JP2004155858A - 難燃性エポキシ樹脂組成物及び絶縁処理された電気電子部品の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系難燃剤を用いず、有害ガスの発生が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れた難燃性エポキシ樹脂組成物及びこの難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品の製造法を提供する。
【解決手段】(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)水和アルミナを含有するエポキシ樹脂組成物において、(e)湿潤分散剤としてシラン系化合物を含有してなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)水和アルミナを含有するエポキシ樹脂組成物において、(e)湿潤分散剤としてシラン系化合物を含有してなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気電子部品の絶縁処理に好適な難燃性エポキシ樹脂組成物及びこれらを用いた電気電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂組成物は、優れた電気特性、機械特性、耐クラック性及び絶縁性を有するとともに、各種材料との接着性に優れているため、電気絶縁用、特に絶縁保護、高電圧特性(耐アーク性、耐トラッキング性)、耐クラック性等の向上を目的として、例えば、酸無水物硬化型エポキシ樹脂に多量の充填剤および難燃剤を含んだ難燃性エポキシ樹脂組成物が用いられている。
難燃性エポキシ樹脂組成物には、一般にハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系充填剤等が添加されて難燃性が付与されている。
しかしながら、これらの材料が燃焼すると、一酸化炭素、シアン化水素、亜硫酸ガス、ハロゲン化水素など有毒ガスが生成し、特にハロゲン系難燃剤を用いた場合には、ハロゲン化ベンゾダイオキシン、ジベンゾフランなどの有害物質の生成が懸念されている。
ハロゲン系難燃剤を含まない難燃性エポキシ樹脂組成物としては、従来よりリン系難燃剤が用いられているが、この組成物は、耐湿性、耐熱性に劣るという問題があった。また無機系難燃剤を用いる場合には充分な難燃性が得られず、これを増量配合すると粘度が著しく上昇し、作業性が低下する問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−136319号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、ハロゲン系難燃剤を用いず、有害ガスの発生が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れた難燃性エポキシ樹脂組成物及びこの難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品の製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、充填剤を多量に含有するエポキシ樹脂組成物に特定の湿潤分散剤を配合することにより、前記の問題点が解決されることを見出し、本発明に到達した。
本発明は次のものに関する。
(1) (a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)水和アルミナを含有するエポキシ樹脂組成物において、(e)湿潤分散剤としてシラン系化合物を含有してなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
(2) 上記(1)記載の難燃性エポキシ樹脂組成物の中で、湿潤分散剤をエポキシ樹脂に対して1重量%以上に含んでなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
(3) 上記(1)又は(2)記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品の製造法。
【0006】
【発明の実施形態】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂としては、1分子中に少なくもと2個のエポキシ基を有する化合物が用いられるが、エポキシ当量が100〜4000であり、エポキシ当量が150〜1000のものが好ましく、エポキシ当量が170〜500のものがより好ましい。
【0007】
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、セバチン酸、ドデカンニ酸等のポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、ポリブタジエンのポリエポキシ化物などが用いられる。これらの樹脂としては、特に制限はないが、常温で液状のものが好ましく、市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ(株)製商品名)、GY−260(チバガイギー社製商品名)、DER−331(ダウケミカル日本(株)製商品名)などが挙げられる。これらは併用して用いることができる。
【0008】
また、エポキシ樹脂としては、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ樹脂はより高分子量のものと併用することが好ましい。
また、本発明に用いるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、エポキシ樹脂全量に対して0〜40重量%の範囲で使用することが好ましく、0〜20重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することもできる。
【0009】
本発明に用いられる酸無水物としては、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサビドロ無水フタル酸、無水ワタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フクル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸ポリ無水物などが挙げられる。
酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1当量当たり0.3〜3.0とされ、0.5〜2.0が好ましく0.6〜1.3当量の範囲が更に好ましい。
【0010】
また、本発明に用いられる難燃性エポキシ樹脂組成物には、主に水和アルミナが充填剤として用いられるが、その他の充填剤を併用することができる。他の充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。水和アルミナの使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して120〜170重量部とされ、130〜165重量部が好ましく、150〜160重量部がより好ましい。他の充填材と併用して用いる場合には、全充填剤量の60%以上とされ、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
水和アルミナの量がエポキシ樹脂100重量部に対して120重量部未満であると、樹脂組成物の難燃性が低下し易くなり、全充填材量がエポキシ樹脂100重量部に対して210重量部を越えると粘度が高くなり作業性が劣る。
【0011】
本発明に用いられる湿潤分散剤としては、シラン系化合物が用いられる。 このシラン化合物は、難燃性エポキシ樹脂組成物を低粘度化する役割を有する。
本発明に用いられるシラン化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピル・トリメトキシシランが挙げられる。 これらの市販品としては、日本ユニカー(株)製 AZ−6129 等が挙げられる。
湿潤分散剤の配合量は、組成物の低粘度化の点からは、エポキシ樹脂100重量部に対して0.6〜10重量部とされ、好ましくは0.8〜5.0重量部、より好ましくは1.0〜2.0重量部である。
【0012】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、さらに硬化促進剤を含有することが好ましい。硬化促進剤としては、例えば2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー4−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−エチルイミダゾール等のイミダゾール及びその誘導体、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の第3級アミン類などが挙げられる。硬化促進剤の使用量は、酸無水物100重量部当たり0.1〜5.0重量部とされ、0.5〜3.0重量部が好ましく、1.0〜2.0重量部がより好ましい。
【0013】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じてさらに、ベンガラ、酸化第2鉄、カーボン、チタンホワイト等の着色剤、シラン系あるいはチタン系カップリング剤、シリコーン系消泡剤、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル等のエポキシ反応性希釈剤などを配合することができる。
【0014】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
実施例1及び比較例1〜3
表1に示す配合組成及び配合量で難燃性エポキシ樹脂組成物を作成し、その硬化物の特性を下記の方法で測定し、結果を表に示す。
【0015】
【表1】
(1)粘度
B型粘度計を用い、温度25℃で測定した。
(2)難燃性
UL94に従って試験片厚み6.35mm(1/4インチ)の試料を作成して評価した。
【0016】
表1から湿潤分散剤を1〜2重量部加えた組成物(実施例1〜4)は、湿潤分散剤を加えない組成物(比較例1)や湿潤分散剤が0.5重量部と少ない組成物(実施例1)と異なり、液状物が低粘度で作業性に優れ、硬化物の難燃性も優れていることが示される。
表1から明らかな通り、湿潤分散剤を0.5〜2重量部加えた組成物(実施例1,2)は、湿潤分散剤を加えない組成物(比較例1)と異なり、低粘度で作業性に優れている。
また、湿潤分散剤の添加量が少なすぎると(比較例2)、粘度低下に著しい効果が見られず、さらに湿潤分散剤を添加せずに、水和アルミの添加量を減らした組成物(比較例3)は、低粘度で作業性は向上するが、難燃性はV−1に低下する。
【0017】
【発明の効果】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を用いていないため、有害ガスの発生が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れるものである。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、フライバックトランス、高圧トランス、イグニッションコイル、電源トランス、スイッチングトランス、ソレノイドコイルなどの電気部品の含浸、注型用として広く用いることができる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、液状物が低粘度で作業性に優れ、難燃性に優れた硬化物を生成することができ、これによって高い信頼性の絶縁処理された電気電子部品の製造法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気電子部品の絶縁処理に好適な難燃性エポキシ樹脂組成物及びこれらを用いた電気電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂組成物は、優れた電気特性、機械特性、耐クラック性及び絶縁性を有するとともに、各種材料との接着性に優れているため、電気絶縁用、特に絶縁保護、高電圧特性(耐アーク性、耐トラッキング性)、耐クラック性等の向上を目的として、例えば、酸無水物硬化型エポキシ樹脂に多量の充填剤および難燃剤を含んだ難燃性エポキシ樹脂組成物が用いられている。
難燃性エポキシ樹脂組成物には、一般にハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系充填剤等が添加されて難燃性が付与されている。
しかしながら、これらの材料が燃焼すると、一酸化炭素、シアン化水素、亜硫酸ガス、ハロゲン化水素など有毒ガスが生成し、特にハロゲン系難燃剤を用いた場合には、ハロゲン化ベンゾダイオキシン、ジベンゾフランなどの有害物質の生成が懸念されている。
ハロゲン系難燃剤を含まない難燃性エポキシ樹脂組成物としては、従来よりリン系難燃剤が用いられているが、この組成物は、耐湿性、耐熱性に劣るという問題があった。また無機系難燃剤を用いる場合には充分な難燃性が得られず、これを増量配合すると粘度が著しく上昇し、作業性が低下する問題があった。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−136319号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、ハロゲン系難燃剤を用いず、有害ガスの発生が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れた難燃性エポキシ樹脂組成物及びこの難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品の製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、充填剤を多量に含有するエポキシ樹脂組成物に特定の湿潤分散剤を配合することにより、前記の問題点が解決されることを見出し、本発明に到達した。
本発明は次のものに関する。
(1) (a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)水和アルミナを含有するエポキシ樹脂組成物において、(e)湿潤分散剤としてシラン系化合物を含有してなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
(2) 上記(1)記載の難燃性エポキシ樹脂組成物の中で、湿潤分散剤をエポキシ樹脂に対して1重量%以上に含んでなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
(3) 上記(1)又は(2)記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品の製造法。
【0006】
【発明の実施形態】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂としては、1分子中に少なくもと2個のエポキシ基を有する化合物が用いられるが、エポキシ当量が100〜4000であり、エポキシ当量が150〜1000のものが好ましく、エポキシ当量が170〜500のものがより好ましい。
【0007】
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、セバチン酸、ドデカンニ酸等のポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、ポリブタジエンのポリエポキシ化物などが用いられる。これらの樹脂としては、特に制限はないが、常温で液状のものが好ましく、市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ(株)製商品名)、GY−260(チバガイギー社製商品名)、DER−331(ダウケミカル日本(株)製商品名)などが挙げられる。これらは併用して用いることができる。
【0008】
また、エポキシ樹脂としては、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ樹脂はより高分子量のものと併用することが好ましい。
また、本発明に用いるエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物は、エポキシ樹脂全量に対して0〜40重量%の範囲で使用することが好ましく、0〜20重量%の範囲で使用することが好ましい。このようなエポキシ化合物としては、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物を使用することもできる。
【0009】
本発明に用いられる酸無水物としては、例えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサビドロ無水フタル酸、無水ワタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フクル酸、ドデセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ポリアゼライン酸ポリ無水物などが挙げられる。
酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1当量当たり0.3〜3.0とされ、0.5〜2.0が好ましく0.6〜1.3当量の範囲が更に好ましい。
【0010】
また、本発明に用いられる難燃性エポキシ樹脂組成物には、主に水和アルミナが充填剤として用いられるが、その他の充填剤を併用することができる。他の充填材としては、溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、炭酸カルシウム、クレー等が挙げられる。水和アルミナの使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して120〜170重量部とされ、130〜165重量部が好ましく、150〜160重量部がより好ましい。他の充填材と併用して用いる場合には、全充填剤量の60%以上とされ、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
水和アルミナの量がエポキシ樹脂100重量部に対して120重量部未満であると、樹脂組成物の難燃性が低下し易くなり、全充填材量がエポキシ樹脂100重量部に対して210重量部を越えると粘度が高くなり作業性が劣る。
【0011】
本発明に用いられる湿潤分散剤としては、シラン系化合物が用いられる。 このシラン化合物は、難燃性エポキシ樹脂組成物を低粘度化する役割を有する。
本発明に用いられるシラン化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピル・トリメトキシシランが挙げられる。 これらの市販品としては、日本ユニカー(株)製 AZ−6129 等が挙げられる。
湿潤分散剤の配合量は、組成物の低粘度化の点からは、エポキシ樹脂100重量部に対して0.6〜10重量部とされ、好ましくは0.8〜5.0重量部、より好ましくは1.0〜2.0重量部である。
【0012】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、さらに硬化促進剤を含有することが好ましい。硬化促進剤としては、例えば2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−シアノエチルー4−メチルイミダゾール、1−ベンジルー2−エチルイミダゾール等のイミダゾール及びその誘導体、トリスジメチルアミノメチルフェノール等の第3級アミン類などが挙げられる。硬化促進剤の使用量は、酸無水物100重量部当たり0.1〜5.0重量部とされ、0.5〜3.0重量部が好ましく、1.0〜2.0重量部がより好ましい。
【0013】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、必要に応じてさらに、ベンガラ、酸化第2鉄、カーボン、チタンホワイト等の着色剤、シラン系あるいはチタン系カップリング剤、シリコーン系消泡剤、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル等のエポキシ反応性希釈剤などを配合することができる。
【0014】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
実施例1及び比較例1〜3
表1に示す配合組成及び配合量で難燃性エポキシ樹脂組成物を作成し、その硬化物の特性を下記の方法で測定し、結果を表に示す。
【0015】
【表1】
(1)粘度
B型粘度計を用い、温度25℃で測定した。
(2)難燃性
UL94に従って試験片厚み6.35mm(1/4インチ)の試料を作成して評価した。
【0016】
表1から湿潤分散剤を1〜2重量部加えた組成物(実施例1〜4)は、湿潤分散剤を加えない組成物(比較例1)や湿潤分散剤が0.5重量部と少ない組成物(実施例1)と異なり、液状物が低粘度で作業性に優れ、硬化物の難燃性も優れていることが示される。
表1から明らかな通り、湿潤分散剤を0.5〜2重量部加えた組成物(実施例1,2)は、湿潤分散剤を加えない組成物(比較例1)と異なり、低粘度で作業性に優れている。
また、湿潤分散剤の添加量が少なすぎると(比較例2)、粘度低下に著しい効果が見られず、さらに湿潤分散剤を添加せずに、水和アルミの添加量を減らした組成物(比較例3)は、低粘度で作業性は向上するが、難燃性はV−1に低下する。
【0017】
【発明の効果】
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を用いていないため、有害ガスの発生が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れるものである。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、フライバックトランス、高圧トランス、イグニッションコイル、電源トランス、スイッチングトランス、ソレノイドコイルなどの電気部品の含浸、注型用として広く用いることができる。
本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、液状物が低粘度で作業性に優れ、難燃性に優れた硬化物を生成することができ、これによって高い信頼性の絶縁処理された電気電子部品の製造法を提供することができる。
Claims (3)
- (a)エポキシ樹脂、(b)酸無水物、(c)水和アルミナを含有するエポキシ樹脂組成物において、(e)湿潤分散剤としてシラン系化合物を含有してなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1記載の難燃性エポキシ樹脂組成物の中で、湿潤分散剤をエポキシ樹脂に対して1重量%以上に含んでなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて絶縁処理された電気電子部品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002321336A JP2004155858A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 難燃性エポキシ樹脂組成物及び絶縁処理された電気電子部品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002321336A JP2004155858A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 難燃性エポキシ樹脂組成物及び絶縁処理された電気電子部品の製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004155858A true JP2004155858A (ja) | 2004-06-03 |
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ID=32801925
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002321336A Pending JP2004155858A (ja) | 2002-11-05 | 2002-11-05 | 難燃性エポキシ樹脂組成物及び絶縁処理された電気電子部品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004155858A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031610A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Achilles Corp | 蓄熱性アクリル系樹脂組成物及びそれを用いた蓄熱性シート状成形体 |
JP2020021762A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | 日立オートモティブシステムズ阪神株式会社 | 内燃機関用点火コイル |
-
2002
- 2002-11-05 JP JP2002321336A patent/JP2004155858A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031610A (ja) * | 2005-07-28 | 2007-02-08 | Achilles Corp | 蓄熱性アクリル系樹脂組成物及びそれを用いた蓄熱性シート状成形体 |
JP2020021762A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-02-06 | 日立オートモティブシステムズ阪神株式会社 | 内燃機関用点火コイル |
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