JP2000239486A - 難燃性エポキシ樹脂組成物及びこの組成物を用いた電気部品 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物及びこの組成物を用いた電気部品

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JP2000239486A
JP2000239486A JP3990299A JP3990299A JP2000239486A JP 2000239486 A JP2000239486 A JP 2000239486A JP 3990299 A JP3990299 A JP 3990299A JP 3990299 A JP3990299 A JP 3990299A JP 2000239486 A JP2000239486 A JP 2000239486A
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epoxy resin
flame
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retardant
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JP3990299A
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Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Katsuhiko Yasu
克彦 安
Takuya Sugishita
拓也 杉下
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を用いず、有害ガスの発生
が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で作業性に優れ
た難燃性エポキシ樹脂組成物及びこれを用いて絶縁処理
された電気部品を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂、酸無水物及び水和アルミ
ナを含有するエポキシ樹脂組成物において、カップリン
グ剤として、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシランを
エポキシ樹脂に対して0.7重量%以上配合してなる難
燃性エポキシ樹脂組成物並びにこの難燃性エポキシ樹脂
組成物を用いて絶縁処理してなる電気部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性エポキシ樹
脂組成物及びこの組成物を用いて絶縁処理した電気部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂は優れた電気特性、
機械特性、耐クラック性を有するとともに、各種材料と
の接着性に優れているため、電気絶縁用、特に注型用と
して多用され、特に絶縁保護、高電圧特性(耐アーク
性、耐トラッキング性)、耐クラック性などの向上を目
的として、例えば、酸無水物硬化型エポキシ樹脂に多量
の充填剤及び難燃剤を含んだ難燃性エポキシ樹脂組成物
が用いられている。難燃性エポキシ樹脂組成物には、一
般にハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系充填剤等
が添加されて難燃性が付与されている。
【0003】しかしながら、これらの材料が燃焼する
と、一酸化炭素、シアン化水素、亜硫酸ガス、ハロゲン
化水素などの有害ガスが生成し、特にハロゲン系難燃剤
を用いた場合には、ハロゲン化ベンゾダイオキシン、ジ
ベンゾフランなどの有害物質の生成が心配されている。
ハロゲン系難燃剤を含まない難燃性エポキシ樹脂組成物
としては、従来よりリン系難燃剤が用いられているが、
この組成物は、耐湿性、耐熱性に劣るという問題があっ
た。また、無機系難燃剤を用いる場合には、充分な難燃
性が得られず、これを増量配合すると、粘度が著しく上
昇し、作業性が低下するという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の問題点を解決し、ハロゲン系難燃剤を用いず、有
害ガスの発生が少なく、難燃性に優れ、しかも低粘度で
作業性に優れた難燃性エポキシ樹脂組成物及びこれを用
いて絶縁処理された電気部品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、充填剤を
多量に含有するエポキシ樹脂組成物に特定のシランカッ
プリング剤を配合することにより、前記の問題点が解決
されることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本
発明は、エポキシ樹脂、酸無水物及び水和アルミナを含
有するエポキシ樹脂組成物において、カップリング剤と
して、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシランをエポキ
シ樹脂に対して0.7重量%以上配合してなる難燃性エ
ポキシ樹脂組成物及びこの組成物を用いて絶縁処理して
なる電気部品に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成
物に含まれるエポキシ樹脂としては、1分子中に少なく
とも2個のエポキシ基を有する化合物が用いられるが、
エポキシ当量が100〜4000のものが好ましく、エ
ポキシ当量が150〜1000のものがより好ましく、
特に、エポキシ当量が170〜500のものが好まし
い。
【0007】エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン等の多価アルコールのポリグリシジルエーテ
ル、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸、セバチン酸、ドデカン二酸等のポリカルボン酸
のポリグリシジルエステル、ポリブタジエンのポリエポ
キシ化物などが用いられる。これらの樹脂としては、特
に制限はないが、常温で液状のものが好ましく、市販品
としてはエピコート828(油化シェルエポキシ(株)製
商品名)、GY−260(チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株)製商品名)、DER−331(ダウケミカル
日本(株)製商品名)などが挙げられる。これらは併用し
て用いることができる。
【0008】エポキシ樹脂としては、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル等の反応性希釈剤となる低分子量エポキシ樹脂は
より高分子量のものと併用することが好ましい。
【0009】また、本発明に用いるエポキシ樹脂として
は、1分子中にエポキシ基を1個だけ有するエポキシ化
合物を含んでいてもよい。このようなエポキシ化合物
は、エポキシ樹脂全量に対して0〜40重量%の範囲で
使用することが好ましく、0〜20重量%の範囲で使用
することが好ましい。このようなエポキシ化合物として
は、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジ
ルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ジ
ブロモクレジルグリシジルエーテル等がある。また、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポ
キシシクロヘキサン)カルボキシレート等の脂環式エポ
キシ化合物を使用することもできる。
【0010】本発明に用いられる酸無水物としては、例
えばメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒ
ドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ド
デセニル無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ポリ
アゼライン酸ポリ無水物などが挙げられる。酸無水物の
使用量は、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基1当量当
たり0.6〜1.3当量の範囲が好ましい。
【0011】また、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
には、水和アルミナが充填剤として用いられるが、その
他の充填剤を併用することができる。他の充填剤として
は、通常の溶融シリカ、結晶シリカ、タルク、炭酸カル
シウム、クレーなどが挙げられる。水和アルミナの使用
量は、エポキシ樹脂に対して150〜170重量%が好
ましく、他の充填剤と併用して用いる場合には、全充填
剤の80重量%を水和アルミナとするのが好ましい。水
和アルミナの量がエポキシ樹脂に対して150重量%未
満であると、難燃性が低下する傾向があり、170重量
%を超えると、粘度が高くなりすぎる。
【0012】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、
さらにカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン又はγ−クロロプロピルトリメ
トキシシランが配合される。このカップリング剤は、難
燃性エポキシ樹脂組成物を低粘度化させる役割を果た
す。
【0013】本発明に使用しうるγ−グリシドキシプロ
ピルメチルジエトキシシランの市販品としては、例え
ば、下記の式で示される信越化学工業(株)製KBE40
2が挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】また、本発明に使用しうるγ−クロロプロ
ピルトリメトキシシランの市販品としては、例えば、下
記の式
【化2】 で示される信越化学工業(株)製KBM703が挙げられ
る。
【0016】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物におい
て、前記カップリング剤の配合量は、組成物の低粘度化
の点から、エポキシ樹脂に対して0.7重量%以上使用
されるが、多すぎるとガラス転移点の低下が起こる可能
性があり、5重量%以下で使用することが好ましく、1
〜3重量%の範囲であるのがより好ましい。
【0017】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、さ
らに硬化促進剤を含有することが好ましい。硬化促進剤
としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−4−メチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−エチルイミダゾール等のイミダゾール及
びその誘導体、トリスジメチルアミノメチルフェノール
等の第3級アミン類などが挙げられる。硬化促進剤の使
用量は、酸無水物100重量部当たり0.1〜5.0重
量部の範囲が好ましい。
【0018】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、
必要に応じてさらに、三酸化アンチモン、ベンガラ、酸
化第2鉄、カーボン、チタンホワイト等の着色剤、他の
シラン系あるいはチタン系カップリング剤、シリコーン
系消泡剤、モノグリシジルエーテル、ジグリシジルエー
テル等のエポキシ反応性希釈剤などを配合することがで
きる。
【0019】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、高
い難燃性を有すると共に、絶縁処理時における操作性に
優れ、フライバックトランス、高圧トランス、電源トラ
ンス、スイッチングトランス、ソレノイドコイル等の電
気部品に、公知の方法によって含浸、注型して硬化する
ことにより、絶縁処理された電気部品を効率よく提供す
ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】実施例1〜2及び比較例1〜3 表1に示す成分及び配合量で難燃性エポキシ樹脂組成物
を製造し、その粘度及び硬化物の難燃性を調べ、結果を
表1に示した。なお、難燃性エポキシ樹脂組成物は70
℃で2.5時間、次いで110℃で2.5時間硬化させ
た。また、各特性は、下記の方法により測定した。 (1)粘度:B型回転粘度計を用い、温度25℃で測定
した。 (2)難燃性:UL94に従って試験片厚み6.35mm
(1/4インチ)の試料を作製して評価した。
【0022】なお、使用した成分は、下記のものであ
る。 エポキシ樹脂:シェル化学(株)製、商品名EP−828 水和アルミナ:住友化学工業(株)製、商品名C−308 結晶シリカ:(株)龍森製、商品名CRT−AA シリコーン系消泡剤:信越化学工業(株)製、商品名KS
−603 シランカップリング剤:信越化学工業(株)製、商品名K
BE−402 酸無水物:日立化成工業(株)製、商品名HN−2000 硬化促進剤:四国化成工業(株)製、商品名2E4MZ
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなとおり、カップリング剤
を1〜2重量部加えた組成物(実施例1〜2)は、カッ
プリング剤を加えない組成物(比較例1)と異なり、低
粘度で作業性に優れている。また、カップリング剤の添
加量が少な過ぎると(比較例2)、粘度低下に著しい効
果が見られず、さらにカップリング剤を添加せずに、水
和アルミナの添加量を減らした組成物(比較例3)で
は、低粘度で作業性は向上するが、難燃性はV−1に低
下してしまうことが分かる。
【0025】
【発明の効果】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、
ハロゲン系難燃剤を用いないため、有害ガスの発生が少
なく、難燃性はUL94試験においてV−0という高い
レベルを有し、さらに低粘度であるため作業性に優れる
ものである。したがって、本発明の難燃性エポキシ樹脂
組成物は、フライバックトランス、高圧トランス、電源
トランス、スイッチングトランス、ソレノイドコイルな
ど、巻線を有する電気部品の含浸、注型用として好適で
あり、信頼性の高い電気部品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29C 39/10 B29C 39/10 B29K 63:00 B29L 31:34 (72)発明者 杉下 拓也 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 Fターム(参考) 4F204 AA39 AB01 AB03 AB16 AB17 AB22 AD03 AH33 AH37 EA03 EB01 EB11 EF01 EK17 4J002 CD00W CD01W CD02W CD03W CD05W CD10W CD18W DE147 EL136 EX038 EX068 FD010 FD017 FD090 FD150 FD200 FD208 GQ01 5E044 AC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、酸無水物及び水和アルミ
    ナを含有するエポキシ樹脂組成物において、カップリン
    グ剤として、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
    シシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシランを
    エポキシ樹脂に対して0.7重量%以上配合してなる難
    燃性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
    キシシラン又はγ−クロロプロピルトリメトキシシラン
    をエポキシ樹脂に対して1〜3重量%配合した請求項1
    記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の難燃性エポキシ樹
    脂組成物を用いて絶縁処理してなる電気部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100662838B1 (ko) * 2005-03-28 2006-12-28 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 난연성 에폭시 수지 조성물 및 그것을 사용한 전자 부품장치, 적층기판, 다층회로기판 및 인쇄배선기판
JP2012241123A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 絶縁層形成用組成物、絶縁層形成用フィルムおよび基板

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