JP4166505B2 - 高分子固体電解質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレクトロクロミック素子、二次電池、キャパシタ等の各種電気化学素子に用いることのできる高分子固体電解質およびこの高分子固体電解質を用いたエレクトロクロミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無機の固体電解質と比較して、成形性があり大面積薄膜化が容易である、フレキシビリティがあり電極との密着性が優れている等の特徴を有する有機高分子の固体電解質の開発が行われている。
有機高分子固体電解質としていくつかの高分子体が提案されているが、例えば特開平4−171603号では電解重合を用いて製造される有機高分子固体電解質が提案されており、また特開昭60−31555号でも有機高分子固体電解質が提案されているが、これらの電解質については、反応時間が非常に長いために、それぞれ生産性に問題があった。さらに、特開平2−298504号では前駆体モノマーを重合させることによる有機高分子固体電解質の製造方法が提案されているが、重合収縮が起こる可能性や、高分子固体電解質の硬化方法として、加熱重合を用いているため、硬化後の膜に熱応力が残留する可能性があり、寸法精度の高い電気化学素子への適用には改良が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、容易に光架橋し、架橋時の収縮が小さく、イオン伝導度の高い高分子固体電解質を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(a)少なくとも下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物を含むモノマー混合物を共重合することにより得られる反応性ポリマー、(b)溶媒、(c)支持電解質、および(d)光重合開始剤を必須成分として含有する液状混合物を、光硬化することを特徴とする高分子固体電解質の製造方法に関する。
【0005】
【化6】
【0006】
(式(1)中、R1、R2およびR3は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素または炭素数1〜5のアルキル基を示し、R4は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、または−(CH2CH(R)O)r−で表されるポリオキシアルキレン基(Rは水素または炭素数1〜5のアルキル基を示し、rは1〜20の整数を示す。)を示し、R5は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、または炭素数1〜10のアルコキシル基を示す。nは0または1を示す。)
【0007】
【化7】
【0008】
(式(2)中、R1'、R2'およびR3'は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
【0009】
また、本発明は、前記モノマー混合物が、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物と共重合し得る官能基を有する紫外線吸収性化合物を共重合モノマー成分として含むことを特徴とする前記記載の高分子固体電解質の製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、前記紫外線吸収性化合物が、下記一般式(3)〜(5)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする前記記載の高分子固体電解質の製造方法に関する。
【0011】
【化8】
【0012】
(式(3)〜(5)中、R7は水素、ハロゲン原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。R8は直鎖および分岐した炭素数1〜10のアルキル基を示す。R9およびR10は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10のアルキレン基もしくはオキシアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)−、または酸素原子を示す。R11〜R13は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。R14およびR15は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素、水酸基または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。nおよびmは各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、0〜4の整数を示す。lおよびpは、各々個別に、0または1を示す。)
【0013】
また、本発明は、前記液状混合物が、エレクトロクロミック化合物をさらに含有することを特徴とする前記記載の高分子固体電解質の製造方法に関する。
【0014】
また、本発明は、前記液状混合物が、ポリマービーズをさらに含有することを特徴とする前記記載の高分子固体電解質の製造方法に関する。
【0015】
また、本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の導電基板の間に、請求項1〜5のいずれかの項に記載の方法により製造された高分子固体電解質からなる層を挟持したことを特徴とするエレクトロクロミック素子に関する。
【0016】
また、本発明は、導電基板と高分子固体電解質の間の少なくとも一方の側にエレクトロクロミック層を有することを特徴とする前記記載のエレクトロクロミック素子に関する。
【0017】
【発明の実施の態様】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、(a)少なくとも下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物を含むモノマー混合物を共重合することにより得られる反応性ポリマー、(b)溶媒、(c)支持電解質、および(d)光重合開始剤を必須成分として含有する液状混合物を、光硬化することにより得られる高分子固体電解質に関するものである。
【化9】
【0018】
前記一般式(1)および(2)において、R1、R2、R3、R1'、R2'およびR3'は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素または炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基等が挙げられ、特に水素、メチル基が好ましい。R4は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12、好ましくは6〜8のアリーレン基、または−(CH2CH(R)O)r−で表されるポリオキシアルキレン基を示し(Rは水素または炭素数1〜5、好ましくは1〜2のアルキル基を示し、rは1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数を示す。)、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、フェニレン基、キシレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられ、特にメチレン基、ポリオキシエチレン基であることが好ましい。
【0019】
nは0または1を示す。R5は水素、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基、炭素数6〜12、好ましくは6〜8のアリール基、または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルコキシル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、nが1の場合は、特に水素、メチル基であり、nが0の場合はフェニル基であることが好ましい。
【0020】
一般式(1)で表される化合物としては、具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、スチレン等を挙げることができ、これらの中でも特にメチルメタクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレートおよびスチレンが好ましく用いられる。もちろん、一般式(1)で表される化合物として異なる2種以上の化合物を使用してもよい。
【0021】
一般式(2)で表される化合物としては、具体的には、アリルメタクリレート、アリルアクリレート等を挙げることができる。もちろん、一般式(2)で表される化合物として異なる2種以上の化合物を使用してもよい。
【0022】
本発明において一般式(1)で表される化合物(化合物(1))と一般式(2)で表される化合物(化合物(2))を使用する際の量比(モル比)としては、化合物(1)/化合物(2)が、1/5〜1000/1が好ましく、1/1〜100/1の範囲がさらに好ましい。
【0023】
本発明における反応性ポリマー(a)は、少なくとも化合物(1)および化合物(2)を共重合することにより得られる。共重合の方法として、特に限定されるものではないが、一般式(2)のモノマーは分子中にラジカル重合性の官能基を2つ有しているので、通常のラジカル重合では架橋して溶媒に不溶となってしまう。このようなモノマーを架橋させないで重合させるには、乳化重合やアニオン重合が好ましい。乳化重合では、乳化剤を含有した水溶媒に、モノマー成分を乳化させて、水溶性の重合開始剤により、室温または加温下、例えば、30〜250℃、好ましくは50〜150℃の温度で反応させることにより共重合体を得ることができる。また、アニオン重合では、テトラヒドロフラン等の無水溶媒にモノマー成分を溶解させて、ブチルリチウム等のアニオン重合開始剤を添加することで重合を進行させ共重合体を得ることができる。また必要に応じてこれらの反応後、精製などの後処理を行ってもよい。
【0024】
反応性ポリマー(a)の重量平均分子量は1,000から1,000,000であることが好ましく、より好ましくは5,000から100,000の範囲である。ここで、重量平均分子量はGPC測定により、ポリスチレン換算して求めた値である。
【0025】
本発明における反応性ポリマー(a)は、1種類の化合物(1)と1種類の化合物(2)との共重合体に限られず、2種類以上の化合物(1)と1種類または2種類以上の化合物(2)との共重合体であってもよいし、1種類または2種類以上の化合物(1)と2種類以上の化合物(2)との共重合体であっても良い。反応性ポリマー(a)の例としては、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートとの共重合体、メチルメタクリレートとアリルアクリレートとの共重合体、エチルメタクリレートとアリルメタクリレートとの共重合体等が具体的に挙げられる。
【0026】
また、反応性ポリマー(a)としては、化合物(1)、化合物(2)およびそれ以外の第3成分モノマーとの共重合体であってもよい。化合物(1)および化合物(2)と共重合する第3成分モノマーとしては、例えば、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物と共重合できる官能基を有する紫外線吸収性化合物が挙げられる。かかるモノマーとしては、下記一般式(3)で表される化合物、下記一般式(4)で表される化合物、下記一般式(5)で表される化合物等の紫外線吸収構造を有するモノマー等が挙げられる。
【0027】
【化10】
【0028】
前記一般式(3)、(4)および(5)において、R7は水素、ハロゲン原子または炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基を示す。R8は直鎖および分岐した炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。R9およびR10は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキレン基あるいはオキシアルキレン基、炭素数6〜12、好ましくは6〜8のアリーレン基、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)−、または酸素原子を示す。R11〜R13は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。R14およびR15は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素、水酸基または炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。nおよびmは各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、0から4の整数を示す。lおよびpは各々同一でも異なってもよく、各々個別に、0または1を示す。
【0029】
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられ、前記オキシアルキレン基としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシプロピレン基等が挙げられ、前記アリーレン基としては、フェニレン基、キシレン基等が挙げられ、前記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。
【0030】
一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物および一般式(5)で表される化合物の例としては、特に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、具体的には、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、2−[3−(5’−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、2−[3−(5’−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、2−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルアクリレート、2−[3−ベンゾイル−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、3−ベンゾイル−4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、2−[3−(2’−ヒドロキシベンゾイル)−4−ヒドロキシフェニル]エチルメタクリレート、3−(2’−ヒドロキシベンゾイル)−4−ヒドロキシフェニルメタクリレート等が挙げられる。
【0031】
本発明に使用される反応性ポリマー(a)中の第3成分の割合は、例えば上記紫外線吸収性化合物を用いる場合、化合物(1)/第3成分(モル比)が、1/1000から1000/1であることが好ましく、1/100から100/1の範囲がさらに好ましい。
【0032】
また、本発明の高分子固体電解質をエレクトロクロミック素子に適用する場合、他の第3成分として、重合性基を有するエレクトロクロミック化合物を用いる形態が一例として挙げられる。このようなモノマーの一例としては、下記一般式(6)〜(9)のようなものが挙げられる。
【0033】
【化11】
【0034】
一般式(6)〜(9)中、R29、R30、R31、R32、R33およびR34は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、直鎖および分岐した炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。なお、R29またはR30はシクロペンタジエニル環と結合し、環を形成してもよいし、互いに異なるシクロペンタジエニル環を架橋する基を形成してもよい。R35は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素残基を示す。R36およびR37は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10のアルキレン基、オキシアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−C(=O)O−、−OC(=O)−、−C(=O)−、または酸素原子を示す。R38〜R40は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。
【0035】
mは0≦m≦4の範囲の整数を示し、nは0≦n≦4の範囲の整数を示す。MeはCr、Co、Fe、Mg、Ni、Os、Ru、V、X−Hf−Y、X−Mo−Y、X−Nb−Y、X−Ti−Y、X−V−YまたはX−Zr−Yを示す。なお、ここでいうXおよびYは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。A-およびB-は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、ハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CH3(C6H4)SO3 -から選ばれる対アニオンを示す。
【0036】
本発明においては、少なくとも前記反応性ポリマー(a)(成分(a))、溶媒(成分(b))、支持電解質(成分(c))、および光重合開始剤(成分(d))を必須成分として含有する液状混合物を光硬化することにより高分子固体電解質を得る。
【0037】
成分(b)として用いる溶媒としては、反応性ポリマー(a)、および支持電解質(c)と相溶するものであれば、限定はされるものではなく、特に極性を示すものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、スルホラン、1,3−ジオキサン、N,N’−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフラン、3−ヒドロキシプロピオニトリル、3,3’−オキシジプロピオニトリル等が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として使用することができる。
溶媒の使用量としては、反応性ポリマー(a)および支持電解質(c)を溶解させるだけの量で、電解質全体の硬化を妨げない量を用いることができる。例えば、溶媒量としては、反応性ポリマー(a)/成分(b)(質量比)で、通常300/1〜1/300であり、好ましくは100/1〜1/100であり、さらに好ましくは100/100〜3/100である。
【0038】
本発明に成分(c)として使用される支持電解質としての塩類も特に限定されず、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩の無機イオン塩や、四級アンモニウム塩や、環状四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩が挙げられる。具体的には、LiClO4、LiSCN、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO4、LiPF6、LiI、NaI、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN、およびKCl等のLi、Na、Kのアルカリ金属塩;(CH3)4NBF4、(C2H5)4NBF4、(n−C4H9)4NBF4、(CH3)4NPF6、(C2H5)4NPF6、(n−C4H9)4NPF6、(C2H5)4NBr、(C2H5)4NClO4、および(n−C4H9)4NClO4等の四級アンモニウム塩および環状四級アンモニウム塩、およびこれらの混合物が好適なものとしてあげられる。
これらの支持電解質の使用量は、電解質全体に対して、通常0〜10mol/kg、好ましくは0〜5mol/kgの量が望ましい。
【0039】
本発明において成分(d)として使用される光重合開始剤としては、その種類は特に限定されず、下記一般式(10)〜(14)で示すような、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキサイド系等の公知のものを用いることができる。
【0040】
【化12】
【0041】
一般式(10)中、R16およびR17は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、水素、水酸基または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。R18は炭素数1〜10のアルキル基を示す。nおよびmは各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、0〜5の整数を示す。)
【0042】
【化13】
【0043】
一般式(11)中、R19は水素、水酸基または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。R20およびR21は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10のアルキル基を示す。なお、R20およびR21は互いに結合して環状炭化水素基を形成してもよい。nは0〜5の整数を示す。)
【0044】
【化14】
【0045】
一般式(12)中、R22は水素、水酸基または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。R23は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を示す。R24およびR25は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10のアルキル基を示す。nは0〜5の整数を示す。)
【0046】
【化15】
【0047】
一般式(13)、(14)中、R26およびR26'は水素、水酸基または炭素数1〜5のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。R27およびR28は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基を示す。nおよびmは各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、0〜5の整数を示す。)
【0048】
これらの光重合開始剤の例としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、2、2−ジメトキシ−2−フェニルジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイル、2−メチルベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、トリフェニルホスフィン、2−クロロチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾイン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。これらは単独で若しくは混合物として使用できる。
【0049】
光重合開始剤の使用量は、液状混合物に含まれる重合性基に対して、好ましくは0.005mol%以上であり、その上限は0.1mol%、好ましくは0.01mol%である。
【0050】
光硬化は、高分子固体電解質に、遠紫外光、紫外光、可視光等を照射することによって進行する。光源としては、高圧水銀灯、蛍光灯、キセノン灯等を使用することができる。光照射量は特に限定されないが、通常は100mJ/cm2以上、好ましくは1000mJ/cm2以上であり、その上限値は50000mJ/cm2、好ましくは20000mJ/cm2である。
この光硬化は、光架橋反応を引き起こし、これにより弾性、可塑性に優れた薄膜状の高分子固体電解質を得ることができる。
【0051】
本発明の高分子固体電解質は、前記成分の他に任意成分を含ませることができる。かかる任意成分は、高分子固体電解質の用途、使用形態により適宜選択でき、各種のエレクトロクロミック化合物、耐候性向上剤、スペーサー部材などを挙げることができる。
なお、任意成分を含有させる場合は、前記の液状混合物に任意成分を含有させ、液状混合物を光硬化することにより高分子固体電解質を製造することができる。
【0052】
エレクトロクロミック化合物とは電圧の印加によって可逆的な酸化還元反応を発生し、該酸化還元反応によって着色作用と消色作用を繰り返す化合物であり、アノード性エレクトロクロミック化合物、カソード性エレクトロクロミック化合物、アノード性エレクトロクロミック構造と、カソード性エレクトロクロミック構造とを併有するエレクトロクロミック化合物等がある。
【0053】
アノード性エレクトロクロミック化合物は電気化学的酸化反応によって、吸収スペクトルが増大するものをいい、ピラゾリン系化合物誘導体、メタロセン化合物誘導体、フェニレンジアミン化合物誘導体、フェナジン化合物誘導体、フェノキサジン化合物誘導体、フェノチアジン化合物誘導体、テトラチアフルバレン誘導体等がある。
カソード性エレクトロクロミック化合物は電気化学的還元反応によって吸収スペクトルが増大するものであり、スチリル化合物誘導体、ビオロゲン化合物誘導体、アントラキノン系化合物誘導体等がある。
【0054】
また、アノード性エレクトロクロミック構造としては、ピラゾリン系化合物誘導体構造、メタロセン化合物誘導体構造、フェニレンジアミン化合物誘導体構造、ベンジジン化合物誘導体構造、フェナジン化合物誘導体構造、フェノキサジン化合物誘導体構造、フェノチアジン化合物誘導体構造、テトラチアフルバレン誘導体構造等があり、カソード性エレクトロクロミック化合物としては、ビオロゲン化合物誘導体構造、アントラキノン系化合物誘導体構造等がある。
【0055】
本発明においてはいずれのエレクトロクロミック化合物も使用することができる。
これらのエレクトロクロミック化合物の具体例としては下記一般式(15)〜(19)のようなものが挙げられる。
【0056】
【化16】
【0057】
一般式(15)〜(19)中、R29、R30、R31、R32、R33およびR34は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、直鎖および分岐した炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルケニル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。なお、R29またはR30はシクロペンタジエニル環と結合し、環を形成してもよいし、互いに異なるシクロペンタジエニル環を架橋する基を形成してもよい。R35は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素残基を示す。
【0058】
mは0≦m≦4の範囲の整数を示し、nは0≦n≦4の範囲の整数を示す。MeはCr、Co、Fe、Mg、Ni、Os、Ru、V、X−Hf−Y、X−Mo−Y、X−Nb−Y、X−Ti−Y、X−V−YまたはX−Zr−Yを示す。なお、ここでいうXおよびYは水素、ハロゲンまたは炭素数1〜12のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。A-およびB-は各々同一でも異なっていてもよく、各々個別に、ハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CH3(C6H4)SO3 -から選ばれる対アニオンを示す。
【0059】
一般式(9)および(18)におけるR35の炭化水素残基の好適な具体例としてはアルキレン等の炭化水素基の他、エステル結合含有炭化水素基、エーテル結合含有炭化水素基、アミド結合含有炭化水素基、チオエーテル結合含有炭化水素基、アミン結合含有炭化水素基、ウレタン結合含有炭化水素基、シリル結合含有炭化水素基などが挙げられる。
前記エステル結合含有炭化水素基としては一般式−R−COO−R−または−R−OCO−R−(Rは炭素数1〜8のアルキレンを示す。)で表されるものが挙げられ、エーテル結合含有炭化水素基としては一般式−R−O−R−(Rは炭素数1〜10のアルキレンを示す。)で表されるものが挙げられ、アミド結合含有炭化水素基としては一般式−R−CONH−R−または−R−NHCO−R−(Rは炭素数1〜8のアルキレンを示す。)で表されるものが挙げられ、チオエーテル結合含有炭化水素基としては一般式−R−S−R−(Rは炭素数1〜10のアルキレンを示す。)で表されるものが挙げられ、アミン結合含有炭化水素基としては一般式−R−NH−R−(Rは炭素数1〜10のアルキレンを示す。)で表されるもの、一般式−R−NH−Ar−(Rは炭素数1〜10のアルキレンを示し、Arは炭素数6〜12のアリーレン基あるいは置換アリーレン基を示す。)で表されるものが挙げられ、ウレタン結合含有炭化水素基としては一般式−R−OCONH−R−または−R−NHCOO−R−(Rは炭素数1〜8のアルキレンを示す。)で表されるものが挙げられ、シリル結合含有炭化水素基としては一般式−R−Si(R')2−R−(Rは炭素数1〜8のアルキレンを示し、R'はメチル基またはエチル基を示す。)で表されるものが挙げられる。
【0060】
エレクトロクロミック化合物の使用量は、液状混合物中の溶媒成分に溶解する量であれば、任意の量を加えることができる。一般的には、0〜1mol/L、好ましくは、0.001〜0.5mol/L、より好ましくは0.005〜0.2mol/Lの範囲で加える。
また、これらのエレクトロクロミック化合物がイオン性を有するものである場合には、支持電解質(c)として本発明に適用することが可能であり、この場合、エレクトロクロミック化合物と支持電解質と併用してもしなくてもどちらでもよい。
【0061】
次に、本発明の高分子固体電解質を利用したエレクトロクロミック素子について説明する。
本発明のエレクトロクロミック素子には2枚の導電基板が使用される。ここで導電基板とは電極としての機能を果たす基板を意味する。従って、本発明で言う導電基板には、基板自体を導電性材料で製造したものと、導電性を持たない基板の片面又は両面に電極層を積層させた積層板が包含される。導電性を備えているか否かに拘らず、基板自体は常温において平滑な面を有していることが必要であるが、その面は平面であっても、曲面であっても差し支えなく、応力で変形するものであっても差し支えない。
【0062】
本発明で使用される2枚の導電基板の少なくとも一方は透明導電基板であり、他方は透明であっても、不透明であっても差し支えなく、また、光を反射できる反射性導電基板であってもよい。
一般に、2枚の導電基板がいずれも透明である素子は、表示素子や調光ガラスに好適であり、1枚を透明導電基板とし、もう1枚を不透明導電基板としたものは表示素子に好適であり、1枚を透明導電基板とし、もう1枚を反射性導電基板としたものはエレクトロクロミックミラーに適している。
【0063】
透明導電基板は、通常、透明基板上に透明電極層を積層させて製造される。ここで、透明とは可視光領域において10〜100%の光透過率を有することを意味する。
透明基板の材質は特に限定されず、例えば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等であって差し支えなく、無色あるいは有色の透明性樹脂でもよい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が使用可能である。
【0064】
透明電極層としては、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン等の金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜などが使用できる。前記金属酸化物としては、例えば、ITO(In2O3−SnO2)、酸化錫、酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム等が挙げられる。電極層の膜厚は、通常10〜1000nm、好ましくは50〜300nmの範囲にあり、表面抵抗(抵抗率)は特に制限されるものではないが、通常1〜100Ω/sq.、好ましくは3〜30Ω/sq.の範囲にあることが望ましい。透明電極層の形成には、公知の手段を任意に採用することができるが、電極を構成する金属及び/又は金属酸化物等の種類により、採用する手段を選択するのが好ましい。通常は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ゾルゲル法等が採用される。
【0065】
透明電極層への酸化還元能の付与、導電性の向上、電気二重層容量の付与などの目的で、透明電極層の表面には部分的に不透明な電極活性物質の層を設けることができる。この電極活性物質としては、例えば、銅、銀、金、白金、鉄、タングステン、チタン、リチウム等の金属、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有機物、活性炭、グラファイトなどの炭素材、V2O5、MnO2、NiO、Ir2O3などの金属酸化物またはこれらの混合物が使用可能である。
【0066】
電極活性物質の層を透明電極層上に設けるに際しては、透明電極層の透明性が過度に損なわれないように留意する必要がある。従って、例えば、透明なITO層上に、活性炭素繊維、グラファイト、アクリル樹脂等からなる組成物を、細かいストライプ状またはドット状に塗布する方法とか、金の薄膜上に、V2O5、アセチレンブラック、ブチルゴム等からなる組成物をメッシュ状に塗布する方法が採用される。
透明であることを必要としない導電基板は、上記した透明導電基板に使用される透明基板を、透明でない各種プラスチック、ガラス、木材、石材など素材とする基板に置き換えることで、透明導電基板と同様な方法で製造することができる。
【0067】
本発明で使用可能な反射性導電基板としては、(1)導電性を持たない透明又は不透明な基板上に反射性電極層を積層させた積層体、(2)導電性を持たない透明基板の一方の面に透明電極層を、他方の面に反射層を積層させた積層体、(3)導電性を持たない透明基板上に反射層を、その反射層上に透明電極層を積層させた積層体、(4)反射板を基板とし、これに透明電極層を積層させた積層体、および(5)基板自体が光反射層と電極層の両方の機能を備えた板状体などが例示できる。
【0068】
本発明でいう反射性電極層とは、鏡面を有し、しかも電極として電気化学的に安定な機能を発揮する薄膜を意味する。そのような薄膜としては、例えば、金、白金、タングステン、タンタル、レニウム、オスミウム、イリジウム、銀、ニッケル、パラジウム、クロム等の金属膜や、白金−パラジウム、白金−ロジウム、ステンレス等の合金膜が挙げられる。このような鏡面を備えた薄膜の形成には、任意の方法を採用可能であって、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などを適宜採用することができる。
反射性電極層を設ける基板は透明であるか、不透明であるかを問わない。従って、反射性電極層を設ける基板としては、先に例示した透明基板の他、透明でない各種のプラスチック、ガラス、木材、石材等が使用可能である。
本発明で言う反射板または反射層とは、鏡面を有する基板又は薄膜を意味し、これには、例えば、銀、クロム、アルミニウム、ステンレス、ニッケル−クロム等の板状体又はその薄膜が含まれる。
なお、上記した反射性電極層自体が剛性を備えていれば、基板の使用を省略することができる。
【0069】
また、本発明においては、これらの導電基板周辺部の導電層面に、導電層の表面抵抗値よりも低い抵抗値を有する導電材料からなる電極層を設けることができる。電極層は、導電基板周辺部全周にわたって設けることもできるし、部分的に切断されてもかまわない。
【0070】
電極層としては、導電基板よりも高い導電性が得られるものであれば特に限定されないが、例えば、金、銀、クロム、銅、タングステン等の金属からなる導電膜や、これらの金属を樹脂に分散させた導電ペーストから作製した導電膜などが使用できる。電極層の幅、膜厚および表面抵抗(抵抗率)は使用する導電基板の導電層の表面抵抗よりも低いものが得られれば、特に制限されるものではないが、通常、幅は0.05〜100mm、好ましくは0.1〜20mm、さらに好ましくは0.5〜2mmの範囲にあり、膜厚は0.2〜500μm、好ましくは0.5〜100μm、さらに好ましくは1〜20μmの範囲にあり、表面抵抗(抵抗率)は使用する導電基板の導電層の表面抵抗に対して通常1/5以下、好ましくは1/10以下であることが望ましい。電極層の形成には、公知の手段を任意に採用することができるが、電極を構成する材料により、採用する手段を選択するのが好ましい。金属からなる導電膜であれば、通常は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、ゾルゲル法等が採用される。また、金属を樹脂に分散させた導電ペーストから導電膜を作製する際には、スクリーン印刷、ディスペンサー法等が採用される。
【0071】
また、導電性基板上にエレクトロクロミック層を具備、即ち、導電性基板と高分子固体電解質の間の少なくとも1方にエレクトロクロミック層を配置しても良い。かかるエレクトロクロミック層としては、有機エレクトロクロミック化合物層、無機エレクトロクロミック化合物層のいずれでもよく、本発明の目的を達するものである限り特に限定されないが、Mo2O3、Ir2O3、NiO、V2O5、WO3、ビオロゲン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、金属フタロシアニンなどが好適なものとしてあげられる。
【0072】
前記エレクトロクロミック性物質を含有する層とは、前記エレクトロクロミック性物質のみからなる層(膜)でもよく、またエレクトロクロミック性物質とマトリックス成分に分散させて得られる層(膜)でもよいが、エレクトロクロミック性物質のみからなる層(膜)がより好ましい。
前記エレクトロクロミック性物質を含有する層の厚さは、通常、10nm〜1μm、好ましくは50〜800nmが望ましい。
前記エレクトロクロミック性物質を含有する層の形成方法としては、特に限定されず、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、電解重合法、ディップコート法、スピンコート法等の種々の既知の方法を用いることができる。もちろん、高分子固体電解質中にエレクトロクロミック化合物を含む形態や高分子固体電解質の重合成分としてエレクトロクロミック発現性モノマー成分を用いた場合は、必ずしも前記エレクトロクロミック層を必要としない。
【0073】
本発明では、前記高分子固体電解質層中にスペーサを配置することもできる。スペーサの形状は、特に限定されるものではなく、ビーズ状、ペレット状、帯状等、任意の形状のものを使用することができるが、ビーズ状が実用上好ましい。
スペーサの材質は、基板間を電気的に短絡させないものであり、また基板間隔を実質的に保持しうる機能を発揮するものである限り、特に限定されなく、例えば、石英や青板などのガラス材、アクリル系やポリカーボネート系やビニルベンゼン系の樹脂材を用いることができる。特にフッ素原子を含有したモノマーを共重合させたアクリル樹脂スペーサは、フッ素原子含有モノマーの配合比を変えることで任意にスペーサの屈折率を制御できるため最適である。このような樹脂スペーサは乳化重合やシード重合などの方法を用いて作製することができる。
【0074】
また、本発明の高分子固体電解質に溶解するようなポリマービーズの使用も最適である。これは、セル化時には形状を維持しているが、高分子固体電解質前駆体溶液を注入後、溶解させることで、スペーサを目立たなくすることができる。このようなものとしては、特に限定されなく、ポリメチルメタクリレートやポリスチレン、ポリカーボネート等のポリマービーズが挙げられる。ポリマービーズの溶解方法としては、特に限定されないが、例えば、高分子固体電解質溶液をECセルに注入、封止後、光架橋する前もしくは後に、室温〜160℃程度の温度で10分〜48時間程度放置することで溶解させることができる。この際、ポリマービーズは完全に溶解している必要はなく、目立たなければ目的は達せられる。
【0075】
スペーサのサイズは、特に限定されないが、例えばビーズ状の場合、粒径として、上限は通常1000μm、好ましくは500μm、さらに好ましくは200μm、さらに好ましくは150μmであり、下限は通常1μm、好ましくは、10μm、さらに好ましくは20μm、さらに好ましくは50μmが望ましい。なお、ビーズ以外の形状の場合についてもほぼ同様のサイズであることが望ましい。
スペーサの含有量は、特に制限されないが、通常1〜100000個/cm2、好ましくは3〜50000個/cm2の範囲であることが望ましい。
【0076】
高分子固体電解質層の厚さは、特に限定されないが通常1μm〜3mm好ましくは10μm〜1mmが望ましい。エレクトロクロミック素子として使用する場合の高分子固体電解質の形成方法は特に限定されず、エレクトロクロミック化合物を含有して未固化状態にある高分子固体電解質前駆体、即ち前記液状混合物を、2枚の導電基板を本発明のスペーサを介して、適当な間隔で対向させ、周縁部をシールした対向導電基板の間に、真空注入法、大気注入法、メニスカス法等によって注入し、注入口を封鎖後、光硬化させることにより、上記固体電解質層を形成する方法や、導電基板の電極上に前記高分子固体電解質層を形成した後に、他方の導電基板を貼り合わせる方法などを用いることができる。
もちろん、エレクトロクロミック素子に紫外線吸収層または紫外線遮断層を設けててもよい。
【0077】
本発明に係るエレクトロクロミック素子(EC素子)の基本構成を、図面にそって次に説明する。
図1に示すEC素子1は、透明基板2の一方の面に透明電極層3を積層させた透明導電基板4と、透明又は不透明な基板5の一方の面に反射性電極層6を積層させた反射性導電基板7を、両基板4,7の電極層3,6が向き合うよう、スペーサー8を介して、所定の間隔を隔てて対向させ、この間にエレクトロクロミック化合物を含有する高分子固体電解質層9を配設した構造のものである。
【0078】
図2に示すEC素子10は、透明基板2の一方の面に透明電極層3を積層させ、さらにその透明電極層3上の周辺部に電極層11を設けた透明導電基板12と、透明又は不透明な基板5の一方の面に反射性電極層6を積層させ、さらにその反射性電極層6上の周辺部に電極層13を設けた反射性導電基板14を、両基板12,14の透明電極層3,6が向き合うよう、スペーサー8を介して、所定の間隔を隔てて対向させ、この間にエレクトロクロミック化合物を含有する高分子固体電解質層9を配設した構造のものである。
【0079】
図3に示すEC素子15は、透明基板2の一方の面に透明電極層3を積層させた透明導電基板4と、透明基板16の一方の面に透明電極層17を積層させ、他方の面に反射層18を形成した反射性導電基板19を、両基板4,19の透明電極層3,17が向き合うよう、スペーサー8を介して、所定の間隔を隔てて対向させ、この間にエレクトロクロミック化合物を含有する高分子固体電解質9を配設した構造のものである。なお、図示はしないが、反射層18がない形態においては透過型EC素子となる。
【0080】
図4に示すEC素子20は、透明基板2の一方の面に透明電極層3を積層させ、さらにその透明電極層3上の周辺部に電極層11を設けた透明導電基板12と、透明基板16の一方の面に透明電極層17を積層させ、さらにその透明電極層17上の周辺部に電極層13を設け、他方の面に反射層18を形成した反射性導電基板21を、両基板12,21の透明電極層3,17が向き合うよう、スペーサー8を介して、所定の間隔を隔てて対向させ、この間にエレクトロクロミック化合物が分散した高分子固体電解質層9を配設した構造のものである。なお、図示はしないが、反射層18がない形態においては透過型EC素子となる。
【0081】
図1〜図4に示すEC素子は、任意の方法で製造することができる。例えば、図1〜図4に示す透明導電基板4,12はそれぞれ前述した方法により作製する。すなわち、透明基板2上に透明電極層3を形成して(さらにその透明電極層3上に電極層11を形成して)、透明導電基板4,12が得られる。また、図1〜図4に示す反射性導電基板7,14,19,21をそれぞれ前述した方法により作製する。すなわち、透明あるいは不透明な基板5上に反射性電極層6を形成して(さらにその透明電極層6上に電極層13を形成して)、反射性導電基板7,14が得られる。また、透明基板16上の一方の面に反射性電極層6を形成し(さらにその透明電極層6上に電極層13を形成し)、他方の面に反射層18を形成して、反射性導電基板19,21が得られる。このように作製した透明導電基板4,12と反射性導電基板7,14,19,21とを、スペーサー8を介して、1〜1000μm程度の間隔を隔てて対向させる。そして、注入口を除いた周囲をシール材22でシールし、注入口付きの空セルを作成する。そして、高分子固体電解質の前駆体である前記液状混合物を前述の方法で注入し、またはこの後所望により光硬化することにより高分子固体電解質9を形成することによりEC素子1,10,15,20が得られる。
【0082】
また、他の方法としては、透明基板2上に透明電極層3、高分子固体電解質層9を、記載順に順次形成して積層体を作製する。別に、反射性導電基板7,14,19,21を前述と同様に作製する。また、透明導電基板4,12を作製し、別に透明導電基板4,12と対向する面に固体電解質層9を有する反射性導電基板7,14,19,21を作製する。
そして、積層体の高分子固体電解質層と、反射性導電基板7,14,19,21の電極層6,17とが密着するように、スペーサー8を介して、積層体と反射性導電基板7,14,19,21とを1〜1000μm程度の間隔を隔てて対向させ、周囲をシール材22でシールする方法が挙げられる。
【0083】
【発明の効果】
本発明の高分子固体電解質は、特定の液状混合物を光架橋することにより得られるものであり、容易に光硬化することができるなど生産性が高いものである。本発明の高分子固体電解質の前駆体である液状混合物は比較的良好な保存安定性を示し、工業的生産性に好適であり、得られる本発明の高分子固体電解質は、高いイオン伝導性を具備するとともに、光架橋時の収縮が小さく、寸法安定性が高く、光硬化により得られるため硬化後においても熱応力が残留する可能性がない。また、本発明の高分子固体電解質は、透明性に優れ光学用途の電気化学素子用途に好適に用いることができ、各種の電気化学素子に適用する範囲が広がり、寸法精度の高い電気化学素子に適用することが可能である。
【0084】
本発明の高分子固体電解質は、各種二次電池、キャパシタ、表示素子、調光窓、間仕切り、ショーケース、サンバイザー、照明フィルター等の可変透過率制御や、防眩ミラー等の可変反射率制御が可能なエレクトロクロミック素子に特に好適に用いられる。
また、本発明のエレクトロクロミック素子は、製造が容易であり、耐温度変化性、耐熱衝撃性に優れるとともに、着消色応答性や着色特性、消色特性に優れている。
【0085】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらになんら制限されるものではない。
【0086】
(合成例1)
メチルメタクリレート21.66g(0.2mol)、アリルメタクリレート2.75g(0.02mol)、ドデシル硫酸ナトリウム3.9g、および過硫酸カリウム96mgを水270gに加え、超音波で分散させ乳化液とした後、メカニカルスターラーで攪拌し、窒素をバブリングしながら、50℃で2時間加熱した。加熱終了後、大量のメタノール中に注ぎ込み、析出した固体をろ別しメタノールで3回洗浄した。その後70℃で12時間真空乾燥して重量平均分子量約47万のポリマーを得た。
【0087】
(合成例2)
メチルメタクリレート21.66g(0.2mol)、アリルメタクリレート2.75g(0.02mol)、紫外線吸収モノマー(RUVA−93、大塚化学製)10.1g、ドデシル硫酸ナトリウム3.9g、および過硫酸カリウム96mgを水270gに加え、超音波で分散させ乳化液とした後、メカニカルスターラーで攪拌し、窒素をバブリングしながら、50℃で2時間加熱した。加熱終了後、大量のメタノール中に注ぎ込み、析出した固体をろ別しメタノールで3回洗浄した。その後70℃で12時間真空乾燥して重量平均分子量約45万のポリマーを得た。
【0088】
(実施例1)
プロピレンカーボネート32gに上記合成例1で得られたポリマー4g、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート4g、N,N’−ジヘプチルビオロゲンジテトラフルオロボレート1.1g、フェロセン0.26g、紫外線吸収剤(TinuvinP、チバガイギー社製)0.3g、および光重合開始剤(ダロキュア1173、チバガイギー社製)20mgを添加し、均一溶液を得た。
【0089】
一方、7×20cmサイズの10Ω/sq.のITO基板の導電層面とは反対の面にアルミニウムの反射膜および反射膜の保護膜の付いた導電基板の導電層面にガラスビーズ(粒径約53〜63μm)を混練したエポキシ系接着剤をディスペンサーで線状に塗布し、アクリル樹脂ビーズ(粒径約53〜63μm)を散布後、この上に10Ω/sq.のITOが被覆された透明ガラス基板をITO面同士が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。作製した空セルのセルギャップは約54μmであった。
ここに上述の溶液を真空注入後、注入口をエポキシ系樹脂で封止した。その後90℃で4時間放置しアクリル樹脂ビーズを溶解させた。その後、高圧水銀灯で9000mJ/cm2照射し、液状混合物を光硬化させ、高分子固体電解質を得た。
【0090】
このセルは組み立てた時点では着色しておらず、反射率は約70%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.3Vの電圧を印可すると着色し、約3秒で反射率約8%となった。
また、このセルを破壊したところ、中の電解質は固体状となっており、液が飛散することはなかった。
このセルを−30℃で1時間、80℃で1時間の条件で熱衝撃試験を200回実施したところ、特に大きな変化は見られなかった。
【0091】
(実施例2)
プロピレンカーボネート32gに上記合成例2で得られたポリマー4g、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート4g、N,N’−ジヘプチルビオロゲンジテトラフルオロボレート1.1g、フェロセン0.26g、および光重合開始剤(イルガキュア819、チバガイギー社製)10mgを添加し、均一溶液を得た。
【0092】
一方、7×20cmサイズの10Ω/sq.のITO基板の導電層面とは反対の面にアルミニウムの反射膜および反射膜の保護膜の付いた導電基板の導電層面にガラスビーズ(粒径約53〜63μm)を混練したエポキシ系接着剤をディスペンサーで線状に塗布し、アクリル樹脂ビーズ(粒径約53〜63μm)を散布後、この上に10Ω/sq.のITOが被覆された透明ガラス基板をITO面同士が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。作製した空セルのセルギャップは約54μmであった。
ここに上述の溶液を真空注入後、注入口をエポキシ系樹脂で封止した。その後90℃で4時間放置しアクリル樹脂ビーズを溶解させた。その後、高圧水銀灯で9000mJ/cm2照射し、液状混合物を光硬化させ、高分子固体電解質を得た。
【0093】
このセルは組み立てた時点では着色しておらず、反射率は約70%であった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.3Vの電圧を印可すると着色し、約3秒で反射率約8%となった。
また、このセルを破壊したところ、中の電解質は固体状となっており、液が飛散することはなかった。
このセルを−30℃で1時間、80℃で1時間の条件で熱衝撃試験を200回実施したところ、特に大きな変化は見られなかった。
また、このセルを、キセノンランプ照射下(300〜400nmでの照度60w/m2)での放置試験を1000時間実施したが、特に性能の変化は見られなかった。
【0094】
(実施例3)
1mol/Lの過塩素酸リチウムが溶解したγ−ブチロラクトン36gに上記合成例1で得られたポリマー4gおよび重合開始剤(イルガキュア819、チバガイギー社製)10mgを添加し、均一溶液を得た。
一方、10×10cmサイズの10Ω/sq.のITO基板の導電層面に20〜30オングストローム/秒の条件下、厚さ約5000オングストロームとなるように、WO3を蒸着し、エレクトロクロミック層付透明導電基板(基板A)を作製した。
【0095】
また、もう一枚の10×10cmサイズの10Ω/sq.のITO基板の導電層面に、活性炭粉末(商品名:YR17、クラレ社製)80g、グラファイト(商品名:USSP、日本黒鉛商事社製)40g、シリコンレジン(商品名:RZ7703、日本ユニカー社製)343g、およびブチルセロソルブ25gを混合し、得られた活性炭ペーストをストライプパターン部材に用いてスクリーン印刷を行い、ストライプ幅500μm、高さ100μmのストライプパターンを等間隔で形成させ、180℃で90分熱硬化させ、対向電極(基板B)を作製した。
【0096】
上記基板Bの導電層面にガラスビーズ(粒径約200μm)を混練したエポキシ系接着剤をディスペンサーで線状に塗布し、アクリル樹脂ビーズ(粒径約200μm)を散布後、この上に先ほど作製したエレクトロクロミック層付透明導電基板(基板A)を、基板Aのエレクトロクロミック層と基板Bの透明導電層とが相対向するよう重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。作製した空セルのセルギャップは約200μmであった。
ここに上述の溶液を真空注入後、注入口をエポキシ系樹脂で封止した。その後90℃で4時間放置しアクリル樹脂ビーズを溶解させた。その後、高圧水銀灯で9000mJ/cm2照射し、液状混合物を光硬化させ、高分子固体電解質を得た。
【0097】
このセルは組み立てた時点では着色しておらず、透過率は約50%であった。
また、基板A側が負極、基板B側が正極となるように1.5Vの電圧を60秒間印加したところ、緑青色に均一に着色し、着色時の透過率は10%であった。
続いて、基板B側が正極、基板A側が負極となるように1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに消色し、初期の透過率に戻った。
また、このセルを破壊したところ、中の電解質は固体状となっており、液が飛散することはなかった。
このセルを−30℃で1時間、80℃で1時間の条件で熱衝撃試験を200回実施したところ、特に大きな変化は見られなかった。
【0098】
(比較例1)
メチルメタクリレート100.12g(1mol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13g(0.1mol)、アゾビスイソブチロニトリル2.7g、およびプロピレンカーボネート20gの混合溶液を、70℃に保ったプロピレンカーボネート380gに1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに同じ温度で1時間攪拌し、100℃に昇温して2時間攪拌して、重量平均分子量約4万のポリマー溶液を得た。
このポリマー溶液50gに2,4−トルイレンジイソシアネート0.7g、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート5g、N,N’−ジヘプチルビオロゲンジパークロレート4g、フェロセン2g、およびジラウリン酸−n−ジブチルスズ0.2gを添加した。
【0099】
一方、7×20cmサイズの10Ω/sq.のITO基板の導電層面とは反対の面にアルミニウムの反射膜および反射膜の保護膜の付いた導電基板の導電層面にガラスビーズ(粒径約53〜63μm)を混練したエポキシ系接着剤をディスペンサーで線状に塗布し、ガラスビーズ(粒径約53〜63μm)を散布後、この上に10Ω/sq.のITOが被覆された透明ガラス基板をITO面同士が向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。作製した空セルのセルギャップは約54μmであった。
ここに上述の溶液を真空注入後、注入口をエポキシ系樹脂で封止した。その後、このセルを85℃で1時間加熱し、液状混合物を光硬化させ、高分子固体電解質を得た。しかし、室温に冷却後、セル周辺部に空隙が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレクトロクロミック素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るエレクトロクロミック素子の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るエレクトロクロミック素子の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明に係るエレクトロクロミック素子の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,10,15,20 エレクトロクロミック素子
2 透明基板
3,17 透明電極層
4,12 透明導電基板
5 透明又は不透明な基板
6 反射性電極層
7,14,19,21 反射性導電基板
8 スペーサー
9 高分子固体電解質層
11,13 電極層
16 透明基板
18 反射層
22 シール材
Claims (7)
- (a)少なくとも下記一般式(1)で表される化合物および下記一般式(2)で表される化合物を含むモノマー混合物を共重合することにより得られる反応性ポリマー、
(b)溶媒、
(c)支持電解質、および
(d)光重合開始剤
を必須成分として含有する液状混合物を、光硬化することを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。
- 前記モノマー混合物が、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物と共重合し得る官能基を有する紫外線吸収性化合物を共重合モノマー成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質の製造方法。
- 前記紫外線吸収性化合物が、下記一般式(3)〜(5)で表される化合物から選ばれる一種以上の化合物であることを特徴とする請求項2に記載の高分子固体電解質の製造方法。
- 前記液状混合物が、エレクトロクロミック化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質の製造方法。
- 前記液状混合物が、ポリマービーズをさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の高分子固体電解質の製造方法。
- 少なくとも一方が透明な2枚の導電基板の間に、請求項1〜5のいずれかの項に記載の方法により製造された高分子固体電解質からなる層を挟持したことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
- 導電基板と高分子固体電解質の間の少なくとも一方の側にエレクトロクロミック層を有することを特徴とする請求項6に記載のエレクトロクロミック素子。
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