JP3057305B2 - 電子部品用含浸剤 - Google Patents
電子部品用含浸剤Info
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- JP3057305B2 JP3057305B2 JP5174820A JP17482093A JP3057305B2 JP 3057305 B2 JP3057305 B2 JP 3057305B2 JP 5174820 A JP5174820 A JP 5174820A JP 17482093 A JP17482093 A JP 17482093A JP 3057305 B2 JP3057305 B2 JP 3057305B2
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- Japan
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- impregnating agent
- electronic components
- parts
- alkyl group
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- Silicon Polymers (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた耐湿性及び接着
剤との接着性を与える電子部品用含浸剤に関する。
剤との接着性を与える電子部品用含浸剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサー、
セラミックを圧粉したコンデンサー等の電子部品は、エ
ポキシ樹脂やフェノール樹脂組成物などにより樹脂封止
することが行われているが、封止樹脂と電子部品との間
には非常に小さな隙間や空隙が生じる。
り、トランジスタ、ダイオード、抵抗、コンデンサー、
セラミックを圧粉したコンデンサー等の電子部品は、エ
ポキシ樹脂やフェノール樹脂組成物などにより樹脂封止
することが行われているが、封止樹脂と電子部品との間
には非常に小さな隙間や空隙が生じる。
【0003】このような隙間や空隙があると、この隙間
や空隙を通って外部から水、Cl-、Na+などの電子部
品の特性を劣化させるような成分が入り込み、電子部品
の特性を劣化させることが起きる。
や空隙を通って外部から水、Cl-、Na+などの電子部
品の特性を劣化させるような成分が入り込み、電子部品
の特性を劣化させることが起きる。
【0004】このため、この隙間や空隙をうめることに
よる耐湿特性等の向上を目的として従来からカルナバワ
ックス等の天然ワックス類やシリコーンオイルなどが使
用されている。中でもシリコーンオイルは表面張力が小
さいため小さな隙間に入り易く、また電子部品の特性を
劣化させるCl-、Na+等の不純物が少ない上に、耐熱
性に優れていることから幅広く使用されている。
よる耐湿特性等の向上を目的として従来からカルナバワ
ックス等の天然ワックス類やシリコーンオイルなどが使
用されている。中でもシリコーンオイルは表面張力が小
さいため小さな隙間に入り易く、また電子部品の特性を
劣化させるCl-、Na+等の不純物が少ない上に、耐熱
性に優れていることから幅広く使用されている。
【0005】しかし、最近、電子部品をプリント基板に
取り付ける際、生産性を上げる目的で予め電子部品を接
着剤でプリント基板に接着させ、その後ハンダ浴の中に
浸し、電子部品をプリント基板に取り付ける工程が採用
されるようになってきているが、従来のシリコーンオイ
ルを使用すると電子部品の空隙や隙間を埋めるだけでな
く、表面に若干のシリコーン皮膜が生じ、このシリコー
ン皮膜と接着剤との接着性が悪いため接着剤が電子部品
に付着せず、プリント基板に取り付けることができない
という問題が生じていた。
取り付ける際、生産性を上げる目的で予め電子部品を接
着剤でプリント基板に接着させ、その後ハンダ浴の中に
浸し、電子部品をプリント基板に取り付ける工程が採用
されるようになってきているが、従来のシリコーンオイ
ルを使用すると電子部品の空隙や隙間を埋めるだけでな
く、表面に若干のシリコーン皮膜が生じ、このシリコー
ン皮膜と接着剤との接着性が悪いため接着剤が電子部品
に付着せず、プリント基板に取り付けることができない
という問題が生じていた。
【0006】従って、電子部品の隙間に入り易く、Cl
-、Na+等の不純物の含有量が少なく、耐熱性が良好で
しかも接着剤との接着性の良好な電子部品用含浸剤の開
発が要望されている。
-、Na+等の不純物の含有量が少なく、耐熱性が良好で
しかも接着剤との接着性の良好な電子部品用含浸剤の開
発が要望されている。
【0007】そこで、特公平5−29159号公報に開
示されているアクリル変性の電子部品用含浸剤が実用化
されているが、電子部品の高性能及び工程の合理化の要
求に伴い、更に含浸性及び耐湿特性の向上が望まれてい
た。
示されているアクリル変性の電子部品用含浸剤が実用化
されているが、電子部品の高性能及び工程の合理化の要
求に伴い、更に含浸性及び耐湿特性の向上が望まれてい
た。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
高性能な電子部品の含浸剤として有用であり、かつ優れ
た硬化性及び耐湿性を与えることができる電子部品用含
浸剤を提供することを目的とする。
高性能な電子部品の含浸剤として有用であり、かつ優れ
た硬化性及び耐湿性を与えることができる電子部品用含
浸剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、従来のγ
−メタアクリロキシプロピル系の有機ケイ素化合物に代
わり下記一般式(1)で示されるアクリロキシプロピル
系の有機ケイ素化合物を使用すると共に、従来のR2S
i(OR)2で示される有機ケイ素化合物に代わり下記
一般式(2)で示される有機ケイ素化合物を使用し、こ
れらを共加水分解することにより得られた生成物を電子
部品用含浸剤として用いた場合、短時間の硬化において
も、従来品より耐湿性及び含浸性に優れ、特にプリント
基板と電子部品を接着する場合、接着剤の接着性を妨げ
ることがなく、しかも耐湿特性に優れた電子部品を与え
ることができ、かつ製造工程を短縮することができるこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、従来のγ
−メタアクリロキシプロピル系の有機ケイ素化合物に代
わり下記一般式(1)で示されるアクリロキシプロピル
系の有機ケイ素化合物を使用すると共に、従来のR2S
i(OR)2で示される有機ケイ素化合物に代わり下記
一般式(2)で示される有機ケイ素化合物を使用し、こ
れらを共加水分解することにより得られた生成物を電子
部品用含浸剤として用いた場合、短時間の硬化において
も、従来品より耐湿性及び含浸性に優れ、特にプリント
基板と電子部品を接着する場合、接着剤の接着性を妨げ
ることがなく、しかも耐湿特性に優れた電子部品を与え
ることができ、かつ製造工程を短縮することができるこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0010】
【化2】 (但し、式中R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は
アルキル基又は水素原子を示す。) R3Si(OR4)3 …(2) (但し、式中R3は炭素数1〜10のアルキル基又はフ
ェニル基、R4はアルキル基を示す。)
アルキル基又は水素原子を示す。) R3Si(OR4)3 …(2) (但し、式中R3は炭素数1〜10のアルキル基又はフ
ェニル基、R4はアルキル基を示す。)
【0011】従って、本発明は、上記一般式(1)で示
される有機ケイ素化合物と、上記一般式(2)で示され
る有機ケイ素化合物との共加水分解反応生成物からなる
ことを特徴とする電子部品用含浸剤を提供する。
される有機ケイ素化合物と、上記一般式(2)で示され
る有機ケイ素化合物との共加水分解反応生成物からなる
ことを特徴とする電子部品用含浸剤を提供する。
【0012】以下、本発明を更に詳述すると、本発明の
電子部品用含浸剤を得るための(イ)成分の有機ケイ素
化合物は、上述したように下記一般式(1)で示される
ものである。
電子部品用含浸剤を得るための(イ)成分の有機ケイ素
化合物は、上述したように下記一般式(1)で示される
ものである。
【0013】
【化3】
【0014】ここで、R1の炭素数1〜10のアルキル
基としては、メチル基,エチル基,プロピル基などを挙
げることができる。また、R2は水素原子又はアルキル
基であり、メチル基,エチル基,プロピル基又はブチル
基などが例示される。
基としては、メチル基,エチル基,プロピル基などを挙
げることができる。また、R2は水素原子又はアルキル
基であり、メチル基,エチル基,プロピル基又はブチル
基などが例示される。
【0015】次に、(ロ)成分の有機ケイ素化合物は、
上述したように下記一般式(2)で示されるものであ
る。
上述したように下記一般式(2)で示されるものであ
る。
【0016】 R3Si(OR4)3 …(2)
【0017】ここで、R3は炭素数1〜10のアルキル
基又はフェニル基であり、具体的にはメチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基、フェニル基などが挙げられ
る。また、R4はアルキル基を示すが、好ましくは炭素
原子数1〜4の低級アルキル基であり、これにはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが例示され
る。
基又はフェニル基であり、具体的にはメチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基、フェニル基などが挙げられ
る。また、R4はアルキル基を示すが、好ましくは炭素
原子数1〜4の低級アルキル基であり、これにはメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが例示され
る。
【0018】この(ロ)成分の有機ケイ素化合物として
は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シランなどが挙げられる。
は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シランなどが挙げられる。
【0019】本発明の電子部品用含浸剤は、上述した
(イ)成分と(ロ)成分とを共加水分解反応させること
により得られる反応物からなるものであるが、この反応
は適当な酸又はアルカリの存在下で25℃の粘度が3〜
100センチストークス(cs)、より好ましくは3〜
50csの範囲になるまで重合させることが好ましく、
粘度が3cs未満の場合は含浸性は良好になるが、電子
部品などに含浸させて硬化させる時に含浸させた電子部
品などに対する接着剤の接着性が低下する。また、粘度
が100csを超えると接着剤との接着性は良好になる
が、細かい隙間への含浸性が低下する。従って、接着剤
に対する接着性及び含浸性を併わせ持った電子部品用含
浸剤を得るには、その粘度を上記の範囲内とすることが
特に好ましい。
(イ)成分と(ロ)成分とを共加水分解反応させること
により得られる反応物からなるものであるが、この反応
は適当な酸又はアルカリの存在下で25℃の粘度が3〜
100センチストークス(cs)、より好ましくは3〜
50csの範囲になるまで重合させることが好ましく、
粘度が3cs未満の場合は含浸性は良好になるが、電子
部品などに含浸させて硬化させる時に含浸させた電子部
品などに対する接着剤の接着性が低下する。また、粘度
が100csを超えると接着剤との接着性は良好になる
が、細かい隙間への含浸性が低下する。従って、接着剤
に対する接着性及び含浸性を併わせ持った電子部品用含
浸剤を得るには、その粘度を上記の範囲内とすることが
特に好ましい。
【0020】更に、本発明の電子部品用含浸剤は、後述
する使用方法例からもわかるように電子部品の非常に敏
感な部分に直接接触するため、その原料である(イ)成
分及び(ロ)成分の有機ケイ素化合物としては、電子部
品に悪い影響を与えるNa+及びCl-の極力少ないもの
を使用することが好ましいが、電子部品用含浸剤におい
てもNa+及びCl-の管理は重要であり、Na+、Cl-
を各々10ppm以下とすることが好ましく、より好ま
しくは5ppm以下である。更に、(イ)成分及び
(ロ)成分の反応中に混入するおそれのある5μm以上
の固形不純物を電子部品用含浸剤100g中1mg以下
とすることが好ましく、より好ましくは0.01mg以
下である。
する使用方法例からもわかるように電子部品の非常に敏
感な部分に直接接触するため、その原料である(イ)成
分及び(ロ)成分の有機ケイ素化合物としては、電子部
品に悪い影響を与えるNa+及びCl-の極力少ないもの
を使用することが好ましいが、電子部品用含浸剤におい
てもNa+及びCl-の管理は重要であり、Na+、Cl-
を各々10ppm以下とすることが好ましく、より好ま
しくは5ppm以下である。更に、(イ)成分及び
(ロ)成分の反応中に混入するおそれのある5μm以上
の固形不純物を電子部品用含浸剤100g中1mg以下
とすることが好ましく、より好ましくは0.01mg以
下である。
【0021】また、(イ)成分と(ロ)成分との反応比
は、そのモル比で(イ)/(ロ)=0.1〜10、好ま
しくは0.3〜5である。この反応比が0.1未満の場
合、粘度が著しく上昇することがあり、10を超えると
硬化時の揮発分が多くなり、耐湿性が低下する場合があ
る。
は、そのモル比で(イ)/(ロ)=0.1〜10、好ま
しくは0.3〜5である。この反応比が0.1未満の場
合、粘度が著しく上昇することがあり、10を超えると
硬化時の揮発分が多くなり、耐湿性が低下する場合があ
る。
【0022】本発明の電子部品用含浸剤は、上述した
(イ)成分及び(ロ)成分の反応生成物からなるもので
ある。この場合、本発明の電子部品用含浸剤に対し、平
滑な表面を有する皮膜を得る目的で種々の界面活性剤、
例えばポリオキシエチレングリコールジメチルシロキサ
ン、フッ化アルキル系界面活性剤などを配合し得、更に
コロイダルシリカ等を添加配合することは差し支えな
い。また、含浸性を向上させる目的で適当な溶剤で希釈
してもよい。
(イ)成分及び(ロ)成分の反応生成物からなるもので
ある。この場合、本発明の電子部品用含浸剤に対し、平
滑な表面を有する皮膜を得る目的で種々の界面活性剤、
例えばポリオキシエチレングリコールジメチルシロキサ
ン、フッ化アルキル系界面活性剤などを配合し得、更に
コロイダルシリカ等を添加配合することは差し支えな
い。また、含浸性を向上させる目的で適当な溶剤で希釈
してもよい。
【0023】本発明の電子部品用含浸剤は、電子部品に
含浸させた後、これを硬化するが、硬化条件としては、
150〜180℃で1〜4時間で硬化させるといった条
件を採用し得る。なお、含浸方法としては公知の方法で
よく、例えば加圧含浸法、真空含浸法、常圧含浸法など
が採用され、特に電子部品の特性をよくするためには下
記のごとき真空含浸法がより効果的である。真空含浸法 (1)容器に含浸すべき部品を入れ、次いで部品が完全
に浸かるように含浸剤を加え、(2)容器を減圧可能な
装置に入れ、系全体を減圧にし(この場合、部品の表面
から気泡が発生する。気泡は最初全面から出るが、暫く
すると部品の空隙部のみから発生するようになる。な
お、減圧度はできるだけ高い方が好ましいが、20〜5
0mmHgで十分である)、(3)気泡の発生が無くな
るか、殆ど無くなったら系を常圧に戻し、(4)部品を
含浸液から取り出し余滴を切った後、トリクロルエチレ
ン,トルエン,アセトン等の溶剤に浸し、表面に付着し
た含浸剤を取り除き、(5)溶剤から引き上げ、残存す
る溶剤を十分室温で飛ばした後、必要に応じて加熱乾燥
し、(6)所定の温度で硬化させる。
含浸させた後、これを硬化するが、硬化条件としては、
150〜180℃で1〜4時間で硬化させるといった条
件を採用し得る。なお、含浸方法としては公知の方法で
よく、例えば加圧含浸法、真空含浸法、常圧含浸法など
が採用され、特に電子部品の特性をよくするためには下
記のごとき真空含浸法がより効果的である。真空含浸法 (1)容器に含浸すべき部品を入れ、次いで部品が完全
に浸かるように含浸剤を加え、(2)容器を減圧可能な
装置に入れ、系全体を減圧にし(この場合、部品の表面
から気泡が発生する。気泡は最初全面から出るが、暫く
すると部品の空隙部のみから発生するようになる。な
お、減圧度はできるだけ高い方が好ましいが、20〜5
0mmHgで十分である)、(3)気泡の発生が無くな
るか、殆ど無くなったら系を常圧に戻し、(4)部品を
含浸液から取り出し余滴を切った後、トリクロルエチレ
ン,トルエン,アセトン等の溶剤に浸し、表面に付着し
た含浸剤を取り除き、(5)溶剤から引き上げ、残存す
る溶剤を十分室温で飛ばした後、必要に応じて加熱乾燥
し、(6)所定の温度で硬化させる。
【0024】
【発明の効果】本発明の電子部品用含浸剤は、優れた硬
化性を有する上、硬化後の耐湿性が従来品より優れ、こ
れによって耐湿特性に優れた電子部品を供給することが
でき、かつ製造工程を短縮することができるものであ
る。
化性を有する上、硬化後の耐湿性が従来品より優れ、こ
れによって耐湿特性に優れた電子部品を供給することが
でき、かつ製造工程を短縮することができるものであ
る。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0026】[実施例1]アクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン218部、メチルトリメトキシシラン
136部、メタノール211部を加熱可能なフラスコに
入れ、攪拌しながら0.1N−HCl水溶液40部を徐
々に滴下し、滴下終了後、室温で8時間攪拌し、次いで
60〜70℃でリフラックス状態で3時間反応させ、反
応を終了した。この反応液を室温まで冷却した後、プロ
ピレンオキサイド0.5部を添加して中和し、80℃/
10mmHgの条件でストリップを行い、溶媒を除去
し、電子部品用含浸剤245部を得た。この含浸剤は2
5℃で粘度40cs、揮発分91%(105℃/3h
r)、抽出水電導度5.0μs/cm、Na及びKイオ
ン含有量はそれぞれ1ppm、Clは2ppmであっ
た。また、収率は93.5%であった。なお、この含浸
剤を150℃/1hrで硬化させることにより、強固な
皮膜が得られた。
ジメトキシシラン218部、メチルトリメトキシシラン
136部、メタノール211部を加熱可能なフラスコに
入れ、攪拌しながら0.1N−HCl水溶液40部を徐
々に滴下し、滴下終了後、室温で8時間攪拌し、次いで
60〜70℃でリフラックス状態で3時間反応させ、反
応を終了した。この反応液を室温まで冷却した後、プロ
ピレンオキサイド0.5部を添加して中和し、80℃/
10mmHgの条件でストリップを行い、溶媒を除去
し、電子部品用含浸剤245部を得た。この含浸剤は2
5℃で粘度40cs、揮発分91%(105℃/3h
r)、抽出水電導度5.0μs/cm、Na及びKイオ
ン含有量はそれぞれ1ppm、Clは2ppmであっ
た。また、収率は93.5%であった。なお、この含浸
剤を150℃/1hrで硬化させることにより、強固な
皮膜が得られた。
【0027】[実施例2]上記実施例1におけるメチル
トリメトキシシランの代わりにフェニルトリメトキシシ
ラン198部を用いた以外は実施例1と同様にして合成
を行い、電子部品用含浸剤305部を得た。この含浸剤
は25℃で粘度60cs、揮発分90%(105℃/3
hr)、抽出水電導度4.8μs/cm、Na及びKイ
オン含有量はそれぞれ1ppm、Clは2ppmであっ
た。また、収率は94%であった。なお、この含浸剤を
150℃/1hrで硬化させることにより、強固な皮膜
が得られた。
トリメトキシシランの代わりにフェニルトリメトキシシ
ラン198部を用いた以外は実施例1と同様にして合成
を行い、電子部品用含浸剤305部を得た。この含浸剤
は25℃で粘度60cs、揮発分90%(105℃/3
hr)、抽出水電導度4.8μs/cm、Na及びKイ
オン含有量はそれぞれ1ppm、Clは2ppmであっ
た。また、収率は94%であった。なお、この含浸剤を
150℃/1hrで硬化させることにより、強固な皮膜
が得られた。
【0028】[比較例1]上記実施例1におけるアクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシランの代わりにγ−
メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン248部
を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った結
果、282部の含浸剤を得た。この含浸剤は25℃で粘
度55cs、揮発分95%(105℃/3hr)、抽出
水電導度5.0μs/cm、Na及びKイオン含有量は
それぞれ1ppm、Clは2ppmであった。また、収
率は88%であった。
ロキシプロピルメチルジメトキシシランの代わりにγ−
メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン248部
を用いた以外は実施例1と同様にして合成を行った結
果、282部の含浸剤を得た。この含浸剤は25℃で粘
度55cs、揮発分95%(105℃/3hr)、抽出
水電導度5.0μs/cm、Na及びKイオン含有量は
それぞれ1ppm、Clは2ppmであった。また、収
率は88%であった。
【0029】[比較例2]平均組成式 M2DH 38で示さ
れるメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて電子
部品用含浸剤を得た。この含浸剤は、25℃で粘度15
cs、揮発分85%(105℃/3hr)、抽出水電導
度5.1μs/cm、Na及びKイオン含有量はそれぞ
れ1ppm、Clは2ppmであった。
れるメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて電子
部品用含浸剤を得た。この含浸剤は、25℃で粘度15
cs、揮発分85%(105℃/3hr)、抽出水電導
度5.1μs/cm、Na及びKイオン含有量はそれぞ
れ1ppm、Clは2ppmであった。
【0030】次に、上記実施例及び比較例で得られた含
浸剤について下記に示す方法にて評価をおこなった。結
果を表1に示す。測定法 耐湿性:アルミニウム配線(膜厚1μ、線巾5μ)を施
したシリコーンチップを14ピンDipのフレームにマ
ウントした後、熱硬化性エポキシ樹脂で封止した電子部
品に対し、実施例及び比較例の含浸剤でそれぞれ減圧真
空含浸処理し、次いで150℃/1時間キュアーさせ、
P.C.T(121℃、2気圧)に放置し、アルミニウ
ム配線のオープン不良率を測定した。 接着性:実施例及び比較例の含浸剤で含浸処理し、これ
を硬化した電子部品100個をエポキシ系積層板にアク
リル系接着剤で仮止めし、これを電子部品を下側に、エ
ポキシ系積層板を上側に向けて260℃の半田浴中に所
定回数浸し、半田浴から引き上げる際にエポキシ系積層
板からとれて半田浴槽に落下する電子部品数を測定し、
その率を調べた。
浸剤について下記に示す方法にて評価をおこなった。結
果を表1に示す。測定法 耐湿性:アルミニウム配線(膜厚1μ、線巾5μ)を施
したシリコーンチップを14ピンDipのフレームにマ
ウントした後、熱硬化性エポキシ樹脂で封止した電子部
品に対し、実施例及び比較例の含浸剤でそれぞれ減圧真
空含浸処理し、次いで150℃/1時間キュアーさせ、
P.C.T(121℃、2気圧)に放置し、アルミニウ
ム配線のオープン不良率を測定した。 接着性:実施例及び比較例の含浸剤で含浸処理し、これ
を硬化した電子部品100個をエポキシ系積層板にアク
リル系接着剤で仮止めし、これを電子部品を下側に、エ
ポキシ系積層板を上側に向けて260℃の半田浴中に所
定回数浸し、半田浴から引き上げる際にエポキシ系積層
板からとれて半田浴槽に落下する電子部品数を測定し、
その率を調べた。
【0031】
【表1】
【0032】以上の結果より、本発明の電子部品用含浸
剤(実施例)は、従来品より短時間の硬化においても耐
湿性、対アクリル接着に優れた特性が得られた。
剤(実施例)は、従来品より短時間の硬化においても耐
湿性、対アクリル接着に優れた特性が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 努 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−258274(JP,A) 特公 平5−29159(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】 (イ)下記一般式(1)で示される有機
ケイ素化合物と、(ロ)下記一般式(2)で示される有
機ケイ素化合物との共加水分解反応生成物からなること
を特徴とする電子部品用含浸剤。 【化1】 (但し、式中R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は
アルキル基又は水素原子を示す。) R3Si(OR4)3 …(2) (但し、式中R3は炭素数1〜10のアルキル基又はフ
ェニル基、R4はアルキル基を示す。) - 【請求項2】 25℃の粘度が3〜100センチポイズ
である請求項1記載の電子部品用含浸剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5174820A JP3057305B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 電子部品用含浸剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5174820A JP3057305B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 電子部品用含浸剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714433A JPH0714433A (ja) | 1995-01-17 |
JP3057305B2 true JP3057305B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=15985238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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