JP6915241B2 - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Description

本発明は、エレクトロクロミック素子に関する。
電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象をエレクトロクロミズムという。前記エレクトロクロミズムを示すエレクトロクロミック材料は、一般的に対向する2つの電極間に形成されており、イオン伝導可能な電解質層が電極間に満たされた構成において酸化還元反応する。前記対向する2つの電極のうちの一方の近傍で還元反応が起こる場合、他方の電極の近傍では、逆反応である酸化反応が起こる。即ち、前記エレクトロクロミック材料を用いたデバイスにおいて、電圧印加により一方若しくは両極での発色が起こり、色彩、光学濃度に変化を与える。
前記エレクトロクロミック材料を用いたエレクトロクロミック素子は、反射層を素子中に組み込むことにより電子ペーパーやデジタルサイネージなど反射型表示素子の作製が可能である。前記エレクトロクロミック材料を含むエレクトロクロミック層を単層で用いればモノカラー表示、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の3層のエレクトロクロミック層を積層させた構成ではフルカラー表示が可能になる。また、透明なエレクトロクロミック素子は、調光レンズや調光窓、遮光フィルターや防眩ミラーなどの用途にも展開できる。
このように、さまざまな製品に適用できるエレクトロクロミック素子であるが、実用化に至るには発消色繰り返し耐久性や発色状態を保つことができるメモリー性、高い視認性を示すために消色状態が無色であること、更に安全性や視認性の観点から、色を切り替える際の発消色応答性が求められる。
前記課題を解決するため、中性状態が透明状態であり、還元状態で発色するエレクトロクロミック現象を示す、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物をエレクトロクロミック材料として用いたエレクトロクロミック素子が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
本発明は、インピーダンスが減少し、高い発消色応答性を有するエレクトロクロミック素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のエレクトロクロミック素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第2の電極表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を有するエレクトロクロミック層と、前記第1の電極と前記第2の電極との間にゲル又は固体の電解質層と、を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質層が、電解質材料及び抵抗調整剤を含み、
前記抵抗調整剤が、前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶する。
本発明によると、インピーダンスが減少し、高い発消色応答性を有するエレクトロクロミック素子を提供することができる。
図1は、本発明のエレクトロクロミック素子の一例を示す概略図である。 図2は、実施例1と比較例1のインピーダンスのナイキストプロットである。 図3は、実施例1と比較例1の発色時の電圧印加時間に対する透過率変化を示した図である。
(エレクトロクロミック素子)
本発明のエレクトロクロミック素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第2の電極表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を有するエレクトロクロミック層と、前記第1の電極と前記第2の電極との間にゲル又は固体の電解質層と、を有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記電解質層は、電解質材料及び抵抗調整剤を含み、前記抵抗調整剤が、前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶する。
本発明のエレクトロクロミック素子は、前記電解質層が、電解質材料及び抵抗調整剤を含み、前記抵抗調整剤が、前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶することを特徴としており、従来のラジカルを有する官能基を含むエレクトロクロミック化合物をエレクトロクロミック層として用いたエレクトロクロミック素子では、前記電解質層に重合性官能基を有する化合物を架橋させたゲル又は固体のイオン液体含有電解質を用いており、高いインピーダンスを有する前記ゲル又は固体の電解質層が発消色応答性の低下に大きく影響しているという知見に基づくものである。
また、本発明のエレクトロクロミック素子には、液漏れなどを防止し、製品安全性を担保するため、更に、折り曲げなど形状の自由度が高いデバイスを実現する点から、ゲル又は固体の電解質層が用いられる。
<電解質層>
前記電解質層は、ゲル又は固体であり、前記第1の電極と、前記第2の電極との間に配されている。
前記電解質層は、電解質材料及び抵抗調整剤を含み、前記抵抗調整剤が、前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶する。
−電解質材料−
前記電解質材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩などが挙げられる。
前記電解質材料としては、例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BFなどが挙げられる。
前記電解質材料としては、イオン液体を用いることもできる。これらの中でも、有機のイオン液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有しているため、用いることが好ましい。
前記有機のイオン液体の分子構造として、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム系などが挙げられる。
また、アニオン成分としては、大気中での安定性を考慮して、フッ素を含んだ化合物を用いることが好ましく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSOなどが挙げられる。
前記電解質材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン液体を用いることが好ましい。
前記イオン液体は、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかに直接溶解させてもよい。なお、溶解性が悪い場合は、少量の溶媒に溶解させて、該溶液を光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかと混合して用いればよい。
−抵抗調整剤−
前記抵抗調整剤は、電解質層に添加することにより、素子抵抗を大幅に下げることができ、応答性の向上を図ることができる。
前記抵抗調整剤は、電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶する。
前記抵抗調整剤が前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶するとは、前記電解質材料、及び前記エレクトロクロミック層を構成する第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物、又は前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物が、分子レベルで混ざり合うことを意味し、架橋膜であれば前記抵抗調整剤が架橋膜中に入っていき馴染みあうことを表している。
前記抵抗調整剤と前記電解質材料との相溶性は、前記電解質材料と前記抵抗調整剤とを所定の質量比で混合した後の前記抵抗調整剤又は前記電解質材料の分離の有無を目視で観察することによって、確認することができる。
前記抵抗調整剤と前記エレクトロクロミック層を構成する第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物との相溶性、及び前記抵抗調整剤と前記第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物との相溶性については、いずれも、前記抵抗調整剤の電解液中への添加の有無によらず、これらの材料を用いて作製したエレクトロクロミック素子の消色状態のヘイズを測定することによって、確認することができる。
前記抵抗調整剤の沸点は、安定性の観点から、40℃以上500℃以下が好ましく、60℃以上500℃以下がより好ましく、80℃以上500℃以下が更に好ましく、80℃以上200℃以下が特に好ましい。
前記抵抗調整剤としては、エレクトロクロミック素子の視認性、及び色再現性の点から、抵抗調整剤自体の着色は無いほうが好ましい。
前記抵抗調整剤としては、例えば、水、カーボネート化合物、スルホン化合物、スルホキシド化合物、エステル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、エーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、発消色応答速度の点から、カーボネート化合物、スルホン化合物、ニトリル化合物、及びスルホキシド化合物が好ましく、スルホン化合物がより好ましい。
前記スルホン化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物などが挙げられ、例えば、エチルイソプロピルスルホン、スルホランなどが挙げられる。
[一般式(I)]
Figure 0006915241
ただし、前記一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルコキシ基、芳香環で一部置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、及びフェニル基のいずれかを表し、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
前記スルホキシド化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
前記エステル化合物としては、例えば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどが挙げられる。
前記ニトリル化合物としては、例えば、アジポニトリル、アセトニトリルなどが挙げられる。
前記アミド化合物としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記エーテル化合物としては、例えば、下記一般式(A)で表されるポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシエタンなどが挙げられる。
前記一般式(A)で表されるポリエチレングリコールジメチルエーテルとしては、例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
[一般式(A)]
Figure 0006915241
ただし、前記一般式(A)中、nは、3〜20である。
前記抵抗調整剤の含有量は、電解質層全量に対して、0.1質量%以上95質量%以下が好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましい。
前記電解質材料としては、イオン液体を用いることが好ましい。前記イオン液体の中でも、有機のイオン液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造を有しているため、用いることが好ましい。
前記有機のイオン液体の分子構造として、カチオン成分としては、例えば、N,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩等のイミダゾール誘導体;N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩等のピリジニウム誘導体;トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム系などが挙げられる。
また、アニオン成分としては、大気中での安定性を考慮して、フッ素を含んだ化合物を用いることが好ましく、例えば、BF 、CFSO 、PF 、(CFSOなどが挙げられる。
前記電解質材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン液体を用いることが好ましい。
前記イオン液体は、光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかに直接溶解させてもよい。なお、溶解性が悪い場合は、少量の溶媒に溶解させて、該溶液を光重合性モノマー、オリゴマー、及び液晶材料のいずれかと混合して用いればよい。
前記溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
前記電解質は低粘性の液体である必要はなく、ゲル状や高分子架橋型、液晶分散型などの様々な形態をとることが可能である。前記電解質はゲル状又は固体状に形成することで、素子強度向上、信頼性向上などの利点が得られる。
固体化手法としては、前記電解質と溶媒をポリマー中に保持することが好ましい。これにより高いイオン伝導度と固体強度が得られるためである。
前記ポリマーとしては、ラジカル重合性化合物を硬化した硬化物が好ましい。熱重合や溶剤を蒸発させることにより、薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間でエレクトロクロミック素子を製造できるためである。
前記電解質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以上10μm以下が好ましい。
前記エレクトロクロミック素子は、第1の支持体と、前記第1の支持体上に第1の電極と、前記第1の電極上に、前記電気活性層と、前記第1の支持体と対向するように設けられた第2の支持体と、表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を有する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極間に充填された電解質とを有し、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
ここで、前記「表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を有する」とは、ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物からなるエレクトロクロミック層を前記第2の電極上に積層した態様、前記エレクトロクロミック層を前記第2の電極上に2層以上積層した態様、前記エレクトロクロミック層を前記第2の電極上の一部に積層した態様などが挙げられる。
<第1の支持体、第2の支持体>
前記第1の支持体は、前記第1の電極、前記電気活性層を支持する機能を有する。
前記第2の支持体は、前記第2の電極、表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物からなるエレクトロクロミック層を支持する機能を有する。
前記支持体としては、これらの各層を支持できる透明材料であれば、周知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。
前記支持体としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板などが挙げられる。
前記支持体としては、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いてもよい。なお、前記支持体の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、視認性を高めるために透明絶縁層や反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記支持体の形状は、長方形であっても丸型であってもよく、特に限定されない。また平面であっても、レンズのような球面構造をとっていても構わない。
<第1の電極、第2の電極>
前記エレクトロクロミック素子としては、第1の電極2及び第2の電極5のうち、どちらか一方、又は両方が透明であればよく、更に導電性材料であれば特に限定されるものではない。これにより、着色のコントラストをより高めることができる。
透明な導電性材料としては、例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、ITOとする)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、FTOとする)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、ATOとする)等の無機材料を用いることができるが、特に、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、In酸化物とする)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物とする)及び亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物とする)のいずれか1種を含む無機材料を用いることが好ましい。
前記In酸化物、前記Sn酸化物、及び前記Zn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性を有し、かつ電気伝導度が得られる材料である。又、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOである。
更に、透明性を有するカーボンナノチューブや、他のAu、Ag、Pt、Cuなどの高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して、透明度を保持したまま、導電性を改善した電極を用いてもよい。
なお、透明性が不要な場合には、チタン、亜鉛等の金属板を用いることもできる。
前記第1の電極及び前記第2の電極の各々の厚みは、電気活性層の酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整される。前記第1の電極及び前記第2の電極の材料としてITOを用いた場合、前記第1の電極及び前記第2の電極の各々の厚みは、例えば、50nm以上500nm以下とすることができる。
前記第1の電極及び前記第2の電極の各々の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などを用いることができる。
前記第1の電極及び前記第2の電極の各々の材料が塗布形成できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などが挙げられる。なお、特に透明性が不必要な場合、チタン、亜鉛等の金属板も用いることができる。
<電気活性層>
前記電気活性層は、前記エレクトロクロミック層と逆の化学反応をし、電荷のバランスをとって前記第1の電極及び前記第2の電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制する。なお、前記逆の化学反応には、電気活性層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む。
前記電気活性層の材料としては、前記第1の電極及び前記第2の電極の不可逆的な酸化還元反応による腐食を防止する役割を担う材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アンチモン錫、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、又はそれらを複数含む導電性又は半導体性金属酸化物などが挙げられる。
前記電気活性層は、電解質の注入を阻害しない程度の多孔質膜から構成することができる。例えば、酸化アンチモン錫や酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫等の導電性又は半導体性金属酸化物微粒子を、例えば、アクリル系、アルキド系、イソシアネート系、ウレタン系、エポキシ系、フェノール系等のバインダにより第2の電極に固定化することで、電解質の浸透性と、劣化防止機能を満たす、好適な多孔質膜を得ることができる。
前記電気活性層は、前記エレクトロクロミック層が酸化反応により発色するエレクトロクロミック化合物を含有する場合には、還元反応によって着色を呈する材料を含有することが好ましい。
前記還元反応によって着色を呈する材料としては、例えば、無機エレクトロクロミック化合物、有機エレクトロクロミック化合物、導電性ポリマーなどが挙げられる。
前記無機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタンなどが挙げられる。これらの中でも、発消色電位が低く、良好な色値を示す点から、酸化タングステンが好ましい。
前記酸化タングステンは、ビオロゲン化合物と比較して、カラーバリエーションや発色効率の点で課題はあるが、還元電位が低く、無機材料であるため耐久性に優れるという利点がある。
前記導電性ポリマーとしては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
前記有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、アゾベンゼン化合物、アントラキノン化合物、ジアリールエテン化合物、ジヒドロプレン化合物、ジピリジン化合物、スチリル化合物、スチリルスピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、スピロチオピラン化合物、チオインジゴ化合物、テトラチアフルバレン化合物、テレフタル酸化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、ナフトピラン化合物、ビオロゲン化合物、ピラゾリン化合物、フェナジン化合物、フェニレンジアミン化合物、フェノキサジン化合物、フェノチアジン化合物、フタロシアニン化合物、フルオラン化合物、フルギド化合物、ベンゾピラン化合物、メタロセン化合物等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、発消色電位が低く、良好な色値を示す点から、ビオロゲン化合物、ジピリジン化合物が好ましい。
前記電気活性層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などを用いることができる。また、前記電気活性層の材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などを用いることができる。
前記電気活性層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm以上5.0μm以下が好ましい。
<エレクトロクロミック層>
前記エレクトロクロミック層は、ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記ラジカル重合性化合物としては、例えば、還元反応性エレクトロクロミック化合物、酸化反応性エレクトロクロミック化合物などが挙げられる。これらの中でも、エレクトロクロミック化合物の発消色安定性の点から、酸化反応性エレクトロクロミック化合物が好ましい。
前記還元反応性エレクトロクロミック化合物としては、ラジカルを有する官能基を含む有機化合物が挙げられ、構造中に還元反応性エレクトロクロミック部位が含まれていればよい。
前記還元反応性エレクトロクロミック部位を有する化合物としては、例えば、アゾベンゼン化合物、アントラキノン化合物、ジアリールエテン化合物、ジヒドロプレン化合物、ジピリジン化合物、スチリル化合物、スチリルスピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、スピロチオピラン化合物、チオインジゴ化合物、テトラチアフルバレン化合物、テレフタル酸化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物、ナフトピラン化合物、ビオロゲン化合物、ピラゾリン化合物、フェナジン化合物、フェニレンジアミン化合物、フェノキサジン化合物、フェノチアジン化合物、フタロシアニン化合物、フルオラン化合物、フルギド化合物、ベンゾピラン化合物、メタロセン化合物などが挙げられる。これらの中でも、発消色電位が低く良好な色値を示す点から、ビオロゲン化合物、又はジピリジン化合物が特に好ましい。
前記酸化反応性エレクトロクロミック化合物としては、ラジカルを有する官能基を含む有機化合物などが挙げられ、構造中に酸化反応性エレクトロクロミック部位が含まれていればよい。
前記酸化反応性エレクトロクロミック部位としては、例えば、トリアリールアミン骨格、トリフェニルアミン骨格、フェノチアジン骨格などが挙げられる。これらの骨格を含むラジカルを有する官能基を含む有機化合物であればよいが、これらの中でも、より高い駆動耐久性、及び光耐久性の点から、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物が好ましい。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物としては、下記一般式1で表される化合物が挙げられる。
[一般式1]
−B
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。前記Aは下記一般式2で示される構造であり、RからR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。前記Bは下記一般式3で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
[一般式2]
Figure 0006915241
[一般式3]
Figure 0006915241
ただし、RからR21は、いずれも一価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、前記一価の有機基のうち少なくとも1つはラジカル重合性官能基である。
−一価の有機基−
前記一般式2及び前記一般式3における前記一価の有機基としては、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、アミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい複素環基などが挙げられる。
これらの中でも、安定動作の点から、アルキル基、アルコキシ基、水素原子、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基が特に好ましい。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基などが挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾールなどが挙げられる。
前記置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
−ラジカル重合性官能基−
前記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。
前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(i)で表される官能基が挙げられる。
Figure 0006915241
ただし、前記一般式(i)中、Xは、置換基を有してもよいアリーレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R100)−基〔R100は、水素、アルキル基、アラルキル基、アリール基を表す。〕、又は−S−基を表す。
前記一般式(i)のアリーレン基としては、例えば、置換基を有してもよいフェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
前記アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記一般式(i)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基などが挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記一般式(ii)で表される官能基が挙げられる。
Figure 0006915241
ただし、前記一般式(ii)中、Yは、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR101基〔R101は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はCONR102103(R102及びR103は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)〕を表す。また、Xは、前記一般式(i)のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びXの少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、芳香族環である。
前記一般式(ii)のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記一般式(ii)で表されるラジカル重合性官能基の具体例としては、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
なお、これらX、X、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基の中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物としては、以下の一般式1−1から一般式1−3で表される化合物が好適に挙げられる。
[一般式1−1]
Figure 0006915241
[一般式1−2]
Figure 0006915241
[一般式1−3]
Figure 0006915241
前記一般式1−1から前記一般式1−3中、R27からR88は、いずれも一価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、前記一価の有機基のうち少なくとも1つはラジカル重合性官能基である。
前記一価の有機基及び前記ラジカル重合性官能基としては、前記一般式2及び3と同じものが挙げられる。
前記一般式1、及び前記一般式1−1から1−3で表される例示化合物としては、以下に示すものが挙げられる。前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物はこれらに限定されるものではない。
<例示化合物1>
Figure 0006915241
<例示化合物2>
Figure 0006915241
<例示化合物3>
Figure 0006915241
<例示化合物4>
Figure 0006915241
<例示化合物5>
Figure 0006915241
<例示化合物6>
Figure 0006915241
<例示化合物7>
Figure 0006915241
<例示化合物8>
Figure 0006915241
<例示化合物9>
Figure 0006915241
<例示化合物10>
Figure 0006915241
<例示化合物11>
Figure 0006915241
<例示化合物12>
Figure 0006915241
<例示化合物13>
Figure 0006915241
<例示化合物14>
Figure 0006915241
<例示化合物15>
Figure 0006915241
<例示化合物16>
Figure 0006915241
<例示化合物17>
Figure 0006915241
<例示化合物18>
Figure 0006915241
<例示化合物19>
Figure 0006915241
<例示化合物20>
Figure 0006915241
<例示化合物21>
Figure 0006915241
<例示化合物22>
Figure 0006915241
<例示化合物23>
Figure 0006915241
<例示化合物24>
Figure 0006915241
<例示化合物25>
Figure 0006915241
<例示化合物26>
Figure 0006915241
<例示化合物27>
Figure 0006915241
<例示化合物28>
Figure 0006915241
<例示化合物29>
Figure 0006915241
<例示化合物30>
Figure 0006915241
<例示化合物31>
Figure 0006915241
<例示化合物32>
Figure 0006915241
<例示化合物33>
Figure 0006915241
<例示化合物34>
Figure 0006915241
<例示化合物35>
Figure 0006915241
<例示化合物36>
Figure 0006915241
<例示化合物37>
Figure 0006915241
<例示化合物38>
Figure 0006915241
<例示化合物39>
Figure 0006915241
−他のラジカル重合性化合物−
前記他のラジカル重合性化合物は、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なり、少なくとも1つのラジカル重合性官能基を有する化合物である。
前記他のラジカル重合性化合物としては、例えば、1官能のラジカル重合性化合物、2官能のラジカル重合性化合物、3官能以上のラジカル重合性化合物、機能性モノマー、ラジカル重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、2官能以上のラジカル重合性化合物が特に好ましい。
前記他のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基としては、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基と同様であり、これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
前記1官能のラジカル重合性化合物としては、例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2官能のラジカル重合性化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3官能以上のラジカル重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記において、EO変性はエチレンオキシ変性を指し、PO変性はプロピレンオキシ変性を指す。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報に記載のシロキサン繰り返し単位が20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物及び前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物の少なくともいずれか一方がラジカル重合性官能基を2つ以上有していることが、架橋物を形成する点から好ましい。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物の含有量は、エレクトロクロミック組成物全量に対して、10質量%以上100質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましい。
前記含有量が、10質量%以上であると、エレクトロクロミック層のエレクトロクロミック機能が充分に発現でき、加電圧による繰り返しの使用で耐久性が良好であり、発色感度が良好である。
前記含有量が、100質量%でもエレクトロクロミック機能が可能であり、この場合、厚みに対する発色感度が最も高い。それに相反して電荷の授受に必要であるイオン液体との相溶性が低くなる場合があるため、加電圧による繰り返しの使用で耐久性の低下などによる電気特性の劣化が現れる。使用されるプロセスによって要求される電気特性が異なるため一概には言えないが、発色感度と繰り返し耐久性の両特性のバランスを考慮すると30質量%以上90質量%以下が特に好ましい。
−重合開始剤−
前記エレクトロクロミック組成物は、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物と、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物との架橋反応を効率よく進行させるため、必要に応じて重合開始剤を含有することが好ましい。
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤などが挙げられるが、重合効率の観点から光重合開始剤が好ましい。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、光重合促進効果を有するものを単独又は前記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記重合開始剤の含有量は、前記ラジカル重合性化合物の全量100質量部に対して、0.5質量部以上40質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、界面活性剤、酸化防止剤、フィラーなどが挙げられる。
−エレクトロクロミック層の形成方法−
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を重合した重合物を含むエレクトロクロミック層は、以下に示すエレクトロクロミック層の形成方法により形成することができる。
前記エレクトロクロミック層の形成方法は、塗布工程を含み、架橋工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−−塗布工程−−
前記塗布工程は、前記第1の電極上に、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物と、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物とを含むエレクトロクロミック組成物を塗布する工程である。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物、及び前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物としては、前記エレクトロクロミック素子で説明したものと同様のものを用いることができる。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物と、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物とを含有する塗布液を塗布する。前記塗布液は、必要に応じて溶媒により希釈して塗布する。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記溶媒による希釈率は、前記エレクトロクロミック組成物の溶解性、塗工法、目的とするエレクトロクロミック層の厚みなどにより変わり、適宜選択することができる。
前記塗布は、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などにより行うことができる。
−−架橋工程−−
前記架橋工程は、塗布したエレクトロクロミック組成物に対し加熱又は光エネルギーを付与して架橋する工程である。
前記第1の電極上にエレクトロクロミック組成物を塗布後、外部からエネルギーを与え、硬化させて、エレクトロクロミック層を形成する。
前記外部エネルギーとしては、例えば、熱、光、放射線などが挙げられる。
前記熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素等の気体、蒸気、又は各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側、あるいは支持体側から加熱することによって行われる。
前記加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上170℃以下が好ましい。
前記光のエネルギーとしては、主に紫外光(UV)に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせて可視光光源の選択も可能である。
UVの照射光量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mW/cm以上15,000mW/cm以下が好ましい。
前記酸化反応によって着色を呈する材料としては、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を含む組成物を重合した重合物以外である、プルシアンブルー型錯体、及び酸化ニッケルから選択される少なくとも1種を用いた場合における前記エレクトロクロミック層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などを用いることができる。また、前記エレクトロクロミック層の材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などを用いることができる。
前記エレクトロクロミック層の平均厚みは、0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.4μm以上10μm以下がより好ましい。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁性多孔質層、保護層、などが挙げられる。
−絶縁性多孔質層−
前記絶縁性多孔質層、第1の電極と第2の電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。
前記絶縁性多孔質層の材料としては、透明で多孔質であればよく特に限定されるものではないが、絶縁性及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料や無機材料、又はそれらの複合体を用いることが好ましい。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、焼結法(高分子粒子や無機粒子をバインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)や、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)等を用いることができる。
前記絶縁性多孔質層の形成方法として、高分子重合体等を加熱や脱気する等して発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法等の形成方法を用いてもよい。具体例としては、金属酸化物粒子(SiO粒子やAl粒子等)とポリマー結着剤を含むポリマー混合粒子膜、多孔性有機膜(ポリウレタン樹脂やポリエチレン樹脂等)、多孔質膜状に形成した無機絶縁材料膜等が挙げられる。中でもSiO粒子は絶縁性に優れている点、比較的低屈折率な点、安価な点から好適に用いることができる。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などを用いることができる。また、前記絶縁性多孔質層の材料が塗布形成できるものであれば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などを用いることができる。
前記絶縁性多孔質層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上3μm以下が好ましい。
−保護層−
前記保護層の役割は、外的応力や洗浄工程の薬品から素子を守ることや、電解質の漏洩を防ぐこと、大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐことなどである。
前記保護層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上200μm以下が好ましい。
前記保護層の材料としては、例えば、紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
<エレクトロクロミック装置の製造方法>
前記エレクトロクロミック装置の製造方法としては、第1の支持体上に第1の電極が形成されたものと、第2の支持体上に順次第2の電極、ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物が形成されたものと、を用意し、電解質層を介してこれらを貼り合せることによって作製する。電解質層が光や熱によって硬化可能な場合、貼り合せ後に硬化させることができる。
ここで、図1は、本発明のエレクトロクロミック素子の一例を示す概略図である。図1を参照するに、エレクトロクロミック素子は、第1の支持体1と、第1の支持体1上に形成された第1の電極2と、第2の支持体6と、第2の支持体6上に順次形成された第2の電極5と、第2の電極5と接するように設けられたエレクトロクロミック層4と、前記第1の電極2と第2の電極5の間に形成され、電極間のイオン伝導を担う電解質層3からなる。
本発明のエレクトロクロミック素子は、安全性を担保しつつ、高い発消色応答性を有しているので、例えば、エレクトロクロミックディスプレイ、株価の表示板等の大型表示板、防眩ミラー、調光ガラス等の調光素子、タッチパネル式キースイッチ等の低電圧駆動素子、光スイッチ、光メモリー、電子ペーパー、電子アルバムなどに好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−第2の電極上へのラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物(エレクトロクロミック層)の形成−
第2の電極上にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物(エレクトロクロミック層)を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物を調製した。
[組成]
・下記構造式で表される1官能アクリレートを有するエレクトロクロミック化合物(前記例示化合物34):50質量部
Figure 0006915241
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・2官能アクリレートを有するPEG400ジアクリレート(以下、PEG400DAと称する。日本化薬株式会社製):50質量部
・メチルエチルケトン:900質量部
得られたエレクトロクロミック組成物を、第2の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:100nm)上にスピンコート法により塗布し、得られた塗布膜をUV照射装置(ウシオ電機株式会社製、SPOT CURE)により10mWで60秒間照射し、60℃で10分間アニール処理を行うことにより、平均厚み400μmの架橋したエレクトロクロミック層を形成した。
−第1の電極上への電気活性層の形成−
第1の電極としてのITOガラス基板(40mm×40mm、厚み0.7mm、ITO膜厚:約100nm)に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:約20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、厚み1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。
その後、前記酸化チタン粒子膜上に、下記構造式で表されるエレクトロクロミック化合物を1質量%含む2,2,3,3−テトラフロロプロパノール(以下、「TFP」と略記する)溶液をスピンコート法により塗布し、120℃で10分間のアニール処理を行った。これより、第1の電極上に、酸化チタン粒子膜とエレクトロクロミック化合物からなる電気活性層を形成した。
Figure 0006915241
−電解質液の充填−
以下に示す組成の電解質液を調製した。
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):1質量部
・PEG400DA(日本化薬株式会社製):19質量部
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(メルク社製):30質量部
・抵抗調整剤として下記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホン(沸点:265℃)10質量部
[構造式(A)]
Figure 0006915241
次に、前記電解質液をマイクロピペットで30mg測り取り、前記電気活性層を有するITOガラス基板に対して滴下した。その上に、電極の引き出し部分があるように、架橋したエレクトロクロミック層を有するITOガラス基板を貼り合せ、貼り合せ素子を作製した。
得られた貼り合せ素子をUV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機株式会社製,SPOT CURE)により、窒素雰囲気下、10mWで60秒間照射した。その後、貼り合わせ素子の4辺をUV硬化封止剤で封止をした。以上により、エレクトロクロミック素子を作製した。
次に、作製したエレクトロクロミック素子について、以下のようにして、インピーダンス測定、及び発消色応答性を評価した。
<インピーダンス測定>
作製したエレクトロクロミック素子を、modulab(solartron社製)を用いて、交流インピーダンス法で測定した。測定条件は以下のとおりである。
・印加交流電圧:10mV
・測定周波数範囲:1MHz〜1Hz
・測定温度:25℃
実施例1のインピーダンスのナイキストプロットを図2に示した。また、ナイキストプロットの円弧の始点と終点の抵抗差(インピーダンス;Ω)を表2に示した。
<発消色応答性評価>
作製したエレクトロクロミック素子について、発色−2Vで5秒間、消色0Vで5秒間という条件で発消色応答性を評価した。
駆動はmodulab(solartron社製)、同時に色彩評価はLCD5200(大塚電子株式会社製)を用いて測定した。実施例1の発色時の電圧印加時間(秒)に対する透過率の変化を図3に示した。また、発色濃度が10%に到達した印加時間を表2に示した。
(実施例2)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(B)で表されるスルホラン(沸点:287℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(B)]
Figure 0006915241
(実施例3)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(C)で表されるジメチルスルホキシド(沸点:189℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(C)]
Figure 0006915241
(実施例4)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(D)で表されるプロピレンカーボネート(沸点:242℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(D)]
Figure 0006915241
(実施例5)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(E)で表されるγ−ブチロラクトン(沸点:204℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(E)]
Figure 0006915241
(実施例6)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(F)で表されるジエチルカーボネート(沸点:128℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(F)]
Figure 0006915241
(実施例7)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(G)で表されるジメチルカーボネート(沸点:90℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(G)]
Figure 0006915241
(実施例8)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(H)で表されるアジポニトリル(沸点:295℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(H)]
Figure 0006915241
(実施例9)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(I)で表されるアセトニトリル(沸点:82℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(I)]
Figure 0006915241
(実施例10)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(J)で表されるN−メチルピロリドン(沸点:202℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(J)]
Figure 0006915241
(実施例11)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(K)で表されるジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(K)]
Figure 0006915241
(実施例12)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(L)で表されるテトラエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:276℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(L)]
Figure 0006915241
(実施例13)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(M)で表されるポリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点:275℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(M)]
Figure 0006915241
(実施例14)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、下記構造式(N)で表されるジメトキシエタン(沸点:83℃)に代えた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
[構造式(N)]
Figure 0006915241
(実施例15)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンの添加量を10質量部から30質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例16)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンの添加量を10質量部から50質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例17)
実施例1において、前記電解質液材料である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートに変更した以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例18)
実施例1において、前記電解質液材料である1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドを、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに変更した以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(実施例19)
実施例1において、前記電解質液の抵抗調整剤である上記構造式(A)で表されるエチルイソプロピルスルホンを、前記エチルイソプロピルスルホンと前記プロピレンカーボネートを質量比で1:1に混合した混合物の添加量を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
(比較例1)
実施例1において、前記構造式(A)で表される抵抗調整剤を添加していない電解質液を用いた以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
比較例1のインピーダンスのナイキストプロットを図2に示した。また、ナイキストプロットの円弧の始点と終点の抵抗差(インピーダンス;Ω)を表2に示した。
比較例1の発色時の電圧印加時間(秒)に対する透過率の変化を図3に示した。また、発色濃度が10%に到達した印加時間を表2に示した。
(比較例2)
比較例1において、電解質液を1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(メルク社製)100質量%に変更し、UV照射を行わない以外は、比較例1と同様にして、エレクトロクロミック素子を作製し、同様の評価を行った。結果を表2に示した。
次に、実施例1から19で用いた各抵抗調整剤について、以下のようにして、相溶性1の試験から相溶性3の試験を行った。結果を表2に示した。
<相溶性1の試験>
実施例1から19の前記電解質材料と各抵抗調整剤との相溶性は、前記電解質材料と前記各抵抗調整剤とを表1−1に示す質量比で混合した後の抵抗調整剤又は電解質材料の分離の有無を目視で確認することにより、下記基準で評価した。
[評価基準]
○:分離が見られず、相溶性あり
×:分離が見られ、相溶性なし
<相溶性2の試験>
前記第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物と、各抵抗調整剤との相溶性は、前記各抵抗調整剤の電解液中への添加の有無によらず、実施例1から19の前記各抵抗調整剤と前記第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物とをそれぞれ用いて作製したエレクトロクロミック素子の消色状態のヘイズを、日本電色株式会社製NDH5000を用い、JIS規格に則って測定し、下記基準により、評価した。
[評価基準]
○:ヘイズが2.0未満であり、相溶性あり
×:ヘイズが2.0以上であり、相溶性なし
<相溶性3の試験>
前記第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物と、各抵抗調整剤との相溶性は、前記各抵抗調整剤の電解液中への添加の有無によらず、実施例1から19の前記各抵抗調整剤と前記第2の電極が有するラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とをそれぞれ用いて作製したエレクトロクロミック素子の消色状態のヘイズを、日本電色株式会社製NDH5000を用い、JIS規格に則って測定し、下記基準により、評価した。
[評価基準]
○:ヘイズが2.0未満であり、相溶性あり
×:ヘイズが2.0以上であり、相溶性なし
Figure 0006915241
Figure 0006915241
Figure 0006915241
*実施例15及び16のインピーダンス(<5)は、ほとんど円弧が見えず値を読めない程度にインピーダンスが低いことを表している。
表2の結果から、インピーダンスの指標とした「ナイキストプロットの円弧の始点と終点の抵抗差」は、第2の電極の表面に設けられたラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を含むエレクトロクロミック層のインピーダンスを表していることがわかった。
電解質層に抵抗調整剤を添加した実施例1〜19のエレクトロクロミック素子は、抵抗調整剤を添加していない比較例1及び2に比べてインピーダンスが大きく減少していることがわかった。インピーダンスの減少に伴い、発消色応答速度の向上も見られた。
以上の結果より、電解質層に抵抗調整剤を添加することによるインピーダンス減少の効果は、第2の電極表面に設けられたラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を含むエレクトロクロミック層に大きく影響していることがわかった。第2の電極の表面に設けられたラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を含むエレクトロクロミック層のインピーダンス制御は、エレクトロクロミック素子の発消色応答性に大きく寄与すると考えられる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 第1の電極と、第2の電極と、前記第2の電極表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を有するエレクトロクロミック層と、前記第1の電極と前記第2の電極との間にゲル又は固体の電解質層と、を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質層が、電解質材料及び抵抗調整剤を含み、
前記抵抗調整剤が、前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶することを特徴とするエレクトロクロミック素子である。
<2> 前記抵抗調整剤が、前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物と相溶する前記<1>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<3> 前記エレクトロクロミック層が、前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物と、該ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とを架橋した架橋物を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<4> 前記抵抗調整剤が、前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物と相溶する前記<3>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<5> 前記抵抗調整剤が、カーボネート化合物、スルホン化合物、スルホキシド化合物、エステル化合物、ニトリル化合物、アミド化合物、及びエーテル化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<6> 前記抵抗調整剤が、カーボネート化合物、スルホン化合物、ニトリル化合物、及びスルホキシド化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<7> 前記抵抗調整剤が、エチルイソプロピルスルホン、ジメチルスルホキシド、プロピレンカーボネート、アジポニトリル、及びアセトニトリルから選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<8> 前記抵抗調整剤が、下記一般式(I)で表されるスルホン化合物である前記<1>から<7>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
[一般式(I)]
Figure 0006915241
ただし、前記一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルコキシ基、芳香環で一部置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、及びフェニル基のいずれかを表し、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
<9> 前記電解質材料が、イオン液体である前記<1>から<8>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<10> 前記電解質層が、ラジカル重合性化合物を硬化した架橋層からなる前記<1>から<9>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<11> 前記電解質層の平均厚みが、100nm以上10μm以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<12> 前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物が、酸化反応により発色するエレクトロクロミック化合物を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<13> 前記酸化反応により発色するエレクトロクロミック化合物が、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物である前記<12>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<14> 前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである前記<13>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<15> 前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物が、下記一般式1で示される前記<13>から<14>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
[一般式1]
−B
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。前記Aは下記一般式2で示される構造であり、RからR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。前記Bは下記一般式3で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
[一般式2]
Figure 0006915241
[一般式3]
Figure 0006915241
ただし、RからR21は、いずれも一価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、前記一価の有機基のうち少なくとも1つはラジカル重合性官能基である。
<16> 前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物が、下記構造式で表される化合物である前記<13>から<15>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
Figure 0006915241
<17> 前記エレクトロクロミック層が、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物と、該トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を架橋した架橋物を有する前記<13>から<16>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<18> 前記第1の電極上に、電気活性層を有する前記<1>から<17>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子である。
<19> 前記電気活性層が、還元反応によって着色を呈する材料を含有する前記<18>に記載のエレクトロクロミック素子である。
<20> 前記還元反応によって着色を呈する材料が、ビオロゲン化合物及びジピリジン化合物のいずれかである前記<19>に記載のエレクトロクロミック素子である。
前記<1>から<20>のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
Org.Electron.2014,15,428−434.
1 第1の支持体
2 第1の電極
3 電解質層
4 エレクトロクロミック層
5 第2の電極
6 第2の支持体

Claims (8)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、前記第2の電極表面にラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物を有するエレクトロクロミック層と、前記第1の電極と前記第2の電極との間にゲル又は固体の電解質層と、を有するエレクトロクロミック素子であって、
    前記ラジカル重合性化合物が、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物を含み、
    前記電解質層が、電解質材料及び抵抗調整剤を含み、
    前記抵抗調整剤が、前記電解質材料及び前記エレクトロクロミック層と相溶することを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 前記抵抗調整剤が、前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物を重合した重合物と相溶する請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記エレクトロクロミック層が、前記ラジカル重合性化合物を含むエレクトロクロミック組成物と、該ラジカル重合性化合物とは異なる他のラジカル重合性化合物とを架橋した架橋物を有する請求項1から2のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記抵抗調整剤が、前記架橋物と相溶する請求項3に記載のエレクトロクロミック素子。
  5. 前記抵抗調整剤が、カーボネート化合物、スルホン化合物、ニトリル化合物、及びスルホキシド化合物から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  6. 前記抵抗調整剤が、下記一般式(I)で表されるスルホン化合物である請求項1から5のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
    [一般式(I)]
    Figure 0006915241
    ただし、前記一般式(I)中、R及びRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルコキシ基、芳香環で一部置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、及びフェニル基のいずれかを表し、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。
  7. 前記電解質層が、ラジカル重合性化合物を硬化した架橋層からなる請求項1から6のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
  8. 前記第1の電極上に、電気活性層を有する請求項1から7のいずれかに記載のエレクトロクロミック素子。
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