JP2002289052A - 高分子固体電解質の製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質の製造方法

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JP2002289052A
JP2002289052A JP2001092888A JP2001092888A JP2002289052A JP 2002289052 A JP2002289052 A JP 2002289052A JP 2001092888 A JP2001092888 A JP 2001092888A JP 2001092888 A JP2001092888 A JP 2001092888A JP 2002289052 A JP2002289052 A JP 2002289052A
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carbon atoms
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JP2001092888A
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Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
Masaaki Kobayashi
正明 小林
Keizo Igai
慶三 猪飼
Takeshi Asano
剛 朝野
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Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン伝導度の高い高分子固体電解質を容易
に製造できる方法を提供する。 【解決手段】 下記式(I)と(II)の構造単位で構成
されるアクリル系共重合体と、ジイソシアナート化合物
とを反応させて固化させることにより、イオン伝導度の
高い高分子固体電解質を容易に製造することができる。 【化9】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高分子固体電解質の
製造方法に関する。特に、本発明はエレクトロクロミッ
ク素子、二次電池、キャパシタ等に好適に用いられるイ
オン伝導度の高い高分子固体電解質の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、無機の固体電解質と比較して、成
形性があり、大面積薄膜化が容易であり、フレキシビリ
ティがあり、電極との密着性に優れている等の特徴を有
する有機高分子固体電解質の開発がさかんに行われてい
る。有機高分子固体電解質としてはいくつかの高分子体
が提案されているが、例えば特開平4−171603号
公報では電解重合を用いており、特開昭60−3155
5号公報では反応時間が非常に長いために、それぞれ生
産性に問題があった。また、特開平2−298504号
公報では前駆体モノマーを重合させるため、場合によっ
ては重合収縮が起こる可能性があり、工業的に容易に製
造することが難しいという問題があつた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の問題点
を克服し、イオン伝導度の高い高分子固体電解質を容易
に製造できる方法を提供するものある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、少
なくとも下記成分(a)および(b)を反応させること
を特徴とする高分子固体電解質の製造方法に関する。 (a)下記一般式(I)で表される繰り返し単位(構造
単位I)および下記一般式(II)で表される繰り返し単
位(構造単位II)を有し、構造単位Iと構造単位IIとの
モル比が1/5〜1,000/1、数平均分子量が1,
000〜1,000,000であるアクリル系共重合体
【化3】 (式(I)中、R1は水素または炭素数1〜5のアルキ
ル基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、R3およびR4
はそれそれ水素または炭素数1〜5のアルキル基を示
し、各々同一でも異なっていても良く、mは0〜100
の整数を示す。)
【化4】 (式(II)中、R5は水素または炭素数1〜5のアルキ
ル基、R6およびR7はそれぞれ水素または炭素数1〜5
のアルキル基を示し、各々同一でも異なっていても良
く、nは1〜100の整数を示す) (b)下記一般式(III)で表される化合物 NCO−R8−NCO (III) (式(III)中、R8は炭素数1〜20の2価の炭化水素
基を示す)
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の高分子固体電解質の製造方法は、少なく
とも、(a)前記一般式(I)で表される繰り返し単位
(構造単位I)および前記一般式(II)で表される繰り
返し単位(構造単位II)を有し、構造単位Iと構造単位
IIとのモル比が1/5〜1,000/1、数平均分子量
が1,000〜1,000,000であるアクリル系共
重合体(成分(a))と、(b)前記一般式(III)で
表される化合物(成分(b))とを反応させることを特
徴とする。
【0006】まず、成分(a)について説明する。成分
(a)のアクリル系共重合体の前記一般式(I)で表さ
れる繰り返し単位において、R1は水素または炭素数1
〜5、好ましくは1〜3のアルキル基を示し、R2は炭
素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基、R3およ
びR4はそれぞれ水素または炭素数1〜5、好ましくは
1〜3のアルキル基を示し、各々同一でも異なっていて
も良い。R1、R2、R3およびR4のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等
が挙げられ、互いに同一でも異なっていても良い。特に
1は水素またはメチル基であることが好ましく、R3
よびR4はそれぞれ水素であることが好ましい。mは0
〜100の整数を示し、1以上が好ましく、2以上がよ
り好ましい。また50以下が好ましく、25以下がより
好ましい。
【0007】成分(a)のアクリル系共重合体の前記一
般式(II)で表される繰り返し単位において、R5は水
素または炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基
を示し、R6およびR7はそれぞれ水素または炭素数1〜
5、好ましくは1〜3のアルキル基を示し、各々同一で
も異なっていても良い。R5、R6およびR7のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n
−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペン
チル基等が挙げられ、互いに同一でも異なっていても良
い。特にR1は水素またはメチル基であることが好まし
く、R6およびR 7はそれぞれ水素であることが好まし
い。nは1〜100の整数を示し、2以上が好ましい。
また50以下が好ましく、25以下がより好ましい。
【0008】成分(a)のアクリル系共重合体は、一般
式(I)で示される構造単位Iと一般式(II)で示され
る構造単位IIのモル比(構造単位I/構造単位II)が、
1/5〜1,000/1であり、好ましくは1/1〜1
00/1の範囲が望ましい。また、成分(a)のアクリ
ル系共重合体の数平均分子量は1,000以上、好まし
くは5,000以上であり、1,000,000以下、
好ましくは100,000以下であることが望ましい。
ここで、数平均分子量はGPC測定により、ポリスチレ
ン換算して求めた値である。また、これらの構造単位の
結合様式は特に限定されず、例えばランダムでも、ブロ
ックでもどちらでもよい。
【0009】成分(a)のアクリル系共重合体は、公知
の方法により容易に製造することができる。代表的に
は、例えば、一般式(IV)で表される化合物と一般式
(V)で表される化合物とを共重合する方法が挙げられ
る。
【0010】
【化5】 (式(IV)中、R1、R2、R3、R4、mは前記一般式
(I)で示したものと同一である。)
【0011】
【化6】 (式(V)中、R5、R6、R7、nは前記一般式(II)
で示したものと同一である。)
【0012】一般式(IV)で表される化合物としては、
好適なものとして、メチルメタクリレートや、オキシエ
チレンユニットを1〜100、好ましくは2〜50、さ
らに好ましくは2〜25の範囲で持つメトキシポリエチ
レングリコールメタクリレート、エトキシポリエチレン
グリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリ
コールアクリレート、エトキシポリエチレングリコール
アクリレート、またはこれらの混合物等を挙げることが
でき、これらの中でも特にメトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレートおよびメトキシポリエチレングリコ
ールアクリレートが好ましく用いられる。一般式(V)
で表される化合物としては、オキシエチレンユニットを
1〜100、好ましくは1〜50、さらに好ましくは2
〜25の範囲で持つヒドロキシポリエチレングリコール
メタクリレート、ヒドロキシポリエチレングリコールア
クリレート、またはこれらの混合物等を挙げることがで
きる。
【0013】2種類以上の一般式(IV)で表される化合
物と1種類または2種類以上の一般式(V)で表される
化合物とを共重合させてもよいし、1種類または2種類
以上の一般式(IV)で表される化合物と2種類以上の一
般式(V)で表される化合物とを共重合させてもよい。
【0014】成分(a)の共重合体の具体例としては、
例えば、メトキシテトラエチレングリコールアクリレー
トと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合
体、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートと
ヒドロキシテトラエチレングリコールメタクリレートと
の共重合体、メトキシノナエチレングリコールメタクリ
レート、メトキシテトラエチレングリコールアクリレー
トと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合体
等が挙げられる。
【0015】共重合反応は、公知の方法を適宜選択する
ことにより行うことができ、通常、溶媒中において重合
開始剤の存在下に反応させる方法が例示できる。なお、
この場合、重合反応後、溶媒を除去してもしなくてもど
ちらでもよく、また、必要に応じて精製等の操作を行っ
ても良い。
【0016】次に、成分(b)について説明する。本発
明において成分(b)として使用される一般式(III)
で表される化合物は、通常、ジイソシアナート化合物と
称されるものである。一般式(III)において、R8は炭
素数1〜20、好ましくは2〜12の2価の炭化水素基
を示し、炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレ
ン基、アルキルアリーレン基、アリールアルキレン基等
が挙げられ、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメ
チレン基、トルイレン基、キシリレン基などが代表的な
ものとしてあげられる。
【0017】一般式(III)で表される化合物として
は、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアナート、
2,4−トルイレンジイソシアナート、2,6−トルイ
レンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(フェ
ニルイソシアナート)、m−キシリレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネートなどを挙げることができる。もちろ
ん、これら二種類以上の混合物であっても良い。
【0018】本発明においては、少なくとも成分(a)
と成分(b)とを反応させることにより固化させること
を特徴とする。この固化は、通常、成分(a)と成分
(b)が架橋反応することにより生じる。成分(a)と
成分(b)の架橋反応には触媒を用いることができる。
触媒としては、アミン化合物、スズ化合物、鉛化合物、
鉄化合物等を用いることができ、アミン化合物として
は、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミ
ン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが
挙げられ、スズ化合物としては塩化スズ(II)、塩化ス
ズ(IV)、テトラ−n−ブチルスズ、テトラフェニルス
ズ、酢酸トリ−n−ブチルスズ、二塩化ジ−n−メチル
スズ、二酢酸ジ−n−ブチルスズ、二塩化ジブチルス
ズ、ジラウリン酸−n−ジブチルスズ、ジ−n−ブチル
スズジラウリルメルカプチド、酸化ビス(2−エチルヘ
キシル)スズ、2−エチルヘキシルスズ酸が挙げられ、
鉛化合物としてはナフテン酸鉛、鉄化合物としてはアセ
チル酢酸鉄(III)が挙げられる。
【0019】これらの触媒は、一般式(III)で示され
る化合物の総量の0〜100mol%、好ましくは0.
0001〜50mol%、より好ましくは、0.001
〜25mol%の量を用いる。架橋反応は光反応でも、
加熱反応のいずれでもよく、触媒の有無や触媒の種類等
によりその条件は適宜選択される。例えば、加熱反応の
場合の温度は通常40〜150℃、好ましくは60〜1
00℃であり、時間は通常1分以上、好ましくは5分〜
24時間である。
【0020】本発明の高分子固体電解質の製造方法にお
いては、前述の成分(a)と成分(b)の他に、任意の
成分を加えることができる。係る任意成分としては、支
持電解質(成分(c))が挙げられる。支持電解質とし
ては、特に限定されず、各種のアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩の無機イオン塩、四級アンモニウム塩、環
状四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩などが挙げ
られる。具体的には、LiClO4、LiSCN、Li
BF4、LiAsF6、LiCF3SO4、LiPF6、L
iI、NaI、NaClO4、NaBF4、NaAs
6、KSCN、およびKClのLi、Na、Kのアル
カリ金属塩;(CH34NBF4、(C254NB
4、(n−C494NBF4、(C254NBr、
(C254NClO4、および(n−C494NCl
4等の四級アンモニウム塩、環状四級アンモニウム
塩、(CH34PBF4、(C254PBF4、(C3
74PBF4、(n−C494PBF4等の四級ホスホ
ニウム塩、およびこれらの混合物が好適なものとしてあ
げられる。これらの支持電解質は電解質全体に対して、
0〜10mol/kg、好ましくは0〜5mol/kg
の量を用いる。
【0021】また、他の任意成分として、溶媒(成分
(d))を用いても良い。溶媒は成分(a)、成分
(b)および成分(c)と相溶するものであれば、特に
限定はされないが、極性を示すものが好ましい。具体的
には、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジ
メトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、1,3−ジオキサン、N,N’−ジメ
チルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタンおよびテ
トラヒドロフラン等が挙げられる。これらは単独もしく
は混合物として使用される。溶媒は、成分(a)および
成分(b)を溶解させるだけの量で、電解質全体の硬化
を妨げない量であれば、その使用量は特に限定されな
い。
【0022】本発明の製造方法により得られる高分子固
体電解質は、エレクトロクロミックミラー、調光素子、
表示素子などのエレクトロクロミック素子、二次電池、
キャパシタ等に用いることができる。
【0023】一例としてエレクトロクロミック素子に用
いる場合について以下に説明する。エレクトロクロミッ
ク素子に本発明の製造方法により得られた高分子固体電
解質を用いる場合、エレクトロクロミック化合物(電圧
の印加によって可逆的な酸化還元反応を発生し、該酸化
還元反応によって着色作用と消色作用を繰り返す化合
物)を高分子固体電解質中に含有させるか、または高分
子固体電解質層とエレクトロクロミック化合物からなる
層を接触させる形態をとることが一般的である。この場
合、エレクトロクロミック化合物としては任意のものを
用いることができ、アノード性エレクトロクロミック化
合物、カソード性エレクトロクロミック化合物、アノー
ド性エレクトロクロミック構造とカソード性エレクトロ
クロミック構造とを併有するエレクトロクロミック化合
物等を用いることができる。
【0024】アノード性エレクトロクロミック化合物と
しては、ピラゾリン系化合物誘導体、メタロセン化合物
誘導体、フェニレンジアミン化合物誘導体、ベンジジン
化合物誘導体、フェナジン化合物誘導体、フェノキサジ
ン化合物誘導体、フェノチアジン化合物誘導体、テトラ
チアフルバレン誘導体等が挙げられる。カソード性エレ
クトロクロミック化合物としては、スチリル化合物誘導
体、ビオロゲン化合物誘導体、アントラキノン系化合物
誘導体等が挙げられる。アノード性エレクトロクロミッ
ク構造としては、ピラゾリン系化合物誘導体構造、メタ
ロセン化合物誘導体構造、フェニレンジアミン化合物誘
導体構造、ベンジジン化合物誘導体構造、フェナジン化
合物誘導体構造、フェノキサジン化合物誘導体構造、フ
ェノチアジン化合物誘導体構造、テトラチアフルバレン
誘導体構造等が挙げられ、カソード性エレクトロクロミ
ック構造としては、スチリル化合物誘導体構造、ビオロ
ゲン化合物誘導体構造、アントラキノン系化合物誘導体
構造等が挙げられる。
【0025】エレクトロクロミック化合物の使用量につ
いては特に限定されず、任意成分である溶媒を使用する
場合について言えば、係る溶媒に溶解する量であれば任
意の量を加えることができる。一般的には、0〜1mo
l/L、好ましくは、0.001〜0.5mol/L、
より好ましくは0.005〜0.2mol/Lの範囲で
加える。もちろん、溶媒を用いなくても良い。
【0026】以下に、本発明の製造方法により得られる
高分子固体電解質を利用したエレクトロクロミック素子
について説明する。エレクトロクロミック素子には通常
2枚の導電基板が使用される。ここで導電基板とは電極
としての機能を果たす基板を意味する。従って、導電基
板には、基板自体を導電性材料で製造したものと、導電
性を持たない基板の片面又は両面に電極層を積層させた
積層板が包含される。導電性を備えているか否かに拘ら
ず、基板自体は常温において平滑な面を有していること
が必要であるが、その面は平面であっても、曲面であっ
ても差し支えなく、応力で変形するものであっても差し
支えない。
【0027】2枚の導電基板の少なくとも一方は透明導
電基板であり、他方は透明であっても、不透明であって
も差し支えなく、また、光を反射できる反射性導電基板
であってもよい。一般に、2枚の導電基板がいずれも透
明である素子は、表示素子や調光ガラスに好適であり、
1枚を透明導電基板とし、もう1枚を不透明導電基板と
したものは表示素子に好適であり、1枚を透明導電基板
とし、もう1枚を反射性導電基板としたものはエレクト
ロクロミックミラーに適している。
【0028】透明導電基板は、通常、透明基板上に透明
電極層を積層させて製造される。ここで、透明とは可視
光領域において10〜100%の光透過率を有すること
を意味する。透明基板の材質は特に限定されず、例え
ば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等であって差
し支えなく、無色あるいは有色の透明性樹脂でもよい。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が使用
可能である。
【0029】透明電極層としては、例えば、金、銀、ク
ロム、銅、タングステン等の金属薄膜、金属酸化物から
なる導電膜などが使用できる。前記金属酸化物として
は、例えば、ITO(In23−SnO2)、酸化錫、
酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム等が挙げられる。電
極層の膜厚は、通常10〜500nm、好ましくは50
〜300nmの範囲にあり、表面抵抗(抵抗率)は、通
常0.5〜500Ω/cm2、好ましくは1〜50Ω/
cm2の範囲にある。透明電極層の形成には、公知の手
段を任意に採用することができるが、電極を構成する金
属及び/又は金属酸化物等の種類により、採用する手段
を選択するのが好ましい。通常は、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法、ゾルゲル法等が
採用される。
【0030】透明電極層への酸化還元能の付与、導電性
の向上、電気二重層容量の付与などの目的で、透明電極
層の表面には部分的に不透明な電極活性物質の層を設け
ることができる。この電極活性物質としては、例えば、
銅、銀、金、白金、鉄、タングステン、チタン、リチウ
ム等の金属、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ
ール、フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有機
物、活性炭、グラファイトなどの炭素材、V25、Mn
2、NiO、Ir23などの金属酸化物またはこれら
の混合物が使用可能である。
【0031】電極活性物質の層を透明電極層上に設ける
に際しては、透明電極層の透明性が過度に損なわれない
ように留意する必要がある。従って、例えば、透明なI
TO層上に、活性炭素繊維、グラファイト、アクリル樹
脂等からなる組成物を、細かいストライプ状またはドッ
ト状に塗布する方法とか、金の薄膜上に、V25、アセ
チレンブラック、ブチルゴム等からなる組成物をメッシ
ュ状に塗布する方法が採用される。透明であることを必
要としない導電基板は、上記した透明導電基板に使用さ
れる透明基板を、透明でない各種プラスチック、ガラ
ス、木材、石材など素材とする基板に置き換えること
で、透明導電基板と同様な方法で製造することができ
る。
【0032】反射性導電基板としては、(1)導電性を
持たない透明又は不透明な基板上に反射性電極層を積層
させた積層体、(2)導電性を持たない透明基板の一方
の面に透明電極層を、他方の面に反射層を積層させた積
層体、(3)導電性を持たない透明基板上に反射層を、
その反射層上に透明電極層を積層させた積層体、(4)
反射板を基板とし、これに透明電極層を積層させた積層
体、および(5)基板自体が光反射層と電極層の両方の
機能を備えた板状体などが例示できる。
【0033】反射性電極層とは、鏡面を有し、しかも電
極として電気化学的に安定な機能を発揮する薄膜を意味
する。そのような薄膜としては、例えば、金、白金、タ
ングステン、タンタル、レニウム、オスミウム、イリジ
ウム、銀、ニッケル、パラジウム等の金属膜や、白金−
パラジウム、白金−ロジウム、ステンレス等の合金膜が
挙げられる。このような鏡面を備えた薄膜の形成には、
任意の方法を採用可能であって、例えば、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、スパッタリング法などを適宜
採用することができる。
【0034】反射性電極層を設ける基板は透明である
か、不透明であるかを問わない。従って、反射性電極層
を設ける基板としては、先に例示した透明基板の他、透
明でない各種のプラスチック、ガラス、木材、石材等が
使用可能である。反射板または反射層とは、鏡面を有す
る基板又は薄膜を意味し、これには、例えば、銀、クロ
ム、アルミニウム、ステンレス、ニッケル−クロム等の
板状体又はその薄膜が含まれる。なお、上記した反射性
電極層自体が剛性を備えていれば、基板の使用を省略す
ることができる。
【0035】固体電解質層の厚さは、特に限定されない
が通常1μm〜3mm好ましくは10μm〜1mmが望
ましい。エレクトロクロミック素子として使用する場合
の、固体電解質形成方法は特に限定されず、真空注入
法、大気注入法、メニスカス法等によって対向させ、か
つその周辺部がシールされた導電基板間の空間に、前駆
体溶液を注入したのちに、熱硬化させることにより、上
記固体電解質層を形成する方法や、同電基板の電極上に
前記固体電解質層を形成した後に、他方の導電基板を貼
り合わせる方法などを用いることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の製造方法により、イオン伝導度
の高い高分子固体電解質を容易に製造することができ、
得られる高分子固体電解質は、適度な弾性や可塑性に優
れている。したがって、本発明の製造方法により得られ
た高分子固体電解質を実際の素子に応用した場合、容易
に製造できるとともに、耐久性、耐温度衝撃特性などの
種々の点で優れた素子を得ることが出来る。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0038】(実施例1)メトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製M90
G[オキシエチレンユニット数9])248g(0.5
mol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2
5g(0.025mol)、アゾビスイソブチロニトリ
ル5gおよびジメトキシエタン50gの混合溶液を、7
0℃に保ったジメトキシエタン400gに1時間かけて
滴下した。滴下終了後、さらに同じ温度で1時間攪拌
し、その後80℃に昇温して1時間攪拌して、下記式
(VI)で表されるポリマーの溶液(ポリマー濃度36ma
ss%)を得た。このポリマーの数平均分子量は30,0
00、m/nは20/1であった。
【0039】このポリマー溶液50gにヘキサメチレン
ジイソシアナート0.7g、リチウムパークロレート4
g、および二塩化ジブチルスズ0.2gを加えて、窒素
下で攪拌し、均一化させた。この溶液をガラス上にキャ
ストし、80℃で1時間加熱した。その結果、厚さ80
μmの透明な高分子固体電解質フィルムを得た。複素イ
ンピーダンス法によりイオン伝導率を測定したところ、
25℃で6.2×10-4S/cmであった。
【0040】
【化7】
【0041】(実施例2)メトキシポリエチレングリコ
ールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製M40
GN[オキシエチレンユニット数4])138g(0.
5mol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.
5g(0.05mol)、アゾビスイソブチロニトリル
5gおよびプロピレンカーボネート50gの混合溶液
を、70℃に保ったプロピレンカーボネート400gに
1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに同じ温度で
1時間攪拌し、その後80℃に昇温して1時間攪拌し
て、数平均分子量25,000、m/n=10/1の下
記式(VII)で表されるポリマーの溶液(ポリマー濃度
24mass%)を得た。
【0042】
【化8】
【0043】このポリマー溶液50gに2,4−トルイ
レンジイソシアナート0.7g、テトラブチルアンモニ
ウムテトラフルオロボレート5g、N,N’−ジヘプチ
ルビオロゲンジパークロレート4g、フェロセン2g、
ジラウリン酸−n−ジブチルスズ0.2gを添加するこ
とにより、高分子固体電解質の前駆体溶液を調製した。
【0044】<エレクトロクロミックミラーの作製>I
TO被覆された透明ガラス基板(230mm×60m
m)のITO面側の周辺部に、溶液注入口の部分を除い
てエポキシ樹脂を線状に塗布し、この上に、一面がIT
O被覆され、その裏面が銀コート(鏡面)された反射性
ガラス基板をITO面が向かい合うようにして重ね合わ
せ、接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。
(セルギャップ70μm。)
【0045】このセル中に上述の前駆体溶液を注入し
た。注入口をエポキシ系樹脂で封止した後、このセルを
85℃で1時間加熱した。このセルは組み立てた時点で
は着色しておらず、80%の反射率を示したが、1.0
Vの電圧を印加すると、直ちに着色し、633nmの光
の反射率は約10%となった。また、このセルを破壊し
たところ、中の電解質は固体状となっており、液が飛散
することはなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪飼 慶三 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 朝野 剛 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2K001 AA10 BA07 CA37 4J034 BA03 DA01 DB03 DB07 DP03 DP18 GA03 GA33 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA02 JA14 KA01 KB04 KC17 KC18 KC35 KD02 KD12 QC08 RA14 5G301 CA30 CD01 CE01 5H029 AJ00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ08 CJ11 EJ11 EJ14 HJ02 HJ11

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記成分(a)および(b)
    を反応させることを特徴とする高分子固体電解質の製造
    方法。 (a)下記一般式(I)で表される繰り返し単位(構造
    単位I)および下記一般式(II)で表される繰り返し単
    位(構造単位II)を有し、構造単位Iと構造単位IIとの
    モル比が1/5〜1,000/1、数平均分子量が1,
    000〜1,000,000であるアクリル系共重合体 【化1】 (式(I)中、R1は水素または炭素数1〜5のアルキ
    ル基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、R3およびR4
    はそれぞれ水素または炭素数1〜5のアルキル基を示
    し、各々同一でも異なっていても良く、mは0〜100
    の整数を示す。) 【化2】 (式(II)中、R5は水素または炭素数1〜5のアルキ
    ル基、R6およびR7はそれぞれ水素または炭素数1〜5
    のアルキル基を示し、各々同一でも異なっていても良
    く、nは1〜100の整数を示す) (b)下記一般式(III)で表される化合物 NCO−R8−NCO (III) (式(III)中、R8は炭素数1〜20の2価の炭化水素
    基を示す)
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