JPH10287747A - 新規ケイ素含有高分子化合物およびその調製法 - Google Patents

新規ケイ素含有高分子化合物およびその調製法

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JPH10287747A
JPH10287747A JP15973897A JP15973897A JPH10287747A JP H10287747 A JPH10287747 A JP H10287747A JP 15973897 A JP15973897 A JP 15973897A JP 15973897 A JP15973897 A JP 15973897A JP H10287747 A JPH10287747 A JP H10287747A
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政雄 加藤
Yukio Nagasaki
幸夫 長崎
Fumiaki Matsukura
史明 松倉
Masayoshi Watanabe
正義 渡邉
Atsushi Nishimoto
淳 西本
Takashi Tokuda
隆 徳田
Hidetoshi Aoki
英敏 青木
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Hokushin Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた導電特性を維持しつつ、機械的強度も
合わせ持った環境依存性の小さい導電性高分子材料とし
て使用できる新規な高分子化合物を提供する。 【解決手段】 下記構造式(1)または(2)で示され
るオリゴオキシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖
を交互に有するケイ素含有高分子化合物とし、また、こ
れを三次元架橋する。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケイ素原子を含有する
新規な高分子化合物、及びこの高分子化合物を三次元架
橋させた化合物、並びにこれらの製造方法、さらにこの
三次元架橋化合物を主成分とするイオン導電性材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、有機高分子化合物は電流を流さ
ない電気絶縁性材料と考えられていた。しかしながら、
1970年代後半、共役系ポリマーなどに電荷キャリア
ーをドーピングすることによって、有機高分子の導電性
が著しく向上することが見いだされ、新しい導電性材料
として注目を集め、現在でも盛んに研究開発が行われて
いる。特に、近年の電子産業の発展に伴う家電製品の小
型化・軽量化等によって、使用される電池についても同
様な要求が高まっている。現在、導電性材料の主流とな
っている金属材料や無機材料に対し、高い導電性を示す
高分子固体電解質は軽量でしかも加工が容易という理由
などから、将来の電池を構成する材料として期待されて
いる。
【0003】高い導電特性を示す有機高分子の代表例と
しては、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエ
チレングリコールは親水性高分子としてよく知られてお
り、無機電解質を容易に溶存させることができる。ま
た、ポリエチレングリコールは、主鎖中の各繰り返し単
位内に不対電子を有するエーテル酸素を有しており、こ
れがリチウムイオンなどのような金属イオンと錯体を形
成し、これによって高濃度のキャリアーを溶存させるこ
とができる。また、ポリエチレングリコール鎖は柔軟性
に富んでいることからも導電性材料として有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
チレングリコールは、低温環境下では結晶化を起こして
キャリアーの泳動が妨げられ、このためその導電性が著
しく低下してしまうといった欠点を有している。言い換
えれば、ポリエチレングリコールの導電性は環境依存性
が大きく、工業材料としての応用は困難である。
【0005】一方、上述したように高分子の導電性はキ
ャリアーの溶解性、高分子鎖の柔軟性や物理的性質に大
きく影響される。従って、固体電解質を構成する高分子
鎖は無定型で、しかも低いガラス転移温度を有していな
ければならない。無定型で低いガラス転移温度を有する
高分子としてポリジメチルシロキサンが良く知られてい
る。しかしながら、その高い柔軟性及び低いガラス転移
温度により、機械的強度に乏しいので、工業材料として
非常に不利である。
【0006】したがって、高い導電性を有する有機高分
子材料の創成には高分子鎖の柔軟性と強度を両立させる
といった困難な課題も解決しなければならない。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、上述し
たような優れた導電特性を維持しつつ、機械的強度も合
わせ持った環境依存性の小さい導電性高分子材料として
使用できる新規な高分子化合物を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の第1の態
様は、下記構造式(1)で示されるオリゴオキシアルキ
レン鎖およびオリゴシロキサン鎖を交互に有することを
特徴とするケイ素含有高分子化合物にある。
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】構造式(1)または(2)において、R1
〜Rpはそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1〜Spはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアル
コキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、お
よびハロゲン化アリール基からなる群から選択され、ま
た同様に、T1〜Tpはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1
〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10
のアルキル基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アル
キル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選
択される。R1〜Rpはそれぞれ同一でも異なっていても
よく、S1〜Spはそれぞれ同一でも異なってもよく、ま
た、T1〜Tはそれぞれ同一でも異なってもよいが、
構造式(1)の場合は、R〜R、S〜Sおよび
〜Tがそれぞれ全て同一で且つx〜xおよび
〜yがそれぞれ全て同一である場合は除かれる。
また、x1〜xpは1〜50までの整数を表し、y1〜yp
は1〜10までの整数を表し、k1〜kpは1〜100ま
での整数を表す。なお、上付のpは2〜100万までの
整数を示す。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記構造式(1)または(2)で示されるオリゴオ
キシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖を交互に有
する高分子化合物が下記式(3)または(4)で示され
ることを特徴とするケイ素含有高分子化合物にある。
【0013】
【化9】
【0014】
【化10】
【0015】構造式(3)または(4)において、R1
〜Rnはそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基、ア
リール基およびアラルキル基からなる群から選択され、
1〜Snはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアル
コキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、お
よびハロゲン化アリール基からなる群から選択され、ま
た同様に、T1〜Tnはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1
〜7のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10
のアルキル基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アル
キル基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選
択される。R1〜Rnはそれぞれ同一でも異なっていても
よく、S1〜Snはそれぞれ同一でも異なってもよく、ま
た、T1〜Tnはそれぞれ同一でも異なってもよいが、構
造式(3)の場合は、R〜R、S〜SおよびT
〜Tがそれぞれ全て同一で且つx〜xおよびy
〜yがそれぞれ全て同一である場合は除かれる。ま
た、x1〜xnは1〜50までの整数を表し、y1〜yn
1〜10までの整数を表し、k1〜knは1〜100まで
の整数を表し、mは1〜10000までの整数を表す。
なお、上付のnは、構造式(3)の場合は2〜100ま
での整数を表し、構造式(4)の場合は1〜100まで
の整数を表す。
【0016】本発明の第3の態様は、第1または2の態
様のケイ素含有高分子化合物を製造する方法であって、
下記構造式(5)で表されるオリゴオキシアルキレン化
合物と構造式(6)で表されるオリゴシロキサン化合物
とを重縮合または重付加反応させることを特徴とするケ
イ素含有高分子化合物の製造方法にある。
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】構造式(5)および(6)において、R1
〜Rnはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基、アリール
基およびアラルキル基からなる群から選択され、S1
nはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコキ
シル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、
アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、および
ハロゲン化アリール基からなる群から選択され、また同
様に、T1〜Tnはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7
のアルコキシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のア
ルキル基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル
基、およびハロゲン化アリール基からなる群から選択さ
れる。また、Aはハロゲン、炭素数1〜10のアルキル
アミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシル基、イソ
シアネート基、およびアルキルチオ基等からなる群から
選択される。R1〜Rnはそれぞれ同一でも異なっていて
もよく、S1〜Snはそれぞれ同一でも異なってもよく、
また、T1〜Tnはそれぞれ同一でも異なってもよいが、
Aとしてイソシアネート基以外が選択された場合におい
て、R1〜Rn、S〜SおよびT1〜Tnがそれぞれ全
て同一で且つx〜xおよびy〜yがそれぞれ全
て同一である場合は除かれる。さらに、nは1〜10ま
での整数を表し、x1〜xnは1〜50までの整数を表
し、y1〜ynは1〜10までの整数を表す。
【0020】本発明の第4の態様は、第1または2の態
様のケイ素含有高分子化合物を用い、一つの当該ケイ素
含有化合物のS1〜SpおよびT1〜Tpのうちの少なくと
も一つの置換基と、他の当該ケイ素含有高分子化合物の
1〜SpおよびT1〜Tpのうちの少なくとも一つの置換
基とを化学結合することにより三次元架橋させたことを
特徴とする三次元架橋高分子化合物にある。
【0021】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記化学結合が、二つ以上の官能基または反応性部
位を有する架橋剤を介して行われることを特徴とする三
次元架橋高分子化合物にある。
【0022】本発明の第6の態様は、第1または2の態
様のケイ素含有高分子化合物を用い、一つの当該ケイ素
含有化合物のS1〜SpおよびT1〜Tpのうちの少なくと
も一つの置換基と、他の当該ケイ素含有高分子化合物の
1〜SpおよびT1〜Tpのうちの少なくとも一つの置換
基とを化学反応させることにより三次元架橋高分子を製
造することを特徴とする三次元架橋高分子化合物の製造
方法にある。
【0023】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記化学反応が、二つ以上の官能基または反応性部
位を有する架橋剤を介して行われることを特徴とする三
次元架橋高分子化合物の製造方法にある。
【0024】本発明の第8の態様は、第6または7の態
様において、前記化学反応が、放射線照射および開始剤
の少なくとも一方を用いて行われることを特徴とする三
次元架橋高分子化合物の製造方法にある。
【0025】本発明の第9の態様は、第4または5の三
次元架橋高分子化合物を有効成分とすることを特徴とす
る導電性材料にある。
【0026】上述したように、高い導電性を有する有機
高分子を設計するためには、その高分子主鎖自体が高い
柔軟性を有し、かつキャリアーである金属イオンを高濃
度で溶存させることができなければならない。また、こ
の主鎖の柔軟性は低温においても維持されなければなら
ない。さらに、工業材料として考えた場合、様々な形態
に加工可能な優れた加工性と機械的強度を合わせ持つよ
うな高分子が望ましい。発明者はここで、金属イオンを
安定に溶存させ、かつ温度に対して大きな影響を受けな
い柔軟性を有する高分子化合物を合成し、これを三次元
架橋させることによって、高い柔軟性と強度を合わせ持
つ新しい導電性有機高分子ゲルを見いだし本発明を完成
した。
【0027】本発明に係る高分子化合物は、主鎖に金属
イオンと錯形成可能なエーテル酸素を有する親水性のオ
リゴオキシアルキレン鎖、および三次元架橋可能な反応
部位を有し、かつ柔軟性に優れた疎水性のオリゴシロキ
サン鎖を交互に有する新規化合物である。親水性のオリ
ゴオキシアルキレン鎖はポリエチレングリコールに代表
されるポリエーテルと同じ構造を有しているため、金属
イオンを高濃度で安定に溶存させることができる。一
方、疎水性のオリゴシロキサン鎖は低温時の柔軟性に優
れ、オリゴオキシアルキレン鎖の結晶化を防ぐことがで
きる。さらにオリゴシロキサン中のケイ素原子上に導入
された反応部位によって架橋させ、機械的強度を向上さ
せることが可能となり、任意の形態、例えばシート状な
どに成形することが可能である。
【0028】(構造式(1)または(2)で示される高
分子化合物の製造)本発明に係る構造式(1)または
(2)に表される高分子化合物は、上述したように、構
造式(5)で表されるオリゴオキシアルキレン化合物と
構造式(6)で表されるオリゴシロキサン化合物との重
縮合あるいは重付加反応で製造することができる。
【0029】ここで、構造式(5)で表されるオリゴオ
キシアルキレン化合物の具体例としては、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコールなどを挙げることが
できる。
【0030】また、構造式(6)で表されるオリゴシロ
キサン化合物の具体例としては、ジメチルジクロロシラ
ン、ブロモメチルジクロロシラン、ジビニルジクロロシ
ラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、1,3
−ビス(ジエチルアミノ)−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサンなどを挙げることができる。
【0031】重合反応は構造式(5)で表されるオリゴ
オキシアルキレン化合物と構造式(6)で表されるオリ
ゴシロキサン化合物とを混合させることにより行われ
る。使用されるオリゴオキシアルキレン化合物およびオ
リゴシロキサン化合物は、Aとしてイソシアネート基以
外が選択された場合、それぞれ少なくとも一種以上含み
且つ両方で3種類以上必要である。重合溶媒は使用して
もしなくてもよい。使用する場合においても重合反応を
妨害しないものであれば特に限定されず、例えば、テト
ラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、ピリジン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどを挙げる
ことができる。構造式(6)で表されるオリゴシロキサ
ン化合物において構造式中Aがハロゲンである場合、活
性水素を持たない三級アミンを上記した反応系に添加し
た方が望ましい。反応条件は、温度は−78〜100
℃、好ましくは0〜80℃、時間は1〜96時間が望ま
しい。
【0032】(構造式(1)または(2)で表される高
分子化合物を三次元架橋させた化合物)構造式(1)ま
たは(2)中のS1〜SpおよびT1〜Tpのうち少なくと
も一つの置換基が、他の高分子鎖中のS1〜SpおよびT
1〜Tpのうち少なくとも一つの置換基と化学結合した三
次元架橋高分子化合物、あるいは、構造式(1)または
(2)中のS1〜SpおよびT1〜Tpのうち少なくとも一
つの置換基が、二つ以上の官能基や反応性部位を有する
架橋剤を介在して、他の高分子鎖中のS1〜SpおよびT
1〜Tpのうち少なくとも一つの置換基と化学結合した三
次元架橋高分子化合物である。
【0033】(構造式(1)または(2)で表される高
分子化合物を三次元架橋させた化合物の製造方法)架橋
反応は構造式(1)または(2)で表される高分子化合
物に熱、あるいは光、電子線などの放射線照射によって
行われる。また、二つ以上の官能基や反応性部位を有す
る架橋剤と、熱や放射線照射によってラジカルを発生さ
せるラジカル発生剤などのような開始剤を混合させるこ
とによっても行われる。反応溶媒は使用してもしなくて
も良く、使用する場合も架橋反応を妨害しないものであ
れば特に限定されない。反応条件は開始剤の有無、ある
いは使用される開始剤によって異なるが、熱ラジカル発
生剤として良く知られているアゾビスイソブチロニトリ
ルを使用する場合は、温度が40〜80℃、時間は12
〜48時間が望ましい。また、光ラジカル発生剤として
良く知られている2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノンを使用する場合は、10〜100000m
J/cm2の紫外・可視光の照射が望ましい。
【0034】(構造式(1)または(2)で表される高
分子化合物の三次元架橋化合物を有効成分とする導電性
材料)構造式(1)または(2)で表される高分子化合
物の三次元架橋化合物を有効成分とする導電性材料は過
塩素酸リチウムに代表される無機電解質を混合し、その
後上記した方法によって架橋反応させることによって調
製される。混合時の溶媒は使用してもしなくても良く、
使用する場合は無機電解質と構造式(1)または(2)
で表される高分子化合物の両者を溶解し、かつ架橋反応
を阻害しないものを選択する必要がある。例えば、アセ
トンに代表されるケトン類、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランに代表されるエーテル類、酢酸エチルに代
表されるエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、アセトニトリルに代表される窒素、硫黄
原子を含む極性溶媒が望ましい。
【0035】無機電解質の混合は上記した架橋反応の後
でも可能である。構造式(1)または(2)で表される
高分子化合物を上記方法にて架橋反応させ、無機電解質
を溶解させた溶媒中に三次元架橋化合物を含浸させるこ
とによって行う。用いられる溶媒は無機電解質を溶解さ
せ、かつ三次元架橋化合物を膨潤させることができる溶
媒であればよく、例えば水、アルコール類、フェノール
類、アセトンに代表されるケトン類、アセトアルデヒド
に代表されるアルデヒド類、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフランに代表されるエーテル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルに代表
される窒素、硫黄原子を含む極性溶媒、そしてこれらの
各種混合溶媒が望ましい。
【0036】なお、本発明に係る導電材料の成形は溶媒
キャスト法や任意の形の注型等公知の方法によって可能
である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を
限定するものではない。
【0038】(実施例1)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量600)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
4.97g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
0.45gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
4.21g)。
【0039】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=7800、重量平均分子量/数
平均分子量=1.40であった。
【0040】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0041】
【化13】
【0042】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0043】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.05であった。
【0044】(実施例2)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量600)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
5.22g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
0.22gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
4.49g)。
【0045】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=7600、重量平均分子量/数
平均分子量=1.40であった。
【0046】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0047】
【化14】
【0048】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0049】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.08であった。
【0050】(実施例3)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量600)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
4.44g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
0.90gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
4.58g)。
【0051】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=6300、重量平均分子量/数
平均分子量=1.46であった。
【0052】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0053】
【化15】
【0054】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0055】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.12であった。
【0056】(実施例4)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量600)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
3.92g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
1.33gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
4.42g)。
【0057】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8200、重量平均分子量/数
平均分子量=1.42であった。
【0058】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0059】
【化16】
【0060】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0061】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.18であった。
【0062】(実施例5)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量300)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
9.99g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
0.90gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
7.01g)。
【0063】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=10700、重量平均分子量/
数平均分子量=1.95であった。
【0064】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0065】
【化17】
【0066】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0067】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.05であった。
【0068】(実施例6)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量300)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
8.89g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
1.83gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
6.96g)。
【0069】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8000、重量平均分子量/数
平均分子量=1.78であった。
【0070】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0071】
【化18】
【0072】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0073】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.10であった。
【0074】(実施例7)重合装置内にポリエチレング
リコール(分子量300)12.0g、1,1,3,3
−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサン
7.78g、ビス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン
2.73gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量1
6.94g)。
【0075】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=3500、重量平均分子量/数
平均分子量=1.40であった。
【0076】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0077】
【化19】
【0078】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0079】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.24であった。
【0080】(実施例8)重合装置内にテトラエチレン
グリコール5.82g、1,1,3,3−テトラメチル
−1,3−ジエチルアミノジシロキサン6.68g、ビ
ス(ジエチルアミノ)ジビニルシラン1.40gを入れ
て60℃で攪拌させながら48時間重合させた。その
後、副生成物であるジエチルアミンを減圧乾燥すること
によって除去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシ
ロキサン交互共重合体を得た(収量9.40g)。
【0081】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=5900、重量平均分子量/数
平均分子量=1.57であった。
【0082】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0083】
【化20】
【0084】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0085】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.14であった。
【0086】(実施例9)重合装置内にトリエチレング
リコール6.00g、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジエチルアミノジシロキサン8.89g、ビス
(ジエチルアミノ)ジビニルシラン1.81gを入れて
60℃で攪拌させながら48時間重合させた。その後、
副生成物であるジエチルアミンを減圧乾燥することによ
って除去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキ
サン交互共重合体を得た(収量10.72g)。
【0087】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=10700、重量平均分子量/
数平均分子量=2.04であった。
【0088】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0089】
【化21】
【0090】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0091】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.15であった。
【0092】(実施例10)重合装置内にジエチレング
リコール3.18g、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジエチルアミノジシロキサン6.68g、ビス
(ジエチルアミノ)ジビニルシラン1.40gを入れて
60℃で攪拌させながら48時間重合させた。その後、
副生成物であるジエチルアミンを減圧乾燥することによ
って除去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキ
サン交互共重合体を得た(収量6.77g)。
【0093】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=5600、重量平均分子量/数
平均分子量=2.62であった。
【0094】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0095】
【化22】
【0096】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0097】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.2(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.15であった。
【0098】(実施例11)重合装置内にポリエチレン
グリコール(分子量600)3.00g、ポリプロピレ
ングリコール(分子量700)3.50g、ビス(ジエ
チルアミノ)ジビニルシラン2.26gを入れて60℃
で攪拌させながら48時間重合させた。その後、副生成
物であるジエチルアミンを減圧乾燥することによって除
去し、ポリエチレングリコール−ジメチルシロキサン交
互共重合体を得た(収量7.21g)。
【0099】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=9500、重量平均分子量/数
平均分子量=2.10であった。
【0100】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0101】
【化23】
【0102】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0103】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
1.3(36H,CH2−CH(CH3)−O),3.6
(52H,O−CH2−CH2),3.6(24H,O−
CH2−CH2),4.7(12H,CH2−CH−
O),6.0(6H,Si−CH=CH2),6.0
(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=1.01であった。
【0104】(実施例12)重合装置内にポリエチレン
グリコール(分子量600)3.02g、1,1,3,
3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジエチルアミノト
リシロキサン1.42g、ビス(ジエチルアミノ)ジビ
ニルシラン0.22gを入れて60℃で攪拌させながら
48時間重合させた。その後、副生成物であるジエチル
アミンを減圧乾燥することによって除去し、ポリエチレ
ングリコール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た
(収量3.90g)。
【0105】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8300、重量平均分子量/ 数
平均分子量=2.03であった。
【0106】この実施例で得られた高分子化合物は次式
で示される。
【0107】
【化24】
【0108】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0109】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(18H,O−Si−CH3),3.6(52
H,O−CH2−CH2),3.6(24H,O−CH2
−CH2),6.0(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.18であった。
【0110】(実施例13)重合装置内にポリエチレン
グリコール(分子量600)4.54g、1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサ
ン1.66g、ビス(ジエチルアミノ)ジアリルシラン
0.35gを入れて60℃で攪拌させながら48時間重
合させた。その後、副生成物であるジエチルアミンを減
圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリコー
ル−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量5.
44g)。
【0111】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=8700、重量平均分子量/数
平均分子量=1.95であった。
【0112】この実施例で得られた高分子化合物は次式
で示される。
【0113】
【化25】
【0114】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0115】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),5.5(4H,CH2−Si−O),6.1
(6H,Si−CH=CH2) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.20であった。
【0116】(実施例14)重合装置内にポリエチレン
グリコール(分子量600)6.01g、1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ジエチルアミノジシロキサ
ン2.21g、ビス(ジエチルアミノ)ビニルフェニル
シラン0.58gを入れて60℃で攪拌させながら48
時間重合させた。その後、副生成物であるジエチルアミ
ンを減圧乾燥することによって除去し、ポリエチレング
リコール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収
量7.30g)。
【0117】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=10400、重量平均分子量/
数平均分子量=2.01であった。
【0118】この実施例で得られた高分子化合物は次式
で示される。
【0119】
【化26】
【0120】ここで、1H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0121】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
0.1(12H,O−Si−CH3),3.7(52
H,O−CH2−CH2),3.7(52H,O−CH2
−CH2),6.1(6H,Si−CH=CH2),7.
4(5H,O−Si−C65) また、1H−NMRの各シグナルの積分強度比よりk2
1=0.22であった。
【0122】(実施例15)重合装置内にポリエチレン
グリコール(分子量600)6.00g、ビス(ジエチ
ルアミノ)ジビニルシラン1.13g、1,1,3,
3,−テトラビニル−1,3−ジエチルアミノジシロキ
サン1.62gを入れて80℃で撹拌させながら48時
間重合させた。その後、副生成物であるジエチルアミン
を減圧乾燥することによって除去し、ポリエチレングリ
コール−ジメチルシロキサン交互共重合体を得た(収量
7.31g)。
【0123】これをゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで分析したところ、ポリスチレン標準サンプ
ル換算で数平均分子量=11000、重量平均分子量/
数平均分子量=2.09であった。
【0124】この実施例で得られた高分子化合物は、次
式で示される。
【0125】
【化27】
【0126】ここで、H−NMR分析結果は次の通り
である。
【0127】H−NMR(CDCl3)δ(pp
m):3.7(52H,O−CH−CH),3.7
(52H,O−CH−CH),6.1(6H,Si
−CH=CH),6.1(12H,Si−CH=CH
) (実施例16)実施例1〜10で得られたオリゴマーの
ガラス転移温度をDSCで調べた。DSCの測定条件
は、約20mgのオリゴマーを測定装置にセットし、1
00℃で30分間アニーリングした。その後、サンプル
を−170℃まで冷却し、20℃/分の昇温速度で20
0℃まで加熱した。この結果は表1に示す。なお、次式
には実施例1〜10で得られた高分子化合物の一般式を
示す。
【0128】
【表1】
【0129】
【化28】
【0130】表1に示したように、各サンプルのガラス
転移温度は非常に低いことから、オリゴマー主鎖は柔軟
性の優れていることが分かった。また、各サンプルのガ
ラス転移温度はケイ素含有率の増加と共に減少し、この
ことから、各実施例で得られた高分子化合物のガラス転
移温度はケイ素含有量で制御可能であることが分かっ
た。
【0131】(実施例17)実施例16で得られたオリ
ゴマーの10%テトラヒドロフラン溶液をシリコンウェ
ハー上にスピンコートし(3000rpm、30秒
間)、薄膜を形成させ(膜厚;800nm)、電子線照
射(加速電圧=20kV,電子線照射量=100μC/
cm2)を行った。照射した後、メタノールでシリコン
ウェハーを洗浄した。電子線照射された領域にはオリゴ
マー膜が残存しており、わずかな電子線照射量により交
互共重合体膜が架橋・不溶化したことが確認された。
【0132】(実施例18)実施例2で得られたオリゴ
マー0.40gを用いて10%テトラヒドロフラン溶液
を調製し、これに2,2’−アゾビス(イソブチロニト
リル)とペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカ
プトプロピオネート)をそれぞれ0.033gと0.0
16gを加えた。
【0133】このオリゴマー溶液をテフロン(登録商
標:四フッ化エチレン樹脂)シート上に展開させ、テト
ラヒドロフランを室温下で蒸発させることによって薄膜
を得た。この薄膜を60℃に保たれた電気炉の中に入れ
24時間反応させた。得られた薄膜を良溶媒であるテト
ラヒドロフラン中に入れたところ、薄膜は溶解せず、膨
潤したことからゲルの生成を確認した。
【0134】(実施例19)実施例2で得られたオリゴ
マー0.40gを用いて10%テトラヒドロフラン溶液
を調製し、これに過酸化ベンゾイルとペンタエリスリト
ールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)をそ
れぞれ0.024gと0.016gを加えた。このオリ
ゴマー溶液をテフロンシート上に展開させ、テトラヒド
ロフランを室温下で蒸発させることによって薄膜を得
た。この薄膜を100℃に保たれた電気炉の中に入れ2
4時間反応させた。得られた薄膜を良溶媒であるテトラ
ヒドロフラン中に入れたところ、薄膜は溶解せず、膨潤
したことからゲルの生成を確認した。
【0135】(実施例20)実施例3で得られたオリゴ
マー2.00g、2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン0.01g、ペンタエリスリトールテトラ
キス(3−メルカプトプロピオネート)0.16gをア
セトニトリルに溶解させ、オリゴマーの20%アセトニ
トリル溶液を調製した。
【0136】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を300秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光の照射量は540mJ
/cm2であった。得られた膜を良溶媒であるテトラヒ
ドロフラン中に入れたところ、薄膜は溶解せず、膨潤し
たことからゲルの生成を確認した。
【0137】(実施例21)実施例20で行った光架橋
反応条件を用いて、実施例3で得られたオリゴマーのゲ
ル化率と高圧水銀ランプからの光の照射量との関係を調
べた。
【0138】実施例3で得られたオリゴマー2.00
g、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
0.01g、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)0.16gをアセトニトリル
に溶解させ、オリゴマーの20%アセトニトリル溶液を
調製した。
【0139】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を60〜600秒間照射させることによ
り、架橋反応を進行させた。その後、得られた架橋膜を
テトラヒドロフランに浸漬し、未反応のオリゴマーを除
去した。ゲル化率はテトラヒドロフラン浸漬前後の架橋
膜の重量変化より算出した。この結果は図1に示す。
【0140】図1より、光照射量が150mJ/cm2
でほぼ100%ゲル化していることが確認された。
【0141】(実施例22)過塩素酸リチウム0.17
gに8mlのアセトニトリルを加えて溶液を調製し、こ
の溶液に実施例15で得られた架橋膜を浸漬させること
によってリチウムイオンをドープさせた。浸漬後、架橋
膜は室温下で24時間減圧乾燥し、導電率測定用サンプ
ルを作成した。
【0142】リチウムイオン濃度を過塩素酸リチウムの
アセトニトリル溶液浸漬前後の架橋膜の重量変化によっ
て算出したところ、リチウムイオン濃度はオリゴマー鎖
中のエーテル酸素1molあたり0.3molであっ
た。
【0143】(実施例23)実施例3で得られたオリゴ
マー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテト
ラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.05g、
過塩素酸リチウム0.07gを混合し、さらにアセトニ
トリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0144】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1mol当たりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。
【0145】(実施例24)実施例3で得られたオリゴ
マー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテト
ラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.05g、
過塩素酸リチウム0.11gを混合し、さらにアセトニ
トリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0146】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
075molとなる。
【0147】(実施例25)実施例4で得られたオリゴ
マー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテト
ラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07g、
過塩素酸リチウム0.08gを混合し、さらにアセトニ
トリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0148】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1mol当たりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。
【0149】(実施例26)実施例4で得られたオリゴ
マー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテト
ラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07g、
過塩素酸リチウム0.12gを混合し、さらにアセトニ
トリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0150】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
075molとなる。
【0151】(実施例27)実施例23〜26で作成し
たサンプルにおける導電率の温度依存性について調べ
た。測定方法は直径13mmの電極に作成したゲルを挟
み込み、これを電気炉の中に入れて所定温度まで冷却、
あるいは加熱して30分間保持し、その後、サンプルの
抵抗値を求めた。
【0152】図2には各サンプルにおける導電率の温度
依存性を示した。各サンプルの導電率は常温で10-4
10-5S/cmを示し、高い導電率を示すことが確認さ
れた。また、低温時における導電率も10-7〜10-8
/cmと比較的高い値を示し、低温特性についても優れ
ていることが確認された。
【0153】(実施例28)実施例11で得られたオリ
ゴマー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07
g、過塩素酸リチウム0.08gを混合し、さらにアセ
トニトリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0154】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ2.0×10-5S/cmであった。
【0155】(実施例29)実施例11で得られたオリ
ゴマー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07
g、リチウムビス(トリフルオロメチルスルフォニル)
イミド0.21gを混合し、さらにアセトニトリルを加
えてオリゴマー溶液を調製した。
【0156】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ8.3×10-5S/cmであった。
【0157】(実施例30)実施例12で得られたオリ
ゴマー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07
g、過塩素酸リチウム0.08gを混合し、さらにアセ
トニトリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0158】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ1.3×10-5S/cmであった。
【0159】(実施例31)実施例13で得られたオリ
ゴマー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07
g、過塩素酸リチウム0.08gを混合し、さらにアセ
トニトリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0160】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ1.6×10-5S/cmであった。
【0161】(実施例32)実施例14で得られたオリ
ゴマー0.70gに2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン0.001g、ペンタエリスリトールテ
トラキス(3−メルカプトプロピオネート)0.07
g、過塩素酸リチウム0.08gを混合し、さらにアセ
トニトリルを加えてオリゴマー溶液を調製した。
【0162】この溶液をテフロン枠をガラス板で挟んだ
型に流し込み、高圧水銀ランプからの光(照度=1.8
mW/cm2)を180秒間照射させることにより、架
橋反応を進行させた。この時の光照射量は324mJ/
cm2であった。光架橋反応後、室温下で24時間減圧
乾燥し、導電率測定用サンプルを作成した。オリゴマー
と過塩素酸リチウムの仕込量から、オリゴマー鎖中のエ
ーテル酸素1molあたりのリチウムイオン濃度は0.
05molとなる。このサンプルの室温下での導電率を
測定したところ3.6×10-5S/cmであった。
【0163】
【発明の効果】本発明に係るケイ素含有高分子化合物は
柔軟性に優れたオリゴオキシアルキレン鎖とオリゴシロ
キサン鎖を交互に有する新規の高分子化合物である。か
かる高分子化合物は、各々のユニットの長さを変えるこ
とによってこの高分子化合物のガラス転移温度を制御す
ることが可能であり、また、ケイ素原子上に反応活性基
を導入させることによって三次元構造を形成させ、機械
的強度を向上させることによって工業材料としての応用
範囲を広げることが可能である。さらに、本発明の高分
子化合物は、オリゴオキシアルキレン鎖はリチウムイオ
ンなどのアルカリ金属イオンを容易に溶解させることが
でき、高分子化合物自体の柔軟性と相まって、低温特性
に優れた新規の導電性材料して好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例3で得られたオリゴマー膜にお
けるゲル化率と光照射量との関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例23〜26のサンプルの導電性
の挙動を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 淳 神奈川県横浜市保土ヶ谷区天王町1−16− 1山崎ビル201号 (72)発明者 徳田 隆 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目3番6号 北辰工業株式会社内 (72)発明者 青木 英敏 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目3番6号 北辰工業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1)または(2)で示され
    るオリゴオキシアルキレン鎖およびオリゴシロキサン鎖
    を交互に有することを特徴とするケイ素含有高分子化合
    物。 【化1】 【化2】 構造式(1)または(2)において、R1〜Rpはそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S1〜Spはそれ
    ぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フ
    ェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン
    化アリール基からなる群から選択され、また同様に、T
    1〜Tpはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコ
    キシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル
    基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、お
    よびハロゲン化アリール基からなる群から選択される。
    1〜Rpはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、S1
    〜Spはそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T1
    はそれぞれ同一でも異なってもよいが、構造式
    (1)の場合はR〜R、S1〜SpおよびT1〜Tp
    それぞれ全て同一で且つx〜xおよびy〜y
    それぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x1
    pは1〜50までの整数を表し、y1〜ypは1〜10
    までの整数を表し、k1〜kpは1〜100までの整数を
    表す。なお、上付のpは、構造式(1)の場合は2〜1
    00万までの整数を表し、構造式(2)の場合は1〜1
    00万までの整数を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記構造式(1)ま
    たは(2)で示されるオリゴオキシアルキレン鎖および
    オリゴシロキサン鎖を交互に有する高分子化合物が下記
    式(3)または(4)で示されることを特徴とするケイ
    素含有高分子化合物。 【化3】 【化4】 構造式(3)または(4)において、R1〜Rnはそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S1〜Snはそれ
    ぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フ
    ェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン
    化アリール基からなる群から選択され、また同様に、T
    1〜Tnはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコ
    キシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル
    基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、お
    よびハロゲン化アリール基からなる群から選択される。
    1〜Rnはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、S1
    〜Snはそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T1
    nはそれぞれ同一でも異なってもよいが、構造式
    (3)の場合はR〜R、S〜SおよびT〜T
    がそれぞれ全て同一で且つx〜xおよびy〜y
    がそれぞれ全て同一である場合は除かれる。また、x
    1〜xnは1〜50までの整数を表し、y1〜ynは1〜1
    0までの整数を表し、k1〜knは1〜100までの整数
    を表し、mは1〜10000までの整数を表す。なお、
    上付のnは、構造式(3)の場合は2〜100までの整
    数を表し、構造式(4)の場合は1〜100までの整数
    を表す。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のケイ素含有高分子化
    合物を製造する方法であって、下記構造式(5)で表さ
    れるオリゴオキシアルキレン化合物と構造式(6)で表
    されるオリゴシロキサン化合物とを重縮合または重付加
    反応させることを特徴とするケイ素含有高分子化合物の
    製造方法。 【化5】 【化6】 構造式(5)および(6)において、R1〜Rnはそれぞ
    れ水素、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基および
    アラルキル基からなる群から選択され、S1〜Snはそれ
    ぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコキシル基、フ
    ェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、およびハロゲン
    化アリール基からなる群から選択され、また同様に、T
    1〜Tnはそれぞれ水素、水酸基、炭素数1〜7のアルコ
    キシル基、フェノキシ基、炭素数1〜10のアルキル
    基、アリール基、アラル基、ハロゲン化アルキル基、お
    よびハロゲン化アリール基からなる群から選択される。
    また、Aはハロゲン、炭素数1〜10のアルキルアミノ
    基、ジアルキルアミノ基、アルコキシル基、イソシアネ
    ート基、およびアルキルチオ基からなる群から選択され
    る。R1〜Rnはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、
    1〜Snはそれぞれ同一でも異なってもよく、また、T
    1〜Tnはそれぞれ同一でも異なってもよいが、Aとして
    イソシアネート基以外が選択された場合において、R
    〜R 、S〜SおよびT〜Tがそれぞれ全て同
    一で且つx〜xおよびy〜yがそれぞれ全て同
    一である場合は除かれる。さらに、nは1〜10までの
    整数を表し、x1〜xnは1〜50までの整数を表し、y
    1〜ynは1〜10までの整数を表す。
  4. 【請求項4】 請求項1または2のケイ素含有高分子化
    合物を用い、一つの当該ケイ素含有化合物のS1〜Sp
    よびT1〜Tpのうちの少なくとも一つの置換基と、他の
    当該ケイ素含有高分子化合物のS1〜SpおよびT1〜Tp
    のうちの少なくとも一つの置換基とを化学結合すること
    により三次元架橋させたことを特徴とする三次元架橋高
    分子化合物。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記化学結合が、二
    つ以上の官能基または反応性部位を有する架橋剤を介し
    て行われることを特徴とする三次元架橋高分子化合物。
  6. 【請求項6】 請求項1または2のケイ素含有高分子化
    合物を用い、一つの当該ケイ素含有化合物のS1〜Sp
    よびT1〜Tpのうちの少なくとも一つの置換基と、他の
    当該ケイ素含有高分子化合物のS1〜SpおよびT1〜Tp
    のうちの少なくとも一つの置換基とを化学反応させるこ
    とにより三次元架橋高分子を製造することを特徴とする
    三次元架橋高分子化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記化学反応が、二
    つ以上の官能基または反応性部位を有する架橋剤を介し
    て行われることを特徴とする三次元架橋高分子化合物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、前記化学反
    応が、放射線照射および開始剤の少なくとも一方を用い
    て行われることを特徴とする三次元架橋高分子化合物の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4または5の三次元架橋高分子化
    合物を有効成分とすることを特徴とする導電性材料。
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JP2016042576A (ja) * 2014-08-14 2016-03-31 エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッドAir Products And Chemicals Incorporated 多孔質低誘電率膜上に細孔封止層を設けるための方法及び組成物
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JP2018064119A (ja) * 2014-08-14 2018-04-19 バーサム マテリアルズ ユーエス,リミティド ライアビリティ カンパニー 多孔質低誘電率膜上に細孔封止層を設けるための方法及び組成物

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