JP2013218143A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents
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Abstract
【目的】 特に、低温特性を改善したエレクトロクロミック素子を提供することを目的とする。
【解決手段】 高さ方向に間隔を空けて対向する第1の電極層及び第2の電極層と、各電極層間に挟持されたエレクトロクロミック層及び前記エレクトロクロミック層に接する電解質層と、を有し低温下で用いられるエレクトロクロミック素子において、電解質層8は、カリウム塩を含み、エレクトロクロミック層5,7は、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体であり、第1のエレクトロクロミック層5と第2のエレクトロクロミック層7のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムが用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】 高さ方向に間隔を空けて対向する第1の電極層及び第2の電極層と、各電極層間に挟持されたエレクトロクロミック層及び前記エレクトロクロミック層に接する電解質層と、を有し低温下で用いられるエレクトロクロミック素子において、電解質層8は、カリウム塩を含み、エレクトロクロミック層5,7は、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体であり、第1のエレクトロクロミック層5と第2のエレクトロクロミック層7のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムが用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高さ方向に間隔を空けた一対の電極層間にエレクトロクロミック層及び電解質層が挟持されたエレクトロクロミック素子に関する。
エレクトロクロミック素子は、高さ方向に間隔を空けた一対の電極層間にエレクトロクロミック層及び電解質層が挟持された構造である。電解質層には、液体状の電解質やゲル状の電解質を用いることができる。
特許文献1には、フェロシアン化イオンを用いたプルシアンブルーナノ粒子の安定化が記載されている。特許文献1の実施例を参照すると、プルシアンブルーナノ粒子の安定化剤としてフェロシアン化ナトリウムを用い、電解質層にはカリウム塩を用いている。
しかしながら、後述する実験結果に示すように、プルシアンブルーナノ粒子の安定化剤としてフェロシアン化ナトリウムを用い、電解質層にカリウム塩を用いた構成では、低温での応答速度が遅くなり、低温特性が悪化することがわかった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、低温特性を改善したエレクトロクロミック素子を提供することを目的とする。
本発明は、高さ方向に間隔を空けて対向する第1の電極層及び第2の電極層と、各電極層間に挟持されたエレクトロクロミック層及び前記エレクトロクロミック層に接する電解質層と、を有して低温下で用いられるエレクトロクロミック素子において、
前記電解質層は、カリウム塩を含み、
前記エレクトロクロミック層は、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体であり、
前記第1の電極層側に形成された第1のエレクトロクロミック層と前記第2の電極層側に形成された第2のエレクトロクロミック層のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムが用いられることを特徴とするものである。
前記電解質層は、カリウム塩を含み、
前記エレクトロクロミック層は、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体であり、
前記第1の電極層側に形成された第1のエレクトロクロミック層と前記第2の電極層側に形成された第2のエレクトロクロミック層のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムが用いられることを特徴とするものである。
また本発明は、高さ方向に間隔を空けて対向する一対の電極層と、各電極層間に挟持されたエレクトロクロミック層及び前記エレクトロクロミック層に接する電解質層と、を有するエレクトロクロミック素子の製造方法において、
カリウム塩を含む前記電解質層を形成し、
前記エレクトロクロミック層を、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体で形成し、このとき、前記第1の電極層側に形成された第1のエレクトロクロミック層と前記第2の電極層側に形成された第2のエレクトロクロミック層のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムを用いることを特徴とするものである。これにより従来に比べて低温特性を改善することができる。
カリウム塩を含む前記電解質層を形成し、
前記エレクトロクロミック層を、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体で形成し、このとき、前記第1の電極層側に形成された第1のエレクトロクロミック層と前記第2の電極層側に形成された第2のエレクトロクロミック層のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムを用いることを特徴とするものである。これにより従来に比べて低温特性を改善することができる。
本発明では、前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層の双方に対して前記フェロシアン化カリウムが用いられることが好ましい。これにより、より効果的に低温特性を改善できる。
また本発明では、前記第1のエレクトロクロミック層は、プルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)を含むインクにより印刷形成され、前記第2のエレクトロクロミック層は、ニッケル置換プルシアンブルー類似体(Ni3[Fe(CN)6]2)を含むインクにより印刷形成されることが好ましい。また本発明では、水溶液中に前記プルシアンブルー型錯体の沈殿物を得る工程と、前記沈殿物に対して安定化剤を添加する工程とを有して前記プルシアンブルー型錯体のインクを生成し、前記エレクトロクロミック層を、前記インクにより印刷して形成することが好ましい。これにより、より効果的に低温特性を改善できる。
本発明によれば、低温での応答速度を速くできて低温特性に優れたエレクトロクロミック素子にできる。
図1は、エレクトロクロミック素子の部分縦断面図である。
図1に示すエレクトロクロミック素子1は、第1の基材2と第2の基材3を有している。2つの基材2,3は例えば、ガラス基板などの透明基板である。
図1に示すエレクトロクロミック素子1は、第1の基材2と第2の基材3を有している。2つの基材2,3は例えば、ガラス基板などの透明基板である。
第1の基材2の対向内面に、酸化インジウムスズ(ITO)で形成された透明な第1の電極層4が形成され、第1の電極層4の表面に第1のエレクトロクロミック層5が形成されている。
また第2の基材3の対向内面に同じくITOで形成された透明な第2の電極層6が形成され、第2の電極層の表面に第2のエレクトロクロミック層7が形成されている。
図1に示すように第1のエレクトロクロミック層5と第2のエレクトロクロミック層7とは電解質層8を介して対向している。ただし、各エレクトロクロミック層5,7は膜厚方向で対向せず、平面視にてずれた状態とされていてもよい。
各エレクトロクロミック層5,7は、後述する安定化剤(表面処理剤)を使用できる構成であれば特に製造方法が規定されるものでないが、本実施形態では、インクにより印刷形成されたものであることが好適である。
例えば第1のエレクトロクロミック層5は、プルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)を含むインクを印刷して形成されたものであり、第2のエレクトロクロミック層7は、ニッケル置換プルシアンブルー類似体(Ni3[Fe(CN)6]2)を含むインクを印刷して形成されたものである。この明細書において、プルシアンブルー型錯体とは、M1x[Fe(CN)6]yの構造式で示され、x,yは任意の整数を示す。プルシアンブルー型錯体は、微粒子(ナノ粒子)である。また金属元素M1をFe以外の遷移元素で置換したプルシアンブルー型錯体を、プルシアンブルー類似体とする。
本実施形態では上記のように金属元素M1にはFe、あるいはNiを選択することが好ましい。
電解質層8にはカリウム塩が含まれる。本実施形態では、電解液として、炭酸プロピレンにビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムを溶解した電解液であることが好適である。または、カリウム塩として、テトラフルオロほう酸カリウム、過塩素酸カリウム、ヘキサフルオロりん酸カリウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム等も使用することできる。なお、電解質層8には、液体状電解質のみならず、ゲル状の電解質、固体電解質を用いることが出来る。
電解質層8を介して第1のエレクトロクロミック層5と第2のエレクトロクロミック層7との間で酸化還元反応が起こり、第1のエレクトロクロミック層5が酸化状態にあるとプルシアンブルー特有の紺青色を呈し、一方、第2のエレクトロクロミック層7は還元状態になり消色する(透明になる)。逆に、第2のエレクトロクロミック層7が酸化状態になると黄色を呈し、一方、第1のエレクトロクロミック層5は還元状態になり消色する(透明になる)。例えば、第1の基材2の表面2a側が表示面として、基材、電極及び電解質が透明あるいは透明に近い状態であれば、表面から第1のエレクトロクロミック層5における紺青の表示とともに、第2のエレクトロクロミック層7における黄色の表示とを交互に見ることができる。あるいは、電解質層8に、例えば酸化チタン等の白色粒子を入れて、電解質層8を白色化や有色化することで、表示面2aでは、第1のエレクトロクロミック層5の発色のみが表示され、第2のエレクトロクロミック層7の発色状態を見えなくすることができる。
本実施形態では、第1のエレクトロクロミック層5及び第2のエレクトロクロミック層7を形成するプルシアンブルー型錯体(M1x[Fe(CN)6]y)の安定化剤(表面処理剤)として、フェロシアン化カリウム(K4[Fe(CN)6])を用いた。
本実施形態では、電解質層8はカリウム塩で形成され、カリウム(K)イオンが陽イオンの主体となっている。このとき、電解質層8の陽イオンに合わせて、プルシアンブルー型錯体(M1x[Fe(CN)6]y)の安定化剤(表面処理剤)としてフェロシアン化カリウムを用いることで、前記安定化剤(表面処理剤)としてフェロシアン化ナトリウムを用いた従来例に比べて、低温での応答速度を効果的に速くでき、低温特性を改善できたことがわかった。なお本明細書において「主体」とは、電解質層8中に含まれる全ての陽イオンに対し、mol/lで換算して、80%以上占める状態を指す。
また本明細書において、「低温」とは0℃以下を指す。なお後述の実験では、0℃、−10℃、−25℃を低温として実験した。
抵抗値(電極層の抵抗、エレクトロクロミック層の抵抗、電解質抵抗が含まれる)が低下すると応答速度は速くなるが、後述する実験によれば、実施例(第1のエレクトロクロミック層5及び第2のエレクトロクロミック層7の少なくとも一方の安定化剤としてフェロシアン化カリウムを使用)のほうが従来例(第1のエレクトロクロミック層5及び第2のエレクトロクロミック層7の双方に安定化剤としてフェロシアン化ナトリウムを使用)に比べて、低温時におけるエレクトロクロミック素子1の抵抗値が小さくなった。
プルシアンブルー型錯体の安定化剤(表面処理剤)としてのフェロシアン化カリウムは第1のエレクトロクロミック層5及び第2のエレクトロクロミック層7のどちらか一方にのみ使用することもできるが、双方に使用したほうが後述する実験結果に示すように低温特性を効果的に改善できて好適である。
図2は、本実施形態におけるプルシアンブルー錯体を含むインクの製造工程を示す模式図である。図2(a)は、合成工程、図2(b)は、洗浄工程、図2(c)は、表面処理工程、図2(d)は乾燥工程、図2(e)は、インク化工程を示している。
図2(a)の合成工程では、Feを中心金属とする金属シアノ錯体陰イオンを含有する水溶液aと、金属原子M1の金属陽イオンを含有する硝酸水溶液bとを予め洗浄された遠沈管9内で混合する。その後、攪拌機にて攪拌し合成液10を得る。
遠心分離等を行うことで、図2(b)に示すようにプルシアンブルー型錯体の沈殿物11が析出する。さらに沈殿物11と分離した上澄み液12を廃棄し純水(洗浄液)を加える洗浄工程を繰り返した後、洗浄工程後の沈殿物11を瓶13に移して純水を加え、さらに懸濁液14に安定化剤cとしてフェロシアン化カリウムを添加し攪拌する(図2(c)参照)。さらに図2(d)では、懸濁液14から水を取り除いて乾燥させ、図2(e)では、溶媒(水)dを加えてインク化する。
プルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)を含むインクの製造方法では、図2(a)の工程で水溶液aとしてフェロシアン化ナトリウム(Na4[Fe(CN)6])水溶液と、硝酸水溶液bとして硝酸鉄(Fe(NO3)3)水溶液とを混合する。
また、ニッケル置換プルシアンブルー類似体(Ni3[Fe(CN)6]2)を含むインクの製造方法では、図2(a)の工程で水溶液aとしてフェリシアン化カリウム(K3[Fe(CN)6])水溶液と、硝酸水溶液bとして硝酸ニッケル(Ni(NO3)2)水溶液とを混合する。
なお図2(c)に示す工程では、安定化剤(表面処理剤)を数mol%〜数十mol%程度、例えば、7mol%〜15mol%程度の範囲内で添加する。安定化剤の添加量は、上記洗浄工程後の沈殿物11中に占めるプルシアンブルー型錯体を100mol%として調整される。
以上により製造されたインクを用いて、エレクトロクロミック層5,7を印刷形成することができる。
実験では図1に示す第1のエレクトロクロミック層5を、プルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)を含むインクにより印刷形成し、第2のエレクトロクロミック層7を、ニッケル置換プルシアンブルー類似体(Ni3[Fe(CN)6]2を含むインクにより印刷形成した。
また電解質層8として、炭酸プロピレンにビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウムを溶解した電解液を用いた。
実施例1では、第1のエレクトロクロミック層5及び第2のエレクトロクロミック層7の双方に、安定化剤としてフェロシアン化カリウム(K4[Fe(CN)6])を用いた。
また実施例2では、第1のエレクトロクロミック層5(プルシアンブルー)に安定化剤としてフェロシアン化ナトリウムを用い、第2のエレクトロクロミック層7(ニッケル置換プルシアンブルー類似体)に安定化剤としてフェロシアン化カリウムを用いた。
また実施例3では、第1のエレクトロクロミック層5(プルシアンブルー)に安定化剤としてフェロシアン化カリウムを用い、第2のエレクトロクロミック層7(ニッケル置換プルシアンブルー類似体)に安定化剤としてフェロシアン化ナトリウムを用いた。
また従来例では、第1のエレクトロクロミック層5及び第2のエレクトロクロミック層7の双方に安定化剤としてフェロシアン化ナトリウムを用いた。
各試料に対して、測定温度を25℃、0℃、−10℃及び−25℃と変化させるとともに、各測定温度において、電極間の電圧を変化させて、第1のエレクトロクロミック層(プルシアンブルー)5を発色状態から消色させ、その際の稼動電荷量を測定した。稼動電荷量はクロノクーロメトリーにより測定した。
その実験結果が図3に示されている。以下に示す表1は、図3の実験をもとに、測定温度が25℃で測定時間が30秒のときの稼動電荷量を100%としたときの、各測定温度(30秒)での電荷量比率を示したものである。
表1に示すように、電荷量比率は、各測定温度において100%に近いほうが応答速度が25℃のときの応答速度に近く、速いことを意味する。
図3をみてわかるように、実施例1〜3では、従来例よりも0℃〜−25℃の低温範囲でいずれも高い稼動電荷量を得ることができ、応答速度が速いことがわかった。
また表1に示すように、従来例では、−25℃になると、電荷量比率が25℃のときの約半分にまで落ち込むのに対し、実施例1〜3では、いずれも80%以上の高い電荷量比率を保ち、応答速度が従来よりも速いばかりか、常温(25℃)時と比べて応答速度の低下を抑制できることがわかった。このようにプルシアンブルー型錯体の安定化剤としてフェロシアン化カリウムを少なくとも一方のエレクトロクロミック層に用いた実施例では、プルシアンブルー型錯体の安定化剤としてフェロシアン化ナトリムを双方のエレクトロクロミック層に用いた従来例よりも低温特性に優れることがわかった。
続いて、各試料に対して、測定温度を25℃、0℃、−10℃及び−25℃と変化させるとともに、各測定温度において、電極間の電圧を変化させて、第1のエレクトロクロミック層(プルシアンブルー)5を消色状態から発色させ、その際の稼動電荷量を測定した。稼動電荷量はクロノクーロメトリーにより測定した。
その実験結果が図4に示されている。図4に示すように、測定温度が−25℃程度にまで低下すると、実施例のほうが従来例よりも顕著に低温特性に優れることがわかった。
続いて、各試料に対して、各測定温度時のときのインピーダンス(−0.4V時)を測定した。その実験結果が図5に示されている。そして図5のインピーダンス測定に基づいて抵抗値を算出した。その結果が以下の表2に示されている。
表2に示すように、実施例1〜3は、従来例に比べて測定温度の全範囲内にて低い抵抗値が得られた。実施例1と従来例との抵抗値差は、温度が低くなるにつれ大きくなった。抵抗は低いほうが応答速度が速いため実施例は従来例よりも応答速度が速く、低温特性を改善できたことがわかった。
実施例1のように、プルシアンブルー型錯体の安定化剤としてフェロシアン化カリウムを用いる構成は、第1のエレクトロクロミック層及び第2のエレクトロクロミック層の双方に対して行ったほうが、実施例2や実施例3のように、第1のエレクトロクロミック層及び第2のエレクトロクロミック層の一方に対してだけ行うよりも、低温範囲(0℃〜−25℃)において、図3や図4に示すように稼動電荷量(絶対値)を多くでき、また表2に示すように抵抗値を低くでき、低温特性をより好ましく改善できることがわかった。
1 エレクトロクロミック素子
2、3基材
4 第1の電極層
5 第1のエレクトロクロミック層
6 第2の電極層
7 第2のエレクトロクロミック層
8 電解質層
11 沈殿物
14 懸濁液
2、3基材
4 第1の電極層
5 第1のエレクトロクロミック層
6 第2の電極層
7 第2のエレクトロクロミック層
8 電解質層
11 沈殿物
14 懸濁液
Claims (6)
- 高さ方向に間隔を空けて対向する第1の電極層及び第2の電極層と、各電極層間に挟持されたエレクトロクロミック層及び前記エレクトロクロミック層に接する電解質層と、を有して低温下で用いられるエレクトロクロミック素子において、
前記電解質層は、カリウム塩を含み、
前記エレクトロクロミック層は、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体であり、
前記第1の電極層側に形成された第1のエレクトロクロミック層と前記第2の電極層側に形成された第2のエレクトロクロミック層のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムが用いられることを特徴とするエレクトロクロミック素子。 - 前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層の双方に対して前記フェロシアン化カリウムが用いられる請求項1記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記第1のエレクトロクロミック層は、プルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)を含むインクにより印刷形成され、前記第2のエレクトロクロミック層は、ニッケル置換プルシアンブルー類似体(Ni3[Fe(CN)6]2)を含むインクにより印刷形成される請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック素子。
- 高さ方向に間隔を空けて対向する一対の電極層と、各電極層間に挟持されたエレクトロクロミック層及び前記エレクトロクロミック層に接する電解質層と、を有するエレクトロクロミック素子の製造方法において、
カリウム塩を含む前記電解質層を形成し、
前記エレクトロクロミック層を、構造式がM1x[Fe(CN)6]y(ただしx,yは任意の整数である)で示されるプルシアンブルー型錯体で形成し、このとき、前記第1の電極層側に形成された第1のエレクトロクロミック層と前記第2の電極層側に形成された第2のエレクトロクロミック層のうち、少なくとも一方に前記プルシアンブルー型錯体の安定化剤として、フェロシアン化カリウムを用いることを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。 - 前記第1のエレクトロクロミック層及び前記第2のエレクトロクロミック層の双方に対して前記フェロシアン化カリウムを用いる請求項4記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
- 水溶液中に前記プルシアンブルー型錯体の沈殿物を得る工程と、前記沈殿物に対して安定化剤を添加する工程とを有して前記プルシアンブルー型錯体のインクを生成し、前記エレクトロクロミック層を、前記インクにより印刷して形成する請求項4又は5に記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
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Cited By (2)
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JP2017090890A (ja) * | 2015-11-11 | 2017-05-25 | 株式会社リコー | エレクトロクロミック素子 |
JP2022069684A (ja) * | 2017-04-26 | 2022-05-11 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | エレクトロクロミック素子 |
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2012
- 2012-04-10 JP JP2012089155A patent/JP2013218143A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022069684A (ja) * | 2017-04-26 | 2022-05-11 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | エレクトロクロミック素子 |
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