JP6422277B2 - 紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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本発明は、画像表示装置に好適に使用できる、紫外線及び/又は熱硬化型硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置に関する。
近年、液晶、プラズマ、有機EL等のフラットパネル型の画像表示装置が着目されている。フラットパネル型の画像表示装置は、通常、少なくとも一方がガラス等の光透過性をもつ一対の基板の間に、アクティブ素子を構成する半導体層や蛍光体層、あるいは発光層からなる多数の画素をマトリクス状に配置した表示領域(画像表示部)を有する。一般に、この表示領域(画像表示部)と、ガラスやアクリル樹脂のような光学用プラスチックで形成される保護部との周囲は、接着剤で機密に封止されている。
このような画像表示装置においては、屋外光や室内照明の反射等による可視性(視認性)の低下を防ぐため、保護部と画像表示部との間に、紫外線硬化型樹脂組成物を介在させた薄型の画像表示装置が製造され、ここで使用される紫外線硬化型樹脂組成物として、紫外線硬化型アクリル樹脂や紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が使用されている(特許文献1及び2)。一方、メルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンと脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンからなる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献3及び4)。
また、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン、アシルフォスフィンオキシド系光反応開始剤並びにアセトフェノン及び/又はプロピオフェノンを含む紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献5)。特許文献5に記載された紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物は、光反応開始剤の相溶化剤としてアセトフェノン及びプロピオフェノンを含む。
上記した紫外線硬化型樹脂組成物は、通常、紫外線を発生させる光源として、高圧水銀灯、ハロゲン化鉄系メタルハライドランプ等が使用され、これらの照射において、良好な硬化性を発揮する。
特開2008−282000号公報 特開平7−134538号公報 特開平2−245060号公報 特開平3−064389号公報 特開2013−253179号公報
従来の紫外線硬化型シリコーン樹脂は、光照射でラジカルを発生させる光開始剤によって反応が進行するため、光が当たらない遮光部分において樹脂が硬化しなかった。したがって、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置で、LCDモジュール上に保護ガラスやタッチパネル等のパネルを紫外線硬化型樹脂で貼り合わせる場合に、紫外線を透過しない部分を有するパネルを使用する際、光照射によって未硬化部分が存在する問題があった。また、メルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンと脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンを含む、特許文献3〜5に記載のようなエン−チオール型紫外線硬化シリコーン樹脂は、硬化物を長時間UVA波長域の光に暴露すると、黄変や曇りの発生が顕著になる問題があることが、本発明者らにより見出された。
本発明は、このような問題に対して、優れた耐UVA性を有する硬化物を与える、紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、硬化型シリコーン樹脂組成物において、特定のアシルフォスフィンオキシド化合物、特定のベンゾトリアゾール化合物及び特定のヒンダードアミン化合物を特定量で用いた場合、更なる相溶化剤が存在しない場合であっても、互いに相溶し、かつ、シリコーン樹脂成分に相溶化させることができることを見出した。また、本発明者らは、前記成分が互いに相溶化した硬化型シリコーン樹脂組成物に、特定の10時間半減期温度を有するラジカル開始剤を併用して得られる組成物は、紫外線及び/又は熱で硬化させることができ、かつこの組成物を用いて得られる硬化物は、優れた耐UVA性を有することを見出し、本発明に至った。本発明は、以下の態様を包含する。
本発明の第1の態様は、(A)式(I):
Figure 0006422277

(式中、
各Rは、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B)23℃における粘度が10〜10,000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(C)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドからなる群より選ばれるアシルフォスフィンオキシド化合物;
(D)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸のC〜Cアルキルエステルからなる群より選ばれるベンゾトリアゾール化合物;
(E)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートからなる群より選ばれるヒンダードアミン化合物;並びに
(F)10時間半減期温度が75℃未満であるラジカル開始剤
を含み、ここで、
(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、
(A)〜(F)の合計100重量%中、(C)が0.08〜0.25重量%であり、(D)が0.5〜5.0重量%であり、(E)が0.1〜0.5重量%である、
紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明の第2の態様は、(F)が、有機過酸化物及び有機アゾ化合物からなる群より選ばれるラジカル開始剤である、本発明の第1の態様の組成物に関する。
本発明の第3の態様は、(F)が、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートからなる群より選ばれる、本発明の第1又は第2の組成物に関する。
本発明の第4の態様は、(A)〜(F)の合計100重量%中、(F)が0.25〜5.0重量%である、本発明の第1〜第3の態様のいずれかの組成物に関する。
本発明の第5の態様は、さらにシランカップリング剤を含む、本発明1〜4のいずれかの組成物に関する。
本発明の第6の態様は、本発明の第1〜第5の態様のいずれかの組成物からなる画像表示装置用シール剤に関する。
本発明の第7の態様は、本発明の第6の態様の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置に関する。
本発明によれば、優れた耐UVA性を有する硬化物を与える、紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物が提供される。
紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物(以下、「組成物」ともいう。)は、(A)式(I):
Figure 0006422277
(式中、
各Rは、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有する。
(A)に関する式(I)において、Rは、脂肪族不飽和基である。両末端のRは同一であっても、異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
脂肪族不飽和基としては、アルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が特に好ましい。
式(I)において、Rは、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)又はC6〜C12アリール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル等)である。Rは同一であっても、異なっていてもよい。
屈折率の調整の点から、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、粘性及びチキソトロピー性の点から、Rのうち、1〜20モル%がC6〜C12アリール基であることが好ましい。
合成の容易さ等の点から、C1〜C6アルキル基としては、メチルが好ましく、C6〜C12アリール基としては、フェニルが好ましい。
(A)としては、式(I)において、Rのうち、1〜40モル%はフェニル基であり、残余がメチル基であるものが好ましく、より好ましくは、Rのうち、1〜20モル%がフェニル基であり、残余がメチル基であるものである。
(A)は、組成物の作業性の観点から、23℃における粘度が100〜100,000cPであり、好ましくは100〜25,000cPであり、200〜10,000cPが更に好ましく、300〜5,000cPが特に好ましい。本明細書において、粘度は、回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)にて、ローターNo.2〜4を使用し、30〜60rpm、23℃で測定した値とする。
(A)中の脂肪族不飽和基の個数は、NMRにて平均構造式を求め、分子量を計算し、得られた分子量から求めることができる。
(A)の調製方法は、特に限定されず、例えば、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン等のクロロシラン類を重縮合、再平衡化を行うか、あるいはジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン等のアルコキシシラン類を共加水分解し、重縮合、再平衡化反応を行なうことにより得ることができる。また、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン等のシロキサン類を、アルカリ触媒(水酸化アルカリ金属塩、アルカリ金属シラノレート、水酸化アンモニウム塩等)又は酸触媒(硫酸、硫酸シラノレート、トリフルオロメタンスルホン酸)の存在下で、開環重合、再平衡化を行うことにより得ることもできる。
(A)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。なお、(A)が、二種以上の混合物である場合、(A)として粘度の高い(例えば、23℃における粘度が、10,000〜25,000cP)ポリオルガノシロキサンと粘度の低い(例えば、23℃における粘度が、100〜5,000cP)ポリオルガノシロキサンとの混合物とすることができる。
このような混合物とすることで、耐UVA性がより優れる硬化物が得られる傾向がある。
組成物は、(B)23℃における粘度が20〜10,000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンを含有する。
(B)において、1分中のケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基の個数は、架橋反応による安定した構造を確保しつつ、過度な硬化収縮を抑制する点から、平均で2個以上、20個以下とすることができる。中でも、2個超、10個以下が好ましく、より好ましくは3〜7個である。
(B)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基のアルキル部分は、C1〜C6アルキル基であることができる。メルカプトアルキル基としては、メルカプトメチル、2−メルカプトエチル、3−メルカプトプロピル、4−メルカプトブチル、6−メルカプトヘキシル等が挙げられるが、合成の容易さ等の点から、メルカプトメチル、3−メルカプトプロピルが好ましく、より好ましくは3−メルカプトプロピルである。
(B)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基以外の有機基は、置換又は非置換基の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)であることができる。具体的には、アルキル基、例えばC1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等);シクロアルキル基、例えばC3〜C10シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル等);アリール基、例えばC6〜C12アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル等);アラルキル基、例えばC7〜C13アラルキル基(例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル等);置換炭化水素基、例えばハロゲン置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプロピル等)が挙げられる。合成の容易さ等の点からアルキル基が好ましく、中でもメチル、エチル、プロピルが好ましく、より好ましくはメチルである。屈折率を調整するために、アリール基を併用することができる。特に、合成の容易さ等の点からフェニルが好ましい。
(B)の主鎖の構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、分岐状が好ましい。例えば、R''SiO3/2単位、R''SiO1/2単位及びR''SiO2/2単位、並びに場合によっては更にSiO4/2単位(式中、R''は、それぞれ独立して、非置換又は置換の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)を表す)からなり、1分子当たり、2個以上、20個以下のR''がメルカプトアルキル基である、メルカプトアルキル基を含有する分岐状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基が挙げられる。メルカプトアルキル基であるR''は、いずれの単位のR''としても存在してもよいが、好ましくはR''SiO3/2単位のR''として存在する。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基を適用することができる。作業性と架橋反応性の点から、メルカプトアルキル基を含有するシロキサン単位とメルカプトアルキル基を含まないシロキサン単位の個数の比は、1:60〜1:8のものが好ましく、より好ましくは1:50〜1:10のものである。
(B)において、23℃における粘度は、20〜10,000cPである。作業性及び屈折率の点から、例えば、粘度は30〜8,000cPとすることができる。
(B)中のメルカプト基の個数は、ヨウ素による比色滴定により測定することができる。これは、下記式:
2RSH + I → RSSR + 2HI
の反応を利用した方法であり、滴定中、微量の過剰ヨウ素で滴定液が微黄色になることを利用する。
(B)は、透明性が高いものであることが好ましい。(B)の透明性の指標としては、透過率80%以上であることが挙げられる。(B)の透過率の測定のために、23℃において、(B)を容器に充填して、厚さ10mmについて、分光測式計によって、可視光領域波長(360〜780nm)の透過率を測定する。組成物の硬化物の透明性が安定的に保持できる点から、透過率は90%以上であることが好ましい。
(B)の調製方法は、特に限定されず、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン等のメルカプトアルキルアルコキシシランと、所望のアルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシラン、シラノール含有シロキサンとを加水分解、重縮合、再平衡化することにより製造できる。
(B)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
組成物は、(C)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドからなる群より選ばれるアシルフォスフィンオキシド化合物を含有する。(C)は、(A)と(B)とを光架橋させる際のラジカル開始剤として、又は増感剤として機能する成分である。(C)は、単独でも、二種を併用してもよい。
組成物は、(D)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸のC〜Cアルキルエステルからなる群より選ばれるベンゾトリアゾール化合物を含む。(D)は、後述する(E)と特定量で組み合わせることにより、固体である(C)を、(A)及び(B)に相溶させるための相溶化剤として機能する。(D)及び後述する(E)を配合することによって、組成物を容易に分離のない状態することができる。ここで、(A)及び(B)は、通常、相溶した混合物の形態で用いられる成分である。
本発明において、(C)、(D)及び(E)のいずれか1つでも(A)及び(B)に相溶しないのであれば、均一な液状の組成物が得られない。また、(C)、(D)及び(E)が相溶した場合であっても、(C)、(D)及び(E)の混合物が、(A)及び(B)の混合物に相溶しなければ、均一な液状の組成物が得られない。これらの場合、均一な硬化性が得られない、得られる硬化物の光学特性が悪くなる、良好な耐UVA性が得られないなどの問題が発生する。
(D)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。(D)は、好ましくは、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸Cアルキルエステル、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸Cアルキルエステル及び3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸Cアルキルエステルの3つの化合物の混合物(以下、この混合物を、「3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸C〜Cアルキルエステル」ともいう。)である。
組成物は、(E)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートからなる群より選ばれるヒンダードアミン化合物を含有する。
(E)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。(E)は、より透明な組成物が得られる点から、好ましくは、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである。
組成物は、(F)10時間半減期温度が75℃未満であるラジカル開始剤を含有する。(F)は、(A)と(B)とを熱硬化させる際のラジカル開始剤として機能する成分である。なお、(F)は、通常、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)が均一に相溶した混合物に対して、相溶できる成分である。
10時間半減期温度が75℃以上のラジカル開始剤であると、組成物を加熱により硬化させる際に、10時間半減期温度が75℃未満のラジカル開始剤を使用した場合と同等の時間で硬化させようとすれば、硬化温度が高い(例えば80℃以上)条件が必要である。また、10時間半減期温度が75℃未満のラジカル開始剤を使用した場合と同等の温度(例えば、70℃)で硬化させようとすれば、より長い時間加熱しなければならない。硬化温度が高い条件では、例えば、組成物を偏光板の接着剤として用いる場合に、偏光板に含まれるヨウ素が脱離してしまう。より低温で硬化させる場合(例えば、70℃)では、長時間の加熱を要することで生産性が悪くなり、硬化時間を短縮しようとすれば、より多くのラジカルを発生させるために、10時間半減期温度が75℃以上であるラジカル開始剤の含有量を増加させなければならない。これにより、ラジカル開始剤により、得られる硬化物の高温高湿処理後の光学特性が低下する。(F)の10時間半減期温度は、組成物の良好な熱硬化性の点、及び、組成物の保存安定性が担保できる点、またラジカル開始剤の扱いやすさの点から、60℃以上75℃未満が好ましく、65℃〜70℃がより好ましい。
有機アゾ系化合物である(F)として、下記の化合物が例示される。
2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)社製「V−70」;10時間半減期温度30℃)
2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)社製「V−65」;10時間半減期温度51℃)
2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(和光純薬工業(株)社製「V−60」;10時間半減期温度65℃)
2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業(株)社製「V−59」;10時間半減期温度67℃)
ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)社製「V−601」;10時間半減期温度66℃)
有機過酸化物である(F)として、下記の化合物が例示される。
ラウロイルパーオキサイド(日油株式会社製「パーロイルL」など;10時間半減期温度61.6℃)
ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油株式会社製「パーロイルTCP」など;10時間半減期温度40.8℃)
1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製「パーオクタO」など;10時間半減期温度65.3℃)
2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度66.2℃)
t−へキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製「パーヘキシルO」など;10時間半減期温度69.9℃)
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製「パーブチルO」など;10時間半減期温度72.1℃)
(F)は、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)が均一に相溶した混合物に対する相溶性がより向上する点から、溶剤と組み合わされて用いられてもよい。(F)と組み合わされて用いられる溶剤として、ヘキサン、オクタン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素系溶剤、フタル酸ジメチル、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤が挙げられる。このような溶剤の量は、特に限定されず、(F)成分100質量部に対して、0〜200質量部が好ましく、0.1〜100質量部以下がより好ましい。
溶剤と組み合わされた(F)成分として、パーキュアO(日油株式会社製、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの純度50重量%)、パーキュアHO(N)(日油株式会社製、t−へキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの純度50重量%)、パーオクタO−70(S)(日油株式会社製、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの純度70重量%)、パーヘキサ25O(日油株式会社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサンの純度50重量%)等が挙げられる。
(F)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
組成物において、(B)は、(A)中の脂肪族不飽和基数(Vi)に対する、(B)中のメルカプトアルキル基(HS)の個数の比(HS/Vi)が0.1〜10となる量で使用する。硬化性及び硬化物の硬さの点から、比は0.3〜5が好ましく、より好ましくは、0.6〜2である。
組成物において、(C)は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計100重量%中、0.08〜0.25重量%である。(C)の範囲が上記の範囲であれば、組成物中の溶解性が容易に得られる。また、(C)は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計100重量%中、0.08重量%未満であれば、組成物の硬化性が劣り、0.25重量%超であれば、得られる硬化物の耐UVA性が劣る。(C)は、組成物の紫外線硬化性及び得られる硬化物の耐UVA性を向上させる点から、好ましくは0.09〜0.22重量%であり、0.1〜0.2重量%がより好ましい。
組成物において、(D)は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計100重量%中、0.5〜5.0重量%である。(D)が0.5重量%未満であると、(C)を溶解させて、(A)及び(B)に相溶化させることができず、5.0重量%超であると、紫外線硬化性が劣るばかりか、組成物を不必要に着色させる原因となり、これにより得られる硬化物の着色がより顕著になる。より容易に(C)を相溶化させることができ、より着色が抑えられた組成物を得る点から、(D)は、好ましくは1.0〜4.0重量%であり、1.5〜3.0重量%がより好ましい。
(E)は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計100重量%中、0.1〜0.5重量%である。(E)が0.1重量%未満であると、得られる硬化物の耐UVA性(特に、黄変)が劣り、0.5重量%超であると、(C)、(D)及び(E)が相溶した均一の溶液が得られたとしても、これを(A)及び(B)に加えた場合に、組成物においてカスミの発生が顕著となり、また組成物を不必要に着色させる原因となり、これにより得られる硬化物の光学特性が劣る。より高い透明性を有する組成物を得る点、及び、得られる硬化物のイエローインデックスをより低く抑える点から、(E)は、好ましくは0.18〜0.45重量%であり、0.19〜0.4重量%である。
(D)及び(E)の合計量は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計100重量%中、1.0〜4.5重量%であるのが好ましく、より好ましくは1.5〜3.0重量%である。(D)及び(E)の合計量が1.0重量%以上であれば、十分な耐UVA性が得られ、(C)、(D)及び(E)がより均一に相溶することにより、組成物の透明性がより向上する。また、(D)及び(E)の合計量が4.5重量%以下であれば、十分な硬化性が得られ、組成物の透明性がより向上し、また組成物の着色がより抑えられる。
(F)は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計100重量%中、0.25〜4.5重量%であるのが好ましい。(F)が0.25重量%以上であると、加熱硬化性が充分であり、4.5重量%以下であると、得られる硬化物の高温高湿処理後の光学特性の低下が抑えられる。すなわち、高温高湿処理後において、(F)成分に起因すると考えられる、硬化物のヘーズ及びイエローインデックスの増加がより抑えられる。より高い加熱硬化性を有する組成物を得る点、及び、高温高湿処理後において、より良好な光学特性を有する硬化物を得る点から、(F)は、0.5〜3.5重量%であるのがより好ましく、1.0〜3.0重量%であるのが更に好ましい。
組成物の全重量に対する、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の合計の重量は、特に限定されないが、例えば、80〜100重量%とすることができ、90〜100重量%であるのが好ましい。
組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分以外の脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンを含んでいてもよい。このような脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンは、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。
直鎖状のものとしては、例えば、フェニル基非含有の脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンが挙げられ、例えば両末端ビニル基含有ポリジメチルシロキサンが挙げられる。このような直鎖状ポリオルガノシロキサンは、組成物の作業性の観点から、23℃における粘度が100〜100,000cPであることができ、好ましくは100〜25,000cPであり、200〜10,000cPがより好ましく、300〜5,000cPが更に好ましい。
分岐状のものとしては、例えば、MViQレジン、MDViQレジン、MViTレジン、MViDTレジン、MDViTレジン等が挙げられる。ここで、M単位は、(CHSiO1/2−単位であり、MViは、(CH=CH)(CHSiO1/2−単位であり、Dは、−(CHSiO2/2−単位であり、DViは、−(CH)(CH=CH)SiO2/2−単位であり、Tは、(CH)SiO3/2≡単位であり、Qは、SiO4/2単位(4官能性)である。
具体的には、SiO4/2単位、R'SiO1/2単位及びR'SiO2/2単位、並びに場合によってはさらにR'SiO3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。中でも、R'SiO2/2単位1モルに対して、SiO4/2単位を6〜10モル、R'SiO1/2単位を4〜8モルの比率で有する分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。(A)成分以外の脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンは、常温で固体ないし粘稠な半固体の樹脂状又は液状のものが好ましい。例えば、重量平均分子量1,000〜400,000のものが挙げられ、好ましくは、2,000〜200,000のものである。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
R’に関する脂肪族不飽和基としては、(A)において脂肪族不飽和基として挙げられた基及び好ましい基が適用される。脂肪族不飽和基であるR'は、いずれの単位のR'としても存在してもよいが、好ましくはR'SiO単位のR'として存在する。
脂肪族不飽和基以外のR’は、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)であり、耐熱性を考慮すると、メチル基が好ましい。
組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤、重合禁止剤、無機充填剤等の添加剤を含んでいてもよい。なお、組成物は、アセトフェノン及びプロピオフェノンを含まないのが好ましい。アセトフェノン及びプロピオフェノンは、UVAの暴露により、硬化物のイエローインデックスの上昇を加速させる成分である。よって、組成物がアセトフェノン及びプロピオフェノンを含まないことで、得られる硬化物の耐UVA性がより向上する。
シランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートが挙げられ、好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられる。
無機充填剤は、組成物の流動性調整、硬化後物性調整のために使用することができ、煙霧質シリカ、粉砕石英、金属酸化物等が挙げられる。
組成物は、作業性の点から、23℃における粘度が、100〜50,000cPであることが好ましく、100〜10,000cPであることがより好ましく、500〜3,000cPであることが更に好ましい。
組成物は、(A)〜(F)、並びに任意成分を配合することにより得ることができる。調製にあたっては、容易に、組成物を均一な状態にし、透明な硬化物を得ることができる点から、(D)と(E)の溶液を用意し、これに(C)を溶解させて得られる溶液を、(A)と(B)を含む混合物に添加、混合して、均一な混合物とし、これに(F)を添加して、組成物とすることが好ましい。任意成分は適宜添加することができる。
組成物は、紫外線及び/又は熱で硬化させることができる硬化型組成物である。好ましくは、本発明の組成物は、組成物に紫外線を照射することによって、硬化させることができ、紫外線が未照射の部分は、加熱によって、硬化させることができる、紫外線及び熱硬化型シリコーン樹脂組成物である。
組成物は、紫外線を照射することによって、硬化させることができる。照射量は、100〜10,000mJ/cmが好ましく、より好ましくは300〜6,000mJ/cmであり、更に好ましくは500〜4,000mJ/cmである。なお、照射量は、UVAの測定値である。ここで、UVAは、315〜400nmの範囲の紫外線をいう。
組成物は、紫外線の波長、例えば、250〜450nmの範囲を有する紫外線を照射したときの硬化性が良好である。このような波長の紫外線を放出する光源として、例えば、ウシオ電機株式会社製の高圧水銀ランプ(UV−7000)、メタルハライドランプ(UVL−4001M3−N1)、韓国:JM tech社製のメタルハライドランプ(JM−MTL 2KW)、三菱電機株式会社製の紫外線照射灯(OSBL360)、日本電池株式会社製の紫外線照射機(UD−20−2)、株式会社東芝の製蛍光ランプ(FL−20BLB))、Heraeus社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Vバルブ、Dバルブ、Qバルブ、Mバルブ等が挙げられる。
さらに、組成物は、加熱することによって、硬化させることができる。熱硬化における加熱温度及び加熱時間は、(F)の10時間半減期温度に応じて適宜設定することができる。加熱温度は、例えば、50〜80℃とすることができ、60〜70℃が好ましい。また、加熱時間は、例えば、0.5〜10時間とすることができ、0.5〜2時間が好ましい。熱硬化のための加熱温度及び加熱時間は、(F)の10時間半減期温度に応じて選択することができる。例えば、(F)の10時間半減期温度が70℃である場合、加熱温度を70〜80℃とし、0.5〜2時間加熱することが挙げられる。また、(F)の10時間半減期温度が60℃である場合、加熱温度を60〜70℃とし、0.5〜2時間加熱することが挙げられる。
組成物の硬化物は、耐UVA性が良好である。そのため、硬化後にも太陽光線を含むUVA領域の紫外線に暴露された場合であっても、黄変が抑えられ、ヘーズ値が小さい硬化物を与えることができ、画像表示装置の使用環境から想定される光の影響による黄変や、曇(ヘーズ)の増加が抑えられ、画像表示装置の視認性を良好な状態で維持することができる。
組成物は、画像表示装置用シール剤として利用することができる。画像表示装置用シール剤を画像表示部と保護部の間に介在させ、紫外線の照射により硬化させて、紫外線が透過しない部分は、加熱により硬化させて、画像表示部と保護部とを封止することができる。
組成物は、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置においてLCDモジュール上に保護ガラスやタッチパネル等の保護パネルを貼り合わせる場合に、紫外線を透過しない部分を有するパネルを使用する際に、好適に使用することができ、特に、フラットパネル型の画像表示装置の保護部と画像表示部との間に介在させる樹脂として好ましい。LCDモジュール上に保護パネルで貼り合わせる方法として、例えば、LCDモジュール側に組成物を塗布して保護パネルを貼り付ける方法、保護パネルに組成物を塗布して、反転させて保護パネルをLCDモジュールに貼り付ける方法が挙げられる。具体的には、例えば、光学用プラスチック等で形成される透明な保護部を構成する保護パネル上に、組成物を塗布した後、画像表示部を構成する画像表示パネルを貼り合わせ、紫外線照射及び加熱することができる。保護パネルには、外周縁部に、組成物の流出を妨げるための段差を設けておいてもよい。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によって制限されるものではない。
〔物性の評価条件〕
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、400cP以下の範囲は、No.2ローターを使用し、400超〜1,500cPの範囲は、No.3ローターを使用し、1,500cP超の範囲は、No.4ローターを使用し、60rpmで、23℃における粘度を測定した。
(2)メルカプト基の個数の測定
ヨウ素源として、1/10規定ヨウ素溶液(特級試薬)を使用し、比色滴定により、単位重量当りのメルカプト基数を定量した。
計算方法: SH含有量(mmol/g) = (A×P×0.1)/(W×C)
A:変色するまでに要したヨウ素溶液滴下量
P:ヨウ素溶液の補正係数(試薬に記載されている補正係数):補正が必要な場合に記載
W:サンプル重量(g)
C:サンプルの不揮発分
予備測定を行ない、ヨウ素溶液量を求め、その後精度よく3回測定し、3回の平均値を求めた。
(3)紫外線照射量の測定
紫外線光源におけるUVA(315〜400nm)の照射量は、オーク製作所社製紫外線光量計UV−350を用いて測定した。
(4)未硬化物定性外観評価
イエロールーム内にて、調製した組成物を50ml容量のガラスびんに移し、不溶物及びカスミの有無を目視にて確認する方法で外観を評価した。
(5)紫外線硬化定性評価1
厚さ1.1mmのガラス板2枚を使用した。一方のガラス板は被着面の反対側について黒色PVCテープを用いて全面遮光した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が20mmx10mm、厚さが150μmになるように貼り合わせた。次いで、遮光されていない側から、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射し、せん断試験体を作製した。せん断試験体作製直後に島津製作所(株)製引張試験機(AG−IS型)で引張速度10mm/分にて引張試験を実施した。各せん断試験体における組成物の硬化状態を目視および指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm
(6−1)遮光部分硬化定性評価1
厚さ1.1mmのガラス板2枚を使用した。一方のガラス板は被着面の反対側について黒色PVCテープを用いて全面遮光した。もう一方のガラス板は長辺の両端から10mmの部分を遮光し、中央の10mmのみ光が当たるようにして部分的遮光した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が30mmx15mm、厚さが150μmになるように貼り合わせた。次いで、部分的に遮光した側に、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射した。光照射直後に、試験体を70℃の加熱乾燥器に入れ、1時間加熱して、せん断試験体を作製した。試験体作製直後に島津製作所(株)製引張試験機(AG−IS型)で引張速度10mm/分にて引張試験を実施した。各試験体における組成物の硬化状態を目視および指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm
(6−2)遮光部分定性硬化評価2
加熱時間を70℃2時間に変えて、遮光部分定性硬化評価1と同様にして、硬化性を評価した。
(7)対ガラス接着性(凝集破壊率%)
厚さ1.1mmのガラス板2枚を使用した。一方のガラス板は被着面の反対側について黒色PVCテープを用いて全面遮光した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が20mmx10mm、厚さが150μmになるように貼り合わせた。次いで、遮光されていない側から、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射した。光照射直後に、試験体を70℃の加熱乾燥器に入れ、1時間加熱して、せん断試験体を作製した。せん断試験体作製直後に島津製作所(株)製引張試験機(AG−IS型)で引張速度10mm/分にて引張試験を実施した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm
ガラス上の紫外線硬化型樹脂組成物の凝集破壊部分の面積Smmを求め、
(100×S)/(10×20)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
(8−1)イエローインデックス(硬化物)
厚さ1mmのガラス板2枚を使用した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が50mmx50mm、厚さが180μmになるように貼り合わせた。次いで、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射した。光照射直後に、試験体を70℃の加熱乾燥器に入れ、1時間加熱して、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm
作製した試料について、測定装置CM−3500d(コニカミノルタ社製)を用いて、イエローインデックス(ASTM D1925)を測定した。
(8−2)イエローインデックス(硬化物、UVA−340 100h照射後)
「(8−1)イエローインデックス(硬化物)」と同様にして、試料を作製した。
作製した試料について、測定装置CM−3500d(コニカミノルタ社製)を用いて、光源をUVA−340としたQ−Lab社製Q−UV環境試験機により、放射強度0.89W/m/nmにて100時間の処理を行った後の試料についてイエローインデックス(ASTM D1925)を測定した。なお、UVA−340は、太陽光の短波長領域である295nmから365nmまでの波長域を忠実に再現している紫外線ランプである。良好な耐UVA性を示す指標としてはイエローインデックス値1.0未満とした。
(9−1)ヘーズ(硬化物)
「(8−1)イエローインデックス(硬化物)」と同様にして、試料を作製した。
作製した試料について、JIS K 7105に準拠し、ヘーズメータNDH5000(日本電色工業株式会社製)を用いて、ヘーズを測定した。
(9−2)ヘーズ(硬化物、UVA−340 100h照射後)
「(8−1)イエローインデックス(硬化物)」と同様にして、試料を作製した。
作製した試料について、JIS K 7105に準拠し、ヘーズメータNDH5000(日本電色工業株式会社製)を用いて、光源をUVA−340としたQ−Lab社製Q−UV環境試験機により、放射強度0.89W/m/nmにて100時間の処理を行った後の試料についてヘーズを測定した。良好な耐UVA性を示す指標としてはヘーズ値1.0未満とした。
(10−1)硬化物外観
「(8−1)イエローインデックス(硬化物)」と同様にして、試料を作製した。
作製した試料について、硬化物に亀裂があるか否かについて、目視で観察した。
実施例及び比較例における(A)成分は、以下のとおりである。
(a)両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン
(a−1):両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン(フェニル5%、粘度20,000cP)
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
平均単位式:CH=CH−Si(CH−O−{Si(CHO}618−{SiPhO}32−Si(CH−CH=CH
分子量:52,323、単位重量あたりビニル基数:0.038mmol/g
(a−2):両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン(フェニル5%、粘度3,000cP)
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
平均単位式:CH=CH−Si(CH−O−{Si(CHO}335−{SiPhO}18−Si(CH−CH=CH
分子量:28,639、単位重量あたりビニル基数:0.07mmol/g
(a−3):両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン(フェニル5%、粘度1,000cP)
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
平均単位式:CH=CH−Si(CH−O−{Si(CHO}177−{SiPhO}−Si(CH−CH=CH
分子量:15,085、単位重量あたりビニル基数:0.133mmol/g
(a−1)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した3Lのセパルブルフラスコに、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1840g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン259g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン7.5gを150〜160℃にて窒素ガス0.5Nm/hにて3時間加熱攪拌することにより脱水を行い、その後水酸化カリウム0.1gを加えて加熱攪拌を行った。加熱撹拌は、フラスコ内で水酸化カリウムが溶解し均一になり、かつ粘度が14,000〜17,000cPに増加するまで継続した。その後、エチレンクロロヒドリン10gにて100℃にて中和後、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過した後、170〜180℃、2mmHgの減圧下にて低沸分を除去することにより、末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位であるビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン1880gを得た。
(a−2)は、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1840g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン260g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン13.6gを用い、加熱撹拌を、粘度が2,000〜2,500cPに増加するまで継続したことを除いて、(a−1)と同様に製造した。
また、(a−3)は、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1840g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン254g、及び1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン26.1gを用い、加熱撹拌を、粘度が、700〜850cPに増加するまで継続したことを除いて、(a−1)と同様に製造した。
実施例及び比較例における(B)成分は、以下のとおりである。
(b)メルカプトプロピル基含有ポリメチルシロキサン
粘度:300cP
単位重量当りのメルカプト基数:0.98mmol/g
(b)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、滴下ロート、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した5Lのセパルブルフラスコ中の、ジメチルジクロロシラン1549.2g(12mol)、トリメチルクロロシラン21.7g(0.2mol)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン196.4g(1.0mol)及びトルエン1500gに、水1000gとトルエン500gの混合物を、滴下ロートから約1時間かけて滴下した。70℃で2時間加熱攪拌しながら加水分解を行なった。反応終了後、水相を分離し、水洗し、次いで100〜125℃にて加熱により脱水を行なった。脱水終了後、50%水酸化カリウム水溶液1.5gを加え、115〜125℃で5時間加熱攪拌することにより縮合反応を行った。エチレンクロロヒドリンにて中和後、トルエンを1200〜1300g脱溶し、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過し、その後残存するトルエンを常圧及び減圧下にて除去し、ケイ素原子に結合するメルカプトプロピル基を含有するポリメチルシロキサン928gを得た。
実施例及び比較例における(C)成分は、以下のとおりである。
(c−1)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド
(c−2)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド
実施例及び比較例における(D)成分は、以下のとおりである。
(d−1)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸C〜Cアルキルエステル(BASF社製、Tinuvin384−2)
実施例及び比較例における(E)成分は、以下のとおりである。
(e−1)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(BASF社製、Tinuvin123)
(e−2)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(BASF社製、Tinuvin765)
実施例及び比較例における(F)成分は、以下のとおりである。
(f−1)V601(2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、和光純薬工業株式会社製)(10時間半減期温度66℃)
(f−2)t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度72.1℃)
(f−3)t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度69.9℃)
(f−4)1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(10時間半減期温度65.3℃)
なお、(f−1)は、V601:トルエン=1:0.5(重量比)のトルエン溶液を用いた。(f−2)は、パーキュアO(日油株式会社製、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの純度50重量%)を用いた。(f−3)は、パーキュアHO(N)(日油株式会社製、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの純度50重量%)を用いた。(f−4)は、パーオクタO−70(S)(日油株式会社製、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの純度70重量%)を用いた。
実施例及び比較例におけるその他の成分は、以下のとおりである。
その他シリコーン(1):両末端ビニルポリジメチルシロキサン(粘度10,000cP)
その他シリコーン(2):M単位((CHSiO1/2−単位)、D単位(−(CH)(CH=CH)SiO−単位)及びQ単位(SiO4/2(4官能性)単位)からなり、モル単位比がMで示される分岐状ポリメチルビニルシロキサン
その他シリコーン(3):M単位((CHSiO1/2−単位)及びQ単位(SiO4/2(4官能性)単位)からなり、モル単位比がMQで示される分岐状ポリメチルシロキサン
重合禁止剤:p−t−ブチルカテコール
シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
実施例及び比較例の組成物の調製方法は、以下のとおりである。
〔調製成分Aの調製〕
表1の調製成分Aに記載された成分のうち、(a−1)〜(a−3)、その他のシリコーン(1)〜その他のシリコーン(3)、(b)、重合禁止剤を万能混練り機により撹拌混合して均一な組成物とし,これをベース組成とした。さらに、表1に記載の調製成分Aに記載された成分のうち、(c−1)〜(c−2)、(d−1)、(e−1)〜(e−2)を密閉容器により60℃に加熱して撹拌を繰り返して均一な溶液とし、この溶液とシランカップリング剤をベース組成に添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得て、調製成分Aを得た。
〔組成物の調製〕
表1に記載の調製成分Bに記載された成分をあらかじめ調製した後、調製成分Aに添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得ることにより、実施例及び比較例の組成物を調製した。組成物について物性評価を行なった。表2に結果を示す。
なお、表1において、(f−1)〜(f−4)の含有量は、それぞれ、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの換算量である。
Figure 0006422277
Figure 0006422277
実施例及び比較例の各組成物は、いずれも、各成分が相溶している透明な組成物であった。実施例8はカスミが観察されたが、明らかな不溶物の沈殿はなく、また、時間の経過に伴い分離することはなく、均一な液状の組成物であった。加えて、実施例及び比較例の組成物を用いて得られる硬化物は、UVA−340、100時間照射後のイエローインデックス値及びヘーズ値が1.0未満であり、優れた耐UVA性を有する硬化物であった。
実施例の各組成物は、遮光部分においても、加熱により架橋反応が進行しており、硬化ないしゲル状であった。ここで、ゲル状とは、架橋反応が進行している状態である。例えば、実施例1及び4の「遮光部分硬化定性評価1」及び「遮光部分硬化定性評価2」の比較によれば、加熱時間をより長くすればゲル状物は硬化する。一方、比較例1〜3は、比較例1〜3の組成物が(f)を含まないため、「遮光部分硬化定性評価1」及び「遮光部分硬化定性評価2」はいずれも未硬化であった。すなわち、比較例1〜3の組成物は、遮光部分の硬化性が劣っていた。
実施例4と比較例1、実施例7と比較例2、及び、実施例8と比較例3の比較により、耐UVA性試験において、(f)が原因となると考えられる追加のラジカル反応のための、イエローインデックス及びヘーズの増加が確認された。しかし、実施例4、7及び8の硬化物は、UVA−340、100時間照射後のイエローインデックス値及びヘーズ値が1.0未満であり、優れた耐UVA性を有していた。
さらに、実施例4と実施例5との比較により、(f)の含有量の増加による耐UVA性への影響はほぼ同等であった。
本発明によれば、優れた耐UVA性を有する硬化物を与える、紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物が提供される。組成物は、光によって硬化し、光の当たらない部分は加熱によって硬化する。組成物は、更に硬化物に優れた耐UVA性を与えるため、例えば、液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置で、LCDモジュール上に保護ガラスやタッチパネル等のパネルを紫外線硬化型樹脂で貼り合わせる場合に、紫外線を透過しない部分を有するパネルを使用する際の樹脂層の部材として好適である。

Claims (6)

  1. (A)式(I):
    Figure 0006422277

    (式中、
    各Rは、独立して、脂肪族不飽和基であり、
    各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
    nは、23℃における粘度を100〜100,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
    (B)23℃における粘度が10〜10,000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
    (C)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドからなる群より選ばれるアシルフォスフィンオキシド化合物;
    (D)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸のC〜Cアルキルエステルからなる群より選ばれるベンゾトリアゾール化合物;
    (E)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートからなる群より選ばれるヒンダードアミン化合物;並びに
    (F)10時間半減期温度が75℃未満であるラジカル開始剤
    を含み、ここで、
    (A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.3〜5であり、
    (A)〜(F)の合計100重量%中、(C)が0.08〜0.25重量%であり、(D)が0.5〜5.0重量%であり、(E)が0.1〜0.5重量%である、
    紫外線及び/又は熱硬化型シリコーン樹脂組成物。
  2. (F)が、有機過酸化物及び有機アゾ化合物からなる群より選ばれるラジカル開始剤である、請求項1記載の組成物。
  3. (F)が、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート及び1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートからなる群より選ばれる、請求項1又は2記載の組成物。
  4. (A)〜(F)の合計100重量%中、(F)が0.25〜5.0重量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. さらにシランカップリング剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物からなる画像表示装置用シール剤。
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