JP2000235198A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JP2000235198A
JP2000235198A JP11355054A JP35505499A JP2000235198A JP 2000235198 A JP2000235198 A JP 2000235198A JP 11355054 A JP11355054 A JP 11355054A JP 35505499 A JP35505499 A JP 35505499A JP 2000235198 A JP2000235198 A JP 2000235198A
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Japan
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carbon atoms
hydrogen
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JP11355054A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
Masaaki Kobayashi
正明 小林
Hiroshi Imafuku
浩 今福
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非流動性のイオン伝導性物質層と2枚の導電
基板で構成されるエレクトロクロミック素子の提供。 【解決手段】 下記の一般式(1)で表わされるビピリ
ジニウム化合物と、特定なメタロセン化合物と、高分子
固体電解質の前駆体とを含有する組成物が硬化して形成
されるイオン伝導性物質層を、少なくとも一方が透明で
ある2枚の導電基板間に設ける。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光ガラスなどの
透過型素子、自動車等の防眩ミラー、装飾用ミラー等の
反射型素子、表示素子などとして有用なエレクトロクロ
ミック素子に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】エレ
クトロクロミック素子で使用する発色層の形成方法とし
ては、例えば、酸化タングステン(WO3)のような無
機酸化物を、透明導電膜上に真空蒸着法またはスパッタ
リング法で成膜する方法が知られている(特開昭63−
18336号公報)。しかし、この方法は真空技術を使
用しなければならないため、エレクトロクロミック素子
がコスト高になる欠点がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
問題を解決する手段について鋭意検討した結果、以下の
ような構成を有する素子がこれらの問題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明に係るエレクトロクロミック素子の一つは、少なく
とも一方が透明である2枚の導電基板間に、下記の
(A)〜(C)の3成分を含有する組成物が硬化してな
るイオン伝導層を設けた構成にあり、他の一つは、下記
の(A)〜(D)の4成分を含有する組成物が硬化して
なるイオン伝導層を設けた構成にある。 (A)下記一般式(1)で表されるビピリジニウム化合
物、(B)下記一般式(2)または(2’)で表される
メタロセン化合物(C)高分子固体電解質の前駆体
(D)エチレン性二重結合を有する紫外線吸収化合物
【化7】 (式中、X-およびY-は同一でも異なっていてもよく、
それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -
PF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -から選
ばれる対アニオンを示し、R1は水素または炭素数1〜
5のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜30の2価の
炭化水素残基を示し、R3は炭素数1〜20の炭化水素
残基を示し、aは0または1を示す。)
【化8】 (式中、R4およびR5は炭素数1〜10のアルキル基、
アルケニル基およびアリール基から選ばれる炭化水素基
を示し、R4またはR5がアリール基である場合、母環は
シクロペンタジエニル環と結合し環を形成してもよく、
1は0≦n1≦4の範囲の整数を表し、n2は0≦n2
5の範囲の整数を表し、AおよびA’は下記の一般式
(a)で表される一価基を示し、互いに同一でも異なって
も良く、mは0または1であり、MはCr、Co、F
e、Mg、Ni,Os,Ru,Vのいずれかを表し、
M’はHf,Mo,Nb,Ti,V、Zrのいずれかを
表し、Q、Q’は水素、ハロゲン、炭素数1〜12のア
ルキル基を表し、互いに同一でも異なっても良い。)
【化9】 (式中、R6は水素またはメチル基を示し、R7は水素ま
たはメチル基を示し、bは0または1を示す。但し、b
が0の場合R7は水素を示す。)
【0004】
【発明の実施の形態】本発明のエレクトロクロミック素
子には2枚の導電基板が使用される。ここで導電基板と
は電極としての機能を果たす基板を意味する。従って、
本発明で言う導電基板には、基板自体を導電性材料で製
造したものと、導電性を持たない基板の片面又は両面に
電極層を積層させた積層板が包含される。導電性を備え
ているか否かに拘らず、基板自体は常温において平滑な
面を有していることが必要であるが、その面は平面であ
っても、曲面であっても差し支えなく、応力で変形する
ものであっても差し支えない。本発明で使用される2枚
の導電基板の少なくとも一方は透明導電基板であり、他
方は透明であっても、不透明であっても差し支えなく、
また、光を反射できる反射性導電基板であってもよい。
一般に、2枚の導電基板がいずれも透明である素子は、
表示素子や調光ガラスに好適であり、1枚を透明導電基
板とし、もう1枚を不透明導電基板としたものは表示素
子に好適であり、1枚を透明導電基板とし、もう1枚を
反射性導電基板としたものはエレクトロクロミックミラ
ーに適している。
【0005】透明導電基板は、通常、透明基板上に透明
電極層を積層させて製造される。ここで、透明とは可視
光領域において10〜100%の光透過率を有すること
を意味する。透明基板の材質は特に限定されず、例え
ば、無色あるいは有色ガラス、強化ガラス等であって差
し支えなく、無色あるいは有色の透明性樹脂でもよい。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が使用
可能である。透明電極層としては、例えば、金、銀、ク
ロム、銅、タングステン等の金属薄膜、金属酸化物から
なる導電膜などが使用できる。前記金属酸化物として
は、例えば、ITO(In23−SnO2)、酸化錫、
酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム等が挙げられる。電
極層の膜厚は、通常10〜500nm、好ましくは50
〜300nmの範囲にあり、表面抵抗(抵抗率)は、通
常0.5〜500Ω/cm2、好ましくは1〜50Ω/
cm2の範囲にある。透明電極層の形成には、公知の手
段を任意に採用することができるが、電極を構成する金
属及び/又は金属酸化物等の種類により、採用する手段
を選択するのが好ましい。通常は、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、スパッタリング法、ゾルゲル法等が
採用される。透明電極層への酸化還元能の付与、導電性
の向上、電気二重層容量の付与などの目的で、透明電極
層の表面には部分的に不透明な電極活性物質の層を設け
ることができる。この電極活性物質としては、例えば、
銅、銀、金、白金、鉄、タングステン、チタン、リチウ
ム等の金属、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ
ール、フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有機
物、活性炭、グラファイトなどの炭素材、V25、Mn
2、NiO、Ir23などの金属酸化物またはこれら
の混合物が使用可能である。電極活性物質の層を透明電
極層上に設けるに際しては、透明電極層の透明性が過度
に損なわれないように留意する必要がある。従って、例
えば、透明なITO層上に、活性炭素繊維、グラファイ
ト、アクリル樹脂等からなる組成物を、細かいストライ
プ状またはドット状に塗布する方法とか、金の薄膜上
に、V25、アセチレンブラック、ブチルゴム等からな
る組成物をメッシュ状に塗布する方法が採用される。透
明であることを必要としない導電基板は、上記した透明
導電基板に使用される透明基板を、透明でない各種プラ
スチック、ガラス、木材、石材など素材とする基板に置
き換えることで、透明導電基板と同様な方法で製造する
ことができる。
【0006】本発明で使用可能な反射性導電基板として
は、(1)導電性を持たない透明又は不透明な基板上に
反射性電極層を積層させた積層体、(2)導電性を持た
ない透明基板の一方の面に透明電極層を、他方の面に反
射層を積層させた積層体、(3)導電性を持たない透明
基板上に反射層を、その反射層上に透明電極層を積層さ
せた積層体、(4)反射板を基板とし、これに透明電極
層を積層させた積層体、および(5)基板自体が光反射
層と電極層の両方の機能を備えた板状体などが例示でき
る。本発明でいう反射性電極層とは、鏡面を有し、しか
も電極として電気化学的に安定な機能を発揮する薄膜を
意味する。そのような薄膜としては、例えば、金、白
金、タングステン、タンタル、レニウム、オスミウム、
イリジウム、銀、ニッケル、パラジウム等の金属膜や、
白金−パラジウム、白金−ロジウム、ステンレス等の合
金膜が挙げられる。このような鏡面を備えた薄膜の形成
には、任意の方法を採用可能であって、例えば、真空蒸
着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など
を適宜採用することができる。反射性電極層を設ける基
板は透明であるか、不透明であるかを問わない。従っ
て、反射性電極層を設ける基板としては、先に例示した
透明基板の他、透明でない各種のプラスチック、ガラ
ス、木材、石材等が使用可能である。本発明で言う反射
板または反射層とは、鏡面を有する基板又は薄膜を意味
し、これには、例えば、銀、クロム、アルミニウム、ス
テンレス、ニッケル−クロム等の板状体又はその薄膜が
含まれる。なお、上記した反射性電極層自体が剛性を備
えていれば、基板の使用を省略することができる。
【0007】本発明においては、エレクトロクロミック
物質として下記の一般式(1)で表されるビピリジニウ
ム化合物(以下、「成分(A)」という。)が使用され
る。
【化10】 一般式(1)において、X-およびY-は同一でも異なっ
ていてもよく、それぞれ個別にハロゲンアニオン、Cl
4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CH3(C
64)SO3 -から選ばれる対アニオンを示す。前記ハロ
ゲンアニオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-等が挙
げられる。R1は水素または炭素数1〜5のアルキル基
を示し、このアルキル基としては、メチル基、エチル
基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、特に水素
またはメチル基であることが好ましい。R2は炭素数1
〜30の2価の炭化水素残基を示す。本発明で言う炭化
水素残基は炭化水素基と含酸素炭化水素基の総称であ
る。従って、2価の炭化水素残基には、アルキレン基、
2価の芳香族炭化水素基などの炭化水素基が含まれるほ
か、(ポリ)オキシアルキレン基等のエーテル結合を有
する含酸素炭化水素基が含まれる。ここでいうアルキレ
ン基としては炭素数1〜10、好ましくは1〜5のもの
が望ましい。アルキレン基の好適な例としてはメチレン
基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基など
が挙げられ、特にメチレン基が好ましい。2価の芳香族
炭化水素基としては、典型的には炭素数6〜20のアリ
ーレン基または置換アリーレン基が挙げられるが、m−
位やp−位のフェニレン基、置換フェニレン基(アルキ
ル置換フェニレン基等)、ビフェニレン基、ナフチレン
基などが例示でき、特にm−位やp−位のフェニレン基
が好ましい。上記含酸素炭化水素基としては、−OCH
2CH2−、−CH2OCH2CH2−などが挙げられる。
3は炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜10の1
価の炭化水素残基を示し、炭化水素残基は炭化水素基と
含酸素炭化水素基を包含する。従って、1価の炭化水素
残基には、アルキル基、アリール基またはアラルキル基
等の炭化水素基のほか、アルコキシ基などが含まれる。
そして、アルキル基としては、メチル基、エチル基、i
−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ベンジル
基、ビニルベンジル基等が挙げられる。また、一般式
(1)のR3は下記の一般式(b)又は(c)で表される含酸
素炭化水素基であって差し支えない。
【化11】 (式中、R'は一般式(1)におけるR2と、Rは一般式
(1)におけるR1と同様のものを示し、R"は炭素数2
〜5、好ましくは2〜3のアルキレン基(例えば、エチ
レン基、トリメチレン基、プロピレン基等)を示し、a'
は0または1、b'は1〜5、好ましくは1〜2の整数を
示す。) 一般式(1)におけるaは0または1を示す。一般式
(1)におけるR3が上記一般式(b)である場合、本発明
の成分(A)は、次の一般式(3)のように、両末端に
エチレン性二重結合を持つものであってもよい。
【化12】 式中、X-およびY-は同一でも異なっていてもよく、一
般式(1)におけるX -およびY-の定義と同様であり、
8およびR9は同一でも異なっていてもよく、一般式
(1)におけるR1の定義と同様であり、R10およびR
11は同一でも異なっていてもよく、一般式(1)におけ
るR2の定義と同様であり、cおよびdは同一でも異な
っていてもよく、一般式(1)におけるaの定義と同様
である。
【0008】本発明でいう成分(A)の具体例を例示す
れば、次のとおりである。
【化13】
【化14】 これらの各化合物は2種以上併用することもできる。ま
た所望により、発色を助長する化合物を、成分(A)と
併用したり、あるいはこれに結合させても良い。
【0009】本発明のエレクトロクロミック素子におい
ては、電子供与性化合物として、一般式(2)または
(2’)で表されるメタロセン化合物(以下、「成分
(B)」という。)を使用する。
【化15】 一般式(2)および(2’)において、R4およびR5
炭素数1〜10のアルキル基およびアリール基から選ば
れる炭化水素基を示す。アルキル基としては、メチル
基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基などが例示され、アリール基と
してはフェニル基が代表例として挙げられる。特に、メ
チル基、エチル基、プロピル基が望ましい。なお、R4
またはR5はシクロペンタジエニル環と結合し環を形成
してもよいし、互いに異なるシクロペンタジニル環を架
橋する基を形成してもよい。n1は0≦n1≦4の範囲の
整数を表し、n2は0≦n2≦5の範囲の整数を表す。n
1およびn2は0または1であることが好ましく、共に0
であることが特に望ましい。AおよびA’は下記の一般
式(a)で表される一価基を示し、互いに同一でも異なっ
ても良い。
【化16】 (式中、R6は水素またはメチル基を示し、R7は水素ま
たはメチル基を示し、bは0または1を示す。但し、b
が0の場合R7は水素を示す。) 一般式(2)および(2’)におけるmは0または1で
あり、特に0が好ましい。また、Mは、Cr、Co、F
e、Mg、Ni,Os,Ru,Vのいずれかを表し、
M’は、Hf,Mo,Nb,Ti,V、Zrのいずれか
を表す。Q、Q’は、水素、ハロゲン、炭素数1〜12
のアルキル基を表し、互いに同一でも異なっても良い。
【0010】成分(B)の具体例を例示すれば、次のと
おりである。なお、成分(B)の具体例を示す化学式に
おいて、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表わし、R’
はメチレン基、エチレン基または
【化17】 を表わす。
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】 上記した各化合物は、2種以上併用することができる。
本発明においては、成分(A)および成分(B)の使用
量は、任意に選ぶことができるが、通常は後述する高分
子固体電解質前駆体に対して両成分ともそれぞれ0.0
1〜20質量%の範囲で、好ましくは0.1〜10質量
%の範囲で使用する。なお、本発明のイオン伝導層中に
存在する成分(A)/成分(B)のモル比は、通常、1
0/1〜1/20、好ましくは2/1〜1/3の範囲に
ある。
【0011】本発明でいう高分子固体電解質の前駆体
(以下、「成分(C)」という。)とは、元々流動性を
示す当該成分自体を硬化させることによって、高分子固
体電解質を形成し得る成分を意味する。この高分子固体
電解質には、室温において実質的に固体であるものと、
室温において殆ど流動性を示さないゲル状を呈するもの
が包含させる。高分子固体電解質は、固体であるか、ゲ
ル状であるかに拘らず、通常、室温で1×10-7S/c
m以上、好ましくは1×10-6S/cm以上、さらに好
ましくは1×10-5S/cm以上のイオン伝導度を示す
ことが好ましい。本発明の成分(C)は、基本的には、
重合性モノマーと支持電解質とで構成されるが、さらに
溶媒を含有していることが好ましく、必要に応じて、そ
の他の成分を含有させることもできる。重合性モノマー
には、ポリウレタンモノマーが使用できるほか、アクリ
ロイル変性またはメタクリロイル変性したポリアルキレ
ンオキシドが使用できる。なかでも、アクリロイル変性
またはメタクリロイル変性のポリアルキレンオキシドが
好ましい。分子の両末端にアクリロイル基またはメタク
リロイル基を有するポリウレタンモノマーは、下記の一
般式(4)で表される。
【化28】 (式中、R12およびR13は同一または異なる基であっ
て、一般式(5)〜(7)で表される基から選ばれる基
を示す。R14およびR15は同一または異なる基であっ
て、炭素数1〜20、好ましくは2〜12の2価炭化水
素残基を示す。Yはポリエーテル単位、ポリエステル単
位、ポリカーボネート単位またはこれらの混合単位を示
す。またeは1〜100、好ましくは1〜50、さらに
好ましくは1〜20の範囲の整数である。)
【化29】 一般式(5)〜(7)において、R16〜R18は同一また
は異なる基であって、水素原子または炭素数1〜3のア
ルキル基を示す。またR19は炭素数1〜20、好ましく
は炭素数2〜8の2〜4価の有機残基を示す。この有機
残基としては、具体的には、アルキルトリイル基、アル
キルテトライル基、下記の一般式(8)で示されるアル
キレン基等の炭化水素残基などが挙げられる。
【化30】 一般式(8)において、R20は炭素数1〜3のアルキル
基または水素を示し、fは0〜6の整数である。fが2
以上の場合、R20は同一でも異なっても良い。一般式
(8)中の水素原子は、その一部が炭素数1〜6、好ま
しくは1〜3のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリー
ルオキシ基などの含酸素炭化水素基により置換されてい
る基でもよい。一般式(5)〜(7)におけるR19の具
体例としては、メチレン基、テトラメチレン基、
【化31】 等を好ましく挙げることができる。
【0012】一般式(4)のR14及びR15で示される2
価の炭化水素残基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族
炭化水素基、脂環式炭化水素基などが挙げられるが、脂
肪族炭化水素基としては、先の一般式(8)で表される
アルキレン基等を挙げることができる。また、2価の芳
香族炭化水素基および2価の脂環式炭化水素基として
は、下記一般式(9)〜(11)で表される炭化水素基
等が挙げられる。
【化32】 一般式(9)〜(11)において、R21およびR22は同
一または異なる基であって、フェニレン基、置換フェニ
レン基(アルキル置換フェニレン基等)、シクロアルキ
レン基、置換シクロアルキレン基(アルキル置換シクロ
アルキレン基等)を示す。R23〜R26は同一または異な
る基であって、水素原子または炭素数1〜3のアルキル
基を示す。また、gは1〜5の整数である。一般式
(4)におけるR14およびR15の具体例としては、以下
に示す2価の基が挙げられる。
【化33】
【0013】一般式(5)におけるYはポリエーテル単
位、ポリエステル単位およびポリカーボネート単位また
はこれらの混合単位を示すが、このポリエーテル単位、
ポリエステル単位、ポリカーボネート単位及びこれらの
混合単位としては、それぞれ下記の一般式(d)〜
(g)で示される単位を挙げることができる。
【化34】 一般式(d)〜(g)において、R27〜R32は同一また
は異なる基であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜
12の2価の炭化水素残基を示す。R27〜R32として
は、直鎖または分岐のアルキレン基などが好ましく、具
体的には、R29としてはメチレン基、エチレン基、トリ
メチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘ
キサメチレン基、プロピレン基等が好ましい。また、R
27〜R28およびR30〜R32としてはエチレン基、プロピ
レン基などが好ましい。c'は2〜300、好ましくは1
0〜200の整数である。d'は1〜300、好ましくは
2〜200の整数、e'は1〜200、好ましくは2〜1
00の整数、e''は1〜200、好ましくは2〜100
の整数、f'は1〜300、好ましくは10〜200の整
数である。一般式(d)〜(g)において、各単位は同
一でも、異なる単位の共重合でも良い。即ち、複数のR
27〜R32が存在する場合、R27同志、R28同志、R29
志、R30同志、R31同志およびR32同志は同一でも異な
っても良い。
【0014】一般式(4)で表されるポリウレタンモノ
マーの分子量は、通常、重量平均分子量で2,500〜
30,000、好ましくは3,000〜20,000の
範囲にあり、1分子中の重合官能基数は、好ましくは2
〜6、さらに好ましくは2〜4の範囲にある。一般式
(4)で表されるポリウレタンモノマーは、公知の方法
により容易に製造することができ、その製法は特に限定
されるものではない。
【0015】成分(C)に使用できる重合性モノマーの
他の一つは、アクリロイル変性またはメタクリロイル変
性されたポリアルキレンオキシドある(以下、この両者
を変性ポリアルキレンオキシドと総称する)。本発明の
変性ポリアルキレンオキシドには、単官能変性ポリアル
キレンオキシド、2官能変性ポリアルキレンオキシド、
3官能以上の多官能変性ポリアルキレンオキシドが包含
される。これらの各変性ポリアルキレンオキシドは単独
で用いても混合して用いてもよく、特に、単官能変性ポ
リアルキレンオキシドを必須とし、これに2官能変性ポ
リアルキレンオキシドおよび/または多官能変性ポリア
ルキレンオキシドを混合使用することが好ましい。とり
わけ、単官能変性ポリアルキレンオキシドと2官能変性
ポリアルキレンオキシドを混合して使用することが好ま
しい。混合使用する場合の混合比率は任意に選ぶことが
できるが、単官能変性ポリアルキレンオキシド100重
量部に対して、2官能変性ポリアルキレンオキシドおよ
び/または多官能変性ポリアルキレンオキシドを、合計
量で0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量
部の範囲で選ばれる。
【0016】単官能変性ポリアルキレンオキシドは下記
の一般式(12)で表される。
【化35】 (式中、R33、R34、R35およびR36は、それぞれ個別
に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示
し、g'は1以上の整数である。) 一般式(12)において、R33、R34、R35およびR36
は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子を有す
るアルキル基を示すが、そのアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げら
れ、互いに同一でも異なってもよく、特にR33は水素、
メチル基、R34は水素、メチル基、R35は水素、メチル
基、R36は水素、メチル基、エチル基であることがそれ
ぞれ好ましい。一般式(12)のg'は、1以上の整数、
通常1≦g'≦100、好ましくは2≦g'≦50、さらに
好ましくは2≦g'≦30の範囲の整数である。一般式
(12)で表される化合物の具体例としては、オキシア
ルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜50、
さらに好ましくは2〜20の範囲で持つメトキシポリエ
チレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピ
レングリコールメタクリレート、エトキシポリエチレン
グリコールメタクリレート、エトキシポリプロピレング
リコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコール
アクリレート、エトキシポリエチレングリコールアクリ
レート、エトキシポリプロピレングリコールアクリレー
ト、またはこれらの混合物等を挙げることができる。一
般式(12)のg'が2以上の場合、オキシアルキレンユ
ニットは互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキレン
ユニットを持つものでもよく、その重合形態は交互共重
合、ブロック共重合またはランダム共重合のいずれでも
よい。その具体例としては、例えば、オキシエチレンユ
ニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持ち、
かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好ましくは
1〜20の範囲で持つ交互共重合体、ブロック共重合体
またはランダム共重合体であるところの、メトキシポリ
(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレート、
エトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタ
クリレート、メトキシポリ(エチレン・プロピレン)グ
リコールアクリレート、エトキシポリ(エチレン・プロ
ピレン)グリコールアクリレート、またはこれらの混合
物などが挙げられる。
【0017】2官能変性ポリアルキレンオキシドは、下
記の一般式(13)で表され、3官能以上の多官能アク
リロイル変性ポリアルキレンオキシドは、下記の一般式
(14)で表される。
【化36】 (式中、R37、R38、R39およびR40は、それぞれ個別
に水素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基を示
し、h'は1以上の整数である。)
【化37】 (式中、R41、R42およびR43は、それぞれ個別に水素
または1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり、
i’は1以上の整数であり、j'は2〜4の整数であり、
Lはj'価の連結基を示す。) 一般式(13)において、式中のR37、R38、R39およ
びR40は、それぞれ個別に水素または1〜5の炭素原子
を有するアルキル基を示すが、このアルキル基として
は、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等
が挙げられる。特に、R37は水素、メチル基、R38は水
素、メチル基、R39は水素、メチル基、R40は水素、メ
チル基であることがそれぞれ好ましい。また、一般式
(13)中のh'は、1以上の整数、通常1≦h'≦10
0、好ましくは2≦h'≦50、さらに好ましくは2≦h'
≦30の範囲の整数であるが、そうした化合物の具体例
は、オキシアルキレンユニットを1〜100、好ましく
は2〜50、さらに好ましくは1〜20の範囲で持つポ
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタク
リレート、またはこれらの混合物等を挙げることができ
る。また、h'が2以上の場合、オキシアルキレンユニッ
トが互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキレンユニ
ットを持つものでもよく、その重合形態は交互共重合、
ブロック共重合またはランダム共重合のいずれでもよ
い。その例としては、例えば、オキシエチレンユニット
を1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持ち、かつオ
キシプロピレンユニットを1〜50、好ましくは1〜2
0の範囲で持つ交互共重合体、ブロック共重合体または
ランダム共重合体であるところの、ポリ(エチレン・プ
ロピレン)グリコールジメタクリレート、ポリ(エチレ
ン・プロピレン)グリコールジアクリレート、またはこ
れらの混合物などが挙げられる。一般式(14)におけ
るR41、R42およびR43は、それぞれ個別に水素または
1〜5の炭素原子を有するアルキル基であるが、このア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、i−プロピル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n
−ペンチル基等が挙げられる。特にR41、R42およびR
43は、水素、メチル基が好ましい。また、式中のi'は1
以上の整数、通常1≦i'≦100、好ましくは2≦i'≦
50さらに好ましくは2≦i'≦30の範囲の整数を示す
ものである。j'は連結基Lの連結数であり、2≦j'≦4
の整数である。連結基Lとしては、通常、炭素数1〜3
0、好ましくは1〜20の二価、三価または四価の炭化
水素基である。二価炭化水素基としては、アルキレン
基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルア
リーレン基、またはこれらを基本骨格として有する炭化
水素基などが挙げられ、具体的にはメチレン基、エチレ
ン基、
【化38】 などが挙げられる。また、三価の炭化水素基としては、
アルキルトリイル基、アリールトリイル基、アリールア
ルキルトリイル基、アルキルアリールトリイル基、また
はこれらを基本骨格として有する炭化水素基などが挙げ
られ、具体的には
【化39】 などが挙げられる。また、四価の炭化水素基としては、
アルキルテトライル基、アリールテトライル基、アリー
ルアルキルテトライル基、アルキルアリールテトライル
基、またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基な
どが挙げられ、具体的には
【化40】 等が挙げられる。
【0018】こうした化合物の具体例としては、オキシ
アルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜5
0、さらに好ましくは1〜20の範囲で持つトリメチロ
ールプロパントリ(ポリエチレングリコールアクリレー
ト)、トリメチロールプロパントリ(ポリエチレングリ
コールメタクリレート)、トリメチロールプロパントリ
(ポリプロピレングリコールアクリレート)、トリメチ
ロールプロパントリ(ポリプロピレングリコールメタク
リレート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリエチ
レングリコールアクリレート)、テトラメチロールメタ
ンテトラ(ポリエチレングリコールメタクリレート)、
テトラメチロールメタンテトラ(ポリプロピレングリコ
ールアクリレート)、テトラメチロールメタンテトラ
(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、2,2
−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]
プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエ
トキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(ア
クリロキシポリイソプロポキシ)フェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリイソプロポキ
シ)フェニル]プロパン、またはこれらの混合物等を挙
げることができる。また、一般式(14)のi'が2以上
の場合、オキシアルキレンユニットが互いに異なるいわ
ゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つものでもよ
く、その重合形態は、交互共重合、ブロック共重合、ラ
ンダム共重合のいずれであってもよい。オキシエチレン
ユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で持
ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好まし
くは1〜20の範囲で持つ交互共重合体、ブロック共重
合体またはランダム共重合体であるところの、トリメチ
ロールプロパントリ(ポリ(エチレン・プロピレン)グ
リコールアクリレート)、トリメチロールプロパントリ
(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリレ
ート)、テトラメチロールメタンテトラ(ポリ(エチレ
ン・プロピレン)グリコールアクリレート)、テトラメ
チロールメタンテトラ(ポリ(エチレン・プロピレン)
グリコールメタクリレート)、またはこれらの混合物な
どがその具体例である。一般式(13)で表される2官
能変性ポリアルキレンオキシドと、一般式(14)で表
される3官能以上の多官能変性ポリアルキレンオキシド
を併用してもよい。併用する場合の重量比は、通常、
0.01/99.9〜99.9/0.01、好ましくは
1/99〜99/1、さらに好ましくは20/80〜8
0/20の範囲が望ましい。
【0019】重合性モノマーと共に本発明の成分(C)
を構成するもう一つの成分は、支持電解質であって、こ
れには、塩類、酸類、アルカリ類等が使用できる。塩類
としては、特に制限はなく、例えば、アルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩;4級アンモニウ
ム塩;環状4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩な
どが挙げられる。塩類の具体例としてはLiClO4
LiSCN、LiBF4、LiAsF6、LiCF3
3、LiPF6、LiI、NaI、NaSCN、NaC
lO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN、KCl等
のLi、Na、Kのアルカリ金属塩;(CH34NBF
4、(C254NBF4、(n−C494NBF4
(C254NBr、(C254NClO4、(n−C4
94NClO4、(C253CH3NBF4、(C
253CH3NClO4、(C252(CH32NBF
4、(C252(CH32NClO4、(C25)(C
33NBF4、(C25)(CH33NClO4
【化41】 などの4級アンモニウム塩;(CH34PBF4、(C2
54PBF4、(C3 74PBF4、(C494PB
4などの4級ホスホニウム塩またはこれらの混合物が
好適なものとして挙げられる。支持電解質としての酸類
も特に限定されず、無機酸、有機酸などが、具体的には
硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸類、カルボン酸類な
どが使用できる。支持電解質としてのアルカリ類も特に
限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウムなどがいずれも使用可能である。
【0020】本発明の成分(C)、すなわち、高分子固
体電解質の前駆体を調製するに際しては、上記した重合
性モノマーおよび支持電解質と共に溶媒を使用すること
が好ましい。溶媒としては、水、無水酢酸、メタノー
ル、エタノール、ニトロメタン、ヘキサメチルホスホア
ミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセト
ニトリル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、
スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、プロピオン
ニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキ
シアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロ
リジノン、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、スル
ホラン、トリメチルホスフェイト、ポリエチレングリコ
ール等が使用可能であって、特に、プロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、
ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、ジオキソラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アジポニ
トリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミ
ド、メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジオ
キソラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ポリ
エチレングリコール等が好ましい。溶媒はその1種を単
独で使用でき、また2種以上を混合しても使用できる。
溶媒の使用量は任意に選択できるが、通常は、前記重合
性モノマー100重量部に対して50〜1200重量
部、好ましくは100〜900重量部、さらに好ましく
は200〜500重量部であることが望ましい。そし
て、支持電解質は、使用した溶媒の0.1〜30重量%
の範囲で、好ましくは1〜20重量%の範囲で使用され
ることが望ましい。重合性モノマーとして一般式(4)
のポリウレタンモノマーを使用する場合、溶媒の使用量
は、ポリウレタンモノマー100重量部に対して、10
0〜1200重量部、好ましくは200〜900重量部
の範囲にあることが望ましい。重合性モノマーとして一
般式(12)〜(14)の変性ポリアルキレンオキシド
を用いる場合、溶媒の使用量は変性ポリアルキレンオキ
シド100重量部に対し、50〜800重量部、好まし
くは100〜500重量部の範囲で選ばれることが望ま
しい。また、重合性モノマーとして変性ポリアルキレン
オキシドを用いる場合の支持電解質の使用量は、変性ポ
リアルキレンオキシドと溶媒の重量和に対して、通常、
1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%の範囲で選
ぶことを可とする。
【0021】本発明の成分(C)、すなわち、高分子固
体電解質の前駆体には、本発明の目的を損なわない範囲
で任意成分を必要に応じて加えることができる。そうし
た任意成分としては、例えば、光重合開始剤や熱重合開
始剤などの重合開始剤;架橋剤;ポリマー;ゲル化剤;
他の高分子固体電解質などが挙げられる。光重合開始剤
は特に限定されないが、ベンソイン系、アセトフェノン
系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキサイド
系等の公知のものを用いることができる。具体的には、
アセトフェノン、ベンゾフェノン、4−メトキシベンゾ
フェノン、ベンソインメチルエーテル、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、2−メチルベンゾイル、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロ
ピルフェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、トリフェニルホスフィン、2−クロロチオキ
サントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフ
ェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセ
トフェノン、2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニ
ル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等
を挙げることができる。これらは使用に際して,単独も
しくは混合物として使用できる。また熱重合開始剤とし
ては特に限定されないが,過酸化物系重合開始剤または
アゾ系重合開始剤等の公知のものを用いることができ
る。具体的には、過酸化物系重合開始剤としては、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロ
ピルパーオキシカーボネート等が挙げられ,アゾ系とし
ては、例えば、2,2’−アゾビス(2−イソブチロニ
トリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)等が挙げられる。これらは使用に際して,
単独もしくは混合物として用いることができる。重合開
始剤の使用量は、後述する成分(C)中の重合性モノマ
ー100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましく
は0.1〜5重量部で選ぶことができる。ポリマーとし
ては、例えば、ポリアクリロニトリル、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリメタクリレ
ート、ポリアミド、ポリアクリルアミド、セルロース、
ポリエステル、ポリプロピレンオキサイド、ナフィオン
などが配合可能である。ゲル化剤としては、オキシエチ
レンメタクリレート、オキシエチレンアクリレート、ウ
レタンアクリレート、アクリルアミド、寒天などが使用
できる。他の高分子固体電解質としては、ポリエチレン
オキサイド、オキシエチレンメタクリレートのポリマ
ー、ナフィオン、ポリスチレンスルホン酸、Li3N、
Na-β-Al23、Sn(HPO42・H2Oなどが使
用でき、特に、オキシアルキレン(メタ)アクリレート
系化合物またはウレタンアクリレート系化合物を重合す
ることによって得られる高分子化合物等を用いた高分子
固体電解質が好ましい。
【0022】進んで、本発明のエレクトロクロミック素
子を製造するに際しての成分(A)〜成分(C)の使用
割合ついて言及する。各成分の使用割合は、任意に選択
することができるが、一般的に言えば、成分(C)に含
まれる重合性モノマー/成分(A)のビピリジニウム化
合物のモル比が、10,000/1〜1/1の範囲、好
ましくは1,000/1〜5/1、さらに好ましくは1
00/1〜1/1の範囲に維持されるよう、成分(A)
の使用量が選ばれることが望ましい。なお、成分(C)
に含まれる重合性モノマーが多官能変性ポリアルキレン
オキサイドである場合は、成分(A)のビピリジニウム
化合物/多官能変性ポリアルキレンオキサイドの重量比
を、1/0.001〜1/1の範囲に、特に、1/0.
05〜1/0.5の範囲に維持することが好ましい。成
分(B)の使用量は、成分(C)に含まれる重合性モノ
マー1モルに対し、1〜500ミリモル、好ましくは5
〜200ミリモル、さらに好ましくは10〜100ミリ
モル程度の範囲で選ばれる。
【0023】本発明でいうエチレン性二重結合を含有す
る紫外線吸収化合物(以下、「成分(D)」という。)
とは、紫外線吸収性化合物にエチレン性二重結合を含有
する基を、典型的には、アクリロイル基またはメタクリ
ロイル基を導入して得られる化合物を意味する。この成
分(D)は本発明において必須ではないが、これを使用
することによって本発明に係る素子のエレクトロクロミ
ック特性の紫外線劣化を予防することができる。本発明
の成分(D)としては、下記の一般式(15)または
(16)で表されるようなベンゾトリアゾール骨格を有
する化合物、ならびに下記の一般式(17)または(1
8)で表されるようなベンゾフェノン骨格を有する化合
物が挙げられる。
【化42】
【化43】 一般式(15)〜(18)中、R44およびR48は水素原
子、ハロゲン原子または炭素数1〜10、好ましくは1
〜6のアルキル基を示す。ハロゲン原子としてはフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等、アルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル
基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。
44またはR48の置換位置としては、ベンゾトリアゾー
ル骨格の4位または5位であるが、ハロゲン原子および
アルキル基は通常4位に位置する。また、R45およびR
49は水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6
のアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t
−ブチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。R46
50、R61およびR62は炭素数1〜10のアルキレン基
を示す。好ましいアルキレン基としてはエチレン基やト
リメチレン基が挙げられる。R55およびR56は共有結合
または炭素数1〜10のアルキレン基を示す。好ましい
アルキレン基としてはエチレン基やトリメチレン基が挙
げられる。R47、R52、R57、R58、R 65およびR66
水素またはメチル基を表す。R51、R63およびR64は炭
素数1〜10のアルキレン基を示す。アルキレン基とし
てはメチレン基などが挙げられる。k、l、p、q、r、
s、t、u、xおよびyは0または1であり、1≦k+
l≦2、1≦r+s≦2、1≦t+u≦2および1≦x
+y≦2をそれぞれ満たす。またp、q、vおよびwは
0≦p≦3、0≦q≦3、0≦v≦3および0≦w≦3
をそれぞれ満たす。本発明に使用して好適な成分(D)
の具体例を例示すれば、次のとおりであって、これらは
2種以上を併用することができる。
【化44】
【化45】 成分(D)の使用量は、成分(C)に含まれる重合性モ
ノマー1モルに対し、1〜500ミリモル、好ましくは
5〜200ミリモル、さらに好ましくは10〜100ミ
リモルの範囲で選ばれる。
【0024】成分(D)を用いなくても、次の方法によ
り本発明の素子に紫外線安定性を付与することができ
る。 成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有する
組成物を硬化させてイオン伝導性層を形成する際、この
組成物に予め紫外線吸収剤を混合しておく方法、 エレクトロクロミック素子の任意の箇所に紫外線吸収
層を付設する方法、 の方法の場合、紫外線吸収剤の使用量は特に限定され
ないが、通常は成分(C)に対して、0.05〜40質
量%、好ましくは0.5〜20質量%の範囲で選ばれ
る。の方法の場合、紫外線吸収層を設ける箇所に制限
はなく、例えば、素子の入光側の最外表面や入光側の基
板と電極の間などが挙げられる。また、の方法で紫外
線吸収層を形成する方法は特に制限はなく、例えば紫外
線吸収剤を溶媒に溶解し、これを所望の箇所に塗布した
後、溶媒を留去する方法が挙げられる。およびの方
法において用いることができる紫外線吸収剤としては、
ベンゾトリアゾール骨格またはベンゾフェノン骨格を有
する化合物等が挙げられる。ベンゾトリアゾール骨格を
有する化合物としては、例えば、下記の一般式(19)
で表される化合物が好適に挙げられる。
【化46】 式中、R67は、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1
〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。ハロゲ
ン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等、アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−
プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル
基等が例示できる。R67の置換位置としては、ベンゾト
リアゾール骨格の4位または5位であるが、ハロゲン原
子およびアルキル基は通常4位に位置する。R68は、水
素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアル
キル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、t−ブチ
ル基、シクロヘキシル基等が例示できる。R69は、炭素
数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレン基またはア
ルキリデン基を示す。アルキレン基としては、メチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が、
アルキリデン基としては、エチリデン基、プロピリデン
基等が挙げられる。一般式(19)で示される化合物と
しては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−
ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエ
チル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンエタン酸、3−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
ベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−
4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、3−(5−クロロ−2H−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチ
ルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸オク
チルエスエル等が挙げられる。ベンゾフェノン骨格を有
する化合物としては、例えば、下記の一般式(20)〜
(23)で示される化合物が好適に挙げられる。
【化47】 式中、R71およびR72は、同一もしくは異なる基であっ
て、ヒドロキシル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜
6のアルキル基またはアルコキシ基を示す。m’、n’
は0≦m’≦3、0≦n’≦3の範囲の整数を示す。ア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
i−プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキ
シル基等が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、i−プロポキシ基、ブトキシ基
等が例示される。R70は、炭素数1〜10、好ましくは
1〜3のアルキレン基またはアルキリデン基を示す。ア
ルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメ
チレン基、プロピレン基等が、アルキリデン基として
は、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。こ
のようなベンゾフェノン骨格を有する化合物としては、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−カ
ルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン−5−カルボン酸、4−(2−ヒドロキシベ
ンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ
−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾ
フェノン等が好適に挙げられる。
【0025】本発明のエレクトロクロミック素子は、少
なくとも一方が透明である2枚の導電基板間に、成分
(A)、成分(B)、成分(C)および所望によりさら
に成分(D)を含有する組成物を硬化させて得られるイ
オン伝導性物質層を設けてなる。ここでいう硬化とは、
化学反応により生ずる粘度上昇をいう。このような化学
反応としては、熱重合や光重合等の重合、重縮合、架橋
などが挙げられ、特に熱重合や光重合等の重合が好適に
用いられる。光重合による硬化を行う場合は成分(C)
に光重合開始剤を加えることが好ましい。光重合を行う
ための光の種類や光源は特に制限はないが、光の種類と
しては遠紫外光、紫外光、可視光等が挙げられ、光源と
しては高圧水銀灯、蛍光灯、キセノン灯等が挙げられ
る。また光照射量も特に制限はないが、通常100〜5
0000mJ/cm2、好ましくは1000〜2000
0mJ/cm2程度であることが望ましい。熱重合によ
る硬化を行う場合は成分(C)に熱重合開始剤を加える
ことが好ましい。熱重合を行うための条件は、特に限定
されないが、通常0〜130℃、好ましくは20〜80
℃が望ましい。また、重合時間は、通常10分〜100
時間、好ましくは30分〜40時間が望ましい。なお、
反応の進行は、IR、NMR等により二重結合の減少を
検出することにより、あるいは分子量を測定することに
より容易に確認できる。硬化により得られるイオン伝導
性物質層の性状は特に制限されるものではないが、通常
室温で1×10-7S/cm以上、好ましくは1×10-6
S/cm以上、さらに好ましくは1×10-5S/cm以
上のイオン伝導度を示すことが望ましい。イオン伝導性
物質層の厚さは、特に限定されないが通常1μm〜3m
m、好ましくは10μm〜1mmが望ましい。イオン伝
導性物質層の形成方法は特に限定されず、真空注入法、
大気注入法、メニスカス法等によって、対向させ、かつ
その周辺部がシールされた導電基板の間の空間に成分
(A)〜成分(C)または成分(A)〜成分(D)を、
さらには所望により任意成分を含有する組成物を注入し
た後に硬化することにより前記イオン伝導性物質層を形
成する方法や、導電基板の電極上に前記イオン伝導性物
質層を形成した後、他方の導電基板を合わせる方法など
を用いることができる。
【0026】本発明の素子は、前記の通り、少なくとも
一方は透明な2枚の導電基板と、これら基板間に設けた
イオン伝導性物質層とを有していることを特徴とする
が、その基本構成について次に説明する。図1に示す素
子は、透明基板1とその表面に積層させた透明電極層2
からなる透明導電基板と、透明又は不透明な基板5とそ
の表面に積層させた透明、不透明または反射性導電基板
4との間に、イオン伝導性物質層3を挟持させた構造に
ある。図2は表示素子や調光ガラスの構成例を示す。透
明基板1の一方の面に透明電極層2を形成した透明導電
基板2枚を、両基板の透明電極層が向き合うよう適宜な
間隔で対向させ、この間にイオン伝導性物質層3を挟持
させた構造にある。図3にはエレクトロクロミックミラ
ーの構成例を示す。透明基板1の一方の面に透明電極層
2を形成した透明導電基板と、透明基板1の一方の面に
透明電極層2を、他方の面に反射層7を形成した反射性
導電基板とを、両基板の透明電極層が向き合うよう、適
宜な間隔で対向させ、この間にイオン伝導性物質層3を
挟持させた構造にある。
【0027】本発明の素子を構成する各膜および層の形
成方法は、特に限定されるものではなく、各膜および層
を前述の製法に従い順次作成する方法ができる。例え
ば、図1に示す構成の素子の場合、透明基板1上に前述
の方法により透明電極層2を形成し(積層板A)、別
に、基板5上に前述の方法により透明、不透明または反
射性電極層4を形成して積層板を得る(積層板B)。続
いて、積層板Aと積層板Bを1〜1000μm程度の間
隔で対向させ、注入口を除いた周囲をシール材6でシー
ルし、注入口付きの空セルを作成する。そして、成分
(A)〜成分(C)(所望により成分(D))を含有す
る組成物を前述の方法で注入したのち、硬化によりイオ
ン伝導性物質層3を形成することにより素子を得ること
ができる。前記積層板AとBを対向させる際、間隔を一
定に確保するために、例えば、スペーサーを用いること
ができる。スペーサーとしては特に限定されないが、ガ
ラス、ポリマー等で構成されるビーズまたはシートを用
いることができる。スペーサーは、対向する導電基板の
間隙に挿入したり、導電基板の電極上に樹脂等の絶縁物
で構成される突起状物を形成する方法等より設けること
ができる。成分(A)〜成分(C)または成分(A)〜
成分(D)を含有する組成物の硬化方法も特に限定され
ないが、光による方法、熱による方法、経時的に硬化す
る反応液を注入直前に混合した後、直ちに注入し硬化さ
せる方法等が一般に採用される。なお、注入口は適宜に
封止すればよい。また、他の方法としては、透明基板1
上に前述の方法により透明電極層2、イオン伝導性物質
層3を、記載順に順次形成して積層体を得る(積層体
A’)。別に、基板5上に前述の方法により透明、不透
明または反射性電極層4を形成して積層体を得る(積層
体B’)。ついで、積層体A’のイオン伝導性物質層
と、積層体B’の反射性電極層とが密着するように、両
積層体を1〜1000μm程度の間隔で対向させ、周囲
をシール材6でシールする方法が挙げられる。図2に示
す構成のエレクトロクロミック調光ガラスの場合は、透
明基板1の一方の面に透明電極層2を形成させた透明導
電基板2枚を調製し、図3に示すエレクロトクロミック
ミラーの場合は、透明基板1の一方の面に透明電極層2
を形成した透明導電基板と、透明基板1の一方の面に透
明電極層2を、他方の面に反射層7を形成した反射性導
電基板とを調製し、以後は図1に示す構成の素子の場合
と同様の手順で、それぞれの素子を得ることができる。
【0028】本発明の素子の代表的な構成例について
は、図1〜3に示されているとおりであるが、本発明の
素子は、これらの構成に何ら限定されるものではなく、
さらに他の構成要件を具備してもよい。他の構成要件と
しては、例えば、紫外線反射層や紫外線吸収層などの紫
外線カット層、ミラーの場合はミラー層全体もしくは各
膜層の表面保護を目的とするオーバーコート層などが挙
げられ、前記紫外線カット層としては、透明基板1の外
界側もしくは透明電極層側、オーバーコート層として
は、透明基板1の外界側や反射層7の外界側などに設置
することが好適な態様として挙げられる。本発明の素子
は、表示素子、調光ガラス、自動車等の防眩ミラー、あ
るいは屋内で使用される装飾用ミラーなどのエレクトロ
クロミックミラーなどに好適に使用することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらになんら制限されるものではな
い。実施例1 (1)ビピリジニウム化合物の合成 アセトン中で、ビビリジルと1−ブロモプロパンとを等
モル量で反応させて、モノ置換体N−n−プロピルビピ
リジニウムブロマイドを得た。このN−n−プロピルビ
ピリジニウムブロマイド5.58g(20mmol)を
2−プロパノール100mlに溶解させ、クロロメチル
スチレン(m−、p−混合体)3.05g(20mmo
l)を加えて、室温で24時間攪拌し、下記の式(2
4)で示されるN−n−プロピル−N'−ビニルベンジ
ルビピリジニウムブロマイドクロライドを得た。
【化48】 (2)エチレン性二重結合を有する紫外線吸収性化合物
の合成 300mlの3つ口フラスコに、式(25)で表される
化合物18.3g(49mmol)、ジグライム(ジエ
チレングリコールジメチルエーテル)60ml、および
触媒としてジメチルベンジルアミン0.9g(7mmo
l)をとり、オイルバスで120℃に加熱攪拌中、乾燥
した空気を吹き込みながら式(26)で表されるグリシ
ジルメタクリレート7.7g(54mmol)をジグラ
イム20mlに溶解した溶液を滴下し、13時間加熱攪
拌して反応させた。反応後、溶液を冷却しても不溶物は
見られず、透明であった。この液をメタノールに注ぎ、
析出した固体を濾別、減圧乾燥し、式(27)で表され
る化合物18.9g(37mmol)を得た。
【化49】 (3)エレクトロクロミックミラーの作製 一方、高反射性電極としてパラジウム薄膜の付いた基板
を用い、これを積層板Dとし、積層板Dの該パラジウム
の周辺部に、電解質前駆体溶液の注入口の部分を除いて
エポキシ系接着剤を線状に塗布し、この上にSnO2
覆された透明ガラス基板Cを、SnO2面とパラジウム
層とが向かい合うように重ね合わせ、加圧しながら接着
剤を硬化させ、注入口付き空セルを作製した。他方で、
メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
(新中村化学工業株式会社製 M40GN)[オキシエ
チレンユニット数4]1.0g、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製 9
G)[オキシエチレンユニット数9]0.02g、γ−
ブチロラクトン 4.0gの混合溶液に、テロラフルオ
ロホウ酸0.4gを添加して均一溶液とした。暗室内
で、上記均一溶液に光重合開始剤である1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オンを0.02g添加し、さらに、(1)で
得られた式(24)で示されるN−n−プロピル−N'
−ビニルベンジルビピリジニウムブロマイドクロライド
0.078g(0.180mmol)、式(28)で表
されるビニルフェロセン0.038g(0.180mm
ol)、式(27)で表されるエチレン性二重結合を有
する紫外線吸収性化合物0.095g(0.184mm
ol)を加え、得られた均一溶液を脱気後、上述のよう
にして作成したセルの注入口より注入した。注入口をエ
ポキシ系接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光灯の
光を当ててセル内の溶液を硬化させ、エレクトロクロミ
ック性高分子固体電解質を得た。このようにして図3に
示す構成のエレクトロクロミックミラーを得た。このミ
ラーは組み立てた時点では着色しておらず、反射率は約
80%であった。また、電圧を印可すると応答性に優
れ、良好なエレクトロクロミック特性を示した。すなわ
ち、1.2Vの電圧を印可すると着色し、反射率約10
%となった。また10秒毎に着消色を繰り返したが、約
200時間経過後も消え残りなどが発生することはなか
った。また、作製したエレクロトクロミックミラーを割
っても、基板間に挟まれた媒質が飛散したり、流れ出た
りすることはなかった。
【化50】
【0030】実施例2 (1)ビピリジニウム化合物の合成 ビピリジル3.12g(20mmol)をフラスコ中で
100mlのアセトニトリルに溶解させ、ここにクロロ
メチルスチレン(m−、p−混合体)6.10g(40
mmol) と、重合禁止剤としてヒドロキノン50mg
(0.45mmol)を加えた。室温で24時間攪拌し
た後、析出した固体を濾別、乾燥して、式(29)で示
されるN,N'−ジ−ビニルベンジルビピリジニウムジ
クロライド7.84g(17mmol)を得た。
【化51】 (2)フェロセン化合物の合成 式(30)で示されるヒドロキシルメチルフェロセン
1.00g(4.63mmol)を塩化メチレン20m
lに溶解させ、ここに塩化メチレン5mlに溶解させた
メタクリル酸クロライド0.73g(7.00mmo
l)を滴下した。反応溶液をNaCl水溶液、希塩酸、
希NaOH水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウム上で乾燥
し、溶媒を留去させて、式(31)で示されるメタクリ
ル酸フェロセニルメチル0.97g(3.4mmol)
を得た。
【化52】 (3)エレクトロクロミック調光ガラスの作製 ITO被覆された透明ガラス基板の周辺部に、電解質前
駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線
状に塗布し、この上に、同じくITO被覆された透明ガ
ラス基板を、ITO面と白金電極層とが向かい合うよう
に重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口
付き空セルを作製した。他方で、メトキシポリエチレン
グリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会
社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]
1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート
(新中村化学工業株式会社製 4G)[オキシエチレン
ユニット数4]0.02g、プロピレンカーボネート
4.0gの混合溶液に、過塩素酸リチウム0.4gを添
加し、均一溶液とした。暗室内で、上記均一溶液に光重
合開始剤である1−(4−イソプロピルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンを0.0
2gを添加し、均一溶液を得た。ここに上記(1)で合
成した式(29)のN,N'−ジ−ビニルベンジルビピ
リジニウムジクロライド0.085g(0.184mm
ol)と、(2)で合成した式(31)で表されるメタ
クリル酸フェロセニルメチル0.052g(0.184
mmol)と、実施例1で用いた式(27)のエチレン
性二重結合を有する紫外線吸収性化合物0.120g
(0.233mmol)を加えて均一化させ、脱気後、
上述のようにして作成したセルの注入口より注入した。
注入口をエポキシ系接着剤で封止した後、両面から蛍光
灯の光を当ててセル内の溶液を硬化させ、エレクトロク
ロミック性高分子固体電解質を得た。このようにして図
1に示す構成のエレクトロクロミック調光ガラスを得
た。この調光ガラスは組み立てた時点では着色しておら
ず、透過率は約78%であった。また、電圧を印可する
と応答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示
した。すなわち、1.2Vの電圧を印可すると着色し、
633nmの波長の光の透過率約14%となった。また
10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経過後
も消え残りなどが発生することはなかった。また、作製
したエレクトロクロミック調光ガラスを割っても、基板
間に挟まれた媒質が飛散したり、流れ出たりすることは
なかった。
【0031】実施例3 (1)ビピリジニウム化合物の合成 アセトン中で、ビピリジルとベンジルクロライドとを等
モル量で反応させて、モノ置換体N−ベンジルビピリジ
ニウムクロライドを得た。このN−ベンジルビピリジニ
ウムクロライド5.94g(21mmol)を2−プロ
パノール150mlに溶解させ、クロロメチルスチレン
(m−、p−混合体)3.21g(21mmol)を加
えて、室温で24時間攪拌し、N−ベンジル−N'−ビ
ニルベンジルビピリジニウムジクロライドを得た。この
ようにして得られたN−ベンジル−N'−ビニルベンジ
ルビピリジニウムジクロライドをHBF4を含む水−I
PA混合溶液から再結晶させることで陰イオン交換さ
せ、式(32)で表されるN−ベンジル−N'−ビニル
ベンジルビピリジニウム−ジ(テトラフルオロボレー
ト)を得た。
【化53】 (2)エレクトロクロミックミラーの作製 一方、高反射性電極としてパラジウム薄膜の付いた基板
を用い、この積層板のパラジウム薄膜周辺部に、電解質
前駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を
線状に塗布し、この上にITO被覆された透明ガラス基
板Cを、SnO 2面とパラジウム層とが向かい合うよう
に重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口
付き空セルを作製した。他方で、メトキシポリエチレン
グリコールモノメタクリレート(新中村化学工業株式会
社製 M40GN)[オキシエチレンユニット数4]
1.0g、ポリエチレングリコールジメタクリレート
(新中村化学工業株式会社製 9G)[オキシエチレン
ユニット数9]0.02g、γ−ブチロラクトン 4.
0gの混合溶液に、過塩素酸リチウム0.4gを添加し
て均一溶液とした。暗室内で、上記均一溶液に光重合開
始剤である2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキシドを0.02gを添加し、さらに、
(1)で得られた式(32)のN−ベンジル−N'−ビ
ニルベンジルビピリジニウム−ジ(テトラフルオロボレ
ート)0.087g(0.185mmol)、式(2
8)のビニルフェロセン0.039g(0.185mm
ol)、式(27)のエチレン性二重結合を有する紫外
線吸収性化合物0.095g(0.184mmol)を
加え、得られた均一溶液を脱気後、上述のようにして作
成したセルの注入口より注入した。注入口をエポキシ系
接着剤で封止した後、透明基板側から蛍光灯の光を当て
てセル内の溶液を硬化させ、エレクトロクロミック性高
分子固体電解質を得た。このようにして図3に示す構成
のエレクトロクロミックミラーを得た。このミラーは組
み立てた時点では着色しておらず、反射率は約80%で
あった。また、電圧を印可すると応答性に優れ、良好な
エレクトロクロミック特性を示した。すなわち、1.1
Vの電圧を印可すると着色し、反射率約8%となった。
また10秒毎に着消色を繰り返したが、約200時間経
過後も消え残りなどが発生することはなかった。また、
作製したエレクロトクロミックミラーを割っても、基板
間に挟まれた媒質が飛散したり、流れ出たりすることは
なかった。
【0032】比較例1 高反射性電極としてパラジウム薄膜の付いた基板を用
い、この積層板のパラジウム薄膜の周辺部に、電解質前
駆体溶液の注入口の部分を除いてエポキシ系接着剤を線
状に塗布し、この上にSnO2被覆された透明ガラス基
板Cを、SnO2面とパラジウム層とが向かい合うよう
に重ね合わせ、加圧しながら接着剤を硬化させ、注入口
付き空セルを作製した。他方で、ジメチルスルホキシド
4.0gに、LiBF40.4gを添加して均一溶液
とした。N,N'−ジヘプチルビピリジニウムジブロマ
イド0.095g(0.184mmol)、フェロセン
0.034g(0.184mmol)を加え、得られた
均一溶液を脱気後、上述のようにして作成したセルの注
入口より注入した。注入口をエポキシ系接着剤で封止し
て図3構成の全固体型エレクトロクロミックミラーを得
た。このミラーは組み立てた時点では着色しておらず、
反射率は約80%であった。また、電圧を印加すると応
答性に優れ、良好なエレクトロクロミック特性を示し
た。すなわち、1.1Vの電圧を印可すると着色し、反
射率約10%となった。しかしながら,10秒毎に着消
色を繰り返したところ,約250時間後に,シール剤周
辺にビオロゲンの二量化が原因であると考えられる青い
消え残りが見られた。また、作製したエレクロトクロミ
ックミラーを割ったところ、基板間に挟まれた媒質が飛
散した。
【0033】
【発明の効果】本発明のエレクトロクロミック素子は、
ビオロゲンの二量化による析出を防ぐことができ、ビオ
ロゲンや電子供与性化合物の劣化を防ぐことができ、素
子破損の際も媒質が飛散しない点で優れている。さら
に、紫外線吸収性化合物を導入することにより、ビオロ
ゲンや電子供与性化合物の紫外線曝露による劣化も防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレクトロクロミック素子の一例
を示す断面図である。
【図2】本発明に係るエレクトロクロミック調光ガラス
の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るエレクトロクロミックミラーの一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明電極層 3 イオン伝導性物質層 4 透明、不透明または反射性電極層 5 透明又は不透明な基板 6 シール材 7 反射層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明である2枚の導電
    基板間に、(A)下記一般式(1)で表されるビピリジ
    ニウム化合物、(B)下記一般式(2)または(2’)
    で表されるメタロセン化合物および(C)高分子固体電
    解質の前駆体を含有する組成物が硬化してなるイオン伝
    導性物質層を設けたエレクトロクロミック素子。 【化1】 (式中、X-およびY-は同一でも異なっていてもよく、
    それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -
    PF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -から選
    ばれる対アニオンを示し、R1は水素または炭素数1〜
    5のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜30の2価の
    炭化水素残基を示し、R3は炭素数1〜20の炭化水素
    残基を示し、aは0または1を示す。) 【化2】 (式中、R4およびR5は炭素数1〜10のアルキル基、
    アルケニル基およびアリール基から選ばれる炭化水素基
    を示し、R4またはR5がアリール基である場合、母環は
    シクロペンタジエニル環と結合し環を形成してもよく、
    1は0≦n1≦4の範囲の整数を表し、n2は0≦n2
    5の範囲の整数を表し、AおよびA’は下記の一般式
    (a)で表される一価基を示し、互いに同一でも異なって
    も良く、mは0または1であり、MはCr、Co、F
    e、Mg、Ni,Os,Ru,Vのいずれかを表し、
    M’はHf,Mo,Nb,Ti,V、Zrのいずれかを
    表し、Q、Q’は水素、ハロゲン、炭素数1〜12のア
    ルキル基を表し、互いに同一でも異なっても良い。) 【化3】 (式中、R6は水素またはメチル基を示し、R7は水素ま
    たはメチル基を示し、bは0または1を示す。但し、b
    が0の場合R7は水素を示す。)
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透明である2枚の導電
    基板間に、(A)下記一般式(1)で表されるビピリジ
    ニウム化合物、(B)下記一般式(2)または(2’)
    で表されるメタロセン化合物、(C)高分子固体電解質
    の前駆体および(D)エチレン性二重結合を有する紫外
    線吸収性化合物を含有する組成物が硬化してなるイオン
    伝導性物質層を設けたエレクトロクロミック素子。 【化4】 (式中、X-およびY-は同一でも異なっていてもよく、
    それぞれ個別にハロゲンアニオン、ClO4 -、BF4 -
    PF6 -、CH3COO-、CH3(C64)SO3 -から選
    ばれる対アニオンを示し、R1は水素または炭素数1〜
    5のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜30の2価の
    炭化水素残基を示し、R3は炭素数1〜20の炭化水素
    残基を示し、aは0または1を示す。) 【化5】 (式中、R4およびR5は炭素数1〜10のアルキル基、
    アルケニル基およびアリール基から選ばれる炭化水素基
    を示し、R4またはR5がアリール基である場合、母環は
    シクロペンタジエニル環と結合し環を形成してもよく、
    1は0≦n1≦4の範囲の整数を表し、n2は0≦n2
    5の範囲の整数を表し、AおよびA’は下記の一般式
    (a)で表される一価基を示し、互いに同一でも異なって
    も良く、mは0または1であり、MはCr、Co、F
    e、Mg、Ni,Os,Ru,Vのいずれかを表し、
    M’はHf,Mo,Nb,Ti,V、Zrのいずれかを
    表し、Q、Q’は水素、ハロゲン、炭素数1〜12のア
    ルキル基を表し、互いに同一でも異なっても良い。) 【化6】 (式中、R6は水素またはメチル基を示し、R7は水素ま
    たはメチル基を示し、bは0または1を示す。但し、b
    が0の場合R7は水素を示す。)
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