JPH09309939A - ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法

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JPH09309939A
JPH09309939A JP8128410A JP12841096A JPH09309939A JP H09309939 A JPH09309939 A JP H09309939A JP 8128410 A JP8128410 A JP 8128410A JP 12841096 A JP12841096 A JP 12841096A JP H09309939 A JPH09309939 A JP H09309939A
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JP
Japan
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acid
polyurethane resin
glycol
polyester polyol
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JP8128410A
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Kazuhiro Nishikawa
和宏 西川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、耐湿熱性及び作業性がバラ
ンスよく優れるポリウレタン樹脂組成物及びその製造方
法ある。 【解決手段】 (A)脂環族二塩基酸を必須成分とするジ
カルボン酸とグリコールとから得られる平均分子量30
0〜10000のポリエステルポリオール、(B)鎖伸長
剤、(C)ポリイソシアネートとからなることを特徴とす
るポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業性及び耐湿熱
性に優れたポリウレタン樹脂組成物及びその製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン樹脂には、ポリエー
テル系ポリウレタンとポリエステル系ポリウレタンなど
があり、フィルム、合皮、エラストマー、弾性繊維及び
塗料などに広く使用されている。ポリエーテル系ポリウ
レタンは、耐水性に優れるが耐熱性が低く、ポリエステ
ル系ポリウレタンは、耐熱性に優れるが耐加水分解性が
低いという欠点をそれぞれ有している。
【0003】これらの欠点を改良する目的で種々の試み
がなされているが、いずれも充分に満足出来るものが得
られていない。例えば、特開平5−112713号公報
に紹介された長鎖脂肪族ジオールを原料とするポリエス
テルポリオールを用いたポリウレタンは、耐湿熱性に優
れているが、高価である。特開平4−106116号公
報には、イソフタル酸及び/またはフタル酸と炭素数
α,ω−ジオールからなる芳香族ポリエステルポリオー
ルを使用したポリウレタンエラストマーが記載されてい
るが、この様なポリウレタン樹脂は、耐湿熱性や耐熱性
に優れるものの、粘度が高く作業性に問題がある。
【0004】特公平5−31570号公報には、芳香族
酸無水物と1分子中に1個のエポキシ基を含有するモノ
マーとグリコールとを反応させてなる分子量のコントロ
ールされたポリエステルポリオールの製法が記載されて
いるが、ポリウレタン樹脂としての評価は記載されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの欠
点の解消された作業性及び耐湿熱性に優れたポリウレタ
ン樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意研究した結果、ポリウレタン
樹脂の原料、高分子ポリオールの成分として脂環族二塩
基酸、好ましくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
を必須成分として使用することにより、耐湿熱性及び作
業性に優れたポリウレタン樹脂が得られることを見いだ
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】即ち本発明は、(A)脂環族二塩基酸を必須
成分とするジカルボン酸とグリコールとから得られる平
均分子量300〜10000のポリエステルポリオール
(B)鎖伸長剤、(C)ポリイソシアネートとからなることを
特徴とするポリウレタン樹脂組成物、好ましくはポリエ
ステルポリオール(A)が、脂環族二塩基酸として1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸を全二塩基酸の5〜60
モル%用いるものであること(A)脂環族二塩基酸を必須
成分とするジカルボン酸とグリコールとから得られる平
均分子量300〜10000のポリエステルポリオー
ル、(B)鎖伸長剤、(C)ポリイソシアネートとを重縮合反
応することを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法、
好ましくはポリエステルポリオール(A)が、脂環族二塩
基酸として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を全二
塩基酸の5〜60モル%用いるものであることを特徴と
するポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法を提供す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリエステル
ポリオールは、構成する二塩基酸成分として脂環族二塩
基酸成分を必須成分とする。このような脂環族二塩基酸
としては、テトラヒドロフタル酸やヘキサヒドロフタル
酸等が挙げられるが、好ましくは1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸である。
【0009】脂環族二塩基酸と併用し得る他の二塩基酸
としては、例えば、コハク酸、グルタール酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカ
ンジカルボン酸等の脂肪族二塩基酸やフタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩基酸やその無水物
及びダイマー酸、水添ダイマー酸等を単独または2種以
上で用いることができるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0010】脂環族二塩基酸は、好ましくはポリエステ
ルポリオールを構成する全二塩基酸中の5〜60モル
%、特に好ましくは10〜40モル%が好適に用いられ
る。脂環族二塩基酸の使用量が、5モル%未満の場合、
ポリウレタン樹脂の耐湿熱性が不足し、また60モル%
を超える場合、ポリエステル及びこれを使用したポリウ
レタンの粘度が高くなり、作業性が著しく低下するし、
強度が低下するので好ましくない。
【0011】本発明に用いられるポリエステルポリオー
ルを構成するグリコール成分としては、好ましくは炭素
数2〜18の脂肪族グリコール、ポリアルキレングリコ
ール、EO/PO付加グリコールが挙げられる。脂肪族
グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチ
ル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
1,12−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
【0012】ポリアルキレングリコールとしては、例え
ばジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど
が挙げられる。EO/PO付加グリコールとしては、シ
クロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノールあるいはビスフェノールA等のエ
チレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等
が挙げられる。これらのグリコールは、単独または2種
以上の混合物として使用されるがこれらに限定されるも
のではない。又、少量のグリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の多官能のポリオールを併用することもでき
る。
【0013】本発明のポリエステルポリオール(A)の製
造方法は、二塩基酸成分及びグリコール成分を一括に仕
込み、公知の脱水縮合やエステル交換反応を使用するこ
とにより得られる。即ち、脱水エステル化時の原料成分
の反応温度は、通常140℃〜240℃、好ましくは1
80℃〜220℃である。反応中は窒素ガス等の不活性
ガスを液中に通じておくことによって、ポリエステルポ
リオールの色相を良好に保つことができる。ポリエステ
ルの縮合時間は目標とする分子量によるが、通常8〜2
0時間である。この反応には触媒として、テトタブチル
チタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン化合
物、ジブチルスズラウレート、オクチル酸スズ、ジブチ
ルスズオキサイド、塩化第一スズ等の公知の触媒がいず
れも使用できる。使用量は一般に好ましくは0.01〜
1000ppmである。
【0014】本発明のポリウレタン樹脂組成物は、前記
のポリエステルポリオールと有機ポリイソシアネート及
び鎖伸長剤との反応によって得られる。
【0015】本発明のポリウレタン樹脂に使用される有
機ジイソシアネート(C)としては、芳香族、脂環族、脂
肪族のいずれでもよく、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−ト
リレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシア
ネートの混合物、キシレン−1,4−ジイソシアネー
ト、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、o−トリジンジイ
ソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレ
ンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシ
アネート、シクロヘキサンジイソシアネート等を挙げる
ことができる。これらの有機ジイソシアネートは、併用
してもよく、またこれらに限るものではない。これらの
有機ジイソシアネートは希望する樹脂物性に応じて選択
される。
【0016】鎖伸長剤(C)としては、好ましくは数平均
分子量500以下低分子ジオールであり、好ましくは炭
素数2〜18の脂肪族グリコール、ポリアルキレングリ
コール、EO/PO付加グリコールが挙げられる。脂肪
族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−
ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチ
ル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
1,12−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
【0017】ポリアルキレングリコールとしては、例え
ばジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなど
が挙げられ、EO/PO付加グリコールとしては、シク
ロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノールあるいはビスフェノールAのエチレン
オキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等が挙げ
られる。これらのグリコールは、単独または2種以上の
混合物として使用されるが、これらに限るものではな
い。
【0018】ポリウレタン樹脂の製造方法としては、各
々の成分を溶融状態で反応せしめるバルク重合法、単独
または混合溶剤中で反応せしめる溶液重合法等のよく知
られた方法を用いることができる。この場合には、NC
O/OH比を当量で、好ましくは1/0.98〜1.0
2で反応させる。
【0019】溶液重合に用いられる溶剤としては、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、
シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエ
ン、キシレン、ジメチルホルムアミド等が単独または混
合して用いることができる。なおウレタン化反応では、
有機スズ化合物、有機チタン化合物等の有機金属化合物
やトリエチルアミン等の第3級アミンを反応促進剤とし
て用いても良い。
【0020】この様な方法によって得られるポリウレタ
ン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均分子量10,0
00〜400,000であり、より好ましくは50,0
00〜300,000である。この分子量が10,00
0より小さくなると強度、伸度が不足し、分子量が40
0,000より大きくなると粘度が高くなり加工性が著
しく低下する。
【0021】また本発明のポリウレタン樹脂を得るにあ
たり、脂環族二塩基酸を使用するポリエステルポリオー
ルと組み合わせて、他のポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオールやポリカーボネートポリオールなど
を併用してもよい。ポリエーテルポリオールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリ
オール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙
げられる。
【0022】ポリカーボネートポリオールとしては、多
価アルコールとジエチルカーボネートの脱エタノール縮
合反応、あるいは多価アルコールとジフェニルカーボネ
ートの脱フェノール縮合反応、あるいは多価アルコール
とエチレンカーボネートの脱エチレングリコール反応に
よって得られるポリカーボネートポリオール等が挙げら
れる。これらの数平均分子量は、好ましくは1000〜
10000である。
【0023】これらは一例であり、これらに限るもので
はない。尚、本発明のポリウレタン樹脂組成物には、必
要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、充
填剤等の添加剤が配合されてもよい。
【0024】
【実施例】次に、本発明を製造例、実施例、比較例によ
り、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施
例に限定されるものではない。なお、以下の部および%
は特に断りのないかぎりすべて重量基準である。
【0025】製造例 1 <ポリエステルポリオールの
合成> 製造例1に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸412
部、アジピン酸816部、エチレングリコール514
部、プロピレングリコール59部及び触媒としてイソプ
ロピルチタネート0.054部を一括して仕込み、窒素
気流中で、攪拌下に200℃で生成する水を留去しなが
ら20時間反応を行い、表1に示す性状を有するポリエ
ステルポリオールを得た。
【0026】製造例 2〜3 比較製造例 1〜4
<ポリエステルポリオールの合成> 酸成分及びグリコールについて、それぞれ表1に示した
ものを用い、製造例1と同様の方法でポリエステルポリ
オールの合成を行った。それぞれのウレタン樹脂の性状
を表1に示した。
【0027】実施例 1〜3 比較例 1〜4 製造例1〜3及び比較製造例1〜4で得られれたポリエ
ステルポリオール77.4部、1,4−ブタンジオール
10.0部、ジメチルホルムアミド125部、4,4’
−ジフェニルメタンジイオシアネート37.5部を反応
容器に仕込み70℃で反応させた。経時的に粘度が上昇
するので適時ジメチルホルムアミドを追加し反応を続け
る。不揮発分36%で溶液粘度が2700〜3600
(cps)に到達した時点で、メタノール0.5部を加
え、最終的に不揮発分が30%になるようにジメチルホ
ルムアミドを加えた。得られたポリウレタン樹脂溶液
は、透明な粘稠液体であった。このポリウレタン樹脂の
配合比及び物性試験結果を表2に示した。
【0028】<ポリウレタン樹脂フィルムの作製>実施
例1〜3及び比較例1〜4で得られたポリウレタン樹脂
溶液を離型紙上にアプリケーターで塗布した後、100
℃乾燥器中に3時間投入して乾燥させ、厚さ約0.1mm
のフィルムを作製した。
【0029】<物性試験> 1)破断強度;前述のポリウレタンフィルムより幅0.
5cm、長さ約6cm、厚さO.1mmの試験片を作製し、2
3℃、RH65%の環境下で、島津製作所製オートグラ
フIM−100を用いて、引張速度300mm/分で測定
した。
【0030】2)耐湿熱性;1)で作製したものと同じ
形状の試験片を70℃RH95%の恒温恒湿槽に14日
間投入後、破断強度を測定し、1)で測定した値に対す
る保持率を耐湿熱性とした。
【0031】3)作業性;製造例1〜3及び比較製造例
1〜4で得られたポリエステルポリオールの溶融粘度に
より次の指標に基づいて作業性の優劣を判断した。
【0032】[ポリエステル溶融粘度(at75℃)の
評価] 2000cpsより大きい ;× 1000cps以上2000cps以下;○ 1000cpsより小さい ;◎
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明は、脂環族二塩基酸を使ったポリ
エステルポリオールを原料ポリオールとすることによ
り、そのポリウレタン樹脂は、従来のポリウレタン樹脂
では得られなかった優れた作業性及び耐湿熱性をバラン
ス良く有するため、弾性繊維、合成皮革、エラストマ
ー、フォーム用等多くの産業分野で利用価値が高いもの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)脂環族二塩基酸を必須成分とするジ
    カルボン酸とグリコールとから得られる平均分子量30
    0〜10000のポリエステルポリオール(B)鎖伸長
    剤、(C)ポリイソシアネートとからなることを特徴とす
    るポリウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルポリオール(A)が、脂環族
    二塩基酸として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を
    全二塩基酸の5〜60モル%用いるものであることを特
    徴とする請求項1記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)脂環族二塩基酸を必須成分とするジ
    カルボン酸とグリコールとから得られる平均分子量30
    0〜10000のポリエステルポリオール、(B)鎖伸長
    剤、(C)ポリイソシアネートとを重縮合反応することを
    特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステルポリオール(A)が、脂環族
    二塩基酸として1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を
    全二塩基酸の5〜60モル%用いるものであることを特
    徴とする請求項2記載のポリウレタン樹脂の製造方法。
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