JP4940768B2 - 液状樹脂組成物及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

液状樹脂組成物及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、液状樹脂組成物及び半導体装置の製造方法に関するものである。
近年半導体パッケージの軽薄短小化の技術革新は目覚しいものがあり、さまざまなパッケージ構造が提唱され、製品化されている。従来のリードフレーム接合に代わり、半田のような突起電極により、回路基板(マザーボード)に接合するエリア実装方式は特に重要である。
その中で半導体チップの回路面に直接突起電極が具備されたフリップチップはパッケージを最小化できる方法のひとつである。フリップチップ実装は、半田電極の場合、半田電極の表面の酸化膜を除去するためにフラックスで処理した後リフロー等の方法で接合する。その為半田電極、回路基板等の周囲にフラックスが残存し、不純物として問題となるためフラックスを除去する洗浄を行った後液状封止を行う。その理由としては、直接回路基板(マザーボード)に突起電極で接合するため、温度サイクル試験のような信頼性試験を行うと、チップと回路基板の線膨張係数の差により電極接合部の電気的不良が発生するためである。
該パッケージの封止は、チップの一辺又は複数面に液状封止樹脂を塗布し毛細管現象を利用して樹脂を回路基板とチップとの間隙に流れ込ませる。しかしこの方法はフラクッス処理、洗浄を行うため工程が長くなりかつ洗浄廃液の処理問題等環境管理を厳しくしなければならない。更に液状封止を毛細管現象で行うため封止時間が長くなり、生産性に問題があった。このとき用いられる封止材を一般的にキャピラリー型アンダーフィル材(CUF)という。
そこで直接回路基板に樹脂を塗布し、半田電極を有するチップをその上から搭載し半田接合と樹脂封止を同時に行う方法が考案された(例えば、特許文献1参照)。この方式に用いられる封止材を一般的にノーフロー型アンダーフィル材(NUF)という。この場合、半田を回路基板に接合させるために、熱硬化性樹脂、硬化剤からなる樹脂組成物にフラックス作用を有する成分を添加することが特徴である。
しかし該方法は、リフロー炉と呼ばれるコンベア式の加熱炉を用いて半田接続させるため、チップの自重により回路基板に接触させる。通常CUFは高信頼性化のため、ある程度の割合で無機フィラーを含有しているが、NUFの場合その無機フィラーが自重での接触を妨げる危険性があるため、フィラー充填していないものが多く検討されている。一方で、フィラー充填型のNUFも検討はされているが(例えば、特許文献2参照)、加熱−圧着型のいわゆるパルスヒート型実装方式に限る場合が多く、フィラー充填型NUFを用いたリフロー炉実装タイプにおいては十分なものがなかった。
加えて、近年半田電極を鉛含有タイプから鉛フリータイプのものへの移行が進み、この鉛フリータイプの半田の酸化膜除去はより厳しくなるため、これまでのNUFのフラックス作用では不十分であった。
また、特許文献1は熱硬化性樹脂/硬化剤の系に新たにフラックス活性を有する低分子化合物(例としては脂肪族カルボン酸等)を添加する事例が述べられている。しかし、該フラックス活性を有する化合物は封止されたパッケージが高温高湿化におかれたときの電気特性の低下が懸念される。そこで、フラックス活性及び硬化剤の機能を有する化合物の検討が行なわれている。例えばジヒドロキシカルボン酸類(例えば、特許文献3参照)、
ジカルボン酸類等(例えば、特許文献4参照)である。これらの化合物はエポキシ樹脂の硬化剤として機能し且つカルボン酸がフラックス活性を示す。該硬化剤は反応すると熱硬化性樹脂のマトリックスとなるため前記電気特性に関する問題を抑えることができる。
本発明では、フラックス活性を有するジヒドロキシカルボン酸系硬化剤を詳細に検討したが、パッケージ信頼性として優れていることは確認したものの、リフロー炉を用いた半田接続、封止の工程において、接続不良が起きることがわかった。特に半田の融点が高い鉛フリー半田の場合顕著であった。その原因として最も重要なのは、硬化剤のフラックス作用に関係していることがわかった。フラックス作用はこの硬化剤がエポキシ樹脂に溶解したときに発現するが、その溶解温度によって接続性に影響し、溶解温度はおおむね硬化剤の融点に関係していることが判明した。
また、一般に鉛フリー半田は酸化され易いため、該硬化剤のフラックス活性では十分でなく、検討の余地があった。
米国特許5,128,746 特開2003−301026号公報 特開2000−072083号公報 特開2002−293883号公報
本発明の課題は、液状樹脂組成物を用いて半導体チップ、特に回路面に突起電極を有する半導体チップを封止する半導体装置の製造方法において、リフロー炉加熱によって接続可能なフィラー含有系のフラックス活性が高い液状封止樹脂組成物を用いて信頼性に優れた半導体装置を得ることである。
本発明では前述の解決法に関し鋭意検討を行い、フラックス活性を有する第一の硬化剤と1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を含む第二の硬化剤とを添加することにより、リフロー炉を用いてもフィラー含有系NUFの高接続性が可能となり、高信頼性かつ高生産性が認められ、本発明を完成させるに至った。
本発明の目的は、以下の(1)〜()に記載の本発明により達成できる。
(1)ノーフロー型アンダーフィル材に用いる液状樹脂組成物であって、
(A)フラックス活性を有する第一の硬化剤と、
(B)第一の硬化剤と異なるフラックス活性を有する第二の硬化剤と、
(C)エポキシ樹脂と、
(D)フィラーと、を含
前記フラックス活性を有する第一の硬化剤(A)が、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フェノールフタリン、又はジフェノール酸であり、
前記フラックス活性を有する第二の硬化剤(B)が、セバシン酸であることを特徴とする液状樹脂組成物。
)前記第一の硬化剤(A)と第二の硬化剤(B)の融点の差が30℃以上ある(1)に記載の液状樹脂組成物。
)前記第一の硬化剤(A)に対する第二の硬化剤(B)の配合比が0.01〜0.5である(1)又は(2)に記載の液状樹脂組成物。
)(1)〜()のいずれかに記載の液状樹脂組成物がノーフロー型アンダーフィル材として用いて半導体装置の組立を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明に従うと、鉛フリー半田リフロー接続方式を用いた半導体チップの接合に際しても、接続性の高い封止を実現し、最終的に信頼性の高い半導体装置を提供することができ、また半導体装置の組立工程を簡略化できる。
本発明に用いられるフラックス活性を有する第一の硬化剤(A)は、フラックス活性を発現し、更にはエポキシ樹脂と熱硬化反応可能な官能基を有する化合物であり、具体的には1分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基と少なくとも1個の芳香族カルボキシル基とを含むエポキシ樹脂の硬化剤である。
その例としては、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられ、これらは単独もしくは複数添加することができる。何れもフラックス作用を有することが本発明に利用するための条件である。また、これらの化合物は何れも吸湿し易くボイドの原因となるため製造する際は前もって乾燥を行うことが好ましい。これらの中で好ましくは、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸等である。
次に本発明に用いられるフラックス活性を有する第二の硬化剤(B)は、第一の硬化剤と異なるものであり、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を含むことが必須である。また、第一の硬化剤(A)のエポキシ樹脂への溶解及び樹脂組成物全体のフラックス活性を助けるために第二の硬化剤(B)は作用するため、第二の硬化剤(B)の融点は第一の硬化剤(A)の融点より低いことが好ましい。第一の硬化剤(A)を複数用いる場合は、第一の硬化剤中最も高い融点のものより、第二の硬化剤の融点が低いことが好ましい。
第二の硬化剤(B)の融点を、第一の硬化剤(A)の融点より低くすることにより、より低温で第二の硬化剤(B)がエポキシ樹脂に溶解することができる。溶解するに従い、カルボン酸の作用により半田表面の酸化膜が除去される。同時に、第二の硬化剤(B)が溶解した作用で第一の硬化剤(A)のエポキシ樹脂への溶解温度を低くすることができる。このため、半田への濡れ性向上、反応の均一化を図ることが可能になる。
本発明に用いる第二の硬化剤(B)としては、例えばo−フタル酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、4−ヒドロキシ(o−フタル酸)、3−ヒドロキシ(o−フタル酸)、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、アルキレン基を含むものとしてはコハク酸、マロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、ピメリン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、ドデカン二酸などが挙げられるがこの限りではない。これらの中でも好ましくは、セバシン酸である。
更に、第一の硬化剤(A)と第二の硬化剤(B)の融点の差は30℃以上であることが
好ましく、より好ましくは150℃以下である。融点の差が30℃未満では硬化剤(B)の添加効果であるフラックス活性作用が発現し難くなり好ましくない。融点の差が150℃を超えると、硬化剤(B)によるエポキシ樹脂の反応が早い段階で起こるため、樹脂組成物の粘度が上昇し半田の接続性に支障をきたす場合がある。
第二の硬化剤(B)の好ましい添加量は、第一の硬化剤(A)と第二の硬化剤(B)の総重量に対し0.01〜0.5である。より好ましくは0.03〜0.4、さらに好ましくは0.05〜0.3である。下限値未満では本発明の効果を発現させることは困難である。また上限値を越えると硬化物の耐湿性が著しく低下し信頼性に支障をきたす。
本発明に用いるエポキシ樹脂(C)は、平均エポキシ基が2以上であれば、使用することができる。その例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型エポキシ、ビスフェノールSジグリシジルエーテル型エポキシ、o−アリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、1,6−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、臭素型クレゾールノボラック型エポキシ、1,6ナフタレンジオールのグリシジルエーテル、アミノフェノール類のトリグリシジルエーテル、等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いても差し支えない。好ましくは液状のエポキシ樹脂である。更にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、固体のエポキシ樹脂を液状のエポキシ樹脂に溶解、又は分散しても構わない。信頼性の優れた液状封止樹脂組成物を得るために、エポキシ樹脂のNa、Cl等のイオン性不純物はできるだけ少ないものが好ましい。
また、加熱時の硬化反応を抑制し,半田接続部分の接続を阻害させないため、上記のエポキシ樹脂以外に硬化開始温度の高いエポキシ樹脂を併用することが好ましい。例えば、ジアリルビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明で用いられるフィラー(D)の例としては、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、窒化アルミ等が挙げられる。用途によりこれらを複数混合してもよいが、純度、信頼性、コストの点でシリカが好ましい。その添加量は特に制限がないが、封止用樹脂組成物としての特性(耐湿性、作業性等)を保つため液状樹脂組成物に対して80重量%以下であることが好ましい。より好ましくは50重量%以下である。上限値を超えると、接合の際、絶縁性のフィラーが半導体素子の突起電極と回路基板電極との接合を妨げる恐れがある。
また本発明に用いるフィラーの形状は球状であることが好ましい。いわゆる破砕フィラーの場合はその鋭利な面により半導体素子表面の回路を破壊する恐れがある。また、フィラーの粒径は平均粒径で6μm以下、最大粒径で30μm以下が好ましい。この範囲を超えると半田接合時にフィラーにより妨げられ、接続不良を起こす可能性がある。
本発明に用いる液状樹脂組成物は、液状エポキシ樹脂と硬化剤の反応を促進するために硬化促進剤を添加することができる。その例としては一般的にエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられるものであり、イミダゾール類、リン化合物、ジアザ化合物、第三級アミン等が挙げられる。
本発明の液状樹脂組成物は、前記液状エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、フィラー以外に、必要に応じて反応性希釈材、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、カップリング材等の添加剤を用いることも可能である。これらの添加剤は何れもボイドの要因になってはならないため、耐熱性、揮発性、基材への濡れ性等確認の上添加することが好ましい。
本発明の液状樹脂組成物の製造方法としては、例えば液状エポキシ樹脂、硬化剤、フィラー以外に、必要に応じて硬化促進剤、反応性希釈材、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、カップリング材等の添加剤を常温で3本ロール等を用いて混合し、真空脱泡することにより製造することができる。
本発明の液状樹脂組成物を用いて、フリップチップ、CSP(チップ・サイズ・パッケージ)等の半導体素子を封止することが出来る。本発明の液状樹脂組成物ではフラックスを添加せず、例えば、直接回路基板に本発明の液状樹脂組成物を塗布し、半田電極を有するチップを回路基板の上から搭載して加熱硬化することにより半田接合と樹脂封止を同時に行うノーフロー型アンダーフィル材として用いることが可能である。また、半田電極を有するチップの半田電極面側に本発明の液状樹脂組成物を塗布し、回路基板に搭載して半田接合と樹脂封止を同時に行うことも可能である。
本発明の半導体装置の製造方法は、回路基板に、回路面に突起電極が具備された半導体チップを接合するエリア実装法において、(1)回路基板又は半導体チップの回路面(突起電極形成面)かつ又はこれを受ける回路基板に、上記の液状樹脂組成物を塗布する工程、(2)電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせする工程、(3)加熱することによって該突起電極と回路基板を電気的に接合し、液状樹脂組成物を硬化させる工程である。
上記の液状樹脂組成物を塗布する方法は、ディスペンス法,印刷法等があり特に制限されない。液状樹脂組成物を予備加熱する場合の条件は、40〜100℃、時間は1つのパッケージあたり1〜5分程度で搭載が行われる。電極の電気接合の為の加熱は,リフローやパルスヒート加熱,ホットプレートなどによる直接加熱のような方法等が挙げられ,特に制限されない。
半導体素子の製造及び半導体装置のその他の製造工程は従来の公知の方法を用いることが出来る。
本発明を実施例及び比較例で説明する。
<実施例1>
第一の硬化剤(A)の成分として予め130℃、5torrで3時間真空乾燥したジヒドロキシ安息香酸(融点202℃)30重量部、第二の硬化剤(B)として予め80℃、5torrで3時間真空乾燥したセバシン酸(融点135℃)5重量部、エポキシ樹脂(C)の成分としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量161)90重量部、ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量210)10重量部、シリコーン変性エポキシ樹脂の反応物5重量部、フィラー(D)の成分としてシリカを液状樹脂組成物の50重量%となる重量部、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール0.2重量部、低応力材としてアクリロニトリルブタジエンゴム2重量部を秤量し3本ロールにて分散混練し、真空下脱泡処理をして液状樹脂組成物を得た。
次に、得られた液状樹脂組成物を回路基板に塗布し、上部よりフリップチップボンダー用いて位置決めを行いながらフリップチップを設置した。次に図1で示された温度プロファイルを有するリフロー加熱炉を用いて半田を溶融、接続を行った。接続率はデイジーチェーンでつながったブロック単位で確認し、すなわち一つでも接続不良が出た場合は導通しないため、接続率は導通が取れたものを良品としてカウントした。その後、後硬化として150℃、90分にて封止樹脂を硬化させ、パッケージを作製し、下記試験を行った。
使用したフリップチップ
半田:錫−銀(融点:221℃)
バンプ数:900バンプ
バンプ高さ:80μm
チップサイズ:10mm角
パッシベーション:ポリイミド
チップ厚み:525μm
使用した回路基板
BT(ビスマレイミド/トリアジン)樹脂基板(接続パッド:表面は金メッキ)
(1)半田バンプ接続性
上述の方法により、半田バンプ接続を行った10個の回路基板をハンドプローブ型のテスター用いて導通をチェックし、導通が取れたものを良品とした(導通不良パッケージ数/総パッケージ数)。
(2)ボイド、初期剥離観察
半田バンプ接続を行い、封止樹脂を硬化させたパッケージ10個について、超音波探傷装置(SAT)を用いてボイド、剥離を観察した。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とした(ボイド又は剥離発生パッケージ数/総パッケージ数)。
(3)耐リフロー試験
半田バンプ接続を行い、硬化させた接続率100%のパッケージ10個を選び、30℃、60%、72時間吸湿させたあと最大温度260℃のリフローに3回通過させ、封止樹脂外観クラック、界面の剥離状態をSATで調べた。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とした(剥離発生パッケージ数/総パッケージ数)。
(4)温度サイクル(T/C)試験
耐リフロー試験を行ったパッケージ10個のうち不良でないものを引き続き−55℃、30分/−125℃、30分の条件でT/C試験を行った。クラック、剥離の状態を250サイクルおき最大1000サイクル観察した。界面の剥離状態は一箇所でも剥離が生じたパッケージを不良とした(チップクラック又は剥離発生パッケージ数/総パッケージ数
)。
表1で用いられている成分の詳細は以下の通りである。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂:大日本インキ化学工業(株)製、EXA−830LVP(エポキシ当量161)
ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂:日本化薬(株)製、RE−810NM(エポキシ当量210)
シリコーン変性エポキシ樹脂:東芝シリコーン(株)製,商品名TSL−9906とビスフェノールAの5:1の反応物
ビフェニル型エポキシ樹脂:日本化薬(株)製、NC3000(エポキシ当量272)
ジヒドロキシ安息香酸:みどり化学(株)製、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(融点200〜205℃)
セバシン酸:東京化成工業(株)製、セバシン酸(融点134℃)
2P4MZ:四国化成工業(株)製、2−フェニル−4−メチルイミダゾール
ブタジエンニトリルゴム:宇部興産(株)製、CTBN1008SP(カルボキシル基末端ブタジエンアクリルゴム)
シリカ:アドマテックス(株)製、SO−25H
フェノールフタリン:東京化成工業(株)製、フェノールフタリン(融点235℃)
<実施例2>
実施例1における第二の硬化剤(B)のセバシン酸の添加量を2重量部とした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<実施例3>
実施例1における第二の硬化剤(B)のセバシン酸の添加量を7重量部とした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<実施例4>
実施例1においてエポキシ樹脂(C)のビスフェノールF型エポキシを80重量部、ビフェニル型エポキシを10重量部とした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<実施例5>
実施例1において第一の硬化剤(A)をジヒドロキシ安息香酸20重量部、フェノールフタリン10重量部とした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<比較例1>
実施例1においてフィラー(D)を添加しないとした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<比較例2>
実施例1において第二の硬化剤(B)を添加しないした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<比較例3>
実施例1において第一の硬化剤(A)フェノールフタリン40重量部、第二の硬化剤(B)セバシン酸を添加しないとした以外は実施例1と同様に試験を行った。
<比較例4>
実施例1において第一の硬化剤(A)を添加せず、第二の硬化剤(B)セバシン酸を35重量部とした以外は実施例1と同様に試験を行った。
実施例1〜5、比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
Figure 0004940768
比較例1はフィラーが添加されていないため、線膨張係数も高く、バンプ及びパッケージ保護性に劣ったため、温度サイクル試験をパスできなかった。
比較例2及び3では、第二の硬化剤が添加されていないため、リフロー炉加熱中での効率的な半田酸化膜除去が行われなかったためか、初期接続性に劣った。
比較例4では第一の硬化剤が添加されておらず、第二の硬化剤の割合が大きく、接続性は良好であったが、その分硬化物特性、特に熱的特性が低下し、高温時でのバンプ保護性が低下したためか耐リフロー試験性や温度サイクル試験性に劣った。
本発明の液状樹脂組成物を用いて、特に回路面に鉛フリー半田の突起電極を有する半導体チップを封止することにより、接続安定性に優れボイドが少なく信頼性に優れた半導体装置を得ることができ、例えば、フリップチップパッケージのチップと回路基板との隙間を封止する封止材や半導体装置に好適に用いることができる。
本発明の実施例で用いたリフロー炉の温度プロファイル

Claims (4)

  1. ノーフロー型アンダーフィル材に用いる液状樹脂組成物であって、
    (A)フラックス活性を有する第一の硬化剤と、
    (B)第一の硬化剤と異なるフラックス活性を有する第二の硬化剤と、
    (C)エポキシ樹脂と、
    (D)フィラーと、を含み、
    前記フラックス活性を有する第一の硬化剤(A)が、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フェノールフタリン、又はジフェノール酸であり、
    前記フラックス活性を有する第二の硬化剤(B)が、セバシン酸であることを特徴とする液状樹脂組成物。
  2. 前記第一の硬化剤(A)と第二の硬化剤(B)の融点の差が30℃以上ある請求項1に記載の液状樹脂組成物。
  3. 前記第一の硬化剤(A)に対する第二の硬化剤(B)の配合比が0.01〜0.5である請求項1又は2に記載の液状樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の液状樹脂組成物がノーフロー型アンダーフィル材として用いて半導体装置の組立を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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