JP6798166B2 - エレクトロクロミック表示素子 - Google Patents
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- BCWJSBIUEYXEAM-UHFFFAOYSA-N Cc1cccc(N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2OC)c1 Chemical compound Cc1cccc(N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2-c(cc2)ccc2N(c2ccccc2)c(cc2)ccc2OC)c1 BCWJSBIUEYXEAM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Description
例えば、イエロー、シアン、マゼンタといったように異なる色味に発色するエレクトロクロミック層を有する表示層を積層し、1つのTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)電極で3つの表示電極を切り替えることで、高い開口率でフルカラー表示画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、デバイス内にエレクトロクロミック層を有する作用電極を2つ、対極反応層を有する対電極を少なくとも1つ設けることで、TFT等のアクティブ電極を使用せず、様々な表示を行うことができる技術が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層が、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有する。
本発明のエレクトロクロミック表示素子は、第1の基板と、前記第1の基板上に設けられた第1の電極と、前記第1の電極に対して間隔をおいて設けられた第2の基板と、前記第2の基板上に設けられた第2の電極と、前記第1の電極に接して設けられた第1のエレクトロクロミック層と、前記第2の電極に接して設けられた第2のエレクトロクロミック層と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電解質層と、を有するエレクトロクロミック表示素子であって、
前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層が、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有する。
また、前記特許文献3に記載のグロー放電によりエレクトロクロミック層をパターニングさせて、情報表示を行う方法では、表示させる情報は、パターニングさせた1通りのパターンに固定されてしまい、時間やタイミングに合わせた情報提供など、より有用な2種類以上の情報表示を行うことができないという課題がある。
また、前記特許文献4のデバイス内にエレクトロクロミック層を有する作用電極を2つ、対極反応層を有する対電極を少なくとも1つ設けることで、TFT等のアクティブ電極を使用せず、様々な表示を行うことができる技術では、デバイス内に最低3つの電極を要するため、透明性が低下してしまうことに繋がり、結果として高透過率の表示デバイスを実現することは難しいという課題がある。
前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層が、いずれも酸化反応により発色することにより、エレクトロクロミック層のパターニングにより情報表示を行うデバイスであっても、消色時の高透明性を維持しつつ2種類の情報表示が可能となる。
前記第2の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第1のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う第2の対極反応層と、を有することが、エレクトロクロミック層の対極反応材料としての機能を向上させ、駆動特性を向上させる点から好ましい。
前記第1のエレクトロクロミック層に対して、前記第2のエレクトロクロミック層が異なる形状でパターニングされていることが、2種類の情報を明確に表示する点から好ましい。
前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層は、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有する。
前記酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料としては、例えば、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物、プルシアンブルー型錯体、及び酸化ニッケルから選択される少なくとも1種が用いられる。これらの中でも、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物が特に好ましい。
前記第1の及び第2のエレクトロクロミック層が、前記トリアリールアミンを含有するラジカル重合性化合物を重合して形成されると、繰返し駆動(酸化還元反応)特性が良好であるとともに光耐久性に優れる点で有利である。また、消色状態が透明であり、酸化反応で高濃度の着色発色性能が得られる。
An−Bm
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。前記Aは下記一般式2で示される構造であり、R1からR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。前記Bは下記一般式3で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
前記一般式2及び前記一般式3における前記一価の有機基としては、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、アミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい複素環基などが挙げられる。
これらの中でも、安定動作及び光耐久性の点から、アルキル基、アルコキシ基、水素原子、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、アルケニル基、アルキニル基が特に好ましい。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基などが挙げられる。
前記複素環基としては、例えば、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、チアジアゾールなどが挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。
前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
前記アルケニレン基としては、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。
前記一価の有機基及び前記ラジカル重合性官能基としては、前記一般式2及び前記一般式3と同じものが挙げられる。
前記他のラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基としては、前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基と同様であり、これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。
なお、上記において、EO変性はエチレンオキシ変性を指し、PO変性はプロピレンオキシ変性を指す。
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系オリゴマー、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物と、それとは異なる他のラジカル重合性化合物の、少なくともいずれか一方がラジカル重合性官能基を2つ以上有していることが、架橋物を形成する点から好ましい。
塗布法としては、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などが挙げられる。
前記平均厚みが、0.2μm未満であると、発色濃度が得られにくくなることがあり、5.0μmを超えると、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすくなることがある。
前記第1の対極反応層は、前記第1の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第2のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う層である。
前記第2の対極反応層は、前記第2の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第1のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う層である。
前記第1の対極反応層及び前記第2の対極反応層は、特に大きな色変化を伴わない電気化学活性層である。
前記第1及び第2の対極反応層によれば、前記第1及び第2のエレクトロクロミック層の逆反応をすることでそれぞれの電気化学反応を安定化させ、エレクトロクロミック反応に必要な電位差を小さくする効果などが期待できる。例えば、エレクトロクロミック層が還元発色型の場合、対極としては酸化反応できる材料であることが好ましい。
前記対極反応層に用いられる材料としては、前記エレクトロクロミック層と同様に無機化合物、及び有機化合物のいずれを用いても構わない。
前記対極反応層は、酸化還元反応に伴う可視光域での光吸収帯の変化が小さい(ほぼ色変化のない)エレクトロクロミック材料であるため、エレクトロクロミック層と同様の材料を選択することができる。
前記導電性粒子を含む多孔質構造とは、ナノ粒子又はナノポーラス構造体等のナノスケールの凹凸を有する多孔質構造体をいう。
前記導電性粒子を含む多孔質構造を構成する材質としては、透明性及び導電性の点から、例えば、金属酸化物などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケートなどを主成分とするものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、電気伝導性等の電気的特性、光学的性質等の物理的特性の点から、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンが好ましく、酸化チタンがより好ましい。
前記第1の及び第2の基板としては、各層を支持できる透明材料であれば特に制限はなく、公知の有機材料や無機材料をそのまま用いることができる。
前記第1の及び第2の基板としては、例えば、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、フロートガラス、ソーダ石灰ガラス等のガラス基板を用いることができる。
前記第1の及び第2の基板としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いてもよい。
これらの中でも、加工性と透明性の点から、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
なお、前記第1及び第2の基板の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、紫外線耐性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、UVカット層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。
前記第1及び第2の基板は複数の重ね合わせでもよく、例えば、2枚のガラス基板でエレクトロクロミック表示素子を挟持する構造にすることで、水蒸気バリア性及びガスバリア性を高めることが可能である。
前記第1の電極及び前記第2の電極は、一方が表示電極として働く場合には、他方は対向電極として作用する。
前記表示電極は、対向電極に対する電位を制御し、エレクトロクロミック層を発色させるための電極であり、対向電極は、対向電極と対をなす表示電極の電位を制御し、エレクトロクロミック層を発色させるための電極である。
更に、電極層をネットワーク電極と前記導電性酸化物の積層構成、又は前記導電性金属薄膜と前記導電性酸化物の積層構成とすることがより好ましい。積層構成にすることにより、エレクトロクロミック層をムラなく発消色させることができる。なお、導電性酸化物層はナノ粒子インクとして塗布形成することもできる。前記導電性金属薄膜と前記導電性酸化物の積層構成とは、具体的には、ITO/Ag/ITOなどの薄膜積層構成にて導電性と透明性を両立させた電極である。
前記第1及び第2の電極の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ITO電極の場合には、10nm以上300nm以下が好ましい。
前記電解質層は、前記第1の電極と前記第2の電極との間でイオンを移動させることで電荷を移動させ、エレクトロクロミック層の発色/消色反応を起こすためのものである。
具体的には、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO4)2、Mg(BF4)2などが挙げられる。
また、前記電解質層の材料としては、前記カチオン成分と前記アニオン成分とを任意に組み合わせたイオン液体を用いることが好ましい。
前記カチオン成分としては、例えば、N、N−ジメチルイミダゾール塩、N、N−メチルエチルイミダゾール塩、N、N−メチルプロピルイミダゾール塩などのイミダゾール誘導体、N、N−ジメチルピリジニウム塩、N、N−メチルプロピルピリジニウム塩などのピリジニウム誘導体等、芳香族系の塩、又は、トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩などのテトラアルキルアンモニウム等、脂肪族4級アンモニウム系の塩が挙げられる。
前記アニオン成分としては、大気中の安定性の面でフッ素を含んだ化合物がよく、BF4 −、CF3SO3 −、PF4 −、(CF3SO2)2N−などが挙げられる。これらのカチオン成分とアニオン成分の組み合わせにより処方したイオン液体を用いることができる。
前記電解質層の材料を溶媒に溶解して電解質液として用い、電解質層に用いることも可能である。
固体化手法としては、電解質と溶媒を樹脂(ポリマー)中に保持することが好ましい。高いイオン伝導度を維持しつつ固体強度が得られるためである。更に、樹脂(ポリマー)としては光硬化が可能な樹脂(光硬化性樹脂)が好ましい。熱重合や、溶剤を蒸発させることにより樹脂と電解質材料を含む電解質層を薄膜化して形成する方法に比べて、光硬化性樹脂を用いた場合には低温かつ短時間で素子を製造できる利点がある。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁性多孔質層、劣化防止層、保護層などが挙げられる。
前記絶縁性多孔質層としては、第一の電極と第二の電極とが電気的に絶縁されるように隔離すると共に、電解質を保持する機能を有する。
前記絶縁性多孔質層の材料としては、多孔質であれば特に制限はなく、絶縁性、及び耐久性が高く成膜性に優れた有機材料、無機材料、又はそれらの複合体が好ましい。
前記絶縁性多孔質層の形成方法としては、例えば、焼結法(高分子微粒子や無機粒子を、バインダ等を添加して部分的に融着させ粒子間に生じた孔を利用する)、抽出法(溶剤に可溶な有機物又は無機物類と溶剤に溶解しないバインダ等で構成層を形成した後に、溶剤で有機物又は無機物類を溶解させ細孔を得る)、発泡させる発泡法、良溶媒と貧溶媒を操作して高分子類の混合物を相分離させる相転換法、各種放射線を輻射して細孔を形成させる放射線照射法などが挙げられる。
前記劣化防止層は、前記エレクトロクロミック組成物からなるエレクトロクロミック層と逆の化学反応をし、電荷のバランスをとって前記第一の電極、及び前記第二の電極が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制することができる。なお、前記逆の化学反応とは、劣化防止層が酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む意味である。
前記保護層は、外的応力、及び洗浄工程の薬品からエレクトロクロミック表示素子を守ることができ、また、前記電解質の漏洩を防ぐことができ、更に大気中の水分や酸素などエレクトロクロミック表示素子が安定的に動作するために不要なものの侵入を防ぐことができる。
前記保護層の材料としては、例えば、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などが挙げられ、具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。
第1のエレクトロクロミック層3a及び第2のエレクトロクロミック層3bが、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有している。
第1のエレクトロクロミック層3a及び第2のエレクトロクロミック層3bが、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有している。
下記(1)〜(4)により、図1に示す構成に準拠して、エレクトロクロミック表示素子10を作製した。
第1の電極上に第1のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物1を調製した。
[組成]
・下記構造式で表される1官能アクリレートを有するトリアリールアミン化合物(前記例示化合物2、酸化により青色発色を呈するエレクトロクロミック化合物):70質量部
・2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬株式会社製):30質量部
・シクロヘキサンノン:600質量部
第2の電極上に第2のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物2を調製した。
[組成]
・下記構造式で表される1官能アクリレートを有するトリアリールアミン化合物(前記例示化合物40、酸化により青緑色発色を呈するエレクトロクロミック化合物):70質量部
・2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬株式会社製):30質量部
・シクロヘキサンノン:600質量部
以下に示す組成の電解質液を調製した。
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・PEG400DA(日本化薬株式会社製):100質量部
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(メルク社製):50質量部
前記(3)にて得られた電解質液を第1の基板上に塗布した。ここで、エレクトロクロミック層はポーラスな構造であることから、電解質層材料は第1の電極界面まで十分に浸透する。
次いで、第2の基板を電解質層材料面に重ね合わせて貼り合わせを行った。
貼り合わせを行ったら直ぐに、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機株式会社製,SPOT CURE)により10mWで60秒間素子に照射を行い、電解質液塗布部の架橋を行い、実施例1のエレクトロクロミック表示素子10を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子について第1の電極がプラス電位になるように3.0Vの電圧を5秒間印加し発色させ、その際の様子を観察した。次に、電極同士を短絡させることにより消色させ、その際の様子を観察した。駆動試験1の評価は以下の評価基準に基づき行った。
[評価基準]
◎:第1のエレクトロクロミック層の発色状態を確認した。その後、短絡により10秒間未満に消色した
○:第1のエレクトロクロミック層の発色状態を確認した。その後、短絡により10秒間以上かかって消色した
×:第1のエレクトロクロミック層の発色状態を確認できない
作製したエレクトロクロミック表示素子について第2の電極がプラス電位になるように3.0Vの電圧を5秒間印加し発色させ、その際の様子を観察した。次に、電極同士を短絡させることにより消色させ、その際の様子を観察した。駆動試験2の評価は以下の評価基準に基づき行った。
[評価基準]
◎:第2のエレクトロクロミック層の発色状態を確認した。その後、短絡により10秒間未満に消色した
○:第2のエレクトロクロミック層の発色状態を確認した。その後、短絡により10秒間以上かかって消色した
×:第2のエレクトロクロミック層の発色状態を確認できない
実施例1において、前記(2)の工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして、エレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子について、実施例1と同様にして、駆動試験1及び2を行った。結果を表1に示した。
下記(1)〜(6)により、図2に示す構成に準拠して、エレクトロクロミック表示素子20を作製した。
第1の電極上に第1のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物1を調製した。
[組成]
・前記構造式で表される1官能アクリレートを有するトリアリールアミン化合物(前記例示化合物2、酸化により青色発色を呈するエレクトロクロミック化合物):70質量部
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):2質量部
・2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬株式会社製):30質量部
・シクロヘキサンノン:600質量部
前記(1)で作製した第1のエレクトロクロミック層を有する第1の電極上に酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム株式会社製)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成し、第1の対極反応層とした。
第2の電極上に第2のエレクトロクロミック層を形成するために、以下に示す組成のエレクトロクロミック組成物2を調製した。
[組成]
・前記構造式で表される1官能アクリレートを有するトリアリールアミン化合物(前記例示化合物40、酸化により青緑色発色を呈するエレクトロクロミック化合物):70質量部
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):2質量部
・2官能アクリレートを有するPEG400DA(日本化薬株式会社製):30質量部
・シクロヘキサンノン:600質量部
前記(3)で作製した第2のエレクトロクロミック層を有する第2の電極上に酸化チタン微粒子分散液(SP210、昭和タイタニウム株式会社製)をスピンコートし、120℃で15分間のアニール処理により、酸化チタン粒子膜を形成し、第2の対極反応層とした。
以下に示す組成の電解質液を調製した。
・IRGACURE184(BASFジャパン株式会社製):5質量部
・PEG400DA(日本化薬株式会社製):100質量部
・1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(メルク社製):50質量部
前記(5)にて得られた電解質液を第1の基板上に塗布した。ここで、エレクトロクロミック層はポーラスな構造であることから、電解質層材料は第1の電極界面まで十分に浸透する。
次いで、第2の基板を電解質層材料面に重ね合わせて貼り合わせを行った。
貼り合わせを行ったら直ぐに、UV(波長250nm)照射装置(ウシオ電機株式会社製,SPOT CURE)により10mWで60秒間素子に照射を行い、電解質液塗布部の架橋を行い実施例2のエレクトロクロミック表示素子20を作製した。
実施例2において、前記(3)の工程を実施しなかった以外は、実施例2と同様にして、エレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製したエレクトロクロミック表示素子について、実施例1と同様にして、前記駆動試験1及び2を行った。結果を表1に示した。
これに対して、比較例1では第1のエレクトロクロミック層のみの発消色が確認できる結果となった。これは、第2の電極上に第2のエレクトロクロミック層の有無によるものである。
また、実施例2では、第1のエレクトロクロミック層及び第2のエレクトロクロミック層の両者の発消色を確認することができた上に、消色も10秒間未満に完了する結果となり、実施例1よりも優れた結果となった。これは、対極反応層の導入がエレクトロクロミック層の対極反応材料としての機能を向上させ、駆動特性が向上したためだと考えられる。
また、比較例2において、第1のエレクトロクロミック層のみの発消色が確認できる結果となったのは、比較例1と同様の理由である。
<1> 第1の基板と、
前記第1の基板上に設けられた第1の電極と、
前記第1の電極に対して間隔をおいて設けられた第2の基板と、
前記第2の基板上に設けられた第2の電極と、
前記第1の電極に接して設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第2の電極に接して設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電解質層と、を有するエレクトロクロミック表示素子であって、
前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層が、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有することを特徴とするエレクトロクロミック表示素子である。
<2> 前記第1のエレクトロクロミック層が前記第1の電極に対し、少なくとも一部の電極部分が露出するように形成され、かつ前記第2のエレクトロクロミック層が前記第2の電極に対し、少なくとも一部の電極部分が露出するように形成されている前記<1>に記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<3> 前記第1の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第2のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う第1の対極反応層と、
前記第2の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第1のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う第2の対極反応層とを有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<4> 前記第1の対極反応層及び前記第2の対極反応層が、導電性粒子を含み多孔質構造を有している前記<3>に記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<5> 前記第1のエレクトロクロミック層に対して、前記第2のエレクトロクロミック層が異なる発色色彩を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<6> 前記第1のエレクトロクロミック層に対して、前記第2のエレクトロクロミック層が異なる形状でパターニングされている前記<1>から<5>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<7> 前記酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料が、トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物である前記<1>から<6>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<8> 前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)で示される前記<7>に記載のエレクトロクロミック表示素子である。
[一般式1]
An−Bm
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。前記Aは下記一般式2で示される構造であり、R1からR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。前記Bは下記一般式3で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
[一般式2]
<9> 前記電解質層が、イオン液体を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子である。
<10> 前記第1及び第2のエレクトロクロミック層の平均厚みが、0.2μm以上5.0μm以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子である。
2a 第1の電極
3a 第1のエレクトロクロミック層
4a 第1の対極反応層
1b 第2の基板
2b 第2の電極
3b 第2のエレクトロクロミック層
4b 第2の対極反応層
5 電解質層
10 エレクトロクロミック表示素子
20 エレクトロクロミック表示素子
Claims (8)
- 第1の基板と、
前記第1の基板上に設けられた第1の電極と、
前記第1の電極に対して間隔をおいて設けられた第2の基板と、
前記第2の基板上に設けられた第2の電極と、
前記第1の電極に接して設けられた第1のエレクトロクロミック層と、
前記第2の電極に接して設けられた第2のエレクトロクロミック層と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電解質層と、を有するエレクトロクロミック表示素子であって、
前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層が、いずれも酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料を含有し、前記酸化反応により発色するエレクトロクロミック材料が、互いに異なる発色色彩を有するトリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物であることを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。 - 前記第1のエレクトロクロミック層が前記第1の電極に対し、少なくとも一部の電極部分が露出するように形成され、かつ前記第2のエレクトロクロミック層が前記第2の電極に対し、少なくとも一部の電極部分が露出するように形成されている請求項1に記載のエレクトロクロミック表示素子。
- 前記第1の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第2のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う第1の対極反応層と、
前記第2の電極に対し、少なくとも一部が接するように設けられた前記第1のエレクトロクロミック層と電気的に逆反応を行う第2の対極反応層とを有する請求項1から2のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。 - 前記第1の対極反応層及び前記第2の対極反応層が、導電性粒子を含み多孔質構造を有している請求項3に記載のエレクトロクロミック表示素子。
- 前記第1及び第2のエレクトロクロミック層の平均厚みが、0.2μm以上5.0μm以下である請求項1から4のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。
- 前記第1のエレクトロクロミック層に対して、前記第2のエレクトロクロミック層が異なる形状でパターニングされている請求項1から5のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。
- 前記電解質層が、イオン液体を含有する請求項1から6のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。
- 前記トリアリールアミンを有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(1)で示される請求項1から7のいずれかに記載のエレクトロクロミック表示素子。
[一般式1]
An−Bm
ただし、n=2のときにはmは0であり、n=1のときmは0又は1である。A及びBの少なくとも1つはラジカル重合性官能基を有する。前記Aは下記一般式2で示される構造であり、R1からR15のいずれかの位置で前記Bと結合している。前記Bは下記一般式3で示される構造であり、R16からR21のいずれかの位置で前記Aと結合している。
[一般式2]
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