JP5115900B2 - 液状樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents

液状樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、液状樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。特にフリップチップパッケージのチップと回路基板との隙間を封止する封止材や半導体装置に好適な液状樹脂組成物に関するものである。
近年半導体パッケージの軽薄短小化の技術革新は目覚しいものがあり、さまざまなパッケージ構造が提唱され、製品化されている。従来のリードフレーム接合に代わり、半田のような突起電極により、回路基板(マザーボード)に接合するエリア実装方式は特に重要である。
その中で半導体チップの回路面に直接突起電極が具備されたフリップチップはパッケージを最小化できる方法のひとつである。フリップチップ実装は、半田電極の場合、半田電極の表面の酸化膜を除去するためにフラックスで処理した後リフロー等の方法で接合する。その為半田電極、回路基板等の周囲にフラックスが残存し、不純物として問題となるためフラックスを除去する洗浄を行った後液状封止を行う。その理由としては、直接回路基板(マザーボード)に突起電極で接合するため、温度サイクル試験のような信頼性試験を行うと、チップと回路基板との線膨張係数の差により電極接合部の電気的不良が発生するためである。
該パッケージの封止は、チップの一辺または複数面に液状封止樹脂を塗布し毛細管現象を利用して樹脂を回路基板とチップとの間隙に流れ込ませる。しかしこの方法はフラックス処理、洗浄を行うため工程が長くなり、かつ洗浄廃液の処理問題等環境管理を厳しくしなければならない。更に液状封止を毛細管現象で行うため封止時間が長くなり、生産性に問題があった。このとき用いられる封止材を一般的にキャピラリー型アンダーフィル材(CUF)という。
そこで直接回路基板に樹脂を塗布し、半田電極を有するチップをその上から搭載し半田接合と樹脂封止を同時に行う方法が考案された(例えば、特許文献1参照)。この方式に用いられる封止材を一般的にノーフロー型アンダーフィル材(NUF)という。この場合、半田を回路基板に接合させるために、熱硬化性樹脂、硬化剤からなる樹脂組成物にフラックス作用を有する成分を添加することが特徴である。
しかし該方法は、リフロー炉と呼ばれるコンベア式の加熱炉を用いて半田接続させるため、チップの自重により回路基板に接触させる。通常CUFは高信頼性化のため、ある程度の割合で無機フィラーを含有しているが、NUFの場合その無機フィラーが自重での接触を妨げる危険性があるため、フィラー充填していないものが多く検討されている。一方で、フィラー充填型のNUFも検討はされているが(例えば、特許文献2参照)、加熱−圧着型のいわゆるバルスヒート型実装方式に限る場合が多く、フィラー充填型NUFを用いたリフロー炉実装タイプにおいては十分なものがなかった。
加えて、近年半田電極を鉛含有タイプから鉛フリータイプのものへの移行が進み、この鉛フリータイプの半田の酸化膜除去はより厳しくなるため、これまでのNUFのフラックス作用では不十分であり、リフロー温度の上昇に伴い、半田接続性に問題があった。
米国特許5,128,746号公報 特開2003−301026号公報
本発明の課題は、液状樹脂組成物を用いて半導体素子、特に回路面に突起電極を有する半導体素子を封止する半導体装置において、特にフィラー充填型のノーフロー型アンダーフィル材を用いた場合にリフロー処理での半導体素子の自重による接続、封止を可能とするもので、良好な半田接続性が得られ信頼性の高い半導体装置を得ることである。
上記課題は、下記[1]〜[]に記載の本発明の構成により解決される。
[1]液状型封止樹脂に用いる液状樹脂組成物であって、少なくとも
(A)エポキシ樹脂、
(B)フィラー、
(C)ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物である第一の硬化促進剤、および
(D)イミダゾール化合物である第二の硬化促進剤
を含むことを特徴とする液状樹脂組成物。
[2]前記第一の硬化促進剤(C)がトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物である上記[1]に記載の液状樹脂組成物。
[3]前記第一の硬化促進剤(C)の配合量が、全硬化促進剤に対して10〜80重量%である上記[1]又は[2]に記載の液状樹脂組成物。
]さらに硬化剤(E)を含む上記[1]ないし[]のいずれかに記載の液状樹脂組成物。
]前記硬化剤(E)が、少なくともフラックス活性を有する硬化剤を含むものである[]に記載の液状樹脂組成物。
]上記[1]ないし[]のいずれかに記載の液状樹脂組成物を用いて作製されたことを特徴とする半導体装置。
本発明に従うと、鉛フリー半田リフロー接続方式を用いた半導体チップの接合に際しても、接続性の高い封止を実現し、最終的に信頼性の高い半導体装置を提供することができ、また半導体装置の組立工程を簡略化できる。
本発明に用いるエポキシ樹脂(A)は、一分子中にエポキシ基が2個以上であれば、使用することができる。その例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いても差し支えない。好ましくは液状のエポキシ樹脂である。更にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、固体のエポキシ樹脂を液状のエポキシ樹脂に溶解、又は分散しても構わない。
また、信頼性の優れた液状樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa+、Cl-等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
また、加熱時の硬化反応を抑制し,半田接続部分の接続を阻害させないため、上記のエポキシ樹脂以外に硬化開始温度の高いエポキシ樹脂を併用することが好ましい。例えば、ジアリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ樹脂、等が挙げられる。
本発明で用いられるフィラー(B)の例としては、タルク、焼成クレー、マイカ等のケイ酸塩、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。用途によりこれらを複数混合してもよいが、純度、信頼性、コストの点でシリカが好ましい。その添加量は特に制限はないが、封止用樹脂組成物としての特性(耐湿性、作業性等)を保つため液状樹脂組成物に対して80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは50重量%以下である。前記範囲とすることで、半田接続の際、絶縁性フィラーが半導体素子の突起電極と回路基板電極との間に入りにくくなり、良好な半田接続性を得ることができる。
また本発明に用いるフィラーの形状は球状であることが好ましい。いわゆる破砕フィラーの場合はその鋭利な面により半導体素子表面の回路を破壊する恐れがある。また、フィラーの粒径は平均粒径で6μm以下、最大粒径で30μm以下が好ましい。この範囲であれば、半田接続時にフィラーにより接続不具合が発生し難くなる。
本発明で用いられる第一の硬化促進剤(C)として、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が必須である。ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。キノン化合物としては1,4−ベンゾキノン、メチル−1,4−ベンゾキノン、メトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。これらホスフィン化合物とキノン化合物との付加物のうち、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物が好ましい。ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物の製造方法としては特に制限はないが、例えば、原料として用いられるホスフィン化合物とキノン化合物とを両者が溶解する有機溶媒中で付加反応させて単離すればよい。ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第二の硬化促進剤(D)としては、第一の硬化促進剤と異なる種類の硬化促進剤であればよく、特に限定されるものではない。その例としては一般的にエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられるものであり、イミダゾール類、リン化合物、ジアザ化合物、第三級アミン、等が挙げられる。この中でも好ましくは、イミダゾール化合物である。
前記第一の硬化促進剤(C)の配合量は、全硬化促進剤に対して10〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは、10〜50重量%である。この範囲とすることで、半田接続時の硬化を速やかに行うことができる。
また、第一の硬化促進剤と第二の硬化促進剤の融点が異なるものが好ましい。
2種の硬化促進剤を用いた場合に、第一の硬化促進剤(C)の融点を、第二の硬化促進剤(D)の融点より高くすることにより、より低温で第二の硬化促進剤(C)を作用させることができる。好ましくは、30℃以上であり、より好ましくは60℃以上である。このように高い融点の第一の硬化促進剤(C)を用いることで、リフロー処理工程における220℃以上の半田接合温度領域において硬化促進作用が発現し、半田接合を行いその後の樹脂組成物の硬化を速やかに行うことが可能となる。
本発明の液状樹脂組成物は、前記液状エポキシ樹脂、フィラー、硬化促進剤以外に、必要に応じて硬化剤(E)、反応性希釈材、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、カップリング材等の添加剤を用いることも可能である。これらの添加剤はいずれもボイドの要因になってはならないため、耐熱性、揮発性、基材への濡れ性等確認の上添加することが好ましい。
さらに、本発明に用いられる硬化剤(E)としては、フラックス活性を有するものが好ましい。硬化剤(E)としては、フラックス活性を発現し、エポキシ樹脂と熱硬化反応可能な官能基を有する化合物がさらに好ましい。具体的には一分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基と少なくとも1個の芳香族カルボキシル基とを含むエポキシ樹脂の硬化剤や一分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を含むエポキシ樹脂の硬化剤等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂への溶解及び樹脂組成物全体のフラックス活性を助けるために2種類の硬化剤(E1,E2)を用いることが好ましい。2種類の硬化剤は融点の異なるものがより好ましい。
2種類の硬化剤を用いた場合に、第一の硬化剤(E1)の融点を、第二の硬化剤(E2)の融点より高くすることにより、より低温条件下で第二の硬化剤(E2)をエポキシ樹脂に溶解させることができる。溶解するに従い、カルボン酸の作用により半田表面の酸化膜が除去される。同時に、第二の硬化剤(E2)が溶解した作用によって第一の硬化剤(E1)のエポキシ樹脂への溶解温度を低くすることができる。このため半田への濡れ性向上、反応の均一化を図ることが可能になる。
また、第一の硬化剤(E1)と第二の硬化剤(E2)の融点の差は30℃以上であることが好ましく、より好ましくは50〜120℃である。融点の差をこの範囲内とすることにより、フラックス活性作用が発現しやすくなり、またエポキシ樹脂の反応が早い段階で起こらないため、樹脂組成物の粘度が上昇し難くなり良好な半田接続性が得られる。
第二の硬化剤(E2)の好ましい配合量は、第一の硬化剤(E1)と第二の硬化剤(E2)の総重量に対し0.01から0.5である。より好ましくは0.03から0.4、さらに好ましくは0.05から0.3である。この範囲内とすることにより、硬化物の耐湿性が著しく低下するのを抑制し、本発明の効果を発現させることが可能となる。
第一の硬化剤(E1)としては、例えば、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられ、これらは単独もしくは複数配合することができる。何れもフラックス作用を有することが、本発明に利用するための条件である。また、これらの化合物は何れも吸湿し易くボイドの原因となるため製造する際は前もって乾燥を行うことが好ましい。これらの中で好ましくは、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸等である。
第一の硬化剤(E1)と融点の異なる第二の硬化剤(E2)としては、例えばo−フタル酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、4−ヒドロキシ(o−フタル酸)、3−ヒドロキシ(o−フタル酸)、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、アルキレン基を含むものとしてはコハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、ピメリン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、ドデカン二酸等が挙げられるがこの限りではない。これらの中でも、セバシン酸が好ましい。
本発明の液状樹脂組成物の製造方法としては、例えば液状エポキシ樹脂、フィラー、硬化促進剤以外に、必要に応じて硬化剤、反応性希釈材、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、カップリング材等の添加剤を常温で3本ロール機等を用いて混合し、真空脱泡することにより製造することができる。
本発明の液状樹脂組成物を用いて、フリップチップ、CSP(チップ・サイズ・パッケージ)等の半導体素子を封止することが出来る。本発明の液状樹脂組成物ではフラックスを添加せず、例えば、直接回路基板に本発明の液状樹脂組成物を塗布し、半田電極を有するチップを回路基板の上から搭載して加熱硬化することにより半田接合と樹脂封止を同時に行うノーフロー型アンダーフィル材として用いることが可能である。また、半田電極を有するチップの半田電極面側に本発明の樹脂を塗布し、回路基板に搭載して半田接合と樹脂封止を同時に行うことも可能である。
本発明の半導体装置の製造方法は、回路基板に、回路面に突起電極が具備された半導体チップを接合するエリア実装法において、(1)回路基板または半導体チップの回路面(突起電極形成面)かつ又はこれを受ける回路基板に、上記の液状樹脂組成物を塗布する工程、(2)電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせする工程、(3)加熱することによって該突起電極と回路基板を電気的に接合し、液状樹脂組成物を硬化させる工程である。
上記の液状樹脂組成物を塗布する方法は、ディスペンス法,印刷法等があり特に制限されない。樹脂を予備加熱する場合の条件は、40〜100℃、時間は1つのパッケージあたり1〜5分程度で搭載が行われる。電極の電気接合の為の加熱は,リフローやパルスヒート加熱,ホットプレート等による直接加熱のような方法等が挙げられ,特に制限されない。
半導体素子の製造及び半導体装置のその他の製造工程は従来の公知の方法を用いることが出来る。
本発明を実施例及び比較例で説明する。
<実施例1>
エポキシ樹脂(A)の成分としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量161)90重量部、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量210)10重量部、シリコーン変性エポキシ樹脂の反応物5重量部、フィラー(B)の成分としてシリカを液状樹脂組成物の50重量%となる重量部、第一の硬化促進剤(C)としてトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物(融点270℃)0.15重量部、第二の硬化促進剤(D)として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(融点174〜184℃)0.2重量部、第一の硬化剤(E1)の成分として予め130℃、5Torrで3時間真空乾燥したジヒドロキシ安息香酸(融点202℃)30重量部、第二の硬化剤(E2)として予め80℃、5Torrで3時間真空乾燥したセバシン酸(融点134℃)5重量部、低応力材としてアクリロニトリルブタジエンゴム2重量部を秤量し3本ロールにて分散混練し、真空下脱泡処理をして液状樹脂組成物を得た。
次に、得られた液状樹脂組成物を回路基板に塗布し、上部よりフリップチップボンダーを用いて位置決めを行いながらフリップチップを設置した。次に図1で示された温度プロファイルを有するリフロー加熱炉を用いて半田を溶融、接続を行った。接続率はデイジーチェーンでつながったブロック単位で確認し、すなわち一つでも接続不良が出た場合は導通しないため、接続率は導通が取れたものを良品としてカウントした。その後、後硬化として150℃、90分にて封止樹脂を硬化させ、パッケージを作製し、下記の試験を行った。
・使用したフリップチップ
半田:錫−銀(融点:221℃)
バンプ数:900バンプ
バンプ高さ:80μm
チップサイズ:10mm角
パッシベーション:ポリイミド
チップ厚み:525μm
使用した回路基板:BT(ビスマレイミド/トリアジン)樹脂基板(接続パッド:表面は金メッキ)
(1)半田バンプ接続性
上述の方法により、半田バンプ接続を行った10個の回路基板をハンドプローブ型のテスターを用いて導通をチェックし、導通が取れたものを良品とした(導通不良パッケージ数/総パッケージ数)。
(2)ボイド、初期剥離観察
半田バンプ接続を行い、封止樹脂を硬化させたパッケージ10個について、超音波探傷装置(SAT)を用いてボイド、剥離を観察した。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とした(ボイド又は剥離発生パッケージ数/総パッケージ数)。
(3)耐リフロー試験
半田バンプ接続を行い、硬化させた接続率100%のパッケージ10個を選び、30℃、60%、72時間吸湿させたあと最大温度260℃のリフローに3回通過させ、封止樹脂外観クラック、界面の剥離状態をSATで調べた。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とした(剥離発生パッケージ数/総パッケージ数)。
(4)温度サイクル(T/C)試験
耐リフロー試験を行ったパッケージ10個のうち不良でないものを引き続き−55℃、30分/−125℃、30分の条件でT/C試験を行った。クラック、剥離の状態を250サイクルおき最大1000サイクル観察した。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とした(チップクラックまたは剥離発生パッケージ数/総パッケージ数)。
表1で用いられている成分の詳細は以下の通りである。
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂:大日本インキ化学工業(株)製、EXA−830LVP(エポキシ当量161)
・ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂:日本化薬(株)製、RE−810NM(エポキシ当量210)
・シリコーン変性エポキシ樹脂:東芝シリコーン(株)製、商品名TSL−9906とビスフェノールAの5:1の反応物
・ビフェニル型エポキシ樹脂:日本化薬(株)製、NC3000(エポキシ当量272)
・シリカ:アドマテックス(株)製、SO−25H
・トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物(融点270℃)
・2P4MZ:四国化成工業(株)製、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(融点174〜184℃)
・2PHZ:四国化成工業(株)製、2−フェニル−4,5ジヒドロキシメチルイミダゾール(融点213〜225℃)
・ジヒドロキシ安息香酸:みどり化学(株)製、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(融点202℃)
・フェノールフタリン:東京化成工業(株)製、フェノールフタリン(融点235℃)
・セバシン酸:東京化成工業(株)製、セバシン酸(融点134℃)
・ブタジエンニトリルゴム:宇部興産(株)製、CTBN1008SP(カルボキシル基末端ブタジエンアクリルゴム)
<実施例2、3>
実施例1における第一の硬化促進剤(C)と第二の硬化促進剤(D)との配合量を変えた以外は実施例1と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
<実施例4>
実施例1において硬化剤(E)をジヒドロキシ安息香酸20重量部、フェノールフタリン10重量部、セバシン酸5重量部とした以外は実施例1と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
<実施例5>
実施例1においてエポキシ樹脂(A)のビスフェノールF型エポキシ樹脂を80重量部、ビスフェノール型エポキシ樹脂を10重量部とした以外は実施例1と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
<実施例6>
実施例1において第二の硬化促進剤(D)を2PHZ0.2重量部とした以外は実施例1と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
<比較例1>
実施例1において第一の硬化促進剤(C)を配合しない以外は実施例1と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
<比較例2>
実施例1において第二の硬化促進剤(D)を配合しない以外は実施例1と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
<比較例3、4>
比較例2において第一の硬化促進剤(C)の配合量を変えた以外は比較例2と同様に液状樹脂組成物を作製し、試験を行った。
Figure 0005115900
比較例1は第一の硬化促進剤が配合されていないため、バンプ及びパッケージ保護性に劣ったため、温度サイクル試験をパスできなかった。
比較例2〜4では、第二の硬化促進剤が配合されていないため、リフロー炉加熱中での効率的な半田酸化膜除去が行われなかったためか、初期接続性に劣った。
接続性は良好であったが、その分硬化物特性、特に熱的特性が低下し、高温時でのバンプ保護性が低下したためか耐リフロー試験性や温度サイクル試験性に劣った。
本発明の液状樹脂組成物を用いて、特に回路面に鉛フリー半田の突起電極を有する半導体素子を封止することにより、接続安定性に優れボイドが少なく信頼性に優れた半導体装置を得ることができ、例えば、フリップチップパッケージのチップと回路基板との隙間を封止する封止材や半導体装置に好適に用いることができる。
本発明の実施例で用いたリフロー加熱炉の温度プロファイルを示す図である。

Claims (6)

  1. 液状型封止樹脂に用いる液状樹脂組成物であって、少なくとも
    (A)エポキシ樹脂、
    (B)フィラー、
    (C)ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物である第一の硬化促進剤、および
    (D)イミダゾール化合物である第二の硬化促進剤
    を含むことを特徴とする液状樹脂組成物。
  2. 前記第一の硬化促進剤(C)がトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物である請求項1に記載の液状樹脂組成物。
  3. 前記第一の硬化促進剤(C)の配合量が、全硬化促進剤に対して10〜80重量%である請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物。
  4. さらに硬化剤(E)を含む請求項1ないしのいずれかに記載の液状樹脂組成物。
  5. 前記硬化剤(E)が、少なくともフラックス活性を有する硬化剤を含むものである請求項に記載の液状樹脂組成物。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の液状樹脂組成物を用いて作製されたことを特徴とする半導体装置。
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