JP3496862B2 - 新規ケイ素含有高分子化合物およびその調製法 - Google Patents

新規ケイ素含有高分子化合物およびその調製法

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JP3496862B2
JP3496862B2 JP15973897A JP15973897A JP3496862B2 JP 3496862 B2 JP3496862 B2 JP 3496862B2 JP 15973897 A JP15973897 A JP 15973897A JP 15973897 A JP15973897 A JP 15973897A JP 3496862 B2 JP3496862 B2 JP 3496862B2
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政雄 加藤
幸夫 長崎
史明 松倉
正義 渡邉
淳 西本
隆 徳田
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北辰工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素原子を含有する
新規な高分子化合物、及びこの高分子化合物を三次元架
橋させた化合物、並びにこれらの製造方法、さらにこの
三次元架橋化合物を主成分とするイオン導電性材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機高分子化合物は電流を流さ
ない電気絶縁性材料と考えられていた。しかしながら、
1970年代後半、共役系ポリマーなどに電荷キャリア
ーをドーピングすることによって、有機高分子の導電性
が著しく向上することが見いだされ、新しい導電性材料
として注目を集め、現在でも盛んに研究開発が行われて
いる。特に、近年の電子産業の発展に伴う家電製品の小
型化・軽量化等によって、使用される電池についても同
様な要求が高まっている。現在、導電性材料の主流とな
っている金属材料や無機材料に対し、高い導電性を示す
高分子固体電解質は軽量でしかも加工が容易という理由
などから、将来の電池を構成する材料として期待されて
いる。
【0003】高い導電特性を示す有機高分子の代表例と
しては、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエ
チレングリコールは親水性高分子としてよく知られてお
り、無機電解質を容易に溶存させることができる。ま
た、ポリエチレングリコールは、主鎖中の各繰り返し単
位内に不対電子を有するエーテル酸素を有しており、こ
れがリチウムイオンなどのような金属イオンと錯体を形
成し、これによって高濃度のキャリアーを溶存させるこ
とができる。また、ポリエチレングリコール鎖は柔軟性
に富んでいることからも導電性材料として有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
チレングリコールは、低温環境下では結晶化を起こして
キャリアーの泳動が妨げられ、このためその導電性が著
しく低下してしまうといった欠点を有している。言い換
えれば、ポリエチレングリコールの導電性は環境依存性
が大きく、工業材料としての応用は困難である。
【0005】一方、上述したように高分子の導電性はキ
ャリアーの溶解性、高分子鎖の柔軟性や物理的性質に大
きく影響される。従って、固体電解質を構成する高分子
鎖は無定型で、しかも低いガラス転移温度を有していな
ければならない。無定型で低いガラス転移温度を有する
高分子としてポリジメチルシロキサンが良く知られてい
る。しかしながら、その高い柔軟性及び低いガラス転移
温度により、機械的強度に乏しいので、工業材料として
非常に不利である。
【0006】したがって、高い導電性を有する有機高分
子材料の創成には高分子鎖の柔軟性と強度を両立させる
といった困難な課題も解決しなければならない。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、上述し
たような優れた導電特性を維持しつつ、機械的強度も合
わせ持った環境依存性の小さい導電性高分子材料として
使用できる新規な高分子化合物を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の第1の態
様は、下記構造式(A)または(B)で示されるオリゴ
オキシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖を交互に
有することを特徴とするケイ素含有高分子化合物にあ
る。
【0009】
【化15】
【0010】
【化16】
【0011】構造式(A)または(B)において、R1
〜Rpはそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 pはそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリ
ール基からなる群から選択され、また同様に、 1 p
はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数
1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール基から
なる群から選択される。R1〜Rpはそれぞれ同一でも異
なっていてもよく、 1 pはそれぞれ同一でも異なっ
てもよく、また、 1 pはそれぞれ同一でも異なって
もよいが、構造式(A)の場合はR1〜Rp 1 p
よび 1 pがそれぞれ全て同一で且つx1〜xpおよび
1〜ypがそれぞれ全て同一である場合は除かれる。ま
た、x1〜xpは1〜50までの整数を表し、y1〜yp
1〜10までの整数を表し、k1〜kpは1〜100まで
の整数を表す。なお、上付のpは、構造式(A)の場合
は2〜100万までの整数を表し、構造式(B)の場合
は1〜100万までの整数を表す。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記構造式(A)または(B)で示されるオリゴオ
キシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖を交互に有
する高分子化合物が下記式(C)または(D)で示され
ることを特徴とするケイ素含有高分子化合物にある。
【0013】
【化17】
【0014】
【化18】
【0015】構造式(C)または(D)において、R1
〜Rnはそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 nはそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリ
ール基からなる群から選択され、また同様に、 1 n
はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数
1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール基から
なる群から選択される。R1〜Rnはそれぞれ同一でも異
なっていてもよく、 1 nはそれぞれ同一でも異なっ
てもよく、また、 1 nはそれぞれ同一でも異なって
もよいが、構造式(C)の場合はR1〜Rn 1 n
よび 1 nがそれぞれ全て同一で且つx1〜xnおよび
1〜ynがそれぞれ全て同一である場合は除かれる。ま
た、x1〜xnは1〜50までの整数を表し、y1〜yn
1〜10までの整数を表し、k1〜knは1〜100まで
の整数を表し、mは1〜10000までの整数を表す。
なお、上付のnは、構造式(C)の場合は2〜100ま
での整数を表し、構造式(D)の場合は1〜100まで
の整数を表す。
【0016】本発明の第3の態様は、第1または2の態
様のケイ素含有高分子化合物を製造する方法であって、
下記構造式(E)で表されるオリゴオキシアルキレン化
合物と構造式(F)で表されるオリゴシロキサン化合物
とを重縮合または重付加反応させることを特徴とするケ
イ素含有高分子化合物の製造方法にある。
【0017】
【化19】
【0018】
【化20】
【0019】構造式(E)および(F)において、R1
〜Rnはそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 nはそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラル
キル基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリ
ール基からなる群から選択され、また同様に、 1 n
はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数
1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハ
ロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール基から
なる群から選択される。また、Aはハロゲン、炭素数1
〜10のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アル
コキシル基、イソシアネート基、およびアルキルチオ基
からなる群から選択される。R1〜Rnはそれぞれ同一で
も異なっていてもよく、 1 nはそれぞれ同一でも異
なってもよく、また、 1 nはそれぞれ同一でも異な
ってもよいが、Aとしてイソシアネート基以外が選択さ
れた場合において、R1〜Rn 1 nおよび 1 n
がそれぞれ全て同一で且つx1〜xnおよびy1〜ynがそ
れぞれ全て同一である場合は除かれる。さらに、nは1
〜10までの整数を表し、x1〜xnは1〜50までの整
数を表し、y1〜ynは1〜10までの整数を表す。
【0020】本発明の第4の態様は、下記構造式(1)
または(2)で示されるオリゴオキシアルキレン鎖およ
びオリゴシロキサン鎖を交互に有するケイ素含有高分子
化合物を用い、一つの当該ケイ素含有化合物のS1〜Sp
およびT1〜Tpのうちの少なくとも一つの置換基と、他
の当該ケイ素含有高分子化合物のS1〜SpおよびT1
pのうちの少なくとも一つの置換基とを化学結合する
ことにより三次元架橋させたことを特徴とする三次元架
橋高分子化合物にある。
【0021】
【化21】
【0022】
【化22】
【0023】構造式(1)または(2)において、R 1
〜R p はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 〜S p はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭
素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール
基からなる群から選択され、また同様に、T 1 〜T p はそ
れぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜
7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から
選択される。R 1 〜R p はそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、S 1 〜S p はそれぞれ同一でも異なってもよく、
また、T 1 〜T p はそれぞれ同一でも異なってもよいが、
構造式(1)の場合はR 1 〜R p 、S 1 〜S p およびT 1
p がそれぞれ全て同一で且つx 1 〜x p およびy 1 〜y p
がそれぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x 1
〜x p は1〜50までの整数を表し、y 1 〜y p は1〜1
0までの整数を表し、k 1 〜k p は1〜100までの整数
を表す。なお、上付のpは、構造式(1)の場合は2〜
100万までの整数を表し、構造式(2)の場合は1〜
100万までの整数を表す。
【0024】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記構造式(1)または(2)で示されるオリゴオ
キシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖を交互に有
する高分子化合物が下記式(3)または(4)で示され
ることを特徴とする三次元架橋高分子化合物にある。
【0025】
【化23】
【0026】
【化24】
【0027】構造式(3)または(4)において、R 1
〜R n はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 〜S n はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭
素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、およびハロ ゲン化アリール
基からなる群から選択され、また同様に、T 1 〜T n はそ
れぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜
7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から
選択される。R 1 〜R n はそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、S 1 〜S n はそれぞれ同一でも異なってもよく、
また、T 1 〜T n はそれぞれ同一でも異なってもよいが、
構造式(3)の場合はR 1 〜R n 、S 1 〜S n およびT 1
n がそれぞれ全て同一で且つx 1 〜x n およびy 1 〜y n
がそれぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x 1
〜x n は1〜50までの整数を表し、y 1 〜y n は1〜1
0までの整数を表し、k 1 〜k n は1〜100までの整数
を表し、mは1〜10000までの整数を表す。なお、
上付のnは、構造式(3)の場合は2〜100までの整
数を表し、構造式(4)の場合は1〜100までの整数
を表す。
【0028】本発明の第6の態様は、第4又は5の態様
において、前記化学結合が、二つ以上の官能基または反
応性部位を有する架橋剤を介して行われることを特徴と
する三次元架橋高分子化合物にある。
【0029】本発明の第7の態様は、下記構造式(1)
または(2)で示されるオリゴオキシアルキレン鎖およ
びオリゴシロキサン鎖を交互に有するケイ素含有高分子
化合物を用い、一つの当該ケイ素含有化合物のS1〜Sp
およびT1〜Tpのうちの少なくとも一つの置換基と、他
の当該ケイ素含有高分子化合物のS1〜SpおよびT1
pのうちの少なくとも一つの置換基とを化学反応させ
ることにより三次元架橋高分子を製造することを特徴と
する三次元架橋高分子化合物の製造方法にある。
【0030】
【化25】
【0031】
【化26】
【0032】構造式(1)または(2)において、R 1
〜R p はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 〜S p はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭
素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール
基からなる群から選択され、また同様に、T 1 〜T p はそ
れぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜
7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から
選択される。R 1 〜R p はそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、S 1 〜S p はそれぞれ同一でも異なってもよく、
また、T 1 〜T p はそれぞれ同一でも異なってもよいが、
構造式(1)の場合はR 1 〜R p 、S 1 〜S p およびT 1
p がそれぞれ全て同一で且つx 1 〜x p およびy 1 〜y p
がそれぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x 1
〜x p は1〜50までの整数を表し、y 1 〜y p は1〜1
0までの整数を表し、k 1 〜k p は1〜100までの整数
を表す。なお、上付のpは、構造式(1)の場合は2〜
100万までの整数を表し、構造式(2)の場合は1〜
100万までの整数を表す。
【0033】本発明の第8の態様は、第7の態様におい
て、前記構造式(1)または(2)で示されるオリゴオ
キシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖を交互に有
する高分子化合物が下記式(3)または(4)で示され
ることを特徴とする三次元架橋高分子化合物の製造方法
にある
【0034】
【化27】
【0035】
【化28】
【0036】構造式(3)または(4)において、R 1
〜R n はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 〜S n はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭
素数 1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール
基からなる群から選択され、また同様に、T 1 〜T n はそ
れぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜
7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から
選択される。R 1 〜R n はそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、S 1 〜S n はそれぞれ同一でも異なってもよく、
また、T 1 〜T n はそれぞれ同一でも異なってもよいが、
構造式(3)の場合はR 1 〜R n 、S 1 〜S n およびT 1
n がそれぞれ全て同一で且つx 1 〜x n およびy 1 〜y n
がそれぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x 1
〜x n は1〜50までの整数を表し、y 1 〜y n は1〜1
0までの整数を表し、k 1 〜k n は1〜100までの整数
を表し、mは1〜10000までの整数を表す。なお、
上付のnは、構造式(3)の場合は2〜100までの整
数を表し、構造式(4)の場合は1〜100までの整数
を表す。
【0037】本発明の第9の態様は、第7又は8の態様
において、前記化学反応が、二つ以上の官能基または反
応性部位を有する架橋剤を介して行われることを特徴と
する三次元架橋高分子化合物の製造方法にある。
【0038】本発明の第10の態様は第7〜9の何れ
かの態様において、前記化学反応が、放射線照射および
開始剤の少なくとも一方を用いて行われることを特徴と
する三次元架橋高分子化合物の製造方法にある。
【0039】本発明の第11の態様は、第4〜6の何れ
かの態様の三次元架橋高分子化合物を有効成分とするこ
とを特徴とする導電性材料にある。
【0040】上述したように、高い導電性を有する有機
高分子を設計するためには、その高分子主鎖自体が高い
柔軟性を有し、かつキャリアーである金属イオンを高濃
度で溶存させることができなければならない。また、こ
の主鎖の柔軟性は低温においても維持されなければなら
ない。さらに、工業材料として考えた場合、様々な形態
に加工可能な優れた加工性と機械的強度を合わせ持つよ
うな高分子が望ましい。発明者はここで、金属イオンを
安定に溶存させ、かつ温度に対して大きな影響を受けな
い柔軟性を有する高分子化合物を合成し、これを三次元
架橋させることによって、高い柔軟性と強度を合わせ持
つ新しい導電性有機高分子ゲルを見いだし本発明を完成
した。
【0041】本発明に係る高分子化合物は、主鎖に金属
イオンと錯形成可能なエーテル酸素を有する親水性のオ
リゴオキシアルキレン鎖、および三次元架橋可能な反応
部位を有し、かつ柔軟性に優れた疎水性のオリゴシロキ
サン鎖を交互に有する新規化合物である。親水性のオリ
ゴオキシアルキレン鎖はポリエチレングリコールに代表
されるポリエーテルと同じ構造を有しているため、金属
イオンを高濃度で安定に溶存させることができる。一
方、疎水性のオリゴシロキサン鎖は低温時の柔軟性に優
れ、オリゴオキシアルキレン鎖の結晶化を防ぐことがで
きる。さらにオリゴシロキサン中のケイ素原子上に導入
された反応部位によって架橋させ、機械的強度を向上さ
せることが可能となり、任意の形態、例えばシート状な
どに成形することが可能である。
【0042】本発明に係る構造式(A)または(B)並
びに構造式(C)または(D)で示される高分子化合物
は、三次元架橋させることにより、三次元架橋高分子化
合物とすることができるが、この点は、構造式(1)ま
たは(2)並びに構造式(3)または(4)で示される
高分子化合物についても同様である。ここで、構造式
(A)または(B)並びに構造式(C)または(D)で
示される高分子化合物は、構造式(1)または(2)並
びに構造式(3)または(4)で示される高分子化合物
の範囲に含まれるため、構造式(1)または(2)で示
される高分子化合物を代表とし、以下に本発明について
詳細に説明する。
【0043】(構造式(1)または(2)で示される高
分子化合物の製造)本発明に係る構造式(1)または
(2)に表される高分子化合物は、下記構造式(5)で
表されるオリゴオキシアルキレン化合物と下記構造式
(6)で表されるオリゴシロキサン化合物との重縮合あ
るいは重付加反応で製造することができる。なお、構造
式(5)と構造式(6)は、構造式(A)または(B)
で表される高分子化合物の製造方法を説明する構造式
(E)と構造式(F)に、それぞれ対応する。
【0044】
【化29】
【0045】
【化30】
【0046】構造式(5)および(6)において、R 1
〜R n はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1 〜S n はそれぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル
基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭
素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン化アリール
基からなる群から選択され、また同様に、T 1 〜T n はそ
れぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜
7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10の
アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化ア
ルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から
選択される。また、Aはハロゲン、炭素数1〜10のア
ルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシル
基、イソシアネート基、およびアルキルチオ基等からな
る群から選択される。R 1 〜R n はそれぞれ同一でも異な
っていてもよく、S 1 〜S n はそれぞれ同一でも異なって
もよく、また、T 1 〜T n はそれぞれ同一でも異なっても
よいが、Aとしてイソシアネート基以外が選択された場
合において、R 1 〜R n 、S 1 〜S n およびT 1 〜T n がそれ
ぞれ全て同一で且つx 1 〜x n およびy 1 〜y n がそれぞれ
全て同一である場合は除かれる。さらに、nは1〜10
までの整数を表し、x 1 〜x n は1〜50までの整数を表
し、y 1 〜y n は1〜10までの整数を表す。
【0047】ここで、構造式(5)で表されるオリゴオ
キシアルキレン化合物の具体例としては、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコールなどを挙げることが
できる。
【0048】また、構造式(6)で表されるオリゴシロ
キサン化合物の具体例としては、ジメチルジクロロシラ
ン、ブロモメチルジクロロシラン、ジビニルジクロロシ
ラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、1,3
−ビス(ジエチルアミノ)−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサンなどを挙げることができる。
【0049】重合反応は構造式(5)で表されるオリゴ
オキシアルキレン化合物と構造式(6)で表されるオリ
ゴシロキサン化合物とを混合させることにより行われ
る。使用されるオリゴオキシアルキレン化合物およびオ
リゴシロキサン化合物は、Aとしてイソシアネート基以
外が選択された場合、それぞれ少なくとも一種以上含み
且つ両方で3種類以上必要である。重合溶媒は使用して
もしなくてもよい。使用する場合においても重合反応を
妨害しないものであれば特に限定されず、例えば、テト
ラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ピリジン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどを挙げる
ことができる。構造式(6)で表されるオリゴシロキサ
ン化合物において構造式中Aがハロゲンである場合、活
性水素を持たない三級アミンを上記した反応系に添加し
た方が望ましい。反応条件は、温度は−78〜100
℃、好ましくは0〜80℃、時間は1〜96時間が望ま
しい。
【0050】(構造式(1)または(2)で表される高
分子化合物を三次元架橋させた化合物) 構造式(1)または(2)中のS1〜SpおよびT1〜Tp
のうち少なくとも一つの置換基が、他の高分子鎖中のS
1〜SpおよびT1〜Tpのうち少なくとも一つの置換基と
化学結合した三次元架橋高分子化合物、あるいは、構造
式(1)または(2)中のS1〜SpおよびT1〜Tpのう
ち少なくとも一つの置換基が、二つ以上の官能基や反応
性部位を有する架橋剤を介在して、他の高分子鎖中のS
1〜SpおよびT1〜Tpのうち少なくとも一つの置換基と
化学結合した三次元架橋高分子化合物である。
【0051】(構造式(1)または(2)で表される高
分子化合物を三次元架橋させた化合物の製造方法) 架橋反応は構造式(1)または(2)で表される高分子
化合物に熱、あるいは光、電子線などの放射線照射によ
って行われる。また、二つ以上の官能基や反応性部位を
有する架橋剤と、熱や放射線照射によってラジカルを発
生させるラジカル発生剤などのような開始剤を混合させ
ることによっても行われる。反応溶媒は使用してもしな
くても良く、使用する場合も架橋反応を妨害しないもの
であれば特に限定されない。反応条件は開始剤の有無、
あるいは使用される開始剤によって異なるが、熱ラジカ
ル発生剤として良く知られているアゾビスイソブチロニ
トリルを使用する場合は、温度が40〜80℃、時間は
12〜48時間が望ましい。また、光ラジカル発生剤と
して良く知られている2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノンを使用する場合は、10〜10000
0mJ/cm2の紫外・可視光の照射が望ましい。
【0052】(構造式(1)または(2)で表される高
分子化合物の三次元架橋化合物を有効成分とする導電性
材料) 構造式(1)または(2)で表される高分子化合物の三
次元架橋化合物を有効成分とする導電性材料は過塩素酸
リチウムに代表される無機電解質を混合し、その後上記
した方法によって架橋反応させることによって調製され
る。混合時の溶媒は使用してもしなくても良く、使用す
る場合は無機電解質と構造式(1)または(2)で表さ
れる高分子化合物の両者を溶解し、かつ架橋反応を阻害
しないものを選択する必要がある。例えば、アセトンに
代表されるケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フランに代表されるエーテル類、酢酸エチルに代表され
るエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、アセトニトリルに代表される窒素、硫黄原子を
含む極性溶媒が望ましい。
【0053】無機電解質の混合は上記した架橋反応の後
でも可能である。構造式(1)または(2)で表される
高分子化合物を上記方法にて架橋反応させ、無機電解質
を溶解させた溶媒中に三次元架橋化合物を含浸させるこ
とによって行う。用いられる溶媒は無機電解質を溶解さ
せ、かつ三次元架橋化合物を膨潤させることができる溶
媒であればよく、例えば水、アルコール類、フェノール
類、アセトンに代表されるケトン類、アセトアルデヒド
に代表されるアルデヒド類、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランに代表されるエーテル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに代表
される窒素、硫黄原子を含む極性溶媒、そしてこれらの
各種混合溶媒が望ましい。
【0054】なお、本発明に係る導電材料の成形は溶媒
キャスト法や任意の形の注型等公知の方法によって可能
である。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を
限定するものではない。
【0056】(実施例1) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン4.97g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン0.45gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量14.21g)。
【0057】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=7800、重量平均分子量/数
平均分子量=1.40であった。
【0058】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0059】
【化31】
【0060】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0061】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.05であった。
【0062】(実施例2) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン5.22g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン0.22gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量14.49g)。
【0063】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=7600、重量平均分子量/数
平均分子量=1.40であった。
【0064】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0065】
【化32】
【0066】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0067】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.08であった。
【0068】(実施例3) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン4.44g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン0.90gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量14.58g)。
【0069】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=6300、重量平均分子量/数
平均分子量=1.46であった。
【0070】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0071】
【化33】
【0072】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0073】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.12であった。
【0074】(実施例4) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン3.92g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン1.33gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量14.42g)。
【0075】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8200、重量平均分子量/数
平均分子量=1.42であった。
【0076】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0077】
【化34】
【0078】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0079】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.18であった。
【0080】(実施例5) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量300)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン9.99g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン0.90gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量17.01g)。
【0081】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=10700、重量平均分子量/
数平均分子量=1.95であった。
【0082】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0083】
【化35】
【0084】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0085】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.05であった。
【0086】(実施例6) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量300)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン8.89g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン1.83gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量16.96g)。
【0087】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8000、重量平均分子量/数
平均分子量=1.78であった。
【0088】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0089】
【化36】
【0090】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0091】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.10であった。
【0092】(実施例7) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量300)
12.0g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン7.78g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン2.73gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量16.94g)。
【0093】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=3500、重量平均分子量/数
平均分子量=1.40であった。
【0094】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0095】
【化37】
【0096】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0097】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.24であった。
【0098】(実施例8) 重合装置内にテトラエチレングリコール5.82g、
1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエチルアミ
ノジシロキサン6.68g、ビス(ジエチルアミノ)ジ
ビニルシラン1.40gを入れて60℃で攪拌させなが
ら48時間重合させた。その後、副生成物であるジエチ
ルアミンを減圧乾燥することによって除去し、ポリエチ
レングリコール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得
た(収量9.40g)。
【0099】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=5900、重量平均分子量/数
平均分子量=1.57であった。
【0100】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0101】
【化38】
【0102】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0103】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.14であった。
【0104】(実施例9) 重合装置内にトリエチレングリコール6.00g、1,
1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジ
シロキサン8.89g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニ
ルシラン1.81gを入れて60℃で攪拌させながら4
8時間重合させた。その後、副生成物であるジエチルア
ミンを減圧乾燥することによって除去し、ポリエチレン
グリコール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た
(収量10.72g)。
【0105】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=10700、重量平均分子量/
数平均分子量=2.04であった。
【0106】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0107】
【化39】
【0108】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0109】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.15であった。
【0110】(実施例10) 重合装置内にジエチレングリコール3.18g、1,
1,3,3−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジ
シロキサン6.68g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニ
ルシラン1.40gを入れて60℃で攪拌させながら4
8時間重合させた。その後、副生成物であるジエチルア
ミンを減圧乾燥することによって除去し、ポリエチレン
グリコール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た
(収量6.77g)。
【0111】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=5600、重量平均分子量/数
平均分子量=2.62であった。
【0112】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0113】
【化40】
【0114】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0115】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.15であった。
【0116】(実施例11) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
3.00g、ポリプロピレングリコール(分子量70
0)3.50g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラ
ン2.26gを入れて60℃で攪拌させながら48時間
重合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを
減圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコ
ール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量
7.21g)。
【0117】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=9500、重量平均分子量/数
平均分子量=2.10であった。
【0118】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0119】
【化41】
【0120】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0121】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
1.3(36H,CH2−CH(CH3)−O),3.6
(52H,O−CH2−CH2),3.6(24H,O−
CH2−CH2),4.7(12H,CH2−CH−
O),6.0(6H,Si−CH=CH2),6.0
(6H,Si−CH=CH2)また、1H−NMRの各シ
グナルの積分強度比よりk2/k1=1.01であった。
【0122】(実施例12) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
3.02g、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−
1,5−ジエチルアミノトリシロキサン1.42g、ビ
ス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン0.22gを入れ
て60℃で攪拌させながら48時間重合させた。その
後、副生成物であるジエチルアミンを減圧乾燥すること
によって除去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシ
ロキサン交互共重合体を得た(収量3.90g)。
【0123】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8300、重量平均分子量/ 数
平均分子量=2.03であった。
【0124】この実施例で得られた高分子化合物は次式
で示される。
【0125】
【化42】
【0126】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0127】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(18H,O−Si−CH3),3.6(52
H,O−CH2−CH2),3.6(24H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2)また、
1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2/k1
0.18であった。
【0128】(実施例13) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
4.54g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン1.66g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジアリルシラン0.35gを入れて60℃で
攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成物
であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除去
し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交互
共重合体を得た(収量5.44g)。
【0129】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8700、重量平均分子量/数
平均分子量=1.95であった。
【0130】この実施例で得られた高分子化合物は次式
で示される。
【0131】
【化43】
【0132】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0133】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),5.5(4H,CH2−Si−O),6.1
(6H,Si−CH=CH2)また、1H−NMRの各シ
グナルの積分強度比よりk2/k1=0.20であった。
【0134】(実施例14) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
6.01g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ジエチルアミノジシロキサン2.21g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ビニルフェニルシラン0.58gを入れて6
0℃で攪拌させながら48時間重合させた。その後、副
生成物であるジエチルアミンを減圧乾燥することによっ
て除去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサ
ン交互共重合体を得た(収量7.30g)。
【0135】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=10400、重量平均分子量/
数平均分子量=2.01であった。
【0136】この実施例で得られた高分子化合物は次式
で示される。
【0137】
【化44】
【0138】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0139】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.1(6H,Si−CH=CH2),7.
4(5H,O−Si−C65)また、1H−NMRの各
シグナルの積分強度比よりk2/k1=0.22であっ
た。
【0140】(実施例15) 重合装置内にポリエチレングリコール(分子量600)
6.00g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
1.13g、1,1,3,3,−テトラビニル−1,3
−ジエチルアミノジシロキサン1.62gを入れて80
℃で撹拌させながら48時間重合させた。その後、副生
成物であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって
除去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン
交互共重合体を得た(収量7.31g)。
【0141】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=11000、重量平均分子量/
数平均分子量=2.09であった。
【0142】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0143】
【化45】
【0144】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0145】1H−NMR(CDCl3)δ(pp
m):3.7(52H,O−CH2−CH2),3.7
(52H,O−CH2−CH2),6.1(6H,Si−
CH=CH2),6.1(12H,Si−CH=CH2
【0146】(実施例16) 実施例1〜10で得られたオリゴマーのガラス転移温度
をDSCで調べた。DSCの測定条件は、約20mgの
オリゴマーを測定装置にセットし、100℃で30分間
アニーリングした。その後、サンプルを−170℃まで
冷却し、20℃/分の昇温速度で200℃まで加熱し
た。この結果は表1に示す。なお、次式には実施例1〜
10で得られた高分子化合物の一般式を示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【化46】
【0149】表1に示したように、各サンプルのガラス
転移温度は非常に低いことから、オリゴマー主鎖は柔軟
性の優れていることが分かった。また、各サンプルのガ
ラス転移温度はケイ素含有率の増加と共に減少し、この
ことから、各実施例で得られた高分子化合物のガラス転
移温度はケイ素含有量で制御可能であることが分かっ
た。
【0150】(実施例17) 実施例16で得られたオリゴマーの10%テトラヒドロ
フラン溶液をシリコンウェハー上にスピンコートし(3
000rpm、30秒間)、薄膜を形成させ(膜厚;8
00nm)、電子線照射(加速電圧=20kV,電子線
照射量=100μC/cm2)を行った。照射した後、
メタノールでシリコンウェハーを洗浄した。電子線照射
された領域にはオリゴマー膜が残存しており、わずかな
電子線照射量により交互共重合体膜が架橋・不溶化した
ことが確認された。
【0151】(実施例18) 実施例2で得られたオリゴマー0.40gを用いて10
%テトラヒドロフラン溶液を調製し、これに2,2’−
アゾビス(イソブチロニトリル)とペンタエリスリトー
ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)をそれ
ぞれ0.033gと0.016gを加えた。
【0152】このオリゴマー溶液をテフロン(登録商
標:四フッ化エチレン樹脂)シート上に展開させ、テト
ラヒドロフランを室温下で蒸発させることによって薄膜
を得た。この薄膜を60℃に保たれた電気炉の中に入れ
24時間反応させた。得られた薄膜を良溶媒であるテト
ラヒドロフラン中に入れたところ、薄膜は溶解せず、膨
潤したことからゲルの生成を確認した。
【0153】(実施例19) 実施例2で得られたオリゴマー0.40gを用いて10
%テトラヒドロフラン溶液を調製し、これに過酸化ベン
ゾイルとペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカ
プトプロピオネート)をそれぞれ0.024gと0.0
16gを加えた。このオリゴマー溶液をテフロンシート
上に展開させ、テトラヒドロフランを室温下で蒸発させ
ることによって薄膜を得た。この薄膜を100℃に保た
れた電気炉の中に入れ24時間反応させた。得られた薄
膜を良溶媒であるテトラヒドロフラン中に入れたとこ
ろ、薄膜は溶解せず、膨潤したことからゲルの生成を確
認した。
【0154】(実施例20) 実施例3で得られたオリゴマー2.00g、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.01g、ペ
ンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピ
オネート)0.16gをアセトニトリルに溶解させ、オ
リゴマーの20%アセトニトリル溶液を調製した。
【0155】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を300秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光の照射量は540mJ
/cm2であった。得られた膜を良溶媒であるテトラヒ
ドロフラン中に入れたところ、薄膜は溶解せず、膨潤し
たことからゲルの生成を確認した。
【0156】(実施例21) 実施例20で行った光架橋反応条件を用いて、実施例3
で得られたオリゴマーのゲル化率と高圧水銀ランプから
の光の照射量との関係を調べた。
【0157】実施例3で得られたオリゴマー2.00
g、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
0.01g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)0.16gをアセトニトリル
に溶解させ、オリゴマーの20%アセトニトリル溶液を
調製した。
【0158】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を60〜600秒間照射させることによ
り、架橋反応を進行させた。その後、得られた架橋膜を
テトラヒドロフランに浸漬し、未反応のオリゴマーを除
去した。ゲル化率はテトラヒドロフラン浸漬前後の架橋
膜の重量変化より算出した。この結果は図1に示す。
【0159】図1より、光照射量が150mJ/cm2
でほぼ100%ゲル化していることが確認された。
【0160】(実施例22) 過塩素酸リチウム0.17gに8mlのアセトニトリル
を加えて溶液を調製し、この溶液に実施例15で得られ
た架橋膜を浸漬させることによってリチウムイオンをド
ープさせた。浸漬後、架橋膜は室温下で24時間減圧乾
燥し、導電率測定用サンプルを作成した。
【0161】リチウムイオン濃度を過塩素酸リチウムの
アセトニトリル溶液浸漬前後の架橋膜の重量変化によっ
て算出したところ、リチウムイオン濃度はオリゴマー鎖
中のエーテル酸素1molあたり0.3molであっ
た。
【0162】(実施例23) 実施例3で得られたオリゴマー0.70gに2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001g、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)0.05g、過塩素酸リチウム0.07g
を混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマー溶
液を調製した。
【0163】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1mol当たりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。
【0164】(実施例24) 実施例3で得られたオリゴマー0.70gに2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001g、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)0.05g、過塩素酸リチウム0.11g
を混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマー溶
液を調製した。
【0165】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
075molとなる。
【0166】(実施例25) 実施例4で得られたオリゴマー0.70gに2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001g、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)0.07g、過塩素酸リチウム0.08g
を混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマー溶
液を調製した。
【0167】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1mol当たりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。
【0168】(実施例26) 実施例4で得られたオリゴマー0.70gに2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001g、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロ
ピオネート)0.07g、過塩素酸リチウム0.12g
を混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマー溶
液を調製した。
【0169】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
075molとなる。
【0170】(実施例27) 実施例23〜26で作成したサンプルにおける導電率の
温度依存性について調べた。測定方法は直径13mmの
電極に作成したゲルを挟み込み、これを電気炉の中に入
れて所定温度まで冷却、あるいは加熱して30分間保持
し、その後、サンプルの抵抗値を求めた。
【0171】図2には各サンプルにおける導電率の温度
依存性を示した。各サンプルの導電率は常温で10-4
10-5S/cmを示し、高い導電率を示すことが確認さ
れた。また、低温時における導電率も10-7〜10-8
/cmと比較的高い値を示し、低温特性についても優れ
ていることが確認された。
【0172】(実施例28) 実施例11で得られたオリゴマー0.70gに2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001
g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト
プロピオネート)0.07g、過塩素酸リチウム0.0
8gを混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマ
ー溶液を調製した。
【0173】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ2.0×10-5S/cmであった。
【0174】(実施例29) 実施例11で得られたオリゴマー0.70gに2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001
g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト
プロピオネート)0.07g、リチウムビス(トリフル
オロメチルスルフォニル)イミド0.21gを混合し、
さらにアセトニトリルを加えてオリゴマー溶液を調製し
た。
【0175】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ8.3×10-5S/cmであった。
【0176】(実施例30) 実施例12で得られたオリゴマー0.70gに2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001
g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト
プロピオネート)0.07g、過塩素酸リチウム0.0
8gを混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマ
ー溶液を調製した。
【0177】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ1.3×10-5S/cmであった。
【0178】(実施例31) 実施例13で得られたオリゴマー0.70gに2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001
g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト
プロピオネート)0.07g、過塩素酸リチウム0.0
8gを混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマ
ー溶液を調製した。
【0179】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ1.6×10-5S/cmであった。
【0180】(実施例32) 実施例14で得られたオリゴマー0.70gに2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.001
g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト
プロピオネート)0.07g、過塩素酸リチウム0.0
8gを混合し、さらにアセトニトリルを加えてオリゴマ
ー溶液を調製した。
【0181】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ3.6×10-5S/cmであった。
【0182】
【発明の効果】本発明に係るケイ素含有高分子化合物は
柔軟性に優れたオリゴオキシアルキレン鎖とオリゴシロ
キサン鎖を交互に有する新規の高分子化合物である。か
かる高分子化合物は、各々のユニットの長さを変えるこ
とによってこの高分子化合物のガラス転移温度を制御す
ることが可能であり、また、ケイ素原子上に反応活性基
を導入させることによって三次元構造を形成させ、機械
的強度を向上させることによって工業材料としての応用
範囲を広げることが可能である。さらに、本発明の高分
子化合物は、オリゴオキシアルキレン鎖はリチウムイオ
ンなどのアルカリ金属イオンを容易に溶解させることが
でき、高分子化合物自体の柔軟性と相まって、低温特性
に優れた新規の導電性材料して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3で得られたオリゴマー膜にお
けるゲル化率と光照射量との関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例23〜26のサンプルの導電性
の挙動を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 正義 神奈川県横浜市西区老松町30番地3− 401号 (72)発明者 西本 淳 神奈川県横浜市保土ヶ谷区天王町1−16 −1山崎ビル201号 (72)発明者 徳田 隆 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目3番6 号 北辰工業株式会社内 (72)発明者 青木 英敏 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目3番6 号 北辰工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−280842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 77/62 C08L 83/00 - 83/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(A)または(B)で示され
    るオリゴオキシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖
    を交互に有することを特徴とするケイ素含有高分子化合
    物。 【化1】 【化2】 構造式(A)または(B)において、R1〜Rpはそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、 1 pはそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜1
    0のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン
    化アルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群
    から選択され、また同様に、 1 pはそれぞれ水素、
    水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選択さ
    れる。R1〜Rpはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
    く、 1 pはそれぞれ同一でも異なってもよく、ま
    た、 1 pはそれぞれ同一でも異なってもよいが、構
    造式(A)の場合はR1〜Rp 1 pおよび 1 p
    がそれぞれ全て同一で且つx1〜xpおよびy1〜ypがそ
    れぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x1〜xp
    は1〜50までの整数を表し、y1〜ypは1〜10まで
    の整数を表し、k1〜kpは1〜100までの整数を表
    す。なお、上付のpは、構造式(A)の場合は2〜10
    0万までの整数を表し、構造式(B)の場合は1〜10
    0万までの整数を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記構造式(A)
    たは(B)で示されるオリゴオキシアルキレン鎖および
    オリゴシロキサン鎖を交互に有する高分子化合物が下記
    (C)または(D)で示されることを特徴とするケイ
    素含有高分子化合物。 【化3】 【化4】 構造式(C)または(D)において、R1〜Rnはそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、 1 nはそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜1
    0のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン
    化アルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群
    から選択され、また同様に、 1 nはそれぞれ水素、
    水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選択さ
    れる。R1〜Rnはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
    く、 1 nはそれぞれ同一でも異なってもよく、ま
    た、 1 nはそれぞれ同一でも異なってもよいが、構
    造式(C)の場合はR1〜Rn 1 nおよび 1 n
    がそれぞれ全て同一で且つx1〜xnおよびy1〜ynがそ
    れぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x1〜xn
    は1〜50までの整数を表し、y1〜ynは1〜10まで
    の整数を表し、k1〜knは1〜100までの整数を表
    し、mは1〜10000までの整数を表す。なお、上付
    のnは、構造式(C)の場合は2〜100までの整数を
    表し、構造式(D)の場合は1〜100までの整数を表
    す。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のケイ素含有高分子化
    合物を製造する方法であって、下記構造式(E)で表さ
    れるオリゴオキシアルキレン化合物と構造式(F)で表
    されるオリゴシロキサン化合物とを重縮合または重付加
    反応させることを特徴とするケイ素含有高分子化合物の
    製造方法。 【化5】 【化6】 構造式(E)および(F)において、R1〜Rnはそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、 1 nはそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜1
    0のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン
    化アルキル基、およびハロゲン化アリール基からなる群
    から選択され、また同様に、 1 nはそれぞれ水素、
    水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル
    基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選択さ
    れる。また、Aはハロゲン、炭素数1〜10のアルキル
    アミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシル基、イソ
    シアネート基、およびアルキルチオ基からなる群から選
    択される。R1〜Rnはそれぞれ同一でも異なっていても
    よく、 1 nはそれぞれ同一でも異なってもよく、ま
    た、 1 nはそれぞれ同一でも異なってもよいが、A
    としてイソシアネート基以外が選択された場合におい
    て、R1〜Rn 1 nおよび 1 nがそれぞれ全て
    同一で且つx1〜xnおよびy1〜ynがそれぞれ全て同一
    である場合は除かれる。さらに、nは1〜10までの整
    数を表し、x1〜xnは1〜50までの整数を表し、y1
    〜ynは1〜10までの整数を表す。
  4. 【請求項4】 下記構造式(1)または(2)で示され
    るオリゴオキシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖
    を交互に有するケイ素含有高分子化合物を用い、一つの
    当該ケイ素含有化合物のS1〜SpおよびT1〜Tpのうち
    の少なくとも一つの置換基と、他の当該ケイ素含有高分
    子化合物のS1〜SpおよびT1〜Tpのうちの少なくとも
    一つの置換基とを化学結合することにより三次元架橋さ
    せたことを特徴とする三次元架橋高分子化合物。 【化7】 【化8】 構造式(1)または(2)において、R 1 〜R p はそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S 1 〜S p はそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7
    のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アル
    キル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選
    択され、また同様に、T 1 〜T p はそれぞれ水素、水酸
    基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7のアルコキシル
    基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、および
    ハロゲン化アリール基からなる群から選択される。R 1
    〜R p はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、S 1 〜S
    p はそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T 1 〜T p
    はそれぞれ同一でも異な ってもよいが、構造式(1)の
    場合はR 1 〜R p 、S 1 〜S p およびT 1 〜T p がそれぞれ全
    て同一で且つx 1 〜x p およびy 1 〜y p がそれぞれ全て同
    一である場合は除かれる。また、x 1 〜x p は1〜50ま
    での整数を表し、y 1 〜y p は1〜10までの整数を表
    し、k 1 〜k p は1〜100までの整数を表す。なお、上
    付のpは、構造式(1)の場合は2〜100万までの整
    数を表し、構造式(2)の場合は1〜100万までの整
    数を表す。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記構造式(1)ま
    たは(2)で示されるオリゴオキシアルキレン鎖および
    オリゴシロキサン鎖を交互に有する高分子化合物が下記
    式(3)または(4)で示されることを特徴とする三次
    元架橋高分子化合物。 【化9】 【化10】 構造式(3)または(4)において、R 1 〜R n はそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S 1 〜S n はそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7
    のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アル
    キル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選
    択され、また同様に、T 1 〜T n はそれぞれ水素、水酸
    基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7のアルコキシル
    基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、および
    ハロゲン化アリール基からなる群から選択される。R 1
    〜R n はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、S 1 〜S
    n はそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T 1 〜T n
    はそれぞれ同一でも異なってもよいが、構造式(3)の
    場合はR 1 〜R n 、S 1 〜S n およびT 1 〜T n がそれぞれ全
    て同一で且つx 1 〜x n およびy 1 〜y n がそれぞれ全て同
    一である場合は除かれる。また、x 1 〜x n は1〜50ま
    での整数を表し、y 1 〜y n は1〜10までの整数を表
    し、k 1 〜k n は1〜100までの整数を表し、mは1〜
    10000までの整数を表す。なお、上付のnは、構造
    式(3)の場合は2〜100までの整数を表し、構造式
    (4)の場合は1〜100までの整数を表す。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5 において、前記化学結合
    が、二つ以上の官能基または反応性部位を有する架橋剤
    を介して行われることを特徴とする三次元架橋高分子化
    合物。
  7. 【請求項7】 下記構造式(1)または(2)で示され
    るオリゴオキシアルキレン鎖およ びオリゴシロキサン鎖
    を交互に有するケイ素含有高分子化合物を用い、 一つの
    当該ケイ素含有化合物のS1〜SpおよびT1〜Tpのうち
    の少なくとも一つの置換基と、他の当該ケイ素含有高分
    子化合物のS1〜SpおよびT1〜Tpのうちの少なくとも
    一つの置換基とを化学反応させることにより三次元架橋
    高分子を製造することを特徴とする三次元架橋高分子化
    合物の製造方法。 【化11】 【化12】 構造式(1)または(2)において、R 1 〜R p はそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S 1 〜S p はそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7
    のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アル
    キル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選
    択され、また同様に、T 1 〜T p はそれぞれ水素、水酸
    基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7のアルコキシル
    基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、および
    ハロゲン化アリール基からなる群から選択される。R 1
    〜R p はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、S 1 〜S
    p はそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T 1 〜T p
    はそれぞれ同一でも異なってもよいが、構造式(1)の
    場合はR 1 〜R p 、S 1 〜S p およびT 1 〜T p がそれぞれ全
    て同一で且つx 1 〜x p およびy 1 〜y p がそれぞれ全て同
    一である場合は除かれる。また、x 1 〜x p は1〜50ま
    での整数を表し、y 1 〜y p は1〜10までの整数を表
    し、k 1 〜k p は1〜100までの整数を表す。なお、上
    付のpは、構造式(1)の場合は2〜100万までの整
    数を表し、構造式(2)の場合は1〜100万までの整
    数を表す。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記構造式(1)ま
    たは(2)で示されるオリゴオキシアルキレン鎖および
    オリゴシロキサン鎖を交互に有する高分子化合物が下記
    式(3)または(4)で示されることを特徴とする三次
    元架橋高分子化合物の製造方法 。 【化13】 【化14】 構造式(3)または(4)において、R 1 〜R n はそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S 1 〜S n はそれ
    ぞれ水素、水酸基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7
    のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アル
    キル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選
    択され、また同様に、T 1 〜T n はそれぞれ水素、水酸
    基、ビニル基、アリル基、炭素数1〜7のアルコキシル
    基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリ
    ール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基、および
    ハロゲン化アリール基からなる群から選択される。R 1
    〜R n はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、S 1 〜S
    n はそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T 1 〜T n
    はそれぞれ同一でも異なってもよいが、構造式(3)の
    場合はR 1 〜R n 、S 1 〜S n およびT 1 〜T n がそれぞれ全
    て同一で且つx 1 〜x n およびy 1 〜y n がそれぞれ全て同
    一である場合は除かれる。また、x 1 〜x n は1〜50ま
    での整数を表し、y 1 〜y n は1〜10までの整数を表
    し、k 1 〜k n は1〜100までの整数を表し、mは1〜
    10000までの整数を表す。なお、上付のnは、構造
    式(3)の場合は2〜100までの整数を表し、構造式
    (4)の場合は1〜100までの整数を表す。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、 前記化学反応
    が、二つ以上の官能基または反応性部位を有する架橋剤
    を介して行われることを特徴とする三次元架橋高分子化
    合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9の何れかにおいて 、前記
    化学反応が、放射線照射および開始剤の少なくとも一方
    を用いて行われることを特徴とする三次元架橋高分子化
    合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項4〜6の何れかの 三次元架橋高
    分子化合物を有効成分とすることを特徴とする導電性材
    料。
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