JP4458213B2 - 架橋型高分子固体電解質の製造方法 - Google Patents
架橋型高分子固体電解質の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一次電池、二次電池などの製造に用いられる高分子固体電解質、特に電気自動車用や夜間電力貯蔵用などの高温作動型二次電池に最適な高分子固体電解質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より研究開発されている固体電解質としては、β−アルミナ、Li2TiO3、RbAg4l5、ヨウ化銀、或いはリンタングステン酸といった、いわゆる無機系材料が広く知られている。しかしながら、無機系材料は、(1)比重が重い、(2)任意の形状に成形できない、(3)柔軟で薄いフィルムが得られない、(4)室温でのイオン伝導性が低い等の欠点があり、実用上の問題となっている。
【0003】
近年、上記の欠点を改良する材料として有機系材料が注目されている。有機系材料の一般的な組成は、ポリアルキレンオキサイド、シリコーンゴム、フッ素樹脂或いはポリホスファゼン等のマトリックスとなる高分子にLiClO4、LiBF4などのキャリアーとなる電解質を混合、溶解させた高分子固体電解質(SPE)から構成されている。このようなSPEは無機系材料に比較して軽量で柔軟性があり、フィルムヘの成形・加工が容易であるという特徴を有しているが、ここ数年これらの特徴を維持しつつ、より実用的なSPEを構築するための研究開発が活発に行われている。
【0004】
SPEの応用分野としては、大別して、(1)常温で作動する低出力の民生用小型二次電池、(2)高温作動型の高出力な大型二次電池が挙げられる。ここで、(1)は、低沸点の非プロトン系有機電解液を高分子材料に吸収・保持させることによりイオン伝導性を向上させた、いわゆるゲル状SPEを隔膜として用いた二次電池であるが、電池の構成がリチウムイオン電池とほとんど同じであるため、低出力ながらも小型・超薄型電池としてすでに実用化の域に達している。
【0005】
一方、(2)は、負極にリチウム金属を用いることを想定したリチウムポリマー電池で、近い将来、電気自動車や夜間電力貯蔵用の大型二次電池への応用が期待されている。ところが、これらの大型電池では、充放電時における発熱量が膨大となり、電池自体の温度もかなり上昇するため、(1)のようなゲル系SPEを用いると電解液の蒸気圧により電池の外装缶が膨らんだり、最悪の場合には爆発したりする危険性が指摘されていた。そこでこれらの問題を解決するために、SPE単体(ドライ系)を60〜80℃に昇温することでイオン伝導性を高めた、いわゆる高温作動型の大型二次電池が提案され、欧米を中心に長期に渡る研究・開発が行われてきた。しかしながら、このような高温領域においても安全性が高く、優れたフィルム強度を有し、しかも電池系内で蒸気圧を全く発生させることのないSPEは、未だに得られていないのが実状である、
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記(2)の研究例としては、例えばM.Watanabe et al,So1id State Ionics 79,(1995)306−312.やS.Kohjiya et al,Second InternationalSymposium on Polymer Electorolytes,ed.by B.Scrosati,Elsevier,Appl.Sci.,London(1990),pp.187−196.などが挙げられるが、いずれのSPEも室温付近のイオン伝導度は10-4S/cm台に達するものの、フィルム強度は十分とはいえず、実用化には至っていない。
【0007】
一方、本出願人らは、先に特許第1842047号(特公平5−51612号公報)とMakromol.Chem.Macromol.Symp.25(1989)249,Reactive and Functional Polymers,37(1998)169−182.及びJ.Polym.Sci.,Part A:Polym.Chem.,36,(1998)3021−3034等において、本発明のモデルとなるブロック−グラフト共重合体の合成方法について提案した。
【0008】
また、特許第1842048号(特公平5−51632号公報)では、このブロック−グラフト共重合体をイオン伝導性固体として利用するために、そのアルキレンオキサイドユニットに対して0.05〜80モル%のLi,Na,K、Cs,Ag,Cu及びMgから選ばれる少なくとも一種の元素を含む無機塩を混合させたブロック−グラフト共重合体組成物をSPEとして提案し、特公平5−74195号公報では、同様のブロック−グラフト共重合体のLiイオン塩との複合物を電解質として内蔵したLi電池を提案した。しかしながら、上記の提案は、いずれも常温におけるイオン伝導性が低かったため、実用化には至らなかった。
【0009】
そこで、本出願人は、室温におけるイオン伝導性の向上を目的として、特開平3−188151号公報において、ブロック−グラフト共重合体の無機イオン塩複合物にポリアルキレンオキサイドを添加してなるブロック−グラフト共重合体組成物を提案したが、ブロック−グラフト共重合体にポリアルキレンオキサイドを多量に添加しすぎると、機械的強度を維持しているポリスチレンドメインが一部溶解し、フィルム強度が脆弱化してしまうことが判明した。
【0010】
本出願人は、新たに派生したこの問題を解決するために、特開平10−237143号公報において、種々のポリアルキレンオキサイドに溶解性を持たない、シリル基で置換したポリスチレンをブロック鎖とするブロック−グラフト共重合体を開発し、これにポリアルキレンオキサイドを添加したブロック−グラフト共重合体組成物を提案した。また、特開平10−208545号公報では、ブロック−グラフト共重合体に多量に添加したポリアルキレンオキサイドの溶解性からポリスチレンドメインを保護するために、架橋剤を用いてポリスチレンドメインを化学的に架橋し、綱目構造とした架橋型SPEを提案した。更に、特開平10−223042号公報と特開平10−245427号公報では、架橋剤を添加しなくても、高エネルギー線を照射するだけでポリスチレンドメインを容易に架橋することが可能な、自己架橋型ブロック−グラフト共重合体を提案した。
【0011】
その結果、室温付近のみならず、高温時(60〜80℃)においてもイオン伝導性やフィルム強度が大きく改善されたSPEが完成し、実用化レベルの高温電池を容易に、かつ大量に作製できるようになった。
【0012】
しかしながら、ブロック−グラフト共重合体に添加するポリアルキレンオキサイドの種類によっては、60〜80℃の温度領域において多少の蒸気圧を示すものがある。また、本SPEを高温作動型の大型電池に適用した場合、電池の操作条件によっては、想定した温度領域より数十度も昇温してしまうことが多々あったことから、高温側に温度マージンの広い、より安全な電池が要求されるようになってきた。
【0013】
従って、本発明の目的は、高分子系の固体電解質に関して、ブロック−グラフト共重合体に添加する反応性のポリアルキレンオキサイドを、イオンの輸送能に影響を与えない程度に緩く架橋することにより、100℃以上の高温時でも蒸気圧が発生することなく、高イオン伝導性で高いフィルム強度を有し、しかも成形・加工性等に優れた架橋型高分子固体電解質の製造方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
このような課題を解決するために、本発明は、下記一般式Iで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖Aと、下記一般式IIで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖B及び/又は下記一般式IIIで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖Cから構成されるブロック−グラフト共重合体に、下記一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加し、この反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させることを特徴とする架橋型高分子固体電解質の製造方法を提供する。
【0015】
この場合、特には、一般式Iで表わされる繰り返し単位からなる少なくとも1種の重合度10以上のブロック鎖Aと、一般式IIで表わされる繰返し単位からなる少なくとも1種の重合度300以上のブロック鎖Bとから構成される、ブロック鎖Aとブロック鎖Bの構成比(重合度比)が1:30〜30:1である重合度310以上のブロック−グラフト共重合体、或いは一般式Iで表わされる繰り返し単位からなる少なくとも1種の重合度10以上のブロック鎖Aと、一般式IIIで表わされる繰返し単位からなる少なくとも1種の重合度200以上のブロック鎖Cとから構成される、ブロック鎖Aとブロック鎖Cの構成比(重合度比)が1:20〜20:1である重合度210以上のブロック−グラフト共重合体に、一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイド、好ましくは1官能性と2官能性のポリアルキレンオキサイドを併用して添加すると共に、リチウム系無機塩を添加し、好ましくは電子線を照射することにより、この反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させることが好ましい。
【0016】
【化5】
(ここに、R1は水素原子、メチル基又はエチル基、R2は水素原子又はメチル基、R3はアルキル基、アリール基、アシル基、シリル基又はシアノアルキル基、nは1〜100の整数である。また、式中下記I−aで表わされるグラフト鎖の数平均分子量は45〜4,400である。)
【0017】
【化6】
(ここに、R4は水素原子、メチル基又はエチル基、Mは式−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−COOCH3若しくは−COOC2H5で表わされる基、フェニル基又は置換フェニルである。)
【0018】
【化7】
(ここに、R9は水素原子、メチル基又はエチル基、R10〜R12はメチル基又はエチル基である。)
【0019】
【化8】
(ここに、R5とR6は水素原子又はメチル基、R7はH2C=CHCO−、H2C=C(CH3)CO−、ビニル基、アリル基、エポキシド、炭素数25以下のアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基、R8はエチレンオキサイド又はテトラメチレンオキサイドである。kとmは共に0〜25の整数であるが、同時に0になることはなく、一方が0の場合には必ず他方が1以上の整数になる。Xは−PhC(CH3)2PhO−又は単結合を示す。なお、Phはフェニレン基を示す。)
【0020】
このように、ブロック−グラフト共重合体に反応性ポリアルキレンオキサイドを添加し、ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させることにより、幹分子が疑似架橋構造を形成してフィルムの機械的強度を高め、グラフト成分と架橋されたポリアルキレンオキサイド成分が連続相を形成して金属イオンの通路を確保し、かつ架橋反応したポリアルキレンオキサイドからは蒸気圧が全く発生しない、熱安定の高いフィルムが形成できる。
【0021】
そして、前記反応性ポリアルキレンオキサイドとしては、一般式IVで表わされる1官能性或いは2官能性のアクリレート系、メタクリレート系、アリル系、エポキシド等を用い、例えば電子線照射することにより、反応性ポリアルキレンオキサイドの架橋反応を完結することができる。
【0022】
この製造方法により、簡単かつ確実に高温時においても全く蒸気圧が発生せず、高イオン伝導性でフィルム強度の高い架橋型高分子固体電解質を製造することができるもので、本発明者らは、ブロック−グラフト共重合体の特性を生かして、高温時でも優れた機械的強度と高いイオン伝導性を維持し、しかも安全な高分子電解質を得るためには、ブロック−グラフト共重合体に添加するポリアルキレンオキサイドを緩く架橋し、三次元の網目状構造にすれば効果的であることを知見し、本発明を完成させたものである。
【0023】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の架橋型高分子固体電解質の元になるブロック−グラフト共重合体は、上述したように、一般式Iで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖Aと、一般式IIで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖B及び/又は一般式IIIで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖Cから構成されるブロック−グラフト共重合体であり、特に好ましくは、前述の特許第1842047号と特開平10−237143号公報に開示されているものと基本的には同一であるが、ここにあらためてその構造を示すと、一般式Iで表わされる繰り返し単位からなる少なくとも1種の重合度10以上のブロック鎖Aと、一般式IIで表わされる繰返し単位からなる少なくとも1種の重合度300以上のブロック鎖Bとから構成される、ブロック鎖Aとブロック鎖Bの構成比(重合度比)が1:30〜30:1である重合度310以上のブロック−グラフト共重合体、或いは一般式Iで表わされる繰り返し単位からなる少なくとも1種の重合度10以上のブロック鎖Aと、一般式IIIで表わされる繰返し単位からなる少なくとも1種の重合度200以上のブロック鎖Cとから構成される、ブロック鎖Aとブロック鎖Cの構成比(重合度比)が1:20〜20:1である重合度210以上のブロック−グラフト共重合体である。
【0024】
【化9】
(ここに、R1は水素原子、メチル基又はエチル基、R2は水素原子又はメチル基、R3はアルキル基、アリール基、アシル基、シリル基又はシアノアルキル基、nは1〜100の整数である。また、式中、下記I−aで表わされるグラフト鎖の数平均分子量は45〜4,400である。)
【0025】
【化10】
【0026】
ここで、R3のアルキル基としては、炭素数1〜10、特に1〜2のものが好ましく、またアリール基としては、炭素数6〜10、特に6〜8のものが挙げられ、特にフェニル基が好ましい。アシル基としては、炭素数1〜9、特に1〜2のものが挙げられ、具体的にはホルミル基、アセチル基等が例示される。シリル基としては、−SiR3(Rは互いに同一又は異種の炭素数3〜15、特に3〜6の一価炭化水素基、好ましくはアルキル基である)で示されるものが挙げられる。シアノアルキル基としては、炭素数2〜10、特に2〜4のアルキル基の水素原子の一部をシアノ基で置換した、例えばシアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。
【0027】
【化11】
(ここに、R4は水素原子、メチル基又はエチル基、Mは式−CH=CH2、−C(CH3)=CH2、−COOCH3若しくは−COOC2H5で表わされる基、フェニル基又は置換フェニルである。)
【0028】
なお、R4の置換フェニル基としては、トリル基、キシリル基等が例示される。
【化12】
(ここに、R9は水素原子、メチル基又はエチル基、R10〜R12はメチル基又はエチル基である。)
【0029】
このブロック−グラフト共重合体は、一般式Iで表わされる同種又は異種の繰り返し単位からなるブロック鎖Aと、一般式IIで表わされる同種又は異種の繰り返し単位からなるブロック鎖B及び/又は一般式IIIで表わされる同種又は異種の繰り返し単位からなるブロック鎖Cが、例えばAB、AC、BAB、BAB’、CAC、C’AC、BAC、BAB’AB、C’ABACというように任意に配列されてなるものであるが、好ましくはBAB、BAB’、B’ABAB’、BAB’AB、CAC、CAC’、C’ACAC’、CAC’AC、更に好ましくはBAB、BAB’、CAC、CAC’等の配列が挙げられる。なお、この配列例において、B,B’及びC,C’は、それぞれブロック鎖B、ブロック鎖Cに含まれるものであるが、R4やMが相違したり、重合度が相違して互いに異なるブロック鎖であることを示す。
【0030】
重合体のブロック鎖Aの重合度は10以上、同じくBの重合度は300以上、Cの重合度は200以上であることが好ましく、この両ブロック鎖A,Bの構成比は重合度比として1:30〜30:1、ブロック鎖AとCでは1:20〜20:1であることが好ましい。また、共重合して得られるブロック−グラフト共重合体の重合度は、ブロック鎖AとBの配列で310以上50000以下、ブロック鎖AとCの配列では210以上50000以下であることが好ましい。
【0031】
重合体のブロック鎖Aは、高分子電解質としての機能を担う部分であり、重合度が10未満では、このポリマーの特徴であるイオン伝導性ドメインが連続相となるミクロ相分離構造を示さない場合がある。また、ブロック鎖Bは、機械的強度を保持する部分のため、重合度が300未満ではポリマー分子間の絡み合いが不十分でフィルムの機械的強度が低下してしまう。つまり、ブロック鎖AとBの構成比が1:30未満ではグラフト成分が少なすぎて、高分子電解質としての機能を保持するのが困難となり、また30:1を超えるとブロック鎖としての幹成分が少なくなり、機械的強度が維持できなくなるおそれがある。但し、ブロック鎖Bに比べて重合体のTgが高く、また一般的なポリアルキレンオキサイドに対して溶解・膨潤することのないブロック鎖Cは、例外的に低い重合度でも機械的強度が維持できるため、ここでは重合度を200以上、ブロック鎖Aとの構成比(重合度比)を1:20〜20:1、共重合化して得られる共重合体の重合度を210以上とすることができる。
【0032】
本発明の架橋型高分子固体電解質は、前記ブロック−グラフト共重合体に下記一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加し、この反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させるものである。
【0033】
【化13】
(ここに、R5とR6は水素原子又はメチル基、R7はH2C=CHCO−、H2C=C(CH3)CO−、ビニル基、アリル基、エポキシド、炭素数25以下のアルキル基、フェニル基又は置換フェニル基、R8はエチレンオキサイド又はテトラメチレンオキサイドである。kとmは共に0〜25の整数であるが、同時に0になることはなく、一方が0の場合には必ず他方が1以上の整数になる。Xは−PhC(CH3)2PhO−又は単結合を示す。なお、Phはフェニレン基を示す。)
【0034】
上記R7のエポキシドとしては、下記式で示されるものが例示される。
【0035】
【化14】
(但し、pは1〜25、qは1〜25の整数である。)
また、R7の置換フェニル基としては、トリル基、キシリル基等が例示される。
【0036】
ブロック−グラフト共重合体に添加する反応性ポリアルキレンオキサイドは、ポリアルキレングリコールのアクリレート誘導体、メタアクリレート誘導体、ビニル系誘導体などが適合し、その構造中に活性水素やハロゲン等を含まないものが好ましい。具体的には、メトキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−block−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−block−ポリプロピレングリコール−block−ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。またこの他に、ブロック鎖kとmをビスフェノールAで結合したエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド−テトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド−block−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
本発明においては、基本的には1官能性ポリアルキレンオキサイドと2官能性ポリアルキレンオキサイドを組み合わせて使用する。また、官能基数の同じポリアルキレンオキサイドを2種類以上混合して用いるのも効果的である。更に、ここには例示しなかったが、3官能以上のポリアルキレンオキサイドを使用するとより架橋密度が高くなるため、イオン伝導性を多少犠牲にしてもフィルム強度の向上を図りたい場合には有効な手段となる。
【0038】
反応性ポリアルキレンオキサイドの添加量は、前記ブロック−グラフト共重合体に対して5重量%以上、好ましくは50〜600重量%で、1官能性ポリアルキレンオキサイドと2官能性ポリアルキレンオキサイドの混合比率は重量比として5:95〜95:5で、好ましくは10:90〜70:30である。また官能基数が等しく、種類の異なる反応性ポリアルキレンオキサイドの混合比率には、特に制限がない。
【0039】
反応性ポリアルキレンオキサイドの添加方法は、例えばブロック−グラフト共重合体に添加して常温又は加熱下に機械的に混練する方法、ブロック−グラフト共重合体との共通溶媒に溶解したのちキャスト法で成膜する方法などいろいろあるが、本ブロック−グラフト共重合体は高分子相溶化剤としての高い機能も有しているため、種々の方法により添加されたアルキレンオキサイドは、自動的にグラフト相に集合しミクロ相分離構造を形成する。従って、添加方法は任意で特に制限はない。
【0040】
前記ブロック−グラフト共重合体に添加するリチウム系無機塩類の種類は、LiClO4,LiBF4,LiPF6,LiAsF6,LiCF3SO3及びLiN(CF3SO2)2から選択される少なくとも1種の化合物がよい。また添加する割合は、ブロック−グラフト共重合体のグラフト鎖と添加した反応性ポリアルキレンオキサイドのアルキレンオキサイドユニットの総モル数に対して0.01〜80モル%、好ましくは0.02〜15モル%が適当であり、その添加方法もポリアルキレンオキサイドと同様に制限がない。
【0041】
本発明では、ブロック−グラフト共重合体に添加した反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させる方法としては、熱によって架橋させる方法(熱架橋)、紫外線を照射して架橋させる方法(紫外線照射)、電子線を照射して架橋させる方法(電子線照射)が例示される。熱架橋は、予め2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化メチルエチルケトン等の有機過酸化物を熱重合開始剤として添加しておき、成膜後に85℃以上で所定時間の間加熱させる方法であり、紫外線照射は、予め2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェン、ベンジルメチルケタール、トリメチルシリルベンゾフェノン、2−メチルベンゾイン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、アントラキノン等の光重合開始剤を添加しておき、成膜後に例えば500Wの高圧水銀ランプにて3分以上UV照射する方法である。また、電子線照射は、成膜後に電子線照射装置を用いて5〜100Mrad.の照射線量の電子線を照射する方法である。熱架橋、紫外線照射では、上述したようにラジカル発生剤(重合開始剤)が必要であるが、これを使用することで反応系がより複雑になると同時に、場合によってはリチウムイオンの輸送に悪影響を及ぼすことも懸念される。そこで、本発明では、エネルギーレベルが高く、コントロールし易い上にラジカル発生剤を必要としない電子線(放射線)による架橋法が最適であり、例えば電子線照射装置として[岩崎電気製 CB250/30/180L]を用い、加速電圧200kV、5〜100Mrad.で種々の試験を行ったところ、非常に優れた架橋方法であることが確認された。
【0042】
本発明による高分子固体電解質は、その構成要素であるブロック−グラフト共重合体が、(1)明確なミクロ相分離構造を示す、(2)機械的強度の高い幹分子が疑似架橋構造を形成し、構造保持の役目を果たすと共に材料強度を高める、(3)グラフト成分が比較的低分子でも連続相を形成し、金属イオンの通路を確保する、(4)グラフト成分が相溶化剤としての機能を有するため、膜内に大量のポリアルキレンオキサイドを安定に保持できる、(5)系内に揮発成分が存在しないため、高温時の熱安定性に優れ、かつ安全性が高い、という諸特性を持っている。
【0043】
従って、本発明の高分子固体電解質を例えば、今後実用化が期待されている電気自動車や夜間電力貯蔵用などの高温で作動するリチウムポリマー二次電池に応用すると、電池の軽量化、薄膜化に大変有効であると共に、極めて安全性の高い電池を作ることができる。
【0044】
また、本発明の架橋型高分子電解質は、二次電池素子以外に、一次電池、コンデンサー、エレクトロクロミックディスプレイ又はセンサー等の各種固体電気化学素子に用いても有効である。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明の実施形態を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中のブロック共重合体は各成分を−b−で繋いで、例えばポリスチレン、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ポリスチレンの3成分ブロック共重合体をポリ(スチレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−スチレン)と表記し、グラフト鎖は−g−で繋いで表わす。
【0046】
[実施例1]
反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加したブロック−グラフト共重合体フィルムの電子線架橋I
実施例1で使用したブロック−グラフト共重合体の分子構造と各ブロック鎖の構成比、並びにグラフト鎖の組成等を以下に示した。
【0047】
ブロック−グラフト共重合体のサンプルNo.T−1
(1)分子構造:
ポリ[スチレン−b−(p−ヒドロキシスチレン−g−エチレンオキサイド)−b−スチレン]
(2)ブロック鎖A(一般式I):
R1=水素原子、R2=水素原子、R3=メチル基、重合度=250
(3)ブロック鎖B(一般式II):
R4=水素原子、M=フェニル基、重合度=500
(4)ブロック鎖の配列方式:
BAB(トリブロック共重合体)
(5)ブロック鎖の構成比(重合度比):
B:A:B=500:250:500=2:1:2(2B:A=4:1)
(6)グラフト鎖(一般式I−a):
R2=水素原子、R3=メチル基、n(重合度)=16、数平均分子量(Mn)=700
【0048】
上記ブロック−グラフト共重合体(サンプルNo.T−1)5.0gと、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(Mn=276)2.0gとポリエチレングリコールジアクリレート(Mn=214)1.0g及びLiClO40.5gをジメチルカーボネート60mlに溶解した後、テフロンシャーレ内に流延した。この試料をアルゴン気流下、室温で約20時間静置して過剰な溶媒を除去した後、更に80℃で2時間加熱乾燥することにより膜厚20μmのフィルムを得た。このフィルムに加速電圧200kV、線量10Mrad.の電子線を照射したのち、得られた試料を示差熱天秤DSC−20(セイコー電子工業社製商品名)で熱分析した。その結果、90℃付近にジメチルカーボネートに起因すると思われる1%以下の重量減量がみられたものの、その後は250℃に至るまで重量変化が観測されなかったことから、ブロック−グラフト共重合体に添加した反応性ポリアルキレンオキサイドは完全に架橋され、100〜250℃の高温においても揮発せず、従って蒸気圧を発生することもなく、グラフト相中に安定に保持されていることがわかった。
【0049】
[実施例2]
反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加したブロック−グラフト共重合体フィルムの電子線架橋II
実施例1と同じ処方で作製した電子線照射前のフィルムに、加速電圧200kV、線量1〜3Mrad.の電子線を照射して得た試料を熱分析したところ、150℃付近から急激な重量減量が観測された。一方、5〜100Mrad.の線量を照射した試料はいずれも250℃まで安定で、溶媒以外の重量減量が全く観測されなかった。そこで、これ以降の実施例では、添加した反応性ポリアルキレンオキサイドを完全に架橋することが可能で、100〜250℃の高温においても蒸気圧を発生することのない照射線量10Mrad.を基準照射量とした。
【0050】
[実施例3]
実施例1と同じ処方で作製したフィルムに加速電圧200kV、線量10Mrad.の電子線を照射し、得られた試料を100℃で20時間真空乾燥することにより、膜厚20μmの架橋型高分子固体電解質フィルムを得た。得られたフィルムは多量のポリアルキレンオキサイドを含有しているにもかかわらず強靱で、動的粘弾性試験機RSA−II(Reometric Inc.製商品名)から求められた貯蔵弾性率は30℃で8.1×106Pa、80℃でも4.3×106Pa以上を示した。また、本電解質フィルムを20℃で100kg/cm2の荷重で圧縮しても、内部に含有されたポリアルキレンオキサイドは全く滲出しなかった。
【0051】
このフィルムを直径10mmの円板状に切り出し、その両面をリチウム金属極板で挟んで電極を形成し、周波数5Hz〜5MHzの交流インピダンス測定装置(マルチフリクェンシーLCRXメーター4192A、横河ヒューレットパッカード社製商品名)を用い、複素インピーダンス法によりイオン伝導度を算出した。その結果、80℃で0.8×10-3S/cmの値を得た。
【0052】
[実施例4〜9]
実施例4〜9に使用したブロック−グラフト共重合体(サンプルNo.T−2〜S−1)の分子構造、各ブロック鎖の構成比並びにグラフト鎖の組成等を以下に示した。また、下記ブロック−グラフト共重合体に種類の異なる反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩類を添加した後、電子線の照射により架橋した架橋型高分子固体電解質フィルムを用いて、実施例3と同様な評価を行ったところ、表1に示したような結果を得た。
【0053】
サンプルNo.T−2
(1)分子構造:
ポリ[スチレン−b−(p−ヒドロキシスチレン−g−エチレンオキサイド)−b−スチレン]
(2)ブロック鎖A(一般式I):
R1=水素原子、R2=水素原子、R3=メチル基、重合度=250
(3)ブロック鎖B(一般式II):
R4=水素原子、M=フェニル基、重合度=500
(4)ブロック鎖の配列方式:
BAB(トリブロック共重合体)
(5)ブロック鎖の構成比(重合度比):
B:A:B=500:250:500=2:1:2(2B:A=4:1)
(6)グラフト鎖(一般式I−a):
R2=水素原子、R3=メチル基、n=28、数平均分子量(Mn)=1230
【0054】
サンプルNo.T−3
(1)分子構造:
ポリ[スチレン−b−(p−ヒドロキシスチレン−g−エチレンオキサイド)−b−スチレン]
(2)ブロック鎖A(一般式I):
R1=水素原子、R2=水素原子、R3=メチル基、重合度=250
(3)ブロック鎖B(一般式II):
R4=水素原子、M=フェニル基、重合度=500
(4)ブロック鎖の配列方式:
BAB(トリブロック共重合体)
(5)ブロック鎖の構成比(重合度比):
B:A:B=500:250:500=2:1:2(2B:A=4:1)
(6)グラフト鎖(一般式I−a):
R2=水素原子、R3=メチル基、n=7、数平均分子量(Mn)=290
【0055】
サンプルNo.T−4
(1)分子構造:
ポリ[スチレン−b−(p−ヒドロキシスチレン−g−エチレンオキサイド)−b−スチレン]
(2)ブロック鎖A(一般式I):
R1=水素原子、R2=水素原子、R3=メチル基、重合度=250
(3)ブロック鎖B(一般式II):
R4=水素原子、M=フェニル基、重合度=500
(4)ブロック鎖の配列方式:
BAB(トリブロック共重合体)
(5)ブロック鎖の構成比(重合度比):
B:A:B=500:250:500=2:1:2(2B:A=4:1)
(6)グラフト鎖(一般式I−a):
R2=水素原子、R3=メチル基、n=9、数平均分子量(Mn)=390
【0056】
サンプルNo.S−1
(1)分子構造:
ポリ[トリメチルシリルスチレン−b−(p−ヒドロキシスチレン−g−エチレンオキサイド)−b−トリメチルシリルスチレン]
(2)ブロック鎖A(一般式I):
R1=水素原子、R2=水素原子、R3=メチル基、重合度=150
(3)ブロック鎖C(一般式III):
R9=水素原子、R10=メチル基、R11=メチル基、R12=メチル基、重合度=300
(4)ブロック鎖の配列方式:
CAC(トリブロック共重合体)
(5)ブロック鎖の構成比(重合度比):
C:A:C=2:1:2=300:150:300(2C:A=4:1)
(6)グラフト鎖(一般式I−a):
R2=水素原子、R3=メチル基、n=30、数平均分子量(Mn)=1330
【0057】
【表1】
A:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(Mn=276)
B:ポリエチレングリコールジアクリレート(Mn=302)
C:メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(Mn=466)
D:ポリプロピレングリコールジメタクリレート(Mn=386)
E:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(Mn=496)
F:アリロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(Mn=214)
G:オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(Mn=898)
H:ポリプロピレングリコールジアクリレート(Mn=302)
I:ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジメタアクリレート(Mn=600)
J:ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート(Mn=400)
K:ポリプロピレングリコールジアクリレート(Mn=518)
L:メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(Mn=482)
M:アリロキシポリエチレングリコールモノアクリレート(Mn=380)
【0058】
これらの結果から、本発明によって製造される架橋型高分子固体電解質は、多量のポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩類をフィルム中に含有しているにもかかわらず、100℃以上の高温時でも蒸気圧が発生することなく、高イオン伝導性で高いフィルム強度を有していることがわかった。
【0059】
[比較例1]
米国特許第5296318号に記載されている高分子固体電解質の形成方法に従い、膜厚100μmのフィルム状固体電解質を作製した。方法は、VdF/HFPコポリマー[Atochem Kyner FLEX 2801(商品名)]5.0gとメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(Mn=273)2.0g、ポリエチレングリコールジアクリレート(Mn=214)1.0g及びLiClO40.5gを50mlのテトラヒドロフランに溶解混合した後、テフロンシャーレ内に流延した。この試料をアルゴン気流下、室温で約20時間静置して過剰な溶媒を除去した後、更に80℃で2時間加熱乾燥した。しかしながら、Atochem Kyner FLEX 2801とポリアルキレンオキサイドが全く相溶化しなかったため、マクロな相分離が発生し、完全に固化しない半固形状フィルムしか得ることができなかった。
【0060】
[比較例2]
比較例1で作製した半固形状フィルムを加速電圧200kV、線量10Mrad.の電子線を照射したところ、マクロな相分離が生じたままの不均質なフィルムが得られた。また50Mrad.以上の電子線線量では、Atochem Kyner FLEX 2801の分解反応が進行し、フッ素ガスが発生した。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、優れたフィルム強度と高イオン伝導性及びフィルムへの成形、加工性の良好な、大型二次電池等として好適に用いられる架橋型高分子固体電解質が得られる。
Claims (5)
- 一般式Iで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖Aと、一般式IIで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖B及び/又は一般式IIIで表わされる繰り返し単位からなるブロック鎖Cから構成されるブロック−グラフト共重合体に、一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加し、この反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させることを特徴とする架橋型高分子固体電解質の製造方法。
- 請求項1において、一般式Iで表わされる繰り返し単位からなる少なくとも1種の重合度10以上のブロック鎖Aと、一般式IIで表わされる繰返し単位からなる少なくとも1種の重合度300以上のブロック鎖Bとから構成される、ブロック鎖Aとブロック鎖Bの構成比(重合度比)が1:30〜30:1である重合度310以上のブロック−グラフト共重合体に、一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加し、この反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させることを特徴とする架橋型高分子固体電解質の製造方法。
- 請求項1において、一般式Iで表わされる繰り返し単位からなる少なくとも1種の重合度10以上のブロック鎖Aと、一般式IIIで表わされる繰返し単位からなる少なくとも1種の重合度200以上のブロック鎖Cとから構成される、ブロック鎖Aとブロック鎖Cの構成比(重合度比)が1:20〜20:1である重合度210以上のブロック−グラフト共重合体に、一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加し、この反応性ポリアルキレンオキサイドを架橋反応させることを特徴とする架橋型高分子固体電解質の製造方法。
- 電子線を照射することにより架橋反応させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の架橋型高分子固体電解質の製造方法。
- 一般式IVで表わされる反応性ポリアルキレンオキサイドとして、1官能性ポリアルキレンオキサイドと2官能性ポリアルキレンオキサイドとを併用した請求項1乃至4のいずれか1項記載の架橋型高分子固体電解質の製造方法。
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