JP5552788B2 - エポキシ樹脂組成物、半導体封止充てん用樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、半導体封止充てん用樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、半導体封止充てん用樹脂組成物及び半導体装置に関する。
半導体チップと基板とがフリップチップ接続された半導体装置では、半導体チップと基板の熱膨張係数差に由来する熱応力を分散して接続信頼性を高めるために、半導体チップと基板の間の空隙が樹脂によって封止されている。封止の方法としては、半導体チップと基板を接続した後、液状の封止充てん用樹脂組成物を、毛細管現象を利用して注入する方式が広く採用されている。
近年、半導体装置の高機能化に伴って半導体チップが大型化する傾向にある。このために、発生する熱応力が増大し、封止樹脂の強度を上回る熱応力が作用してクラックが発生し、信頼性が低下する場合があることから、封止充てん用樹脂組成物の強靭化が強く求められている。
封止充てん用樹脂組成物としては、液状エポキシ、液状硬化剤及び無機フィラーを主成分とする液状エポキシ樹脂組成物が知られている。例えば、下記特許文献1及び2には、上記のような液状エポキシ樹脂組成物を強靭化する技術が提案されている。
特開2003−183351号公報 特開2004−99810号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のように固形のエポキシ樹脂やポリマーなどの改質剤によって強靭化を図る方法では、樹脂組成物の粘度が増大しやすく、そのために改質剤の配合量が制限されて強靭化の効果を十分に得ることが困難である。樹脂組成物の粘度の増大は、半導体チップと基板の間の空隙に封止充てんする時間が長くなることから作業性の低下につながる。また、ゴム微粒子などを配合する場合、微粒子とエポキシ樹脂との密着力が十分に高くないと強靭化の効果が発現しない場合があった。他方、架橋密度を低下させて塑性変形能を向上させることにより硬化物の強靭化を図ることが考えられるが、この方法では硬化物の耐熱性が低下する場合がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、強靭性及び耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物及び半導体封止充てん用樹脂組成物並びにそれを用いて製造される半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは、エポキシ樹脂組成物の強靭化について鋭意検討した結果、エポキシ樹脂組成物に特定の構造を有するエポキシ樹脂と特定の基を有する化合物とを改質剤として添加することによって、得られる硬化物は破断エネルギー及び破断ひずみが増大(強靭化)して高い破壊靭性値を示し、さらには耐熱性も向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)柔軟性エポキシ樹脂、及び(d)アクリル基若しくはメタクリル基を有する化合物、を含み、(c)柔軟性エポキシ樹脂が、分子内にビスフェノール骨格を有し且つ分子内のエポキシ基がアルコール性水酸基とのグリシジルエーテル構造をなしているエポキシ樹脂を含有し、(a)エポキシ樹脂が、(c)柔軟性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含有し、回路基板と半導体素子との間の空隙を封止するために用いられることを特徴とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、上記構成を有することにより、強靭性及び耐熱性に優れた硬化物を形成することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物において強靭化が発現する機構及び耐熱性が向上する機構については明らかになっていないが、優れた強靭性及び耐熱性は、上記(c)成分の添加によって塑性変形能が向上したエポキシ硬化物ネットワークと、上記(d)成分のアクリル基若しくはメタクリル基によって形成される硬化物ネットワークとが互いに絡み合った構造、いわゆる相互貫入ネットワークIPN(Inter−Penetrating Network)が構築されることに起因すると本発明者らは考えている。
高水準の強靭性及び耐熱性を得る観点から、上記(d)化合物が、アクリル基若しくはメタクリル基とエポキシ樹脂とを有する化合物であることが好ましい。この場合、上記のIPNが構築されることに加えて、互いのネットワーク間が上記化合物のエポキシ基を介して架橋されることによってIPN構造が補強されて、高水準の強靭性及び耐熱性が達成されたものと本発明者らは推察する。
耐熱性、保存安定性、および低アウトガス性の観点から、上記(b)硬化剤が、1級又は2級アミノ基を有する芳香族アミン化合物であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、無機フィラーを更に含むことができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、25℃において液状であることが好ましい。ここで、「液状」とは、25℃において、流動性を示すことを指す。作業性の観点から、その粘度が1000Pa・s以下であることが好ましい。
本発明はまた、本発明のエポキシ樹脂組成物からなる半導体封止充てん用樹脂組成物を提供する。本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物によれば、半導体チップ間や半導体チップと基板の間の空隙に充てんされることで強靭性に優れた封止樹脂を形成することができる。
本発明はまた、本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して製造された半導体装置を提供する。
本発明はまた、回路基板と、該回路基板と電気的に接続された半導体素子と、本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物の硬化物からなり前記回路基板と前記半導体素子との間の空隙を封止する封止樹脂と、を備える半導体装置を提供する。本発明の半導体装置は、回路基板と半導体素子との間の空隙が本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物によって封止されたものであることにより、大型化した半導体素子を備える場合であっても、クラックが発生しにくく、信頼性に優れたものになり得る。
本発明によれば、強靭性及び耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物及び半導体封止充てん用樹脂組成物並びにそれを用いて製造される半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)柔軟性エポキシ樹脂、及び(d)アクリル基若しくはメタクリル基を有する化合物を含むものである。
(a)エポキシ樹脂としては、2官能以上であれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド骨格含有エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型多官能エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有多官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有多官能エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格含有多官能エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、その他各種多官能エポキシ樹脂などを用いることができる。これらの中でも、低粘度化、低吸水率、高耐熱性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有多官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有多官能エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格含有多官能エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂などを用いることが望ましい。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記のエポキシ樹脂は、液状でも固形でも用いることができるが、低粘度化及び成形性や加工性の観点から、25℃において液状であるものが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における(a)エポキシ樹脂の含有量は、組成物全量基準で10〜99質量%が好ましく、15〜90質量%がより好ましい。
(b)硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化剤として機能するものであればよく、例えば、イミダゾール類、酸無水物類、アミン類、フェノール類、ヒドラジド類、ポリメルカプタン類、ルイス酸−アミン錯体などを用いることができる。その中でも、低粘度化、保存安定性、硬化物の耐熱性などの観点から、イミダゾール類、酸無水物類、アミン類、フェノール類を用いることが望ましく、耐湿信頼性の観点からイミダゾール類、アミン類、フェノール類を用いることがさらに望ましい。
上記の硬化剤は、液状でも固形でも用いることができるが、低粘度化や配合時及び加工時の作業性の観点から、25℃において液状であるものが好ましい。
イミダゾール類としては、例えば、2MZ、C11Z、2PZ、2E4MZ、2P4MZ、1B2MZ、1B2PZ、2MZ−CN、2E4MZ−CN、2PZ−CN、C11Z−CN、2PZ−CNS、C11Z−CNS、2MZ−A、C11Z−A、2E4MZ−A、2P4MHZ、2PHZ、2MA−OK、2PZ−OK(四国化成工業株式会社製、製品名)などや、これらのイミダゾール類をエポキシ樹脂と付加させた化合物が挙げられる。また、これら硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは可使時間が延長されるために好ましい。これらは単独または2種以上を混合して使用することもできる。
硬化剤としてイミダゾール類を配合する場合、その配合量は、エポキシ樹脂に対して0.1〜10質量%となる割合が望ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。配合量が0.1質量%より少ないと、十分に硬化しない虞があり、10質量%を超えると保存安定性が低下する虞がある。
酸無水物類としては、例えば、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1−イソプロピル−4−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することもできる。
硬化剤として酸無水物類を配合する場合、その配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基の数と酸無水物基から発生するカルボン酸の数との比(エポキシ基の数/カルボン酸の数)が0.5〜1.5となるように設定することが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2である。上記比(エポキシ基の数/カルボン酸の数)が0.5より小さい場合、カルボン酸基が過剰に残存し、耐湿信頼性が低下する虞があり、1.5より大きい場合、硬化が十分進行しない虞がある。
アミン類としては、分子内に1級又は2級アミノ基を少なくとも一つ有している化合物を用いることができ、低アウトガス性、保存安定性及び硬化物の耐熱性の観点から芳香族アミン類が望ましい。芳香族アミン類としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルフィド、メタキシレンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルトルエンジアミン、アニリン類、アルキル化アニリン類、N−アルキル化アニリン類、などが挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することもできる。
硬化剤としてアミン類を配合する場合、その配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基の数と活性水素の数との比(エポキシ基の数/活性水素の数)が0.5〜1.5になるように設定することが望ましく、より好ましくは0.7〜1.2である。上記比(エポキシ基の数/活性水素の数)が0.5より小さい場合、アミン類が過剰に残存し、耐湿信頼性が低下する虞があり、1.5より大きい場合、硬化が十分に進行しない虞がある。
フェノール類としては、例えば、ビスフェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アリル化フェノールノボラック樹脂、ビフェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂、キシリレン変性フェノールノボラック樹脂、キシリレン変性ナフトールノボラック樹脂、各種多官能フェノール樹脂等が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することもできる。
硬化剤としてフェノール類を配合する場合、その配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ基の数とフェノール性水酸基の数との比(エポキシ基の数/フェノール性水酸基の数)が0.5〜1.5になるように設定することが望ましく、より好ましくは0.7〜1.2である。上記比(エポキシ基の数/フェノール性水酸基の数)が0.5より小さい場合、フェノール類が過剰に残存し、耐湿信頼性が低下する虞があり、1.5より大きい場合、硬化が十分進行しない虞がある。
硬化剤として酸無水物類、アミン類、フェノール類を用いる場合、硬化促進剤を併用することができる。硬化促進剤としては、例えば、上記イミダゾール類が挙げられる。硬化促進剤の配合量は、硬化に要する時間や保存安定性を考慮して適宜設定される。
(c)柔軟性エポキシ樹脂としては、例えば、分子内のエポキシ基がフェノール性水酸基とのグリシジルエーテル構造をなしていないエポキシ樹脂が挙げられる。より具体的には、分子内のエポキシ基がアルコール性水酸基とのグリシジルエーテル構造をなしているエポキシ樹脂、分子内のエポキシ基がカルボキシル基とのグリシジルエステル構造をなしているエポキシ樹脂、分子内のエポキシ基がグリシジルアミン構造をなしているエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂など挙げられる。
反応性や強靭化効果の観点から、柔軟性エポキシ樹脂としては、分子内のエポキシ基がアルコール性水酸基とのグリシジルエーテル構造をなしているエポキシ樹脂が望ましい。このエポキシ樹脂は、例えば、アルコール類とエピクロルヒドリンとの付加反応、或いは、ビニルエーテル類とグリシドールとのアセタール化反応によって合成されたものを用いることができる。
柔軟性エポキシ樹脂は、例えば、東都化成株式会社製の液状エポキシ樹脂ZX−1627(製品名、エチレンオキシド変性ビスフェノールA型エポキシ、エポキシ当量237)、ジャパンエポキシレジン株式会社製の液状エポキシ樹脂YL7175−500(製品名、エポキシ当量487)、YL7175−1000(製品名、エポキシ当量1124)、新日本理化株式会社製の液状エポキシ樹脂 BEO−60E(製品名、ビスフェノールAビス(トリエチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、エポキシ当量360)、BPO−20E(製品名、ビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、エポキシ当量320)、大阪ガスケミカル株式会社製のエポキシ樹脂オグソールEG(製品名、エチレンオキシド変性4,4’−(9−フルオレニリデン)ビスフェノール型エポキシ、エポキシ当量294)、オグソールEG−210(製品名、エチレンオキシド変性4,4’−(9−フルオレニリデン)ビスフェノール型エポキシ、エポキシ当量342)などを用いることができる。
柔軟性エポキシ樹脂は、硬化物ネットワーク骨格内に組み込んで強靭化効果を十分に発揮させる観点から、分子内に少なくとも二つのエポキシ基を含んでいることが望ましい。
また、柔軟性エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で示される構造を有するものを用いることができる。
Figure 0005552788


[式(1)中、Xは2価の有機基を示し、L及びLはそれぞれ独立に、芳香族基以外の基を示す。]
本発明においては、上記一般式(1)中のL及びLが、エチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基などのポリエーテル基、又は炭素原子数2〜15のアルキル基であるものが好ましい。
また、柔軟性エポキシ樹脂としては、硬化物の架橋密度を低下させ、塑性変形能を向上させる観点から、ポリエチレンオキシド変性、ポリシロキサン変性、ポリエーテル変性、カプロラクトン変性、直鎖アルキル変性などによって柔軟性骨格が導入されたエポキシ樹脂であってもよい。
更に、柔軟性エポキシ樹脂は、耐熱性の観点から、分子内にビスフェノール骨格を有していることが望ましい。ビスフェノール骨格としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビスフェノール型などが挙げられる。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、上記一般式(1)中のXが、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールAD骨格、ビスフェノールS骨格、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビスフェノール骨格であるものや、これらの骨格中のフェノール性水酸基がエチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、又は炭素原子数2〜15のアルキル基、ポリシロキサン基で結合されており、ビスフェノール骨格を複数含んでいるものなどが挙げられる。
柔軟性エポキシ樹脂は、硬化物の強靭化の観点から、エポキシ当量が200以上であるものが好ましい。柔軟性エポキシ樹脂のエポキシ当量が200より小さいと、硬化物の架橋密度を低下させて塑性変形能を向上させるという効果が十分発揮されず、強靭化効果が得られにくくなる。
柔軟性エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
柔軟性エポキシ樹脂は、液状でも固形でも用いることができるが、低粘度化や配合時及び加工時の作業性の観点から、25℃において液状であるものが好ましい。
(c)柔軟性エポキシ樹脂の配合量としては、(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤の総量100質量部に対して、0.5〜20質量部とすることが望ましく、1〜15質量部とすることがより望ましく、5〜15質量部とすることがさらに望ましい。この配合量が0.5質量部より少ないと、強靭化の効果が十分発現されない虞があり、20質量部を超えると、粘度が上昇して作業性が低下したり、耐熱性が低下する虞がある。
(d)アクリル基若しくはメタクリル基を有する化合物としては、分子内に少なくとも一つのアクリル基若しくはメタクリル基を有する化合物であればよく、例えば、アクリル基を有する化合物としては、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられ、メタクリル基を有する化合物としては、上記アクリル基有する化合物のメタクリレート誘導体などが挙げられる。また、(d)アクリル基若しくはメタクリル基を有する化合物は、直鎖状の構造をした化合物だけでなく、高度に分岐した構造を有する末端アクリレート変性デンドリマーを用いてもよい。このような化合物は、大阪有機化学工業株式会社製のV#1000、V#1020、V#1080などが入手可能である。
また、高水準の強靭性及び耐熱性を得る観点から、上記(d)化合物は、アクリル基若しくはメタクリル基とエポキシ樹脂とを有する化合物であることが好ましい。このような化合物は、例えば、トリフェニルホスフィンやテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下、分子内に少なくとも二つのエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とを、エポキシ基とカルボキシル基の当量比が0.1〜0.9となるように混合し(当量比=アクリル酸及び/又はメタクリル酸中のカルボキシル基の数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数)、エポキシ基の一部をアクリル酸及び/又はメタクリル酸と反応させることによって合成することが可能である。合成に用いるエポキシ樹脂としては、耐熱性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ジフェニルスルフィド骨格含有エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型多官能エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有多官能エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有多官能エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格含有多官能エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂などを用いることが望ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。
(d)化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(d)化合物は、液状でも固形でも用いることができるが、低粘度化や配合時及び加工時の作業性の観点から、25℃において液状であるものが好ましい。
また、(d)化合物は、エポキシ当量、及び、アクリル当量又はメタクリル当量が100以上であることが望ましく、150以上であることがさらに望ましい。エポキシ当量、及び、アクリル当量又はメタクリル当量が100より小さい場合、耐熱性が低下することが懸念される。さらに、分子量としては150以上であることが望ましく、200以上であることがさらに望ましい。分子量が150より小さい場合、加熱した際に揮発して半導体装置周辺を汚染したり、硬化物中にボイドと呼ばれる気泡が発生して強度が低下する虞がある。
上記(d)成分の配合量としては、(a)エポキシ樹脂と(b)硬化剤の総量100質量部に対して、0.5〜20質量部とすることが望ましく、1〜15質量部とすることがより望ましく、5〜15質量部とすることがさらに望ましい。この配合量が0.5質量部より少ないと、強靭化の効果が十分発現されない恐れがあり、20質量部を超えると耐熱性が低下する恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱膨張係数を調整するために、無機フィラーを更に含んでもよい。特に、本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止充てん用樹脂組成物として用いる場合には、無機フィラーを配合することによって低熱膨張化することが好ましい。無機フィラーとしては、例えば、ガラス、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン(チタニア)、酸化マグネシウム(マグネシア)、カーボンブラック、マイカ、硫酸バリウムなどが挙げられる。また、2種類以上の金属酸化物を含む複合酸化物(2種類以上の金属酸化物が単に混合されてなるものではなく、金属酸化物同士が化学的に結合して分離不能な状態となっているもの)を用いることができる。この複合酸化物としては、例えば、二酸化ケイ素と酸化チタン、二酸化ケイ素と酸化アルミニウム、酸化ホウ素と酸化アルミニウム、二酸化ケイ素と酸化アルミニウムと酸化マグネシウムなどからなる複合酸化物が挙げられる。無機フィラーは、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
無機フィラーの粒径は、樹脂組成物を注入する際の良好な封止充てん性を得るために、平均粒径が10μm以下であることが望ましい。この場合、半導体チップと基板の間の空隙が100μm以下の場合であっても、容易に封止充填を行うことができる。また、無機フィラーは、樹脂組成物の粘度や硬化物の物性を調整するために、粒径の異なるものを2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止充てん用樹脂組成物として用いる場合、硬化物のガラス転移温度以下の熱膨張係数は、60×10−6/℃以下であることが好ましく、55×10−6/℃以下であることがより好ましく、50×10−6/℃以下であることがさらに好ましい。硬化物の熱膨張係数が60×10−6/℃より大きい場合、冷熱サイクル試験において、樹脂の膨張と収縮によって発生する応力が大きくなり、接続不良が発生する場合がある。
上記の熱膨張係数は、エポキシ樹脂組成物を165℃で2時間加熱処理して得た硬化物を幅2mm、厚み0.4mm、長さ40mmの大きさに成形加工したものを準備し、セイコーインスツルメント社製TMA/SS6000(製品名)を用いて、チャック間距離20mm、測定温度範囲−50〜300℃、昇温速度5℃/分、フィルム断面積に対して0.5MPaとなる引っ張り荷重の条件で測定を行なったときの、ガラス転移温度以下の平均線膨張係数(α1)を意味する。また、硬化物のガラス転移温度(Tg)は、エポキシ樹脂組成物を165℃で2時間加熱処理して得た硬化物を幅3mm、厚み0.6mm、長さ40mmの大きさに成形加工したものを準備し、セイコーインスツルメント社製DMS6100(製品名)を用いて、チャック間距離20mm、周波数1Hz、測定温度範囲−50〜300℃、昇温速度5.0℃/minの条件で、tanδの測定を行ったときの、tanδのピーク温度を意味する。
本実施形態において、樹脂と無機フィラーとの密着力を向上させ、さらなる接続信頼性の向上を可能とするために、無機フィラーの表面を予めシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤で処理したものを用いることがより好ましい。
無機フィラーの配合量は、エポキシ樹脂組成物の粘度や硬化物の熱膨張係数を調整するために適宜設定される。エポキシ樹脂組成物を半導体封止充てん用樹脂組成物として用いる場合、無機フィラーの含有量は、エポキシ樹脂組成物全量を基準として25〜75質量%であることが望ましい。無機フィラーの含有量が25質量%より少ないと、熱膨張係数を小さくすることが困難となり、接続信頼性の向上効果が十分に得られなくなる傾向にあり、75質量%を超えると、粘度が高くなりすぎて作業性が低下する傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸化防止剤、レベリング剤、イオントラップ剤などの添加剤を更に配合することができる。これらの添加剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。配合量については、各添加剤の効果が発現するように調整される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、作業性や加工性の観点から、25℃で液状であることが好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物を半導体封止充てん用樹脂組成物として用いる場合、樹脂組成物の粘度は、25℃において100Pa・s以下であることが望ましく、70Pa・s以下であることがより望ましく、50Pa・s以下であることがさらにより望ましい。樹脂組成物の粘度が100Pa・sを超える場合、樹脂組成物の注入を行う際の作業性が低下する傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止充てん用樹脂組成物以外に、例えば、ポッティング材、注型樹脂、絶縁樹脂などに用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述した各成分を、プラネタリーミキサー、らいかい機、ボールミル、自動乳鉢などを用いて攪拌混合することによって調製することができる。固形成分を配合する際は、液状成分にあらかじめ均一に溶解した後に混合することが好ましい。また、無機フィラーを配合する場合、3本ロールを用いて混練し、無機フィラーを樹脂組成物中に分散させることが好ましい。
次に、本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物を用いて製造される半導体装置について説明する。
図1は、本発明に係る半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示される半導体装置10は、回路基板7と、半導体素子5と、回路基板7と半導体素子5との間に配置された封止樹脂6とを備える。封止樹脂6は、本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物の硬化物からなり回路基板7と半導体素子5との間の空隙を封止している。回路基板7は、インターポーザー等の基板と、この基板の一方の面上に設けられた配線4とを備える。回路基板7の配線4と半導体素子5とは、複数のバンプ3によって電気的に接続されている。また、回路基板7は、配線4が設けられた面と反対側の面に電極パッド2と、電極パッド2上に設けられたはんだボール1とを有しており、他の回路部材との接続が可能となっている。
回路基板7は、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミックなどの絶縁材料からなる基板上に、銅などの金属材料からなる金属層を形成し、金属層の不要な箇所をエッチングにより除去することによって配線パターンが形成されたもの、上記の基板表面に導電性物質を印刷して配線パターンを形成したものを用いることができる。配線4の表面には、低融点はんだ、高融点はんだ、スズ、インジウム、金、ニッケル、銀、銅、パラジウムなどからなる金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。本実施形態において、回路基板7は、半導体素子(半導体チップ)でもよい。
半導体素子5としては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウムなどの元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの化合物半導体等、各種半導体を用いることができる。
バンプ3の材質としては、低融点はんだ、高融点はんだ、スズ、インジウム、金、銀、銅などが挙げられる。バンプ3は、単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、バンプ3は、これらの成分からなる金属層を含む積層構造を有してもよい。なお、バンプは半導体素子に形成されていてもよいし、基板に形成されていてもよいし、半導体素子と基板の両方に形成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置としては、図1に示す半導体パッケージのように、インターポーザーと呼ばれる基板上に半導体チップが搭載され、樹脂封止されたものが挙げられ、具体的には、CSP(チップサイズパッケージ)やBGA(ボールグリッドアレイ)などが挙げられる。また、別の半導体パッケージとしては、半導体チップの電極部を半導体チップ表面上で再配線することによって、インターポーザーを用いないで基板に搭載可能としたものが挙げられ、具体的には、ウエハーレベルパッケージと呼ばれるものが挙げられる。本発明に係る半導体パッケージを搭載する基板としては、通常の回路基板が挙げられ、この基板は、インターポーザーに対してマザーボードと呼ばれるものを指す。
次に、本発明に係る半導体装置の製造方法について説明する。以下に示す方法は、はんだバンプが形成された半導体チップを用いた例であるが、本発明に係る半導体装置の製造方法はこの方法に限定されるわけではない。
(1)ロジン系フラックスを半導体チップに形成されたはんだバンプ表面に、フラックス塗布装置を用いて塗布した後、チップマウンターを用いて半導体チップと基板を位置合わせして、圧着することによって半導体チップを基板上の所定の位置に配置する。
(2)リフロー装置を用いて、所定の加熱プロファイルにて加熱処理を行い、はんだバンプを溶解させて半導体チップと基板をフリップチップ接続する。
(3)フラックスの残渣を溶剤で洗浄した後、100〜120℃に加熱した状態で、本発明の半導体封止充てん用樹脂組成物を滴下し、半導体チップと基板の間の空隙に毛細管現象を利用して注入する。
(4)注入完了後、封止充てん用樹脂組成物を硬化させるため、150〜175℃に加熱した加熱オーブン中で0.5〜2h加熱処理を行う。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
<改質剤の合成>
(合成例1)
撹拌機、温度計及び窒素置換装置を備えた500mLフラスコ内に、液状の高純度ビスフェノールA型液状エポキシ(ジャパンエポキシレジン株式会社製YL−980、製品名、エポキシ当量187)187g、アクリル酸36g(当量比(アクリル酸中のカルボキシル基の数/エポキシ樹脂中のエポキシ基の数):0.5)、トリフェニルホスフィン0.5g、及びヒドロキノン0.15gを加え、窒素雰囲気下100℃で7時間攪拌混合し、分子内にアクリル基とエポキシ基とを有する化合物が含まれる改質剤1を得た。水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定することにより改質剤1の酸価を測定したところ、酸価は0.3KOHmg/g以下であり、アクリル酸が残存していないことを確認した。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
(実施例1〜3、及び比較例1、2)
表1に示す組成(単位:質量部)になるように各構成成分をらいかい機を用いて混合した後、真空脱泡して、エポキシ樹脂組成物をそれぞれ調製した。
(実施例4〜6及び比較例3、4)
表2に示す組成(単位:質量部)になるように各構成成分を三本ロールを用いて混練分散した後、真空脱泡して、無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物をそれぞれ調製した。
なお、使用した各構成成分の詳細は以下のとおりである。
エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂 YDF−8170C(東都化成株式会社製 製品名、エポキシ当量159)。
エポキシ樹脂2:アミノフェノール型液状エポキシ樹脂 E630LSD(ジャパンエポキシレジン株式会社製 製品名、エポキシ当量95)。
硬化剤:3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン KAYAHARD−AA(日本化薬株式会社製 製品名、活性水素当量63)。
硬化促進剤:2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール 2P4MHZ(四国化成工業株式会社製 製品名)。
改質剤A−1:柔軟性エポキシ樹脂YL7175−500(ジャパンエポキシレジン株式会社製 製品名、エポキシ当量475、分子内のエポキシ基がアルコール性水酸基とのグリシジルエーテル構造をなしているもの)。
改質剤B−1:合成例1で得られたもの(改質剤1)。
改質剤B−2:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート A−DPH(新中村化学株式会社製 製品名)。
改質剤B−3:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート A−9300(新中村化学株式会社製 製品名)。
カップリング剤:KBM403(信越化学株式会社製、製品名)。
無機フィラー1:球状シリカ SE2050(アドマテックス株式会社製 製品名、平均粒径0.5μm)。
無機フィラー2:球状シリカ SE5050(アドマテックス株式会社 製品名、平均粒径1.5μm)。
<エポキシ樹脂組成物の評価>
実施例1〜3、及び比較例1、2のエポキシ樹脂組成物については、以下に示される方法にしたがって、破断エネルギー、破断歪み、及びガラス転移温度(Tg)を測定した。得られた結果を表1に示す。また、実施例4〜6及び比較例3、4のエポキシ樹脂組成物については、以下に示される方法にしたがって、破壊靭性値KIC、粘度、弾性率、Tg、熱膨張係数α1及びα2、並びに接着力を測定した。得られた結果を表2に示す。
[破断エネルギー及び破断歪みの測定]
エポキシ樹脂組成物を165℃で2時間加熱処理して得た硬化物を、幅1.8mm、厚み2.1mm、長さ35mmの大きさに成形加工したものを準備し、支点間距離L=20mm、クロスヘッド速度3.0mm/分、測定温度25℃でインストロン社製マイクロテスター5548を用いて3点曲げ試験で破断するまでの応力−歪み曲線を測定し、曲線下の領域の面積を計算することによって破断エネルギーを算出した。また、応力−歪み曲線から破断歪みを読み取った。なお、応力σ(単位MPa)及び歪みε(無次元)はそれぞれ、測定用硬化物の幅をb(mm)、厚みをh(mm)、支点間距離をL(mm)、荷重F(N)の時の変位をY(mm)とし、
応力σ=(3×F×L)/(2×b×h
歪みε=Y×6h/L
の式によって計算した。
[破壊靭性値KICの測定]
破壊靭性値KICの算出は以下の手順で行った。
エポキシ樹脂組成物を165℃で2時間加熱処理して得た硬化物を、長さ60mm、厚みT=12.5mm、幅W=4mm、ノッチ深さD=2mmの形状に成形し、支点間距離L=50mm、クロスヘッド速度0.5mm/分、測定温度25℃の条件にて、インストロン社製マイクロテスター5548を用いて3点曲げ試験で荷重−変位曲線を測定し、破断時の荷重P(単位N)を記録した。これらの値から、破壊靭性値KIC(単位MPa・m1/2)を次式によって計算した。
IC=σ×(π×D)1/2×F(D/T)
σ=3×L×(P/W)/(2×T
D/T=ξとして、L/T=4の場合
F(ξ)≒1.090−1.735ξ+8.20ξ−14.18ξ+14.57ξ
[粘度の測定]
エポキシ樹脂組成物について、E型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、25℃における粘度を回転数5rpmで測定した。
[弾性率およびガラス転移温度(Tg)の測定]
エポキシ樹脂組成物を165℃で2時間加熱処理して得た硬化物を幅3mm、厚み0.6mm、長さ40mmの大きさに成形加工したものを準備し、セイコーインスツルメント社製DMS6100(製品名)を用いて、チャック間距離20mm、周波数1Hz、測定温度範囲−50〜300℃、昇温速度5.0℃/分の条件で、貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtanδの測定を行った。このときの、25℃及び260℃の貯蔵弾性率、並びにガラス転移温度(Tg)としてtanδのピーク温度をそれぞれ読み取った。
[熱膨張係数の測定]
エポキシ樹脂組成物を165℃で2時間加熱処理して得た硬化物を幅2mm、厚み0.4mm、長さ40mmの大きさに成形加工したものを準備し、セイコーインスツルメント社製TMA/SS6000(製品名)を用いて、チャック間距離20mm、測定温度範囲−50〜300℃、昇温速度5℃/分、フィルム断面積に対して0.5MPaとなる引っ張り荷重の条件で測定を行ない、ガラス転移温度以下の平均線膨張係数(α1)及びガラス転移温度以上の平均線膨張係数(α2)を読み取った。なお、このときのガラス転移温度は、上記のガラス転移温度(Tg)の測定で得られた値である。
[接着力の測定]
ポリイミドがコーティングされた縦10mm×横10mm×厚み0.55mmのシリコンチップのポリイミドコート面に、縦10mm×横10mm×厚み1mmで中心部に直径3mmの穴を開けたシリコーンゴム板を貼り合わせたものを、125℃に設定したホットプレート上に配置し、エポキシ樹脂組成物をシリコーンゴム板の穴内を満たすように充てんした。次いで、165℃で2時間加熱処理することによりエポキシ樹脂組成物を硬化させ、その後、シリコーンゴム板を剥がして接着力測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルについて、Dagy社製ボンドテスター4000でシェア速度0.05mm/秒、シェア高さ0.05mm、測定温度260℃の条件でシェア試験を行い、初期の接着力を測定した。また、測定サンプルを85℃、相対湿度85%に設定した恒温恒湿槽に48時間放置した後に、同様のシェア試験を行い、吸湿後の接着力を測定した。
Figure 0005552788

Figure 0005552788

表1に示すように、改質剤A−1と、改質剤B−1〜3のいずれかとを配合した実施例1〜3のエポキシ樹脂組成物は、比較例1と比較して、顕著な破断歪み及び破断エネルギーの向上及びガラス転移温度の上昇が見られた。
表2に示すように、改質剤A−1と、改質剤B−1〜3のいずれかとを配合して、更に無機フィラーを配合した実施例4〜6のエポキシ樹脂組成物は、熱膨張係数、粘度、弾性率、接着力については改質剤を含まない比較例3とほぼ同等でありながら、KICの向上及びガラス転移温度の上昇が達成されていることが確認された。このことから、実施例4〜6のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止充てんに用いられた場合、強靭性及び耐熱性に優れた封止樹脂を形成することができることが分かった。
1…はんだボール、2…電極パッド、3…バンプ、4…配線、5…半導体チップ、6…封止樹脂、7…回路基板、10…半導体装置。

Claims (8)

  1. (a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤、(c)柔軟性エポキシ樹脂、及び(d)アクリル基若しくはメタクリル基を有する化合物、を含み、
    前記(c)柔軟性エポキシ樹脂が、分子内にビスフェノール骨格を有し且つ分子内のエポキシ基がアルコール性水酸基とのグリシジルエーテル構造をなしているエポキシ樹脂を含有し、前記(a)エポキシ樹脂が、前記(c)柔軟性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含有し、回路基板と半導体素子との間の空隙を封止するために用いられる、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(d)化合物が、アクリル基若しくはメタクリル基とエポキシ樹脂とを有する化合物である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(b)硬化剤が、1級又は2級アミノ基を有する芳香族アミン化合物である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 無機フィラーを更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 25℃において液状である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる、半導体封止充てん用樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の半導体封止充てん用樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して製造された、半導体装置。
  8. 回路基板と、該回路基板と電気的に接続された半導体素子と、請求項6に記載の半導体封止充てん用樹脂組成物の硬化物からなり前記回路基板と前記半導体素子との間の空隙を封止する封止樹脂と、を備える、半導体装置。
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