JP3392687B2 - ブロック−グラフト共重合体およびこれを用いて作製した高分子固体電解質 - Google Patents

ブロック−グラフト共重合体およびこれを用いて作製した高分子固体電解質

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JP3392687B2 JP05410097A JP5410097A JP3392687B2 JP 3392687 B2 JP3392687 B2 JP 3392687B2 JP 05410097 A JP05410097 A JP 05410097A JP 5410097 A JP5410097 A JP 5410097A JP 3392687 B2 JP3392687 B2 JP 3392687B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M6/00Primary cells; Manufacture thereof
    • H01M6/14Cells with non-aqueous electrolyte
    • H01M6/18Cells with non-aqueous electrolyte with solid electrolyte
    • H01M6/181Cells with non-aqueous electrolyte with solid electrolyte with polymeric electrolytes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一次電池素子、二
次電池素子として有用な高分子固体電解質、特にフィル
ム状ポリマーバッテリーに最適な高分子固体電解質に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より研究開発されている固体電解質
としては、β−アルミナ、Li2 TiO3 、RbAg4
5 、AgIあるいはリンタングステン酸といったいわ
ゆる無機系材料が広く知られている。しかし、無機系材
料は、1)比重が重い、2)任意の形状に成形できな
い、3)柔軟で薄いフィルムが得られない、4)室温で
のイオン伝導性が低い等の欠点があり、実用上の問題と
なっている。
【0003】近年、上記の欠点を改良する材料として、
有機系材料が注目されている。有機系の一般的な組成
は、ポリアルキレンオキサイド、シリコーンゴム、フッ
素樹脂またはポリホスファゼン等のマトリックスとなる
高分子に、LiClO4 、LiBF4 等のキャリアとな
る電解質(主に無機塩類)を混合、溶解させた高分子固
体電解質から構成されている。このような高分子固体電
解質は、無機系材料に比較して軽量で柔軟性があり、フ
ィルムへの加工、成形が容易であるという特徴を有して
いるが、ここ数年、これらの特徴を維持しつつ、より高
いイオン伝導度を発現する高分子固体電解質を得るため
の研究開発が活発に行われている。
【0004】現在のところ、より高いイオン伝導性を付
与する手法として、最も効果的なものは、従来よりリチ
ウムイオン電池として使用されてきた、非プロトン系有
機電解液を高分子固体電解質になんらかの方法で吸収さ
せ、ゲル状の固体電解質として利用する技術である
(M.Armand,Solid States Io
nics,69,pp.309〜319(1994)参
照)。このゲル状固体電解質のマトリックスとして使用
される高分子には、大別して、イ)ポリエーテル系、フ
ッ素樹脂等の直鎖状高分子、ロ)ポリアクリル酸系等の
架橋高分子の二種類がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記イ)直鎖状高分子
の応用例としては、I.E.Kelly et a
l.,J.Power Sources 14,pp.
13(1985)や米国特許第5,296,318号等
が挙げられるが、いずれの場合も高分子から電解液が漏
れ出したり、膜の強度が脆弱であったりした。また、マ
トリックスとなる高分子に対して電解液が可塑剤として
働くため、系の温度が少しでも上昇すると高分子自体が
電解液に溶けてしまう等の問題点があった。
【0006】他方、ロ)架橋型高分子では、電解液を加
えた液状モノマーを重合させて電解質を含む架橋高分子
とする方法(PCT/JP91/00362,国際公開
番号W091/14294)等が提案されているが、こ
の方法では、重合体の架橋度を高くすると、イオン伝導
度は極端に低下し、反対に架橋度を低くすると、今度は
重合体の固体強度(弾性率)が脆弱になり、十分な強度
を有する膜が得られないという問題があった。
【0007】また、前記イ)、ロ)のいずれの方法でも
高温時には電解液が揮散してしまうため、実用化が進め
られている電力平坦化用や電気自動車用等の高温(60
〜80℃)で作動する大型電池等に用いる高分子固体電
解質としては不満足な点が多かった。
【0008】一方、本出願人は、先に特許第18420
47号(a発明とする)において、本発明のモデルとな
るブロック−グラフト共重合体とその製造方法について
提案した。また、特許第1842048号(b発明とす
る)では、このブロック−グラフト共重合体のイオン伝
導度を高めるために、そのアルキレンオキサイドユニッ
トに対して0.05〜80モル%のLi、Na、K、C
s、Ag、CuおよびMgから選ばれる少なくとも1種
の元素を含む無機塩を混合させたブロック−グラフト共
重合体組成物を提案した。
【0009】特公平5−74195号公報(c発明とす
る)では、同様のブロック−グラフト共重合体のLi イ
オン塩との複合物を電解質として内蔵したLi 電池を、
また特開平3−188151号公報(d発明とする)で
は、これと同じブロック−グラフト共重合体の無機イオ
ン塩複合物にポリアルキレンオキサイドを添加してなる
ブロック−グラフト共重合体組成物を提案した。
【0010】上記(b)、(c)および(d)の発明で
は、得られたブロック−グラフト共重合体に、これを溶
解する有機溶剤を無機塩等と共に加えて溶解し、成形
後、有機溶剤を乾燥除去したものを高分子固体電解質と
して用いてきたが、いずれの高分子固体電解質も高温時
における電解液の保液性や機械的特性が十分ではなく、
改善の余地が残されていた。
【0011】従って、本発明の目的は、高分子系の固体
電解質に関して、特に高温時における電解液の保液性や
機械的強度に優れると共に、高イオン伝導性、成形性等
を兼ね備えた高分子固体電解質を提供しようとするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明の請求項1に記載した発明は、一般式
I、
【化5】 (ここに、R1 は水素原子、メチル基またはエチル基、
2 は水素原子またはメチル基、R3 はアルキル基、ア
リール基、アシル基、シリル基またはシアノアルキル
基、nは1〜100の整数であり、式中の一般式II、
【化6】 で示されるグラフト鎖の数平均分子量は45以上440
0以下である)で表される繰り返し単位から成る重合度
10以上の重合体のブロック鎖Aと、一般式III、
【化7】 (ここに、R4 は水素原子、メチル基またはエチル基、
5、R6、R7 はメチル基またはエチル基である)で表さ
れる繰り返し単位からなる重合度200以上の重合体の
ブロック鎖Bとから構成され、ブロック鎖Aとブロック
鎖Bの成分比が1:20〜20:1である重合度210
以上のブロック−グラフト共重合体である。
【0013】このブロック−グラフト共重合体を本発明
の高分子固体電解質の高分子マトリックスとして使用す
れば、ポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩か
ら成る電解液に対して膨潤、溶解せず、特に高温時にお
ける電解液の保液性、機械的強度、高イオン伝導性、成
形性等に優れた高分子固体電解質を得ることができる。
【0014】そして、前記ブロック−グラフト共重合体
に、非水系電解液として、一般式IV、
【化8】 (ここに、R8 は水素原子、炭素原子数1〜3のアルキ
ル基、アリール基、アシル基、シリル基またはシアノア
ルキル基、R9 は水素原子、メチル基またはエチル基、
mは1〜25整数でかつ数平均分子量は45以上120
0以下である)で表される繰り返し単位からなるポリア
ルキレンオキサイド、およびリチウム系無機塩とを添加
して高分子固体電解質を構成することができ(請求項
2)、この場合、前記リチウム系無機塩を、LiClO
4 、Li BF4 、Li PF6 、Li AsF6 、Li CF
3 SO3 およびLi N( CF3 SO2)2 から選択される
少なくとも一種の化合物とし、前記ブロック−グラフト
共重合体の一般式IIのアルキレンオキサイドユニット
に対して0.05〜10モル%添加するのが好ましい
(請求項3)。
【0015】このようにして選択した組成からなる非水
系電解液で高分子固体電解質を構成すれば、高温におい
ても電解液の漏出がなく、イオン伝導性の高い高分子固
体電解質とすることができる。
【0016】以下、本発明を詳細に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。本発明者らは、従
来のブロック−グラフト共重合体の欠点を改良して、高
温時の保液性、イオン伝導性、機械的強度、かつ成形性
に優れた高分子固体電解質を得るため、主としてブロッ
ク共重合体の強度保持成分であるブロック鎖Bの組成を
検討し、トリアルキルシリル基含有スチレン系誘導体を
導入すれば有効であることに着目し、本発明を完成させ
たものである。
【0017】先ず、本発明のブロック−グラフト共重合
体の構造と特性について述べる。本発明のブロック−グ
ラフト共重合体は、一般式I、
【化9】 (ここに、R1 は水素原子、メチル基またはエチル基、
2 は水素原子またはメチル基、R3 はアルキル基、ア
リール基、アシル基シリル基またはシアノアルキル基、
nは1〜100の整数であり、式中の一般式II、
【化10】 で示されるグラフト鎖の数平均分子量は45以上440
0以下である)で表される繰り返し単位から成る重合度
10以上の重合体のブロック鎖Aと、一般式III、
【化11】 (ここに、R4 は水素原子、メチル基またはエチル基、
5、R6、R7 はメチル基またはエチル基である)で表さ
れる繰り返し単位からなる重合度200以上の重合体の
ブロック鎖Bとから構成され、ブロック鎖Aとブロック
鎖Bの成分比が1:20〜20:1である重合度210
以上のブロック−グラフト共重合体である。
【0018】このブロック−グラフト共重合体は、夫々
一般式IおよびIIIで表される同種または異種の繰り
返し単位からなる重合体のブロック鎖AとBが、例え
ば、A11 、B111 、B112 、B11
211 というように任意に配列されてなるもので
ある。重合体のブロック鎖Aの重合度は10以上、同じ
くBの重合度は200以上であって、これから得られる
ブロック−グラフト共重合体の重合度は210以上のも
のである。
【0019】重合体のブロック鎖Aは、高分子電解質と
しての機能を果たす部分のため、重合度が10未満では
このポリマーの特徴であるミクロ相分離構造を示さず、
また、ブロック鎖Bは、強度(弾性)を保持する部分の
ため、重合度が200未満ではポリマーの機械的強度が
低下してしまう。ブロック鎖Aとブロック鎖Bの成分比
は、1:20〜20:1であることが必要で、これが
1:20未満ではグラフト成分が少な過ぎてイオン伝導
能が低下し、20:1を超えると逆にグラフト成分の影
響が大き過ぎて、重合体の機械的強度が保持できない。
【0020】このブロック−グラフト共重合体を得るに
は、例えば、下記一般式V、
【化12】 (式中R1 は前記に同じ)で表される繰り返し単位から
なる重合体のブロック鎖Cと、前記一般式IIIで表さ
れるくり返し単位からなる重合体のブロック鎖Bから構
成されている幹分子鎖となるブロック共重合体Tを合成
し、次に、このブロック共重合体Tが持つ側鎖のヒドロ
キシル基に、一般式RMe(ここに、Rはt−ブチルエ
ーテル、ジフェニルエチレン、ベンジル、ナフタレンま
たはクミル基、Meはナトリウム、カリウム、またはセ
シウム原子である)で表される有機アルカリ金属を反応
させてカルバニオン化し、これに下記一般式VI、
【化13】 (ここに、R2 は前記に同じ)で表されるアルキレンオ
キサイドを加えてグラフト鎖を成長させればよい。
【0021】この際、出発原料として用いられるブロッ
ク鎖BおよびCからなる幹高分子としてのブロック−グ
ラフト共重合体Tは、先ず、4−ヒドロキシスチレン、
4−(1−メチルエテニル)フェノール等で例示される
前記一般式Vで示される残基を含有するモノマー化合物
について、そのフェノール性水酸基をトリアルキル基や
トリアルキルシリル基で保護しておき、これとトリアル
キルシリルスチレン、あるいはα−アルキル−トリアル
キルシリルスチレン等のモノマー化合物をリビングアニ
オン重合法により重合し、次に酸等で加水分解すること
によって得ることができる。
【0022】この重合に用いられる開始剤には、n−ブ
チルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブ
チルリチウム等の有機金属化合物が例示されるが、これ
らの内では特に、sec−ブチルリチウムが好ましい。
この使用量は、仕込み化合物量と共に得られる重合体の
分子量を決定するので、所望の分子量に応じて決めれば
よい。また、開始剤濃度は、得られたブロック共重合体
Tを構成するブロック鎖Cの重合度が10以上あるの
で、通常は反応溶媒中で10-2〜10-4モル/リットル
になるように調整する。
【0023】重合は一般に有機溶媒中で行われるが、こ
れに使用される有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、n−ヘキサン、テトラヒドロフラン等のアニオン重
合用の溶媒が好ましい。重合に供するモノマー化合物の
濃度は、1〜10重量%が適切であり、重合反応は、圧
力10-5Torr以下の高真空下、または精製して水分
等の有害物質を除去したアルゴン、窒素等の不活性ガス
雰囲気中で、撹拌下に行うのが好ましい。
【0024】保護基の脱離は、ジオキサン、アセトン、
メチルエチルケトン、アセトニトリル等の溶媒中で加熱
下に塩酸または臭化水素酸等の酸を滴下することによっ
て容易に行うことができる。
【0025】このようにして得られたブロック共重合体
Tのヒドロキシル基のカルバニオン化は、これをテトラ
ヒドロフラン等の溶媒に、濃度が1〜30重量%、好ま
しくは1〜10重量%になるように溶解し、これに有機
アルカリ金属を加え、0〜40℃で30分〜6時間撹拌
することにより行われる。
【0026】この反応に用いられる有機アルカリ金属と
しては、例えば、t−ブトキシカリウム、ナフタレンカ
リウム、ジフェニルエチレンカリウム、ベンジルカリウ
ム、クミルカリウム、ナフタレンナトリウム、クミルセ
シウム等が挙げられるが、これらの内では特に、t−ブ
トキシカリウムが好ましい。
【0027】この反応の確認は、生成物をトリメチルシ
リルクロライドと反応させた後、メタノール中で沈殿さ
せて精製後、乾燥して単離した試料を、1 H−NMRに
よってヒドロキシル基の消滅、トリメチルシリル基の増
加量を測定することにより行うことができ、有機アルカ
リ金属のヒドロキシル基への反応を定量的に把握でき
る。また、GPC溶出曲線によって、ブロック鎖が架橋
や分解反応を受けていないことも確認できる。
【0028】カルバニオン化したブロック共重合体T
は、次に前記一般式VIで示されるアルキレンオキサイ
ド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド等を蒸気状あるいは液状で加え、40〜80℃で5〜
48時間撹拌すると、ブロック−グラフト共重合体を得
ることができる。アルキレンオキサイドをグラフト化し
た重合溶液は、これを水中に注ぐとブロック−グラフト
共重合体が沈殿し、それをろ過、乾燥して単離する。
【0029】このブロック−グラフト共重合体のキャラ
クタリゼーションは、膜浸透圧計で数平均分子量を測定
し、赤外吸収スペクトル、1 H−NMR、13C−NMR
で構造や組成を決定し、その結果からグラフト鎖の重合
度を決定することができる。また、GPC溶出曲線で、
目的物が単離できているか否かの判断と分子量分布を推
定することができる。
【0030】この幹分子となるブロック共重合体Tの重
合およびこれのグラフト鎖成長のための反応は、通常有
機溶媒中で行われるが、これに使用できる有機溶媒の例
としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テトラヒ
ドロピラン、ベンゼン等が挙げられる。また重合停止剤
としては、例えば、ヨウ化メチル、ベンジルクロライ
ド、トリシリルメチルクロライド等を挙げることができ
る。
【0031】グラフト鎖の長さの制御は、ブロック−グ
ラフト共重合体に含まれるブロック鎖Cのモル数と、カ
ルバニオン化するときの有機アルカリ金属の量と、アル
キレンオキサイドの量とで決定される。すなわち、有機
アルカリ金属の量は、ブロック鎖Cのモル数を超えては
ならず、また、グラフト鎖の長さは、下記数式で表さ
れる。 (アルキレンオキサイドのモル数/有機アルカリ金属のモル数)× アルキレ ンオキサイドの分子量・・・・
【0032】例えば、グラフト鎖の長さが数平均分子量
で2000のブロック−グラフト共重合体を製造するに
は、ブロック鎖Cを7×10-3モル含むブロック−グラ
フト共重合体に、有機アルカル金属を5×10-3モル加
えてカルバニオン化した後、アルキレンオキサイド22
gを加えればよい。また、グラフト鎖の長さが数平均分
子量で45のブロック−グラフト共重合体を製造するに
は、上記各成分を全て等モルにすればよい。さらに数平
均分子量が45〜4400のものでは、その中間を任意
に選択することにより達成される。
【0033】本発明の高分子固体電解質は、このように
して得られたブロック−グラフト共重合体に、非水系電
解液として、一般式IV、
【化14】 (ここに、R8 は水素原子、炭素原子数1〜3のアルキ
ル基、アリール基、アシル基、シリル基またはシアノア
ルキル基、R9 は水素原子、メチル基またはエチル基、
mは1〜25整数でかつ数平均分子量は45以上120
0以下である)で表される繰り返し単位からなるポリア
ルキレンオキサイド、およびリチウム系無機塩とを添加
することで得られる。
【0034】上記ブロック−グラフト共重合体に添加さ
れるポリアルキレンオキサイドは、該共重合体のグラフ
ト鎖に対しては非常に高い相溶性を持つものの、ブロッ
ク鎖B(機械的強度を保持する部分)には非相溶で、高
い誘電率と極く低い蒸気圧(n=8以上では蒸気圧は実
質的に零)を有し、しかもリチウム系無機塩類に対する
溶解性、イオン解離能等に優れた非水系電解液を形成す
るもので、本発明の高分子固体電解質中では、グラフト
鎖に働く強い浸透圧によって液体状態のまま安定に保持
される。
【0035】このようなポリアルキレンオキサイドに
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエ
チレングリコールジプロピルエーテルおよびこれら化合
物のエチレングリコール構造をプロピレングリコール構
造に置き換えた化合物が挙げられ、その1種または2種
以上の組み合わせで使用される。
【0036】そして、ここに添加されるリチウム系無機
塩としては、LiClO4 、Li BF4 、Li PF6
Li AsF6 、Li CF3 SO3 およびLi N( CF3
SO2)2 等が挙げられ、これらから選択される1種また
は2種以上の組み合わせで使用される。
【0037】このリチウム系無機塩の添加量は、前記ブ
ロック−グラフト共重合体の一般式IIで表されるアル
キレンオキサイドユニットに対して0.05〜10モル
%とするのがよく、前記ポリアルキレンオキサイドに対
する塩濃度は、0.1〜5モル/リットル、好ましくは
0.5〜3モル/リットルである。0.1モル/リット
ル未満では電極中のイオンキャリア数が少なくなり、電
極利用率が低下する。
【0038】また、このポリアルキレンオキサイドとリ
チウム系無機塩とからなる非水系電解液の、ブロック−
グラフト共重合体に対する添加割合は、20重量%以
上、特には100〜300重量%が好ましい。
【0039】ブロック−グラフト共重合体へのリチウム
系無機塩とポリアルキレンオキサイドの配合方法には特
に制限はなく、例えば、ブロック−グラフト共重合体に
リチウム系無機塩とポリアルキレンオキサイドとを添加
して、常温または加熱下に機械的に混練する方法、ブロ
ック−グラフト共重合体とリチウム系無機塩とを共通の
良溶媒に溶解した後、成膜し、得られた膜をポリアルキ
レンオキサイドに浸漬する方法等任意に選択することが
できる。特に後者の方法は、ブロック−グラフト共重合
体の保持できるポリアルキレンオキサイドの飽和量がグ
ラフト鎖の組成により一義的に決まるため、膜状の高分
子固体電解質を調整するのに簡便で再現性の高い方法と
いえる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、実施例中のブロック共重合
体は各成分を「−b−」でつないで、 例えばポリ−p−
トリメチルシリルスチレン、 ポリ−p−ヒドロキシスチ
レン、 ポリ−p−トリメチルシリルスチレンの3成分3
元ブロック共重合体を、「ポリ(p−トリメチルシリル
スチレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p−トリ
メチルシリルスチレン)」と表わし、グラフト共重合体
は各成分を「−g−」でつないで、 例えばポリ−p−ト
リメチルシリルスチレン、 ポリ−p−ヒドロキシスチレ
ン、 ポリ−p−トリメチルシリルスチレンの3成分3元
ブロック共重合体とポリエチレンオキサイドとのブロッ
ク−グラフト共重合体を、「ポリ[p−トリメチルシリ
ルスチレン−b−(p−ヒドロキシスチレン−g−エチ
レンオキサイド)−b−p−トリメチルシリルスチレ
ン]」と表記する。
【0041】
【実施例】
(実施例1−1)[ポリ(p−トリメチルシリルスチレ
ン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p−トリメチル
シリルスチレン)・・・幹高分子鎖となるブロック共重
合体Tの合成] 10-5Torrの高真空下でテトラヒドロフラン250
ml中に開始剤としてsec−ブチルリチウムの1.9
×10-4モルを仕込んだ。この混合溶液を−78℃に保
ち、テトラヒドロフラン100mlで希釈した10.4
gのp−トリメチルシリルスチレンを添加して、30分
間撹拌しながら重合させた。この反応溶液は赤色を呈し
た。次に、テトラヒドロフラン85mlで希釈したp−
tert−ブトキシスチレンを9.9g加えて30分
間、撹拌下で重合させた。この溶液は黄色を呈した。こ
れにテトラヒドロフラン95mlで希釈したp−トリメ
チルシリルスチレンを10.3g加え、さらに30分
間、撹拌下で重合させた。このとき溶液は、再度赤色を
呈した。重合終了後、反応混合物をメタノール中に注
ぎ、得られた重合物を沈殿させた後、分離し、乾燥して
30.6gの重合体を得た。
【0042】この重合体のGPC溶出曲線は、単峰性で
あり、分子量分布(Mw/Mn)も1.09と極めて高
い単分散性を示した。膜浸透圧法により測定した数平均
分子量は16.3×104 g/モルであり、また赤外吸
収スペクトル、および 1H−NMRの分析結果は、以下
の通りであった。 赤外吸収スペクトル(極大吸収波数: /cm、KB
r);2954、2925、1600、1506、14
50、1400、1365、1247、1162、11
14、854、835、755、725、1 H−NMR(CDCl3 ); 0.1〜0.3ppm:(s,9H,−Si(CH3
3 ) 1.2〜1.4ppm:(s,9H,−C(CH3
3 ) 1.0〜2.1ppm:(ブロード,3H,−CH2
CH) 6.2〜6.8ppm:(ブロード,4H,−Si−C
64 ) 7.0〜7.4ppm:(ブロード,4H,−O−C6
4
【0043】これらの結果から、得られた重合体がポリ
(p−トリメチルシリルスチレン−b−p−tert−
ブトキシスチレン−b−p−トリメチルシリルスチレ
ン)であることが確認された。また、各モノマーの重合
度は、両末端のp−トリメチルシリルスチレンが、夫々
310、p−tert−ブトキシスチレンが300、総
計920であった。
【0044】次に、得られたトリブロック共重合体をア
セトンに溶解し、塩酸を用いて還流下6時間の加水分解
を行うことにより、p−トリメチルシリルスチレン34
部/p−ヒドロキシスチレン32部/p−トリメチルシ
リルスチレン34部からなるポリ(p−トリメチルシリ
ルスチレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p−ト
リメチルシリルスチレン)を合成した。このトリブロッ
ク共重合体の赤外吸収スペクトルおよび 1H−NMRの
分析結果は、以下の通りであった。 赤外吸収スペクトル(極大吸収波数: /cm、KB
r);3300、3010、2945、1600、15
06、1448、1400、1247、1162、85
2、836、755、725、1 H−NMR(1,4−Dioxane−d8); −0.1〜0.1ppm:(s,9H,−Si(CH
33 ) 0.9〜2.1ppm:(ブロード,3H,−CH2
CH) 6.1〜6.5ppm:(ブロード,4H,−Si−C
64 ) 6.8〜7.2ppm:(ブロード,4H,−O−C6
4
【0045】なお、このポリ(p−トリメチルシリルス
チレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p−トリメ
チルシリルスチレン)におけるp−トリメチルシリルス
チレン/p−ヒドロキシスチレン/p−トリメチルシリ
ルスチレンの組成比と分子量は、各モノマーの仕込み量
と開始剤の濃度とから任意に選択することができる。
【0046】(実施例1−2)[ポリ(p−トリメチル
シリルスチレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p
−トリメチルシリルスチレン)・・・幹高分子鎖となる
ブロック共重合体Tの有機アルカリ金属によるカルバニ
オン化] 前記実施例1−1で得られたポリ(p−トリメチルシリ
ルスチレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p−ト
リメチルシリルスチレン)の7.9gを高真空下で40
0mlのテトラヒドロフランに溶解した。この溶液に4
0℃で0.017モルのtert−ブトキシカリウムを
加えた。この溶液を1時間撹拌後、さらに0.17モル
のヨウ化メチルを加えて反応させた後、反応液をメタノ
ール中に注ぎ、得られた重合体を沈殿させて分離した。
【0047】この重合体を 1H−NMRで分析したとこ
ろ、ヒドロキシル基のピークが消失し、メトキシ基のピ
ークが増加していることを確認した。また、GPCの溶
出曲線から求められた分子量分布(Mw/Mn=1.0
9)は、カルバニオン化以前と変わらなかった。以上の
結果から、ブロック共重合体のヒドロキシル基のカルバ
ニオン化反応は定量的に進行し、主鎖の切断や架橋等の
副反応を生じていないことが明らかとなった。
【0048】(実施例1−3)[エチレンオキサイドに
よるポリ(p−トリメチルシリルスチレン−b−p−ヒ
ドロキシスチレン−b−p−トリメチルシリルスチレ
ン)からのブロック−グラフト共重合体の合成] 前記実施例1−1で得られたポリ(p−トリメチルシリ
ルスチレン−b−p−ヒドロキシスチレン−b−p−ト
リメチルシリルスチレン)の8.0gを10-5Torr
の高真空下で390mlのテトラヒドロフランに溶解し
た。この溶液に25℃で8.5ミリモルのtert−ブ
トキシカリウムを加えて1時間撹拌後、エチレンオキサ
イド13.2gを添加した。これを70℃に保ち、20
時間撹拌を続けた。その後、ヨウ化メチルを加えて重合
を停止させてから、反応液を水中に注ぎ、重合体を沈殿
分離し、乾燥して、21.2gの重合体を得た。
【0049】この重合体のGPC溶出曲線は、単峰性で
対称性がよく、分子量分布(Mw/Mn)も1.1と極
めて狭い単分散性を示したことにより、これが単一の重
合体であることを確認した。また、光散乱測定により、
数平均分子量は44×104g/モルであり、さらに赤
外吸収スペクトルおよび図1に示す13C−NMR測定の
結果は、幹分子であるp−ヒドロキシスチレンへのグラ
フト化率はほぼ100%であり、ポリエチレンオキサイ
ドの組成は63%、グラフト鎖の重合度が21(数平均
分子量は924g/モル)であることを確認した。 赤外吸収スペクトル(極大吸収波数/cm、KBr);
3438、3081、2919、1600、1511、
1492、1452、1351、1247、1125、
950、838、757、725、13 C−NMR(THF−d8)による測定結果は、図
1に示す。
【0050】このブロック−グラフト共重合体を、1、
4−ジオキサンに溶解して成膜したフィルムを染色剤で
あるオスミウム酸で処理し、撮影した電子顕微鏡写真を
図2に示した。オスミウム酸はグラフト鎖であるポリエ
チレンオキサイドのみを選択的に染色するので、図中黒
い相が染色されたポリエチレンオキサイド相(グラフト
鎖)、白い相が染色されなかったポリ−p−トリメチル
シリルスチレン相(幹分子鎖)に対応する。すなわち、
このフィルムはポリエチレンオキサイド相が「マトリッ
クス」で、ポリ−p−トリメチルシリルスチレン相が
「球」という明確なミクロ相分離構造を形成しているこ
とがわかる。
【0051】また、このフィルムのガラス転移温度(T
g)や融解点(Tm)を知るために、示差走査熱量計D
SC−20(セイコー電子工業社製商品名)による熱容
量測定を行った。その結果、p−トリメチルシリルスチ
レンのTgは、115℃と観測されたが、ポリエチレン
オキサイドのTmは見つからず、逆に−43℃付近に明
確なTgの存在することが明らかとなった。このこと
は、グラフト鎖であるポリエチレンオキサイドが結晶化
しておらず、全てアモルファス状態であることを示唆し
ている。さらに、示差熱天秤(TG/DTA)を用いた
熱分析では、この共重合体の加熱減量は300℃まで全
く観測されず、非常に熱安定性のよいことがわかった。
305℃からは急激な熱分解が始まり、450℃で完全
に炭化した。
【0052】(実施例1−4)[高分子固体電解質の作
製とその評価] このようにして得られたブロック−グラフト共重合体
3.0gとLiClO40.6gを60mlの1、4−
ジオキサンに溶解した後、テフロン板上に流延した。次
いでアルゴンガス気流下、室温で24時間静置して過剰
の溶媒を除去した後、さらに90℃で24時間減圧乾燥
し、厚さ約30μmの薄膜を得た。次にこの薄膜を1モ
ル/リットルのLiClO4 を溶解したポリエチレング
リコールジメチルエーテル(Mn=350)中に1時間
浸漬した後取り出し、80℃で24時間乾燥した。
【0053】このようにして得られた高分子固体電解質
薄膜は、ブロック−グラフト共重合体の自重に対して2
00重量%のポリエチレングリコールジメチルエーテル
を含有しているにも拘らず、強靱で動的粘弾性試験機R
SA−II(Rheometric Inc.社製商品
名)による弾性率は、2.2×107 dyne/cm2
以上を示した。また、本高分子固体電解質薄膜を50k
g/cm2 の荷重で圧縮しても、内部に添加されたポリ
エチレングリコールジメチルエーテルは滲出しなかっ
た。
【0054】示差熱天秤を用いた熱分析では、この薄膜
の重量減少は170℃まで皆無であり、非常に高い熱安
定性を示すと共に、高温においても揮発成分が発生しな
いため、極めて安全性の高い高分子固体電解質といえ
る。また、この膜を直径10mmの円板状に切り出し、
両面にリチウム極板を挟んで電極を形成し、周波数5H
z〜5MHzの交流インピーダンス測定装置:マルチフ
リクェンシーLCRXメーター:モデル4192A(横
河ヒューレットパッカード社製商品名)を用い、複素イ
ンピーダンス法によりイオン伝導度を算出した。その結
果、25℃で1.4×10-4S/cm、80℃では1.
0×10-3S/cmの値を得た。
【0055】(実施例2〜9)[異なる種類のポリアル
キレンオキサイドとリチウム系無機塩を添加した高分子
固体電解質とその評価] 実施例1−4において、ポリアルキレンオキサイドとリ
チウム系無機塩を表1に示したように変えた他は、同様
の条件で高分子固体電解質を作製し、同様の試験をして
評価し、その結果を表1に併記した。
【0056】
【表1】
【0057】これより、本発明の高分子固体電解質で
は、多量のポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機
塩を含有しているにも拘らず、膜強度は殆ど低下せず、
また高いイオン伝導度を示すことがわかった。
【0058】(実施例10〜14)[異なるグラフト鎖
を持つブロック−グラフト共重合体とこれらから作製し
た高分子固体電解質の評価] 実施例1−3において、添加するエチレンオキサイドの
量を変えて表2に示す組成のグラフト鎖を持ったブロッ
ク−グラフト共重合体を合成し、非水系電解液として表
3に示したポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機
塩とに変えた他は、同様にして高分子固体電解質を作製
し、同様の試験をして評価結果を表3に併記した。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】(比較例1)米国特許第5,296,31
8号に記載の高分子固体電解質の形成方法に従い、膜厚
100μmのフィルム状固体電解質を作製した。ポリマ
ーはKynarFLEX2801(Atochem社製
商品名)1.5gと1モル/リットルのLiPF6 を溶
解したプロピレンカーボネート1.5gを9gのテトラ
ヒドロフランに溶解、混合した後、テフロン製シャーレ
上にキャストし、室温下で10時間放置することにより
膜厚100μmのフィルムを得た。このフィルムをガラ
ス板上に半日程放置したところ、フィルムの内から電解
液のプロピレンカーボネートが流出した。
【0062】(比較例2)比較例1で作製したフィルム
を60℃の恒温槽内に3日間保存したところフィルムの
重量が20%減少した。これに伴い、イオン伝導度も6
×10-4S/cm(25℃)から7×10-5S/cmに
悪化した。
【0063】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0064】例えば、上記説明では、本発明の高分子固
体電解質を二次電池素子として使用するものとして説明
したが、本発明は、一次電池、コンデンサー、エレクト
ロクロミックディスプレイまたはセンサー等の各種固体
電気化学素子に用いても有効であることは言うまでもな
い。
【0065】
【発明の効果】本発明の高分子固体電解質は、その構成
要素である新規組成のブロック−グラフト共重合体が、
1)明確なミクロ相分離構造を示す、2)機械的強度の
高い幹分子が疑似架橋構造を形成し、構造保持の役目を
果たすと共に材料強度を高める、3)グラフト成分が比
較的低分子でも連続相を形成し、金属イオンの通路を確
保する、4)グラフト成分が相溶化剤としての機能を有
するため、フィルム内に大量の電解液成分を安定に保持
できる、5)系内に揮発成分を含有しないため、高温時
の熱安定性に優れ、かつ安全性が高い、等の諸特性を有
している。
【0066】従って、本発明のブロック−グラフト共重
合体にポリアルキレンオキサイドとリチウム系無機塩か
らなる非水系電解液を添加した高分子固体電解質を電力
平坦用や電気自動車等の高温で作動するリチウムイオン
二次電池に応用すると、電池の小型化、薄膜化に非常に
有効であると共に、極めて安全性の高い電池を作製する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1−3で得られたブロック−グ
ラフト共重合体の13C−NMRスペクトルを表わす図面
である。
【図2】本発明の実施例1−3で得られたブロック−グ
ラフト共重合体から成膜したフィルムを染色処理して組
成を示した透過型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 敦志 長岡市左近町133−5 (56)参考文献 特開 平8−241734(JP,A) 特開 平7−109321(JP,A) 特開 平8−20704(JP,A) 特開 平2−229826(JP,A) 特開 平5−320281(JP,A) 特開 平5−120912(JP,A) 特開 平10−223042(JP,A) 特開 平10−208545(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/00 - 297/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I、 【化1】 (ここに、R1 は水素原子、メチル基またはエチル基、
    2 は水素原子またはメチル基、R3 はアルキル基、ア
    リール基、アシル基、シリル基またはシアノアルキル
    基、nは1〜100の整数であり、式中の一般式II、 【化2】 で示されるグラフト鎖の数平均分子量は45以上440
    0以下である)で表される繰り返し単位から成る重合度
    10以上の重合体のブロック鎖Aと、一般式III、 【化3】 (ここに、R4 は水素原子、メチル基またはエチル基、
    5、R6、R7 はメチル基またはエチル基である)で表さ
    れる繰り返し単位からなる重合度200以上の重合体の
    ブロック鎖Bとから構成され、ブロック鎖Aとブロック
    鎖Bの成分比が1:20〜20:1である重合度210
    以上のブロック−グラフト共重合体。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のブロック−グラフ
    ト共重合体に、一般式IV、 【化4】 (ここに、R8 は水素原子、炭素原子数1〜3のアルキ
    ル基、アリール基、アシル基、シリル基またはシアノア
    ルキル基、R9 は水素原子、メチル基またはエチル基、
    mは1〜25の整数で、数平均分子量は45以上120
    0以下である)で表される繰り返し単位からなるポリア
    ルキレンオキサイド、およびリチウム系無機塩を添加し
    て成る高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】 前記リチウム系無機塩が、LiClO
    4 、Li BF4 、Li PF6 、Li AsF6 、Li CF
    3 SO3 、およびLi N( CF3 SO2)2 から選択され
    る少なくとも一種の化合物であり、前記ブロック−グラ
    フト共重合体中のアルキレンオキサイドユニット(一般
    式II)に対して0.05〜10モル%添加して成る請
    求項2に記載の高分子固体電解質。
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