JP5310051B2 - 感放射線性組成物、マイクロレンズおよびその形成方法 - Google Patents
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Description
マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの形成には、レンズに相当するレジストパターンを形成した後、加熱処理することによってメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法や、メルトフローさせたレンズパターンをマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法などが知られており、例えば、レンズパターンの形成には、ポジ型感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(特許文献1および特許文献2参照)。
マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの形成材料の条件としては、可視光領域での透明性が高いこと、得られるレンズが耐熱性に優れたものとなることに加えて、レンズ形成能力に優れていることなどが挙げられる。
(A)成分:不飽和二重結合基を有するポリシロキサンと、
(B)成分:上記(A)成分以外のポリシロキサンと、
(C)成分:少なくとも2つ以上のメルカプト基を有する有機化合物と、
(D)成分:キノンジアジド基を有する化合物である感放射線剤と、
(E)成分:溶剤と
を含有することを特徴とする。
(1)基板上に、請求項7に記載の感放射線性組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程と、
(2)前記塗膜の少なくとも一部に選択的に放射線を照射する放射線照射工程と、
(3)放射線が照射された露光塗膜を現像する現像工程と、
(4)現像されたパターン塗膜を加熱して硬化させる加熱工程と
を行うことを特徴とする。
本発明のマイクロレンズは、優れたメルト形状を有し、優れた耐熱性を発揮することができる。
本発明の感放射線性組成物は、
(A)成分:不飽和二重結合基を有するポリシロキサン(以下、「不飽和ポリシロキサン(A)」ともいう。)と、
(B)成分:上記(A)成分以外のポリシロキサン(以下、「その他のポリシロキサン(B)」ともいう。)と、
(C)成分:少なくとも2つ以上のメルカプト基を有する有機化合物(以下、「メルカプト基含有化合物(C)」ともいう。)と、
(D)成分:感放射線剤(以下、「感放射線剤(D)」ともいう。)と、
(E)成分:溶剤(以下、「溶剤(E)」ともいう。)と
を含有するものである。
本発明の感放射線性組成物を構成する不飽和ポリシロキサン(A)は、不飽和二重結合基を有するオルガノシラン(以下、「原料オルガノシラン化合物」ともいう。)の加水分解物、当該オルガノシランの加水分解物の縮合物、または前記オルガノシランの加水分解物および前記オルガノシランの加水分解物の縮合物の混合物である。この混合物には、必要に応じて不飽和二重結合基を有さないオルガノシラン(以下、「その他の原料オルガノシラン化合物」ともいう。)の加水分解物、当該オルガノシランの加水分解物の縮合物、または前記オルガノシランの加水分解物および前記オルガノシランの加水分解物の縮合物がさらに混合されていてもよい。
原料オルガノシラン化合物としては、不飽和二重結合基を有していれば特に限定されず、種々のオルガノシランを用いることができる。
ここに、不飽和二重結合基とは、二重結合による不飽和基を含有する基をいう。
以上の原料オルガノシラン化合物中においては、含有される不飽和二重結合基がメタクリロキシ基またはアクリロキシ基であるものが好ましい。
メタクリロキシ基またはアクリロキシ基を含有する原料オルガノシラン化合物を用いることによって、着色レジストまたは有機系下層膜との濡れ性、密着性が良好に得られる。
一般式(1):Si−R1 aR2 b
〔一般式(1)中、R1 は、それぞれ独立に炭素数2〜20のアルケニル基、メタクリロキシ基またはアクリロキシ基であり、R2 は、それぞれ独立に加水分解可能な基である。aおよびbは、それぞれ、1〜3の整数である。ただし、aおよびbは、a+b=4を満たす。〕
上記一般式(1)における炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えばビニル基、プロペニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、3−ヘキセニル基などを挙げることができる。
また、上記一般式(1)におけるR2 を示す加水分解可能な基としては、例えば水素原子、塩素原子および臭素原子などのハロゲン原子、並びにメトキシル基、エトキシル基、n−プロピルオキシ基およびi−プロピルオキシ基などの炭素数1〜20のアルコキシ基などが挙げられる。
これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他の原料オルガノシラン化合物としては、不飽和二重結合基を含有していなければ特に限定されず、種々のオルガノシラン化合物を用いることができる。
一般式(2):Si−R3 aR4 b
〔上記一般式(2)中、R3 は、それぞれ独立に不飽和二重結合基を有さない1価の有機基であり、R4 は、それぞれ独立に加水分解可能な基である。aおよびbは、それぞれ、1〜3の整数である。ただし、aおよびbは、a+b=4を満たす。〕
上記一般式(2)におけるR3 としては、置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基および炭素数6〜20のアリール基などを挙げることができる。
また、上記一般式(2)におけるR4 としては、上述した一般式(1)におけるR2 を示す加水分解可能な基と同様の基を挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和ポリシロキサン(A)は、上記の原料オルガノシラン化合物を、必要に応じてその他の原料オルガノシラン化合物と共に、加水分解および/または縮合することにより、得られる。なお、加水分解および/または縮合には、必要に応じて、溶剤、触媒および水を用いてもよい。
触媒の使用量は、原料オルガノシラン化合物およびその他の原料オルガノシラン化合物1モルに対して1モル以下であることが好ましく、より好ましくは0.0001〜0.5モルである。
例えば、水の使用量は、原料オルガノシラン化合物およびその他の原料オルガノシラン化合物として上記一般式(1)および一般式(2)で表される化合物を用いる場合は、基R1 および基R3 1モルに対して、好ましくは0.001〜10モル、より好ましくは0.01〜8モル、さらに好ましくは0.05〜6モルとなる量である。
反応時間は、好ましくは10分〜10時間、より好ましくは30分〜8時間である。
原料オルガノシラン化合物およびその他の原料オルガノシラン化合物と水とを、一度に添加して加水分解および縮合反応を一段階で行ってもよく、あるいは原料オルガノシラン化合物およびその他の原料オルガノシラン化合物と水とを、それぞれ段階的に添加することにより加水分解および縮合反応を多段階で行ってもよい。
本発明の感放射線性組成物を構成するその他のポリシロキサン(B)は、上述の不飽和ポリシロキサン(A)を形成するために必要に応じて用いられる、その他の原料オルガノシラン化合物の加水分解物、当該オルガノシランの加水分解物の縮合物、または前記オルガノシランの加水分解物および前記オルガノシランの加水分解物の縮合物の混合物である。
このようなその他のポリシロキサン(B)は、上述のオルガノシラン化合物の加水分解および/または縮合方法において、原料オルガノシラン化合物および必要に応じてその他の原料オルガノシラン化合物の代わりに、その他の原料オルガノシラン化合物のみを用いることの他は同様にすることにより、得ることができる。
不飽和ポリシロキサン(A)とその他のポリシロキサン(B)との含有量比が(A)成分/(B)成分=0.25〜4の範囲であることにより、得られる感放射線性組成物に優れたメルト性が得られながら十分な耐熱性が得られ、従って、優れたメルト形状を有すると共に優れた耐熱性が発揮されるマイクロレンズを形成することができる。
本発明の感放射線性組成物を構成するメルカプト基含有化合物(C)としては、下記式(C−1)で表される1,4−ビス(3−メルカプトプロピルオキシ)ブタン、下記式(C−2)で表される1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、下記式(C−3)で表されるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、下記式(C−4)で表されるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピレート)および下記式(C−5)で表される1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
1,3−ビス(2−メルカプトエチレンチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンチオメチレン)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、4,4’−ジチオフェノール、4,4’−ビフェニルジチオール、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、トリメルカプトエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート、ペンタエリスリトールトリチオグリコレートなどが挙げられる。
一般式(C−6):HS−(CH2 CH2 S)n −H
〔上記一般式(C−6)中、nは1〜4の整数を示す。〕
一般式(C−7):HS−(CH2 CH2 S)m −CH2 −C6 H6 −CH2 −(S−CH2 CH2 )m −SH
〔上記一般式(C−7)中、mは0〜3の整数を示す。〕
式(C−8):HS−C6 H6 −S−C6 H6 −SH
本発明の感放射線性組成物を構成する感放射線剤(D)は、露光により酸を発生するものであり、露光により発生した酸の作用によって、樹脂成分が架橋され、その結果、露光塗膜の放射線を照射された露光部がアルカリ現像液に難溶性となり、ネガ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
感放射線剤(D)としては、例えば、スルホニウム塩やヨードニウム塩などのオニウム塩、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類やジアゾメタンスルホン類などのスルホン化合物などが挙げられる。
これらの感放射線剤(D)は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感放射線剤(D)としては、特に、キノンジアジド基を有する化合物(以下、「キノンジアジド化合物」ともいう。)を用いることが好ましい。
キノンジアジド化合物は、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸とのエステル化合物である。
キノンジアジド化合物を形成するためのフェノール性水酸基を1つ以上有する化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(B−1)〜一般式(B−5)で表される構造を有する化合物が好ましい。
本発明の感放射線性組成物を構成する溶剤(E)としては、各成分を均一に溶解させることができ、また各成分と反応しないものが挙げられる。
また、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶剤も用いることができる。
これらの溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、溶剤の使用量は、用途、塗布方法などに応じて適宜決めることができる。
本発明の感放射線性組成物は、上記の(A)〜(E)成分を必須成分として含有するが、さらに必要に応じて密着助剤(以下、「密着助剤(F)」ともいう。)、添加剤(以下、「添加剤(G)」ともいう。)などを含有するものとすることができる。
密着助剤(F)を含有させることにより、基体との密着性が向上される。
このような密着助剤(E)としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用され、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤またはイソシアヌレート環を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート、4’−ヒドロキシ−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
このような密着助剤(E)の含有割合は、不飽和ポリシロキサン(A)およびその他のポリシロキサン(B)の合計100質量部に対して、通常20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下である。感放射線剤(D)の含有割合が20質量部を超える場合は、現像する際に現像残りが生じやすくなる傾向にある。
本発明の感放射線性組成物に添加することのできる添加剤としては、フェノール化合物、界面活性剤および熱酸発生剤などを挙げることができる。
フェノール化合物は、フェノール性水酸基を有する低分子量化合物である。
フェノール化合物を含有させることにより、感放射線性組成物の現像における感度を向上させることができる。
界面活性剤を含有させることにより、基板への塗布性が向上される。
界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤を好適に用いることができる。
熱酸発生剤を含有させることにより、熱による不飽和ポリシロキサン(A)の架橋が促進される。
熱酸発生剤としては、特に限定されないが、芳香族系スルホニウム系熱酸発生剤を好適に用いることができる。
また、熱酸発生剤の分解温度は100〜250℃であることが好ましく、より好ましくは120〜230℃、さらに好ましくは130〜200℃である。
本発明のマイクロレンズは、上記の感放射線性組成物を材料として形成されるものである。
このマイクロレンズによれば、優れたメルト形状を有し、優れた耐熱性が発揮され、固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。
本発明のマイクロレンズは、以下の工程を経ることにより形成される。
(1)基板上に、請求項7に記載の感放射線性組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程。
(2)前記塗膜の少なくとも一部に選択的に放射線を照射する放射線照射工程。
(3)放射線が照射された露光塗膜を現像する現像工程。
(4)現像されたパターン塗膜を加熱して硬化させる加熱工程。
この工程においては、本発明の感放射線性組成物を基板の表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより、感放射線性組成物の塗膜を形成する。
感放射線性組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法などの適宜の方法を採用することができ、特にスピンコート法またはスリットダイ塗布法が好ましい。
プレベークの条件としては、各成分の種類、使用割合などによっても異なるが、例えば、60〜110℃で30秒間〜15分間程度とすることができる。
形成される塗膜の膜厚としては、プレベーク後の値が例えば0.5〜3μmであることが好ましい。
この工程においては、基板上に形成された塗膜の少なくとも一部に、例えば、所望のパターンが形成されたマスクを介して、放射線が照射される。
紫外線としては、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)などを含む放射線が挙げられる。遠紫外線としては、例えばKrFエキシマレーザーなどが挙げられる。X線としては、例えばシンクロトロン放射線などが挙げられる。荷電粒子線としては、例えば電子線などを挙げることができる。
これらのうち、紫外線が好ましく、特に、g線および/またはi線を含む放射線が好ましい。
この工程においては、放射線が照射された露光塗膜を、現像液を用いて現像処理し、放射線の非照射部分を除去することによりパターニングを行う。
この工程においては、現像工程においてパターニングされたパターン塗膜に対して、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により加熱処理(ポストベーク処理)を行うことにより、当該パターン塗膜を硬化させる。
このポストベーク処理における加熱温度は、例えば120〜250℃である。また、加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には、例えば5〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には、例えば30〜90分間とすることができる。この際に、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法などを用いることもできる。
上記分解処理における放射線の露光量は、好ましくは2,000〜5,000J/m2程度である。
メルトフローさせるための加熱温度としては、例えば150〜230℃とされる。また、加熱時間は、30秒間〜1時間とされる。
なお、本発明のマイクロレンズの形状は、半凸レンズ形状となる。
装置:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:TSK−gel Multipore HXL−M(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1mL/min
冷却器付きセパラブルフラスコにメチルイソブチルケトン250g、トリエチルアミン15g、水110gを混合した後、スリーワンモーターで撹拌させて60℃に安定させた。次いで、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン100g、ジメチルジメトキシシラン40gを滴下し、60℃で1.5時間反応させた。得られたポリマーを分液ロートに移し、5%シュウ酸水溶液によって中和、洗浄を繰り返し、pHが6未満となったことを確認した時点で、プロピレングリコールモノプロピルエーテル250gを加え、エバポレーターによって残存する水、溶剤を除去することにより、固形分濃度40質量%のポリシロキサン〔A1〕の樹脂溶液〔A1〕を得た。これを(A)成分のA1とする。
冷却器付きセパラブルフラスコにメチルイソブチルケトン250g、トリエチルアミン15g、水108gを混合した後、スリーワンモーターで撹拌させて60℃に安定させた。次いで、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン100g、ジメチルジメトキシシラン38gを滴下し、60℃で1.5時間反応させた。得られたポリマーを分液ロートに移し、5%シュウ酸水溶液によって中和、洗浄を繰り返し、pHが6未満となったことを確認した時点で、プロピレングリコールモノプロピルエーテル250gを加え、エバポレーターによって残存する水、溶剤を除去することにより、固形分濃度40質量%のポリシロキサン〔A2〕の樹脂溶液〔A2〕を得た。これを(A)成分のA2とする。
冷却器付きセパラブルフラスコにメチルトリメトキシシラン100g、フェニルトリメトキシシラン230gを溶解させた後、スリーワンモーターで撹拌させ、溶液温度を60℃に安定させた。次いで、マレイン酸1.5gを溶解させたイオン交換水80gを30分かけて溶液に添加した。その後、60℃で3時間反応させた後、反応液を室温まで冷却した。その後、プロピレングリコールモノプロピルエーテル200gを加えて、エバポレーターによって反応に使用されなかった水、反応から生成したメタノールを除去する工程を3回行ない、固形分濃度40質量%のポリシロキサン〔B1〕の樹脂溶液〔B1〕を得た。ポリシロキサン〔B1〕の質量平均分子量(Mw)は3,100であった。これを(B)成分のB1とする。
冷却器付きセパラブルフラスコにメチルトリメトキシシラン100g、フェニルトリメトキシシラン100gを溶解させた後、スリーワンモーターで撹拌させ、溶液温度を60℃に安定させた。次いで、マレイン酸0.4gを溶解させたイオン交換水50gを30分かけて溶液に添加した。その後、60℃で3時間反応させた後、反応液を室温まで冷却した。その後、プロピレングリコールモノプロピルエーテル250gを加えて、エバポレーターによって反応に使用されなかった水、反応から生成したメタノールを除去する工程を3回行ない、固形分濃度40質量%のポリシロキサン〔B2〕の樹脂溶液〔B2〕を得た。ポリシロキサン〔B2〕の質量平均分子量(Mw)は4,500であった。これを(B)成分のB2とする。
表1に示す処方に従った(A)〜(D),(F),(G),(AR),(CR)の各成分を、溶剤(E)に溶解させ、孔径0.2μmのテフロン製フィルターで濾過することにより、感放射線性組成物〔1〕〜〔6〕および比較用の感放射線性組成物〔7〕,〔8〕を調製した。この感放射線性組成物〔1〕〜〔6〕および比較用の感放射線性組成物〔7〕,〔8〕について、下記の方法に従って、解像度、メルト性、耐熱性およびガラス転移温度(TGA)を評価した。結果を表2に示す。
ただし、表1に記載の成分は、以下のとおりである。
AR1:ポリヒドロキシスチレン〔丸善石油化学社製、商品名「マルカリンカーM」〕
・その他のポリシロキサン(B)
B3:シリコーンアルコキシオリゴマー化合物(信越化学工業(株)製、商品名「X−40−2655A」)
・メルカプト基含有化合物(C)
C1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピレート)
C2:1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン
・架橋剤(CR)
CR1:エポキシ架橋剤〔(株)ジャパンエポキシレジン社製、商品名「エピコート152」〕
CR2:メチル化メラミン樹脂〔(株)三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−100」〕
・感放射線剤(D)
D1:11,1−ビス(4−ヒドロキシレニル)−1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エタンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸との2.5モル縮合物
・溶剤(E)
E1:乳酸エチル
E2:プロピレングリコールモノプロピルエーテル
E3:ジエチレングリコールジメチルエーテル
・密着助剤(F)
F1:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
F2:4‘−ヒドロキシ2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン
・添加剤(G)
G1:界面活性剤〔東レダウコーニングシリコーン(株)製、商品名「SH−28PA」〕
6インチのシリコンウエハー上に感放射線性組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱することにより、厚さ0.35μmの均一な樹脂塗膜を作製した。その後、ステッパー「NSR2205i12D」(照射量=180mJ/cm2 )(ニコン社製)を用い、パターンマスク(ライン:2μm、スペース:0.35μm、0.45μm、0.55μm)を介して高圧水銀灯から紫外線を波長365nmの光の露光量が500mJ/cm2 となるよう照射して露光した。次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液によって23℃で30秒間浸漬現像した後、超純水によって60秒間洗浄し、エアーにて風乾することにより、パターン形状の現像膜を得た。この現像膜について、走査型電子顕微鏡「S4200」(日立製作所社製)を用いて倍率1500倍で観察し、隣接する正方形パターン同士が接触せず、パターンの開口部が埋まらない状態となるパターンの最小寸法を解像度(μm)として評価した。
6インチのシリコンウエハー上に感放射線性組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートを用いて110℃で3分間加熱することにより、厚さ1.3μmの均一な樹脂塗膜を作製した。その後、ステッパー「NSR2205i12D」(照射量=260mJ/cm2 )(ニコン社製)を用い、パターンマスク(4μm角、スペース2μm)を介して高圧水銀灯から紫外線を波長365nmの光の露光量が500mJ/cm2 となるよう照射して露光した。次いで、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液によって23℃で30秒間浸漬現像した後、超純水によって60秒間洗浄し、エアーにて風乾することにより、パターン形状の現像膜を得た。この現像膜を、ホットプレートを用いてそれぞれ100℃、130℃、170℃で2分間加熱し、図1に示すようにレンズの断面積を用いてレンズの断面積(A)および当該レンズの断面積(A)における独立した曲率半径を有する領域の面積(B)(図1においてレンズの断面積の白い領域)を求め、レンズのメルト性を評価した。
なお、{独立した曲率半径を有する領域の面積(B)/レンズの断面積(A)}×100(%)の値が80%以上であれば、レンズとして使用可能であると判断される。
ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートを用いて、実施例1〜6および比較例1に係るものは110℃で180秒間、比較例2に係るものは100℃で90秒間加熱することにより、厚さ1.3μmの均一な樹脂塗膜を形成した。その後、実施例1〜6および比較例1に係るものは2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液によって30秒間、比較例2に係るものは1質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液によって30秒間浸漬現像した後、超純水によって60秒間洗浄し、ステッパー「NSR2205i12D」(照射量=300mJ/cm2 )(ニコン社製)を用い、全面を、高圧水銀灯から紫外線を照射して露光した後、170℃で2分間焼成することにより、加熱テスト用現像膜を得た。
この加熱テスト用現像膜を用いて、150℃で200時間加熱する加熱試験を行い、加熱試験前後における波長400nmの光の透過率を測定した。また、上記と同様にして作製した別の加熱テスト用現像膜を用いて、280℃で10分加熱する加熱試験を行い、加熱試験前後における波長400nmの光の透過率を測定した。
ウエハー基板上に感放射線性組成物をスピンコート法にて塗布し、ホットプレートを用いて、実施例1〜6および比較例1に係るものは110℃で180秒間、比較例2に係るものは100℃で90秒間加熱することにより、厚さ2μmの均一な樹脂塗膜を形成した。その後、実施例1〜6および比較例1に係るものは2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液によって30秒間、比較例2に係るものは1質量%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液によって30秒間浸漬現像した後、超純水によって60秒間洗浄し、ステッパー「NSR2205i12D」(照射量=300mJ/cm2 )(ニコン社製)を用い、全面を、高圧水銀灯から紫外線を照射して露光した後、170℃で2分間焼成することにより、Tg測定用現像膜を得た。
このTg測定用現像膜からサンプルを10μg採取し、専用のアルミパン上で昇温速度10℃/分で5%重量減少する温度をガラス転移点温度として測定した。ガラス転移点温度は「TG/DTA300」(SEIKO Instruments社製)を用いて測定した。
Claims (8)
- (A)成分:不飽和二重結合基を有するポリシロキサンと、
(B)成分:上記(A)成分以外のポリシロキサンと、
(C)成分:少なくとも2つ以上のメルカプト基を有する有機化合物と、
(D)成分:キノンジアジド基を有する化合物である感放射線剤と、
(E)成分:溶剤と
を含有することを特徴とする感放射線性組成物。 - 前記(C)成分:少なくとも2つ以上のメルカプト基を有する有機化合物が、1,4−ビス(3−メルカプトプロピルオキシ)ブタン、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピレート)および1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の感放射線性組成物。
- 前記(A)成分における不飽和二重結合基が、メタクリロキシ基またはアクリロキシ基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の感放射線性組成物。
- 前記(A)成分:不飽和二重結合基を有するポリシロキサンと前記(B)成分:前記(A)成分以外のポリシロキサンとの含有比が、質量比で(A)成分/(B)成分=0.25〜4であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- 感放射線性組成物中の前記(C)成分:少なくとも2つ以上のメルカプト基を有する有機化合物の含有量が、前記(A)成分:不飽和二重結合基を有するポリシロキサンと前記(B)成分:前記(A)成分以外のポリシロキサンとの合計量を100質量部とした場合に、0.1〜40質量部であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- マイクロレンズを形成する材料として用いられることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性組成物。
- (1)基板上に、請求項6に記載の感放射線性組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程と、
(2)前記塗膜の少なくとも一部に選択的に放射線を照射する放射線照射工程と、
(3)放射線が照射された露光塗膜を現像する現像工程と、
(4)現像されたパターン塗膜を加熱して硬化させる加熱工程と
を行うことを特徴とするマイクロレンズの形成方法。 - 請求項7に記載のマイクロレンズの形成方法によって形成されることを特徴とするマイクロレンズ。
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