JP4516528B2 - 高分子固体電解質 - Google Patents
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Description
また、ポリマー主鎖中の繰り返し単位中に、水素結合性官能基を有するイオン導電性ポリマー又は水素結合性官能基を有するイオン導電性環状化合物に、水素結合部位を有する低分子化合物と水素結合を形成した化合物を含有させると、ポリマーの連鎖構造の制御とイオン伝導度が向上することが開示されている。そして、そこでは、低分子化合物として、水酸基、カルボキシ基、アミノ基を有する化合物が開示されている。(WO02/40594号公報を参照)
しかしながら、この文献に記載された高分子固体電解質は、イオン導電性と形状安定性の両方ともが実用的に満足する特性を有するものではなかった。
したがって、優れたイオン導電性と形状安定性を兼備した、新しい高分子固体電解質の開発が求められていた。
(1)イオン導電性部位を有する重合体、ウレタン結合、チオウレタン結合、ウレイド結合、イミド結合及びアミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を分子内に有する添加剤、並びに電解質塩を含む高分子固体電解質であって、前記イオン導電性部位が、式(II)
(2)前記イオン導電性部位が、式(I)
(3)前記イオン導電性部位が、前記式(II)中、Zがエステル結合である繰り返し単位を有することを特徴とする(1)または(2)の高分子固体電解質。
(4)前記式(II)で表される繰り返し単位の重合度が5以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの高分子固体電解質、
(5)前記イオン導電性部位が、前記式(II)中、mが5〜100の整数である繰り返し単位を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの高分子固体電解質、
(6)前記イオン導電性部位を有する重合体が、架橋構造を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの高分子固体電解質、
(7)前記架橋構造が、ウレタン結合、ウレア結合及びエーテル結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を含む構造であることを特徴とする(6)の高分子固体電解質、
(8)前記架橋構造が、架橋部位と反応して、ウレタン結合、ウレア結合又はポリエーテル結合を生成し得る架橋剤と反応させて得られた構造であることを特徴とする(6)又は(7)の高分子固体電解質、
(9)前記イオン導電性部位を有する重合体の数平均分子量が、5,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの高分子固体電解質、
(10)前記電解質塩が、アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩及びプロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかの高分子固体電解質、
(11)前記電解質塩が、リチウム塩であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかの高分子固体電解質、
(12)前記添加剤が、分子量2,000以下の化合物であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかの高分子固体電解質が提供される。
本発明の高分子固体電解質は、イオン導電性部位を有する重合体、ウレタン結合、チオウレタン結合、ウレイド結合、イミド結合及びアミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を分子内に有する添加剤、並びに電解質塩を含むことを特徴とする。
本発明に用いるイオン導電性部位を有する重合体は、分子内に、電解質塩由来のイオンを導電する機能を有する部位(イオン導電性部位)を有するものであれば特に制約されないが、前記イオン導電性部位が、酸素原子を介して電解質塩と相互作用できる構造を有するものであるのが好ましい。
前記式(I)中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。
前記式(II)中、R3〜R5は、それぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表す。
R3〜R5の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;等が挙げられる。炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、入手容易性の観点から、炭素数は1〜10が好ましい。
また、R3とR5は結合して環を形成してもよい。
二価以上の連結基としては、結合手を2以上有する官能基であれば特に限定されないが、具体的には、エステル基;メチレン基、エチレン基等のアルキレン基;カルボニル基;スルホニル基;−O−;−NH−;−S−;等が挙げられる。これらの中でも、単結合、又はエステル基、カルボニル基、スルホニル基等の電子吸引基が好ましく、エステル基が特に好ましい。
R13は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基等の炭化水素基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基;トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等のシリル基;等を表す。
各繰り返し単位におけるmの値は、同一であっても相異なっていてもよい。また、式(II)で表される繰り返し単位の重合度は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数は2〜100)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの単位数は2〜100)(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、「ブレンマーPMEシリーズ」〔式(II)においてR3=R4=R11=R12=水素原子、R5=R13=メチル基、Z:−C(=O)O−基であり、m=2〜90に相当する単量体〕(日本油脂(株)製)、アセチルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンゾイルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチルシリルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、t−ブチルジメチチルシリルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールシクロヘキセン−1−カルボキシレート、メトキシポリエチレングリコール−シンナメート。
R6〜R8は、それぞれ独立して水素原子又は炭化水素基を表す。炭化水素基としては、前記式(II)のR3〜R5で例示した化合物と同一のものを例示することができる。
R6〜R8の炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、炭素数は1〜10であるのが好ましい。また、R6とR8は、一緒になって結合して環を形成してもよい。
R9はアリール基を表し、ヘテロアリール基であってもよい。そのような置換基として、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基;2−ピリジル基、4−ピリジル基等のヘテロアリール基;等が挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、1−ビニルナフタレン、9−ビニルアントラセン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、桂皮酸メチル等。
このような不飽和単量体から誘導される繰り返し単位として、具体的には、以下に示す不飽和単量体の一種又は二種以上から誘導されるものが挙げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸1−メチレンアダマンチル、(メタ)アクリル酸1−エチレンアダマンチル、(メタ)アクリル酸3,7−ジメチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ノルボルナン、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸3−オキソシクロヘキシル、t−ブチルジメチチルシリルオキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールシクロヘキセン−1−カルボキシレート、メトキシポリエチレングリコール−シンナメート。
本発明の高分子固体電解質は、上述したイオン導電性部位を有する重合体に、後述する電解質塩に加えて、ウレタン結合、チオウレタン結合、ウレイド結合、イミド結合及びアミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を分子内に有する添加剤を含有することを特徴とする。添加剤を添加することで、優れたイオン導電性と形状安定性を兼備した高分子固体電解質を得ることができる。
このような化合物としては、ウレタン結合、チオウレタン結合、ウレイド結合、イミド結合、及びアミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を分子内に有するウレタン化合物、チオウレタン化合物、ウレア化合物、イミド化合物、アミド化合物等が挙げられる。
本発明に用いるイオン導電性部位を有する重合体の製造方法は特に制限されず、(a)ラジカル重合法、(b)遷移金属錯体を触媒とし、ハロゲン原子を1又は複数含む有機ハロゲン化合物を重合開始剤とするリビングラジカル重合法、(c)安定ラジカルによるリビングラジカル重合法、(d)リビングアニオン重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。これらの中でも、(b)の遷移金属錯体を触媒とし、ハロゲン原子を1又は複数含む有機ハロゲン化合物を重合開始剤とするリビングラジカル重合法が好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2以上のエポキシ基を含むエポキシ化合物;
トリエチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン等のポリフェノール類、ジシアンアミド、ポリアミド樹脂等のエポキシ樹脂用硬化剤として用いられている化合物;三フッ化ホウ素アミンコンプレックス、各種オニウム塩等の硬化剤;等が挙げられる。
また、その他として、酸無水物類、ポリフェノール類を架橋剤として用いることができる。
用いる電解質塩としては、特に限定されるものではなく、例えば、アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、プロトン酸等が挙げられる。
電解質塩としては、電荷でキャリアーとしたいイオンを含んだ電解質を用いればよいが、硬化して得られる高分子固体電解質中での解離定数が大きいことが望ましく、アルカリ金属塩、(CH3)4NBF6等の4級アンモニウム塩、(CH3)4PBF6等の4級ホスホニウム塩、AgClO4等の遷移金属塩あるいは塩酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸等のプロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩又は遷移金属塩の使用が好ましく、アルカリ金属塩がさらに好ましく、リチウム塩が特に好ましい。
ここで、溶媒を含んだ状態とは、溶媒が完全に除去される前の状態であり、キャスト、又は塗布した溶液中に占める固形分に対して、10〜50重量%、さらに15〜30重量%の範囲で溶媒が残存しているのが好ましい。加熱する温度は特に制限されないが、ガラス転移点温度付近又はそれ以上が好ましい。
(ア)重合体と所望により架橋剤を熱等を用いて部分的に架橋させた後、添加剤並びに電解質塩を添加して、完全に架橋させて、固化させる方法、
(イ)架橋条件の異なる2種以上の重合体及び1種以上の架橋剤を、一方の重合体のみが架橋する条件下で架橋させた後、添加剤並びに電解質塩を添加して、他方の重合体が架橋する条件下で架橋、固化させる方法、
(ウ)架橋条件の異なる2種以上の重合体、1種以上の架橋剤、添加剤並びに電解質塩を添加して、一方の重合体のみが架橋する条件下で架橋させた後、他方の重合体が架橋する条件下で架橋、固化させる方法、等を採用することもできる。
特に、高分子固体電解質をシート状、膜状、フイルム状等の形状に成形するのが好ましく、固体電解質シートを製造する場合には、高分子固体電解質用組成物をシート状、膜状、フイルム状等の形状に成形した後、架橋させてシート状架橋重合体(高分子固体電解質シート)とするのが好ましく、この場合、加工面の自由度が広がり、応用上の大きな利点となる。
用いるキャリアーとしては、高分子固体電解質シートを担持できるものであれば、材質、大きさ、形状等は特に制約されない。なかでも、ポリテトラフルオロエチレン製等の耐薬品性、耐熱性及び剥離性に優れるものが望ましい。
高分子固体電解質用組成物の溶液をキャリアー上に塗布する方法は、特に制限されず、公知の塗布方法が採用できる。例えば、高分子固体電解質の溶液をキャリアー上に注ぐ方法、ロールコーター法、スクリーンコーティング法、ドクターブレード法、バーコーティング法、カーテンコーター法、スピンコート法、ディップ法、キャスト法等の各種コーティング手段が挙げられる。
<ポリ(St−b−PME−1000−b−St)の合成>
アルゴン雰囲気下において、予めアルゴン脱気処理を行ったトルエン96gに、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム2.90g(3mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPME−1000、以下、「PME−1000」と略す)604.5g(543mmol)を加えて均一に混合後、ジ−n−ブチルアミン1.70g(13mmol)、2,2−ジクロロアセトフェノン1.21g(6.4mmol)を加え、攪拌下、80℃に加温して重合反応を開始させた。重合時間を開始して20時間経過後、反応系の温度を0℃に冷却して重合反応を停止させた。
<ポリ(St−b−PME−550−b−St)の合成>
アルゴン雰囲気下において、予めアルゴン脱気処理を行ったトルエン300gに、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム0.48g(0.5mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPME−550、以下、「PME−550」と略す)125g(186mmol)を加えて均一に混合後、ジ−n−ブチルアミン0.26g(2mmol)、2,2−ジクロロアセトフェノン0.19g(1mmol)を加え、攪拌下、80℃に加温して重合反応を開始させた。重合時間を開始して29時間経過後、反応系の温度を0℃に冷却して重合反応を停止させた。PME−550の重合収率は73%であった。
<ポリ(HEA−b−St−b−PME−1000−b−St−b−HEA)>
アルゴン雰囲気下において、予めアルゴン脱気処理を行ったトルエン1400gに、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム2.90g(3mmol)、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂(株)製、ブレンマーPME−1000)604.5g(543mmol)を加えて均一に混合後、ジ−n−ブチルアミン1.70g(13mmol)、2,2−ジクロロアセトフェノン1.21g(6.4mmol)を加え、攪拌下、80℃に加温して重合反応を開始させた。重合時間を開始して41時間経過後、反応系の温度を0℃に冷却して重合反応を停止させた。PME−1000の重合収率は52%であった。
窒素置換した200mlのナス型フラスコにトリレンジイソシアネート(TDI)10g(57.5mmol)とエタノール60g(1.3mol)を入れて、2時間還流した。次に、過剰のエタノールをエバポレーターにて減圧除去した。さらに100℃の温度で3時間乾燥して、目的の添加剤(エタノールマスクドトリレンジイソシアネート)を得た。得られた添加剤を添加剤Aとする。
トリレンジイソシアネート(TDI)に代えて、o−トリレンモノイソシアネートを用いる以外は、合成例4と同様にして、添加剤(エタノールマスクド−o−トリレンモノイソシアネート)を得た。得られた添加剤を添加剤Bとする。
トリレンジイソシアネート(TDI)に代えて、p−トリレンモノイソシアネートを用いる以外は、合成例4と同様にして、添加剤(エタノールマスクド−p−トリレンモノイソシアネート)を得た。得られた添加剤を添加剤Cとする。
トリレンジイソシアネート(TDI)に代えて、イソシアン酸フェニルを用いる以外は、合成例4と同様にして、添加剤(エタノールマスクドイソシアン酸フェニル)を得た。得られた添加剤を添加剤Dとする。
アルゴン雰囲気下において、上記合成例で得た重合体Aと、第1表に示す量の添加剤Aをアセトンに溶解させ20wt%溶液を調製した。得られた溶液に電解質塩としてLiClO4([Li]/[EO]=5mol%)を加えて均一に溶解させた後、テフロン(登録商標)板上に流延した。室温で24時間放置した後、60℃で24時間減圧乾燥して均一な固体電解質膜を得た(膜厚140μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
添加剤Aの使用量を第1表に示す量とした以外は実施例1と同様にして固体電解質膜を得た(膜厚140μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
重合体Aに代えて重合体Bを用いる以外は、実施例1,2と同様にして固体電解質膜を得た(膜厚140μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
重合体Aに代えて重合体Bを用いる以外は、実施例1,2と同様にして固体電解質膜を得た(膜厚140μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
上記の重合体Cと添加剤の所定量に、架橋剤としてトリレン−2,4−ジイソシアネート(TDI)をHEAに対して1/2相当量を加えた溶液を調製する以外は実施例1,2と同様にして、室温で24時間放置後、60℃で5時間、更に100℃で10時間減圧乾燥して均一な固体電解質膜を得た(膜厚60μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
上記の重合体Cと添加剤の所定量に、架橋剤としてトリレン−2,4−ジイソシアネート(TDI)をHEAに対して1/2相当量を加えた溶液を調製する以外は実施例1,2と同様にして、室温で24時間放置後、60℃で5時間、更に100℃で10時間減圧乾燥して均一な固体電解質膜を得た(膜厚60μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
電解質塩の使用量を第1表に示す量とした以外は実施例1と同様にして固体電解質膜を得た。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
電解質塩の使用量を第1表に示す量とした以外は実施例3と同様にして固体電解質膜を得た。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
電解質塩の使用量を第1表に示す量とした以外は実施例6と同様にして固体電解質膜を得た。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
アルゴン雰囲気下において、上記合成例1で得た重合体A 3gをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、20wt%溶液Aを調製した。
また、LiClO4([Li]/[EO]=5mol%)と、合成例5にて調製した添加剤B 0.03gをアセトンに溶解し、20wt%溶液を調製した。
この溶液と、前記調製した溶液Aのそれぞれ1/10量を混合して高分子固体電解質溶液を得た。この溶液をテフロン(登録商標)板上に流延した。窒素気流下、室温で24時間放置した後、60℃で1時間、80℃で1時間乾燥し、さらに80℃で1時間、120℃で4時間減圧乾燥して均一な固体電解質膜を得た(膜厚140μm)。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
実施例10において、添加剤Bの代わりに合成例6にて調製した添加剤Cを用いる他は、実施例10と同様の操作を行い、高分子固体電解質膜を得た。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
実施例10において、添加剤Bの代わりに合成例7にて調製した添加剤Dを用いる他は、実施例10と同様の操作を行い、高分子固体電解質膜を得た。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
高分子固体電解質の作製において、添加剤を用いない以外は実施例1と同様にして、比較例1の高分子固体電解質膜を形成した。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
高分子固体電解質の作製において、添加剤を用いない以外は実施例3と同様にして、比較例1の高分子固体電解質膜を形成した。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
高分子固体電解質の作製において、添加剤を用いない以外は実施例5と同様にして、比較例1の高分子固体電解質膜を形成した。得られた高分子固体電解質膜についてイオン導電率を測定した。
比較例1と同様に、添加剤を用いない高分子固体電解質膜を再度作製し、イオン導電率を再度測定した。
次に、アルゴン雰囲気下において、この膜を白金板に挟み、周波数5H〜10MHzのインピーダンスアナライザー(Solartron−1260型)を用いて複素インピーダンス解析により、実施例1〜9、および比較例1〜3で作成した高分子固体電解質のイオン導電率を測定した。
実施例1〜9、および比較例1〜3で作成した高分子固体電解質の組成とイオン導電率の測定結果を第1表にまとめて示す。第1表中、[Li]/[EO]は、モル比である。
また、第2表より、添加剤B、C、Dを添加した高分子固体電解質(実施例10〜12)は、添加剤なしの比較例4に比して60℃におけるイオン導電率に優れることがわかった。
Claims (12)
- イオン導電性部位を有する重合体、ウレタン結合、チオウレタン結合、ウレイド結合、イミド結合およびアミド結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を分子内に有する添加剤、並びに電解質塩を含む高分子固体電解質であって、
前記イオン導電性部位が、式(II)
(式(II)で表される繰り返し単位)/(式(III)で表される繰り返し単位)のモル比が1/30〜30/1の範囲であり、
前記添加剤の含有量が、イオン導電性部位を有する重合体に対して、質量比で0.001〜0.15の範囲であることを特徴とする高分子固体電解質。 - 前記イオン導電性部位が、前記式(II)中、Zがエステル結合である繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1または2に記載の高分子固体電解質。
- 前記式(II)で表される繰り返し単位の重合度が5以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 前記イオン導電性部位が、前記式(II)中、mが5〜100の整数である繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 前記イオン導電性部位を有する重合体が、架橋構造を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 前記架橋構造が、ウレタン結合、ウレア結合およびエーテル結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の化学結合を含む構造であることを特徴とする請求項6に記載の高分子固体電解質。
- 前記架橋構造が、架橋部位と反応して、ウレタン結合、ウレア結合またはポリエーテル結合を生成し得る架橋剤と反応させて得られた構造であることを特徴とする請求項6または7に記載の高分子固体電解質。
- 前記イオン導電性部位を有する重合体の数平均分子量が、5,000〜1,000,000の範囲であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 前記電解質塩が、アルカリ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、およびプロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 前記電解質塩が、リチウム塩であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の高分子固体電解質。
- 前記添加剤が、分子量2,000以下の化合物であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の高分子固体電解質。
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