JP2016060782A - 紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物、及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記した紫外線硬化型樹脂組成物は、通常、紫外線を発生させる光源として、高圧水銀灯、ハロゲン化鉄系メタルハライドランプ等が使用され、これらの照射において、良好な硬化性を発揮する。
(A)式(I):
(式中、
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B)23℃における粘度が10〜10,000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(C)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドからなる群より選ばれるアシルフォスフィンオキシド化合物;
(D)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸のC7〜C9アルキルエステルからなる群より選ばれるベンゾトリアゾール化合物;並びに
(E)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートからなる群より選ばれるヒンダードアミン化合物
を含み、ここで、
(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、
(A)〜(E)の合計100重量%中、(C)が0.08〜0.25重量%であり、(D)が0.5〜5.0重量%であり、(E)が0.1〜0.5重量%である、
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物に関する。
本発明の第2の態様は、(E)が、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである、本発明の第1の態様の組成物に関する。
本発明の第3の態様は、さらにシランカップリング剤を含む、本発明の第1又は第2の組成物に関する。
本発明の第4の態様は、本発明の第1〜第3の態様のいずれかの組成物からなる画像表示装置用シール剤に関する。
本発明の第5の態様は、本発明の第4の態様の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置に関する。
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンを含有する。
このような混合物とすることで、耐UVA性がより優れる硬化物が得られる傾向がある。
2RSH + I2 → RSSR + 2HI
の反応を利用した方法であり、滴定中、微量の過剰ヨウ素で滴定液が微黄色になることを利用する。
(1)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、400cP以下の範囲は、No.2ローターを使用し、400超〜1,500cPの範囲は、No.3ローターを使用し、1,500cP超の範囲は、No.4ローターを使用し、60rpmで、23℃における粘度を測定した。
ヨウ素源として、1/10規定ヨウ素溶液(特級試薬)を使用し、比色滴定により、単位重量当りのメルカプト基数を定量した。
計算方法: SH含有量(mmol/g) = (A×P×0.1)/(W×C)
A:変色するまでに要したヨウ素溶液滴下量
P:ヨウ素溶液の補正係数(試薬に記載されている補正係数):補正が必要な場合に記載
W:サンプル重量(g)
C:サンプルの不揮発分
予備測定を行ない、ヨウ素溶液量を求め、その後精度よく3回測定し、3回の平均値を求めた。
紫外線光源におけるUVA(315〜400nm)の照射量は、オーク製作所社製紫外線光量計UV−350を用いて測定した。
イエロールーム内にて、調製した組成物を50ml容量のガラスびんに移し、不溶物及びカスミの有無を目視にて確認する方法で外観を評価した。
厚さ1.1mmのガラス板2枚を使用した。一方のガラス板は被着面の反対側について黒色PVCテープを用いて全面遮光した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が20mmx10mm、厚さを150μmになるように貼り合わせた。次いで、遮光されていない側から、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射して、せん断試験体を作製した。せん断試験体作製直後に島津製作所(株)製引張試験機(AG−IS型)で引張速度10mm/分にて引張試験を実施した。各せん断試験体における組成物の硬化状態を目視および指触によって確認する方法で硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:3,000mJ/cm2
紫外線エネルギー照射量を以下の量に変えて、定性硬化評価1と同様にして、硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm2
紫外線エネルギー照射量を以下の量に変えて、定性硬化評価1と同様にして、硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:10,000mJ/cm2
紫外線エネルギー照射量を以下の量に変えて、定性硬化評価1と同様にして、硬化性を評価した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:20,000mJ/cm2
厚さ1.1mmのガラス板2枚を使用した。一方のガラス板は被着面の反対側について黒色PVCテープを用いて全面遮光した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が20mmx10mm、厚さを150μmになるように貼り合わせた。次いで、遮光されていない側から、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射して、せん断試験体を作製した。せん断試験体作製直後に島津製作所(株)製引張試験機(AG−IS型)で引張速度10mm/分にて引張試験を実施した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm2
ガラス上の紫外線硬化型樹脂組成物の凝集破壊部分の面積Smm2を求め、
(100×S)/(10×20)
を計算して凝集破壊率(%)とした。
厚さ1mmのガラス板2枚を使用した。2枚のガラス板を、組成物の寸法が50mmx50mm、厚さが180μmになるように貼り合わせた。次いで、メタルハライドランプ(ウシオ電機社製UVL−4001M3−N1)からの光を照射して、試料を作製した。
紫外線エネルギー照射量 UVA:6,000mJ/cm2
作製した試料について、測定装置CM−3500d(コニカミノルタ社製)を用いて、光源をUVA−340としたQ−Lab社製Q−UV環境試験機により、放射強度0.89W/m2/nmにて200時間の処理を行った後の試料についてイエローインデックス(ASTM D1925)を測定した。なお、UVA−340は、太陽光の短波長領域である295nmから365nmまでの波長域を忠実に再現している紫外線ランプである。良好な耐UVA性を示す指標としてはイエローインデックス値1.0未満とした。
「(7)イエローインデックス」と同様にして、試料を作製した。
作製した試料について、JIS K 7105に準拠し、ヘーズメータNDH5000(日本電色工業株式会社製)を用いて、光源をUVA−340としたQ−Lab社製Q−UV環境試験機により、放射強度0.89W/m2/nmにて200時間の処理を行った後の試料についてヘーズを測定した。良好な耐UVA性を示す指標としてはヘーズ値1.0未満とした。
「(7)イエローインデックス」と同様にして、試料を作製した。
作製した試料について、光源をUVA−340としたQ−Lab社製Q−UV環境試験機により、放射強度0.89W/m2/nmにて200時間の処理を行った後の試料について、気泡生成の有無を目視にて確認した。
(a)両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン
(a−1):両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン(フェニル5%、粘度20,000cP)
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
平均単位式:CH2=CH−Si(CH3)2−O−{Si(CH3)2O}618−{SiPh2O}32−Si(CH3)2−CH=CH2
分子量:52,323、単位重量あたりビニル基数:0.038mmol/g
(a−2):両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン(フェニル5%、粘度3,000cP)
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
平均単位式:CH2=CH−Si(CH3)2−O−{Si(CH3)2O}335−{SiPh2O}18−Si(CH3)2−CH=CH2
分子量:28,639、単位重量あたりビニル基数:0.07mmol/g
(a−3):両末端ビニルポリフェニルメチルシロキサン(フェニル5%、粘度1,000cP)
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
平均単位式:CH2=CH−Si(CH3)2−O−{Si(CH3)2O}177−{SiPh2O}9−Si(CH3)2−CH=CH2
分子量:15,085、単位重量あたりビニル基数:0.133mmol/g
冷却用還流管、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した3Lのセパルブルフラスコに、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン1840g、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン259g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン7.5gを150〜160℃にて窒素ガス0.5Nm3/hにて3時間加熱攪拌することにより脱水を行い、その後水酸化カリウム0.1gを加えて加熱攪拌を行った。加熱撹拌は、フラスコ内で水酸化カリウムが溶解し均一になり、固体の1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサンが開環重合して消失し、生成物が平衡化するまで約8時間継続した。このときの粘度は14,000〜17,000cPであった。その後、エチレンクロロヒドリン10gにて100℃にて中和後、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過した後、170〜180℃、2mmHgの減圧下にて低沸分を除去することにより、末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位であるビニル末端ポリメチルフェニルシロキサン1880gを得た。
(b)メルカプトプロピル基含有ポリメチルシロキサン
粘度:300cP
単位重量当りのメルカプト基数:0.98mmol/g
(b)は、以下のようにして合成した。
冷却用還流管、滴下ロート、攪拌装置としてスリーワンモーターを装備した5Lのセパルブルフラスコ中の、ジメチルジクロロシラン1549.2g(12mol)、トリメチルクロロシラン21.7g(0.2mol)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン196.4g(1.0mol)及びトルエン1500gに、水1000gとトルエン500gの混合物を、滴下ロートから約1時間かけて滴下した。70℃で2時間加熱攪拌しながら加水分解を行なった。反応終了後、水相を分離し、水洗し、次いで100〜125℃にて加熱により脱水を行なった。脱水終了後、50%水酸化カリウム水溶液1.5gを加え、115〜125℃で5時間加熱攪拌することにより縮合反応を行った。エチレンクロロヒドリンにて中和後、トルエンを1200〜1300g脱溶し、スーパーセライトフロスを濾過助剤に用いて濾過し、その後残存するトルエンを常圧及び減圧下にて除去し、ケイ素原子に結合するメルカプトプロピル基を含有するポリメチルシロキサン928gを得た。
(c−1)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド
(c−2)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド
(d−1)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸C7〜C9アルキルエステル(BASF社製、Tinuvin384−2)
(e−1)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(BASF社製、Tinuvin123)
(e−2)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物(BASF社製、Tinuvin765)
その他シリコーン(1):両末端ビニルポリジメチルシロキサン(粘度10,000cP)
その他シリコーン(2):M単位((CH3)3SiO1/2−単位)、Dv単位(−(CH3)(CH2=CH)SiO−単位)及びQ単位(SiO4/2(4官能性)単位)からなり、モル単位比がM6DvQ8で示される分岐状ポリメチルビニルシロキサン
その他シリコーン(3):M単位((CH3)3SiO1/2−単位)及びQ単位(SiO4/2(4官能性)単位)からなり、モル単位比がMQで示される分岐状ポリメチルビニルシロキサン
重合禁止剤:p−t−ブチルカテコール
シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
その他のベンゾトリアゾール(1):2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール(BASF社製、Tinuvin326)
その他のベンゾトリアゾール(2):2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(BASF社製、Tinuvin928)
その他の光反応開始剤(1):2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製、Darocur1173)
その他の光反応開始剤(2):2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製、Irgacure651)
〔ベース組成の調製〕
表1のベース組成に記載された成分のうち、(a−1)〜(a−3)、その他のシリコーン(1)〜その他のシリコーン(3)、(b)、重合禁止剤を万能混練り機により撹拌混合して均一な組成物とした。それにシランカップリング剤を添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得て、これをベース組成とした。
〔追加成分の添加〕
表1に記載の追加成分を密閉容器により60℃に加熱して撹拌を繰り返して均一な溶液とし、これをベースとなる組成物に添加し、ポリプロピレン製カップと金属スパチュラにより混合して均一な組成物を得ることにより、実施例及び比較例の組成物を調製した。組成物について物性評価を行なった。表2に結果を示す。なお、表1における数値は重量に基づく。
比較例1は、(C)の量が0.25重量%超であるため、得られる硬化物の耐UVA試験後のイエローインデックス値及びヘーズ値が1.0超であり、耐UVA性に劣っていた。比較例2は、(C)の量が0.08重量%未満であるため、硬化性に劣っていた。比較例3は、(E)を含まないため、得られる硬化物は耐UVA試験後のイエローインデックスが高く、耐UVA性に劣っていた。比較例4及び5は、いずれも、(D)を含まず、かつ(D)以外のベンゾトリアゾール化合物を含むため、不溶物が沈殿しており、均一な液状の組成物ではなかった。比較例6は、(D)及び(E)を含まないため、得られる硬化物は耐UVA試験後のイエローインデックスが高く、気泡が生成しており、耐UVA性に劣っていた。
Claims (5)
- (A)式(I):
(式中、
各R1は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
各Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、Rのうち、1〜40モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜100,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン;
(B)23℃における粘度が10〜10,000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(C)2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシドからなる群より選ばれるアシルフォスフィンオキシド化合物;並びに
(D)3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンゼンプロピオン酸のC7〜C9アルキルエステルからなる群より選ばれるベンゾトリアゾール化合物;並びに
(E)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート及びメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートからなる群より選ばれるヒンダードアミン化合物
を含み、ここで、
(A)中の脂肪族不飽和基数に対する、(B)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.1〜10であり、
(A)〜(E)の合計100重量%中、(C)が0.08〜0.25重量%であり、(D)が0.5〜5.0重量%であり、(E)が0.1〜0.5重量%である、
紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。 - (E)が、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートである、請求項1記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
- さらにシランカップリング剤を含む、請求項1又は2記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1〜3いずれか1項記載の紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物からなる画像表示装置用シール剤。
- 請求項4記載の画像表示装置用シール剤を用いて、画像表示部と保護部とが封止された画像表示装置。
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