JP2004155832A - 紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents
紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】
(A)一般式(I):
【化1】
〔ここで、R1は水素原子またはメチル基、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子または同一もしくは異種の非置換もしくは置換された一価炭化水素基であり、aは1、2または3の整数、bは1または2の整数である〕
で示される基を1分子中に平均0.3〜1.6個有するオルガノポリシロキサン100重量部、および
(B) 光開始剤 0.01〜10重量部
を含有してなることを特徴とする紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】 なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特には非腐食性で無臭であり、紫外線照射によって接着性ないしは粘着性を有するゲルに硬化し、エレクトロニクス用などに有用である紫外線硬化型のオルガノポリシロキサン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゲルは低い弾性率、強い接着力を有することからハイブリットICのポッティングをはじめ、各種電気・電子部品のポッティング材、シール材、コーティング材、粘着剤、光ピックアップダンパー材に代表される防振材など広い分野で使用されている。
【0003】
しかし、このシリコーンゲルは、通常、ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基(例えばケイ素原子結合アルケニル基とケイ素素原子に結合した水素原子(SiH基)とを白金系触媒の存在下で反応させる、いわゆる付加反応硬化型のシリコーン組成物から得られるものである。この硬化反応は通常80〜150℃の加熱下で行なわれているが、電子部品によってはこの温度は高すぎるためこのようなシリコーン組成物を適用できないことがある。また、リン、窒素、硫黄原子などを含有する化合物、またSn、Sb、Hg、Biなどの重金属のイオン性化合物などが存在すると白金系触媒が被毒を受けてシリコーン組成物が硬化不良を起す。例えば、シリコーン組成物が電子部品の組立ての際に必須とされるハンダフラックスに触れると硬化しなくなる。
【0004】
また、この種の組成物は加熱硬化後の体積収縮がやや大きく、ポッティングする形状が大きい場合には内部歪によりクラックや亀裂が発生し易いという欠点もあるために、電子部品のコンパウンド化が進んでいるエレクトロニクス業界ではこのような欠点がなく、更に瞬時に硬化反応が終了する硬化性シリコーンゲル組成物の出現が強く望まれていた。
【0005】
そのため、本出願人はこの種のオルガノポリシロキサンについて研究し、式(1):
【0006】
【化2】
【0007】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基、R2、R3、およびR4は同一または異種の非置換または置換の一価炭化水素基、a、bは独立に1、2または3の整数)で示される基を有するオルガノポリシロキサンを創製し、これと光開始剤とを含む組成物が紫外線照射で硬化してゴム状弾性体となること、またこの組成物は触媒毒で硬化不良を起こさないので各種電気、電子部品用材料として有用であることを見出し、先に開示した(特開昭63−183911号公報)。しかし、この組成物から得られたゴム状弾性体は接着性も粘着性もないため、電気・電子部品用のポッティング材、シール材、コーティング材としては適しないという欠点があった。
【0008】
従って、これらの問題点を解決するためには、式(2):
【0009】
【化3】
【0010】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基、R2、R3、R4、およびR5は同一または異種の非置換または置換一価炭化水素基、aは1、2または3、bは1または2)で示される基を1分子中に平均0.5〜1.8個有するオルガノポリシロキサンを創製し、これを主要成分として含む硬化性シリコーン組成物を特公平06−017435号公報に開示した。この組成物は第1成分として含まれる前記オルガノポリシロキサンが光重合性の(メタ)アクリロイルオキシオルガノシリル基を含有しているので紫外線照射をすると1〜20秒という短時間で容易に硬化してシリコーゴムとなる。このシリコーンゴムは非腐食性で無臭であり、接着性あるいは粘着性を有しているのでラインで製造される各種電気・電子部品用のポッティング材、シール材、コーティング材、光ピックアップダンパー材のような防振剤として特に有用とされた。しかし、紫外線照射照度(照射強度)が高まるになるにつれ、該組成物は硬化性が低下し、得られる硬化物の物理特性が低下すること、また深部硬化性が悪いため硬化に供される組成物が材料として厚いと、表面から深部に到るまで均一に硬化しない欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は幅広い紫外線照度(強度)において硬化性が良好で、かつ深部硬化性も良好な、硬化によりシリコーンゲルを与える紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは従来の紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物の改質を種々検討した結果、従来の(メタ)アクリロキシアルキル基が単官能性シロキシ単位(R3SiO1/2、但し、Rは置換又は非置換の1価又は2価の炭化水素基、以下同じ)のケイ素原子にSi−C結合により結合したオルガノポリシロキサンに代えて、上記(A)成分のオルガノポリシロキサン(即ち、(メタ)アクリロキシアルキル基が2官能性シロキサン単位(R2SiO2/2)又は3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)のケイ素原子にSi−O−C結合により結合したオルガノポリシロキサン)を創製し、これに光開始剤を配合して紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を作ったところ、この組成物は非腐食性、無臭であり、紫外線照射すると瞬時に硬化して粘着性を有するゲル状物を与え、しかもこのゲル状物は硬化後の体積収縮がないこと、また歪によってクラックを発生することもなく、更にこの組成物は触媒毒によって硬化しなくなることもないということを見出した。また、この紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、紫外線照射照度が高照度であっても硬化性は低下しないこと、かつ硬化厚みが厚くなった場合においても深部硬化性が良好であることを見出した。
【0013】
こうして、本発明らは、上記目的を達成するものとして、
(A)一般式(I):
【0014】
【化4】
【0015】
(ここで、R1は水素原子またはメチル基、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は水素原子または同一もしくは異種の非置換もしくは置換された一価炭化水素基であり、aは1、2または3の整数、bは1または2の整数)で示される基を1分子中に平均0.3〜1.6個有するオルガノポリシロキサン 100重量部、および
(B)光開始剤 0.01〜10重量部
を含有してなることを特徴とする紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供するに到った。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の様々な形態に即して詳細に説明する。
−(A)オルガノポリシロキサン−
本発明の組成物を構成する(A)成分のオルガノポリシロキサンは分子中に上記一般式(I)で示される基(即ち、2官能性シロキサン単位(R2SiO2/2)又は3官能性シロキサン単位(RSiO3/2)のケイ素原子にSi−O−C結合により結合した(メタ)アクリロキシアルキル基を含有する1価有機基)を有する。
【0017】
式(I)において、R1は水素原子またはメチル基であり、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は独立に水素原子または置換もしくは非置換の、好ましくは、脂肪族不飽和基を除く、通常、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜8程度の、1価炭化水素基である。ここで、非置換の1価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル、フェニルプロピル基等のアラルキル基があげられ、置換1価炭化水素基としては、例えば上述した非置換炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部もしくは全部をハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、およびシアノ基で置換した例えばシアノエチル基等のハロゲン置換炭化水素基およびシアノ置換炭化水素基などが挙げられる。aは1、2または3の整数であり、bは1または2の整数である。
【0018】
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、このような一般式(I)で表される(メタ)アクリルオキシオルガノシリルエチル基を1分子中に平均0.3〜1.6個、好ましくは平均0.35〜1.3個、さらに好ましくは平均0.4〜1.0個有するものであり、該(メタ)アクリルオキシオルガノシリルエチル基を分子中に1個及び/又は2個有するオルガノポリシロキサンと該(メタ)アクリルオキシオルガノシリルエチル基を分子中に有さないオルガノポリシロキサンとの混合物であってもよい。
【0019】
(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、一般式(I)で示される(メタ)アクリルオキシオルガノシリルエチル基を分子鎖の片末端及び/又は両末端あるいは分子鎖途中のシロキサン単位中に有し、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましく、具体的には、下記のものが例示される。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
(尚、上記の各式において主鎖を構成する繰り返し単位の配列はランダムである)
【0024】
〔製造方法〕
(A)成分のオルガノポリシロキサンは例えば次の方法で得ることができる。すなわち、この合成はまず一般式(II):
【0025】
【化15】
【0026】
〔式中、R8はアルキレン基、アリーレン基等の二価炭化水素基、R9およびR10は独立にメチル基等のアルキル基またはフェニル基等のアリール基、cはそれぞれ独立に0または1である〕で示される基を分子鎖末端及び/又は分子鎖途中に有するオルガノシロキサン、例えば、
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
などを、一般式(III):
【0030】
【化19】
【0031】
〔式中、R5は一般式(I)で定義の通りであり、dは0又は1の整数である〕で示されるクロロシラン、例えば(CH3)HSiCl2、HSiCl3などとを白金系触媒、例えば塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液などの存在下に50〜80℃で付加反応させて一般式(IV):
【0032】
【化20】
【0033】
〔式中、R5は、一般式(I)において定義の通りであり、c、R8、R9およびR10は一般式(II)において、dは一般式(III)においてそれぞれ定義のとおりである〕
で示される基を有するオルガノポリシロキサン、例えば下記のものを合成する。
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
次にこの一般式(IV)で表される基を有するオルガノポリシロキサンに、一般式(V):
【0039】
【化25】
【0040】
〔式中、R1、R2、R3、R6、R7、およびaは一般式(I)において定義の通りである〕
で示されるヒドロキシアクリレート(即ち(メタ)アクリロキシアルキル置換アルコール)、例えば、
【0041】
【化26】
【0042】
【化27】
【0043】
【化28】
【0044】
【化29】
【0045】
を混合し、トリエチルアミンのような脱塩酸剤の存在下に室温で反応させたのち、さらに一般式(VI):
R4 3SiOH (VI)
〔式中、R4は一般式(I)において定義の通りである〕
で示されるトリオルガノシラノール、例えば、
【0046】
【化30】
CH3(C6H5)2SiOH、
(CH3)3SiOH、
CH3〔(CH3)3SiO〕2SiOH、
〔(CH3)3SiO〕3SiOH
(CH2=CH−)(CH3)2SiOH
などを脱塩酸剤の存在下に室温で反応させる。こうして、一般式(I)の基を有するオルガノポリシロキサン(成分(A))は容易に得ることができる。
【0047】
−(B)光開始剤−
本発明の組成物の(B)成分である光開始剤は、従来紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物に使用されてきたものを使用することができる。具体的には、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、ジエチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、シクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
【0048】
(B)成分の配合量は(A)成分のアクリル官能性オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。(B)成分の配合量が0.01重量部未満ではその添加効果がなく、10重量部を超えると得られるシリコーンゲルは(B)成分の分解残査の影響が大きいため得られる硬化物の物理特性が悪くなる。
【0049】
本発明の組成物には、上述した(A)、(B)の両必須成分のほかに必要に応じてその他の任意的の成分を本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。このような成分としては、例えば、紫外線硬化反応を阻害しないフュームドシリカ系の充填材、シリコーンゴムパウダー、炭酸カルシウム等の増量剤、接着性ないしは粘着性の向上に寄与するアルコキシオルガノシラン等の接着付与剤等が挙げられる。
【0050】
本発明の組成物は、(A)成分、(B)成分、およびその他の任意的な成分を所定量を均一混合することによって得ることができる
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例に即して具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例によって制限されるものではない。なお、以下の記載において部は重量部を示し、粘度は23℃での測定値を示す。
【0052】
(合成例1)
温度計、攪拌装置、滴下ロート、ジムロートを取付けた反応フラスコに式:
【0053】
【化31】
【0054】
で示されるビニル基量が0.010モル/100gであるオルガノポリシロキサン500gを入れ、窒素ガス気流下に120℃で2時間加熱して脱水した。フラクション内容物を室温(25℃)まで冷却後、該フラスコ内に塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(白金量2重量%)0.1gとメチルジクロロシラン7.0gを加え、50℃で1時間、その後80℃で3時間反応させた後、同じ温度でこの液中に窒素ガスを通気して未反応のメチルジクロロシランを系外に除去した。
【0055】
次いで、該フラスコ内にトリエチルアミン20gと3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.1gを加えた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.9g(0.025モル)を30分間滴下しながら、フラスコ内成分を60℃で2時間反応させた。その後、トリメチルシラノール33.8g(0.38モル)を2時間かけてフラスコ内に滴下しながら60℃で2時間反応させた。その後、生成した塩を濾別し、100℃/2mmHgの条件下でストリップして過剰のトリエチルアミンとトリメチルシラノールを減圧下に除去したところ、粘度が4,020mm2/s、屈折率1.4502、比重1.026の物性をもつ次式:
【0056】
【化32】
で示されるオルガノポリシロキサン(以下、ポリシロキサンAと略記する)495gが得られた。
【0057】
(合成例2)
温度計、攪拌装置、滴下ロート、ジムロートを取付けた反応フラスコに式:
【0058】
【化33】
【0059】
で示されるビニル基量が0.010モル/100gであるオルガノポリシロキサン500gを入れ、窒素ガス気流下に120℃で2時間加熱して脱水した。フラスコ内容物を室温(25℃)まで冷却後、該フラスコ内にに塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液(白金量2重量%)0.1gとメチルジクロロシラン7.0gを加え、50℃で1時間、その後80℃で3時間反応させた後、同じ温度でこの液中に窒素ガスを通気して未反応のメチルジクロロシランを系外に除去した。
【0060】
次いで、該フラスコ内にトリエチルアミン20gと3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.1gを加えた後、α−アクリルオキシメチルジメチルシラノール5.1g(0.025モル)を30分間滴下しながらフラスコ内成分を60℃で2時間反応させた。その後、トリメチルシラノール33.8g(0.38モル)を2時間かけて滴下しながら60℃で2時間反応させた。その後、生成した塩を濾別し、100℃/2mmHgの条件下でストリップして過剰のトリエチルアミン、トリメチルシラノールを減圧下に除去したところ、粘度が4,240mm2/s、屈折率1.4503、比重1.026の物性をもつ次式:
【0061】
【化34】
で示されるオルガノポリシロキサン(ポリシロキサンBと略記する)495gが得られた。
【0062】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
実施例1〜3、比較例1〜3では、前記合成例で得られたポリシロキサンAあるいはB100部に表1に示した量の光開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)を添加して紫外線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を作り、紫外線照射装置・ASE−20〔日本電池(株)製:商品名〕を用いて照射量4.5J/cm2の紫外線を照射したところゲル化した。得られたゲルについて針入度、深部硬化性、紫外線照射照度変化時における硬化性を下記の方法で測定した。得られた結果を表1に示す。
【0063】
〔針入度〕
ガラスシャーレ(40mmφ×20mmH)に表1記載の組成物を15.0g充填し、上記の紫外線硬化条件で紫外線を照射して硬化させ、この硬化により得られたシリコーンゲルを1/4インチミクロ稠度計(離合社製)で針入度を測定した。
【0064】
〔深部硬化性〕
表1記載の組成物を上記の紫外線硬化条件で厚さ20mmのシートを作成した。これを指蝕により深部硬化性を次の基準で評価した。
○:シート全体にわたり均一に硬化
×:シート深部が未硬化
【0065】
〔種々の紫外線硬化条件での硬化性〕
表1記載の組成物をアルミシャーレ上に0.2g垂らした直後、上記の紫外線硬化条件で硬化させ、硬化直後のゲルの形状と23℃で1日後のゲルの形状変化を目視で観察した。観察結果を次のようにランクした。
○:ゲルの形状変化無し
×:ゲルの形状変化有り
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】
上記のように、本発明の組成物は紫外線照射により1〜20秒という短時間で容易に硬化してシリコーゲルとなる。この硬化により得られるシリコーンゲルは非腐食性で無臭であり、接着性ないしは粘着性を有しているのでラインで製造される各種電気・電子部品のポッティング材、シール材、コーティング材、光ピックアップダンパー材のような防振剤として特に有用である。更にこの組成物は、紫外線照射時における照度が高照度であっても硬化性が低下せず、かつ深部硬化性が良好である。
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