JP2014047260A - エレクトロクロミック材料 - Google Patents

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英次 佐藤
Kazuhiro Deguchi
和広 出口
Akio Miyata
昭雄 宮田
Yasutaka Itou
康尚 伊藤
Daisuke Maeda
大輔 前田
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Abstract

【課題】応答速度が速く、高い着色効率を有し、しかも種々の溶媒への溶解性に優れ、さらにはEC部位の二量化による発色色調の変化の少ないEC化合物を提供すること。
【解決手段】分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを、該モノマーA1モルに対して0.05乃至3モルの重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる、高分岐ポリマー、及び該高分岐ポリマーを含有するエレクトロクロミック材料。
【選択図】なし

Description

本発明はエレクトロクロミック材料に関し、更に詳述するとエレクトロクロミック特性を発現する化合物をポリマー部分として有する高分岐ポリマーからなるエレクトロクロミック材料並びに該高分岐ポリマーに関する。
調光素子や表示素子に応用されるエレクトロクロミック(以下、ECと略す)素子は、電圧を印加すると可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に着色化又は無色化されるエレクトロクロミズムという現象を利用した素子である。このEC素子は、一般に、例えば透明電極基板、EC層、対極基板が順次設けられている素子により構成される。
これまで、EC特性を有する化合物として、例えば酸化タングステンなどの無機化合物が知られており、透明電極上に該無機酸化物を真空蒸着法又はスパッタリング法にて成膜して、EC素子を作製する方法が提案されている。しかしながら、この製造方法は、膜形成時に真空技術が必須でありコストが高くなるという課題がある。
より安価で簡単な製造工程により製造できる素子として、例えばビオロゲン誘導体などの有機EC化合物を利用した各種EC素子が提案されている。これらの有機EC化合物としては、例えば、分子末端にビオロゲン構造を有するハイパーブランチポリグリセロール(非特許文献1)が提案されている。しかしながら、この化合物においては、EC特性を発現するビオロゲン部分が二量化してしまうことに起因して、その吸収波長が大きくシフトしてしまい、ビオロゲン単体とは異なる色に発色してしまうことが報告されている。
また、他の有機EC化合物として、主鎖にビオロゲン構造などのEC部位を有する高分岐ポリマー(特許文献1)なども提案されている。
国際公開第2011/55792号パンフレット
J.Mater.Chem.,19,3412−3418(2009)
これまでに提案されている有機EC化合物は、特に表示素子への適用という観点から、応答速度や着色効率、繰り返し安定性などの点において、従来の表示素子である液晶におけるそれら性能と比して課題を残すものであり、更なる性能向上が求められるものであった。
また、各種溶媒への溶解性が高く、薄膜を形成しやすいEC化合物は、一般に同一ポリマー内のEC部位の密度が低いため、コントラストが弱くなるといった課題が残されていた。しかしながら、こうした応答速度や着色効率を重視しEC部位の高密度化のために高分岐化を図ったとしても、通常の高分岐ポリマーの製法では反応条件が厳しく、また手順が煩雑で生産コストもかさみ、その上、ポリマーが得られたとしても、EC化合物としての実用的な応答速度や着色効率を備えていないといった課題があった。
さらに、前述の分子末端にビオロゲン構造を有するハイパーブランチポリグリセロールのように、通常多くのEC部位を組込んだハイパーブランチポリマーでは、そのEC部位
の二量化により吸収波長が大きくシフトしてしまい、設計どおりの色が発色しないという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、応答速度が速く、高い着色効率を有し、しかも種々の溶媒への溶解性に優れ、さらにはEC部位の二量化による発色色調の変化の少ないEC化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーと、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーとを、所定量の重合開始剤の存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーが、エレクトロクロミック特性と溶解性に優れるだけでなく、EC部位の二量化による発色色調の変化の少ないEC材料となり得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、第1観点として、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを、該モノマーA1モルに対して0.05乃至3モルの重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる、高分岐ポリマーに関する。
第2観点として、前記モノマーBが、式[1]で表される化合物である、第1観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
Figure 2014047260
[式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至14の2価の炭化水素基、又は単結合を表し、Eはエレクトロクロミック特性を発現する構造部分を表す。]
第3観点として、前記式[1]中、Aが式[2]乃至式[5]の何れかで表される構造である、第2観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
Figure 2014047260
[式中、p、q、r及びsは繰り返し数であり、それぞれ独立して、1乃至6の整数を表し、*はエレクトロクロミック特性を発現する構造部分Eと連結する側である。]
第4観点として、前記モノマーBが、式[6]で表される化合物である、第3観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
Figure 2014047260
[式中、Eは前記式[1]と同じ意味を表す。]
第5観点として、前記式[1]において、Eが式[7]表される構造部分である、第2観点乃至第4観点の何れか一項に記載の高分岐ポリマーに関する。
Figure 2014047260
[式中、R乃至Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基を表すか、又はR乃至Rは同一のピリジン環における隣接する2つの基が一緒になって−CH=CH−CH=CH−基を表し、R10は、炭素原子数1乃至6のアルキル基、置換されていてもよいベンジル基又は置換されていてもよいフェニル基を表し、Lは、フェニレン基、式[8]で表される構造又は単結合を表し(ただし、Lと前記式[1]中のAとが同時に単結合となることはない。)、Lは、置換されていてもよいフェニレン基、置換されていてもよいチオフェンジイル基、オキサジアゾールジイル基又は単結合を表し、X及びYは、それぞれ独立して、Cl、Br、I、ClO 、BF 、PF 、CHCOO、PhSO 、p−TolSO 又はR11SO を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、Tolはトリル基を表し、R11は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基を表す。)。]
Figure 2014047260
第6観点として、前記式[7]において、Lが単結合である、第5観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第7観点として、前記式[1]において、Eが式[9]で表される構造部分である、第5観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
Figure 2014047260
[式中、R乃至R10、X及びYは、前記式[7]と同じ意味を表す。]
第8観点として、前記モノマーA1モルに対して0.1乃至3モルの前記モノマーBを用いて得られる、第1観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第9観点として、前記モノマーAが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方又は双方を有する化合物である、第1観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第10観点として、前記モノマーAが、ジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、第9観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第11観点として、前記モノマーAが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートである、第10観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第12観点として、前記重合開始剤Cが、アゾ系重合開始剤である、第1観点乃至第1
1観点の何れか一項に記載の高分岐ポリマーに関する。
第13観点として、前記重合開始剤Cが、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)である、第12観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第14観点として、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される重量平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000乃至200,000である、第1観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
第15観点として、第1観点乃至第14観点の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有するワニスに関する。
第16観点として、第1観点乃至第14観点の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有する薄膜に関する。
第17観点として、第1観点乃至第14観点の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有するエレクトロクロミック材料に関する。
第18観点として、少なくとも片方が透明である2枚の電極層間に、第1観点乃至第14観点の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有する薄膜が挟まれている、エレクトロクロミック素子に関する。
本発明の高分岐ポリマーは、EC材料として適用した際、応答速度が速く、着色効率に優れたEC特性を有する。特に本発明の高分岐ポリマーを含むEC材料は、高分岐ポリマーにEC部位を組みこむことにより、着色効率を高めることが可能となり、膜厚を薄くしても高いコントラストを得ることができ、一層の薄膜化による応答速度向上が達成できる。さらに本発明のEC材料は、EC部位の二量化による発色色調の変化が少ないため、設計どおりの色を発色するEC素子を容易に得ることができる。
また、本発明の高分岐ポリマーは、EC部位を導入したモノマーから一段階で合成できるため製造が容易であり、また、高分子化合物という特性を生かして、簡単な塗布・乾燥操作でそのまま薄膜状の構造体を形成させることが可能である。しかも、本発明の高分岐ポリマーは、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)だけでなく、アルコールや水などにも可溶であることから、溶媒を限定することなくワニスの形態にすることができ、薄膜状の構造体を形成することができる。
さらに、本発明の高分岐ポリマーは通常の平板状の基材上だけでなく、フレキシブルなフィルム状の基材上にも薄膜状の構造体の形成が可能であり、このため、フレキシブルなフィルム状のEC素子を作製することも可能となる。
図1は、合成例1(i)で得られた1−フェニル−4,4'−ビピリジニウムクロリドのH NMRスペクトルを示す図である。 図2は、合成例1(ii)で得られた1−フェニル−1’−(4−ビニルベンジル)−4,4'−ビピリジニウムクロリド(ECモノマー)のH NMRスペクトルを示す図である。 図3は、実施例1で得られた高分岐ポリマーAのH NMRスペクトルを示す図である。 図4は、実施例2で得られた高分岐ポリマーBのH NMRスペクトルを示す図である。 図5は、合成例1で得られたECモノマー(溶液)の電圧印加による吸光度スペクトル変化を示す図である。 図6は、高分岐ポリマーA(溶液)の電圧印加による吸光度スペクトル変化を示す図である。 図7は、高分岐ポリマーA(薄膜)の電圧印加による吸光度スペクトル変化を示す図である。 図8は、高分岐ポリマーB(薄膜)の電圧印加による吸光度スペクトル変化を示す図である。 図9は、高分岐ポリマーB(薄膜)の電圧印加時間に対する吸光度変化を示す図である。 図10は本発明のエレクトロクロミック材料を用いて作製したエレクトロクロミック素子の構成例を示す断面図である。 図11は本発明のエレクトロクロミック材料を用いて作製したエレクトロクロミック素子の別の構成例を示す断面図である。
<高分岐ポリマー>
本発明の高分岐ポリマーは、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーA、分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを、該モノマーA 1モルに0.05乃至3モルの重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーである。また本発明の高分岐ポリマーは、いわゆる開始剤断片組込み型高分岐ポリマーであり、その末端に重合に使用した重合開始剤Cの断片を有している。
[モノマーA]
本発明において、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAは、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方又は双方を有することが好ましく、特にジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。なお、本発明では(メタ)アクリレート化合物とは、アクリレート化合物とメタクリレート化合物の両方をいう。例えば(メタ)アクリル酸は、アクリル酸とメタクリル酸をいう。
このようなモノマーAとしては、例えば、以下の(A1)乃至(A7)に示した有機化合物が例示される。
(A1)ビニル系炭化水素類:
(A1−1)脂肪族ビニル系炭化水素類;イソプレン、ブタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン等
(A1−2)脂環式ビニル系炭化水素類;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ノルボルナジエン等
(A1−3)芳香族ビニル系炭化水素類;ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ジビニルフルオレン、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジン等
(A2)ビニルエステル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、ビニルケトン類:
(A2−1)ビニルエステル類;アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、イタコン酸ジビニル、ビニル(メタ)アクリレート等
(A2−2)アリルエステル類;マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート等
(A2−3)ビニルエーテル類;ジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等
(A2−4)アリルエーテル類;ジアリルエーテル、ジアリルオキシエタン、トリアリルオキシエタン、テトラアリルオキシエタン、テトラアリルオキシプロパン、テトラアリルオキシブタン、テトラメタリルオキシエタン等
(A2−5)ビニルケトン類;ジビニルケトン、ジアリルケトン等
(A3)(メタ)アクリル酸エステル類:
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルコキシチタントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ウンデシレノキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[2−(メタ)アクリロイルチオエチル]スルフィド、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート等
(A4)ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系化合物:
ポリエチレングリコール(分子量300)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)ジ(メタ)アクリレート等
(A5)含窒素ビニル系化合物:
ジアリルアミン、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルシアヌレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビスマレイミド等
(A6)含ケイ素ビニル系化合物:
ジメチルジビニルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラフェニルジシラザン、ジエトキジビニルシラン等
(A7)含フッ素ビニル系化合物:
1,4−ジビニルパーフルオロブタン、1,4−ジビニルオクタフルオロブタン、1,6−ジビニルパーフルオロヘキサン、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、1,8−ジビニルパーフルオロオクタン、1,8−ジビニルヘキサデカフルオロオクタン等
これらのうち好ましいものは、上記(A1−3)群の芳香族ビニル系炭化水素類、(A2)群のビニルエステル類、アリルエステル類、ビニルエーテル類、アリルエーテル類及びビニルケトン類、(A3)群の(メタ)アクリル酸エステル類、(A4)群のポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系化合物、並びに(A5)群の含窒素ビニル系化合物である。特に好ましいのは、(A1−3)群に属するジビニルベンゼン、(A2)群に属するフタル酸ジアリル、(A3)群に属するエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート並びに(A5)群に属するメチレンビス(メタ)アクリルアミドである。これらの中でも特にエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
[モノマーB]
本発明において、上記モノマーBとしては、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を1個有する化合物であることが好ましく、より好ましくは、前記式[1]で表される化合物である。
前記式[1]中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Aはエーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至14の炭化水素基、又は単結合を表し、Eはエレクトロクロミック特性を発現する構造部分を表す。
前記Aは、好ましくは前記式[2]乃至式[5]で表される構造を表し、式[2]乃至
式[5]中、p、q、r及びsは繰り返し数であり、それぞれ独立して、1乃至6の整数を表し、*はエレクトロクロミック特性を発現する部分であるEと連結する側である。
中でも、前記式[1]で表されるモノマーBとして、前記式[6]で表される化合物が好ましい(式[6]中、Eはエレクトロクロミック特性を発現する構造部分を表す。)。
本発明において、エレクトロクロミック特性を発現する構造部分Eは、4級ビピリジニウム塩構造の部分であり、具体的には、前記式[7]で表される構造部分が挙げられる。
前記式[7]中、式中、R乃至Rはそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基を表すか、又は同一のピリジン環における隣接する2つの基が一緒になって−CH=CH−CH=CH−基を表し、R10は、炭素原子数1乃至6のアルキル基、置換されていてもよいベンジル基又は置換されていてもよいフェニル基を表し、Lは、フェニレン基、前記式[8]で表される構造又は単結合を表し(ただし、Lと前記式[1]中のAとが同時に単結合となることはない。)、Lは、置換されていてもよいフェニレン基、置換されていてもよいチオフェンジイル基、オキサジアゾールジイル基又は単結合を表し、X及びYは、それぞれ独立して、Cl、Br、I、ClO 、BF 、PF 、CHCOO、PhSO 、p−TolSO 又はR11SO を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、Tolはトリル基を表し、R11は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基を表す。)。
前記式[7]中のR乃至R、R10における炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
乃至Rにおける炭素原子数1乃至6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
また、R11における直鎖状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等が、分枝鎖状アルキル基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、2−メチルプロピル基等が挙げられる。そして環状アルキル基としては、炭素原子数3乃至30の単環式、多環式、架橋環式の環状構造の脂環式脂肪族基が挙げられる。具体的には、炭素原子数3以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ、ペンタシクロ構造等を有する基を挙げることができる。
上述のR10における置換されていてもよいベンジル基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基等が挙げられる。
置換されていてもよいフェニル基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、9−(4−(1’−エチル−4,4’−ビピリジル)フェニル)−9H−フルオレン−9−イル基等が挙げられる。
また、Lにおける置換されていてもよいフェニレン基及び置換されていてもよいチオフェンジイル基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、トリフルオロメトキシ基などのアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、1−ベン
ジルピリジン−4−イル基等が挙げられる。
特に好ましいエレクトロクロミック特性を発現する構造部分Eは、前記式[9]で表される構造(式[9]中、R乃至R10、X、Yは前記式[7]と同じ意味を表す。)である。
本発明において、上記式[1]で表されるモノマーBの構造中、好ましい−A−E構造の具体例を下記(b−1)乃至(b−18)に示す。なお以下の化学式中、**はCH=C(R)−基と連結する側を示し、X及びYは前記式[7]と同じ意味を表し、Z及びWは、X及びYで定義した基と同じ意味を表す。
Figure 2014047260
Figure 2014047260
Figure 2014047260
本発明において、モノマーBの使用量は、ビオロゲン部位の二量化抑制、及び発色強度と発色速度の観点から、前記モノマーA 1モルに対して0.05乃至3モル、特に0.1乃至1.5モル、さらに好ましくは0.2乃至1モルにて使用することが好ましい。
[重合開始剤C]
本発明における重合開始剤Cとしては、好ましくはアゾ系重合開始剤が用いられる。アゾ系重合開始剤としては、例えば以下の(1)乃至(5)に示す化合物を挙げることができる。
(1)アゾニトリル化合物:
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等;
(2)アゾアミド化合物:
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等;
(3)環状アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド等;
(4)アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラヒドレート等;
(5)その他:
2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボン酸メチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(トリフルオロメチル)エチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロブチル)エチル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル)等。
上記アゾ系重合開始剤の中でも、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)が好ましい。
前記重合開始剤Cは、前記モノマーA 1モルに対して、0.05乃至3モルの量で使用され、好ましくは0.2乃至2モル、より好ましくは0.2乃至1モルの量で使用される。
<高分岐ポリマーの製造方法>
本発明の高分岐ポリマーは、前述のモノマーA及びモノマーBを、該モノマーAに対して所定量の重合開始剤Cの存在下で重合させて得られ、該重合方法としては公知の方法、例えば溶液重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合等が挙げられ、中でも溶液重合又は沈殿重合が好ましい。特に分子量制御の点から、有機溶媒中での溶液重合によって反応を実施することが好ましい。
このとき用いられる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン化物類;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類又はエステルエーテル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、並びにこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、芳香族炭化水素類、ハロゲン化物類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類、アミド類等であり、特に好ましいものはベンゼン、トルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等である。
前記重合反応を有機溶媒の存在下で行う場合、前記モノマーAの1質量部に対する前記有機溶媒の質量は、通常5乃至120質量部であり、好ましくは10乃至110質量部である。
重合反応は常圧、加圧密閉下、又は減圧下で行われ、装置及び操作の簡便さから常圧下
で行うのが好ましい。また、N等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
重合温度は、反応混合物の沸点以下であれば任意であるが、重合効率と分子量調節の点から、好ましくは50℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは80℃以上150℃以下であり、80℃以上130℃以下がより好ましい。
反応時間は、反応温度や、モノマーA、モノマーB及び重合開始剤Cの種類及び割合、重合溶媒種等によって変動するものであるため一概には規定できないが、好ましくは30分以上720分以下、より好ましくは40分以上540分以下である。
重合反応の終了後、得られた高分岐ポリマー(エレクトロクロミック材料)を任意の方法で回収し、必要に応じて洗浄等の後処理を行なう。反応溶液から高分岐ポリマーを回収する方法としては、再沈殿等の方法が挙げられる。
こうして得られる本発明の高分岐ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量(Mw)は、1,000乃至200,000、好ましくは2,000乃至100,000である。
<ワニス及び薄膜>
本発明の高分岐ポリマーからなる薄膜を形成する具体的な方法としては、まず、高分岐ポリマーを溶媒に溶解又は分散してワニスの形態(膜形成材料)とし、該ワニスを基材上にキャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等によって塗布して塗膜を得る。得られた塗膜は、必要に応じてホットプレート又はオーブン等を使用して乾燥し成膜する。なお高分岐ポリマーを含有するワニスも本発明の対象である。
これらの塗布方法の中でもスピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いる場合には、単時間で塗布することができるために、揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、均一性の高い塗布を行うことができるという利点がある。
上記ワニスの形態において使用する溶媒としては、高分岐ポリマーを溶解するものであればよく、例えば、トルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル類又はエステルエーテル類;テトラヒドロフラン(THF)、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサフルオロプロピル=ヘキサフルオロ−2−ペンチル=エーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エタノール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類などが挙げられる。これら溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の溶媒を混合してもよい。
また上記溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、高分岐ポリマーと溶媒の総質量(合計質量)に対して、高分岐ポリマーの濃度は0.001乃至90質量%であり、好ましくは0.002乃至80質量%であり、より好ましくは0.005乃至70質量%である。
形成された高分岐ポリマーからなる薄膜の厚さは特に限定されないが、通常0.01乃至50μm、好ましくは0.05乃至20μmである。
<エレクロトクロミック素子及びその製造方法>
本発明の高分岐ポリマーは、エレクトロクロミック素子の材料として使用することができる。そして本発明の高分岐ポリマーを含むエレクトロクロミック材料も、本発明の対象である。また、少なくとも片方が透明である2枚の電極層間に、前述の本発明の高分岐ポ
リマーを含有する薄膜が挟まれているエレクトロクロミック素子もまた本発明の対象である。
該エレクトロクロミック素子は、具体的には、少なくとも1枚は透明である2枚の導電基板と、これら基板間の挿設されたイオン導電性物質層と、このイオン導電性物質層と前記いずれかの導電基板との間に挿設された、エレクトロクロミック発色層より構成される。前記エレクトロクロミック発色層は、本発明のエレクトロクロミック材料(高分岐ポリマー)を含有する層(薄膜)であることを特徴とする。このようなエレクトロクロミック素子の代表的な構成例を図10に示す。
図10に示すように、前記エレクトロクロミック素子は、一例として、透明基板1の一方の面に透明電極層2が形成された透明導電基板の面上に、エレクトロクロミック(EC)層3を形成した第一の積層体と、透明基板6の一方の面に透明電極層5が形成された第二の積層体(透明導電基板)とを、第一の積層体のエレクトロクロミック層3と、第二の積層体の透明電極層5が向き合うように適当な間隔で対向させ、ここにイオン導電性物質を有する電荷輸送(CT)層4を挟持させてなる。
そして上記素子は、電極間に電圧を印加することによりエレクトロクロミック現象を生じさせ、発色・消色を起こすことができる。電圧印加手段としては公知のものを利用することができる。
上記エレクトロクロミック素子を構成する各膜及び層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、膜及び層を形成する慣用の方法によって作製可能である。
例えば図11に示すように、透明基板1の一方の面に透明電極層2が形成された透明導電基板としてITO付きガラス基板を採用し、該基板上に、後述に例示する方法でエレクトロクロミック材料を含有するEC(エレクトロクロミック)層3を形成し、第一の積層体(積層板A)を作製する。なお、該ITO付きガラス基板は、前記第二の積層体(積層板B)でもある。
上記透明基板としてはガラス基板の他、透明な樹脂等も使用することができ、硬い板状のものでも、フレキシブルなフィルム状のものでもよい。透明基板として用いられる樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、フッ素樹脂、エチレン、ビニルアルコールなどの透明樹脂が挙げられる。
また、透明基板に設ける透明電極層としては、前述のITO(スズ添加酸化インジウム)のほか、ATO(アンチモン添加酸化スズ)、FTO(フッ素添加酸化スズ)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、GZO(ガリウム添加酸化亜鉛)、Au、Ag、Pt等の貴金属薄膜等を使用できる。
上記EC層を形成する具体的な方法としては、まず、エレクトロクロミック材料を溶媒に溶解又は分散してワニスの形態(膜形成材料)とし、該ワニスを基板上にキャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等によって塗布して塗膜を得る。得られた塗膜は、必要に応じてホットプレート又はオーブン等を使用して乾燥し成膜する。これらの塗布方法の中でもスピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いる場合には、単時間で塗布することができるために、揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、均一性の高い塗布を行うことができるという利点がある。
上記ワニスの形態において使用する溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、
水、テトラヒドロフラン(THF)又はトリクロロメタン等が挙げられる。これら溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の溶媒を混合してもよい
また上記溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、エレクトロクロミック材料と溶媒の総質量(合計質量)に対して、エレクトロクロミック材料の濃度は0.001乃至90質量%であり、好ましくは0.002乃至80質量%であり、より好ましくは0.005乃至70質量%である。
形成されたEC層の厚さは、通常0.01乃至50μm、好ましくは0.1乃至20μmである。
また、必要であれば、本発明のエレクトロクロミック材料に加えて、さらに発色を助長する化合物を併用して膜又は層を形成してもよい。
その後、この積層板Aのエレクトロクロミック層3と、積層板Bの透明電極層5を1乃至1,000μm程度の間隔で対向させ、注入口を除いた周辺をシール材7でシールし、注入口付きの空セルを作製する。この注入口より、液状のイオン導電性物質を注入し、注入口を適宜封止することにより、CT(電荷輸送)層4を形成し、エレクトロクロミック素子を完成させる。
あるいは、前記積層板AのEC層3(又は積層板Bの電極層5)上に液状のイオン導電性物質を滴下し、滴下したイオン導電性物質に積層板Bの電極層5(又は積層板AのEC層3)が接するように積層板B(又は積層板A)を重ね、周辺をシールすることによってエレクトロクロミック素子を完成させる。
上記エレクトロクロミック素子のCT層4に用いるイオン導電性物質とは、通常室温で1×10−7S/cm以上のイオン伝導度を示す物質であることが好ましい。イオン導電性物質としては特に限定されず、液状イオン導電性物質、ゲル状イオン導電性物質或いは固体状イオン導電性物質等を挙げることができる。
このなかでも、例えば液状のものとして、溶媒に塩類、酸類、アルカリ類等の支持電解質を溶解したもの等を用いることができる。前記溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。具体的には水や、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、トリメチルホスフェイト等のエステル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類;アセトニトリル、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル等のニトリル類;シクロヘキサノン等のケトン類;ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;メタノール、エタノール、ポリエチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホランなどの有機極性溶媒が挙げられる。これらは、使用に際して単独もしくは混合物として使用できる。
支持電解質としての塩類は、特に限定されず、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩などがあげられ、具体的にはLiClO、LiSCN,LiBF、LiAsF、LiCFSO、LiPF、LiI、NaI、NaSCN、NaClO、NaBF、NaAsF、KSCN,KCl等のアルカリ金属塩等や、(CHNBF、(CNBF、(n−CNBF、(CNBr、(n−CNBr、(CNClO、(n−CNClO等の4級アンモニウム塩及び環状4級アンモニウム塩等、もしくはこれらの混合物が好適なものとして挙げられる。
また上記エレクトロクロミック素子において、前記積層板Aと積層板Bとの間隔を一定に確保するためにスペーサーを用いることができる。スペーサーとしては特に限定されないが、ガラス、ポリマー等で構成されるビーズ、ファイバー又はシートを用いることがで
きる。スペーサーは対向する導電基板の間隙に挿入したり、あるいは、導電基板の電極上に樹脂等の絶縁物で構成される突起状物を形成する方法等により設けることができる。
上記エレクトロクロミック素子は、上述の構成や製造方法に何等限定されるものではなく、更に他の構造又は要素を備えていてもよい。
他の構造又は要素としては、例えば、紫外線反射層や紫外線吸収層などの紫外線カット層、エレクトロクロミックミラー向け用途の場合にはミラー層全体、もしくは各膜層の表面保護を目的とするオーバーコート層等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、試料の調製及び物性の分析に用いた装置及び条件は、以下の通りである。
(1)GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)
装置:(株)島津製作所製 SCL−10Avp(GPCに改造)
カラム:昭和電工(株)製 Shodex(登録商標)GPC K−804L、GPC
K−805L
カラム温度:60℃
溶媒:1質量%LiCl[関東化学(株)製 塩化リチウム,3N5]添加N−メチル−2−ピロリドン
検出器:UV(254nm)
検量線:標準ポリスチレン
(2)H NMRスペクトル
装置:日本電子(株)製 JNM−ECA700
溶媒:D
内部標準:テトラメチルシラン(0.00ppm)
(3)分光光度計
装置:オーシャンオプティクス社製 USB4000
溶媒:アセトニトリル
(4)ポテンシオスタット
装置:ビー・エー・エス(株)製 ALS電気化学アナライザー モデル660B
溶媒:アセトニトリル
[略号]
EC:エレクトロクロミック
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
MAIB:2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)
TBAP:過塩素酸テトラブチルアンモニウム
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EG:エチレングリコール
[合成例1]エレクトロクロミック特性を発現するモノマー(ECモノマー)の合成
Figure 2014047260
(i)1−フェニル−4,4'−ビピリジニウムクロリドの合成
窒素雰囲気下、4,4'−ビピリジン[東京化成工業(株)製]10.0g(64mm
ol)及び2,4−ジニトロクロロベンゼン[東京化成工業(株)製]12.9g(63mmol)を、エタノール100mLに溶解し、40時間加熱還流下で撹拌した。室温(およそ25℃)まで放冷した後、この反応混合物へアニリン[純正化学(株)製]24.4g(266mmol)を加え、さらに3時間加熱還流下で撹拌した。この反応混合物からエタノール80gを留去し、得られた残渣に水100gを加えた。これを、80℃で1時間撹拌し、さらに室温(およそ25℃)で一晩撹拌した後、不溶物をろ過により除去した。
このろ液を減圧下で濃縮した後、得られた固体をエタノール40gに溶解し、アセトン1,000gで再沈殿することで、1−フェニル−4,4'−ビピリジニウムクロリド1
0.0gを得た。得られた化合物のH NMRスペクトルを図1に示す。
(ii)1−フェニル−1'−(4−ビニルベンジル)−4,4'−ビピリジニウムジクロリド(ECモノマー)の合成
窒素雰囲気下、上記(i)で合成した1−フェニル−4,4'−ビピリジニウムクロリ
ド3.4g(12mmol)及び4−クロロメチルスチレン[東京化成工業(株)製]5.3g(35mmol)を、DMF40gに溶解し、60℃で24時間撹拌した。室温(およそ25℃)まで放冷後、析出している固体をろ過し、乾燥した。得られた固体を水23gに溶解し、アセトン185gで再沈殿することで、1−フェニル−1'−(4−ビニ
ルベンジル)−4,4'−ビピリジニウムジクロリド(ECモノマー)2.8gを得た。
ECモノマーのH NMRスペクトルを図2に示す。
[実施例1]高分岐ポリマーAの合成
窒素雰囲気下、EGDMA[和光純薬工業(株)製]0.94g(4.8mmol)、合成例1で得られたECモノマー1.0g(2.4mmol、EGDMAに対し0.5mol当量)及びMAIB[大塚化学(株)製]0.55g(2.4mmol、EGDMAに対し0.5mol当量)を、EG15gに溶解させた。この混合溶液を、窒素雰囲気下100℃に加熱したEG15gに20分間で滴下し、さらに100℃で2時間撹拌した。室温まで放冷後、この反応混合物へエタノール10gを添加し、酢酸エチル400gで再沈殿した。析出した沈殿物をろ過し、再度エタノール10gに溶解して、酢酸エチル400gで再沈殿した。析出した沈殿物をろ過、乾燥することで、高分岐ポリマーA1.2gを得た。高分岐ポリマーAのH NMRスペクトルを図3に示す。
得られた高分岐ポリマーAの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは45,800、多分散度Mw/Mn(数平均分子量)は1.01であった。
[実施例2]高分岐ポリマーBの合成
EGDMAの使用量を0.24g(1.2mmol)に、MAIBの使用量を0.27g(1.2mmol)に、EGの使用量を各12gに、それぞれ変更した以外は実施例1と同様に操作し、高分岐ポリマーB0.8gを得た。高分岐ポリマーBのH NMRスペクトルを図4に示す。
得られた高分岐ポリマーBの、GPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは63,000、多分散度Mw/Mn(数平均分子量)は1.01であった。
[実施例3]EC評価(溶液)
合成例1で得られたECモノマー及び実施例1で得られた高分岐ポリマーAを用いて、以下の方法により、溶液でのEC特性を評価した。
<ワニスの調製>
ECモノマー及び高分岐ポリマーAを、それぞれ0.4mmol/DMF1LとなるようにDMFに溶かし、ワニスを調製した。
<評価セルの作製>
上記ワニスそれぞれに、TBAPを70mmol/DMF1Lとなるように添加し、溶解させた。この溶液を光路長0.5mmの分光光度セルに入れ、セル内部の溶液中に、作用極としてPt−meshを、対照電極としてPt−meshを、参照電極としてAg/AgClをそれぞれ挿入して評価セルを作製した。
<評価>
上記評価セルに、窒素雰囲気下、ポテンシオスタットを用いて−0.4V(vs.Ag/AgCl)の電圧を印加した際の着色変化を測定した。測定には分光光度計を用い、電圧印加開始時から吸光度が一定になるまで3分間隔で測定した。
ECモノマーの電圧印加前及び吸光度が一定になった9分後の吸収スペクトルを図5に、高分岐ポリマーAの電圧印加前及び吸光度が一定になった15分後の吸収スペクトルを図6に、それぞれ示す。
図5及び図6に示されるように、どちらも、電圧印加により無色から600nmに吸収ピークを持つ深緑色への明瞭な色調変化が観測された。また、ECモノマーと高分岐ポリマーAの吸収スペクトルの変化は、ほぼ一致していることが確認できた。これは、本発明の高分岐ポリマーでは、ポリマー内に結合しているEC部位同士の二量化による発色変化が抑制され、ECモノマーの発色する色を維持したまま、ポリマー化できることを意味する。
[実施例4]EC評価(薄膜)
実施例1、2で得られた高分岐ポリマーA、Bを用いて、以下の方法により、基材上に形成した薄膜でのEC特性を評価した。
<ITOガラス基板の洗浄>
エアロダスターでITOガラス基板(8mm×30mm)表面のゴミを吹き飛ばし、沸騰したエタノールを用いて洗浄した。その後オゾン処理することでITOガラス基板を洗浄した。
<ワニスの調製>
高分岐ポリマーA,B各0.3gを、それぞれメタノール1.7gに加え、室温(およそ25℃)で1時間ミックスローター(110rpm)で撹拌することでポリマーを完全に溶解させ、褐色透明のワニスを調製した(固形分濃度15質量%)。
<EC層の作製>
上記ワニスを、上記ITOガラス基板のITO面にスピンコート法(1,000rpm、30秒間)で塗布した。この塗布膜を、50℃のホットプレートで2分間乾燥させて、高分岐ポリマーA,Bそれぞれからなる薄膜状のEC層をITOガラス基板上に成膜した。
<評価セルの作製>
作用電極として、EC層を塗布したITOガラス基板を、光路長10mmの分光光度セルの内壁にガラス基板側が密着するように配置した。このセル内を、支持電解質となる0.1mol/LのTBAP−アセトニトリル溶液で満たした。さらにセル内の支持電解質中に、対照電極としてPtを、参照電極としてAg−wireをそれぞれ挿入して評価セルを作製した。
<評価>
上記評価セルに、窒素雰囲気下、ポテンシオスタットを用いて−0.2V(vs.Ag−wire)の電圧を印加した際の着色変化を測定した。測定には分光光度計を用い、電圧印加開始時から吸光度が一定になるまで2秒間隔で測定した。
高分岐ポリマーAの電圧印加前及び吸光度が一定になった10秒後の吸収スペクトルを図7に、高分岐ポリマーBの電圧印加前及び吸光度が一定になった40秒後の吸収スペクトルを図8に、それぞれ示す。
図7及び図8に示されるように、どちらも、電圧印加により無色から567nmに吸収ピークを持つ深緑色への明瞭な色調変化が観測された。また、ポリマー中に結合しているECモノマーの量が多い高分岐ポリマーBでは、高分岐ポリマーAに対し2倍近く発色強度が向上していることが確認できた。これは、高分岐ポリマー合成時の組成比に一致するものであり、組成比を変化させることで目的にあった発色強度を持つ高分岐ポリマーを調製可能となる。
[実施例5]発色応答速度
実施例4と同様の手順にて高分岐ポリマーBを用いた評価セルを作製し、窒素雰囲気下、ポテンシオスタットを用いて−0.2V(vs.Ag−wire)の電圧を印加した際の波長567nmの吸光度の時間変化を測定した。結果を図9に示す。
図9に示されるように、電圧印加に伴い即座に吸光度が0から1近くまで変化していることが分かる。その応答速度は、40秒程度と非常に速いことが確認された。
1・・・透明基板
2・・・透明電極層
3・・・エレクトロクロミック層
4・・・電荷輸送層
5・・・透明電極層
6・・・透明基板
7・・・シール材
A・・・積層板A(第一の積層体)
B・・・積層板B(第二の積層体)

Claims (18)

  1. 分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAと、分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と1個のラジカル重合性二重結合を有するモノマーBとを、該モノマーA1モルに対して0.05乃至3モルの重合開始剤Cの存在下で重合させることにより得られる、高分岐ポリマー。
  2. 前記モノマーBが、式[1]で表される化合物である、請求項1に記載の高分岐ポリマー。
    Figure 2014047260
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至14の2価の炭化水素基、又は単結合を表し、Eはエレクトロクロミック特性を発現する構造部分を表す。]
  3. 前記式[1]中、Aが式[2]乃至式[5]の何れかで表される構造である、請求項2に記載の高分岐ポリマー。
    Figure 2014047260
    [式中、p、q、r及びsは繰り返し数であり、それぞれ独立して、1乃至6の整数を表し、*はエレクトロクロミック特性を発現する構造部分Eと連結する側である。]
  4. 前記モノマーBが、式[6]で表される化合物である、請求項3に記載の高分岐ポリマー。
    Figure 2014047260
    [式中、Eは前記式[1]と同じ意味を表す。]
  5. 前記式[1]において、Eが式[7]で表される構造部分である、請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の高分岐ポリマー。
    Figure 2014047260
    [式中、R乃至Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数1乃至6のアルコキシ基を表すか、又はR乃至Rは同一のピリジン環における隣接する2つの基が一緒になって−CH=CH−CH=CH−基を表し、R10は、炭素原子数1乃至6のアルキル基、置換されていてもよいベンジル基又は置換されていてもよいフェニル基を表し、Lは、フェニレン基、式[8]で表される構造又は単結合を表し(ただし、Lと前記式[1]中のAとが同時に単結合となることはない。)、Lは、置換されていてもよいフェニレン基、置換されていてもよいチオフェンジイル基、オキサジアゾールジイル基又は単結合を表し、X及びYは、それぞれ独立して、Cl、Br、I、ClO 、BF 、PF 、CHCOO、PhSO 、p−TolSO 又はR11SO を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、Tolはトリル基を表し、R11は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分枝状又は環状アルキル基を表す。)。]
    Figure 2014047260
  6. 前記式[7]において、Lが単結合である、請求項5に記載の高分岐ポリマー。
  7. 前記式[1]において、Eが式[9]で表される構造部分である、請求項5に記載の高分岐ポリマー。
    Figure 2014047260
    [式中、R乃至R10、X及びYは、前記式[7]と同じ意味を表す。]
  8. 前記モノマーA1モルに対して0.1乃至3モルの前記モノマーBを用いて得られる、請求項1に記載の高分岐ポリマー。
  9. 前記モノマーAが、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方又は双方を有する化合物である、請求項1に記載の高分岐ポリマー。
  10. 前記モノマーAが、ジビニル化合物又はジ(メタ)アクリレート化合物である、請求項9に記載の高分岐ポリマー。
  11. 前記モノマーAが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートである、請求項10に記載の高分岐ポリマー。
  12. 前記重合開始剤Cが、アゾ系重合開始剤である、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の高分岐ポリマー。
  13. 前記重合開始剤Cが、2,2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)である、請求項12に記載
    の高分岐ポリマー。
  14. ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される重量平均分子量が、ポリスチレン換算で1,000乃至200,000である、請求項1に記載の高分岐ポリマー。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有するワニス。
  16. 請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有する薄膜。
  17. 請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有するエレクトロクロミック材料。
  18. 少なくとも片方が透明である2枚の電極層間に、請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載の高分岐ポリマーを含有する薄膜が挟まれている、エレクトロクロミック素子。
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