JPH09278840A - 固体電解質が形成可能な組成物 - Google Patents

固体電解質が形成可能な組成物

Info

Publication number
JPH09278840A
JPH09278840A JP8088437A JP8843796A JPH09278840A JP H09278840 A JPH09278840 A JP H09278840A JP 8088437 A JP8088437 A JP 8088437A JP 8843796 A JP8843796 A JP 8843796A JP H09278840 A JPH09278840 A JP H09278840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
solid electrolyte
lithium compound
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8088437A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
Fumio Matsui
二三雄 松井
Katsuhisa Morita
勝久 森田
Sachiko Takino
幸子 滝野
Kazue Ogiwara
和重 荻原
Kentaro Takahashi
健太郎 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP8088437A priority Critical patent/JPH09278840A/ja
Publication of JPH09278840A publication Critical patent/JPH09278840A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Primary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用的なフィルム形成性があり、電極との密
着性に優れ、且つリチウム化合物と併用した場合に良好
なイオン導電性を示す、固体電解質が形成可能な組成物
の提供。 【解決手段】 [A]1分子中に(メタ)アクリロイル
基とアセトアセトキシ基とを共有するモノマー;[B]
不飽和ポリエーテルとイソシアナート化合物とを反応さ
せて得られる不飽和ウレタン;[C]リチウム化合物;
および[D]リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を含ん
でなることを特徴とする固体電解質が形成可能な組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてフィルム
電池に利用できる固体電解質が形成可能な組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術および課題】従来、フィルム電池を目的と
した固体電解質用のポリマーとしては、ポリエチレンオ
キシド系がすべて、と言っても過言ではなく、他のポリ
マー類は文献上は兎も角、実用段階に入っていないよう
に見受けられる。
【0003】最近、固体電解質として、ポリエチレング
リコール成分を有するポリマーを得る試みが盛んに行わ
れている。例えば、ポリエチレングリコール自体や、ポ
リエチレングリコール成分を有するモノマーあるいはウ
レタン化ポリマーを、重合または重付加等により高分子
量化させることにより、機械的物性を向上させ、反面、
結晶化に伴う導電性の低下をも防止し、実用性のあるポ
リマーを得ようとしている。
【0004】しかしながら、ポリエチレングリコール類
を一成分とするポリマー類は、本質的に水溶性あるいは
親水性であって、リチウム電池に要求される非水系化レ
ベルの含水量とすることが著しく困難である上、得られ
るポリマーのフィルム強度は、非結晶性を前提とする限
り、低いものにならざるを得ない。
【0005】加えて、ポリエチレングリコール成分は、
粘着性、接着性に乏しいので、電極との接触に工夫が必
要である。
【0006】本発明は、上記のような従来の課題を解決
し、実用的なフィルム形成性があり、電極との密着性に
優れ、且つリチウム化合物と併用した場合に良好なイオ
ン導電性を示す、固体電解質が形成可能な組成物を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のモ
ノマー成分の組み合わせに、リチウム化合物を併用し、
得られた組成物を、当初から所望の形状に合わせて重合
を行うか、あるいは部分重合して必要な粘度とした後、
所望の形状にコーティングあるいは成形し、さらに重合
することで上記目的が達成されることを見いだし、本発
明を完成することができた。
【0008】すなわち本発明は、 [A] 1分子中に(メタ)アクリロイル基とアセトア
セトキシ基とを共有するモノマー; [B] 不飽和ポリエーテルとイソシアナート化合物と
を反応させて得られた不飽和ウレタン; [C] リチウム化合物;および [D] リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を含んでな
ることを特徴とする固体電解質が形成可能な組成物を提
供するものである。
【0009】また本発明は、[A]成分のモノマーと共
重合可能なモノマーが、[A]成分において多くとも7
0重量%の割合で含まれる前記の固体電解質が形成可能
な組成物を提供するものである。
【0010】さらに本発明は、[A]成分100重量部
に対し、[B]不飽和ウレタンを0.1〜50重量部お
よび[D]リチウム化合物を溶解可能な溶剤を10〜5
00重量部配合し、且つ[A]、[B]および[D]成
分の合計100重量部に対し、[C]リチウム化合物を
1〜50重量部配合する前記の固体電解質が形成可能な
組成物を提供するものである。
【0011】さらにまた本発明は、[A]成分100重
量部に対し、[B]不飽和ウレタンを0.5〜30重量
部および[D]リチウム化合物を溶解可能な溶剤を30
〜400重量部配合し、且つ[A]、[B]および
[D]成分の合計100重量部に対し、[C]リチウム
化合物を3〜30重量部配合する前記の固体電解質が形
成可能な組成物を提供するものである。
【0012】また本発明は、[A]1分子中に(メタ)
アクリロイル基とアセトアセトキシ基とを共有するモノ
マーが、アセトアセトキシエチルアクリレートまたはア
セトアセトキシエチルメタクリレートである前記の固体
電解質が形成可能な組成物を提供するものである。
【0013】さらに本発明は、[C]リチウム化合物
が、LiClO4、LiBF4、LiPF6、、LiAl
Cl4およびLiCF3SO3からなる群から選択された
少なくとも1種である前記の固体電解質が形成可能な組
成物を提供するものである。
【0014】さらにまた本発明は、各成分が、あらかじ
め含水量50ppm以下まで脱水されている前記の固体
電解質が形成可能な組成物を提供するものである。
【0015】また本発明は、前記の組成物を、所望の形
状の型内で重合させることを特徴とする固体電解質の製
造方法を提供するものである。
【0016】さらに本発明は、前記の組成物を部分重合
して所望の粘度に調整した後、これを所望の形状の型内
でさらに重合させることを特徴とする固体電解質の製造
方法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。 (1分子中に(メタ)アクリロイル基とアセトアセトキ
シ基とを共有するモノマー)本発明に用いられる1分子
中に(メタ)アクリロイル基とアセトアセトキシ基とを
共有するモノマー(以下、アセトアセトキシモノマーと
いうことがある)は、リチウム化合物を溶解することが
でき、さらにポリマー化した後でもリチウム化合物が溶
解可能である。
【0018】また、アセトアセトキシ基は、リチウム化
合物のLiとキレートを形成する可能性があり、ポリマ
ーの運動によるイオン輸送が期待される。また、アセト
アセトキシモノマーを使用することにより、強い粘着性
を有するポリマーを形成することができ、電極との密着
性の点からも有利である。これらの点は、本発明の一つ
の特徴である。
【0019】アセトアセトキシモノマーとしては、例え
ば、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセ
トキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピ
ルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレ
ート、アセトアセトキシアリルアルコール、アセトアセ
チル化ジエチレングリコールモノメタクリレート、アセ
トアセチル化トリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、アセトアセチル化ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物
のアセトアセチル化物等が挙げられる。中でも好ましく
はアセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセト
キシエチルメタクリレートである。
【0020】アセトアセトキシモノマーは、例えば次の
スキームに従い、不飽和モノアルコールにジケテンを反
応させることにより合成することができる。
【0021】
【化1】
【0022】上記の他に用いられる不飽和アルコールに
は、例えば次の種類が挙げられ、相当するアセトアセト
キシモノマーが得られる。2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、分子量150〜1000のポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリ
ルアルコール等が挙げられる。
【0023】不飽和モノアルコールとジケテンとの反応
は、錫の有機化合物、3級アミンなどを触媒にしてアセ
トアセチル化が可能になる。しかし実用的には、米国イ
ーストマン・ケミカル社から、アセトアセトキシエチル
メタクリレートが商品名AAEMとして市販されてお
り、便利に用いられる。
【0024】本発明においては、[A]成分としてアセ
トアセトキシモノマーを単独で使用してもよいが、アセ
トアセトキシモノマーと共重合可能なモノマーを併用し
てもよい。アセトアセトキシモノマーと共重合可能なモ
ノマーとしては、例えばアクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ル類等が挙げられる。共重合可能なモノマーとして、例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルを併用した
場合は、イオン導電性を妨げず、加えてフィルムの強度
を向上させることができる。
【0025】共重合可能なモノマーの配合割合は、アセ
トアセトキシモノマーと共重合可能なモノマーの合計を
100重量%とした場合、多くとも70重量%、好まし
くは多くとも60重量%である。70重量%を超えて配
合すると、アセトアセトキシ基濃度が減少することか
ら、導電性が低下する傾向が認められ、さらに共重合ポ
リマーは溶剤に対する溶解性も低下する欠点がある。最
も好ましい共重合可能なモノマーの配合割合は、10〜
50重量%である。
【0026】(不飽和ウレタン)本発明においては、上
記のアセトアセトキシモノマー(これと共重合可能なモ
ノマーを含む場合もある)と併用して、ポリマーの分子
量を著しく増大、または架橋させるための架橋剤を使用
する。具体的には、不飽和ポリエーテルとイソシアナー
ト化合物とを反応させて得られた不飽和ウレタン(ウレ
タン結合を含む不飽和ポリエーテル)である。
【0027】不飽和ポリエーテルとしては、例えばポリ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブ
ロックポリマー、ポリオキシテトラメチレングリコール
等のポリエーテル類に、モノ(メタ)アクリル酸を反応
させて得られたポリエーテルのモノ(メタ)アクリル酸
エステル等が挙げられる。不飽和ポリエーテルの一例を
次に示す。
【0028】
【化2】
【0029】不飽和ポリエーテルの分子量は、その構造
によっても相違するが、ほぼ200〜4,000位が適
当である。
【0030】また、イソシアナート化合物としては、飽
和多価イソシアナート化合物、不飽和モノイソシアナー
ト化合物等が挙げられる。
【0031】飽和多価イソシアナート化合物は、とくに
その構造が制限されるものではなく、一般に市販されて
いるタイプをそのまま用いることができる。例えば、
2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレン
ジイソシアナートと2,4−トリレンジイソシアナート
との混合体、ジフェニルメタンジイソシアナート、イソ
ホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナ
ート、上記多価イソシアナート化合物への多価アルコー
ルの付加体並びに3量体等が挙げられる。
【0032】また不飽和モノイソシアナート化合物は、
次式で示されるイソシアナートエチルメタクリレートの
使用が便利である。
【0033】
【化3】
【0034】このイソシアナートエチルメタクリレート
は、例えば昭和電工社製、商品名MOIとして市販され
ている。
【0035】さらに、不飽和モノイソシアナート化合物
として、2,4−トリレンジイソシアナートやイソホロ
ンジイソシアナートのように分子中に2個のイソシアナ
ート基の反応性の異なる種類を利用し、その1個のイソ
シアナート基と不飽和アルコール類とを反応させたもの
を使用することができる。
【0036】前記の不飽和アルコール類としては、例え
ば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙
げられる。
【0037】不飽和アルコール類とイソシアナート化合
物とは、両者の配合割合を1モル対1モル程度にして反
応させることができる。例えば、適当な溶剤共存下に、
イソシアナート、触媒(例えばジブチル錫化合物)その
他を仕込み、50〜80℃に加温し、前記の不飽和アル
コール類を導入する方法が挙げられる。
【0038】不飽和アルコール類として2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、イソシアナート類として2,4
−トリレンジイソシアナートを使用した場合の上記反応
は、次のように要約される。
【0039】
【化4】
【0040】上記のようなイソシアナート化合物は、続
いて不飽和ポリエーテルと反応される。イソシアナート
化合物と不飽和ポリエーテルとの反応は、通常のウレタ
ン化反応に準じて行われる。両者の配合割合は、不飽和
ポリエーテルの分子量により相違するので一概には決め
られず、適宜に決定され、反応温度50〜80℃、適当
な溶剤および触媒の共存下で行うことができる。
【0041】例えば飽和多価イソシアナート化合物とし
ての2,4−トリレンジイソシアナートに、不飽和ポリ
エーテルとしてポリエチレングリコールのモノメタクリ
ル酸エステルを付加させて得られた不飽和ウレタンは、
下記一般構造を有する。
【0042】
【化5】
【0043】また、例えば不飽和モノイソシアナート化
合物としてのイソシアナートエチルメタクリレートに、
不飽和ポリエーテルとしてポリエチレングリコールのモ
ノメタクリル酸エステルを付加させて得られた不飽和ウ
レタンは、下記一般構造を有する。
【0044】
【化6】
【0045】一般的に、熱可塑性ポリマーを製造して、
これをフィルムに加工する場合などには、架橋剤を併用
することは熱可塑性でなくなるという点でできない。然
しながら、本発明のように型に合わせて重合させるか、
当初からフィルムに成形する場合には、架橋剤を使用す
ることにより分子量を著しく増大させて、極言すれば無
限大として成形品またはフィルム強度を大きく向上させ
ることができる。これによって、リチウム化合物を溶解
可能な溶剤を多量に添加しても、成形品またはフィルム
の形状が維持可能となる。不飽和ウレタンの数平均分子
量は150〜5000程度が好ましい。
【0046】不飽和ウレタンの配合割合は、アセトアセ
トキシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場
合もある)100重量部に対して、0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜30重量部がよい。0.1重量
部未満では、架橋剤添加の意味が薄れ、逆に50重量部
を超えて配合すると、生成したフィルムがもろくなっ
て、フィルム物性が得難くなる。
【0047】(リチウム化合物)本発明に用いるリチウ
ム化合物は、とくに制限を加える必要はないが、実用的
には、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、、
LiAlCl4、LiCF3SO3などの無機のリチウム
化合物が挙げられる。また、有機酸のリチウム塩、例え
ば酢酸リチウムを併用することもあり得る。
【0048】リチウム化合物の使用量は、アセトアセト
キシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場合
もある)、不飽和ウレタンおよびリチウム化合物を溶解
可能な溶剤の合計100重量部に対し、1〜50重量
部、好ましくは3〜30重量部がよい。リチウム化合物
の配合割合が1重量部未満では、導電性の発現が十分で
はなく、逆に50重量部を超えて配合すると、導電性が
増加せず、場合によってはかえって低下する傾向も見ら
れる。
【0049】(リチウム化合物を溶解可能な溶剤)さら
に本発明においては、生成ポリマー並びにリチウム化合
物を溶解し、ポリマーに粘着性を付与し、良好なイオン
導電性をフィルムまたは成形品に与えるイオンキャリア
とでも呼べる物質、すなわちリチウム化合物を溶解可能
な溶剤が必要である。
【0050】現行の液状リチウム電池には、幾つかの溶
剤、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン
あるいはこれらの混合溶剤等が使用されているが、本発
明における溶剤は、リチウム化合物を必要量溶解するタ
イプであればとくに種類を特定する必要はない。これら
溶剤の配合割合は、アセトアセトキシモノマー(これと
共重合可能なモノマーを含む場合もある)の合計100
重量部に対して、10〜500重量部、好ましくは30
〜400重量部がよい。使用量は多いほうが導電性を高
める傾向が見受けられる。溶剤は、当初からアセトアセ
トキシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場
合もある)、不飽和ウレタンおよびリチウム化合物と併
用して重合してもよく、あるいは重合後のポリマーおよ
びリチウム化合物を溶解してもよい。
【0051】本発明に用いられるリチウム化合物を溶解
可能な溶剤は、例えば次の種類が挙げられる。 (a)カーボネート類 エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート; (b)エステル、ラクトン類 ギ酸メチル、γ−ブチロラクトン; (c)エーテル類 1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、メチルテトラヒドロフラン; (d)含窒素溶剤 アセトニトリル、サクシノニトリル、ジメチルアセトア
ミド;および (e)含硫黄溶剤 ジメチルスルホキシド、スルホラン。もちろんこれら相
互の併用も可能である。
【0052】なお、本発明の組成物に使用される各成分
は、あらかじめ脱水しておくのが好ましい。脱水の手段
はとくに制限されないが、例えばモレキュラーシーブ等
を用い、水分量50ppm以下、好ましくは20ppm
以下にしておくのがよい。
【0053】重合は、公知の重合触媒、代表的には有機
過酸化物を併用して行われる。
【0054】本発明の組成物の調製は、上記各成分を所
定量で配合し、公知の混合手段で混合することにより簡
単に行うことができる。
【0055】本発明の組成物は、常温で良好な導電性を
示し、良好なフィルム形成性を示す。
【0056】また本発明の組成物の実用化に当たって
は、目的を損なわない範囲で各種の添加剤、補強材等を
必要に応じて併用できることは勿論である。
【0057】得られた本発明の組成物を、例えばフィル
ムの形状に成形するには、例えば電極の形状に合わせた
型内で各成分を重合させるか、あるいは部分重合して必
要な粘度とした後、所望の形状にコーティングあるいは
成形し、さらに重合を行ってポリマー化するのがよい。
このようにすれば、本発明の組成物は、架橋剤を併用し
ても良好なフィルム形成性を示す。また、電極との密着
性も優れたものになる。
【0058】
【作用】本発明者らは、鋭意検討を重ねたところ、例え
ばポリエチレンオキシド系のポリマーを形成させ、その
後に脱水を行ったのでは、ポリマー中の含水量を必要レ
ベルまで低下させることが頗る困難であることを見いだ
した。また、様々なポリマーを検討しても、単なるポリ
マー自体には、要求される導電性が得られないことも見
いだした。故に本発明者らは、必要とするモノマーを例
えばモレキュラーシーブで脱水した後、混合して、電極
の形に併せて注入・重合させるか、あるいは部分重合し
て必要な粘度とした後、所望の形状にコーティング、あ
るいは成形し、さらに重合を行ってポリマー化する方法
によって、リチウム電池に要求される非水系化レベルの
含水量が達成され、さらに実用的なフィルムが形成さ
れ、しかも電極との密着性に優れ、且つ良好なイオン導
電性が示されることを見いだし、本発明を完成すること
ができた。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例 1〜5 (不飽和ウレタン(A1)の合成)撹拌機、還流コンデ
ンサー、温度計、ガス導入管を付した1リットルセパラ
ブルフラスコに、モレキュラーシーブで脱水し水分量5
0ppmとしたポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート(日本乳化剤社製、n≒10)を550g、イソシ
アナートエチルメタクリレート(昭和電工社製、商品名
MOI)155g、ジブチル錫ジラウレート0.7g、パ
ラベンゾキノン0.15gを仕込み、均一溶液とした
後、60〜65℃、乾燥空気中で3時間反応させると、
赤外分析の結果、遊離のイソシアナート基は消失したこ
とが確認された。得られた不飽和ウレタン(A1)は、
淡赤褐色シラップ状であった。
【0060】次の表1に示す配合割合に従って各成分を
配合し、本発明の組成物を調製した。次に、白金電極間
の約0.5mm間隔中に組成物を注入し、当初80℃で1
時間、次に100℃で1時間、窒素気流中で重合させ
た。なお、液状の各成分は、いずれもモレキュラーシー
ブにより水分量約50ppm程度に調整した。導電性は
交流インピーダンス法(1MHz)によって測定した。
その結果を併せて表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1から、本発明の組成物からなるフィル
ムは、実用上十分な導電性を有していることが分かる。
なお、得られたフィルムの性状は、軟らかい“こんにゃ
く”状であり、フィルム厚みは0.55〜0.63mm、
フィルム強度は500〜1000g/cm2のレベルであっ
た。
【0063】実施例 6〜10 (不飽和ウレタン(A2)の合成)撹拌機、還流コンデ
ンサー、温度計、ガス導入管を付した1リットルセパラ
ブルフラスコに、モレキュラーシーブで脱水し水分量4
1ppmとしたポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート(日本乳化剤社製、n≒5)を330g、ヘキサメ
チレンジイソシアナート168g、ジブチル錫ジラウレ
ート0.5g、パラベンゾキノン0.1gを仕込み、60
〜65℃、乾燥空気中で3時間反応させると、赤外分析
の結果、遊離のイソシアナート基は消失したことが確認
された。得られた不飽和ウレタン(A2)は、淡赤褐色
シラップ状であった。
【0064】次の表2に示す配合割合に従って各成分を
配合し、本発明の組成物を調製した。次に、白金電極間
の約0.5mm間隔中に組成物を注入し、当初60℃で1
時間、次に80℃で1時間、さらに100℃で2時間、
窒素気流中で重合させた。得られたフィルムは、0.5
7〜0.64mmの範囲の厚さを有し、フィルム強度はほ
ぼ700〜1200g/cm2のレベルであった。なお組成
物は、モノマー、溶剤および不飽和ウレタンの各成分を
均一溶液とした後、モレキュラーシーブにより水分量5
0ppm以下に調整し、その後、乾燥LiClO4を溶解
して調製した。導電性は交流インピーダンス法(1MH
z)によって測定した。その結果を併せて表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【化7】
【0067】表2から、本発明の実施例の組成物からな
るフィルムは、優れた導電性を有していることが分か
る。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、実用的なフィルム形成
性があり、電極との密着性に優れ、且つリチウム化合物
と併用した場合に良好なイオン導電性を示す、固体電解
質が形成可能な組成物が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 荻原 和重 群馬県佐波郡赤堀町間野谷608−2 (72)発明者 高橋 健太郎 群馬県高崎市江木町957−4 アビタシオ ン清水101

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A] 1分子中に(メタ)アクリロイル
    基とアセトアセトキシ基とを共有するモノマー; [B] 不飽和ポリエーテルとイソシアナート化合物と
    を反応させて得られた不飽和ウレタン; [C] リチウム化合物;および [D] リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を含んでな
    ることを特徴とする固体電解質が形成可能な組成物。
  2. 【請求項2】 [A]成分のモノマーと共重合可能なモ
    ノマーが、[A]成分において多くとも70重量%の割
    合で含まれる請求項1に記載の固体電解質が形成可能な
    組成物。
  3. 【請求項3】 [A]成分100重量部に対し、[B]
    不飽和ウレタンを0.1〜50重量部および[D]リチ
    ウム化合物を溶解可能な溶剤を10〜500重量部配合
    し、且つ[A]、[B]および[D]成分の合計100
    重量部に対し、[C]リチウム化合物を1〜50重量部
    配合する請求項1に記載の固体電解質が形成可能な組成
    物。
  4. 【請求項4】 [A]成分100重量部に対し、[B]
    不飽和ウレタンを0.5〜30重量部および[D]リチ
    ウム化合物を溶解可能な溶剤を30〜400重量部配合
    し、且つ[A]、[B]および[D]成分の合計100
    重量部に対し、[C]リチウム化合物を3〜30重量部
    配合する請求項3に記載の固体電解質が形成可能な組成
    物。
  5. 【請求項5】 [A]1分子中に(メタ)アクリロイル
    基とアセトアセトキシ基とを共有するモノマーが、アセ
    トアセトキシエチルアクリレートまたはアセトアセトキ
    シエチルメタクリレートである請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載の固体電解質が形成可能な組成物。
  6. 【請求項6】 [C]リチウム化合物が、LiCl
    4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4およびLi
    CF3SO3からなる群から選択された少なくとも1種で
    ある請求項1に記載の固体電解質が形成可能な組成物。
  7. 【請求項7】 各成分が、あらかじめ含水量50ppm
    以下まで脱水されている請求項1ないし6のいずれか1
    項に記載の固体電解質が形成可能な組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の組成物を、所望の形状の型内で重合させることを特徴
    とする固体電解質の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の組成物を部分重合して所望の粘度に調整した後、これ
    を所望の形状の型内でさらに重合させることを特徴とす
    る固体電解質の製造方法。
JP8088437A 1996-04-10 1996-04-10 固体電解質が形成可能な組成物 Pending JPH09278840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8088437A JPH09278840A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 固体電解質が形成可能な組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8088437A JPH09278840A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 固体電解質が形成可能な組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09278840A true JPH09278840A (ja) 1997-10-28

Family

ID=13942782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8088437A Pending JPH09278840A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 固体電解質が形成可能な組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09278840A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001048942A (ja) * 1999-08-10 2001-02-20 Shin Etsu Chem Co Ltd 液状放射線硬化型樹脂組成物並びに光ファイバ用被覆組成物及び光ファイバ
WO2001047055A1 (fr) * 1999-12-20 2001-06-28 Sunstar Giken Kabushiki Kaisha Cellule secondaire aux ions de lithium a electrolyte polymere solide
JP2002110245A (ja) * 2000-10-03 2002-04-12 Maxell Hokuriku Seiki Kk ポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池
US6420072B1 (en) * 1999-05-20 2002-07-16 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polyelectrolytic gel

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6420072B1 (en) * 1999-05-20 2002-07-16 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polyelectrolytic gel
JP2001048942A (ja) * 1999-08-10 2001-02-20 Shin Etsu Chem Co Ltd 液状放射線硬化型樹脂組成物並びに光ファイバ用被覆組成物及び光ファイバ
WO2001047055A1 (fr) * 1999-12-20 2001-06-28 Sunstar Giken Kabushiki Kaisha Cellule secondaire aux ions de lithium a electrolyte polymere solide
JP2002110245A (ja) * 2000-10-03 2002-04-12 Maxell Hokuriku Seiki Kk ポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230344001A1 (en) Polymer solid electrolytes, methods of making, and electrochemical cells comprising the same
US6172152B1 (en) Sol-gel compositions and polymeric ion conductive film prepared therefrom
US11335950B2 (en) Polymer solid electrolytes
US6822065B1 (en) Solid polymer electrolyte and preparation methods
KR950001854B1 (ko) 이온 도전성 중합체 전해질
CA2043461C (en) Ion-conductive polymer electrolyte
RU2011128700A (ru) Сшиваемое полимерное связующее
CN110760035B (zh) 一种自增稠缔合型丙烯酸酯乳液及其制备方法
JPH09278840A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JPH09278841A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JPH09278971A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JPH09278970A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JPH09278972A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JPH1017709A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JPH09263612A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
CN113871711A (zh) 一种负极极片及包括该负极极片的锂离子电池
JPH1017708A (ja) 固体電解質が形成可能な組成物
JP4516528B2 (ja) 高分子固体電解質
Burchardt-Tofaute et al. The effect of fluorination on chain transfer reactions in the radical polymerization of oligo ethylene glycol ethenesulfonate monomers
JP2645380B2 (ja) アクリル樹脂組成物
JPH0931344A (ja) イオン導電性を有する組成物
US11661474B2 (en) Composition, production method for composition, and production method for unsaturated compound
RU2430934C2 (ru) Полимерная матрица электролита литий-ионного аккумулятора и способ ее получения
JP2643248B2 (ja) 重合体の製造方法
JP2008127498A (ja) シクロカーボネート含有(メタ)アクリレート化合物、ポリマー、コポリマー、フィルム材料、電解質及び固体電解質フィルム