JP2007131829A - エポキシ樹脂組成物及び絶縁処理された電気電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐クラック性に優れ、しかも絶縁性、安定性、耐熱性に優れた高いTgのエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品を提供する。
【解決手段】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)溶融シリカ、(d)塩基性pH調整剤及び(e)硬化促進剤を含有してなるものであり、このエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理して電気電子部品を製造することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明にかかるエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)溶融シリカ、(d)塩基性pH調整剤及び(e)硬化促進剤を含有してなるものであり、このエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理して電気電子部品を製造することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電気電子部品の絶縁処理に好適なエポキシ樹脂組成物及びこれらを用いた電気電子部品に関する。
従来、エポキシ樹脂組成物は、優れた電気特性、機械特性、耐クラック性及び絶縁性を有するために、電気絶縁用、特に絶縁保護、高電圧特性(耐アーク性、耐トラッキング性)、耐クラック性等の向上を目的として、例えば、酸無水物硬化型エポキシ樹脂や、アミン系硬化型エポキシ樹脂に充填剤および難燃剤等を含んだエポキシ樹脂組成物が用いられている。耐クラック性を向上させる手段として、フィラーの高充填化による線膨張の低減などが図られている。高電圧電気機器等や注型材、充填剤として用いるフィラーとしては、その電気的な絶縁性、安価に入手可能等の理由から、特許文献1〜2に示すようにシリカが一般に好適に用いられており、また、特許文献3に示す様な、より線膨張の小さい溶融シリカの適用が提案されている。一方、溶融シリカをエポキシ樹脂中に高充填すると経時で粘度が著しく上昇するなどの課題があった。また、特許文献4に示す様な、かとう性を出すことでクラック改善の手法が提案されているが、ガラス転移点の低下や線膨張係数の増加などの課題があり、更にはエポキシ組成物を注型する際のハンドリング性や価格的な課題があるため、特に高電圧電気機器等や注型材として用いる場合に適用が難しい状況にある。
機器の信頼性向上に伴う更なるクラック性向上の要求に対し、特に高電圧電気機器における耐電圧を要求される注型材料として、従来のエポキシ樹脂組成物では不充分で、耐電圧、粘度などの安定性、クラックなどの問題が発生しており、特性バランスを向上したエポキシ組成物が要求されるようになってきている。さらに、近年電気機器の小型軽量化に伴い、モールド部分に掛かる電気的負荷が大きくなってきており、高負荷時に発生する熱に耐えうる性能が要求され、高Tg化が求められるようになってきている。
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、耐クラック性に優れ、しかも絶縁性、安定性、耐熱性に優れた高いTgのエポキシ樹脂組成物及びこのエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品を提供するものである。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)溶融シリカ、(d)塩基性pH調整剤及び(e)硬化促進剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物に関する。
また第2の発明は、(d)塩基性pH調整剤が、水に分散又は溶解させた時に塩基性を有する無機充填剤を含むエポキシ樹脂組成物に関する。
また第3の発明は、(c)溶融シリカ及び(d)塩基性pH調整剤の総和が、水に分散させた際のpHの値が、塩基性を示すエポキシ樹脂組成物に関する。
また第4の発明は、(d)塩基性pH調整剤が、ワラストナイトであるエポキシ樹脂組成物に関する。
さらに第5の発明は前記第1〜4のいずれか一つの発明のエポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品に関する。
第1の発明におけるエポキシ組成物は、耐クラック性に優れ、安定性及び耐熱性に優れる。第2の発明におけるエポキシ組成物は、さらに耐クラック性に優れ、安定性及び耐熱性に優れる。第3の発明におけるエポキシ組成物は第1の発明おけるエポキシ組成物の効果を奏し、さらに絶縁性を向上させる。第4の発明におけるエポキシ組成物は、第1の発明又は第3の発明におけるエポキシ組成物の効果を奏し、より安定性が向上する。
以下、この発明につき実施形態及び実施例について詳細に説明する。なお、この実施形態及び実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)溶融シリカ、(d)塩基性pH調整剤及び(e)硬化促進剤を含有してなるものである。
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)溶融シリカ、(d)塩基性pH調整剤及び(e)硬化促進剤を含有してなるものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる(a)エポキシ樹脂としては、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物が用いられるが、エポキシ当量が100〜4000のものが好ましく、エポキシ当量が150〜1000のものがより好ましく、エポキシ当量が170〜500のものが特に好ましい。
(a)エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、セバチン酸、ドデカンニ酸等のポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、ポリブタジエンのポリエポキシ化物などが用いられる。これらの樹脂としては、特に制限はないが、常温で液状のものが好ましく、市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製:商品名)、GY−260(チバガイギー社製:商品名)、DER−331(ダウケミカル日本株式会社製:商品名)などが挙げられる。これらは併用して用いることができる。
また、(a)エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型等のエポキシ樹脂、テトラグリシジル化合物等の3官能以上のエポキシ化合物と併用することができ、更にはポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ樹脂も熱特性の許容される範囲で併用することができる。
また、本発明に用いる(a)エポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、エポキシ樹脂全量に対して0〜40重量%の範囲で使用することが好ましく、0〜20重量%の範囲で使用することがより好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することもできる。
本発明に用いられる(b)酸無水物としては、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサビドロ無水フタル酸、無水ワタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フクル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸ポリ無水物などが挙げられる。
(b)酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1当量当たり、0.3〜3.0モルが好ましく、0.5〜2.0モルがより好ましく、0.6〜1.3モルの範囲が特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、イミダゾール及びその誘導体を含んでいてもよく、イミダゾール及びその誘導体は(e)硬化促進剤として作用する。ここでいうイミダゾール及びその誘導体とは、例えば2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー4−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−エチルイミダゾール等が挙げられる。イミダゾール及びその誘導体の添加量は、酸無水物100重量部当たり0.03〜2.0重量部が好ましく、0.05〜1.0重量部が更に好ましい。イミダゾール及びその誘導体が0.03重量部未満の場合、硬化性が低下する傾向にあり、2重量部を超える場合、充分なポットライフが得られない傾向にある。
また、(e)硬化促進剤として、例えば4級アンモニウム塩やホスホニウム塩等のオニウム塩、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の第3級アミン類などを併用することができる。
(e)硬化促進剤の使用量は、イミダゾール及びその誘導体の添加量とは別に、酸無水物100重量部当たり0.0〜4.0重量部が好ましく、0.0〜3.0重量部がより好ましく、0.0〜2.0重量部が特に好ましい。
また、(e)硬化促進剤として、例えば4級アンモニウム塩やホスホニウム塩等のオニウム塩、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の第3級アミン類などを併用することができる。
(e)硬化促進剤の使用量は、イミダゾール及びその誘導体の添加量とは別に、酸無水物100重量部当たり0.0〜4.0重量部が好ましく、0.0〜3.0重量部がより好ましく、0.0〜2.0重量部が特に好ましい。
また、本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物には、(c)溶融シリカを含む。(c)溶融シリカの使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して120〜300重量部が好ましく、150〜250重量部がより好ましく、170〜200重量部が特に好ましい。
また、本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物には、無機充填剤を併用することができる。充填剤としては、結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。無機充填剤の溶融シリカを含む総使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して120〜300重量部が好ましく、150〜250重量部がより好ましく、170〜200重量部が特に好ましい。無機充填剤の量がエポキシ樹脂100重量部に対して120重量部未満であると、線膨張係数の増加や、ガラス移転点の低下、樹脂組成物の耐クラック性が低下し易くなる。また、全充填剤量がエポキシ樹脂100重量部に対して300重量部を超えると粘度が高くなり作業性が劣る傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてさらに、ベンガラ、酸化第2鉄、カーボン、チタンホワイト等の着色剤を添加することができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、(d)塩基性のpH調整剤を含む。
ここで(d)pH調整剤とは、水に分散又は溶解させた時に塩基性を示す化合物であり、塩基性で緩衝作用を与える塩類も含む。より高い絶縁性を維持させるために、(d)pH調整剤としては水に分散又は溶解させた時に塩基性(7<pH≦14)を示す無機充填材(以下「塩基性フィラー」と略す)が好ましい。この塩基性フィラーとしては、例えば、ワラストナイト(ケイ酸カルシウム)、タルク(ケイ酸マグネシウム)、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
これらpH調整剤の含有量は、溶融シリカを含む無機充填剤及び塩基性pH調整剤の総和のpHが塩基性となる量であることが好ましい。
また、前記塩基性フィラーの場合、溶融シリカ100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満の場合、pHの調整効果が出にくく、安定性に劣る傾向にあり、10.0重量部を超える場合、電気絶縁性が低下する傾向にある。
ここで(d)pH調整剤とは、水に分散又は溶解させた時に塩基性を示す化合物であり、塩基性で緩衝作用を与える塩類も含む。より高い絶縁性を維持させるために、(d)pH調整剤としては水に分散又は溶解させた時に塩基性(7<pH≦14)を示す無機充填材(以下「塩基性フィラー」と略す)が好ましい。この塩基性フィラーとしては、例えば、ワラストナイト(ケイ酸カルシウム)、タルク(ケイ酸マグネシウム)、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
これらpH調整剤の含有量は、溶融シリカを含む無機充填剤及び塩基性pH調整剤の総和のpHが塩基性となる量であることが好ましい。
また、前記塩基性フィラーの場合、溶融シリカ100重量部に対し、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。0.01重量部未満の場合、pHの調整効果が出にくく、安定性に劣る傾向にあり、10.0重量部を超える場合、電気絶縁性が低下する傾向にある。
この(d)塩基性のpH調剤を、(c)溶融シリカを含む(a)エポキシ樹脂に添加することで塩基性とし、この結果、時間の経過に伴う増粘を防止することができ、安定性が良好なエポキシ樹脂組成物を提供することとなる。
また、必要に応じてシラン系、アルミ系あるいはチタン系等のカップリング剤を添加する事ができる。シランカップリング剤としては、例えばγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、イミダゾリンシラン、N−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、N−3−(4−(3−アミノプロポキシ)ブトキシ)プロピル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアジンシラン等のアミノシラン類γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、4−グリシジルブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロルシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類等が、また、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルバイロフォスフエト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等が挙げられる。また、アルミネートカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、フィラーの濡れ性、粘度、電気特性等から選定される。これらは1種又は2種以上を併用してもよい。その使用量は、エポキシ樹脂成分100重量部当たり0.1〜5.0重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜3.0重量部である。0.1重量部未満の場合、接着性が低下する傾向があり、5.0重量部を超える場合、Tgが低下する傾向にある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシリコーン系消泡剤、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル等のエポキシ反応性希釈剤などを配合することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。また、諸特性の評価は、以下の方法で行った。
(1)耐クラック性:直径60mmの金属シャーレに1/2インチの鉄製スプリングワッシャーをセットし、エポキシ樹脂組成物をワッシャーの上端まで注入、硬化して試験片とした。その後、金属シャーレをはずし、JIS C 2105のヒートサイクル条件(表1に示す)に従ってヒートサイクル試験を行い、クラックの発生状況を観察し、クラックが発生するサイクル数で示した。
(1)耐クラック性:直径60mmの金属シャーレに1/2インチの鉄製スプリングワッシャーをセットし、エポキシ樹脂組成物をワッシャーの上端まで注入、硬化して試験片とした。その後、金属シャーレをはずし、JIS C 2105のヒートサイクル条件(表1に示す)に従ってヒートサイクル試験を行い、クラックの発生状況を観察し、クラックが発生するサイクル数で示した。
(2)耐電圧特性:図1は、試験片を示す正面図である。図1のように針電極(両面セルマチ針「40PIN」:(株)ミササ製)11と対抗電極12のギャップが2mmとなるように固定し、全体をエポキシ樹脂組成物の注型剤13で封止処理したものを試験片とする。
次に25℃の油槽中で、この試験片の針電極部分に29KV交流電圧を印加し、電極間にはさまれたエポキシ樹脂硬化物の絶縁破壊時間を評価した。
次に25℃の油槽中で、この試験片の針電極部分に29KV交流電圧を印加し、電極間にはさまれたエポキシ樹脂硬化物の絶縁破壊時間を評価した。
(3)pH:300ccのガラスビンにイオン交換水130gおよび各種充填剤及びpH調整材を26gになるように投入し、85℃に保持した水槽に放置した状態で30分間攪拌する。25℃に冷却後、イオン交換水および各種充填剤の混合懸濁液にpHメーター(株式会社堀場製作所社製)のセンサー部分を入れpH値を測定した。
(4)安定性:主材の60℃における粘度と、120℃24時間放置後の60℃における主材粘度についてBH型粘度計を用い測定した。
(実施例1)
(エポキシ樹脂(A剤)の作製法)
エポキシ樹脂エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製商品名)500重量部を2Lポリカップに測りとる。60℃環境下で1時間加熱した。続いて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、シリコーン系消泡剤KS−603(信越シリコ−ン製)0.05重量部を投入し、ラボスターラで1000rpmの攪拌速度で5分攪拌後、溶融シリカEF−10B(東海ミネラル社製)950重量部、ワラストナイトVM−8(林化成製)50重量部をラボスターラで1000rpmの攪拌速度で30分攪拌しながら投入した。投入後、同じ条件で30分攪拌を継続した。
(エポキシ樹脂(A剤)の作製法)
エポキシ樹脂エピコート828(油化シェルエポキシ株式会社製商品名)500重量部を2Lポリカップに測りとる。60℃環境下で1時間加熱した。続いて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5重量部、シリコーン系消泡剤KS−603(信越シリコ−ン製)0.05重量部を投入し、ラボスターラで1000rpmの攪拌速度で5分攪拌後、溶融シリカEF−10B(東海ミネラル社製)950重量部、ワラストナイトVM−8(林化成製)50重量部をラボスターラで1000rpmの攪拌速度で30分攪拌しながら投入した。投入後、同じ条件で30分攪拌を継続した。
(酸無水物(B剤)の作製法)
テトラヒドロ無水フタル酸HN−2200(日立化成製)1000重量部を2Lポリカップに測りとる。60℃環境下で1時間加熱した。イミダゾール系硬化促進剤2E4MZ(四国化成製)4重量部をラボスターラで1000rpmの攪拌速度で5分攪拌後目視で溶解することを確認した。
テトラヒドロ無水フタル酸HN−2200(日立化成製)1000重量部を2Lポリカップに測りとる。60℃環境下で1時間加熱した。イミダゾール系硬化促進剤2E4MZ(四国化成製)4重量部をラボスターラで1000rpmの攪拌速度で5分攪拌後目視で溶解することを確認した。
(試験片の作製)
A剤500gB剤150gを1Lポリカップに測り取り、60℃環境下で1時間保温した後、ラボスターラで1000rpmの攪拌速度で5分攪拌後、10Torrで10分減圧し、脱泡した。この混合液を用いクラック試験片及び耐電圧特性試験片へ注ぎ込み、硬化炉で100℃3時間、140℃3時間の加熱し、1晩かけて冷却した物を試験片とした。
A剤500gB剤150gを1Lポリカップに測り取り、60℃環境下で1時間保温した後、ラボスターラで1000rpmの攪拌速度で5分攪拌後、10Torrで10分減圧し、脱泡した。この混合液を用いクラック試験片及び耐電圧特性試験片へ注ぎ込み、硬化炉で100℃3時間、140℃3時間の加熱し、1晩かけて冷却した物を試験片とした。
(試験片の評価)
シリカEF−10B950重量部とワラストナイトVM−8(林化成製)50重量部混ぜた物の水分散時のpHは8.2を示した。試験片を評価したところ、ヒートサイクルは300サイクルでも注型樹脂の破壊は見られなかった。また、絶縁破壊に至る時間は120秒であった。粘度は初期粘度は80Pa・s、加熱放置後の粘度は80Pa・sと変化は見られなかった。
シリカEF−10B950重量部とワラストナイトVM−8(林化成製)50重量部混ぜた物の水分散時のpHは8.2を示した。試験片を評価したところ、ヒートサイクルは300サイクルでも注型樹脂の破壊は見られなかった。また、絶縁破壊に至る時間は120秒であった。粘度は初期粘度は80Pa・s、加熱放置後の粘度は80Pa・sと変化は見られなかった。
(実施例2〜5)
実施例2〜5は、下記表1に示す内容で、実施例1と同様の評価をした。
実施例2〜5は、下記表1に示す内容で、実施例1と同様の評価をした。
(比較例1〜5)
比較例1〜5は、下記表2に示す内容で、実施例1と同様の評価をした。
比較例1〜5は、下記表2に示す内容で、実施例1と同様の評価をした。
表に示すように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐クラック性に優れ、しかも絶縁性、安定性、耐熱性に優れることがわかる。
11 針電極
12 対抗電極
13 注型剤
12 対抗電極
13 注型剤
Claims (5)
- (a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)溶融シリカ、(d)塩基性pH調整剤及び(e)硬化促進剤を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
- (d)塩基性pH調整剤が、水に分散又は溶解させた時に塩基性を有する無機充填剤を含む請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- (c)溶融シリカ及び(d)塩基性pH調整剤の総和が、水に分散させた際のpHの値が、塩基性を示す請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
- (d)塩基性pH調整剤が、ワラストナイトである請求項1ないし3のいずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載のエポキシ樹脂組成物で絶縁処理された電気電子部品。
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