JP4892164B2 - 液状エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、狭い隙間への含浸性が優れ、充填剤の沈降及びボイドの発生が少ない液状エポキシ樹脂組成物及びこの樹脂組成物を用いた電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体は素子を外部環境から保護して各種信頼性を確保すると同時に基板への実装を容易にするためパッケージが必要である。パッケージには種々の形態があるが、一般的には金属製リードフレームに形成されたタブに素子を固着し、素子表面の電極とインナーリード間を金ワイヤで電気的に接続し、素子、金ワイヤ及びリードフレームの一部をエポキシ樹脂組成物を用い低圧トランスファ成形法で封止したパッケージが広く実用に供されている。このような樹脂封止型半導体装置は、素子サイズに比べてパッケージの外形がかなり大きく、高密度実装の観点からは極めて非効率的である。そのため、パッケージ形態はピン挿入型から表面実装型に移行するとともに小型・薄型化が積極的に行われた。しかし、金属製リードフレームに素子を搭載し、ワイヤボンディングしたものを樹脂封止する構造を採用する以上、実装効率を高めるには限界があった。そこで、COB(Chip on Board)、ハイブリッドIC、モジュール、カードなどの分野では、一部の素子を高密度実装するためベアチップをバンプを介して基板にフェースダウンで実装するいわゆるフリップチップ実装を採用してきた。最近は素子の高集積化、高機能化、多ピン化、システム化、高速化、低コスト化などに対応するためCSP(Chip Size/Scale Package)と呼ばれる種々の小型パッケージが開発され、パッケージ用基板に素子を搭載する方法として、実装効率のほか電気特性、多ピン化対応に優れるフリップチップ実装の採用が増えている。また、最近の表面実装型パッケージやCSPは、端子がエリアアレイ状に配置されたものが多く、この種のパッケージの実装形態はフリップチップ実装と同じである。
【0003】
ところで、フリップチップ実装を行う場合、素子と基板あるいはCSPはそれぞれ熱膨張係数が異なるため接合部に熱応力が発生し接続信頼性の確保が重要な課題である。また、ベアチップは回路形成面が充分に保護されていないため、水分やイオン性不純物が浸入し易く耐湿信頼性の確保も重要な課題である。その対策として、通常素子と基板の間隙にアンダーフィル材としてエポキシ樹脂組成物を充填して介在させ、接合部の補強及び素子の保護を行っている。樹脂組成物を介在させる方法には種々の方式があるが、一般的には液状のエポキシ樹脂組成物を素子の周辺に滴下し、毛細管現象により素子と基板の隙間にしみ込ませる(含浸)方法が採用されている(特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−118127号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
アンダーフィル材として用いるエポキシ樹脂組成物を、毛細管現象を利用して素子と基板の隙間に含浸させる場合、生産性の観点から含浸時間はできるだけ短くする必要がある。この場合の含浸速度(t)は次式(1)によって表される。
t=3ηL2/hγ ・・・(1)
ここで、η:アンダーフィル材の粘度、L:含浸長さ、h:ギャップ、γ:アンダーフィル材の表面張力である。式(1)から明らかなように、含浸速度を短くするためには樹脂組成物の粘度は低い程有利である。ところが、粘度を低くするとエポキシ樹脂組成物に含まれる充填剤の沈降が問題になる。充填剤の沈降速度(V)は次式(2)で示される。
V=g(ρs−ρ)d2/18η ・・・(2)
ここで、g:重力加速度(cm/s2)、ρs:充填剤密度(g/cm3)、ρ:樹脂組成物密度(g/cm3)、d:充填剤の直径(cm)、η:樹脂組成物粘度である。式(2)から、樹脂組成物粘度を変えずに充填剤の沈降を抑制するには、充填剤の粒径を細かくする必要があることが分かる。ところが、アンダーフィル用エポキシ樹脂組成物は、接合部の信頼性を確保するため線膨張係数をバンプ材と同程度にする必要があり、それには充填剤を高充填する必要がある。しかし、充填剤を高充填したり、沈降を抑制するために粒径を細かくしたりするとエポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し含浸性が低下するという問題がある。そこで、アンダーフィル用エポキシ樹脂組成物においては、含浸速度を早めるための低粘度化、充填剤の沈降を防止するための充填剤の細粒化、低熱膨張化のための充填剤の高充填といった課題を同時に解決する必要があった。
さらに、このようなアンダーフィル用エポキシ樹脂組成物は無加圧状態で素子と基板の隙間に含浸させ加熱硬化するため、素子、基板及びバンプとの界面あるいは組成物内部にボイドが残存(または発生)し、熱ストレスが加わると界面剥離やクラックが発生することがあり、ボイドの低減も重要な課題になっている。最近は、素子の高集積度化、多機能化などによってチップサイズが大型化する一方、多ピン化によってバンプの小径化、狭ピッチ化が行われ、結果的にチップと基板の隙間が狭まる方向にあり、上記課題の解決がますます難しくなっていた。
【0006】
本発明はかかる状況を鑑みなされたもので、広い面積、狭い隙間への含浸性が優れ、充填剤の沈降及びボイドの発生が少ない液状エポキシ樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた信頼性に優れる半導体装置等の電子部品装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填剤を必須成分とし、必要に応じて硬化促進剤を含有する液状エポキシ樹脂組成物において、回転式粘度計の回転数n1及びn2(n1/n2<0.5)で測定した粘度比η1/η2(以下、チキソトロピック指数という。)を0.8より小さく、換言すると、液状エポキシ樹脂組成物にダイラタンシー(Dilatancy)を付与し、液状エポキシ樹脂組成物が素子と基板の隙間に毛細管現象で含浸する極低剪断速度領域における粘度を低くすることにより、
また、好ましくは、無機充填剤の平均粒径を0.3〜5μmの範囲内とすることにより、上記の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)無機充填剤を必須成分とする無溶剤型液状エポキシ樹脂組成物であってチキソトロピック指数が0.8より小さいことを特徴する液状エポキシ樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(2)(C)無機充填剤の平均粒径が0.3〜5μmの範囲内にある上記(1)記載の液状エポキシ樹脂組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、(3)(D)硬化促進剤をさらに含有する上記(1)または(2)記載の液状エポキシ樹脂組成物、
(4)(A)エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、アミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種類の液状エポキシ樹脂を含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物、
(5)(B)硬化剤が、液状酸無水物、液状フェノール樹脂、液状芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種類の化合物を含む上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物に関する。
【0010】
また、本発明は、(6)(C)無機充填剤が球状の溶融シリカであり、組成物全体に対する配合量(容積%)が充填剤単体の最密充填分率よりも少なく最密充填分率×0.6よりも多い量である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物、
(7)該溶融シリカの99重量%以上が粒径が0.1μmから16μmの範囲内にある上記(6)記載の液状エポキシ樹脂組成物に関する。
【0011】
また、本発明は、(8)エポキシ樹脂が液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びアミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の少なくとも一方を含み、硬化剤が液状芳香族アミンである上記(1)〜(7)のいずれかに液状エポキシ樹脂組成物に関する。
【0012】
また、本発明は、(9)素子の回路形成面と無機または有機基板の回路形成面とが対向し、前記素子の電極と前記基板の回路とがバンプを介して電気的に接続され、前記素子と前記基板との隙間に上記(1)〜(8)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物が充填されていることを特徴とする電子部品装置に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂は、特に制限はなく、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ナフタレンジオール、水添ビスフェノールA等とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類とを縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるアミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環族エポキシ樹脂などを用いることができる。特に、本発明では、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、アミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種類の液状エポキシ樹脂を含むことが望ましく、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びアミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の少なくとも一方を用いるのがさらに好ましい。
これらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
また、発明の目的を損なわない範囲であれば固形のエポキシ樹脂を用いても良い。さらには粘度調整のためエポキシ基を有する反応性希釈剤を混合しても良い。エポキシ基を有する反応性希釈剤としては例えばn-ブチルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエーテル、スチレンオキサイド、エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルが挙げられ、これらの内の1種類あるいは複数種と併用しても良い。
これらのエポキシ樹脂は、十分に精製されたもので、イオン性不純物が少ないものが好ましい。例えば、遊離Naイオン、遊離Clイオンは500ppm以下であることが好ましい。
【0015】
本発明に用いる(B)硬化剤は、特に制限はなく、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に使用されている酸無水物、フェノール樹脂、芳香族アミン、各種イミダゾール誘導体などを用いることができるが、低粘度化の観点からは酸無水物、保存安定性の観点からはフェノール樹脂及びイミダゾール誘導体、耐湿接着性の観点からは芳香族アミンがより好ましい。これらのうち、液状酸無水物、液状フェノール樹脂、液状芳香族アミンから選ばれる少なくとも1種類の化合物を含むことが特に好ましく、さらに好ましくは液状芳香族アミンである。
なお、組成物が液状であれば硬化剤は固形の化合物を使用しても良いし、液状及び固形の化合物を併用しても良い。
【0016】
酸無水物としては例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
フェノール樹脂としては、分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化ナフタレンジオール、フェノールノボラック、フェノール等のフェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
芳香族アミンとしては、例えば、エピキュアW、エピキュアZ(いずれもジャパンエポキシレジン株式会社製商品名)、カヤハードA−A、カヤハードA−B、カヤハードA−S(いずれも日本化薬株式会社製商品名)、トートアミンHM−205(東都化成株式会社製商品名)、アデカハードナーEH−101(旭電化工業株式会社製商品名)、エポミックQ−640、エポミックQ−643(いずれも三井化学株式会社製商品名)、DETDA80(Lonza社製商品名)等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
イミダゾール誘導体としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1-シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェノルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)] −エチル−sトリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2´−ウンデシルイミダゾリル)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1´)]−エチル-s−トリアジン イソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾールなどが挙げられ、これらは2種以上併用しても良い。
【0020】
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比は特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なくするため、エポキシ樹脂に対して硬化剤を0.6〜1.6当量の範囲に設定することが好ましく、0.7〜1.4当量がより好ましく、0.8〜1.2当量がさらに好ましい。0.6.〜1.6当量の範囲からはずれた場合、未反応分が多くなり信頼性が低下する傾向がある。
【0021】
ここで、フェノール樹脂の当量はエポキシ基1個に対しフェノール性水酸基1個が反応するものとして計算され、芳香族アミンの当量はエポキシ基1個に対しアミノ基の活性水素1個が反応するものとして計算され、酸無水物の当量はエポキシ基1個に対し酸無水物基1個が反応するものとして計算される。イミダゾール誘導体はエポキシ樹脂の重合触媒として働くため配合量は組成物の硬化速度及びポットライフを考慮して決められる。
【0022】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の特徴は、チキソトロピック指数が0.8よりも小さい、すなわち、ダイラタンシー(Dilatancy)を有することである。なお、本発明では、チキソトロピック指数とは、回転式粘度計の回転数n1及びn2(n1/n2<0.5)で測定した粘度比η1/η2を示す。
エポキシ樹脂組成物にこのような性質を付与するうえで重要な役割を果たすのが無機充填剤であり、本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、(C)無機充填剤を配合することが必要である。無機充填剤は、エポキシ樹脂組成物の低熱膨張化、剛性、熱伝導性の付与などを目的に配合するものであり、通常溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化けい素、窒化ボロン、炭化けい素などを用いることができるが、特に、本発明においては球状の溶融シリカを用いることが好ましい。
球状の溶融シリカとしては、天然または合成シリカを溶射法等で加熱処理して製造される実質的に球状の溶融シリカを用いることが好ましい。ここで、実質的に球状とは以下を意味する。すなわち、天然または合成シリカを加熱処理して球状化する場合、完全に溶融しなかった粒子は形状が真球状にならない場合がある。また、溶融した粒子同士が複数融着したものが混在する場合がある。さらに、蒸発したシリカ蒸気がほかの粒子表面に付着、固化し、結果的に微粒子が付着した球状シリカ粒子が得られる場合がある。実質的に球状とはこのような形状の粒子の混在を許容するものであるが、例えば、粒子の球形度をワーデルの球形度[(粒子の投影面積に等しい円の直径)/(粒子の投影像に外接する最小円の直径)]で表したとき、この値が0.9以上の粒子が無機充填剤全体の90重量%以上であることが望ましい。
無機充填剤の特性とエポキシ樹脂組成物のダイラタンシーとの関係は必ずしも明確ではないが、本発明のエポキシ樹脂組成物は極低剪断領域では充填剤粒子間に樹脂成分が介在し充填剤粒子同士の接触を起こしにくいために低い粘性を示し、外力が作用する高剪断領域では充填剤の充填形態が変化し、充填剤粒子同士が直接接触し易くなり高い粘性を示すため発現するものと考えられる。
回転式粘度計には、E型、B型等の種類が挙げられ、特に制限されない。
粘度計の回転数n1及びn2については、n1/n2<0.5であれば特に制限はないが、好ましくは、n1が0.5〜5rpm、n2が10〜50rpmである。
【0023】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる無機充填剤の平均粒径は、0.3μm〜5μmの範囲内であるのが好ましい。その理由は、平均粒径が小さ過ぎると充填剤の比表面積の増大によってエポキシ樹脂組成物の粘度上昇やチキソトロピック性の発現が起こり、充填剤の増量やダイラタンシーの付与ができなくなるためである。また、平均粒径が大きすぎると狭い隙間への含浸性が悪化したり、充填剤沈降の問題が発生するためである。
【0024】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、無機充填剤の組成物全体に対する配合量(容積%)を、充填剤単体の最密充填分率よりも少なく、かつ、最密充填分率×0.6よりも多い量とすることが好ましい。その理由は以下による。無機充填剤の配合割合が充填剤単体の最密充填分率と同等以上になると、エポキシ樹脂組成物中で充填剤粒子同士が常に接触状態にあり、組成物の粘度が急激に高くなり本発明の目的に適さなくなるためである。また、無機充填剤の配合割合が最密充填分率×0.6以下ではエポキシ樹脂組成物に外力を加えても充填剤粒子同士の接触が起こらずダイラタンシーが発現しないためである。
ここで、充填剤単体の最密充填分率とは、充填剤単体を圧力5〜10MPaで圧縮成形したとき、成形体に占める充填剤の容積分率をいう。
【0025】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、無機充填剤の99重量%以上が粒径0.1μmから16μmの範囲内とすることが好ましい。その理由は、粒径0.1μm未満の成分が多くなるとエポキシ樹脂組成物の粘度が増大し、ダイラタンシーとは逆のチキソトロピック性が現れるためであり、粒径16μm超の成分が多いと狭い隙間への含浸性が低下するためである。溶射法で製造する球状溶融シリカには、溶射工程で気化した原料が冷却、固化して生成する0.1μm未満の超微粒子成分が多量に混入することがある。このような超微粒子成分が多い球状溶融シリカはエポキシ樹脂組成物の粘度及びチキソトロピック性を高めるため好ましくない。充填剤の粒度分布は99重量%以上が0.1μmから16μmの範囲内にあれば特に制限はないが、充填剤の配合量を増やしてしかも低粘度のエポキシ樹脂組成物を得るためには0.1μmから16μmの粒径範囲内で、できるだけ広い粒度分布を有する充填剤を使用することが望ましい。これは粒度分布を広げることによって、粒子と粒子の隙間に別の粒子が存在するため充填剤自体の最密充填分率が大きくなり、充填剤粒子同士の接触が起こりにくくなるためと考えられる。
【0026】
本発明の樹脂組成物には必要に応じて、(D)硬化促進剤を用いることができる。また、カップリング剤、可撓化剤、着色剤などを用いることができる。
(D)硬化促進剤としては、エポキシ樹脂組成物で一般に使用されている、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との硬化反応を促進するものであれば、特に制限はなく、各種アミン系化合物、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、オルガノホスフィン系化合物、四級アンモニウムまたはホスホニウム系化合物などを使用することができる。たとえば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類などのホスフィン化合物、及びこれらのホスフィン化合物に上記キノン化合物、無水マレイン酸、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤は無機充填剤と樹脂の濡れ、被着体との接着性改善効果があり、具体的には、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドトリメトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシランなどを用いることができる。可撓化剤としてはシリコーン及びポリオレフィン系エラストマーあるいはその粉末、着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラなどを用いることができる。
【0027】
本発明で得られる液状エポキシ樹脂組成物は、セラミックス、ガラス/エポキシ、ポリイミドなどの基板に樹脂封止されたLSI、トランジスタ、ダイオード、サイリスタなどの能動素子、コンデンサ、抵抗、コイルなどの受動素子などとともにベアの半導体チップをフリップチップ実装するCOB(Chip on Board)、モジュール、カードなどのベアチップと基板の隙間に含浸するアンダーフィル材として用いるのが好ましい。また、パッケージレベルでフリップチップ実装を行うFC−BGA(Flip chip Ball Grid Array)、EBGA(Enhanced BGA)、ABGA(Advanced BGA)、Stacked−BGA、SIP(System in Package)などのベアチップと基板の隙間に含浸するアンダーフィル材として用いるのが好ましい。特に、最近はチップサイズの大型化、ギャップの狭間隙化が進んでおり、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、チップサイズ15×15mm以上、ギャップ80μm以下の場合に優れた効果を発揮する。
なお、BGA、CSP(Chip Size/Scale Package)、WL-CSP(Wafer Level CSP)などの最新のパッケージは、端子がエリアアレイ構造になっており、基板への実装形態はフリップチップ実装と同じである。特に携帯電話のようなモバイル型の電子機器においては接合部の耐衝撃性が厳しく要求されており、接続信頼性を確保するためパッケージと基板の隙間に補強用の樹脂組成物を含浸することがある。本発明の液状エポキシ樹脂組成物はこのような用途にも用いることができる。また、従来から液状エポキシ樹脂組成物によって封止が行われていた、キャリアテープにバンプを介して半導体チップを接合したTCP(Tape Carrier Package)、セラミックス、ガラス/エポキシ、ポリイミド基板などにベアチップをワイヤボンディング法で搭載したCOB、モジュール、カード、BGA、CSPなどの樹脂封止にも用いることができる。
特に、素子の回路形成面と無機または有機基板の回路形成面とが対向し、前記素子の電極と前記基板の回路とがバンプを介して電気的に接続されているフリップチップ実装型で、前記素子と前記基板との隙間に液状エポキシ樹脂組成物が充填されているものが特に好ましい。
また、プリント回路板にも本発明の液状エポキシ樹脂組成物は有効に使用できる。
【0028】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物の製造方法は特に限定されないが、上記各種成分を均一に分散混合できる方法であれば良い。一般的な方法としては、三本ロール、らいかい機、プラネタリミキサー等による分散混練を挙げることができる。混合の間、必要に応じて減圧しても良い。
図1は、本発明の液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材に用いたフリップチップ実装型半導体装置の一例の縦断面模式図を示す。図2は、フリップチップ実装型半導体装置の素子と基板の隙間に液状エポキシ樹脂組成物を含浸する方法の一例を示す縦断面模式図である。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物による半導体素子の樹脂封止は通常ディスペンス方式によって行われる。例えば、図2のように、半導体チップ1の回路形成面がはんだボール等のバンプ2を介して基板3の回路形成面と対向するようにフリップチップ実装した半導体装置を用意する。液状エポキシ樹脂組成物であるアンダーフィル材4を、デイスペンサーのシリンジ5から、ホットプレート6上で予熱した半導体装置のチップ1の側面の一辺に滴下する。アンダーフィル材4は、毛細管現象により、チップ1の対向する側面の辺ヘ向けて図2の矢印の方向に含浸される。これによりチップ1と基板3の隙間がアンダーフィル材4で充填される。含浸終了後、半導体装置を高温槽中で加熱することにより樹脂組成物を硬化させて目的とする樹脂封止型半導体装置(図1参照。)を得ることができる。
【0029】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜5、比較例1〜5、参考例1〜2]
(A)エポキシ樹脂として、液状の、ビスF型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1:エポキシ当量160、[東都化成株式会社製商品名YDF-8170C])、アミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂2:エポキシ当量95、[ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名EP-630])、及び反応性希釈剤(エポキシ当量128、[坂本薬品工業株式会社製商品名SR-16HL])を用意した。
(B)硬化剤として、液状芳香族アミン(硬化剤1:活性水素当量45、[ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピキュアW])、液状酸無水物(硬化剤2:無水酸当量168、[日立化成工業株式会社製商品名製HN5500])を用意した。
(C)無機充填剤として、表1に示す特性で、組成および形状が実質的に球状の溶融シリカである無機充填剤1〜6を用意した。なお、0.1μm未満の粒子、16μmより大きい粒子の各含有量はHORIBA(株式会社堀場製作所)製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(型番LA−920)により求めた。
(D)硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(以下、2E4MZという。)を用意した。
カップリング剤としてエポキシシラン(γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を、着色剤としてカーボンブラック(〔三菱化学株式会社製商品名MA-600〕)を用意した。
【0030】
【表1】
【0031】
[実施例1〜5、参考例1〜2]
これら各素材を表2に示す配合割合で計量し、真空擂潰機に入れ、5torrに減圧しながら約20分間混練して目的とする7種類の液状エポキシ樹脂組成物を得た。
次に、チップを実装した半導体装置を80℃に予熱したホットプレート上に置き、デイスペンサーを用いて上記液状エポキシ樹脂組成物を半導体装置のチップの側面の一辺に滴下してチップと基板の隙間に含浸させた。含浸終了後半導体装置を150℃に加熱した高温槽中で3時間加熱し樹脂を硬化させて目的とする樹脂封止型半導体装置を得た。
得られた液状エポキシ樹脂組成物の特性、半導体装置の成形性、信頼性の評価を次のように行った。評価結果を表2に纏めて併記する。
【0032】
使用した無機充填剤の最密充填分率の測定、得られた液状エポキシ樹脂組成物の諸特性各種、半導体装置の信頼性の評価は、以下(1)〜(8)の方法及び条件で行った。使用した半導体装置の諸元は、チップサイズ10×10×0.55tmm(回路はアルミのジグザグ配線、パッシベーション:ポリイミド膜)、バンプ:はんだボール(Φ80μm、916pin、)、バンプピッチ:250μm、基板:FR−5(40×40×0.8tmm)、チップ/基板間のギャップ:60μmである。なお、成形性はより厳しい条件下で評価するため、下記評価(5)〜(7)では、上記チップ4個分を1チップとする20.5×20.5×0.55tmmの大型チップを使用した。
【0033】
(1)無機充填剤の最密充填分率
10mmφ×50mmLの金型へ無機充填剤約3gを充填し7MPaの圧力で単軸加圧による圧縮成形を行い円筒状の成形体を作製した。この成形体の重量及び容積(面積×高さ)を求めた。最密充填分率(%)は下式(3)
最密充填分率(%)={(W/D)/V}×100 ・・・(3)
から求めた。ここで、Wは成形体の重量、Dは無機充填剤の密度(溶融シリカは2.21とした。)、Vは成形体の容積である。
なお、得られた成形体を解砕して圧縮成形後の無機充填剤の平均粒径を測定したところ、成形前の無機充填剤の平均粒径と同じであったことから、この圧力では圧縮成形時に無機充填剤の破砕は生じていないことを確認した。また、本発明において、平均粒径は前出のHORIBA製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920)により求めた。
【0034】
(2)粘度及びチキソトロピック指数
E型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、液状エポキシ樹脂組成物の25℃の粘度(Pa・s)をロータ回転数 10rpmで測定した。チキソトロピック指数はロータ回転数2.5rpmで測定した粘度と10rpmで測定した粘度の比で表した。
【0035】
(3)ガラス転移温度及び線膨張係数
液状エポキシ樹脂組成物を直径4mm、長さ20mmの円柱状に150℃3時間加熱成形し、熱機械分析装置TMA8140(理学電気株式会社製商品名)を用い、昇温速度3℃/min、測定温度範囲−120〜250℃で熱膨張量を測定し、低温側の直線の接線と高温側の直線の接線との交点をガラス転移温度とし、低温側の直線の勾配を線膨張係数として表した。
(4)弾性率
液状エポキシ樹脂組成物を厚さ0.4mmのシート状に150℃3時間加熱成形し、このシートを5mm×30mmの短冊状に切り取ったものを試験片とし、動的粘弾性測定装置DVE型(株式会社レオロジ製)を用いて昇温速度3℃/min、測定温度−120〜250℃、周波数10Hzで動的粘弾性特性を測定し、25℃の弾性率(GPa)を読取った。
【0036】
(5)含浸時間
図2に示すように、チップ(20.5×20.5×0.55tmm)が実装された半導体装置を80℃に加熱したホットプレート上に置き、デイスペンサーを用いて液状エポキシ樹脂組成物の所定量をチップの側面(1辺)に滴下し、エポキシ樹脂組成物がチップと基板との間をアンダーフィルして対向する側面に浸透するまでの時間を測定した。
【0037】
(6)充填剤沈降観察
樹脂封止型半導体装置の中央部をダイヤモンドカッターで縦方向に切断し、切断面を平滑に研磨した後、マイクロスコープVH6110(株式会社キーエンス製商品名)で観察し、充填剤の沈降の有無を調べた。
【0038】
(7)ボイド観察
樹脂封止型半導体装置の内部を超音波探傷装置AT−5500(株式会社日立建機製商品名)で観察し、ボイドの有無を調べた。
【0039】
(8)信頼性評価
▲1▼ 耐リフロー性
樹脂封止型半導体装置を120℃/12時間加熱乾燥した後、85℃、60%RH下で168時間吸湿させ、遠赤外線加熱方式のリフロー炉(245℃加熱時間10秒)中を3回通した後、内部を超音波探傷装置で観察し、液状エポキシ樹脂組成物とチップ及び基板との剥離、エポキシ樹脂組成物のクラックの有無を調べた。
【0040】
▲2▼ 耐温度サイクル性
樹脂封止型半導体装置を−50℃〜150℃、各30分のヒートサイクルで1000サイクル処理し、導通試験を行いアルミ配線の断線不良を調べ、不良パッケージ数/評価パッケージ数で評価した。
【0041】
▲3▼ 耐湿信頼性
樹脂封止型半導体装置を121℃、2atm、100%RHのPCT条件で240h処理後、アルミ配線及びパッドの断線有無を導通試験より確認し、不良パッケージ数/評価パッケージ数で評価した。
【0042】
【表2】
【0043】
[比較例1〜5]
表3に示す配合割合で計量した各素材を用いた以外は上記実施例と同様にして5種類の液状エポキシ樹脂組成物を作製し、各種特性、半導体装置の成形性、信頼性を評価した。結果を表3に纏めて併記する。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】
表2及び表3から明らかなように、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は狭い隙間への含浸性が優れ、充填剤の沈降及びボイドの発生が少ない。この液状エポキシ樹脂組成物を素子の封止に用いた電子部品装置は、成形性に優れ、また耐リフロー性、耐温度サイクル性、耐湿性などの信頼性が良好であり、特にフリップチップ実装型半導体装置に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材に用いたフリップチップ実装型半導体装置の一例を示す。
【図2】フリップチップ実装型半導体装置の素子と基板の隙間に液状エポキシ樹脂組成物を含浸する方法の一例を示す。
【符号の説明】
1 チップ
2 バンプ(はんだボール)
3 基板
4 アンダーフィル材
5 シリンジ
6 ホットプレート
Claims (4)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤(但し、水添型メチル無水ナジック酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物およびメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を除く。)及び(C)無機充填剤を必須成分とし、無機充填剤が球状の溶融シリカである無溶剤型液状エポキシ樹脂組成物であって、
チキソトロピック指数が0.8より小さく、
(C)無機充填剤の組成物全体に対する配合量(容積%)が充填剤単体の最密充填分率×0.6よりも多い量であり、
(C)無機充填剤の平均粒径が0.3〜5μmの範囲内にあり、その99重量%以上は粒径が0.1μmから16μmの範囲内であり、
(A)エポキシ樹脂が液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びアミノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の少なくとも一方を含み、(B)硬化剤が液状芳香族アミンであることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。 - (D)硬化促進剤をさらに含有する請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- (C)無機充填剤が、組成物全体に対する配合量(容積%)が充填剤単体の最密充填分率よりも少ない量である請求項1または2に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- 素子の回路形成面と無機または有機基板の回路形成面とが対向し、前記素子の電極と前記基板の回路とがバンプを介して電気的に接続され、前記素子と前記基板との隙間に請求項1〜3のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物が充填されていることを特徴とする電子部品装置。
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