JPH10232413A - エレクトロクロミック素子及びその製造方法及び調光体 - Google Patents

エレクトロクロミック素子及びその製造方法及び調光体

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JPH10232413A
JPH10232413A JP9038131A JP3813197A JPH10232413A JP H10232413 A JPH10232413 A JP H10232413A JP 9038131 A JP9038131 A JP 9038131A JP 3813197 A JP3813197 A JP 3813197A JP H10232413 A JPH10232413 A JP H10232413A
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JP
Japan
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electrolyte
substrate
layer
redox material
urethane acrylate
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JP9038131A
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Inventor
Yumiko Saito
由美子 斎藤
Junichi Nagai
順一 永井
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対極材料層を必要としないで、高分子電解質を
用いたEC素子を得る。 【解決手段】EC層13を設けた電極12付き基板11
と、電極15付き基板16との間に、電解質層14とし
てレドックス材料を含有する高分子固体電解質であり、
その高分子固体電解質がウレタンアクリレートを硬化さ
せたものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレクトロクロミッ
ク(EC)現象を利用したEC素子及びその製造方法及
び調光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電圧を印加することにより酸
化又は還元するという化学現象を用いたEC現象を利用
した表示素子や調光体が知られている。この基本的なE
C素子は、図2に示すような構成を有する。
【0003】すなわち、一方の基板21上に、電極2
2、EC層23が設けられ、他方の基板26上に、電極
25、対極材料層28が設けられ、その間に電解質層2
4が設けられている。その周辺はシール材27でシール
されている。
【0004】このEC素子のEC層は、電極間への電圧
印加により酸化又は還元して発色するEC材料からな
り、代表的な材料としてはWO3 が知られている。電解
質としては電流を流せるものであればよく、これも液
体、固体で種々のものが知られている。
【0005】対向電極として用いられる対極材料層は、
電圧印加時にEC層が設けられていない側の電極で、電
極自体が酸化又は還元反応を起こさないために設けられ
る。具体的には、EC層側で酸化反応が起きるのであれ
ば、還元反応を起こさせ、EC層側で還元反応が起きる
のであれば、酸化反応を起こさせるものが使用されてい
る。この代表的なものとしては、二酸化マンガンとカー
ボンとの混合物を用いたものがあるが、黒色になる。
【0006】この場合、表示素子のように反射型で用い
る場合には、対極材料層の上に白色の背景板を載せて使
用できる。しかし、調光体で透過型で用いる場合には、
この対極材料層により少なくとも部分的には不透明な部
分ができる問題があった。
【0007】また、このような問題を防止するために、
対極材料層を設けないでEC素子を作成することも知ら
れている。この具体的な構成を図1に示す。すなわち、
一方の基板11上に、電極12、EC層13が設けら
れ、他方の基板16上に、電極15が設けられ、その間
に電解質層14が設けられている。その周辺はシール材
17でシールされている。この電解質層は、その中にレ
ドックス材料を有しており、対極材料層なしでITO等
の電極と接触していても、電極を還元させないで駆動が
可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】こうした図1の構成の
素子においては、レドックス材料を含む電解質が液体の
場合は、EC素子を大面積にすると種々の問題が発生し
た。具体的には、水圧により周辺のシール材が破壊され
たり、基板がガラスの場合、ガラスが割れたときにガラ
スや電解液が飛散し、耐久性及び安全性に問題があっ
た。また、基板面への圧力により、2枚の基板の電極が
接触して短絡を起こしやすい問題もあった。
【0009】このため、この電解質層として、高分子を
混ぜてゲル化して用いることも知られている。ゲル化す
ることにより、液体の場合よりも上記のような問題は減
少するが、粘性が高くなるので注入が面倒になり、やは
り流動しやすいという問題があった。
【0010】さらに、この電解質層をゲルから高分子電
解質化し、ヒドロキシアルキルアクリレート等の材料を
硬化させて網目状の高分子とし、その網目中にレドック
ス材料を溶媒に溶かした液を充填したような高分子電解
質を用い、2枚の基板の電極が接触しないようにするこ
とも提案されている(特開昭63−139321な
ど)。
【0011】しかし、ヒドロキシアルキルアクリレート
等の光硬化性の材料はレドックス材料と共存状態で硬化
させると、硬化できなかったり、短時間で硬化できなか
ったり、耐熱性が低いというような問題があった。
【0012】本発明は、かかる欠点を抑制し、駆動耐久
性、耐熱性、メモリー性及び安全性に優れたEC素子及
びその製造方法及びそれを用いた調光体の提供を目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電極付き基板
と、EC層を設けた電極付き基板との間に電解質を挟持
してなるEC素子において、電解質がレドックス材料を
含有する高分子固体電解質であり、その高分子固体電解
質がウレタンアクリレートを硬化させたものであること
を特徴とするEC素子を提供する。
【0014】また、その高分子固体電解質は、レドック
ス材料を溶媒に溶解した電解液が網目状の高分子の中に
保持されている高分子固体電解質であるEC素子を提供
する。また、それらのEC素子を用いたEC調光体を提
供する。
【0015】また、電極付き基板と、EC層を設けた電
極付き基板との間に電解質を挟持してなるEC素子の製
造方法において、2枚の電極付き基板間に、ウレタンア
クリレートとレドックス材料と溶媒とを含む液を挟持
し、光照射によりウレタンアクリレートを硬化させるこ
とを特徴とするEC素子の製造方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては、レドックス材
料共存下でウレタンアクリレートを硬化させることによ
り、対極材料層を要しなく、優れたEC特性を有すると
ともに、耐熱性に優れ、製造工程を簡略化したEC素子
を得ることができる。
【0017】本発明のEC素子の基本的な構成の断面図
を図1に示す。図1において、11、16は基板、1
2、15は電極、13はEC層、14は電解質層、17
は周辺のシール材を示す。ここには図示されていない
が、この電極12、15の間に電源が配置されて、必要
な電圧が印加される。
【0018】この基板は、非透明性、透明性のいずれも
使用できるが、透明性のものが好ましく、また平滑性を
有するものが好ましい。かかる基板としては、材質、厚
さ、寸法、形状等について目的に応じて適宜選択でき
る。材質としては、具体的には例えば、ポリエステル、
ポリスルホン、トリ酢酸セルロース、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリスチレン、ポリメチルペンテン等
のプラスチックフィルム、ガラス等が挙げられる。
【0019】透過型のEC素子の場合には、透明性の基
板が用いられる。この場合、スリガラスや白色のプラス
チックフィルムのような半透明のものも使用できる。ま
た、鏡用の場合には、非透明性基板を使用でき、金属や
セラミック等とすることもできる。また、電極を兼用す
る導電基板の場合には、アルミニウム膜、ステンレス
膜、銅膜等が挙げられる。
【0020】電極は、非透明性、透明性のいずれも使用
できるが、透明性のものが好ましく、具体的にはITO
(In23 −SnO2 )、SnO2 、ZnO等が挙げ
られる。これらは真空蒸着法、電子ビーム真空蒸着法、
スパッタリング法等公知の方法で基板上に成膜できる。
また、低抵抗にするために、一部に金属で線状や格子状
に配線を併用してもよい。鏡用の場合には、金属の反射
性電極とすることもできる。
【0021】また、EC層としては、公知の層形成可能
なECが使用できる。具体的には、WO3 、MoO3
25 、Nb25 、TiO2 等の還元発色型材料
や、NiO、Cr23 、MnO2 、CoO等の酸化発
色型材料等が好適であり、これらは真空蒸着法、電子ビ
ーム真空蒸着法、スパッタリング法等公知の方法で成膜
できる。膜厚は、特に限定されないが、通常10〜20
00nm程度の範囲とされる。20〜1000nm程度
が特に好ましい。
【0022】本発明のレドックス材料を含む高分子固体
電解質は、レドックス材料とウレタンアクリレートとを
硬化させて形成する。この際に、必要に応じて溶媒や支
持電解質を併用する。このウレタンアクリレートとして
は下記式1で示される化合物が好適に使用できる。より
好ましいウレタンアクリレートとしては例えば下記式2
で示される化合物が挙げられる。
【0023】
【化1】
【0024】式1においてXはウレタン結合(−OCO
NH−又は−NHCOO−)部分を含む2価の有機基で
あり、R1 及びR2 は同一又は異なる基であって、式
3、式4又は式5で示される基を意味する。
【0025】式2において、R1 及びR2 は同一又は異
なる基であって、式3、式4又は式5で示される基を意
味する。R3 及びR4 は同一又は異なる基であって、炭
素数1〜20のジイソシアネートの2つのイソシアネー
ト基を除いた2価の有機基を示す。Yは両末端が炭素原
子である2価の有機基を示す。Yはエーテル結合(−O
−)部分、エステル結合(−COO−又は−OCO−)
部分及びカーボネート結合(−OCOO−)部分から選
ばれる1種又は2種以上を含む有機基であるかアルキレ
ン基であることが好ましく、これらエーテル結合部分、
エステル結合部分又はカーボネート結合部分を複数個含
んでもよい。nは0〜100の整数を示す。式2で示さ
れる化合物の分子量は400〜20000の範囲である
ことが好ましい。
【0026】式3、式4及び式5において、R5 、R
6 、R7 は同一又は異なる基であって、水素原子又は炭
素数1〜3のアルキル基を示し、R8 は炭素数1〜20
の2価の有機基を示し、R9 は炭素数1〜20の2価の
有機基を示し、R10は炭素数1〜20の2価の有機基を
示す。
【0027】本発明における好ましいウレタンアクリレ
ートの例としては、具体的には、以下の式6、式7、式
8又は式9で示される化合物などが挙げられる。式6〜
式9において、Aはアクリロイルオキシ基(CH2 =C
H−COO−)を意味し、k及びnはそれぞれ独立に1
以上の整数を示す。なお、本発明において採用できるウ
レタンアクリレートは、これらの具体例に限定されな
い。
【0028】
【化2】
【0029】電解質に用いる溶媒としては、有機非水溶
媒が用いられる。具体的にはプロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、スルホラン、3−メチルスルホ
ラン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシ
エタン、N,N,N’,N’−テトラエチルスルファミ
ド等又はこれらの混合物等が挙げられる。
【0030】支持電解質としては、特に限定されない
が、例えば、アルカリ金属塩や4級アンモニウム塩等が
挙げられる。アルカリ金属塩としては、過塩素酸リチウ
ム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、テトラフ
ルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウ
ム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオロリ
ン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキ
サフルオロリン酸カリウム、トリフルオロ酢酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等が挙げら
れる。
【0031】4級アンモニウム塩としては、過塩素酸テ
トラエチルアンモニウム、過塩素酸テトライソプロピル
アンモニウム、過塩素酸テトラn−ブチルアンモニウム
等の過塩素酸の4級アンモニウム塩、又はテトラフルオ
ロホウ酸テトラエチルアンモニウム、テトラフルオロホ
ウ酸テトラn−ブチルアンモニウム等のテトラフルオロ
ホウ酸の4級アンモニウム塩、又はヘキサフルオロリン
酸テトラエチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸テ
トラn−ブチルアンモニウム等のヘキサフルオロリン酸
の4級アンモニウム塩、又はトリフルオロメタンスルホ
ン酸テトラn−ブチルアンモニウム等のトリフルオロメ
タンスルホン酸の4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0032】支持電解質であるアルカリ金属塩や4級ア
ンモニウム塩の含有量は、特に限定されないが、通常得
られる高分子固体電解質において0.5〜30重量%、
特に1〜20重量%が好ましい。レドックス材料自体が
支持電解質として機能する場合には、別途の支持電解質
を用いないこともできる。
【0033】本発明に用いるレドックス材料としては、
電解質中において安定に酸化還元可能なものが好まし
く、例えば、フェロセン、ヨウ化リチウム、塩化銅等が
挙げられる。レドックス材料の含有量は、特に限定され
ないが、通常得られる高分子固体電解質において0.5
〜30重量%、特に1〜20重量%が好ましい。本発明
において、ヨウ化リチウムはレドックス材料兼支持電解
質として使用できる。
【0034】本発明に用いるレドックス材料を含む高分
子固体電解質には、必要に応じて反応性希釈剤を混合し
てもよい。反応性希釈剤としては、例えば、N−ビニル
ピロリドン、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、カルビトールアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリ
レート等又はこれらの混合物等が挙げられる。これらは
本発明の効果を損しない範囲内で併用できる。反応性希
釈剤の使用量は、特に限定されないが、得られる高分子
固体電解質において0〜20重量%程度となる。
【0035】本発明では、硬化した状態で網目状の高分
子の間にレドックス材料の液、具体的にはレドックス材
料が溶解した液が充填された状態となっている。これに
より、2枚の基板の電極間に電圧を印加すると、電解質
層に電流が流れ、EC層が酸化還元反応により着消色す
る。
【0036】本発明のレドックス材料を含む高分子固体
電解質を形成する方法としては、前記のウレタンアクリ
レート、溶媒、支持電解質及びレドックス材料を含む組
成物に光重合開始剤を加え、光硬化により固化する方法
が挙げられる。前記光重合開始剤は、紫外線を吸収して
重合反応を開始させるものであれば、特に限定されな
い。
【0037】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイ
ンエチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、
イソブチルベンゾインエーテル、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン
−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、ベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニ
ルホスフィンオキシド又はこれらの混合物等が挙げられ
る。光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、通
常得られる高分子固体電解質において0.01〜30重
量%、特に0.1〜10重量%が好ましい。
【0038】本発明のEC素子の製造方法は、特に限定
されないが、EC層を有する電極付き基板と、電極付き
基板とを周辺部にシール材を配置してできる間隙に、前
記ウレタンアクリレート、溶媒、支持電解質及びレドッ
クス材料を含む組成物及び光重合開始剤を充填し、光に
より硬化させる方法により生産性良く製造される。
【0039】このようにして形成されたEC素子は、特
に大面積調光体用に好適である。具体的には、自動車、
列車、航空機、船舶等の窓、住宅や建築物の窓、間仕切
り等の用途がある。
【0040】本発明は基板自体をガラスで形成し、EC
素子自体で調光体として用いてもよく、EC素子にガラ
ス等を一体化して用いてもよい。また、電極をパターニ
ングすれば、表示素子としても使用できる。特に、本発
明は大面積用に好適なので、公衆表示のような大型表示
素子にも適用できる。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例(例7〜24、例30)
及び比較例(例1〜6、例25〜29、例31〜33)
により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0042】(1)電極基板の作製 10cm×10cmのITO付きガラス基板上に、室温
において2nm/秒の条件下、厚さ500nmとなるよ
うに、WO3 を蒸着し、EC層を設けた電極基板(以下
EC基板という)を作製した。一方、EC層を設けない
同じITO付きガラス基板を対向基板とした。
【0043】(2)EC素子の作製 EC基板と対向基板とを相対向せしめ、周辺をエポキシ
樹脂で5mm幅でシールし、内部に表1及び表2で示さ
れる電解質材料を混合した組成物を真空注入して注入口
をエポキシ樹脂で封止したのち、紫外線照射機により光
硬化させた。次いでEC基板及び対向基板の電極の各々
にリード線を接続してEC素子を作製した。得られたE
C素子の性能評価を下記の各試験に基づいて評価した。
【0044】その結果、比較例の例1〜6及び例25〜
28は、高分子が硬化しなく、高分子電解質が作成でき
なかった。この結果を表1、表2の「硬」の欄に示し、
「○」は硬化できたもの、「×」は硬化しなかったもの
を示す。なお、例33は、高分子を含まない液体のEC
素子の比較例である。
【0045】なお、電解質材料は、高分子原料、溶媒、
レドックス材、光重合開始剤を含み、表1、表2では略
称しているが、夫々以下のものを意味する。
【0046】U:ウレタンアクリレート:いずれも1
g。 U1:東亜合成化学工業社製商品名M−1200、 U2:東亜合成化学工業社製商品名M−1210、 U3:東亜合成化学工業社製商品名M−1310。
【0047】M40G:メトキシポリエチレングリコー
ル(新中村化学工業社製商品名M−40G)、 9G:ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中
村化学工業社製商品名9G)、 HOBA:2−ヒドロキシブチルアクリレート(共栄社
油脂化学工業社製商品名HOBA)。
【0048】溶媒 A:1モル/リットルの過塩素酸リチウムを溶解したγ
−ブチロラクトン、 B:γ−ブチロラクトン。
【0049】レドックス F:フェロセン、 L:ヨウ化リチウム。
【0050】光:光重合開始剤:いずれも40mg。 D:日本チバガイギー社製商品名ダロキュア1173、 I:日本チバガイギー社製商品名イルガキュア184、 T:BASF社製商品名ルシリンTPO。
【0051】(3)透過率変化(着色試験及び消色試
験) EC基板側が負極、対向基板側が正極となるように1.
5Vの電圧を10秒間印加した後(着色状態)の可視光
透過率を測定した。また、その後EC基板側が正極、対
向基板側が負極となるように1Vの電圧を30秒間印加
した後(消色状態)の可視光透過率を測定した。その結
果を表1、表2の「透過率」の欄に示す。矢印の左側の
数値が消色時の透過率、右側の数字が着色時の透過率を
示す。
【0052】(4)メモリー性試験 可視光透過率が20%になるまで着色電圧を印加し、そ
の後回路を開放した後に、可視光透過率が消色状態にな
るまでに要する時間を測定した。本発明の実施例のもの
はいずれも30分以上の時間を要した。これは比較例の
例32、例33よりもややメモリー性が高かった。
【0053】(5)サイクル試験 前記着色試験と消色試験を100000回行った。本発
明の実施例のものはいずれも着色の消え残り、応答性の
低下、光学密度変化の低下等はみられず、きわめて安定
したサイクル特性であった。
【0054】(6)耐熱駆動試験 60℃の恒温槽内において前記着色試験と消色試験を1
00000回行った。本発明の実施例のものはいずれも
着消色ムラや発泡、黄変などの外観上の変化や光学密度
変化の低下等はみられず、きわめて良好な耐熱性であっ
た。一方、高分子が硬化した比較例の例29、例31、
例32及び高分子を用いていない例33では、着消色ム
ラや発泡、黄変等の外観上の変化や光学密度変化の低下
がみられた。この結果を表1、表2の「熱」の欄に示
し、「○」は耐熱駆動試験で問題がなかったもの、
「×」は耐熱駆動試験で問題があったものを示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明のEC素子は、高分子固体電解質
にウレタンアクリレート及びレドックス材料を含有させ
ているので、対極材料層が不要で、かつEC特性も優れ
る。高分子化しているので、大面積でも電極の短絡の危
険性がなく、破損もしにくく、万一破損しても液漏れの
危険性が低い。さらに、光重合で製造できるので生産性
が良い。
【0058】また、印加電圧が比較的低い場合にも発色
効率が高く、すなわち着消色時の光学密度差が大きく、
その結果として発色−消色サイクルの寿命に優れてお
り、耐熱性に優れており、メモリー性も高い。
【0059】また、本発明のEC素子は、対極材料層が
不要なので、実質的に透光性の素子とすることができ着
消色のコントラストが大きい。したがって、例えば車両
用ガラス、建築物の窓や間仕切り等の種々の用途に好適
に使用できる。本発明は、本発明の効果を損しない範囲
内で、種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対極材料層を有しないEC素子の断面
図。
【図2】従来の対極材料層を有するEC素子の断面図。
【符号の説明】 基板 :11、16、21、26 電極 :12、15、22、25 EC層 :13、23 電解質層 :14、24 シール材 :17、27 対極材料層 :28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極付き基板と、エレクトロクロミック層
    を設けた電極付き基板との間に電解質を挟持してなるエ
    レクトロクロミック素子において、電解質がレドックス
    材料を含有する高分子固体電解質であり、その高分子固
    体電解質がウレタンアクリレートを硬化させたものであ
    ることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 【請求項2】高分子固体電解質は、レドックス材料を溶
    媒に溶解した電解液が網目状の高分子の中に保持されて
    いる高分子固体電解質である請求項1記載のエレクトロ
    クロミック素子。
  3. 【請求項3】電極付き基板と、エレクトロクロミック層
    を設けた電極付き基板との間に電解質を挟持してなるエ
    レクトロクロミック素子の製造方法において、2枚の電
    極付き基板間に、ウレタンアクリレートとレドックス材
    料と溶媒とを含む液を挟持し、光照射によりウレタンア
    クリレートを硬化させることを特徴とするエレクトロク
    ロミック素子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のエレクトロクロミッ
    ク素子を用いたエレクトロクロミック調光体。
JP9038131A 1997-02-21 1997-02-21 エレクトロクロミック素子及びその製造方法及び調光体 Pending JPH10232413A (ja)

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JP9038131A Pending JPH10232413A (ja) 1997-02-21 1997-02-21 エレクトロクロミック素子及びその製造方法及び調光体

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JP (1) JPH10232413A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100820157B1 (ko) * 2002-03-08 2008-04-08 주식회사 엘지이아이 전기변색물질을 이용한 스마트 윈도우 및 그 제조방법
KR100990970B1 (ko) * 2008-09-11 2010-10-29 한국에너지기술연구원 산란층을 포함하는 염료감응 태양전지용 겔형 고분자 전해질, 이를 포함하는 염료감응 태양전지 및 염료감응 태양전지의 제조방법
US7830582B2 (en) 2003-07-31 2010-11-09 Satoshi Morita Electrochromic display
US7858983B2 (en) 2003-07-31 2010-12-28 Satoshi Morita Electrochromic display with current drive circuit

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KR100990970B1 (ko) * 2008-09-11 2010-10-29 한국에너지기술연구원 산란층을 포함하는 염료감응 태양전지용 겔형 고분자 전해질, 이를 포함하는 염료감응 태양전지 및 염료감응 태양전지의 제조방법

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