JP5186668B2 - 硬化性シルセスキオキサン組成物 - Google Patents

硬化性シルセスキオキサン組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5186668B2
JP5186668B2 JP2008058411A JP2008058411A JP5186668B2 JP 5186668 B2 JP5186668 B2 JP 5186668B2 JP 2008058411 A JP2008058411 A JP 2008058411A JP 2008058411 A JP2008058411 A JP 2008058411A JP 5186668 B2 JP5186668 B2 JP 5186668B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon
composition
double bond
carbon double
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008058411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009215377A (ja
Inventor
裕文 西田
洋平 植月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagase Chemtex Corp
Original Assignee
Nagase Chemtex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagase Chemtex Corp filed Critical Nagase Chemtex Corp
Priority to JP2008058411A priority Critical patent/JP5186668B2/ja
Publication of JP2009215377A publication Critical patent/JP2009215377A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5186668B2 publication Critical patent/JP5186668B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、金属やセラミックス等の無機材料、プラスチック等への接着性に優れた硬化性シルセスキオキサン組成物に関する。
従来、LED等の光素子のための封止樹脂として透明エポキシ樹脂が多用されてきたが、LED動作時に発生する熱やLED素子が発する短波長光の暴露により、経時的に黄変し易い性質があった。黄変は光素子の輝度低下の原因となるため、高輝度化が進む光素子用の封止剤としてエポキシ樹脂を適用することが困難な状況にある。このエポキシ樹脂の欠点を克服するものとして、硬化性シルセスキオキサン組成物からなる光素子用封止剤が提案された(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、シリコーン組成物は金属やプラスチック等の基材に対する接着力に欠けることが多い。
シリコーン組成物の接着性を改善する技術として、(メタ)アクリレートモノマーとアルコキシシリル基を有するビニル系単量体とヒドロシリル基を有するビニル系単量体等との共重合体を配合した硬化性オルガノポリシロキサン組成物(例えば、特許文献2参照。)、エポキシ基を有する有機ケイ素化合物を配合した硬化性オルガノポリシロキサン組成物(例えば、特許文献3参照。)、チタン触媒とシランカップリング剤とを混合、熟成した接着成分を用いるポリシロキサン組成物(例えば、特許文献4参照。)、アミノアルキルシランとグリシドキシアルキルシランとの反応物からなる接着促進剤を用いる技術(例えば、特許文献5参照。)、(メタ)アクリロキシアルキル変性オルガノポリシロキサンを接着成分として用いる技術(例えば、特許文献6参照。)等がある。しかしながら、これらの技術を硬化性シルセスキオキサン組成物に適用しても必ずしも充分な接着強度を得ることができない。
特開2004−359933号公報 特開2006−63092号公報 特開平6−145525号公報 特開2007−2088号公報 特開平8−311346号公報 特開平2007−9189号公報
上述の現状に鑑みて、本発明は、黄変しにくく透明性を維持しつつ、金属、プラスチック、セラミック、ガラス、半導体等への接着強度に優れる硬化性シルセスキオキサン組成物を提供することを目的とする。このような組成物は、光学素子等の封止、接着等のために使用することができる。
本発明は、炭素−炭素二重結合を含有する炭素数2〜12の炭化水素基を少なくとも2つ有するシルセスキオキサン、及び、下記一般式(1)で表される、炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の炭化水素基含有リン酸化合物を含有し、前記リン酸化合物は、リン酸トリアリルエステル、リン酸ジアリルエステル又はトリメトキシシラン付加型リン酸ジアリルエステルであることを特徴とする硬化性シルセスキオキサン組成物である。
Figure 0005186668
式(1)中、Xは炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜12の、シリル基を含んでいてもよい、1価の炭化水素基を表す。aは1〜3の整数を、cは0又は1を表し、b=3−(a+c)を満たす0又は正の整数である。
本発明の他の態様においては、さらに硬化剤として、少なくとも2つのH−Si結合含有基を有する化合物を配合してもよい。
本発明のさらに別の態様においては、さらに、炭素−炭素二重結合含有シランと含水アルコールとを含有してもよい。
本発明の硬化性シルセスキオキサン組成物(以下、単に本発明の組成物ともいう。)は上述の構成により、高い接着強度を発揮し、封止剤、接着剤、封止接着剤等として有用である。
本発明の組成物はシランカップリング剤を使用せずに高い接着強度を発揮することができるとともに、炭素−炭素二重結合含有シランを併用しても、一層の接着強度を発揮することができる。このことは、従来、硬化性シルセスキオキサン組成物にビニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を配合すると却って接着強度を低下させることが観察されていたが、この欠点を克服するものである。
本発明の組成物は、従来、接着性が悪かった金属、セラミックス、ガラス、半導体、プラスチック等に適用することにより、封止、接着等を行うことができる。
本発明の組成物は、熱や光の暴露を受けても透明性がほとんど低下しないという高透明安定性と、高接着性とを兼備するため、それを使用した封止剤は、高温高湿条件下の高耐久性、高輝度の光素子の製造を可能にすることができ、例えば、LED等の発光素子の封止用樹脂、接着用樹脂として使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性シルセスキオキサン組成物は、炭素−炭素二重結合を含有する炭素数2〜12の炭化水素基を少なくとも2つ有するシルセスキオキサンを主成分とする。炭素−炭素二重結合を含有する炭素数2〜12の炭化水素基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニルエチル基、5−(ビシクロヘプテニル)基、シクロペンテニル基、CH=CH−(CH−、スチリル基等を挙げることができる。
シルセスキオキサンは、通常、3官能性有機ケイ素化合物の加水分解、重縮合により合成されるポリシロキサンであってASiO3/2単位を有する(Aは水素原子、又は、置換基)。シルセスキオキサンの分子配列の形状は、代表的には無定形構造、ラダー型構造、籠型(完全縮合ケージ型)構造又はその部分開裂構造体(籠型構造からケイ素原子のうちの一部が欠けた構造や籠型構造の一部のケイ素−酸素結合が切断された構造のもの)等が知られている。本発明におけるシルセスキオキサンは、これらのシルセスキオキサン化合物のうち、いずれの構造のものであってもよく、また、それらの混合物であってもよい。
本発明においてシルセスキオキサンは、炭素−炭素二重結合を含有する炭素数2〜12の炭化水素基を少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、有する。上記炭化水素基は、シルセスキオキサンの架橋物を形成するために必要な官能基であって、適切な硬化剤との組み合わせにより、又は、自己縮合的若しくは自己付加的に、硬化物を形成することができる。
本発明においてシルセスキオキサンは、上記炭素−炭素二重結合を含有する炭素数2〜12の炭化水素基以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の置換基を有していてもよい。このような他の置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、ハロゲン等が挙げられる。具体例には、例えば、メチル基、イソブチル基、オクチル基、イソオクチル基、フェニル基、フェネチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基、アダマンチルエチル基等を挙げることができる。
上記シルセスキオキサンのうち、籠型シルセスキオキサンの合成法としては、籠型シルセスキオキサンの骨格構造を合成したものに上記炭化水素基等の置換基を導入する方法、又は、置換基を有する3官能有機ケイ素モノマーの加水分解による方法、等が知られているが、そのいずれの方法を用いてもよい。
ラダー構造体の製造方法としてはとくに限定されず、例えば、アルキルトリアルコキシシラン又はアルキルトリクロロシランを共加水分解縮合して製造する方法等が知られており、これを利用することができる。反応温度としては、例えば、20〜100℃であり、反応時間は1〜24時間である。ラダー構造の規則性を高めるために、最初の加水分解反応を20〜60℃の比較的低温で0.5〜1時間おこなってから、引き続き昇温して70〜90℃で1〜23時間反応させることが好ましい。この条件でない場合は、無定形物の出現が増加する。また、有機ケイ素モノマーの加水分解を行うpHと縮合反応を行うpHとを調節することにより、ラダー型シルセスキオキサンの重合度を調節することができる。
本発明において、シルセスキオキサンの硬化は、シルセスキオキサンの自己縮合反応又は自己付加反応によるものであってもよい。このような反応は、相互に反応可能な置換基同士の組み合わせによって可能となり、例えば、ビニル基とSi原子に直結した水素原子とのヒドロシリル化反応、籠型構造体シルセスキオキサンの部分開裂体におけるシラノール基同士の加水分解・縮合、エポキシ環を含有する炭化水素基とシラノール基との反応等がその典型例である。
本発明においては、シルセスキオキサンの硬化物を形成するために、硬化剤を使用してもよい。このような硬化剤としては、例えば、1分子中に少なくとも2つのH−Si結合含有基を有する化合物等を挙げることができる。このような化合物としては、例えば、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。また、テトラメチルシクロテトラシロキサン等の1分子中にSi−H結合含有基を3つ又はそれ以上有する化合物であってもよい。これらのうち、耐熱性、靭性、相溶性の観点から、好ましくは1,4−ビスジメチルシリルベンゼンである。なお、本明細書中、Si−H結合含有基とは、Si原子に少なくとも一つのH原子が結合してなる基をいい、例えば、ヒドロシリル基等である。
硬化剤の配合量は、シルセスキオキサンに含まれる炭素―炭素二重結合のモル数と、硬化剤に含まれるSi−H結合含有基の水素のモル数との比が1:0.9〜1:1.05となるように添加するのが好ましく、さらに、1:0.99〜1:1.01となるように添加するのがより好ましい。
本発明においては、硬化剤とともに、硬化触媒を使用する。このような硬化触媒としては、例えば、白金含有触媒、例えば、白金−ジビニルシロキサン錯体、白金環状ビニルメチルシロキサン錯体、トリス(ジベンジリデンアセトン)二白金、塩化白金酸、ビス(エチレン)テトラクロロ二白金、シクロオクタジエンジクロロ白金、ビス(シクロオクタジエン)白金、ビス(ジメチルフェニルホスフィン)ジクロロ白金、テトラキス(トリフェニルホスフィン)白金、白金カーボン等のヒドロシリル化触媒を使用することができる。
このような硬化触媒の配合量は、組成物中、白金の含有量が3〜100ppmとなるように添加するのが好ましく、より好ましくは8〜30ppmである。
本発明の組成物において、上記一般式(1)で表される、炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の炭化水素基含有リン酸化合物(以下、単に、「本発明におけるリン酸化合物」ともいう)は、接着性向上のための成分である。上記の炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の炭化水素基としては、例えば、上述した例示の炭化水素基の他に、エーテル結合やエステル結合を含有する炭素−炭素二重結合含有基、例えば、C=C−CO−O−C−C−、C=C−C−O−C−C−等の骨格を有する基等を挙げることができ、これらのうち、アリル基、メタクリロイルオキシエチル基、3−シクロヘキセニル基が好ましい。上記一般式(1)中、Rは、シリル基(例えば、トリメトキシシラン等)を含んでいてもよい炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表す。上記Rとしては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及びこれらにシリル基が結合した基等を挙げることができ、例えば、上述した例示の該当する基(メチル基、イソブチル基、プロピル基、フェニル基、シクロヘキシル基等)、及びトリメトキシシリルエチル、トリメトキシシリルプロピル等を挙げることができ、好ましくは、トリメトキシシリルプロピルである。aは1〜3の整数を、cは0又は1を表し、b=3−(a+c)を満たす0又は正の整数である。具体例には、例えば、aが3、b及びcが0の化合物、aが2、bが1、cが0の化合物、aが2、bが0、cが1の化合物、aが1、bが2、cが0の化合物、aが1、bが1、cが1の化合物が挙げられる。これらのうち、aが3、b及びcが0の化合物、aが2、bが1、cが0の化合物、aが2、bが0、cが1の化合物が好ましく、aが3、b及びcが0の化合物、aが2、bが0、cが1の化合物がより好ましい。
上記一般式(1)で表される、炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の炭化水素基含有含有リン酸化合物としては、例えば、リン酸トリアリルエステル、リン酸ジアリルエステル、トリメトキシシラン付加型リン酸ジアリルエステル、例えば、トリメトキシシリルプロピルリン酸ジアリルエステル、ジ(トリメトキシシリルプロピル)リン酸アリルエステル、ジ(メタクリロイルオキシエチル)リン酸エステル、リン酸トリ(2−シクロヘキセニルメチル)、ジ(2−シクロヘキセニルメチル)リン酸エステル等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
本発明におけるリン酸化合物の配合量は、シルセスキオキサン100重量部又は該当する場合は硬化剤との合計量100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。
本発明の組成物には、さらに、炭素−炭素二重結合含有シランと含水アルコールとを含有することができる。上記炭素−炭素二重結合含有シランとしては、例えば、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、下記一般式(2)で表されるシリケートオリゴマー等を挙げることができる。
Figure 0005186668
式(2)中、Yはビニル基、アリル基、スチリル基又はシクロヘキセニルエチル基を表し、Zは炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。n及びmは、n:mの比が10:0〜1:9であり、かつ、m+n=2〜40を満たす0又は正の整数である。好ましくは、m=5〜15、n=5〜15のオリゴマーである。
上記炭素−炭素二重結合含有シランとしては、これらのうち、好ましくはビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、上記一般式(2)で表されるシリケートオリゴマー(Yが好ましくはビニル基、アリル基であり、Zが好ましくはフェニル基、シクロヘキシル基であり、Yがビニル基、Zがフェニル基がより好ましい。)である。上記シランは1種又は2種以上を併用することができる。
上記含水アルコールとしては、例えば、含水メタノール、含水エタノール、含水イソプロパノール等を挙げることができる。含水アルコールの含水量は、10〜50%程度が好ましい。
上記炭素−炭素二重結合含有シランと含水アルコールの配合量は、シルセスキオキサン100重量部又は該当する場合はシルセスキオキサンと硬化剤との合計量100重量部に対して、上記炭素−炭素二重結合含有シラン0.1〜5重量部が好ましく、含水アルコールは、含まれる水のモル数がアルコキシ基のモル数を超えないように添加する。
本発明の組成物には、本発明の目的を阻害しないかぎり、その他の添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、TINUVIN(登録商標)770、TINUVIN(登録商標)622LD(いずれもチバスペシャルティーケミカルズ社製)、アデカスタブ(登録商標)LA−57(旭電化工業社製)等が挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、IRGANOX(登録商標)1010(チバスペシャルテーケミカルズ社製)、ノクラックNS−30(商品名)(大内新興化学工業社製)、トミノックスTT(商品名)(吉豊ファインケミカル社製)等が挙げられる。
ただし、溶剤は使用しないことが好ましい。
上記ヒンダードアミン系光安定化剤の配合量は、組成物中、0.01〜0.5phrが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3phrである。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の配合量は、組成物中、0.01〜0.5phrが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3phrである。
本発明の組成物は、通常、各成分を所定の比率で配合後、5〜10分撹拌し、その後減圧にして脱泡してから用いる。この時、撹拌時に咬み込んだ気泡を除去すると共に、炭素−炭素二重結合含有シラン中に含まれるアルコキシ基と含水アルコール中の水との反応により脱離するアルコール、及び含水アルコール中のアルコール成分とを効率よく減圧留去することができ、加熱硬化中の発泡を効果的に抑えることができる。
本発明の組成物は、硬化条件として、120〜150℃、1〜5時間程度を使用することができる。また、初めに比較的低温、例えば、60〜90℃程度で、比較的短時間、例えば、1〜3時間の初期硬化を施し、その後、より高温、長時間、例えば、120〜180℃、1〜5時間、の硬化処理を行うステップキュア法を使用することもできる。
本発明の組成物は、例えば、ガラス基板、金属基板、半導体基板等の上に、塗布、硬化させることにより、硬化厚み0.5〜4μm程度の薄膜を形成することができる。または、LEDやLD等の発光素子等の封止剤や接着剤として使用することができる。本発明は従って、このような本発明の組成物を硬化してなる薄膜や硬化物を使用した封止体(例えば、半導体封止体)や接着体(例えば、半導体接着体又は半導体封止接着体)でもある。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜9及び1A〜1B、及び比較例1〜5及び1A〜1B
表1に示す各成分及び組成(重量部)でそれぞれ配合し室温で混合し、均一な組成物を調製した。ただし、白金−ジビニルシロキサン錯体の配合量は、白金が、固形分(ビニル基含有シルセスキオキサンと1,4−ビスジメチルシリルベンゼンとの合計量)に対して質量基準で21ppmとなるように計算して添加した。
得られた各組成物をアルミニウム板上に塗布し、2枚のアルミニウム板を接着したのち、それぞれ、下記の条件で硬化させて硬化物を得た。
硬化条件:80℃×1時間+150℃×3時間
測定条件は以下のとおり。
引張剪断接着強さ(N/mm2)の測定:接着強さの測定はJIS K6850に準拠した。結果を表1に示した。
恒温恒湿試条件下の引張剪断接着強さ:実施例1A、1B及び比較例1A、1Bについて表2に示す条件に置いた後、測定を行った。実施例1及び比較例1とともに結果を表2に示した。
表中の用語の意味は以下のとおり。
シルセスキオキサン1:ナガセケムテックス社製シルセスキオキサン系樹脂YOH−1−1A(ビニル当量=324g/eq、重量平均分子量Mw=1400)
シルセスキオキサン2: ナガセケムテックス社製シルセスキオキサン系樹脂YOH−1−2A(ビニル当量=194g/eq、重量平均分子量Mw=1500)
白金−ジビニルシロキサン錯体:0.21%白金−ジビニルジシロキサンキシレン溶液
トリメトキシシラン付加リン酸エステル:リン酸トリアリル1モルに対し、トリメトキシシラン1モルを、白金−ジビニルシロキサン錯体を触媒としてヒドロシリル化により付加させて合成した。
シリケートオリゴマー:上記式(2)において、Yはビニル基、Zはフェニル基、平均のn及びmはそれぞれ、m=10、n=10であるシリケートオリゴマー
Figure 0005186668
Figure 0005186668
上記実施例から、ビニル基含有シルセスキオキサンを1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンで硬化させる樹脂組成物にリン酸エステル、あるいはさらに、炭素−炭素二重結合含有シランと含水アルコールを添加した実施例1〜9の樹脂を接着剤として接着したアルミニウム板は、高い接着性を有していた。また、リン酸トリアリルを添加した実施例1A〜1Bは高温・高湿度条件下に曝した後も、接着強度の低下が小さいかあるいはむしろ大きくなるという、高い耐湿接着性を有していることが分った。
一方、ビニルトリメトキシシランやそのオリゴマーのような炭素−炭素二重結合含有シランのみを接着性付与剤として添加した比較例1〜5では、炭素−炭素二重結合含有シランの添加により、無添加系と同等か、むしろそれより接着強度が低下した。さらに、比較例1A〜1Bから判るように高温・高湿度条件下に曝すことにより、大きく低下した。

Claims (8)

  1. 炭素−炭素二重結合を含有する炭素数2〜12の炭化水素基を少なくとも2つ有するシルセスキオキサン、及び、下記一般式(1)で表される、炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の炭化水素基含有リン酸化合物を含有し、前記リン酸化合物は、リン酸トリアリルエステル、リン酸ジアリルエステル又はトリメトキシシラン付加型リン酸ジアリルエステルであることを特徴とする硬化性シルセスキオキサン組成物。
    Figure 0005186668
    (式(1)中、Xは炭素−炭素二重結合を含有し、酸素原子を含んでいてもよい、炭素数3〜12の1価の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜12の、シリル基を含んでいてもよい、1価の炭化水素基を表す。aは1〜3の整数を、cは0又は1を表し、b=3−(a+c)を満たす0又は正の整数である。)
  2. さらに硬化剤として、少なくとも2つのH−Si結合含有基を有する化合物を配合してなる請求項記載の組成物。
  3. さらに、炭素−炭素二重結合含有シランと含水アルコールとを含有する請求項1又は2記載の組成物。
  4. 炭素−炭素二重結合含有シランは、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン及び下記一般式(2)で表されるシリケートオリゴマーからなる群から選択される少なくとも1種である請求項記載の組成物。
    Figure 0005186668
    (式(2)中、Yはビニル基、アリル基、スチリル基又はシクロヘキセニルエチル基を表し、Zは炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。n及びmは、n:mの比が10:0〜1:9であり、かつ、m+n=2〜40を満たす0又は正の整数である。)
  5. 請求項1〜のいずれか記載の組成物を含有してなる封止剤。
  6. 請求項1〜のいずれか記載の組成物を含有してなる接着剤。
  7. 請求項1〜のいずれか記載の組成物を硬化してなる封止体。
  8. 請求項1〜4のいずれか記載の組成物を硬化してなる接着体
JP2008058411A 2008-03-07 2008-03-07 硬化性シルセスキオキサン組成物 Expired - Fee Related JP5186668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008058411A JP5186668B2 (ja) 2008-03-07 2008-03-07 硬化性シルセスキオキサン組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008058411A JP5186668B2 (ja) 2008-03-07 2008-03-07 硬化性シルセスキオキサン組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009215377A JP2009215377A (ja) 2009-09-24
JP5186668B2 true JP5186668B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=41187576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008058411A Expired - Fee Related JP5186668B2 (ja) 2008-03-07 2008-03-07 硬化性シルセスキオキサン組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5186668B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180384A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Showa Denko Kk 発光素子接着用樹脂組成物、発光素子の接着方法およびランプ
JP5552788B2 (ja) * 2009-10-05 2014-07-16 日立化成株式会社 エポキシ樹脂組成物、半導体封止充てん用樹脂組成物及び半導体装置
WO2014017294A1 (ja) * 2012-07-23 2014-01-30 セントラル硝子株式会社 接着性組成物およびその接着方法、および接着後の剥離方法
CN105934483A (zh) * 2014-01-31 2016-09-07 住友化学株式会社 Uv-led用聚倍半硅氧烷系密封材料组合物及用于它的磷酸系催化剂的使用
JP6981933B2 (ja) * 2018-08-15 2021-12-17 信越化学工業株式会社 硬化性組成物、該組成物の硬化物、及び該硬化物を用いた半導体装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226634A (ja) * 2000-02-16 2001-08-21 Showa Denko Kk コーティング組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009215377A (ja) 2009-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5149022B2 (ja) 光半導体封止用シリコーン組成物及びそれを用いた光半導体装置
KR102126107B1 (ko) Led 패키징을 위한 경화성 실리콘 고무 조성물
KR100437516B1 (ko) 접착성이개선된경화성오가노폴리실록산조성물및이에결합된복합체
JP6567693B2 (ja) 縮合反応型シリコーン組成物及び硬化物
JP4804775B2 (ja) シール用硬化性ポリオルガノシロキサン組成物、およびガスケット
EP3119847B1 (en) Alkoxy group-containing silicones with reactive functional groups of defined reactivity
JP5846208B2 (ja) 耐熱衝撃性硬化物及びその製造方法
JP5186668B2 (ja) 硬化性シルセスキオキサン組成物
JP6187681B2 (ja) 新規ビス(アルコキシシリル−ビニレン)基含有ケイ素化合物及びその製造方法
WO2015163352A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物
JP4522816B2 (ja) 難燃性を有する接着性ポリオルガノシロキサン組成物
US5492994A (en) Adhesion additives and curable organosiloxane compositions containing same
US5567752A (en) Silicon- and nitrogen- containing adhesion promotors and compositions containing them
JPWO2017164265A1 (ja) 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び半導体装置
WO2015178475A1 (ja) 分岐鎖状ポリオルガノシロキシシルアルキレン、その製造方法、硬化性樹脂組成物、及び半導体装置
WO2015163355A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及びその硬化物、グリコールウリル誘導体及びその製造方法
JP6776478B1 (ja) 接着性ポリオルガノシロキサン組成物
JP6496185B2 (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
JP7353026B2 (ja) 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物及びその硬化物
WO2014021419A1 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2021517188A (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び電気/電子機器
JP2020026493A (ja) 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物及びその硬化物
US20220396699A1 (en) Curable silicone resin composition, silicone resin cured material, dam material, encapsulant, and semiconductor device
JP2017145358A (ja) 硬化性シリコーン樹脂組成物及びその硬化物
TW201605979A (zh) 聚矽氧樹脂組成物、聚矽氧樹脂硬化物以及光半導體元件密封體

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees