またはその加水分解縮合物
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物でコーティング又はポッティングした電子部品に放射線を照射して該組成物を硬化させることを特徴とする、電子部品の封止又はコーティング方法。 - 前記(A)成分の前記一般式(2)のR3 が2〜3個のアクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を有するアルキル基である、請求項8記載の方法。
- 前記放射線硬化性シリコーンゴム組成物が更に(D) チタネート化合物およびチタンキレート化合物より成る群から選ばれる少なくとも一種のチタン含有有機化合物を含有する請求項8または9に記載の方法。
- 前記(D)成分のチタン含有有機化合物が、式:(R7O)pTi(OSiR8R9R10)4-p(式中、R7 は炭素原子数1〜8のアルキル基であり、R8、R9、R10は各々独立に炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルコキシ基であり、pは0〜4の整数である)で表される化合物、並びに、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルもしくはアセト酢酸エチルに由来する配位子を有する錯体、およびケイ素原子含有基を有し、かつチタン原子に酸素原子を介して前記ケイ素原子含有基中のケイ素原子が結合している錯体より成る群から選ばれる化合物である、請求項10記載の方法。
- 前記放射線硬化性シリコーンゴム組成物が、前記(A)成分 100重量部に対して、前記(B)成分 0.1〜10重量部、前記(C)成分 0.1〜20重量部、および前記(D)成分0〜20重量部を含有する、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記放射線硬化性シリコーンゴム組成物が更に(E) アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物0〜10重量部を含有する、請求項12記載の方法。
- 前記放射線が紫外線、遠赤外線、電子線、X線及びγ線から選ばれる、請求項8〜13のいずれか1項記載の方法。
- (A) 下記一般式(1):
〔式中、R1 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、
Xは独立に下記一般式(2):
{式中、R2 は炭素原子数2〜4の2価炭化水素基または酸素原子であり、R3 は独立に下記一般式:
で表されるアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1〜3個有する炭素原子数4〜25の1価の有機基であり、R4 は独立に非置換または置換の炭素原子数1〜9の1価炭化水素基であり、R5 は独立に炭素原子数1〜18の1価炭化水素基であり、nは1〜3、mは0〜2、かつn+mの和は1〜3の整数である。但し、n=1のとき、前記R3 は2〜3個のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有する有機基である。}で表される基であり、Lは8〜10,000の整数である〕
で表されるオルガノポリシロキサン、
(B) 放射線増感剤、並びに、
(C) 式:−SiR6 3(R6 は独立に炭素原子数1〜8のアルキル基またはアルコキシ基である)で表されるトリオルガノシリル基を有するイソシアヌレート化合物および/またはその加水分解縮合物
を含有する放射線硬化性シリコーンゴム組成物に放射線を照射して得られたシリコーンゴム硬化被膜。
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