JPWO2013031798A1 - 耐熱衝撃性硬化物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、下記一般式(1)〜(5)で表されるモノマーを、特定割合で、酸触媒の存在下に、共重縮合させて硬化物前駆体を得る縮合工程と、前記硬化物前駆体が有するエチレン性不飽和結合の少なくとも一部を重合させて硬化物前駆体を硬化させる硬化工程と、を備える、耐熱衝撃性硬化物の製造方法であり、また、得られる硬化物である。【化1】【化2】【化3】【化4】【化5】〔式(1)〜(5)中、(X)はシロキサン結合生成基であり、R1、R2及びR4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基の中から選択される基であり、R3及びR5は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基であり、R1、R2及びR4のうちの少なくとも一つはエチレン性不飽和結合を有する基である。

Description

本発明は、耐熱衝撃性に優れ、半導体デバイスやプリント配線板等における電子部品用の接着材部や封止部、保護膜等に用いることのできる耐熱衝撃性硬化物及びその製造方法に関する。
半導体デバイス、プリント配線板等の電子機器は、例えば、樹脂、ガラス、金属等を含む基板に、種々の電子部品を備える。電子部品を固定するために、目的又は用途に応じて、はんだ、接着剤等が用いられている。
例えば、環境問題の観点から、電子部品を基板に接続するために用いるはんだは、従来のスズ−鉛系はんだから鉛フリーはんだへの切り替えが進んでいる。鉛フリーはんだの融点は、従来のスズ−鉛系はんだよりも高い220℃であり、これに伴って、鉛フリーはんだを使用する電子回路基板のリフロー加工温度が従来の230℃から260℃に上げられている。電子回路基板に用いられる材料について、この260℃での熱衝撃に耐えることが求められている。
また、半導体チップの高集積化、大容量化に伴い、半導体デバイスの発熱量が増える一方であるのに対して、半導体デバイスを内包する電子機器の筐体は、軽薄短小化している。そのため、電子機器内部における高密度化は更に進み、電子回路基板及び電子部品の熱的環境は厳しくなっている。そして、電子機器を使用した際の負荷の変動や環境変化に伴って温度の急変動が繰り返される状況になっている。このような状況は発光ダイオード(LED)に対しても言える。LEDの用途の拡大に伴って、屋外等の厳しい環境で用いられることもあるため、発熱を伴う部品への、保護膜の必要性が高まっている。しかしながら、LEDの高輝度化に伴う高い発熱量に対して、十分な除熱をすることが難しく、点滅の度にLEDを含む電子部品の温度が大きく上下する場合に、保護膜において、熱衝撃による剥離やクラックを生じることがあった。このように、電子回路材料に用いられる耐熱衝撃性の高い硬化膜が求められている。
特許文献1には、一般式R’m(H)kSiX4-(m+k)で表されるシラン化合物とヒドロシリル化反応剤とを反応させて得た熱硬化性シリコーン重合体含有樹脂を備える基板が開示されている。実施例においては、288℃、30秒間のはんだリフローによってクラックが発生しなかったことが記載されている。また、上記の発明においてヒドロシリル化反応を起こさせるためには高温で反応させるか、塩化白金酸等の触媒が必要である。しかし、高温での反応は半導体チップに悪影響がある。また、触媒を用いた場合には、反応後に触媒を除くことが難しいことや、触媒が残留したままの重合体を用いると、変色等の劣化を引き起こしやすいから、電子材料用途や保護膜の用途として用いるには十分なものではなかった。
ヒドロシリル化反応を用いないポリシロキサン化合物としては、例えば、特許文献2に、少なくとも2種類のアルコキシシランをアルカリ性条件下で加水分解共重縮合させる製造方法により得られたポリシロキサン化合物の記載がある。硬化物としての耐熱衝撃性については検討されたことはなかった。また、酸性条件下で加水分解共重縮合させる製造方法により得られるポリシロキサン化合物は保存安定性に劣るとして採用されなかった。即ち、少なくとも2種類のアルコキシシランを加水分解共重縮合させて得られたポリシロキサン化合物に加えて、このポリシロキサン化合物を含む硬化性組成物とすることも知られていた。しかし、耐熱衝撃性の高い硬化物という課題については未検討であり、どのような製法による、どのような特定の組成のものが耐熱衝撃性の高い硬化物を与えるかについては知られていなかった。
特開2011−61211号公報 WO2009/131038国際公開公報
本発明の課題は、耐熱衝撃性に優れ、金属、ガラス、樹脂等からなる基材における接着状態からの剥離が発生し難い硬化物及び、その製造方法を提供することである。
本発明者らは、下記一般式(1)で表されるモノマー、下記一般式(2)で表されるモノマー、下記一般式(3)で表されるモノマー、下記一般式(4)で表されるモノマー及び下記一般式(5)で表されるモノマーを、それぞれ、aモル、wモル、xモル、yモル及びcモルの割合で、酸触媒の存在下に、共重縮合させて硬化物前駆体を得る縮合工程と、前記硬化物前駆体が有するエチレン性不飽和結合の少なくとも一部を重合させて硬化物前駆体を硬化させる硬化工程と、を備え、w及びxは正の数であり、a、y及びcは0又は正の数であり、且つ、a、w、x、y及びcの関係が0<w/(a+x+y+2c)≦10である製造方法によって得られる硬化物は、耐熱衝撃性に優れ、基材との密着性にも優れることを見出した。
Figure 2013031798
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Figure 2013031798
Figure 2013031798
Figure 2013031798
一般式(1)〜(5)において、(X)はシロキサン結合生成基であり、R1、R2及びR4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基の中から選択される基であり、R3及びR5は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基であり、R1、R2及びR4のうちの少なくとも一つはエチレン性不飽和結合を有する基である。また、各モノマー中に(X)が複数ある場合に(X)の一部又は全てが同一であっても良いし、異なっていても良い。また、一般式(5)のR4の一部又は全てが同一であっても良いし、異なっていても良い。また、一般式(4)及び(5)のR5の一部又は全てが同一であっても良いし、異なっていても良い。
本発明の硬化物は、繰り返し熱衝撃を受けてもクラックが生じに難いことから、耐熱衝撃性に優れる。また、基材に接合した硬化物は、基材からの剥離も発生し難いので、基材を水や空気から遮断する保護膜として有用である。更に、一の部材と他の部材との間、又は、基材と基材との隙間に存在させれば、繰り返し熱衝撃を受けても接合部から剥離し難いことから、耐熱衝撃性に優れた層間接合材としても有用である。
一般式(1)〜(5)で表されるモノマーに酸性触媒を用いて共重縮合させた場合、モノマーはおおむねモノマーの仕込み部数に応じて定量的に共重縮合物に取り込まれ、硬化物前駆体が得られる。従って、所望の硬化物前駆体の組成に対して、一般式(1)〜(5)で表される各モノマーの仕込み量を決める。また、実際に得られた硬化物前駆体の組成は、NMR等の分析手法で決定することができることから、硬化物の性能を更に向上させたい場合は、分析結果を基に仕込み組成の微調整を行って望みの性能の硬化物前駆体を得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及びメタクリロイル基を意味する。
本発明の耐熱衝撃性硬化物の製造方法は、上記一般式(1)で表されるモノマー、上記一般式(2)で表されるモノマー、上記一般式(3)で表されるモノマー、上記一般式(4)で表されるモノマー及び上記一般式(5)で表されるモノマーを、それぞれ、aモル、wモル、xモル、yモル及びcモルの割合で、酸触媒の存在下に、共重縮合させて硬化物前駆体を得る縮合工程と、上記硬化物前駆体が有するエチレン性不飽和結合の少なくとも一部を重合させて硬化物前駆体を硬化させる硬化工程と、を備える。
本発明において、上記一般式(1)〜(5)で表されるモノマーは、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
上記一般式(1)〜(5)において、(X)は縮合によってシロキサン結合を生成できるシロキサン結合生成基を意味する。1分子中に4つのシロキサン結合生成基を有するモノマーは「Qモノマー」とも呼ばれる。1分子中に3つのシロキサン結合生成基を有するモノマーは「Tモノマー」とも呼ばれ、1分子中に2つのシロキサン結合生成基を有するモノマーは「Dモノマー」、1分子中に1つのシロキサン結合生成基を有するモノマーは「Mモノマー」とも呼ばれる。本発明における上記一般式(1)のモノマーは「Qモノマー」であり、上記一般式(2)のモノマーは「Tモノマー」であり、上記一般式(3)のモノマーは「Dモノマー」であり、上記一般式(4)のモノマーは「Mモノマー」である。また、上記一般式(5)のモノマーは、共縮合の際にMモノマーから生じる構成単位と同様の構成単位を2倍量形成するモノマーであり、一般式(5)のモノマーを、以下、「M2モノマー」という。
複数のQモノマーを縮合すると、4つのシロキサン結合を有する構造ユニットを有する縮合物となり、縮合物のなかに組み込まれた構造ユニットは、「Qユニット」と呼ばれる。同様にTモノマーからは3つのシロキサン結合を有するTユニット、Dモノマーからは2つのシロキサン結合を有するDユニットが生じ、Mモノマーからは1つのシロキサン結合を有するMユニットが生じる。Mユニットはシロキサン結合による縮合鎖をターミネートして縮合鎖末端を保護する効果があるので、Mモノマーは「キャッピング剤」と呼ばれる場合もある。
尚、上記シロキサン結合生成基(X)としては、水酸基又は加水分解性基が挙げられ、この加水分解性基としては、ハロゲノ基、アルコキシ基等が挙げられる。これらのうち、加水分解性が良好であり、酸を副生しないことからアルコキシ基が好ましく、炭素原子数1〜3のアルコキシ基がより好ましい。
上記一般式(1)で表されるモノマーとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、入手が容易で、加水分解性が良好であることから、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン等が好ましい。
一般式(2)〜(5)のR1、R2及びR4のうちの少なくとも一つがエチレン性不飽和結合を有する基である。これらのうち、一般式(2)のR1がエチレン性不飽和結合を有する基であることが好ましい。その理由としては、エチレン性不飽和結合を有する基を含むTモノマーの入手が容易であるためである。
また、エチレン性不飽和結合を有する基は、好ましくはアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する基であり、更に好ましくは下記一般式(6)で表される有機基である。
Figure 2013031798
〔式(6)中、R6は水素原子又はメチル基であり、R6は同一であっても異なっても良く、R7は炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、R7は同一であっても異なっても良い。〕
一般式(6)において、好ましいR7はプロピレン基である。その理由は、プロピレン基を含む有機官能基を形成する化合物の入手又は合成が容易なためである。また、好ましいR6はメチル基又は水素原子であり、更に好ましくは水素原子である。
本発明においては、R1、R2及びR4のうちの少なくとも一つがエチレン性不飽和結合を有する基であるモノマーを用い、このエチレン性不飽和結合の少なくとも一部が炭素−炭素二重結合どうしの間で重合し、炭素−炭素結合で重合鎖を形成した硬化物であることが好ましい。エチレン性不飽和結合が式(6)で表されるとき、炭素−炭素結合の重合鎖は、下記一般式(7)で表すことができる。
Figure 2013031798
式(7)において、不飽和結合の重合度を表すnは1以上100以下が好ましく、更に好ましくは2以上50以下である。
本発明に係る縮合工程により得られる硬化物前駆体は、上記一般式(1)〜(5)で表されるモノマーに由来する構造ユニット、即ち、シロキサン構造を含む。本発明においては、一般式(2)で表されるモノマーを必ず用いるので、硬化物前駆体は、−Si−O−を含むシルセスキオキサン構造を含む。そして、この硬化物前駆体を硬化工程に供すると、シルセスキオキサン構造、及び、上記一般式(2)〜(5)で表されるモノマーに含まれたエチレン性不飽和結合に由来する炭素−炭素重合鎖構造を有する硬化物が得られる。硬化物の好ましい形態は、−Si−O−を含むシルセスキオキサン構造が、線状構造部を多く有するものである。
一般式(1)で表されるQモノマーは、縮合によりQユニットを生ずる。得られる硬化物がQユニットを含むと、耐熱性が向上する傾向があるが、Qユニットをあまり多く含むと熱衝撃でクラックが入りやすくなることがある。この観点から、Qモノマーを用いるときの好ましい配合量aは、式(1)〜(5)で表されるモノマーの配合量(a+w+x+y+2c)の合計に対して、モル比でa/(a+w+x+y+2c)が0〜1の範囲であり、更に好ましくは0〜0.4の範囲である。
一般式(2)で表されるTモノマーは必須原料である。Tモノマーの配合量wは、Qモノマーの配合量a、Dモノマーの配合量x、Mモノマーの配合量y及びM2モノマーの配合量cでのモノマー組成の関係において、好ましくは0<w/(a+x+y+2c)≦10であるが、更に好ましくは0.01≦w/(a+x+y+2c)≦5、より好ましくは0.1≦w/(a+x+y+2c)≦2、特に好ましくは0.4≦w/(a+x+y+2c)≦1.2である。
一般式(2)におけるR1は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基から選択される基である。これらのうち好ましくは、エチレン性不飽和結合を有する基である。
上記一般式(2)で表されるTモノマーとしては、例えば、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、(p−スチリル)トリメトキシシラン、(p−スチリル)トリエトキシシラン、(3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−メタクリロイルオキシプロピル)トリエトキシシラン、(3−アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリロイルオキシプロピル)トリエトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、入手が容易であることから、(3−メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−メタクリロイルオキシプロピル)トリエトキシシラン、(3−アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリロイルオキシプロピル)トリエトキシシラン等が好ましい。
一般式(3)で表されるDモノマーは必須原料である。一般式(3)におけるR2は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基から選択される基である。R3は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基である。本発明において、好ましいDモノマー、はR2及びR3がメチル基及びフェニル基から選択される化合物であり、更に好ましくはR2及びR3が共にメチル基である化合物である。
上記一般式(3)で表されるDモノマーとしては、例えば、ジメトキジメチルシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシベンジルメチルシラン、ジメトキシ(3−メタクリロイルオキシプロピル)メチルシラン、ジエトキシ(3−メタクリロイルオキシプロピル)メチルシラン、ジメトキシ(3−アクリロイルオキシプロピル)メチルシラン、ジエトキシ(3−アクリロイルオキシプロピル)メチルシラン等が挙げられる。これらのうち、入手が容易であることから、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が好ましい。
一般式(4)におけるR4は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基から選択される基である。R5は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基である。本発明において、好ましいMモノマー、はR4及びR5がメチル基及びフェニル基の中から選択される化合物であり、更に好ましくはR4及びR5が共にメチル基である化合物である。このMモノマーは、シロキサン結合生成基を1個有しており、ポリシロキサンの縮合鎖の末端を封鎖する働きがあるので、本発明の硬化物の製造においては、硬化物前駆体であるポリシロキサンの分子量を制御するのに用いることができる。
上記一般式(4)で表されるMモノマーとしては、例えば、メトキシトリメチルシラン、メトキシトリエチルシラン、エトキシトリメチルシラン、エトキシトリエチルシランメトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン及びトリエチルブロモシラン等が挙げられる。
これらのうち、トリメチルクロロシラン及びトリメチルブロモシランが好ましく、安価であることからトリメチルクロロシランが特に好ましい。本発明においては、一般式(4)で表されるMモノマー、及び、後述する一般式(5)で表されるM2モノマーの少なくとも一方を分割して用いることができる。一部を、縮合工程の最初に用い、残部を、縮合工程及び硬化工程の間のエンドキャップ工程(後述)にて用いることができる。また、Mモノマー及びM2モノマーは、縮合工程では使用せずに、エンドキャップ工程でのみ使用してもよい。一般式(4)で表されるMモノマーが、シロキサン結合生成基として、ハロゲノ基を含む化合物であると、エンドキャップ工程における反応性を向上させることができる。
一般式(5)におけるR4は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基から選択される基である。R5は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基である。
一般式(5)で表されるM2モノマーは、共縮合の際に、1分子から2個のMユニットを与えることができる。
上記一般式(5)で表されるM2モノマーとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン等が挙げられる。これらのうち、入手が容易であることから、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。
以下、各工程について、具体的に説明する。
縮合工程では、上記の一般式(1)〜(5)で表されるモノマーの特定量を用い、酸触媒の存在下で共重縮合反応を起こさせて、硬化物前駆体を製造する。
縮合工程で用いる酸触媒は、特に限定されないが、好ましくは水中でのpKa(酸解離定数)が4.0以下の酸である。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸等の無機強酸が好ましく、より好ましくは塩酸、硝酸及び硫酸である。この中でも酸分を揮発除去できることから、中和工程が必須でなく、酸化力による副反応等の不具合がない点で塩酸が特に好ましい。酸触媒の使用量は、一般式(1)〜(5)で表されるモノマーの合計100モルに対して、通常、0.01〜20モルであり、好ましくは0.1〜10モルであり、更に好ましくは1〜5モルである。
縮合工程における共重縮合反応は、上記酸触媒と水との両方を存在させて進めることが好ましい。また、一般式(1)〜(5)で表されるモノマーが有するシロキサン結合生成基の一部又は全部が加水分解性基であるときは、少なくともその加水分解性基の当量の合計量以上の水を用いることが好ましい。尚、反応系における好ましい水量の上限は、上記加水分解性基の当量の合計量の100倍である。また、酸触媒と水との両方を用いて反応させる場合の好ましい実施形態としては、0.1〜10質量%濃度の塩酸水溶液を適量用いる方法が挙げられる。
縮合工程の反応温度は、設定温度一定とするのが簡便な方法であるが、徐々に温度を上げる方法も好ましい。反応温度が高すぎると、反応の制御が難しくなり、エネルギー的にもコストがかかる。また、原料にエチレン性不飽和結合が含まれる場合には、その分解のおそれもある。一方、反応温度が低すぎると、反応に時間がかかるうえ、加水分解重縮合が不十分となる。したがって、好ましい上限は100℃、更に好ましくは80℃、より好ましくは60℃である。好ましい下限は0℃、更に好ましくは15℃であり、より好ましくは25℃である。
縮合工程においては、硬化物前駆体を形成するモノマーと酸触媒、および加水分解に用いる水やその他の成分を溶解する反応溶媒を用いることができる。反応溶媒としては、アルキルアルコールやプロピレングリコールモノアルキルエーテル、分子内にアルコール性水酸基を1つ有する化合物が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−オクタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロペンタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。本発明では、沸点が100℃未満の化合物は、反応後に揮発除去が容易であるので好ましい。更に好ましい反応溶媒はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びt−ブチルアルコールの中から選択される。
一般式(3)で表されるDモノマーはシロキサン結合生成基を2つ有するので、縮合反応では線状の縮合分子を生じるが、シロキサン結合生成基を3つ有する一般式(2)で表されるモノマーや、シロキサン結合生成基を4つ有する一般式(1)で表されるモノマーは、3次元架橋構造を有する硬化物前駆体を生じる。そして、縮合反応の進行の程度により、はしご状又は籠型の構造を形成することになる。しかし、立体障害等によって一部のシロキサン結合生成基(X)が残存した構造が形成されることもあり得る。
縮合工程を水の非存在下で行った場合を除き、縮合されずに残存したシロキサン結合生成基(X)は、加水分解してSi原子に結合するOH(シラノール)の形に変化した縮合物が得られる。本発明においては、縮合されずに残存し、その後OH基に変化した基を「Si−OH基」と呼ぶ。尚、モノマーの所定量を用いて得られた縮合物を分析すると、Si−OH基を測定することができる。モノマーの所定量を用いて得られた、Si−OH基を有する縮合物に、更に、反応性の高いMモノマー及びM2モノマーの少なくとも一方を反応させるエンドキャップ工程を行った場合にも、残存するSi−OH基の量を決定することもできる。
一般式(1)及び(2)で表されるモノマーがシロキサン結合生成基を有するとき、すべてのシロキサン結合生成基が縮合によりシロキサン結合を生成した場合、縮合物の架橋構造は強固となりすぎて自由度がなく、耐衝撃性試験において壊れやすい耐熱性硬化物となる。それに対して、同じモノマー組成から得た縮合物であっても一般式(1)及び(2)で表されるモノマーが有する一部のシロキサン結合生成基が縮合せず、線状の構造を多く含む縮合物は、分子の変形が容易なため、耐衝撃性試験において壊れにくい硬化物となる。
上記のように、一般式(4)で表されるMモノマー及び一般式(5)で表されるM2モノマーの少なくとも一方を分割して用いる場合において、縮合工程で一部を使用し、残部をエンドキャップ工程で用いる場合には、縮合工程と同じ反応系において、エンドキャップ工程を進めることができる。また、Mモノマー及びM2モノマーを縮合工程で使用しない場合には、エンドキャップ工程でのみ使用することができる。
縮合工程により得られた縮合物は、通常、−Si−OH基を含むので、この−Si−OH基の割合が高い場合には、−Si−OH基と、残部のMモノマーとを反応させるエンドキャップ工程により、好ましい耐熱衝撃性硬化物を与える硬化物前駆体を得ることができる。
一般式(1)〜(5)で表されるモノマーを用いて、酸触媒の存在下で縮合させたとき、一般式(1)及び(2)で表されるモノマーも線状に縮合しやすく、硬化工程により、耐衝撃性試験において壊れにくい硬化物を得ることができる。そして、縮合工程又はエンドキャップ工程において、そのような線状の構造を有する縮合物が得られた場合には、残存したシロキサン結合生成基(X)を有する縮合物が、Si−OHとして残存していることを確認することができる。即ち、本発明の製造方法において、好ましくは硬化物前駆体がSi−OH基を含み、そのSi−OH基の量をzモルとした場合に、zの値が、各モノマーの配合量との関係において、0.05≦z/(a+w+x+y+2c)≦1.0であるとき、耐熱衝撃性の高い硬化物が得られ、更に好ましくは0.1≦z/(a+w+x+y+2c)≦0.6である。
また、上記の縮合工程によって硬化物前駆体を製造する場合において、縮合工程の後に、以下の工程(以下、「後工程」ともいう)を含むことができる。これらの工程は単独でも組み合わせても実施することができ、後工程においては、反応溶媒等の有機溶剤が水と相分離を起こさない場合は、更に溶剤置換工程を備えて、水と分離可能な有機溶剤に置換することもできる。好ましくは、反応後は揮発性の触媒を揮発させて除去することにより、中和、水洗工程を省く方法であり、更に好ましくは濃縮工程において、触媒の揮発除去を行う方法である。
(中和工程)縮合工程で得られた反応液を、アルカリにより中和する工程。
(水洗工程)中和液に含まれる縮合物を水により洗浄する工程。
(濃縮工程)縮合物を含む水系液体を濃縮する工程。脱溶を含む。
(溶剤置換工程)濃縮又は脱溶した濃縮物を別の有機溶剤で再溶解する工程。
(エンドキャップ工程)残存するSi−OH基を有する化合物に、Mモノマーを反応させる工程。
縮合工程又は上記後工程を含む工程によって、硬化物前駆体又はその硬化物前駆体溶液を得ることができる。この時点ではポリマー又はポリマー溶液として分子量等の各種分析が可能である。シロキサン結合生成基(加水分解性基を含む)の残存割合は、1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)チャートの各ピークの積分強度比から算出することができる。尚、加水分解性基の実質的に全てが加水分解されていることが好ましく、これは、例えば、得られた硬化物前駆体の1H−NMRチャートにおいて加水分解性基に基づくピークがほとんど観察されないことにより確認することができる。また、硬化物前駆体の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析で測定可能であり、標準ポリスチレン換算で、好ましくは、500〜100,000、更に好ましくは800〜50,000、より好ましくは1000〜20,000である。
縮合工程又は上記後工程を含む工程によって得られた硬化物前駆体は、有機溶剤に溶解していてもよい。即ち、溶液として用いることを目的とした硬化物前駆体溶液とすることができる。この有機溶剤としては、特に限定はないが、反応溶剤として用いたものと同じものを用いることが経済的であり好ましい。塗布の際のレべリング性等を改善するために他の有機溶剤を併用することも好ましい。
また、硬化物前駆体溶液は、保存安定性を損ねない範囲で、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、重合性不飽和化合物、ラジカル重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、有機ポリマー、フィラー、金属粒子、顔料、重合開始剤、増感剤等が挙げられる。
硬化工程では、通常、硬化物前駆体、重合開始剤及び有機溶剤を含む硬化性組成物を用いて、所定の部位に塗膜を形成した後、この塗膜に加熱処理又は光照射を行う。
硬化物前駆体は、上記方法により、硬化させて硬化物とすることができる。硬化工程では、加熱、活性エネルギー線照射等の方法及びこれらを組み合わせた方法を用いることができる。硬化工程において、硬化物前駆体分子中のエチレン性不飽和結合の少なくとも一部を重合させることにより、硬化物前駆体を架橋させて硬化物を得ることができる。硬化工程によって硬化した硬化物は、エチレン性不飽和結合の重合による架橋構造を含んでいるから、縮合反応のみによって硬化させた従来の硬化物よりも柔軟性に富んで密着性に優れている。また、縮合反応による架橋構造も含んでいることから、エチレン性不飽和結合の重合のみによる従来の硬化物よりも耐熱性に富む架橋構造を備える。その結果、硬度、機械的強度、耐薬品性、及び、金属、ガラス、樹脂等からなる基材に対する密着性等の物性に優れている。
上記重合性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく、更に好ましくは(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物であり、より好ましくは、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、多官能の(メタ)アクリレート化合物を用いる場合には、得られる耐熱衝撃性硬化物に架橋構造を生じさせることもできる。
エチレン性不飽和結合を安定化するためのラジカル重合禁止剤としては、ハイドロキノンやハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール系化合物、及び、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールや、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール等のイオウ系二次酸化防止剤、リン系二次酸化防止剤等が挙げられる。これらは、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもでき、ラジカル重合禁止剤及び酸化防止剤を用いると、硬化性組成物及び耐熱衝撃性硬化物の保存安定性、熱安定性等を向上させることができる。
上記硬化性組成物が、ラジカル重合禁止剤を含有する場合、このラジカル重合禁止剤の含有量は、上記硬化物前駆体1,000,000質量部に対して、好ましくは1〜10,000質量部、より好ましくは10〜2,000質量部、更に好ましくは100〜500質量部である。
上記硬化性組成物が、酸化防止剤を含有する場合、この酸化防止剤の含有量は、上記硬化物前駆体1,000,000質量部に対して、好ましくは1〜10,000質量部、より好ましくは10〜2,000質量部、更に好ましくは100〜500質量部である。
上記紫外線吸収剤としては、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシロキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤や、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、酸化チタン微粒子や酸化亜鉛微粒子等の紫外線を吸収する無機微粒子等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。また、光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。紫外線吸収剤及び光安定剤は、UV耐性や耐候性を高めることができる。
上記レベリング剤としては、シリコーン系ポリマー、フッ素原子含有ポリマー等が挙げられる。レベリング剤は、金属、ガラス、樹脂等からなる基材の表面に硬化性組成物を塗布した際のレベリング性を向上させることができる。
有機ポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられ、好適な構成モノマーとしては、メチルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。上記の他の成分のうちのフィラーとしては、シリカやアルミナ等が挙げられる。
上記の硬化性組成物において、硬化物前駆体の溶解濃度は、特に限定されないが、硬化性組成物全体の中で、好ましくは0.1〜70質量%の間であり、より好ましくは0.5〜50質量%の間であり、更に好ましくは1〜30%である。
上記硬化物前駆体が有するエチレン性不飽和結合の少なくとも一部は、硬化工程において、活性エネルギー線の照射又は加熱若しくはその両方の重合方法を併用して重合させることができ、目的に応じて、重合開始剤を選択し、配合できる。光重合開始剤として好ましいものは、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン〕及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;メチルベンゾイルフォルメート、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−〔2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ〕−エチルエステル及びオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−〔2−ヒドロキシ−エトキシ〕−エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−(4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;1,2−オクタンジオン、1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム))等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びにカンファーキノン等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもでき、異なる種類のものを併用することもできる。
熱重合開始剤として好ましいものはジクミルペルオキシド、過酸化ベンゾイル、ターシャリーブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、ターシャリーブチルペルオキシベンゾエート、ラウロイルペルオキシド、クメンハイドロペルオキシド等の過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系の重合開始剤である。
重合開始剤の好ましい配合量は、上記硬化物前駆体100質量部に対して、0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部、更に好ましくは0.5〜3質量部である。
硬化工程において、好ましい硬化方法は光硬化であり、更に好ましくは活性エネルギー線硬化である。塗膜等が有機溶剤を含んでいる場合は、加熱乾燥等の方法によって溶剤の大部分を除去した後に硬化させることが好ましい。
活性エネルギー線の具体例としては、電子線、紫外線、可視光等が挙げられるが、紫外線が特に好ましい。紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV無電極ランプ、LED等が挙げられる。照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2が好ましく、より好ましくは500〜3,000mJ/cm2であり、更に好ましくは1000〜3000mJ/cm2である。
また、硬化工程において熱硬化を採用する場合の硬化温度は、用いる熱重合開始剤の半減期を得るための分解温度に応じて適宜選択されるが、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。
本発明の製造方法により得られる硬化物前駆体は、具体的に下記一般式(8)で表すことができる。
Figure 2013031798

式(8)において、R1、R2及びR4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基の中から選択される基であり、R3及びR5は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基であり、R1、R2及びR4のうちの少なくとも一つはエチレン性不飽和結合を有する基である。R8は、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基の中から選択される基である。また、R1〜R5及びR8が分子中に複数ある場合、これらの一部又は全てが同一であっても良いし、異なっていても良い。
また、R8は、上記のR1〜R7のいずれかと同一であり、好ましくは水素原子である。
また、w、およびxは正の数であり、a,sは0または正の数であり、好ましくは、0<w/(a+x+s)≦10である。
また、上記sは、Mモノマーyモル及びM2モノマーcモルの全てが、共重縮合した場合、s=y+2cとなる。
また、bの好ましい範囲は、上記zの好ましい範囲と同様である。即ち、上記bの値は、上記各構成単位の含有量との関係において、好ましくは0.05≦b/(a+w+x+s)≦1.0であり、より好ましくは0.1≦b/(a+w+x+s)≦0.6である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。尚、下記記載において、「%」は、特に断らない限り質量基準である。
また、「AC−」はアクリロイルオキシプロピル基、「MAC−」はメタクリロイルオキシプロピル基を示す。
実施例及び比較例で合成された硬化物前駆体を構成するポリシロキサンの1H−NMR分析は、測定試料約1gと、内部標準物質であるヘキサメチルジシロキサン(以下、「HMDSO」という)約100mgとを、それぞれ精秤して、分析溶媒として重クロロホルムに溶解し、HMDSOのプロトンのシグナル強度を基準として行った。
また、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレン換算で算出した。
以下、各種評価方法について述べる。
(1)残存Si−OH基濃度
実施例及び比較例で合成された硬化物前駆体に残存するSi−OH基濃度を、以下の方法で分析した。硬化物前駆体を含む反応液を濃縮した後、有機溶剤、水及び酸触媒を除いた硬化物前駆体をピリジンに溶解させた。そして、その硬化物前駆体のピリジン溶液に、一定濃度のトリメチルクロロシランのピリジン溶液を加えて反応させ、未反応のトリメチルクロロシランを加水分解後、蒸留で除いた後に、反応によって硬化物前駆体に増加したトリメチルシリル基濃度を1H−NMRで定量することによって決定した。
(2)耐熱衝撃性評価
耐熱衝撃性の評価は、以下のように実施した。0.2mm厚のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートで10mm×10mmの型枠を作製して、その型枠をスライドガラス上に密着させて載せた。この枠内に硬化性組成物を入れ、へらで塗膜表面をならした。ここに無電極ランプバルブ(Hバルブ)、ランプ高さ10cm、積算光量3Jで紫外線を照射して、厚さ約130μmの硬化物を形成させ、PTFEシートの型枠を外し、塗膜を硬化させた。PTFEシートの型枠を外して膜厚約130μmの耐熱衝撃性試験用硬化物とした。そして、硬化物を恒温器に入れ250℃以上で2分間加熱し、引き続き260℃で30秒間加熱を行った。その後、室温で放冷し、硬化物のスライドガラスからの剥がれの有無やクラックの有無を目視で確認した。この工程を1サイクル(1回)として試験を行なった。耐熱衝撃性の評価は、各実施例及び比較例について、それぞれ3枚のサンプルを評価し、途中でクラックや剥がれが起きるまで最大10サイクルの試験を行った。その結果を表3に示した。
(3)鉛筆硬度試験
鉛筆硬度試験は、以下のように実施した。スライドガラス上に硬化性組成物をバーコーターを用いて塗布した後、無電極ランプバルブ(Hバルブ)、ランプ高さ10cm、積算光量3Jで紫外線を照射し、10μm厚の硬化物を作製した。硬化させた硬化物について、JIS K−5600−5−4「塗料一般試験方法:ひっかき硬度(鉛筆法)」に従い、三菱鉛筆製の鉛筆を用い、手かき法で行った。その結果を表4に示した。
表4における各硬化物の鉛筆硬度は、試験によって得られた鉛筆の硬度を記載した。
(4)外観評価
外観評価については、10回目耐熱衝撃試験を終わった時点で、硬化物を目視観察し、下記評価基準に従って評価した。
1;3個の硬化物にクラックも剥がれも認められなかった。
2;3個中の1個にクラックもしくは剥がれがあった。
3;3個中の2個にクラックもしくは剥がれがあった。
4;3個の硬化物の全部でクラックもしくは剥がれがあった。
実施例1
1−1 硬化物前駆体の合成
スリーワンモーター撹拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を装着した500mL四つ口フラスコに、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)及び2−プロパノール45.19gを仕込んだ。そして、湯浴を用いて昇温し、反応系内温が40℃を超えたところで、反応系を撹拌しながら、滴下ロートから0.8%塩酸水溶液36.19gを滴下した。約50℃にて滴下終了後、反応系を室温(約25℃、以下同じ)で、15時間放置した。ここにp−メトキシフェノール0.02gを添加して溶解した後、空気を吹き込みながら溶媒を減圧留去し、無色透明液体の硬化物前駆体C1を101.68g得た。得られた硬化物前駆体C1の粘度は1970mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1300であった。
1H−NMR分析の結果、アクリロイル基を有するTユニット(AC−SiO3/2)とジメチル基を有するDユニット(Me2−SiO2/2)の組成比は、それらのユニットを形成する原料の仕込み時のモル比に近いものであった(表2参照)。また、残存イソプロポキシ基量は、AC−SiO3/2の1モルに対し、0.03モルであった。
1−2 Si−OH基濃度の測定
スリーワンモーター撹拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を装着した200mL四つ口フラスコに、ピリジン30mLを仕込んだ。トリメチルクロロシラン19mLを滴下ロートから室温で上記ピリジンに滴下し、トリメチルクロロシランのピリジン溶液を得た。一方、100mLなす形フラスコに、実施例1で合成した硬化物前駆体C1を20.00g入れた後、ピリジン30mLを加えて溶解し、硬化物前駆体C1のピリジン溶液を得た。このピリジン溶液を滴下ロートから上述のトリメチルクロロシランのピリジン溶液に室温で滴下した後、75℃で3時間加熱撹拌した。反応液に水3gを加え、更にN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩(商品名「Q−1301」、和光純薬工業株式会社製、以下単に「重合禁止剤」という)を0.002g加えた後、溶媒を減圧留去して濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテル50.00gを加えて溶解した後、水20.00gを加えて、分液ロートを用いて洗浄した。同様の水洗操作を合計7回繰り返した。有機層に重合禁止剤を0.002g加えて溶解し、溶媒を減圧留去し、無色透明液体の硬化物前駆体(C1)のトリメチルシリル化物を得た。硬化物前駆体(C1)のトリメチルシリル化物のNMR測定により、反応によって増加したトリメチルシリル基濃度が得られるので、硬化物前駆体(C1)のSi−OH基濃度が、モル比で3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランモノマーの1モルに対して0.47モルであると決定し、表2に示した。
1−3 硬化性組成物の調製
硬化物前駆体(C1)4gに、光ラジカル重合開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン0.12gを配合し、硬化性組成物(B1)を調製した。
1−4 硬化物の評価
上記評価方法に従って、上記硬化性組成物(B1)を用いて硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
実施例2
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、2−プロパノール及び0.8%塩酸水溶液の使用量を、それぞれ、70.91g(303mmol)、81.07g(674mmol)、45.22g、及び40.99gとした以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C2を得た。硬化物前駆体C2の収量は95.44gであり、粘度は207mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1300であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して結果を表2に記載した。
そして、実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
実施例3
実施例3は、後工程を含む製造例である。
実施例1の、1−2.Si−OH基濃度の測定と同じ方法で、硬化物前駆体C1の残存Si−OH基をトリメチルシリル化して、硬化物前駆体C3を得た。
スリーワンモーター撹拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を装着した200mL四つ口フラスコに、ピリジン30mLを仕込んだ。トリメチルクロロシラン19mL(150mmol)を滴下ロートから室温で上記ピリジンに滴下し、トリメチルクロロシランのピリジン溶液を得た。一方、100mLなす形フラスコに実施例1で合成した硬化物前駆体C1の20.00gを投入し、ピリジン30mLを加えて溶解し、硬化物前駆体C1のピリジン溶液を得た。このピリジン溶液を滴下ロートから上述のトリメチルクロロシランのピリジン溶液に室温で滴下した後、75℃で3時間加熱撹拌した。反応液に水3gを加え、更に重合禁止剤を0.002g加えた後、溶媒を減圧留去して濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテル50gを加えて溶解した後、水20.00gを加えて、分液ロートを用いて洗浄した。同様の水洗操作を合計7回繰り返した。有機層に重合禁止剤を0.002g加えて溶解し、溶媒を減圧留去し、無色透明液体の硬化物前駆体(C1)のトリメチルシリル化物である、硬化物前駆体C3を得た。硬化物前駆体C3の収量は9.34gであり、粘度は336mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1400であった。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。評価結果を表3及び表4に記載した。尚、実施例3における硬化物前駆体C3は、硬化物前駆体C1のSi−OH基にMモノマーを反応させて得られていることから、表2のMユニットの量を括弧で囲んで示した。硬化物前駆体C1の20.0gに対するトリメチルクロロシラン19mlは、硬化物前駆体C1の全量に対して換算すると761mmolであり、硬化物前駆体C1に残るSi−OHに対しては大幅に過剰であるが、反応し、Mユニットとして硬化物前駆体C3に残るのは、硬化物前駆体C1に含まれていたSi-OHの等量分だけであり、反応後の硬化物前駆体C3ではSi−OHは0となる。
実施例4
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)、2−プロパノール45.19g、0.8%塩酸水溶液36.19g、及びp−メトキシフェノール0.02gに代えて、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン56.73g(242mmol)、ジメトキシジメチルシラン16.21g(135mmol)、ヘキサメチルジシロキサン9.43g(58mmol)、2−プロパノール33.55g、0.8%塩酸水溶液19.15g、及びp−メトキシフェノール0.01gを用い、反応温度を室温とした以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C4を得た。硬化物前駆体C4の収量は57.90gであり、粘度は207mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1000であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定し、表2に記載した。尚、ヘキサメチルジシロキサンの1分子は、共重縮合の際に2個のMユニットを与える。
また、実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
実施例5
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)、2−プロパノール45.19g、0.8%塩酸水溶液36.19g、及びp−メトキシフェノール0.02gに代えて、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン62.09g(250mmol)、ジメトキシジメチルシラン60.11g(500mmol)、テトラメトキシシラン38.06g(250mmol)、2−プロパノール60.10g、0.8%塩酸水溶液49.95g、及びp−メトキシフェノール0.02gを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C5を得た。硬化物前駆体C5の収量は97.60gであり、粘度は28900mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は2500である。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して表2に記載した。尚、表1のTユニットの量が括弧で囲んで示してあるのは、他の実施例がTモノマーとして3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを用いたのに対して、実施例5では3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを用いたことを示すためである。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
実施例6
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)、2−プロパノール45.19g、0.8%塩酸水溶液36.19g、及びp−メトキシフェノール0.02gに代えて、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン141.82g(605mol)、ジメトキシジメチルシラン162.13g(1349mmol)、テトラメチルジシロキサン8.13g(60.5mmol)、2−プロパノール88.86g、0.8%塩酸水溶液83.08g、及びp−メトキシフェノール0.04gを用い、反応温度を室温とした以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C6を得た。硬化物前駆体C6の収量は198.6gであり、粘度は115mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1360であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して、表2に記載した。尚、テトラメチルジシロキサンの1分子は、共重縮合の際に2個のMユニットを与えるが、実施例6では表1のモノマー構造欄で示したヘキサメチルジシロキサンとは異なる、テトラメチルジシロキサンを用いたために、生成するMユニットはH(Me)2−Si−O−となり、Si−H結合を有する点が異なるので表2のMユニットの量は括弧で囲んで示した。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
比較例1
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)、2−プロパノール45.19g、0.8%塩酸水溶液36.19g、及びp−メトキシフェノール0.02gに代えて、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン70.30g(300mmol)、2−プロパノール26.01g、0.8%塩酸水溶液16.35g、及びp−メトキシフェノール0.01gを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C7を得た。硬化物前駆体C7の収量は50.56gであり、粘度は5570mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1500であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して、表2に記載した。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
比較例2
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)、2−プロパノール45.19g、及び0.8%塩酸水溶液36.19gに代えて、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン100.85g(430mmol)、トリエトキシメチルシラン76.74g(430mmol)、2−プロパノール53.28g、及び0.8%塩酸水溶液46.91gを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C8を得た。硬化物前駆体C8の収量は101.40gであり、粘度は20000mPa・s超(25℃)であり、数平均分子量は1400であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して、表2に記載した。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
比較例3
3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)、2−プロパノール45.19g、0.8%塩酸水溶液36.19g、及びp−メトキシフェノール0.02gに代えて、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン48.94g(209mmol)、トリエトキシメチルシラン18.62g(104mmol)、ヘキサメチルジシロキサン8.48g(52mmol)、2−プロパノール44.83g、0.8%塩酸水溶液18.02、及びp−メトキシフェノール0.01gを用い、反応温度を室温とした以外は、実施例1と同様にして硬化物前駆体C9を得た。硬化物前駆体C9の収量は50.81gであり、粘度は792mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は1000であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して、表2に記載した。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
比較例4
スリーワンモーター撹拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を装着した500mL四つ口フラスコに、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン124.80g(533mmol)、信越化学製X−21−5841(両末端型/シラノール変性ジメチルシリコーン、官能基当量500g/mol)22.00g及び2−プロパノール190.57gを仕込んだ。ここに4.8%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液10.07gを室温で滴下し、攪拌した。1時間攪拌してから、水19.18gを滴下し、4時間攪拌した後、5%硫酸水溶液5.49gを加えた。ここにp−メトキシフェノール0.02gを添加して溶解した後、空気を吹き込みながら溶媒を減圧留去した。ここにジイソプロピルエーテル176.00gを加えて溶解した後、水118.00gを加えて分液ロートを用いて洗浄した。同様の操作を合計7回繰り返した後、有機層にp−メトキシフェノール0.03gを添加して溶解した後、空気を吹き込みながら溶媒を減圧留去し、無色透明液体の硬化物前駆体C10を得た。硬化物前駆体C10の収量は103.40gであり、粘度は5440mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は3000であった。実施例1と同様の方法でSi−OH基の濃度を決定して、表2に記載した。
比較例4ではDモノマーの代わりに、両末端をシラノール変性したジメチルシリコーンを用いた。ジメチルシリコーンはDモノマーの縮合物であるから、縮合工程でDモノマーを共重縮合をすることと、あらかじめ縮合したDモノマーを加えることとの効果の比較をするためには、ジメチルシリコーンのモル数ではなく、ジメチルシリコーンに含まれるケイ素原子のモル数を実施例1に合せて比較するのがよい。この意味で3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランに対するジメチルシリコーン中のケイ素のモル数が実施例1と同じ1対0.56になるようにした。そのため、表2中ではDユニットの量として0.56を括弧で囲んで示した。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
比較例5
スリーワンモーター撹拌機、滴下ロート、還流冷却器、温度計を装着した500mL四つ口フラスコに、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン113.46g(484mmol)、ジメトキシジメチルシラン32.43g(270mmol)及び2−プロパノール45.19gを仕込んだ。ここに1.2%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液36.34gを室温で滴下し、攪拌した。5時間攪拌した後、5%硫酸水溶液4.93gを加えた。ここにp−メトキシフェノール0.01gを添加して溶解した後、空気を吹き込みながら溶媒を減圧留去した。ここにジイソプロピルエーテル160.00gを加えて溶解した後、水100.00gを加えて分液洗浄した。同様の操作を合計7回繰り返した後、有機層にp−メトキシフェノール0.01gを添加して溶解した後、空気を吹き込みながら溶媒を減圧留去し、無色透明液体の硬化物前駆体C11を得た。硬化物前駆体C11の収量は94.30gであり、粘度は13000mPa・s(25℃)であり、数平均分子量は3300であった。実施例1と同様の方法でSi−OHの濃度を決定して結果を組成式と共に表2に記載した。
実施例1と同様にして硬化物を作製し、耐熱衝撃性、鉛筆硬度及び外観評価について評価した。
実施例及び比較例で硬化物前駆体の原料に用いたモノマー組成と共重縮合の触媒
、及び各モノマーの配合量の関係であるw/(a+x+y+2c)の値を表1に示した。
Figure 2013031798
表1において、縮合に用いた触媒欄のTMAHはテトラメチルアンモニウムヒドロキサイドを示す。
実施例及び比較例において得られた、下記一般式(8)で表される硬化物前駆体での各ユニットの含有量の割合、硬化物前駆体(縮合物)のSi−OH基とモノマー配合量の関係であるz/(a+w+x+y+2c)の値を表2に示した。
Figure 2013031798
また、z/(a+w+x+y+2c)の値は以下の通りに算出した。
残存Si−OH濃度は濃縮して有機溶剤および水、酸触媒を除いた硬化物前駆体をピリジンに溶解し、一定濃度のトリメチルクロロシランのピリジン溶液を加えて反応させ、未反応のトリメチルクロロシランを加水分解後、蒸留で除いた後に、反応によって硬化物前駆体に増加したトリメチルシリル基濃度を1H−NMRで定量することによって決定した。
Figure 2013031798
実施例及び比較例のSi−OH基の濃度は、酸触媒では高く、TMAH等の塩基性触媒を用いたときは非常に低くなっていることが分かる。尚、実施例3の縮合物のSi−OH基量は実施例1と同じであるが、実施例3ではHCl触媒下で合成した縮合物をピリジン溶媒中でTMCSと反応させたものを硬化物前駆体としたので、実施例3における硬化物前駆体にはこれ以上TMCSと反応するSi−OH基が存在しないからSi−OH基量を0とした。実施例3は、本発明の製造方法の縮合工程と硬化工程の間に、TMCSを用いたエンドキャップ工程を行った製造例である。
実施例及び比較例の硬化物の耐熱衝撃試験の結果を表3に示した。
Figure 2013031798
比較例1では、3個中1個の硬化物が、耐熱衝撃性試験をする前にクラックが発生していた。また、比較例5では、3個の硬化物の全部が耐熱衝撃性試験をする前にクラックが発生していた。比較例5は、仕込みの原料が実施例1と同じで、共重縮合触媒が塩基性である例であり、実施例1と比べると、硬化物前駆体のSi−OH基の量では大きな差があった。硬化物の鉛筆硬度はどちらも3Hと同じ硬度を示したが、耐熱衝撃性評価の結果は大きく異なり、本発明の硬化物である実施例1の優位性を示すものであった。
実施例及び比較例の硬化物の鉛筆硬度と外観評価の結果を表4に示した。
Figure 2013031798
実施例4と実施例3とを比べると、モノマー組成としてはほぼ同じである。しかしながら、実施例4ではM2モノマーの全てを最初に仕込んだのに対して、実施例3では、縮合工程においてMモノマー又はM2モノマーを使用せず、エンドキャップ工程においてMモノマーを加えた。実施例3の方が、硬化物の硬度が著しく高い。その理由は、縮合工程におけるMモノマー又はM2モノマーは縮合鎖の延伸を止めて、硬化物前駆体の分子量や架橋度を低くする働きがあるために、硬化物が柔らかくなる傾向が生じるのに対して、縮合工程の後で加えたMモノマー又はM2モノマーはこのような作用を顕さないので、結果的に硬い硬化物を得ることができるものと考えられる。耐熱衝撃性と共に高い硬度も要求される用途では、上記のエンドキャップ工程及び硬化工程を行って硬化物を得る製造方法も優れており、耐熱衝撃性と共に、硬度の高い硬化物を得ることができるという効果が明らかになった。
本発明の耐熱衝撃性硬化物は、高温で繰り返し熱衝撃を受けても剥離やクラックを生ずることなく基材を保護できるので、はんだリフロー工程を経る電子部品や電子機器に用いる保護膜や接着部の構成材料として最適である。その他にも、輸送機械や、航空宇宙、食品加工や原子力発電に至るまで、熱衝撃の起きるあらゆる用途に好適である。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるモノマー、下記一般式(2)で表されるモノマー、下記一般式(3)で表されるモノマー、下記一般式(4)で表されるモノマー及び下記一般式(5)で表されるモノマーを、それぞれ、aモル、wモル、xモル、yモル及びcモルの割合で、酸触媒の存在下に、共重縮合させて硬化物前駆体を得る縮合工程と、
    前記硬化物前駆体が有するエチレン性不飽和結合の少なくとも一部を重合させて硬化物前駆体を硬化させる硬化工程と、を備え、
    w及びxは正の数であり、a、y及びcは0又は正の数であり、且つ、a、w、x、y及びcの関係が0<w/(a+x+y+2c)≦10であることを特徴とする耐熱衝撃性硬化物の製造方法。
    Figure 2013031798
    Figure 2013031798
    Figure 2013031798
    Figure 2013031798
    Figure 2013031798
    〔式(1)〜(5)中、(X)はシロキサン結合生成基であり、R1、R2及びR4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基、アリール基及びエチレン性不飽和結合を有する基の中から選択される基であり、R3及びR5は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基、シクロアラルキル基及びアリール基の中から選択される基であり、R1、R2及びR4のうちの少なくとも一つはエチレン性不飽和結合を有する基である。また、(X)が複数ある場合に(X)の一部又は全てが同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  2. 上記硬化物前駆体が、Si−OH基をzモル含み、
    a、w、x、y、c及びzの関係が0.1≦z/(a+w+x+y+2c)≦1.0である、請求項1に記載の耐熱衝撃性硬化物の製造方法。
  3. 上記エチレン性不飽和結合を有する基が下記一般式(6)で表されるものである、請求項1又は2に記載の耐熱衝撃性硬化物の製造方法。
    Figure 2013031798
    〔式(6)中、R6は水素原子又はメチル基であり、R7は炭素原子数1〜6のアルキレン基である。〕
  4. 上記一般式(1)で表されるモノマーの使用量aが0であり、w、x、y及びcの関係が0.1≦w/(x+y+2c)≦2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐熱衝撃性硬化物の製造方法。
  5. 上記縮合工程と上記硬化工程との間に、上記一般式(4)で表されるモノマー及び上記一般式(5)で表されるモノマーから選ばれる少なくとも1種と、Si−OH基とを反応させるエンドキャップ工程を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐熱衝撃性硬化物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項の方法で製造された、耐熱衝撃性硬化物。
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