JP2013253179A - 紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】短波長紫外線の強度が比較的小さい紫外線光源からの照射によっても良好な硬化性を発揮する、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;(B)23℃における粘度が10〜10000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;(C)アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤;並びに(D)(A)と(B)に対する相溶性、及び(C)に対する相溶性を有し、かつ沸点200℃以上である化合物を含み、ここで、(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、(A)〜(D)の合計100重量%中、(C)が0.1〜0.5重量%であり、(D)が0.1〜2.0重量%である、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;(B)23℃における粘度が10〜10000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;(C)アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤;並びに(D)(A)と(B)に対する相溶性、及び(C)に対する相溶性を有し、かつ沸点200℃以上である化合物を含み、ここで、(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、(A)〜(D)の合計100重量%中、(C)が0.1〜0.5重量%であり、(D)が0.1〜2.0重量%である、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像表示装置に好適に使用できる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置に関する。
近年、液晶、プラズマ、有機EL等のフラットパネル型の画像表示装置が着目されている。フラットパネル型の画像表示装置は、通常、少なくとも一方がガラス等の光透過性をもつ一対の基板の間に、アクティブ素子を構成する半導体層や蛍光体層、あるいは発光層からなる多数の画素をマトリクス状に配置した表示領域(画像表示部)を有する。一般に、この表示領域(画像表示部)と、ガラスやアクリル樹脂のような光学用プラスチックで形成される保護部との周囲は、接着剤で機密に封止されている。
このような画像表示装置においては、屋外光や室内照明の反射等による可視性(視認性)の低下を防ぐため、保護部と画像表示部との間に、紫外線硬化型樹脂組成物を介在させた薄型の画像表示装置が製造され、ここで使用される紫外線硬化型樹脂組成物として、紫外線硬化型アクリル樹脂や紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が使用されている(特許文献1及び2)。
一方、メルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンと脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンからなる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献3及び4)。
一方、メルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンと脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンからなる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献3及び4)。
上記した紫外線硬化型樹脂組成物は、通常、紫外線を発生させる光源として、高圧水銀灯、ハロゲン化鉄系メタルハライドランプ等の比較的短波長の紫外線を多く含む光源が使用され、これらの照射において、良好な硬化性を発揮する。一方、Fusion社製のDバルブ、Qバルブ、Mバルブ、Vバルブ、ハロゲン化ガリウム系メタルハライドランプ(ガリウムランプ)等の短波長紫外線の強度が比較的小さい光源からの照射の場合、硬化性が不十分であった。これらの光源は、短波長紫外線や熱によるダメージを受けやすい部材に対して有効であり、これらの光源で良好に硬化する紫外線硬化型シリコーン樹脂が求められていた。
本発明は、Fusion社製のDバルブ、Qバルブ、Mバルブ、Vバルブ、ハロゲン化ガリウム系メタルハライドランプ(ガリウムランプ)等の短波長紫外線の強度が比較的小さい光源からの照射によっても良好な硬化性を発揮する、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置を提供することを課題とする。本明細書において、短波長紫外線の強度が比較的小さいとは、紫外線光源におけるUV−A、UV−B、UV−C、UV−Vの各強度について、(UV−B+UV−C)/(UV−A+UV−V)が0.2以下であることをいう。
本発明1は、
(A)式(I):
(式中、
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B)23℃における粘度が10〜10000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(C)アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤;並びに
(D)アセトフェノン及び/又はプロピオフェノン
を含み、ここで、
(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、
(A)〜(D)の合計100重量%中、(C)が0.1〜0.5重量%であり、(D)が0.1〜2.0重量%である、
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明2は、(D)が、アセトフェノンである、本発明1の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明3は、(C)が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド及び/又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドである、本発明1又は2の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明4は、さらにシランカップリング剤を含む、本発明1〜3のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明5は、本発明1〜4のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる画像表示装置用シール剤に関する。
本発明6は、本発明5の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置に関する。
(A)式(I):
(式中、
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B)23℃における粘度が10〜10000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(C)アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤;並びに
(D)アセトフェノン及び/又はプロピオフェノン
を含み、ここで、
(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、
(A)〜(D)の合計100重量%中、(C)が0.1〜0.5重量%であり、(D)が0.1〜2.0重量%である、
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明2は、(D)が、アセトフェノンである、本発明1の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明3は、(C)が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド及び/又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドである、本発明1又は2の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明4は、さらにシランカップリング剤を含む、本発明1〜3のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明5は、本発明1〜4のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる画像表示装置用シール剤に関する。
本発明6は、本発明5の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置に関する。
本発明によれば、短波長紫外線の強度が比較的小さい紫外線光源からの照射によっても良好な硬化性を発揮する、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置が提供される。
本発明の組成物は、(A)式(I):
(式中、
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有する。
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有する。
(A)に関する式(I)において、R1は、脂肪族不飽和基である。両末端のR1は同一であっても、異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
脂肪族不飽和基としては、アルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。
式(I)において、Rは、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)又はC6〜C12アリール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル等)である。Rは同一であっても、異なっていてもよい。
屈折率の調整の点から、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、粘性及びチキソトロピー性の点から、Rのうち、1〜20モル%がC6〜C12アリール基であることが好ましい。
合成の容易さ等の点から、C1〜C6アルキル基としては、メチルが好ましく、C6〜C12アリール基としては、フェニルが好ましい。
(A)としては、式(I)において、Rのうち、1〜40モル%はフェニル基であり、残余がメチル基であるものが好ましく、より好ましくは、Rのうち、1〜20モル%がフェニル基であり、残余がメチル基であるものである。
(A)は、組成物の作業性の観点から、23℃における粘度が100〜100000cPであり、好ましくは100〜25000cPであり、200〜10000cPが更に好ましく、300〜5000cPが更に好ましい。本明細書において、粘度は、回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)にて、ローターNo.2〜4を使用し、30〜60rpm、23℃で測定した値とする。
(A)中の脂肪族不飽和基の個数は、NMRにて平均構造式を求め、分子量を計算し、得られた分子量から求めることができる。
(A)の調製方法は、特に限定されず、例えば、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン等の所望の構造に必要なクロロシラン類を重縮合、再平衡化を行うか、あるいはジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシ等の所望の構造に必要なアルコキシシラン類を共加水分解し、重縮合、再平衡化反応を行なうことにより得ることができる。また、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン等の所望の構造に必要なシロキサン類を、アルカリ触媒(水酸化アルカリ金属塩、アルカリ金属シラノレート、水酸化アンモニウム塩等)又は酸触媒(硫酸、硫酸シラノレート、トリフルオロメタンスルホン酸)の存在下で、開環重合、再平衡化を行うことにより得ることもできる。
(A)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、(B)23℃における粘度が20〜10000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンを含有する。
(B)において、1分中のケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基の個数は、架橋反応による安定した構造を確保しつつ、過度な硬化収縮を抑制する点から、平均で2個以上、20個以下とすることができる。中でも、2個超、10個以下が好ましく、より好ましくは3〜7個である。
(B)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基のアルキル部分は、C1〜C6アルキル基であることができる。メルカプトアルキル基としては、メルカプトメチル、2−メルカプトエチル、3−メルカプトプロピル、4−メルカプトブチル、6−メルカプトヘキシル等が挙げられるが、合成の容易さ等の点から、メルカプトメチル、3−メルカプトプロピルが好ましく、より好ましくは3−メルカプトプロピルである。
(B)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基以外の有機基は、置換又は非置換基の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)であることができる。具体的には、アルキル基、例えばC1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等);シクロアルキル基、例えばC3〜C10シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル等);アリール基、例えばC6〜C12アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル等);アラルキル基、例えばC7〜C13アラルキル基(例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル等);置換炭化水素基、例えばハロゲン置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプロピル等)が挙げられる。合成の容易さ等の点からアルキル基が好ましく、中でもメチル、エチル、プロピルが好ましく、より好ましくはメチルである。屈折率を調整するために、アリール基を併用することができ、中でも、合成の容易さ等の点からフェニルが好ましい。
(B)の主鎖の構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、分岐状が好ましい。例えば、R''SiO3/2単位、R''3SiO1/2単位及びR''2SiO2/2単位、並びに場合によっては更にSiO4/2単位(式中、R''は、それぞれ独立して、非置換又は置換の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)を表す)からなり、1分子当たり、2個以上、20個以下のR''がメルカプトアルキル基である、メルカプトアルキル基を含有する分岐状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基が挙げられる。メルカプトアルキル基であるR''は、いずれの単位のR''としても存在してもよいが、好ましくはR''SiO3/2単位のR''として存在する。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基を適用することができる。作業性と架橋反応性の点から、メルカプトアルキル基を含有するシロキサン単位とメルカプトアルキル基を含まないシロキサン単位の個数の比が、1:60〜1:8のものが好ましく、より好ましくは1:50〜1:10のものであるが、これらに限定されない。
(B)において、23℃における粘度は、20〜10000cPである。作業性及び屈折率の点から、例えば、粘度は30〜8000cPとすることができる。
(B)中のメルカプト基の個数は、ヨウ素による比色滴定により測定することができる。これは、下記式:
2RSH + I2 → RSSR + 2HI
の反応を利用した方法であり、滴定中、微量の過剰ヨウ素で滴定液が微黄色になることを利用する。
2RSH + I2 → RSSR + 2HI
の反応を利用した方法であり、滴定中、微量の過剰ヨウ素で滴定液が微黄色になることを利用する。
(B)は、透明性が高いものであることが好ましい。透明性の指標としては、23℃において、(A)を容器に充填して、厚さ10mmについて、分光測式計によって、可視光領域波長(360〜780nm)の透過率を測定したときに、透過率80%以上であることが挙げられる。透過率は、本発明の組成物の硬化物の透明性が、安定的に保持できる点から、90%以上であることが好ましい。
(B)の調製方法は、特に限定されず、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン等のメルカプトアルキルアルコキシシランと、所望のアルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシラン、シラノール含有シロキサンとを加水分解、重縮合、再平衡化することにより製造できる。
(B)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、(C)アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤を含有する。(C)は、(A)と(B)とを光架橋させる際のラジカル開始剤として、又は増感剤として機能する成分である。
(C)は、モノアシルフォスフィンオキシドであっても、ビスアシルフォスフィンオキシドであってもよい。
モノアシルフォスフィンオキシドとしては、イソブチリルメチルフォスフィン酸メチルエステル、イソブチリルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、o−トルイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、p−t−ブチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、イソブチリルジフェニルフォスフィンオキシド、2−エチルヘキサノイルジフェニルフォスフィンオキシド、o−トルイルジフェニルフォスフィンオキシド、p−t−ブチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、3−ピリジルカルボニルジフェニルフォスフィンオキシド、アクリロイル−ジフェニルフォスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルフォスフィンオキシド、ピバロイルジフェニルフォスフィンオキシド、p−トルイルジフェニルフォスフィンオキシド、4−(t−ブチル)ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、テレフタロイルビスジフェニルフォスフィンオキシド、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2−メチル−2−エチルヘキサノイルジフェニルフォスフィンオキシド、1−メチル−シクロヘキサノイルジフェニルフォスフィンオキシド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン酸エチルが挙げられ、中でも、硬化性の点から、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン酸エチルが好ましい。
ビスアシルフォスフィンオキシドとしては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルフォスフィンオキシド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられ、中でも、硬化性の点から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが好ましい。
(C)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、(D)アセトフェノン及び/又はプロピオフェノンを含む。(D)は、(C)を、(A)及び(B)に相溶させるための相溶化剤として機能し、(D)を配合することによって、組成物を容易に分離のない状態することができる。アセトフェノン、プロピオフェノンは、それぞれ、沸点が202℃、218℃と高く、20℃における蒸気圧が0.06kPa、0.2kPaと小さいため、揮発性が小さく、硬化前後の体積変化を抑制できる。
(D)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、(B)は、(A)中の脂肪族不飽和基数(Vi)に対する、(B)中のメルカプトアルキル基(HS)の個数の比(HS/Vi)が0.1〜10となる量で使用する。硬化性及び硬化物の硬さの点から、比は0.3〜5が好ましく、より好ましくは、0.6〜2である。
本発明の組成物において、(C)は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100重量%中、0.1〜0.5重量%である。アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤の範囲が上記の範囲であれば、組成物中の溶解性が容易に得られ、短波長紫外線の強度が比較的小さい紫外線光源に対する反応性を改善することが可能である。(C)は、好ましくは0.2〜0.4重量%であって、より好ましくは0.3〜0.4重量%である。
本発明の組成物において、(D)は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100重量%中、0.1〜2.0重量%であり、塗布から硬化後の体積変化の点から、好ましくは0.1〜1.0重量%であり、0.1〜0.6重量%がより好ましい。
本発明の組成物においては、硬化性の一層の向上等を目的として、(C)以外の光反応開始剤(E)を併用することができる。
(E)として、具体的には、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184:BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959:BASF社製)、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE 127:BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907:BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369:BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379:BASF社製)等のフェノン系光反応開始剤;
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE 01:BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(〇−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02:BASF社製)等のオキシムエステル系光反応開始剤;
オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(IRGACURE 754:BASF社製)等のオキシフェニル酢酸系光反応開始剤;
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(DAROCUR MBF:BASF社製)等のフェニルグリオキシレート系光反応開始剤;
エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EDB:BASF社製)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EHA:BASF社製)等のベンゾエート系光反応開始剤;
ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の有機過酸化物が挙げられる。中でも、(A)及び(B)との相溶性及び感光波長から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)がより好ましい。
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE 01:BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(〇−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02:BASF社製)等のオキシムエステル系光反応開始剤;
オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(IRGACURE 754:BASF社製)等のオキシフェニル酢酸系光反応開始剤;
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(DAROCUR MBF:BASF社製)等のフェニルグリオキシレート系光反応開始剤;
エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EDB:BASF社製)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EHA:BASF社製)等のベンゾエート系光反応開始剤;
ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の有機過酸化物が挙げられる。中でも、(A)及び(B)との相溶性及び感光波長から、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)がより好ましい。
(E)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。(E)は、(A)、(B)、(C)及び(D)の合計100重量%中、(C)と(E)の合計が、0.1重量%超、1.5重量%以下となる量で使用することができる。この範囲であれば、良好な硬化感度及び深部硬化性を得ることができる。(C)と(E)の合計量は、好ましくは0.5〜1.4重量%であって、より好ましくは0.7〜1.3重量%である。
(C)と(E)とを併用する場合、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンとの混合物(IRGACURE 1700:BASF社製)を使用してもよい。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分以外の脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンを含んでいてもよい。このような脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンは、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。
直鎖状のものとしては、例えば、フェニル基非含有の脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンが挙げられ、例えば両末端ビニル基含有ポリジメチルシロキサンが挙げられる。このような直鎖状ポリオルガノシロキサンは、組成物の作業性の観点から、23℃における粘度が100〜100000cPであり、好ましくは100〜25000cPであり、200〜10000cPが更に好ましく、300〜5000cPが更に好ましい。
分岐状のものとしては、例えば、MViQレジン、MDViQレジン、MViTレジン、MViDTレジン、MDViTレジン等が挙げられる。
具体的には、SiO4/2単位、R'3SiO1/2単位及びR'2SiO2/2単位、並びに場合によってはさらにR'SiO3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。中でも、R'2SiO2/2単位1モルに対して、SiO4/2単位を6〜10モル、R'3SiO1/2単位を4〜8モルの比率で有する分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。(B2)は、常温で固体ないし粘稠な半固体の樹脂状又は液状のものが好ましい。例えば、重量平均分子量1,000〜400,000のものが挙げられ、好ましくは、2,000〜200,000のものである。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
R’に関する脂肪族不飽和基としては、(A)において脂肪族不飽和基として挙げられた基及び好ましい基が適用される。脂肪族不飽和基であるR'は、いずれの単位のR'としても存在してもよいが、好ましくはR'2SiO単位のR'として存在する。
脂肪族不飽和基以外のR’は、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)であり、耐熱性を考慮すると、メチル基が好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤、重合禁止剤、酸化防止剤、耐光性安定剤である紫外線吸収剤、光安定化剤、無機充填剤等の添加剤を配合することができる。
シランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられ、好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられる。
酸化防止剤は、組成物の硬化物の酸化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド)、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサン−tert−ブチル−4−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光安定剤は、硬化物の光酸化劣化を防止するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。耐光性安定剤である紫外線吸収剤は、光劣化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記紫外線吸収剤は単独でも、二種以上を併用してもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が好ましい。中でも、第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いることが、組成物の保存安定性改良のために好ましい。第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF社製);MARK LA−57,LA−62,LA−67,LA−63(以上いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−765,LS−292,LS−2626,LS−1114,LS−744(以上いずれも三共株式会社製)等の光安定剤が挙げられる。
無機充填剤は、組成物の流動性調整、硬化後物性調整のために使用することができ、煙霧質シリカ、粉砕石英、金属酸化物等が挙げられる。
本発明の組成物は、作業性の点から、23℃における粘度が、100〜50000cPであることが好ましく、100〜10000cPであることがより好ましく、500〜3000cPであることが更に好ましい。
本発明の組成物は、(A)〜(D)、並びに任意成分を配合することにより得ることができる。調製にあたっては、容易に、組成物を均一な状態にし、透明な硬化物を得ることができる点から、(D)の全部あるいは一部に(C)を溶解させた溶液を、(A)と(B)を含む混合物に添加、混合し、均一な組成物とすることが好ましい。任意成分は適宜添加することができる。
本発明の組成物は、紫外線を放射する各種の光源によって硬化させることができるが、特に短波長紫外線の強度が比較的小さい光源によっても、良好に硬化させることができる。短波長紫外線の強度が比較的小さい光源としては、例えば、Fusion社製のDバルブ、Qバルブ、Mバルブ、Vバルブ、ガリウムランプ等が挙げられる。照射量は、100〜10000mJ/cm2が好ましく、より好ましくは300〜5000mJ/cm2であり、更に好ましくは500〜3500mJ/cm2である。
本発明の組成物は、短波長紫外線の強度が比較的小さい紫外線光源からの照射での硬化性が良好であるため、短波長紫外線の強度が比較的大きい紫外線光源の使用を回避することができ、短波長紫外線や、短波長紫外線の光源が発生する熱によりダメージを受けやすい部材が使用される画像表示装置においても好適に使用することができる。さらに、画像表示装置の画像表示部と保護部の間に介在する紫外線硬化樹脂を紫外線照射によって硬化させる場合、画像表示装置の構造によっては紫外線照射をフィルム状のプラスチック製偏光板越しに行わなければならない場合がある。このような偏光板は紫外線(〜400nm)をほとんど透過させず、従来の紫外線硬化樹脂では硬化が困難であることがあるが、このような条件でも、本発明の組成物は良好に硬化させることができる。
本発明の組成物の硬化物は、画像表示装置の使用環境から想定される熱、光の影響による呈色、透過率の低下が小さく、画像表示装置の視認性を良好な状態で維持することができる。
本発明の組成物は、画像表示装置用シール剤として利用することができる。本発明の画像表示装置用シール剤を画像表示部と保護部の間に介在させ、紫外線、特に短波長紫外線の強度が比較的小さい紫外線光源(例えば、Fusion社製のDバルブ、Qバルブ、Mバルブ、Vバルブ、ハロゲン化ガリウム系メタルハライドランプ(ガリウムランプ))からの照射により硬化させて、画像表示部と保護部とを封止することができる。
本発明の組成物は、画像表示装置において好適に使用することができ、特に、フラットパネル型の画像表示装置の保護部と画像表示部との間に介在させる樹脂として好ましい。
具体的には、光学用プラスチック等で形成される透明な保護部を構成する保護パネル上に、本発明の組成物を塗布した後、画像表示部を構成する画像表示パネルを貼り合わせ、紫外線照射することができる。保護パネルには、外周縁部に、本発明の組成物の流出を妨げるための段差を設けておいてもよい。
具体的には、光学用プラスチック等で形成される透明な保護部を構成する保護パネル上に、本発明の組成物を塗布した後、画像表示部を構成する画像表示パネルを貼り合わせ、紫外線照射することができる。保護パネルには、外周縁部に、本発明の組成物の流出を妨げるための段差を設けておいてもよい。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によって制限されるものではない。
〔物性の評価条件〕
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、400cP以下の範囲は、No.2ローターを使用し、400超〜1500cPの範囲は、No.3ローターを使用し、1500cP超の範囲は、No.4ローターを使用し、60rpmで、23℃における粘度を測定した。
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、400cP以下の範囲は、No.2ローターを使用し、400超〜1500cPの範囲は、No.3ローターを使用し、1500cP超の範囲は、No.4ローターを使用し、60rpmで、23℃における粘度を測定した。
(2)メルカプト基の個数の測定
ヨウ素源として、1/10規定ヨウ素溶液(特級試薬)を使用し、比色滴定により、単位重量当りのメルカプト基数を定量した。
計算方法: SH含有量(mmol/g) = (A×P×0.1)/(W×C)
A:変色するまでに要したヨウ素溶液滴下量
P:ヨウ素溶液の補正係数(試薬に記載されている補正係数):補正が必要な場合に記載
W:サンプル重量(g)
C:サンプルの不揮発分
予備測定を行ないヨウ素溶液量を求め、その後精度よく3回測定し、3回の平均値を求めた。
ヨウ素源として、1/10規定ヨウ素溶液(特級試薬)を使用し、比色滴定により、単位重量当りのメルカプト基数を定量した。
計算方法: SH含有量(mmol/g) = (A×P×0.1)/(W×C)
A:変色するまでに要したヨウ素溶液滴下量
P:ヨウ素溶液の補正係数(試薬に記載されている補正係数):補正が必要な場合に記載
W:サンプル重量(g)
C:サンプルの不揮発分
予備測定を行ないヨウ素溶液量を求め、その後精度よく3回測定し、3回の平均値を求めた。
(3)紫外線光源の強度の測定
紫外線光源におけるUV−A、UV−B、UV−C、UV−Vの照射量及び強度は、EIT社製UV測定器(商品名;UVPower Puck II)を用いて測定した。
UV−A:320 - 390 nm
UV−B:280 - 320 nm
UV−C:250 - 260 nm
UV−V: 395 - 445 nm
紫外線光源におけるUV−A、UV−B、UV−C、UV−Vの照射量及び強度は、EIT社製UV測定器(商品名;UVPower Puck II)を用いて測定した。
UV−A:320 - 390 nm
UV−B:280 - 320 nm
UV−C:250 - 260 nm
UV−V: 395 - 445 nm
(4)未硬化物定性外観評価
イエロールーム内にて、調製した組成物を50ml容量のガラスびんに移し、不溶物及びかすみ、白濁の有無を目視にて確認する方法で外観を評価した。
イエロールーム内にて、調製した組成物を50ml容量のガラスびんに移し、不溶物及びかすみ、白濁の有無を目視にて確認する方法で外観を評価した。
(5−1)定性硬化評価1
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として光照射し、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として光照射し、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
(5−2)定性硬化評価2
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 V-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 V-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
(5−3)定性硬化評価3
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のVバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:600,UV-B:170,UV-C:10,UV-V:2500 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.065
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のVバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:600,UV-B:170,UV-C:10,UV-V:2500 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.065
(5−4)定性硬化評価4
厚さ1mmのガラスと偏光フィルム付ガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のVバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:400,UV-B:0,UV-C:0,UV-V:2400 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0
厚さ1mmのガラスと偏光フィルム付ガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のVバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:400,UV-B:0,UV-C:0,UV-V:2400 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0
(5−5)定性硬化評価5
厚さ1mmのガラスと偏光フィルム付ガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、JM UV TECH社のガリウムランプを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:0,UV-B:0,UV-C:0,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0
厚さ1mmのガラスと偏光フィルム付ガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、JM UV TECH社のガリウムランプを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料のガラスを剥がし、組成物の硬化状態を指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:0,UV-B:0,UV-C:0,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0
(6−1)定性外観評価1
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料についてかすみ、黄変の有無を目視で確認する方法で外観を評価した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。作製した試料についてかすみ、黄変の有無を目視で確認する方法で外観を評価した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
(6−2)定性外観評価2
厚さ1mmのガラス2枚を、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。試料を、60日間通常光下の実験室にて保管した後、かすみ、黄変の有無を目視で確認する方法で外観を評価した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
厚さ1mmのガラス2枚を、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。試料を、60日間通常光下の実験室にて保管した後、かすみ、黄変の有無を目視で確認する方法で外観を評価した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
(7)ダイシェア強度
厚さ0.16mmのスペーサを10mmの間隔を開けて貼り付けた厚さ0.9mmのガラスに、組成物20μgを1点で塗布し、その上に10mm×12mm×0.9mmのガラスを10mm×10mm×0.16mmの接着層を形成するように乗せて貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
この試料について、ダイシェア強度測定器(DAGE4000、DAGE社製)でダイシェア強度を測定した。
厚さ0.16mmのスペーサを10mmの間隔を開けて貼り付けた厚さ0.9mmのガラスに、組成物20μgを1点で塗布し、その上に10mm×12mm×0.9mmのガラスを10mm×10mm×0.16mmの接着層を形成するように乗せて貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
この試料について、ダイシェア強度測定器(DAGE4000、DAGE社製)でダイシェア強度を測定した。
(8)対ガラス接着性
厚さ0.9mmのガラス2枚を、25mm×10mm×140μmの接着層を形成するように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料を常温で1日放置後、島津製作所(株)社製オートグラフを用い、測定速度10mm/分の引張り速度で引っ張り、ガラス同士を剥離させる剪断接着試験を行なった。
ガラス上の紫外線硬化型樹脂組成物の凝集破壊部分の面積Smm2を求め、
(100×S)/(10×25)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
厚さ0.9mmのガラス2枚を、25mm×10mm×140μmの接着層を形成するように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料を常温で1日放置後、島津製作所(株)社製オートグラフを用い、測定速度10mm/分の引張り速度で引っ張り、ガラス同士を剥離させる剪断接着試験を行なった。
ガラス上の紫外線硬化型樹脂組成物の凝集破壊部分の面積Smm2を求め、
(100×S)/(10×25)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
(9)対ポリカーボネート接着性
厚さ0.9mmのガラスと厚さ1.4mmポリカーボネート基板を、25mm×10mm×140μmの接着層を形成するように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料を常温で1日放置後、島津製作所(株)社製オートグラフを用い、測定速度10mm/分の引張り速度で引っ張り、ガラスとポリカーボネート基板を剥離させる剪断接着試験を行なった。
ポリカーボネート板上の紫外線硬化型樹脂組成物の凝集破壊部分の面積Smm2を求め、
(100×S)/(10×25)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
厚さ0.9mmのガラスと厚さ1.4mmポリカーボネート基板を、25mm×10mm×140μmの接着層を形成するように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として硬化させて、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量:UV-A:2000,UV-B:600,UV-C:80,UV-V:2000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料を常温で1日放置後、島津製作所(株)社製オートグラフを用い、測定速度10mm/分の引張り速度で引っ張り、ガラスとポリカーボネート基板を剥離させる剪断接着試験を行なった。
ポリカーボネート板上の紫外線硬化型樹脂組成物の凝集破壊部分の面積Smm2を求め、
(100×S)/(10×25)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
(10)イエローインデックス
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として光照射し、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料について、測定装置CM-3500d (コニカミノルタ社製)を用いて、試料作製直後と下記の処理後のイエローインデックスを測定し、変化率を算出した。
イエローインデックス処理1:100℃、200時間後
イエローインデックス処理2:−40℃、200時間後
イエローインデックス処理3:−40℃、0.5時間、次いで85℃、0.5時間の熱衝撃サイクルを80サイクル繰り返した後
変化率 = (各処理後のイエローインデックス)/(初期のイエローインデックス)
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として光照射し、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料について、測定装置CM-3500d (コニカミノルタ社製)を用いて、試料作製直後と下記の処理後のイエローインデックスを測定し、変化率を算出した。
イエローインデックス処理1:100℃、200時間後
イエローインデックス処理2:−40℃、200時間後
イエローインデックス処理3:−40℃、0.5時間、次いで85℃、0.5時間の熱衝撃サイクルを80サイクル繰り返した後
変化率 = (各処理後のイエローインデックス)/(初期のイエローインデックス)
(11)400nm透過率変化率
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として光照射し、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料について、測定装置CM-3500d (コニカミノルタ社製)を用いて、試料作製直後と下記の処理後の400nm透過率を測定し、変化率を算出した。
透過率処理1:100℃、200時間後
透過率処理2:−40℃、200時間後
透過率処理3:−40℃、0.5時間、次いで85℃、0.5時間の熱衝撃サイクルを80サイクル繰り返した後
変化率 = (各処理後の透過率)/(初期の透過率)
厚さ1mmのガラスを、組成物の厚さが180μmになるように貼り合わせ、Fusion社製のDバルブを光源として光照射し、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量 UV-A:1000,UV-B:300,UV-C:40,UV-V:1000 mJ/cm2
(UV-B+UV-C)/(UV-A+UV-V)=0.183
作製した試料について、測定装置CM-3500d (コニカミノルタ社製)を用いて、試料作製直後と下記の処理後の400nm透過率を測定し、変化率を算出した。
透過率処理1:100℃、200時間後
透過率処理2:−40℃、200時間後
透過率処理3:−40℃、0.5時間、次いで85℃、0.5時間の熱衝撃サイクルを80サイクル繰り返した後
変化率 = (各処理後の透過率)/(初期の透過率)
実施例及び比較例における(A)成分は、以下のとおりである。
(a)両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
CH2=CH−Si(CH3)2−O−{Si(CH3)2O}340−{SiPh2O}18−Si(CH3)2−CH=CH2
粘度:3000cP
分子量:29000
単位重量あたりビニル基数:0.07mmol/g
(a)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した3Lのセパルブルフラスコに、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1840g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン260g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン13.6gを150〜160℃にて窒素ガス0.5Nm3/hにて3時間加熱攪拌することにより脱水を行い、その後水酸化カリウム0.1gを加えて加熱攪拌を行った。加熱撹拌は、フラスコ内で水酸化カリウムが溶解し均一になり、かつ粘度である2000〜2500cPに増粘するまで継続した。その後、エチレンクロロヒドリン 10gにて100℃にて中和後、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過した後、170〜180℃、2mmHgの減圧下にて低沸分を除去することにより、末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位であるビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン1880gを得た。
(a)両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
CH2=CH−Si(CH3)2−O−{Si(CH3)2O}340−{SiPh2O}18−Si(CH3)2−CH=CH2
粘度:3000cP
分子量:29000
単位重量あたりビニル基数:0.07mmol/g
(a)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した3Lのセパルブルフラスコに、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1840g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン260g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン13.6gを150〜160℃にて窒素ガス0.5Nm3/hにて3時間加熱攪拌することにより脱水を行い、その後水酸化カリウム0.1gを加えて加熱攪拌を行った。加熱撹拌は、フラスコ内で水酸化カリウムが溶解し均一になり、かつ粘度である2000〜2500cPに増粘するまで継続した。その後、エチレンクロロヒドリン 10gにて100℃にて中和後、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過した後、170〜180℃、2mmHgの減圧下にて低沸分を除去することにより、末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位であるビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン1880gを得た。
実施例及び比較例における(B)成分は、以下のとおりである。
(b)メルカプトプロピル基含有ポリメチルシロキサン
粘度:300cP
単位重量当りのメルカプト基数:0.98mmol/g
(b)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、滴下ロート、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した5Lのセパルブルフラスコ中の、ジメチルジクロロシラン1549.2g(12mol)、トリメチルクロロシラン21.7g(0.2mol)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン196.4g(1.0mol)及びトルエン1500gに、水1000gとトルエン500gの混合物を、滴下ロートから約1時間かけて滴下した。70℃で2時間加熱攪拌しながら加水分解を行なった。反応終了後、水相を分離し、水洗し、次いで100〜125℃にて加熱により脱水を行なった。脱水終了後、50%水酸化カリウム水溶液1.5gを加え、115〜125℃で5時間加熱攪拌することにより縮合反応を行った。エチレンクロロヒドリンにて中和後、トルエンを1200〜1300g脱溶し、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過し、その後残存するトルエンを定圧及び減圧下にて除去し、ケイ素原子に結合するメルカプトプロピル基を含有するポリメチルシロキサン928gを得た。
(b)メルカプトプロピル基含有ポリメチルシロキサン
粘度:300cP
単位重量当りのメルカプト基数:0.98mmol/g
(b)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、滴下ロート、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した5Lのセパルブルフラスコ中の、ジメチルジクロロシラン1549.2g(12mol)、トリメチルクロロシラン21.7g(0.2mol)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン196.4g(1.0mol)及びトルエン1500gに、水1000gとトルエン500gの混合物を、滴下ロートから約1時間かけて滴下した。70℃で2時間加熱攪拌しながら加水分解を行なった。反応終了後、水相を分離し、水洗し、次いで100〜125℃にて加熱により脱水を行なった。脱水終了後、50%水酸化カリウム水溶液1.5gを加え、115〜125℃で5時間加熱攪拌することにより縮合反応を行った。エチレンクロロヒドリンにて中和後、トルエンを1200〜1300g脱溶し、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過し、その後残存するトルエンを定圧及び減圧下にて除去し、ケイ素原子に結合するメルカプトプロピル基を含有するポリメチルシロキサン928gを得た。
実施例及び比較例における(C)成分は、以下のとおりである。
(c1)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド
(c2)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド
(c1)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド
(c2)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド
実施例及び比較例における(D)成分は、以下のとおりである。
(d1)アセトフェノン
(d1)アセトフェノン
実施例及び比較例における(E)成分は、以下のとおりである。
(e1)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン
(e2)2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
(e3)2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン
(e1)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン
(e2)2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
(e3)2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン
実施例及び比較例におけるその他の成分は、以下のとおりである。
その他シリコーン:両末端ビニルポリジメチルシロキサン(粘度10000cP)
重合禁止剤:p−t−ブチルカテコール
シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
その他シリコーン:両末端ビニルポリジメチルシロキサン(粘度10000cP)
重合禁止剤:p−t−ブチルカテコール
シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
実施例及び比較例の組成物の調製方法は、以下のとおりである。
〔ベース組成の調製〕
表1のベース組成に記載された成分のうち、(a)、その他のシリコーン、(b)、重合禁止剤を万能混練り機により攪拌混合して均一な組成物とした。それに(e1)、(e2)を密閉容器と震とう機により混合して均一な溶液としたもの、シランカップリング剤を添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得て、これをベース組成とした。
〔追加成分の添加〕
表1に記載の追加成分を密閉容器と震とう機により混合して均一な溶液とし,これをベースとなる組成物に添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得ることにより、実施例及び比較例の組成物を調製した。組成物について物性評価を行なった。表2に結果を示す。
〔ベース組成の調製〕
表1のベース組成に記載された成分のうち、(a)、その他のシリコーン、(b)、重合禁止剤を万能混練り機により攪拌混合して均一な組成物とした。それに(e1)、(e2)を密閉容器と震とう機により混合して均一な溶液としたもの、シランカップリング剤を添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得て、これをベース組成とした。
〔追加成分の添加〕
表1に記載の追加成分を密閉容器と震とう機により混合して均一な溶液とし,これをベースとなる組成物に添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得ることにより、実施例及び比較例の組成物を調製した。組成物について物性評価を行なった。表2に結果を示す。
実施例の各組成物は、Fusion社製のDバルブ、Vバルブ、ガリウムランプといった短波長紫外線の強度が比較的小さい光源からの照射によっても良好な硬化性を発揮し、接着性に優れるとともに、外観においても優れていた。また、熱、光の影響による呈色、透過率の低下も小さかった。
本発明によれば、短波長紫外線の強度が比較的小さい紫外線光源からの照射によっても良好な硬化性を発揮する、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置が提供される。本発明の組成物は、短波長紫外線や熱によるダメージを受けやすい部材に対して好適に使用することができ、例えば、薄型又は大型の画像表示装置の製造において保護部と画像表示部との間の封止用途に適している。
Claims (6)
- (A)式(I):
(式中、
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B)23℃における粘度が10〜10000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(C)アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤;並びに
(D)アセトフェノン及び/又はプロピオフェノン
を含み、ここで、
(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、
(A)〜(D)の合計100重量%中、(C)が0.1〜0.5重量%であり、(D)が0.1〜2.0重量%である、
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。 - (D)が、アセトフェノンである、請求項1記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
- (C)が、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド及び/又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドである、請求項1又は2記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
- さらにシランカップリング剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる画像表示装置用シール剤。
- 請求項5記載の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置。
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