JP6426023B2 - 紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像表示装置に好適に使用できる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置に関する。
近年、液晶、プラズマ、有機EL等のフラットパネル型の画像表示装置が着目されている。フラットパネル型の画像表示装置は、通常、少なくとも一方がガラス等の光透過性をもつ一対の基板の間に、アクティブ素子を構成する半導体層や蛍光体層、あるいは発光層からなる多数の画素をマトリクス状に配置した表示領域(画像表示部)を有する。一般に、この表示領域(画像表示部)と、ガラスやアクリル樹脂のような光学用プラスチックで形成される保護部との周囲は、接着剤で機密に封止されている。
このような画像表示装置においては、屋外光や室内照明の反射等による可視性(視認性)の低下を防ぐため、保護部と画像表示部との間に、紫外線硬化型樹脂組成物を介在させた薄型の画像表示装置が製造され、ここで使用される紫外線硬化型樹脂組成物として、紫外線硬化型アクリル樹脂や紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が使用されている(特許文献1及び2)。
一方、メルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンと脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサンからなる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献3〜5)。
特開2008−282000号公報 特開平7−134538号公報 特開平2−245060号公報 特開平3−064389号公報 特許第5010761号公報
上記した保護部と画像表示部との間に紫外線硬化型樹脂組成物を介在させた薄型の画像表示装置を製造するにあたっては、従来の紫外線硬化型アクリル樹脂組成物又は紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化時の収縮による内部応力によって画像表示部(例えば、液晶表示パネル)に変形が生じ、液晶材料の配向の乱れ等に起因する表示不良が生じることがあり、この表示不良が、視認性が良好で、高輝度及び高コントラストな表示を妨げる原因となっている。また、硬化時の収縮による保護部の反りによって画像表示部に附加される外部応力によって生じる表示ムラによる表示不良の問題は、画像表示装置が高輝度、高精細でかつ大型化してきている近年において更に顕在化してきた。
また、特許文献3及び4に開示された紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物は、これらの出願時に、画像表示装置が現在のような薄型のものは存在していなかったため、上記の表示不良の問題について対応できるものとなっていない。
一方、特許文献5に開示された紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物は、液状で塗工性に優れ、表示不良の発生を抑え、視認性を低下させず、高輝度及び高コントラストな薄型又は大型の画像表示装置の製造に好適であるが、更に硬化時における収縮率が低く、硬化物の伸びが大きく、上記の表示不良の問題について容易に対応できるものへの要求がある。
本発明は、保護部と画像表示部との間に樹脂を介在させた薄型又は大型の画像表示装置を製造するにあたり、液状で塗工性に優れ、硬化時における収縮率が小さく、硬化物の伸びが大きく、画像表示部の変形に起因する表示不良を生じさせることなく(以下、耐変形性ともいう)、かつ視認性を低下させず、高輝度及び高コントラストな表示を可能とする紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置を提供することを課題とする。
本発明1は、(A)(A1)式(I):
HS−(CH−SH
(式中、pは、2〜20の数である)で示されるジチオール及び式(II):
Figure 0006426023

(式中、Rは、独立して、C1〜C6アルキル基、C6〜C12アリール基又は−Si(OX)(ここで、Xは、独立して、C1〜C6アルキル基である)であり、
は、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、
は、独立して、C1〜C6アルキレン基であり、
qは、23℃における粘度を1〜200cPとする数である)で示されるジチオールからなる群より選択される1種以上のジチオールと、(A2)23℃における粘度が20〜25000cPである、1分子当たり、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を2個超含有するポリオルガノシロキサンとからなる、チオール化合物;
(B)(B1)式(III):
Figure 0006426023

(式中、
は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜25000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、(B2)SiO4/2単位、R'SiO1/2単位及びR'SiO2/2単位、並びに場合によっては更にR'SiO3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンとからなる、脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサン(ただし、(B2)の量は、(B)中の脂肪族不飽和基の全個数に占める(B2)中の脂肪族不飽和基の個数の割合が20%以下となる量であり、0%であってもよい);並びに
(C)光反応開始剤を含み、ここで、
(B)中の脂肪族不飽和基の個数に対する、(A)中のチオール基の個数の比が、1〜3であり、かつ
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明2は、(A)中のチオール基の全個数に占める(A1)中のチオール基の個数の割合が、5〜70%である、本発明1の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明3は、(C)の含有量が、(B)100質量部に対して、0.05〜50質量部である、本発明1又は2の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明4は、(A1)が、式(II)で示されるジチオールである、本発明1〜3のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明5は、更に、(D)シラン化合物を含む、本発明1〜4のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明6は、(D)が、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及び1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサンからなる群より選ばれる1種以上の脂肪族不飽和基を含有するシラン化合物である、本発明5の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明7は、更に、(E)MQ樹脂、MDQ樹脂、MT樹脂、MDT樹脂、MDTQ樹脂、DQ樹脂、DTQ樹脂及びTQ樹脂からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン樹脂系接着向上剤を含む、本発明1〜6のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明8は、本発明1〜7のいずれかの紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる画像表示装置用シール剤に関する。
本発明9は、本発明8の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置に関する。
本発明によれば、保護部と画像表示部との間に樹脂を介在させた薄型又は大型の画像表示装置を製造するにあたり、液状で塗工性に優れ、硬化時における収縮率が小さく、硬化物の伸びが大きく、画像表示部の変形に起因する表示不良を生じさせることなく、かつ視認性を低下させず、高輝度及び高コントラストな表示を可能とする紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物を提供することができる。
本発明の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物は、
(A)(A1)式(I):
HS−(CH−SH
(式中、pは、2〜20の数である)で示されるジチオール及び式(II):
Figure 0006426023

(式中、Rは、独立して、C1〜C6アルキル基、C6〜C12アリール基又は−Si(OX)(ここで、Xは、独立して、C1〜C6アルキル基である)であり、
は、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、
は、独立して、C1〜C6アルキレン基であり、
qは、23℃における粘度を2〜200cPとする数である)で示されるジチオールからなる群より選択される1種以上のジチオールと、(A2)23℃における粘度が20〜25000cPである、1分子当たり、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を2個超含有するポリオルガノシロキサンとからなる、チオール化合物を含む。
(A1)に関する式(I)において、pの数は2〜20である。pは、他の成分との相溶性、低揮発性(臭気の低さ)の点から、好ましくは6〜20であり、より好ましくは8〜20である。
(A1)に関する式(II)において、Rは、C1〜C6アルキル基、C6〜C12アリール基又は−Si(OX)(ここで、Xは、独立して、C1〜C6アルキル基である)である。R又はXに関するC1〜C6アルキル基としては、好ましくはC1〜C4アルキル基であり、より好ましくはメチルである。Rに関するC6〜C12アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル等が挙げられ、好ましくはフェニルである。中でも、メチルが好ましい。
は、同一であっても、異なっていてもよいが、同一のケイ素原子に結合するRは好ましくは同一である。好ましくは、同一のケイ素原子に結合するRがいずれもC1〜C6アルキル基(好ましくはC1〜C4アルキル基、より好ましくはメチル)であるか、いずれもC6〜C12アリール基(好ましくはフェニル、トリル、キシリル、より好ましくはフェニル)であるか、いずれも−Si(OX)(ここで、Xは、独立して、C1〜C6アルキル基(好ましくはC1〜C4アルキル基、より好ましくはメチル基)である)である。
は、C1〜C6アルキル基(好ましくはC1〜C4アルキル基であり、より好ましくはメチル)又はC6〜C12アリール基(好ましくはフェニル、トリル、キシリル、より好ましくはフェニル)である。中でも、メチルが好ましい。Rは、同一であっても、異なっていてもよく、好ましくは同一である。
は、C1〜C6アルキレン基であり、好ましくはC1〜C4アルキレン基であり、より好ましくはメチレン、エチレン、トリメチレンである。Rは同一であっても、異なっていてもよく、好ましくは同一である。
qは、23℃における粘度を1〜200cPとする数である。粘度がこの範囲にあると、相溶化が容易に可能である。qは、相溶性を確保しつつ、臭気を抑えやすい点から、好ましくは、23℃における粘度を3〜150cPとする数であり、より好ましくは、5〜100cPとする数である。本明細書において、粘度は、回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)にて、ローターNo.2〜4を使用し、30〜60rpm、23℃で測定した値とする。
式(II)のジチオールは、ジメチルジクロロシラン及びその部分加水分解物である低分子シロキサンジオール又は末端クロロシロキサンを、メルカブトアルキルシランと共加水分解させるか、又は末端のシラノール基と反応させることにより調製することができる。
(A1)におけるジチオールは、1種であっても、2種以上であってもよい。(A1)は、式(I)で示されるジチオールであってもよく、式(II)で示されるジチオールであってもよく、式(I)及び(II)で示されるチオールを併用してもよい。臭気が少ないという点で、式(II)で示されるジチオールが好ましく、(A1)におけるチオール基の全個数中、式(II)で示されるチオール基の個数が5%以上となるようにすることができ、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。
(A2)は、23℃における粘度が20〜25000cPである、1分子当たり、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を2個超含有するポリオルガノシロキサンである。(A2)において、1分中のケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基の個数は、架橋反応による安定した構造を確保する点から、2個超であり、3個以上が好ましい。メルカプトアルキル基の個数は、過度な硬化収縮を抑制する点から、好ましくは3〜10個であり、より好ましくは3〜6個である。
(A2)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基のアルキル部分は、C1〜C6アルキル基であることができる。メルカプトアルキル基としては、メルカプトメチル、2−メルカプトエチル、3−メルカプトプロピル、4−メルカプトブチル、6−メルカプトヘキシル等が挙げられるが、合成の容易さ等の点から、メルカプトメチル、3−メルカプトプロピルが好ましく、より好ましくは3−メルカプトプロピルである。
(A2)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基以外の有機基は、置換又は非置換基の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)であることができる。具体的には、アルキル基、例えばC1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等);シクロアルキル基、例えばC3〜C10シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル等);アリール基、例えばC6〜C12アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル等);アラルキル基、例えばC7〜C13アラルキル基(例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル等);置換炭化水素基、例えばハロゲン置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプロピル等)が挙げられる。合成の容易さ等の点からアルキル基が好ましく、中でもメチル、エチル、プロピルが好ましく、より好ましくはメチルである。屈折率を調整するために、アリール基を併用することができ、中でも、合成の容易さ等の点からフェニルが好ましい。
(A2)の主鎖の構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、分岐状が好ましい。例えば、R''SiO3/2単位、R''SiO1/2単位及びR''SiO2/2単位、並びに場合によっては更にSiO4/2単位(式中、R''は、それぞれ独立して、非置換又は置換の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)を表す)からなり、1分子当たり、2個超(好ましくは3個以上、より好ましくは3〜10個、更に好ましくは3〜6個)のR''がメルカプトアルキル基である、メルカプトアルキル基を含有する分岐状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基が挙げられる。メルカプトアルキル基であるR''は、いずれの単位のR''としても存在してもよいが、好ましくはR''SiO3/2単位のR''として存在する。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基を適用することができる。作業性と架橋反応性の点から、メルカプトアルキル基を含有するシロキサン単位とメルカプトアルキル基を含まないシロキサン単位の個数の比が、1:60〜1:5のものが好ましいが、これに限定されない。
(A2)において、23℃における粘度は、20〜25000cPである。作業性及び屈折率の点から、例えば、粘度は30〜23000cPとすることができる。作業性の点からは低粘度であることが好ましく、23℃における粘度は、例えば、20〜2000cPとすることができ、50〜500cPが更に好ましい。
(A2)の調製方法は、特に限定されず、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン等のアルキルクロロシラン、メルカプトアルキルアルコキシシランと、所望のアルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシラン、シラノール含有シロキサンとを加水分解、重縮合、再平衡化することにより製造できる。
(A2)は、1種であっても、2種以上であってもよい。
(A)中のチオール基の全個数(すなわち(A1)及び(A2)中のチオール基の合計)に占める(A1)中のチオール基の個数の割合は、好ましくは5〜70%であり、より好ましくは10〜60%であり、更に好ましくは10〜55%である。
本発明の組成物は、(B)(B1)式(III):
Figure 0006426023

(式中、
は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜25000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、(B2)SiO4/2単位、R'SiO1/2単位及びR'SiO2/2単位、並びに場合によっては更にR'SiO3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンとからなる、脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサン(ただし、(B2)の量は、(B)中の脂肪族不飽和基の全個数に占める(B2)中の脂肪族不飽和基の個数の割合が20%以下となる量であり、0%であってもよい)を含む。
(B)において、(B2)は、任意成分であり、(B)中の脂肪族不飽和基の全個数に占める(B2)中の脂肪族不飽和基の個数の割合が20%以下となる量とすることができ、好ましくは、15%以下となる量である。(B2)を併用することにより、硬化物のE硬度を調整することができる。E硬度を効率的に調整する点からは、3%以上となる量とすることが好ましく、より好ましくは5%以上となる量である。また、(B2)を併用することにより、接着性も向上させることができ、特に被着体が偏光板の場合、高い改善効果が見込める。
(B1)に関する式(III)において、Rは、脂肪族不飽和基である。両末端のRは同一であっても、異なっていてもよいが、好ましくは同一である。
脂肪族不飽和基としては、アルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。
式(III)において、Rは、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)又はC6〜C12アリール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル等)である。Rは同一であっても、異なっていてもよい。
屈折率の調整の点から、Rのうち、1〜60モル%をC6〜C12アリール基とすることが好ましく、粘性及びチキソトロピー性の点から、Rのうち、1〜50モル%がC6〜C12アリール基であることが好ましく、より好ましくは1〜35モル%である。
合成の容易さ等の点から、C1〜C6アルキル基としては、メチルが好ましく、C6〜C12アリール基としては、フェニルが好ましい。
(B1)としては、式(III)において、Rのうち、1〜60モル%はフェニルであり、残余がメチルであるものが好ましく、より好ましくは、Rのうち、1〜50モル%がフェニルであり、残余がメチルであるものであり、更に好ましくは、Rのうち、1〜35モル%がフェニルであり、残余がメチルであるものである。
(B1)は、組成物の作業性の観点から、23℃における粘度が100〜25000cPであり、200〜10000cPがより好ましく、300〜5000cPが更に好ましい。
(B1)中の脂肪族不飽和基の個数は、NMRにて平均構造式を求め、分子量を計算し、得られた分子量から求めることができる。
(B1)の調製方法は、特に限定されず、例えば、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン等の所望の構造に必要なクロロシラン類を重縮合、再平衡化を行うか、あるいはジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシ等の所望の構造に必要なアルコキシシラン類を共加水分解し、重縮合、再平衡化反応を行なうことにより得ることができる。また、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン等の所望の構造に必要なシロキサン類を、アルカリ触媒(水酸化アルカリ金属塩、アルカリ金属シラノレート、水酸化アンモニウム塩等)又は酸触媒(硫酸、硫酸シラノレート、トリフルオロメタンスルホン酸)の存在下で、開環重合、再平衡化を行うことにより得ることもできる。
(B1)は、1種であっても、2種以上であってもよい。
(B2)は、SiO4/2単位、R'SiO1/2単位及びR'SiO2/2単位、並びに場合によっては更にR'SiO3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンである。
(B2)としては、R'SiO2/2単位1モルに対して、SiO4/2単位を6〜10モル、R'SiO1/2単位を4〜8モルの比率で有する分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。(B2)は、常温で固体ないし粘稠な半固体の樹脂状又は液状のものが好ましい。例えば、重量平均分子量1,000〜400,000のものが挙げられ、好ましくは、2,000〜200,000のものである。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
R’に関する脂肪族不飽和基としては、(B1)において脂肪族不飽和基として挙げられた基が挙げられ、具体的にはアルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。脂肪族不飽和基であるR'は、いずれの単位のR'としても存在してもよいが、好ましくはR'SiO単位のR'として存在する。
脂肪族不飽和基以外のR’は、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)であり、耐熱性を考慮すると、メチルが好ましい。
(B2)を使用する場合、1種であっても、2種以上であってもよい。
本発明の組成物は、(C)光反応開始剤を含む。(C)は、(A)と(B)とを光架橋させる際のラジカル開始剤として、又は増感剤として機能する成分である。(C)は、反応性の観点から、芳香族炭化水素、アセトフェノン及びその誘導体、ベンゾフェノン及びその誘導体、o−ベンゾイル安息香酸エステル、ベンゾイン及びベンゾインエーテル並びにその誘導体、キサントン及びその誘導体、ジスルフィド化合物、キノン化合物、ハロゲン化炭化水素及びアミン類、有機過酸化物が挙げられる。シリコーンとの相溶性、安定性の観点から、置換又は非置換のベンゾイル基を含有する化合物又は有機過酸化物がより好ましい。
(C)としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184:BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959:BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE 127:BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907:BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369:BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379:BASF社製);2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(LUCIRIN TPO:BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819:BASF社製);1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE 01:BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(〇−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02:BASF社製);オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(IRGACURE 754:BASF社製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(DAROCUR MBF:BASF社製)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエートDAROCUR EDB:BASF社製)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EHA:BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI 403:BASF社製)、ベンゾイルペルオキシド、クメンペルオキシド等が挙げられる。
(C)は、1種であっても、2種以上であってもよい。
本発明の組成物は、更に(D)シラン化合物を含むことが好ましい。(D)は、硬化物の基材への密着性・接着性を向上させる役割を担う。
(D)は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、トリメトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリエトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレート、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリス(トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。また、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン等の(メタ)アクリロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)、アミノ基等の官能基を有するジシロキサン化合物も挙げられる。密着性・接着性向上の点から、(D)は、脂肪族不飽和基を含有することが好ましく、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサンである。
(D)は、1種であっても、2種以上であってもよい。
(B)中の脂肪族不飽和基の個数をViB、(A)中のチオール基の全個数をSHとしたとき、ViBに対するSHの比(SH/ViB)は、適切な硬度及び弾性を硬化物にもたせる点から、1〜3である。好ましい個数の比(SH/ViB)は1〜2.5であり、より好ましくは1〜1.8である。ここで、(A)中のチオール基の全個数は、(A1)及び(A2)中のチオール基の合計である。(B)として、(B1)のみを使用する場合、(B)中の脂肪族不飽和基の個数は、(B1)中の脂肪族不飽和基の個数ViB1に等しく、一方、(B1)と(B2)を併用する場合は、(B)中の脂肪族不飽和基の個数は、(B1)中の脂肪族不飽和基の個数ViB1と(B2)中の脂肪族不飽和基の個数ViB2の合計となる。
光反応開始作用、硬化時の耐熱性及び視認性(高透過率及び低曇り性)の点から、(C)は、(B)100質量部に対して、0.05〜50質量部が好ましく、より好ましくは、0.1〜40質量部である。
耐変形性と視認性の観点から、(A)〜(D)の合計量は、組成物中、55質量%以上であることが好ましく、より好ましくは75質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。
本発明の組成物は、更に(E)シリコーン樹脂系接着向上剤(ただし、(A)、(B)及び(D)は除くこととする)を含有することが好ましい。シリコーン樹脂系接着向上剤とは、粘着性を有するシリコーン樹脂をいい、本発明の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物の接着性を更に強化し安定にするために必要に応じて配合する。特に被着体が偏光板の場合、高い改善効果が見込める。
粘着性と経済性の観点から、(E)としては、MQ樹脂、MDQ樹脂、MT樹脂、MDT樹脂、MDTQ樹脂、DQ樹脂、DTQ樹脂及びTQ樹脂からなる群から選ばれる1種以上のシリコーン樹脂系接着向上剤(ただし、脂肪族不飽和基及びメルカプト基を含有しないこととする)が好ましく、流動性、合成の容易さからMQ樹脂、MDQ樹脂、MDT樹脂及びMDTQ樹脂からなる群から選ばれる1種以上のシリコーン樹脂系接着向上剤がより好ましくMQ樹脂、MDQ樹脂及びMDT樹脂からなる群から選ばれる1以上のシリコーン樹脂系接着向上剤が更に好ましく、粘着性の高さと構造制御が容易な点からMQ樹脂が更に好ましい。
なお、MQ樹脂としては、平均構造式が、下記式
{(CHSiO1/2{SiO
(式中、m+n=1であり、m及びnは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、MDQ樹脂としては、平均構造式が、下記式
{(CHSiO1/2{SiO{(CHSiO}
(式中、m+n+l=1であり、m、n及びlは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、MT樹脂としては、平均構造式が、下記式
{(CHSiO1/2{(CH)SiO3/2
(式中、m+o=1であり、m及びoは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、MDT樹脂としては、平均構造式が、下記式
{(CHSiO1/2{(CHSiO}{(CH)SiO3/2
(式中、m+l+o=1であり、m、l及びoは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、MDTQ樹脂としては、平均構造式が、下記式
{(CHSiO1/2{SiO{(CHSiO}{(CH)SiO3/2
(式中、m+n+l+o=1であり、m、n、l及びoは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、DQ樹脂としては、平均構造式が、下記式
{SiO{(CHSiO}
(式中、n+l=1であり、n及びlは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、DTQ樹脂としては、平均構造式が、下記式
{SiO{(CHSiO}{(CH)SiO3/2
(式中、n+l+o=1であり、n、l及びoは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられ、TQ樹脂としては、平均構造式が、下記式
{SiO{(CH)SiO3/2
(式中、n+o=1であり、m及びoは0でない数である)で表わされるシリコーン樹脂が挙げられる。
(E)の重量平均分子量は、2,000〜100,000が好ましく、より好ましくは5,000〜80,000であり、更に好ましくは10,000〜60,000である。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値とする。
(E)は、(B)100質量部に対して、150質量部以下で使用することができ、基材への密着性を向上させる点から、(E)は、5〜150質量部が好ましく、8〜120質量部がより好ましく、10〜100質量部が更に好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、重合禁止剤、酸化防止剤、耐光性安定剤である紫外線吸収剤、光安定化剤等の添加剤を配合することができる。本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(B)以外の脂肪族不飽和基を含有するポリオルガノシロキサン(例えば、脂肪族不飽和基を含有する分岐状ポリオルガノシロキサン)を含むことができるが、好ましくは含まない。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられる。
酸化防止剤は、組成物の硬化物の酸化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド)、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサン−tert−ブチル−4−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記酸化防止剤は、1種であっても、2種以上であってもよい。
光安定剤は、硬化物の光酸化劣化を防止するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。耐光性安定剤である紫外線吸収剤は、光劣化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記紫外線吸収剤は1種であっても、2種以上であってもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が好ましい。中でも、第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いることが、組成物の保存安定性改良のために好ましい。第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD、チヌビン144、CHIMASSORC119FL(以上いずれもBASF社製);MARK LA−57、LA−62、LA−67、LA−63(以上いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−765、LS−292、LS−2626、LS−1114、LS−744(以上いずれも三共株式会社製)等の光安定剤が挙げられる。
本発明の組成物は、所望のE硬度を得る点及び透明性を高めやすい点から、無機充填剤を含まないことが好ましい。
本発明の組成物は、画像表示部と保護部との間に塗工される際の作業性の観点から、23℃における粘度が、50〜10000cPであることが好ましく、70〜9000cPであることがより好ましく、100〜7000cPであることが更に好ましい。
本発明の組成物は、(A)〜(C)、並びに任意成分の(D)、(E)及び添加剤を配合することにより得られる。調製にあたっては、(A)、(B)及び任意の(E)を配合した後、紫外線の不存在下で、(C)及び任意の(D)並びに任意の重合禁止剤を配合することが好ましい。詳細には、例えば、クリーンルームのような空気中の異物管理をされた室内にて、減圧脱泡装置を装備した5Lの万能混合攪拌機に(A)、(B)、必要により(E)を入れ、室温(10〜30℃)、低速にて30分間で均一に混合し、その後、イエロールームのような紫外線を除去した室内にて少量添加物である(C)、(D)及び重合禁止剤等を加え、氷水冷却下(10℃以下)、低速にて30分間、冷却減圧にて均一に混合し、脱泡した後、10μm以下の細かさの細孔を有するメンブレンフィルター等を用いて濾過することにより、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物を得ることができる。
本発明の組成物は、紫外線を照射することによって、硬化させることができる。(C)の反応可能な範囲の波長領域のランプとしては、例えば、ウシオ電機株式会社製の高圧水銀ランプ(UV−7000)、メタルハライドランプ(MHL−250、MHL−450、MHL−150、MHL−70)、韓国:JM tech社製のメタルハライドランプ(JM−MTL 2KW)、三菱電機株式会社製の紫外線照射灯(OSBL360)、 日本電池株式会社製 紫外線照射機(UD−20−2)、株式会社東芝製蛍光ランプ(FL−20BLB))、Fusion社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Dバルブ、Qバルブ、Mバルブ等が挙げられる。照射量は、100〜10000mJ/cmが好ましく、より好ましくは300〜5000mJ/cmであり、更に好ましくは500〜3500mJ/cmである。
本発明の組成物の硬化物は、以下のような好適な物性を有する。
〔硬化収縮率〕
本発明の組成物は、硬化収縮率を、0.20%未満とすることができるため、画像表示装置に適用した場合に、容易に、歪みが防止され、視認性を確保することができる点で好ましい。硬化収縮率は、好ましくは0.19%以下、より好ましくは0.18%以下、更に好ましくは0.16%以下である。
〔硬化後の伸び〕
本発明の組成物は、硬化後の伸びを140%以上とすることができるため、外部からの応力緩和に優れ、耐変形性を確保することができる点で好ましい。硬化後の伸びは、好ましくは150%以上であり、200%以上がより好ましい。
本発明の組成物は、画像表示装置において好適に使用することができ、特に、フラットパネル型の画像表示装置の保護部と画像表示部との間に介在させる樹脂として好ましい。
具体的には、光学用プラスチック等で形成される透明な保護部を構成する保護パネル上に、本発明の組成物を塗布した後、画像表示部を構成する画像表示パネルを張り合わせ、紫外線照射することができる。保護パネルには、外周縁部に、本発明の組成物の流出を妨げるための段差を設けておいてもよい。
本発明の組成物は、液状で塗工性に優れ、硬化時における収縮率が小さく、硬化物の伸びが大きく、画像表示部の変形に起因する表示不良を生じさせることなく、かつ視認性を低下させず、高輝度及び高コントラストな表示を可能とする紫外線硬化樹脂を提供することができる。本発明の組成物は、画像表示パネルが5〜100インチ、より好ましくは7〜80インチ、更に好ましくは10〜60インチの大画面画像表示装置の製造に好適であり、あるいは、画像表示装置が、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜450μm、更に好ましくは50〜400μmであるような、超薄型の画像表示装置の製造に好適である。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。部、%は、他に断りのない限り、質量部、質量%を表す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で調製した各組成物の硬化は、ウシオ電機株式会社製高圧水銀灯:UVL-4001Mを用い、120w/cmにて、特段の断りのない限り、2000mJ/cm(光量計:UIT-250、ウシオ電機株式会社製にて測定)の紫外線エネルギー照射量にて行った。
〔物性の評価条件〕
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、400cP以下の範囲は、No.2ローターを使用し、400超〜1500cPの範囲は、No.3ローターを使用し、1500cP超の範囲は、No.4ローターを使用し、60rpmで、23℃における粘度を測定した。
(2)チオール基の個数の測定
ヨウ素源として、1/10規定ヨウ素溶液(特級試薬)を使用し、比色滴定により、単位重量当りのチオール基数を定量した。
計算方法: SH含有量(mmol/g) = (A×P×0.1)/(W×C)
A:変色するまでに要したヨウ素溶液滴下量
P:ヨウ素溶液の補正係数(試薬に記載されている補正係数):補正が必要な場合に記載
W:サンプル重量(g)
C:サンプルの不揮発分
予備測定を行ないヨウ素溶液量を求め、その後精度よく3回測定し、3回の平均値を求めた。
(3)脂肪族不飽和基の個数の測定
NMR測定における、Si−CH(0.1ppm付近)、Si−Ph(7.3−7.7ppm付近)及びCHSi−CH=CH(5.7−6.3ppm付近)のピークが、それぞれ、(CHSiO単位、Ph−SiO単位及び(CHSi−CH=CH1/2単位に対応するものとして、それぞれのピーク強度の比より単位数を求め、平均構造式を得て、そこから分子量を求め、不飽和基の個数を算出した。
(4)可視光透過率
液状物については、石英セルに充填して厚さ10mmについて、硬化物については厚さ180μmにして、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって23℃における可視光領域波長(360〜780nm)における透過率を測定した。
(5)硬化収縮率
組成物の硬化前と硬化後の比重を電子比重計(MIRAGE社製SD−120L)により測定し、下記式より双方の比重差から算出した。
硬化収縮率(%)=(硬化後の比重−硬化前の比重)/ 硬化後の比重)×100
(6)硬化後のE硬度
JIS K 6253 Eに準拠し、DUROMETER HARDNESS TYPE E(ASKER製)にて23℃における硬化物のE硬度を測定した。硬化物調製の際の紫外線エネルギー照射量は6000mJ/cmである。
(7)硬化後の伸び
JIS K 6301に準拠し、ショッパー引張り試験機(株式会社東洋精機製作所 製)にて23℃における硬化物の伸びを測定した。
(8)点押し試験
組成物の厚みが200μmとなるように、0.6mm厚の3.5インチディスプレイ用(画像表示部の対角線の長さが3.5インチ)ガラス板と、0.4mm厚の3.5インチディスプレイ用(画像表示部の対角線の長さが3.5インチ)PMMA板の間に塗布し、2000mJ/cmの紫外線エネルギー照射量にて硬化させて、試料を作製した。
紫外線照射終了後24時間後に、試料のPMMA(ポリメチルメタクリレート)板側を上側にして、中央部1箇所を、直径10mmの半円状の先端部を持つ金属棒を7.5mm/分の速度にて試料を加圧し、荷重が20kgf/cmに到達するまで加圧した。
この加圧により、加圧箇所のガラス板、PMMA板又は硬化組成物に微細なクラックが入ると、クラックの存在又は白く変色することで、加圧箇所の外観が、非加圧箇所に比べて変化する。この外観の変化を目視で確認し、
加圧箇所の外観の変化が確認されたら×、
加圧箇所の外観の変化が確認されなかったら○とする。
(9)耐クラック性及び変色性
(9−1)ヒートショック
組成物の厚みが200μmとなるように、1mm厚のガラス板と1mm厚のPMMA板の間に塗布し、3000mJ/cmの紫外線エネルギー照射量にて硬化させた後、−50℃から125℃までの温度サイクル(各温度30分間保持)にて環境試験を行なった(機器名:エスペック株式会社製TSA−71S−A)。
その後、23℃の状態に戻した後、硬化物及びPMMA、ガラスの状態を光学顕微鏡(10倍)で観察した。
硬化物に、一方向で0.02mm以上のクラック及び/若しくは一方向で0.02mm以上の空気層が生じる、並びに/又はPMMAとガラスのいずれかに一方向で0.02mm以上の損傷がある場合をNG、
これらのクラック、空気層、損傷が全く認められない場合をOKとした。
(9−2)高温多湿下
硬化物を温度85℃、湿度85%RHの高温多湿条件に設定した恒温恒湿層に500時間放置後、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)により、温度23℃、湿度50%の状態に戻した後に変色の度合いの指標であるイエローインデックスにて評価を行なった。
イエローインデックスが1.0%以上の場合にNG、
イエローインデックスが1.0%未満の場合にOKとした。
(10)凝集破壊率
(10−1)対アクリル、対ガラス
幅25mmの各被着体(PMMA、ガラス)上に、組成物を厚み0.1mmとなるように、幅25mmで長さ10mm以上塗布し、組成物を重ね幅が10mmとなるように厚さ2mm、幅25mmの強化ガラス板を重ねた後、2000mJ/cmの紫外線エネルギー照射量にて、硬化させて、試料を作製した。
試料作成直後、1日後及び3日後の試料について、島津製作所(株)社製オートグラフを用い、測定速度10mm/分の引張り速度で引っ張り、被着体とガラス板を剥離させる剪断接着試験を行なった。
被着体上の紫外線硬化型樹脂組成物の剥離部分の面積Smmを求め、
(100×S)/(10×25)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
(10−2)対偏光板
偏光板フィルムとして、幅25mmの液晶用偏光フィルム(品名:SEG1425DU 日東電工社製)、アンチグレア処理したフィルム(品名:AG150日東電工社製)、及びアンチリフレクション処理されたフィルム(品名:ARSタイプ日東電工社製)を用意した。各偏光フィルムに、組成物の厚みが0.1mmとなるように幅25mmで長さ60mm以上塗布し、組成物の重ね幅が10mmとなるように厚さ2mm、幅25mmの強化ガラス板を重ねた後、2000mJ/cmとなる紫外線エネルギー照射量にて硬化させて、試料を作製した。試料作成直後及び2時間後の試料について、島津製作所(株)社製オートグラフを用い、試料を測定速度10mm/分の引張り速度で引っ張り、被着体である偏光フィルムとガラス板から180°剥離させる、ピール接着試験を行なった。
被着体上の紫外線硬化型樹脂組成物の剥離部分の面積Smmを求め、
(100×S)/(10×25)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
(11)曇り
硬化物を、温度85℃、湿度85%の条件下で500時間保管した後、23℃、湿度50%の状態に戻し、JIS K 7105に準拠し、ヘーズメータNDH5000(日本電色工業株式会社製)にて測定した。
(12)高温時の変色
硬化物を、温度85℃、湿度85%の条件で500時間保管した後、温度23℃、湿度50%の状態に戻し、変色の度合いの指標であるイエローインデックスを分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって評価を行なった。
(13)塗布性能(部材との濡れ性)
5cm角の中性洗剤で洗浄して乾燥したガラス板中央上に、10mlの容器から2gの組成物をたらし、ガラスの端まで広がる時間で評価した。温度23℃、湿度50%で評価した。
60秒以内にガラスの端部に達した場合を○、
60秒超120秒以内にガラスの端部に達した場合を△、
120秒超かかってガラスの端部に達した場合を×とした。
(14)臭い
ヨーロッパ系人10名(ドイツ4名、イタリア2名、オランダ2名、スイス2名)、アジア系10名(日本4名、中国3名、台湾2名、韓国1名)、北米10名による官能試験で、この組成物を1日4時間の作業時間を2回続けられるか否かの判断で行った。臭いが原因で続けられない人数を数えて、少ないほうが良い傾向であると判断した。
(15)ムラ
バックライト方式の10インチの液晶ディスプレイを、組成物を用いて厚さ200μmでカバーガラス(PMMA)と貼り合わせた。点灯した際に、画面周辺部の表示ムラの有無を観察した。
なし :表示ムラなし。
ややあり(2辺):長方形のパネルの短辺側(2辺)に僅かに表示ムラあり。
あり(2辺) :長方形のパネルの短辺側(2辺)に表示ムラあり。
あり(4辺) :長方形のパネルの周辺部全部(4辺)に表示ムラあり。
(16)タック
(6)硬化後のE硬度の測定における条件と同様にして硬化物を得て、その表面のべたつきを指触によって確認をおこなった。
Non :ほとんどべたつがず、粘着性なし
OK :粘着性あり
実施例及び比較例における(A1)は、以下のとおりである。
(a1−1−1)1,2−エタンジチオール
(a1−1−2)1,3−プロパンジチオール
(a1−1−3)1,6−ヘキサンジチオール
(a1−1−4)1,10−デカンジチオール
(a1−2−1)HS(CH2)3Si(CH3)2-O-Si(CH3)2-(CH2)3SH 粘度 5cP
(a1−2−2)HS(CH2)3Si(CH3)2-O-[Si(CH3)2O]4Si(CH3)2-(CH2)3SH 粘度 8cP
(a1−2−3)HS(CH2)3Si(CH3)2-O-[Si(CH3)2O]8Si(CH3)2-(CH2)3SH 粘度 15cP
(a1−2−4)HS(CH2)3Si(CH3)2-O-[Si(CH3)2O]16Si(CH3)2-(CH2)3SH 粘度 29cP
(a1−2−5)HSCH2Si(CH3)2-O-Si(CH3)2-CH2SH 粘度 5cP
(a1−2−6)HSCH2Si(CH3)2-O-[Si(CH3)2O]4Si(CH3)2-CH2SH 粘度 9cP
(a1−2−7)HSCH2Si(CH3)2-O-[Si(CH3)2O]8Si(CH3)2-CH2SH 粘度 14cP
(a1−2−8)HS(CH2)3Si [OSi(CH3)3]2-O-[Si(CH3)2O]7.3Si[OSi(CH3)3]2-(CH2)3SH
粘度 25cP
(a1−2−9)HS(CH2)3Si [OSi(CH3)3]2-O-[Si(CH3)2O]11.2Si[OSi(CH3)3]2-(CH2)3SH
粘度 40cP
(a1−2−10)HS(CH2)3Si [OSi(CH3)3]2-O-[Si(CH3)2O]16Si[OSi(CH3)3]2-(CH2)3SH
粘度 65cP
(a1−2−11)HS(CH2)3Si [OSi(CH3)3]2-O-[Si(CH3)2O]18.6Si[OSi(CH3)3]2-(CH2)3SH
粘度 74cP
実施例及び比較例における(A2)は、以下のとおりである。
(a2−1)の合成
冷却用還流管、滴下ロート、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した5Lのセパルブルフラスコ中の、ジメチルジクロロシラン1549.2g(12mol)、トリメチルクロロシラン21.7g(0.2mol)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン196.4g(1.0mol)及びトルエン1500gに、水1000gとトルエン500gの混合物を、滴下ロートから約1時間かけて滴下した。70℃で2時間加熱攪拌しながら加水分解を行なった。反応終了後、水相を分離し、水洗し、次いで100℃〜125℃にて加熱により脱水を行なった。脱水終了後、50%水酸化カリウム水溶液1.5gを加え、115〜125℃で5時間加熱攪拌することにより縮合反応を行った。エチレンクロロヒドリンにて中和後、トルエンを1200〜1300g脱溶し、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過し、その後残存するトルエンを定圧及び減圧下にて除去し、メルカプトプロピル基を含有するポリメチルシロキサン928gを得た。
平均構造式:{(CHSiO1/2}{HS(CHSiO3/2{(CHSiO2/260
粘度:294cP
10mm厚みにおける透過率:92.3%
単位重量当りのメルカプト基数:0.98mmol/g
実施例及び比較例における(B1)は、以下のとおりである。
(b1−1)の合成
冷却用還流管、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した3Lのセパルブルフラスコに、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1800g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン260g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン37.5gを150〜160℃にて窒素ガス0.5Nm/hにて3時間加熱攪拌することにより脱水を行い、その後水酸化カリウム0.1gを加えて加熱攪拌を行った。加熱撹拌は、フラスコ内で水酸化カリウムが溶解し均一になり、かつ粘度である2000cP〜2500cPに増粘するまで継続した。その後、エチレンクロロヒドリン 10gにて100℃にて中和後、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過した後、170〜180℃、2mmHgの減圧下にて低沸分を除去することにより、末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位であるビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン1867gを得た。
粘度:3200cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
NMR測定による平均構造式:
CH=CH−Si(CH−O−{Si(CHO}250−{SiPhO}13−Si(CH−CH=CH
分子量:21030
実施例及び比較例における(B2)は、以下のとおりである。
(b2−1)は、平均構造式が{(CH−SiO1/2{SiO{(CH=CH)(CH)−SiO}のM樹脂
重量平均分子量:22000
重量分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
実施例及び比較例における(C)は、以下のとおりである。
(c−1)2-ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
(c−2)2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
実施例及び比較例における(D)は、以下のとおりである。
(d−1)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(d−2)1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン
実施例及び比較例における(E)は、以下のとおりである。
(e−1)MQ樹脂
平均構造式:{(CHSiO1/2}{SiO3.5のMQ樹脂
重量平均分子量:21300
重量分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
このようなMQ樹脂は、テトラアルコキシシランもしくはテトラクロロシランとトリアルキルクロロシランとの共加水分解、縮重合反応により得ることができる。また、水ガラスをQ単位の原料として用いても構わない。具体的には、以下のように調製したものを使用した。冷却用還流管、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した3Lのセパルブルフラスコに、塩酸293gを仕込み、フラスコ内の温度を−5℃〜2℃に調整し、攪拌をしながら水440gを仕込み、水ガラス3号(S40ケイ酸ソーダ3号)308gを1時間かけて滴下する。次いで、イソプロピルアルコール316gをフラスコ内へ仕込み、ヒドロゾル化を行なう。その後、トリメチルクロロシラン128gとキシレン139gの混合物を10分程度内で滴下を行ない、フラスコ内の温度を−5℃〜2℃にて攪拌を1時間行なった。次いで、約80℃まで昇温し、その後、80℃にて2時間加熱還流を行なった。次いで、キシレン24gを加えた後、30分間攪拌を行ない、30分間静置、分液を行なった。その後、脱水、脱溶を125−140℃で行ない、不揮発分を測定した。不揮発分量は58%であった。このようにして得られたMQ樹脂は、各実施例・比較例において使用されるビニル末端ポリメチルフェニルシロキサンと混合し、キシレンを除去して使用した。
実施例及び比較例における(F)は、以下のとおりである。
(f−1)p−t−ブチルカテコール(重合禁止剤)
〔組成物の調製〕
表1〜6に示す配合(各成分の量は、g表示)で、(A)に相当する成分を万能混合攪拌機に入れ、室温(22℃)にて低速レバーによる回転条件で30分間、均一に混合した。その後、(B)に相当する成分を加え、更に均一に混合した後、重合禁止剤、(C)及び(D)に相当する成分を加え、氷水冷却下(8℃)で、低速レバーによる回転条件で30分間、冷却減圧にて均一に混合した。その後、洗浄した400メッシュの金網にて異物等を除去し、実施例及び比較例の組成物を得た。
実施例20を例にとり、更に詳細に以下に述べる。末端メルカプトプロピル基含有ジメチルシロキサン(a1−2−8)2.34質量部(23.4g)、メルカプトプロピル基含有ポリメチルシロキサン((a2−1)8.0質量部(80g)を5Lの万能混合攪拌機(ダルトン社製)に入れ、室温(22℃)、低速レバーによる回転条件で30分間、均一に混合した。均一に混合した後、ビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン(b1−1)87.9重量(879g)を加え、均一に混合した後、更に、p−t−ブチルカテコール(f−1)0.004質量部(0.04g)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(c−1)0.22質量部(2.2g)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(c−2)0.22質量部(2.2g)の溶解混合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(d−1)1.29質量部(12.9)を加え、氷水冷却下(8℃)、低速レバーによる回転条件で30分間、冷却減圧にて均一に混合した。その後、洗浄した400メッシュの金網にて異物等を除去し、組成物を得た。
上記のようにして得られた組成物について、物性評価を行った。結果を、表7〜12に示す。
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
Figure 0006426023
上記の実施例の結果から、本発明の特定の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物を使用した画像表示装置の製造方法とその紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が、従来の紫外線硬化型樹脂組成物に比べて、塗布性能に優れ、硬化時における収縮率が小さく、硬化物の伸びが大きく、各耐久試験において変色、曇りを生じることなく視認性が確保できるため、一般的な小型画像表示装置においては、従来以上に薄型の画像表示部と保護部との接着に対して、対変形性と視認性を確保でき、特に大型画像表示装置においては、円滑な樹脂の塗布の下で、対変形性と視認性を確保でき、画像表示部と保護部との接着の品質と生産性を向上できる点で極めて好適であることがわかる
本発明によれば、保護部と画像表示部との間に樹脂を介在させた薄型又は大型の画像表示装置を製造するにあたり、液状で塗工性に優れ、硬化時における収縮率が小さく、硬化物の伸びが大きく、画像表示部の変形に起因する表示不良を生じさせることなく、かつ視認性を低下させず、高輝度及び高コントラストな表示を可能とする紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が提供される。

Claims (9)

  1. (A)(A1)
    式(I):
    HS−(CH−SH
    (式中、pは、2〜20の数である)で示されるジチオール及び式(II):
    Figure 0006426023

    (式中、Rは、独立して、C1〜C6アルキル基、C6〜C12アリール基又は−Si(OX)(ここで、Xは、独立して、C1〜C6アルキル基である)であり、
    は、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、
    は、独立して、C1〜C6アルキレン基であり、
    qは、23℃における粘度を1〜200cPとする数である)で示されるジチオールからなる群より選択される1種以上のジチオールと、
    (A2)23℃における粘度が20〜25000cPである、1分子当たり、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を2個超含有するポリオルガノシロキサンとからなるチオール化合物;
    (B)(B1)式(III):
    Figure 0006426023

    (式中、
    は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
    Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、
    nは、23℃における粘度を100〜25000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、(B2)SiO4/2単位、R'SiO1/2単位及びR'SiO2/2単位、並びに場合によっては更にR'SiO3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンとからなる、脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサン(ただし、(B2)の量は、(B)中の脂肪族不飽和基の全個数に占める(B2)中の脂肪族不飽和基の個数の割合が20%以下となる量であり、0%であってもよい);並びに
    (C)光反応開始剤を含み、ここで、
    (B)中の脂肪族不飽和基の個数に対する、(A)中のチオール基の個数の比が、1〜3であり、かつ
    紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  2. (A)中のチオール基の全個数に占める(A1)中のチオール基の個数の割合が、5〜70%である、請求項1記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  3. (C)の含有量が、(B)100質量部に対して、0.05〜50質量部である、請求項1又は2記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  4. (A1)が、式(II)で示されるジチオールである、請求項1〜3のいずれか1項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  5. 更に、(D)シラン化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  6. (D)が、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン及び1,3−ビス(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサンからなる群より選ばれる1種以上の脂肪族不飽和基を含有するシラン化合物である、請求項5記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  7. 更に、(E)MQ樹脂、MDQ樹脂、MT樹脂、MDT樹脂、MDTQ樹脂、DQ樹脂、DTQ樹脂及びTQ樹脂からなる群より選ばれる1種以上のシリコーン樹脂系接着向上剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる画像表示装置用シール剤。
  9. 請求項8記載の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置。
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