JPH09278972A - 固体電解質が形成可能な組成物 - Google Patents
固体電解質が形成可能な組成物Info
- Publication number
- JPH09278972A JPH09278972A JP8088529A JP8852996A JPH09278972A JP H09278972 A JPH09278972 A JP H09278972A JP 8088529 A JP8088529 A JP 8088529A JP 8852996 A JP8852996 A JP 8852996A JP H09278972 A JPH09278972 A JP H09278972A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- parts
- solid electrolyte
- lithium compound
- monomer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G18/00—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
- C08G18/06—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
- C08G18/70—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
- C08G18/81—Unsaturated isocyanates or isothiocyanates
- C08G18/8108—Unsaturated isocyanates or isothiocyanates having only one isocyanate or isothiocyanate group
- C08G18/8116—Unsaturated isocyanates or isothiocyanates having only one isocyanate or isothiocyanate group esters of acrylic or alkylacrylic acid having only one isocyanate or isothiocyanate group
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Primary Cells (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 実用的なフィルム形成性があり、電極との密
着性に優れ、且つリチウム化合物と併用した場合に良好
なイオン導電性を示す、固体電解質が形成可能な組成物
の提供。 【解決手段】 〔A〕1分子中に(メタ)アクリロイル基
とアセトアセトキシ基とを共有するモノマー;〔B〕ポ
リエステルポリオールと不飽和イソシアナートとを反応
させて得られる不飽和ウレタン;〔C〕リチウム化合
物;および〔D〕リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を
含んでなることを特徴とする固体電解質が形成可能な組
成物。
着性に優れ、且つリチウム化合物と併用した場合に良好
なイオン導電性を示す、固体電解質が形成可能な組成物
の提供。 【解決手段】 〔A〕1分子中に(メタ)アクリロイル基
とアセトアセトキシ基とを共有するモノマー;〔B〕ポ
リエステルポリオールと不飽和イソシアナートとを反応
させて得られる不飽和ウレタン;〔C〕リチウム化合
物;および〔D〕リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を
含んでなることを特徴とする固体電解質が形成可能な組
成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてフィルム
電池に利用できる固体電解質が形成可能な組成物に関す
るものである。
電池に利用できる固体電解質が形成可能な組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術および課題】従来、フィルム電池を目的と
した固体電解質用のポリマーとしては、ポリエチレンオ
キシド系がすべて、と言っても過言ではなく、他のポリ
マー類は文献上は兎も角、実用段階に入っていないよう
に見受けられる。
した固体電解質用のポリマーとしては、ポリエチレンオ
キシド系がすべて、と言っても過言ではなく、他のポリ
マー類は文献上は兎も角、実用段階に入っていないよう
に見受けられる。
【0003】最近、固体電解質として、ポリエチレング
リコール成分を有するポリマーを得る試みが盛んに行わ
れている。例えば、ポリエチレングリコール自体や、ポ
リエチレングリコール成分を有するモノマーあるいはウ
レタン化ポリマーを、重合または重付加等により高分子
量化させることにより、機械的物性を向上させ、反面、
結晶化に伴う導電性の低下をも防止し、実用性のあるポ
リマーを得ようとしている。
リコール成分を有するポリマーを得る試みが盛んに行わ
れている。例えば、ポリエチレングリコール自体や、ポ
リエチレングリコール成分を有するモノマーあるいはウ
レタン化ポリマーを、重合または重付加等により高分子
量化させることにより、機械的物性を向上させ、反面、
結晶化に伴う導電性の低下をも防止し、実用性のあるポ
リマーを得ようとしている。
【0004】しかしながら、ポリエチレングリコール類
を一成分とするポリマー類は、本質的に水溶性あるいは
親水性であって、リチウム電池に要求される非水系化レ
ベルの含水量とすることが著しく困難である上、得られ
るポリマーのフィルム強度は、非結晶性を前提とする限
り、低いものにならざるを得ない。
を一成分とするポリマー類は、本質的に水溶性あるいは
親水性であって、リチウム電池に要求される非水系化レ
ベルの含水量とすることが著しく困難である上、得られ
るポリマーのフィルム強度は、非結晶性を前提とする限
り、低いものにならざるを得ない。
【0005】加えて、ポリエチレングリコール成分は、
粘着性、接着性に乏しいので、電極との接触に工夫が必
要である。
粘着性、接着性に乏しいので、電極との接触に工夫が必
要である。
【0006】本発明は、上記のような従来の課題を解決
し、実用的なフィルム形成性があり、電極との密着性に
優れ、且つリチウム化合物と併用した場合に良好なイオ
ン導電性を示す、固体電解質が形成可能な組成物を提供
することを目的とするものである。
し、実用的なフィルム形成性があり、電極との密着性に
優れ、且つリチウム化合物と併用した場合に良好なイオ
ン導電性を示す、固体電解質が形成可能な組成物を提供
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のモ
ノマー成分の組み合わせに、リチウム化合物を併用し、
得られた組成物を、当初から所望の形状に合わせて重合
を行うか、あるいは部分重合して必要な粘度とした後、
所望の形状にコーティングあるいは成形し、さらに重合
することで上記目的が達成されることを見いだし、本発
明を完成することができた。
ノマー成分の組み合わせに、リチウム化合物を併用し、
得られた組成物を、当初から所望の形状に合わせて重合
を行うか、あるいは部分重合して必要な粘度とした後、
所望の形状にコーティングあるいは成形し、さらに重合
することで上記目的が達成されることを見いだし、本発
明を完成することができた。
【0008】すなわち本発明は、 〔A〕 1分子中に(メタ)アクリロイル基とアセトア
セトキシ基とを共有するモノマー; 〔B〕 ポリエステルポリオールと不飽和イソシアナー
トとを反応させて得られた不飽和ウレタン; 〔C〕 リチウム化合物;および 〔D〕 リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を含んでな
ることを特徴とする固体電解質が形成可能な組成物を提
供するものである。
セトキシ基とを共有するモノマー; 〔B〕 ポリエステルポリオールと不飽和イソシアナー
トとを反応させて得られた不飽和ウレタン; 〔C〕 リチウム化合物;および 〔D〕 リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を含んでな
ることを特徴とする固体電解質が形成可能な組成物を提
供するものである。
【0009】また本発明は、〔A〕成分のモノマーと共
重合可能なモノマーが、〔A〕成分において多くとも7
0重量%の割合で含まれる前記の固体電解質が形成可能
な組成物を提供するものである。
重合可能なモノマーが、〔A〕成分において多くとも7
0重量%の割合で含まれる前記の固体電解質が形成可能
な組成物を提供するものである。
【0010】さらに本発明は、〔A〕成分100重量部
に対し、〔B〕不飽和ウレタンを0.1〜50重量部お
よび〔D〕リチウム化合物を溶解可能な溶剤を10〜5
00重量部配合し、且つ〔A〕,〔B〕および〔D〕成
分の合計100重量部に対し、〔C〕リチウム化合物を
1〜50重量部配合する前記の固体電解質が形成可能な
組成物を提供するものである。
に対し、〔B〕不飽和ウレタンを0.1〜50重量部お
よび〔D〕リチウム化合物を溶解可能な溶剤を10〜5
00重量部配合し、且つ〔A〕,〔B〕および〔D〕成
分の合計100重量部に対し、〔C〕リチウム化合物を
1〜50重量部配合する前記の固体電解質が形成可能な
組成物を提供するものである。
【0011】さらにまた本発明は、〔A〕成分100重
量部に対し、〔B〕不飽和ウレタンを0.5〜30重量
部および〔D〕リチウム化合物を溶解可能な溶剤を30
〜400重量部配合し、且つ〔A〕,〔B〕および
〔D〕成分の合計100重量部に対し、〔C〕リチウム
化合物を3〜30重量部配合する前記の固体電解質が形
成可能な組成物を提供するものである。
量部に対し、〔B〕不飽和ウレタンを0.5〜30重量
部および〔D〕リチウム化合物を溶解可能な溶剤を30
〜400重量部配合し、且つ〔A〕,〔B〕および
〔D〕成分の合計100重量部に対し、〔C〕リチウム
化合物を3〜30重量部配合する前記の固体電解質が形
成可能な組成物を提供するものである。
【0012】また本発明は、〔A〕1分子中に(メタ)
アクリロイル基とアセトアセトキシ基とを共有するモノ
マーが、アセトアセトキシエチルアクリレートまたはア
セトアセトキシエチルメタクリレートである前記の固体
電解質が形成可能な組成物を提供するものである。
アクリロイル基とアセトアセトキシ基とを共有するモノ
マーが、アセトアセトキシエチルアクリレートまたはア
セトアセトキシエチルメタクリレートである前記の固体
電解質が形成可能な組成物を提供するものである。
【0013】さらに本発明は、〔C〕リチウム化合物
が、LiClO4 ,LiBF4 ,LiPF6 ,LiAl
Cl4 およびLiCF3 SO3 からなる群から選択され
た少なくとも1種である前記の固体電解質が形成可能な
組成物を提供するものである。
が、LiClO4 ,LiBF4 ,LiPF6 ,LiAl
Cl4 およびLiCF3 SO3 からなる群から選択され
た少なくとも1種である前記の固体電解質が形成可能な
組成物を提供するものである。
【0014】さらにまた本発明は、各成分があらかじめ
含水量50ppm 以下まで脱水されている前記の固体電解
質が形成可能な組成物を提供するものである。
含水量50ppm 以下まで脱水されている前記の固体電解
質が形成可能な組成物を提供するものである。
【0015】また本発明は、前記の組成物を、所望の形
状の型内で重合させることを特徴とする固体電解質の製
造方法を提供するものである。
状の型内で重合させることを特徴とする固体電解質の製
造方法を提供するものである。
【0016】さらに本発明は、前記の組成物を部分重合
して所望の粘度に調整した後、これを所望の形状の型内
でさらに重合させることを特徴とする固体電解質の製造
方法を提供するものである。
して所望の粘度に調整した後、これを所望の形状の型内
でさらに重合させることを特徴とする固体電解質の製造
方法を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。 (1分子中に(メタ)アクリロイル基とアセトアセトキ
シ基を共有するモノマー)本発明に用いられる1分子中
に(メタ)アクリロイル基とアセトアセトキシ基を共有
するモノマー(以下、アセトアセトキシモノマーという
ことがある)は、リチウム化合物を溶解することがで
き、さらにポリマー化した後でもリチウム化合物が溶解
可能である。
する。 (1分子中に(メタ)アクリロイル基とアセトアセトキ
シ基を共有するモノマー)本発明に用いられる1分子中
に(メタ)アクリロイル基とアセトアセトキシ基を共有
するモノマー(以下、アセトアセトキシモノマーという
ことがある)は、リチウム化合物を溶解することがで
き、さらにポリマー化した後でもリチウム化合物が溶解
可能である。
【0018】また、アセトアセトキシ基は、リチウム化
合物のLiとキレートを形成する可能性があり、ポリマ
ーの運動によるイオン輸送が期待される。また、アセト
アセトキシモノマーを使用することにより、強い粘着性
を有するポリマーを形成することができ、電極との密着
性の点からも有利である。これらの点は、本発明の一つ
の特徴である。
合物のLiとキレートを形成する可能性があり、ポリマ
ーの運動によるイオン輸送が期待される。また、アセト
アセトキシモノマーを使用することにより、強い粘着性
を有するポリマーを形成することができ、電極との密着
性の点からも有利である。これらの点は、本発明の一つ
の特徴である。
【0019】アセトアセトキシモノマーとしては、例え
ば、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセ
トキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピ
ルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレ
ート、アセトアセトキシアリルアルコール、アセトアセ
チル化ジエチレングリコールモノメタクリレート、アセ
トアセチル化トリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、アセトアセチル化ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物
のアセトアセチル化物等が挙げられる。中でも好ましく
はアセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセト
キシエチルメタクリレートである。
ば、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセ
トキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピ
ルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレ
ート、アセトアセトキシアリルアルコール、アセトアセ
チル化ジエチレングリコールモノメタクリレート、アセ
トアセチル化トリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、アセトアセチル化ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、(メタ)アクリル酸カプロラクトン付加物
のアセトアセチル化物等が挙げられる。中でも好ましく
はアセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセト
キシエチルメタクリレートである。
【0020】アセトアセトキシモノマーは、例えば次の
スキームに従い、不飽和モノアルコールにジケテンを反
応させることにより合成することができる。
スキームに従い、不飽和モノアルコールにジケテンを反
応させることにより合成することができる。
【0021】
【化1】
【0022】上記の他に用いられる不飽和アルコールに
は、例えば次の種類が挙げられ、相当するアセトアセト
キシモノマーが得られる。2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、分子量150〜1000のポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリ
ルアルコール等が挙げられる。
は、例えば次の種類が挙げられ、相当するアセトアセト
キシモノマーが得られる。2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、分子量150〜1000のポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリ
ルアルコール等が挙げられる。
【0023】不飽和モノアルコールとジケテンとの反応
は、錫の有機化合物、3級アミンなどを触媒にしてアセ
トアセチル化が可能になる。しかし実用的には、米国イ
ーストマン・ケミカル社から、アセトアセトキシエチル
メタクリレートが商品名AAEMとして市販されてお
り、便利に用いられる。
は、錫の有機化合物、3級アミンなどを触媒にしてアセ
トアセチル化が可能になる。しかし実用的には、米国イ
ーストマン・ケミカル社から、アセトアセトキシエチル
メタクリレートが商品名AAEMとして市販されてお
り、便利に用いられる。
【0024】本発明においては、〔A〕成分としてアセ
トアセトキシモノマーを単独で使用してもよいが、アセ
トアセトキシモノマーと共重合可能なモノマーを併用し
てもよい。アセトアセトキシモノマーと共重合可能なモ
ノマーとしては、例えばアクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ル類等が挙げられる。共重合可能なモノマーとして、例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルを併用した
場合は、イオン導電性を妨げず、加えてフィルムの強度
を向上させることができる。
トアセトキシモノマーを単独で使用してもよいが、アセ
トアセトキシモノマーと共重合可能なモノマーを併用し
てもよい。アセトアセトキシモノマーと共重合可能なモ
ノマーとしては、例えばアクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステ
ル類等が挙げられる。共重合可能なモノマーとして、例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリルを併用した
場合は、イオン導電性を妨げず、加えてフィルムの強度
を向上させることができる。
【0025】共重合可能なモノマーの配合割合は、アセ
トアセトキシモノマーと共重合可能なモノマーの合計を
100重量%とした場合、多くとも70重量%、好まし
くは多くとも60重量%である。70重量%を超えて配
合すると、アセトアセトキシ基濃度が減少することか
ら、導電性が低下する傾向が認められ、さらに共重合ポ
リマーは溶剤に対する溶解性も低下する欠点がある。最
も好ましい共重合可能なモノマーの配合割合は、10〜
50重量%である。
トアセトキシモノマーと共重合可能なモノマーの合計を
100重量%とした場合、多くとも70重量%、好まし
くは多くとも60重量%である。70重量%を超えて配
合すると、アセトアセトキシ基濃度が減少することか
ら、導電性が低下する傾向が認められ、さらに共重合ポ
リマーは溶剤に対する溶解性も低下する欠点がある。最
も好ましい共重合可能なモノマーの配合割合は、10〜
50重量%である。
【0026】(不飽和ウレタン)本発明においては、上
記のアセトアセトキシモノマー(これと共重合可能なモ
ノマーを含む場合もある)と併用して、ポリマーの分子
量を著しく増大、または架橋させるための架橋剤を使用
する。具体的には、ポリエステルポリオールと不飽和イ
ソシアナートとを反応させて得られた不飽和ウレタンで
ある。不飽和ウレタンを用いることによってフィルムの
強靭さを向上させることができる。
記のアセトアセトキシモノマー(これと共重合可能なモ
ノマーを含む場合もある)と併用して、ポリマーの分子
量を著しく増大、または架橋させるための架橋剤を使用
する。具体的には、ポリエステルポリオールと不飽和イ
ソシアナートとを反応させて得られた不飽和ウレタンで
ある。不飽和ウレタンを用いることによってフィルムの
強靭さを向上させることができる。
【0027】ポリエステルポリオールは、常法に従い主
として次の2つの方法で合成することができる。
として次の2つの方法で合成することができる。
【0028】(1)多塩基酸(またはその酸無水物)と
多価アルコールとの重縮合反応させる。
多価アルコールとの重縮合反応させる。
【0029】多塩基酸(またはその酸無水物)として
は、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸
ジメチルエステル等が挙げられる。
は、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸
ジメチルエステル等が挙げられる。
【0030】多価アルコールとしては、プロピレングリ
コール、エチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール
1,3,3−メチルペンタンジオール1,5,オクチレ
ングリコール、ノナメチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン等が
挙げられる。
コール、エチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール
1,3,3−メチルペンタンジオール1,5,オクチレ
ングリコール、ノナメチレングリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン等が
挙げられる。
【0031】多塩基酸(またはその酸無水物)と多価ア
ルコールとの反応は、従来のエステル化法を適用するこ
とができ、特に制限されない。
ルコールとの反応は、従来のエステル化法を適用するこ
とができ、特に制限されない。
【0032】(ロ)環状エステル(ラクトン等)の開環
重付加反応による。
重付加反応による。
【0033】環状エステル(ラクトン等)としては、プ
ロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ε−カプロラク
トン等が挙げられる。環状エステル(ラクトン等)の開
環重付加反応により得られる種類としては、ポリラクト
ンが本発明の目的によく合致する。
ロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ε−カプロラク
トン等が挙げられる。環状エステル(ラクトン等)の開
環重付加反応により得られる種類としては、ポリラクト
ンが本発明の目的によく合致する。
【0034】環状エステル(ラクトン等)の開環重付加
反応は、グリコールまたは多塩基酸を開始剤とし、スズ
の有機化合物のような触媒を併用して行われる。
反応は、グリコールまたは多塩基酸を開始剤とし、スズ
の有機化合物のような触媒を併用して行われる。
【0035】かくして得られたポリエステルポリオール
は、その末端基はイソシアネート基との反応性のために
ヒドロキシ基であることが望ましく、分子量は、500
〜3000位、より望ましくは、800〜2500位が
適当である。
は、その末端基はイソシアネート基との反応性のために
ヒドロキシ基であることが望ましく、分子量は、500
〜3000位、より望ましくは、800〜2500位が
適当である。
【0036】また、フィルムを強靭化するためには、ポ
リエステルポリオール自体は、伸びのある強度の極力大
きい種類が望まれる。そのような見地からすれば、一般
に軟質−半硬質ポリウレタンに用いられている組成から
なるポリエステルポリオールの使用が好ましい。このよ
うなポリエステルポリオールとしては、例えばアジピン
酸(10モル)〜プロピレングリコール(3モル)〜エ
チレングリコール(8モル)程度の組成からなるものが
あげられる。
リエステルポリオール自体は、伸びのある強度の極力大
きい種類が望まれる。そのような見地からすれば、一般
に軟質−半硬質ポリウレタンに用いられている組成から
なるポリエステルポリオールの使用が好ましい。このよ
うなポリエステルポリオールとしては、例えばアジピン
酸(10モル)〜プロピレングリコール(3モル)〜エ
チレングリコール(8モル)程度の組成からなるものが
あげられる。
【0037】ポリエステルポリオールと反応させて不飽
和ウレタンを合成するために使用される不飽和イソシア
ナートとしては、例えば次式で示されるイソシアナート
エチルメタクリレートがあげられる。
和ウレタンを合成するために使用される不飽和イソシア
ナートとしては、例えば次式で示されるイソシアナート
エチルメタクリレートがあげられる。
【化2】
【0038】このイソシアナートエチルメタクリレート
は、例えば昭和電工社製、商品名MOIとして市販され
ている。
は、例えば昭和電工社製、商品名MOIとして市販され
ている。
【0039】さらに、不飽和モノイソシアナート化合物
として、2,4−トリレンジイソシアナートやイソホロ
ンジイソシアナートのように分子中に2個のイソシアナ
ート基の反応性の異なる種類を利用し、その1個のイソ
シアナート基と不飽和アルコール類とを反応させたもの
を使用することができる。
として、2,4−トリレンジイソシアナートやイソホロ
ンジイソシアナートのように分子中に2個のイソシアナ
ート基の反応性の異なる種類を利用し、その1個のイソ
シアナート基と不飽和アルコール類とを反応させたもの
を使用することができる。
【0040】前記の不飽和アルコール類としては、例え
ば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙
げられる。
ば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙
げられる。
【0041】不飽和アルコール類と多価イソシアナート
とは、両者の配合割合を1モル対1モル程度にして反応
させることができる。例えば、適当な溶剤共存下に、イ
ソシアナート、触媒(例えばジブチル錫化合物)その他
を仕込み、50〜80℃に加温し、前記の不飽和アルコ
ール類を導入する方法が挙げられる。
とは、両者の配合割合を1モル対1モル程度にして反応
させることができる。例えば、適当な溶剤共存下に、イ
ソシアナート、触媒(例えばジブチル錫化合物)その他
を仕込み、50〜80℃に加温し、前記の不飽和アルコ
ール類を導入する方法が挙げられる。
【0042】不飽和アルコール類として2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、多価イソシアナートとして2,
4−トリレンジイソシアナートを使用した場合の上記反
応は、次のように要約される。
エチルメタクリレート、多価イソシアナートとして2,
4−トリレンジイソシアナートを使用した場合の上記反
応は、次のように要約される。
【0043】
【化3】
【0044】ポリエステルポリオールと不飽和イソシア
ナートとの反応は、通常のウレタン化反応に準じて行わ
れるが、ポリエステルポリオールの粘度が高い場合に
は、不飽和イソシアナートと反応性を有しない溶剤或は
モノマーに溶解して行ってもよい。
ナートとの反応は、通常のウレタン化反応に準じて行わ
れるが、ポリエステルポリオールの粘度が高い場合に
は、不飽和イソシアナートと反応性を有しない溶剤或は
モノマーに溶解して行ってもよい。
【0045】一般的に、熱可塑性ポリマーを製造して、
これをフィルムに加工する場合等には、架橋剤を併用す
ることは熱可塑性でなくなるという点でできない。然し
ながら、本発明のように型を合わせて重合させるか、当
初からフィルムに成形する場合には、架橋剤として不飽
和ウレタンを使用することにより分子量を著しく増大さ
せて、極言すれば無限大として成形品またはフィル強度
を大きく向上させることができる。これによって、リチ
ウム化合物を溶解可能な溶剤を多量に添加しても、成形
品またはフィルムの形状が維持可能となる。
これをフィルムに加工する場合等には、架橋剤を併用す
ることは熱可塑性でなくなるという点でできない。然し
ながら、本発明のように型を合わせて重合させるか、当
初からフィルムに成形する場合には、架橋剤として不飽
和ウレタンを使用することにより分子量を著しく増大さ
せて、極言すれば無限大として成形品またはフィル強度
を大きく向上させることができる。これによって、リチ
ウム化合物を溶解可能な溶剤を多量に添加しても、成形
品またはフィルムの形状が維持可能となる。
【0046】不飽和ウレタンの数平均分子量は、300
〜3000程度が好ましい。
〜3000程度が好ましい。
【0047】不飽和ウレタンの配合割合は、アセトアセ
トキシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場
合もある)100重量部に対して、0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜30重量部がよい。0.1重量
部未満では、架橋剤添加の意味が薄れ、逆に50重量部
を超えて配合すると、生成したフィルムがもろくなっ
て、フィルム物性が得難くなる。
トキシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場
合もある)100重量部に対して、0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜30重量部がよい。0.1重量
部未満では、架橋剤添加の意味が薄れ、逆に50重量部
を超えて配合すると、生成したフィルムがもろくなっ
て、フィルム物性が得難くなる。
【0048】(リチウム化合物)本発明に用いるリチウ
ム化合物は、とくに制限を加える必要はないが、実用的
には例えば、LiClO4 ,LiBF4 ,LiPF6 ,
LiAlCl4 ,LiCF3 SO3 などの無機のリチウ
ム化合物が挙げられる。また、有機酸のリチウム塩、例
えば酢酸リチウムを併用することもあり得る。
ム化合物は、とくに制限を加える必要はないが、実用的
には例えば、LiClO4 ,LiBF4 ,LiPF6 ,
LiAlCl4 ,LiCF3 SO3 などの無機のリチウ
ム化合物が挙げられる。また、有機酸のリチウム塩、例
えば酢酸リチウムを併用することもあり得る。
【0049】リチウム化合物の使用量は、アセトアセト
キシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場合
もある)、不飽和ウレタンおよびリチウム化合物を溶解
可能な溶剤の合計100重量部に対し、1〜50重量
部、好ましくは3〜30重量部がよい。リチウム化合物
の配合割合が1重量部未満では、導電性の発現が十分で
なく、逆に50重量部を超えて配合すると、導電性が増
加せず、場合によってはかえって低下する傾向も見られ
る。
キシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場合
もある)、不飽和ウレタンおよびリチウム化合物を溶解
可能な溶剤の合計100重量部に対し、1〜50重量
部、好ましくは3〜30重量部がよい。リチウム化合物
の配合割合が1重量部未満では、導電性の発現が十分で
なく、逆に50重量部を超えて配合すると、導電性が増
加せず、場合によってはかえって低下する傾向も見られ
る。
【0050】(リチウム化合物を溶解可能な溶剤)さら
に本発明においては、生成ポリマー並びにリチウム化合
物を溶解し、ポリマーに粘着性を付与し、良好なイオン
導電性をフィルムまたは成形品に与えるイオンキャリア
とでも呼べる物質、すなわちリチウム化合物を溶解可能
な溶剤が必要である。
に本発明においては、生成ポリマー並びにリチウム化合
物を溶解し、ポリマーに粘着性を付与し、良好なイオン
導電性をフィルムまたは成形品に与えるイオンキャリア
とでも呼べる物質、すなわちリチウム化合物を溶解可能
な溶剤が必要である。
【0051】現行の液状リチウム電池には、幾つかの溶
剤、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン
あるいはこれらの混合溶剤等が使用されているが、本発
明における溶剤は、リチウム化合物を必要量溶解するタ
イプであれば特に種類を特定する必要はない。これら溶
剤の配合割合は、アセトアセトキシモノマー(これと共
重合可能なモノマーを含む場合もある)の合計100重
量部に対して、10〜500重量部、好ましくは30〜
400重量部がよい。使用量は多いほうが導電性を高め
る傾向が見受けられる。溶剤は、当初からアセトアセト
キシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場合
もある)、不飽和ウレタンおよびリチウム化合物と併用
して重合してもよく、あるいは重合後のポリマーおよび
リチウム化合物を溶解してもよい。
剤、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン
あるいはこれらの混合溶剤等が使用されているが、本発
明における溶剤は、リチウム化合物を必要量溶解するタ
イプであれば特に種類を特定する必要はない。これら溶
剤の配合割合は、アセトアセトキシモノマー(これと共
重合可能なモノマーを含む場合もある)の合計100重
量部に対して、10〜500重量部、好ましくは30〜
400重量部がよい。使用量は多いほうが導電性を高め
る傾向が見受けられる。溶剤は、当初からアセトアセト
キシモノマー(これと共重合可能なモノマーを含む場合
もある)、不飽和ウレタンおよびリチウム化合物と併用
して重合してもよく、あるいは重合後のポリマーおよび
リチウム化合物を溶解してもよい。
【0052】本発明に用いられるリチウム化合物を溶解
可能な溶剤は、例えば次の種類が挙げられる。 (a)カーボネート類 エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート; (b)エステル、ラクトン類 ギ酸メチル、γ−ブチロラクトン; (c)エーテル類 1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、メチルテトラヒドロフラン; (d)含窒素溶剤 アセトニトリル、サクシノニトリル、ジメチルアセトア
ミド;および (e)含硫黄溶剤 ジメチルスルホキシド、スルホラン。もちろんこれら相
互の併用も可能である。
可能な溶剤は、例えば次の種類が挙げられる。 (a)カーボネート類 エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート; (b)エステル、ラクトン類 ギ酸メチル、γ−ブチロラクトン; (c)エーテル類 1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、メチルテトラヒドロフラン; (d)含窒素溶剤 アセトニトリル、サクシノニトリル、ジメチルアセトア
ミド;および (e)含硫黄溶剤 ジメチルスルホキシド、スルホラン。もちろんこれら相
互の併用も可能である。
【0053】なお、本発明の組成物に使用される各成分
は、あらかじめ脱水しておくのが好ましい。脱水の手段
はとくに制限されないが、例えばモレキュラーシーブ等
を用い、水分量50ppm 以下、好ましくは、20ppm 以
下にしておくのがよい。
は、あらかじめ脱水しておくのが好ましい。脱水の手段
はとくに制限されないが、例えばモレキュラーシーブ等
を用い、水分量50ppm 以下、好ましくは、20ppm 以
下にしておくのがよい。
【0054】重合は、公知の重合触媒、代表的には有機
過酸化物を併用して行われる。
過酸化物を併用して行われる。
【0055】本発明の組成物の調製は、上記各成分を所
定量で配合し、公知の混合手段で混合することにより簡
単に行うことができる。
定量で配合し、公知の混合手段で混合することにより簡
単に行うことができる。
【0056】本発明の組成物は、常温で良好な導電性を
示し、良好なフィルム形成性を示す。
示し、良好なフィルム形成性を示す。
【0057】また本発明の組成物の実用化に当たって
は、目的を損なわない範囲で各種の添加剤、補強材等を
必要に応じて併用できることは勿論である。
は、目的を損なわない範囲で各種の添加剤、補強材等を
必要に応じて併用できることは勿論である。
【0058】得られた本発明の組成物を例えばフィルム
の形状に成形するには、例えば電極の形状に合わせた型
内で各成分を重合させるか、あるいは部分重合して必要
な粘度とした後、所望の形状にコーティングあるいは成
形し、さらに重合を行ってポリマー化するのがよい。こ
のようにすれば、本発明の組成物は、架橋用不飽和ウレ
タンを併用しても良好なフィルム形成性を示す。また、
電極との密着性も優れたものになる。
の形状に成形するには、例えば電極の形状に合わせた型
内で各成分を重合させるか、あるいは部分重合して必要
な粘度とした後、所望の形状にコーティングあるいは成
形し、さらに重合を行ってポリマー化するのがよい。こ
のようにすれば、本発明の組成物は、架橋用不飽和ウレ
タンを併用しても良好なフィルム形成性を示す。また、
電極との密着性も優れたものになる。
【0059】
【作用】本発明者らは、鋭意検討を重ねたところ、例え
ばポリエチレンオキシド系のポリマーを形成させ、その
後に脱水を行ったのでは、ポリマー中の含水量を必要レ
ベルまで低下させることが頗る困難であることを見いだ
した。また、様々なポリマーを検討しても、単なるポリ
マー自体には、要求される導電性が得られないことも見
いだした。故に本発明者らは、必要とするモノマーを例
えばモレキュラーシーブで脱水した後、混合して、電極
の形に併せて注入・重合させるか、あるいは部分重合し
て必要な粘度とした後、所望の形状にコーティング、あ
るいは成形し、さらに重合を行ってポリマー化する方法
によって、リチウム電池に要求される非水系化レベルの
含水量が達成され、さらに実用的なフィルムが形成さ
れ、しかも電極との密着性に優れ、且つ良好なイオン導
電性が示されることを見いだし、本発明を完成すること
ができた。
ばポリエチレンオキシド系のポリマーを形成させ、その
後に脱水を行ったのでは、ポリマー中の含水量を必要レ
ベルまで低下させることが頗る困難であることを見いだ
した。また、様々なポリマーを検討しても、単なるポリ
マー自体には、要求される導電性が得られないことも見
いだした。故に本発明者らは、必要とするモノマーを例
えばモレキュラーシーブで脱水した後、混合して、電極
の形に併せて注入・重合させるか、あるいは部分重合し
て必要な粘度とした後、所望の形状にコーティング、あ
るいは成形し、さらに重合を行ってポリマー化する方法
によって、リチウム電池に要求される非水系化レベルの
含水量が達成され、さらに実用的なフィルムが形成さ
れ、しかも電極との密着性に優れ、且つ良好なイオン導
電性が示されることを見いだし、本発明を完成すること
ができた。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 実施例1〜5ポリエステルポリオール(a)の合成 撹拌機、分溜コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、ジエチルマロネ
ート320g、エチレングリコール130g、酢酸亜鉛
1gを仕込み、窒素気流下、160〜170℃で脱エタ
ノール反応を行った後、最終的には、ほぼ1Torrの減圧
下で縮合を完結させた。得られたポリエステルポリオー
ル(a)は、淡クリーム色のシラップ状であり、数平均
分子量は2570(GPC測定による)、酸価0、水酸
価53であった。
た1リットルのセパラブルフラスコに、ジエチルマロネ
ート320g、エチレングリコール130g、酢酸亜鉛
1gを仕込み、窒素気流下、160〜170℃で脱エタ
ノール反応を行った後、最終的には、ほぼ1Torrの減圧
下で縮合を完結させた。得られたポリエステルポリオー
ル(a)は、淡クリーム色のシラップ状であり、数平均
分子量は2570(GPC測定による)、酸価0、水酸
価53であった。
【0061】不飽和ウレタン(A)の合成 撹拌機、還流コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、ポリエステルポ
リオール(a)を500g、γ−ブチロラクトン150
gを仕込み、均一に溶解させた後、イソシアナートエチ
ルメタクリレート50g,ジブチル錫ジラウレート0.
6g、メチルパラベンゾキノン0.2gを加え、乾燥空
気流中、60〜65℃で5時間反応すると、赤外分析の
結果遊離のイソシアナート基は消失したものと確認され
た。
た1リットルのセパラブルフラスコに、ポリエステルポ
リオール(a)を500g、γ−ブチロラクトン150
gを仕込み、均一に溶解させた後、イソシアナートエチ
ルメタクリレート50g,ジブチル錫ジラウレート0.
6g、メチルパラベンゾキノン0.2gを加え、乾燥空
気流中、60〜65℃で5時間反応すると、赤外分析の
結果遊離のイソシアナート基は消失したものと確認され
た。
【0062】次に、アセトアセトキシモノマー、架橋剤
として不飽和ウレタン(A)LiBF4 および溶剤を、
表1の配合割合に従って配合し、さらに過酸化ベンゾイ
ル2重量部を加えて混合し、本発明の組成物を調製し
た。LiBF4 の配合量は、アセトアセトキシモノマ
ー、不飽和ウレタン(A)および溶剤の合計100重量
部に対して10重量部である。次に、白金電極間の0.
5mm間隔中に組成物を注入し、当初80℃で60分間、
次に100℃で60分間、窒素気流中で重合させた。得
られたフィルムは、厚みは0.51〜0.61mmであ
り、フィルム強度は730〜1140g/cm2 であった。
なお、液状の各成分は、いずれもモレキュラーシーブで
あらかじめ脱水し、水分量50ppm 以下に調製した。導
電性は交流インピーダンス法(1MHz)によって測定し
た。その結果を併せて表1に示す。
として不飽和ウレタン(A)LiBF4 および溶剤を、
表1の配合割合に従って配合し、さらに過酸化ベンゾイ
ル2重量部を加えて混合し、本発明の組成物を調製し
た。LiBF4 の配合量は、アセトアセトキシモノマ
ー、不飽和ウレタン(A)および溶剤の合計100重量
部に対して10重量部である。次に、白金電極間の0.
5mm間隔中に組成物を注入し、当初80℃で60分間、
次に100℃で60分間、窒素気流中で重合させた。得
られたフィルムは、厚みは0.51〜0.61mmであ
り、フィルム強度は730〜1140g/cm2 であった。
なお、液状の各成分は、いずれもモレキュラーシーブで
あらかじめ脱水し、水分量50ppm 以下に調製した。導
電性は交流インピーダンス法(1MHz)によって測定し
た。その結果を併せて表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】実施例6〜10不飽和ウレタン(B)の合成 撹拌機、還流コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1リットルのセパラブルフラスコに、ポリエステルポ
リオールとして末端ヒドロキシ基ポリカプロラクトン
(ダイセル(株)社製プラクセル #L220AL、数平
均分子量約2000)を500g、プロピレンカーボネ
ート100g、ジブチル錫ジラウレート0.8g、ベン
ゾキノン0.2gを仕込み、60℃で均一に溶解した
後、2,4−トリレンジイソシアナートと2−ヒドロキ
シプロピルアクリレートとの1モル対1モルの付加物
(1当量のイソシアナート基を含む)を140g加え、
60〜65℃で3時間反応すると、赤外分析の結果、遊
離のイソシアナート基は消失したことが確認された。淡
赤褐色、シラップ状の不飽和ウレタン(B)が得られた。
不飽和ウレタン(B)の数平均分子量は、約2600で
あった。
た1リットルのセパラブルフラスコに、ポリエステルポ
リオールとして末端ヒドロキシ基ポリカプロラクトン
(ダイセル(株)社製プラクセル #L220AL、数平
均分子量約2000)を500g、プロピレンカーボネ
ート100g、ジブチル錫ジラウレート0.8g、ベン
ゾキノン0.2gを仕込み、60℃で均一に溶解した
後、2,4−トリレンジイソシアナートと2−ヒドロキ
シプロピルアクリレートとの1モル対1モルの付加物
(1当量のイソシアナート基を含む)を140g加え、
60〜65℃で3時間反応すると、赤外分析の結果、遊
離のイソシアナート基は消失したことが確認された。淡
赤褐色、シラップ状の不飽和ウレタン(B)が得られた。
不飽和ウレタン(B)の数平均分子量は、約2600で
あった。
【0065】次にアセトアセトキシモノマーとしてアセ
トアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエ
チルアクリレートと共重合可能なモノマーとしてアクリ
ロニトリル、架橋剤として不飽和ウレタン(B)、溶剤
およびLiClO4 を用い、液状の各成分をモレキュラ
ーシーブで脱水して含水率50ppm 以下としたものを使
用した。表2に示される配合でもって組成物を調製し、
実施例1と同様に白金電極間で各成分を重合させ、導電
性を測定した。得られた結果も合わせて表2に示す。
トアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエ
チルアクリレートと共重合可能なモノマーとしてアクリ
ロニトリル、架橋剤として不飽和ウレタン(B)、溶剤
およびLiClO4 を用い、液状の各成分をモレキュラ
ーシーブで脱水して含水率50ppm 以下としたものを使
用した。表2に示される配合でもって組成物を調製し、
実施例1と同様に白金電極間で各成分を重合させ、導電
性を測定した。得られた結果も合わせて表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】
【化4】
【0068】なお、重合は、60℃で2時間、80℃で
2時間、100℃で12時間、窒素気流中で行った。得
られたフィルム厚みは0.53〜0.61mm、フィルム
強度は390〜960g/cm2 であった。
2時間、100℃で12時間、窒素気流中で行った。得
られたフィルム厚みは0.53〜0.61mm、フィルム
強度は390〜960g/cm2 であった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、実用的なフィルム形成
性があり、電極との密着性に優れ、且つリチウム化合物
と併用した場合に良好なイオン導電性を示す、固体電解
質が形成可能な組成物が提供される。
性があり、電極との密着性に優れ、且つリチウム化合物
と併用した場合に良好なイオン導電性を示す、固体電解
質が形成可能な組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01M 10/40 H01M 10/40 B (72)発明者 荻原 和重 群馬県佐波郡赤堀町間野谷608−2 (72)発明者 高橋 健太郎 群馬県高崎市江木町957−4 アビタシオ ン清水101
Claims (9)
- 【請求項1】〔A〕 1分子中に(メタ)アクリロイル
基とアセトアセトキシ基とを共有するモノマー; 〔B〕 ポリエステルポリオールと不飽和イソシアナー
トとを反応させて得られた不飽和ウレタン; 〔C〕 リチウム化合物;および 〔D〕 リチウム化合物を溶解可能な溶剤;を含んでな
ることを特徴とする固体電解質が形成可能な組成物。 - 【請求項2】 〔A〕成分のモノマーと共重合可能なモ
ノマーが、〔A〕成分において多くとも70重量%の割
合で含まれる請求項1に記載の固体電解質が形成可能な
組成物。 - 【請求項3】 〔A〕成分100重量部に対し、〔B〕
不飽和ウレタンを0.1〜50重量部および〔D〕リチ
ウム化合物を溶解可能な溶剤を10〜500重量部配合
し、且つ〔A〕,〔B〕および〔D〕成分の合計100
重量部に対し、〔C〕リチウム化合物を1〜50重量部
配合する請求項1または2に記載の固体電解質が形成可
能な組成物。 - 【請求項4】 〔A〕成分100重量部に対し、〔B〕
不飽和ウレタンを0.5〜30重量部および〔D〕リチ
ウム化合物を溶解可能な溶剤を30〜400重量部配合
し、且つ〔A〕,〔B〕および〔D〕成分の合計100
重量部に対し、〔C〕リチウム化合物を3〜30重量部
配合する請求項3に記載の固体電解質が形成可能な組成
物。 - 【請求項5】 〔A〕1分子中に(メタ)アクリロイル
基とアセトアセトキシ基とを共有するモノマーが、アセ
トアセトキシエチルアクリレートまたはアセトアセトキ
シエチルメタクリレートである請求項1ないし4のいず
れか1項に記載の固体電解質が形成可能な組成物。 - 【請求項6】 〔C〕リチウム化合物が、LiClO
4 ,LiBF4 ,LiPF6 ,LiAlCl4 およびL
iCF3 SO3 からなる群から選択された少なくとも1
種である請求項1に記載の固体電解質が形成可能な組成
物。 - 【請求項7】 各成分が、あらかじめ含水量50ppm 以
下まで脱水されている請求項1ないし6のいずれか1項
に記載の固体電解質が形成可能な組成物。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
の組成物を、所望の形状の型内で重合させることを特徴
とする固体電解質の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
の組成物を部分重合して所望の粘度に調整した後、これ
を所望の形状の型内でさらに重合させることを特徴とす
る固体電解質の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8088529A JPH09278972A (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 固体電解質が形成可能な組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8088529A JPH09278972A (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 固体電解質が形成可能な組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09278972A true JPH09278972A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=13945373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8088529A Pending JPH09278972A (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 固体電解質が形成可能な組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09278972A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006112640A1 (en) | 2005-04-20 | 2006-10-26 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery having improved stability to overcharge |
-
1996
- 1996-04-10 JP JP8088529A patent/JPH09278972A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006112640A1 (en) | 2005-04-20 | 2006-10-26 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery having improved stability to overcharge |
EP1872424A1 (en) * | 2005-04-20 | 2008-01-02 | LG Chem, Ltd. | Lithium secondary battery having improved stability to overcharge |
EP1872424A4 (en) * | 2005-04-20 | 2010-12-29 | Lg Chemical Ltd | LITHIUM SECONDARY BATTERY WITH IMPROVED OVERLOAD STRENGTH |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20230344001A1 (en) | Polymer solid electrolytes, methods of making, and electrochemical cells comprising the same | |
JPH0559153B2 (ja) | ||
US20200144665A1 (en) | Polymer solid electrolytes | |
RU2011128700A (ru) | Сшиваемое полимерное связующее | |
JPH02500279A (ja) | 高分子イオン伝導体 | |
US4083815A (en) | Polyurethane coating compositions and process of preparation | |
EP0880189B1 (en) | Solid electrolyte | |
JPH09278972A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
JPWO2010001898A1 (ja) | 多分岐性ポリエステルの製造方法、ポリウレタンの製造方法、ポリウレタン | |
JPH09278840A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
JPH09278971A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
JPH09278841A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
JPH09278970A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
US6399254B1 (en) | Solid electrolyte | |
JPH1017709A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
JP2645380B2 (ja) | アクリル樹脂組成物 | |
CN106414549B (zh) | 末端改性聚对苯二甲酸乙二醇酯树脂、其制造方法及成型品 | |
JPH1017708A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
CN104497587B (zh) | 一种聚氨基甲酸酯与聚甲基丙烯酸羟乙酯改进聚肽膜亲水性与柔顺性的方法 | |
JP3414458B2 (ja) | 生分解性高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法 | |
JPH09263612A (ja) | 固体電解質が形成可能な組成物 | |
JP4565289B2 (ja) | 乳酸系共重合ポリエステル | |
JP3463107B2 (ja) | 脂肪族ポリエステル共重合体及びその製造方法 | |
JP3338331B2 (ja) | 2成分型アクリルウレタン系シーリング材組成物 | |
JPH09309939A (ja) | ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法 |