JP3968208B2 - プラスチック基板用シール剤、該シール剤を用いたプラスチック基板液晶表示装置とプラスチック基板液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック基板を用いた液晶表示素子に好適なプラスチック基板に対する接着性、可撓性、及び耐液晶性が良好なシール剤及び該シール剤を用いた液晶表示装置と液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
液晶表示素子は、薄く軽量で消費電力が低いことから、パソコンやワープロ用のディスプレイを始めとした多くの表示ディスプレイとして使用されている。これらに用いられる液晶表示素子はガラスを基板に使用したガラス液晶セルが大部分を占めていたが、近年、いわゆるモーバイル機器への液晶セルの搭載が進展するに伴い、軽量性や否破砕性の要求からプラスチックフィルムを基板に用いた液晶表示素子が一部で用いられるようになってきた。
【0003】
液晶表示素子はシール剤により液晶材料を素子の基板間に封入させた形態で構成されている。シール剤には表示素子にかかる応力で破壊されない接着強度が必要であり、また、液晶分子と直接接するため、液晶分子に悪影響を及ぼさない性質や、さらに、プラスチックを基板に用いた液晶表示素子では曲面の表示へのニーズもあるため、可撓性も備えた総合的な特性が必要とされる。特に近年では、モーバイル用途の拡大に伴い、従来のものよりも耐熱性の優れたシール剤への要求が高くなってきている。
【0004】
液晶表示素子のシール剤には熱硬化性エポキシ樹脂が用いられているが、ガラス基板液晶表示素子に対しフィルム基板表示素子では、ガラスに較べてプラスチックの耐熱性が低いため、シール剤の硬化温度をガラス表示素子と同程度に高く設定できず、耐熱性が劣る欠点があった。また、フィルム型液晶素子では、ガラス液晶素子ではほとんど必要とされない可撓性を具備しなければならない。このためフィルム型液晶素子では、ガラス素子と異なるシール剤を用いたり、また、ガラス用シール剤を低い温度で硬化させ使用することがなされてきた。このため、フィルム表示素子では、ガラス表示素子に較べ、シール剤に必要とされる特性の中で、特に高温で保存すると、シール剤中に液晶が混入、膨潤することで引き起こされる接着強度の低下や、シール剤による液晶のスイッチング電流の増大による動作不良等の耐液晶性に問題があり、これを克服した信頼性の高いシール剤が求められていた。
【0005】
そこで、これらの問題を解決するため、特許第2129470号では、フィルム表示素子用シール剤としてポリオール型のエポキシ樹脂を用いたシール剤が開示されている。これによりシール剤の可撓性と接着強度は達成できるが、80℃以上の高温下で液晶セルを保存すると、シール剤の膨潤や、液晶のスイッチング電流値が徐々に上昇し、耐熱性がまだ十分でない問題があった。特開平9−12679号では、フィルム表示素子用シール剤として室温で液状のシリコーン変性エポキシを10〜50重量部、室温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を90〜50重量部、室温で液状の3官能チオール硬化剤を20〜80重量部、シランカップリング剤を0.5〜5.0重量部、平均粒径が1μm以下の無定型シリカを1〜10重量部、平均粒径が2μm以下の無定型シリカ以外の無機充填剤を5〜50重量部を必須成分として含有するシール剤が開示されているが、80℃以上の高温下で液晶セルを保存すると液晶のスイッチング電流値が徐々に上昇し、耐熱性がまだ十分でない問題があった。
【0006】
特開平9−15611号では、液晶セルの組立用シール剤組成物として、エポキシ樹脂成分として、(a)室温で液状のポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを10〜50重量部、(b)室温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂を90〜50重量部、エポキシ樹脂硬化剤として、(c)室温で液状の三官能チオール化合物を20〜80重量部、さらにその他の成分として、(d)シランカップリング剤を0.5〜5.0重量部、(e)平均粒径が1μm以下の無定型シリカを1〜10重量部、(f)平均粒径が2μm以下の、無定型シリカ以外の無機充填剤を5〜50重量部を必須成分として含有するシール剤が開示されているが、(a)のポリエチレングリコールジグリシジルエーテルと(b)のビスフェノール型エポキシ樹脂を混合したエポキシ樹脂と(c)の三官能チオール化合物との硬化物は可撓性が高く、フィルム基板に対する接着性が高いという利点はあるが、信頼性が乏しく、80℃以上の高温保存試験で液晶のスイッチング電流値が上昇するという問題が発生する。また、シール剤の中に金属粒子を含有させて、片側電極をスルフォールし、電極端子を片側取りだしにするパネル構造の場合、開示されたシール剤では高温高湿の保存試験で金属粒子による上下導通部の接続抵抗が上昇し、表示不良が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フィルム液晶セルの組立工程の加熱温度条件で、フィルムの屈曲に追従可能な可撓性を有し、プラスチックフィルム基板への接着性が良好で、しかも耐液晶性に優れたプラスチックフィルム基板を用いた液晶表示素子用シール剤とそれを用いた液晶表示装置及び液晶表示装置の製造方法を提供することにある。
また、シール剤の硬化物はパネル特性に大きな影響を及ぼし、例えば液晶材料は活性な官能基を有する材料もブレンドされるため、液晶中にシール剤中のイオン成分や低分子量化合物が溶出し、消費電流値を増大させたり、外気の水分を吸収し、シール剤が膨潤し、シール部内で上下導通部構造を有したパネルでは、接続不良が発生する場合もあるが、本発明のシール剤は、このようなシール部内上下導通構造を有するパネルにおいても、上下導通部の接続抵抗が高温高湿保存試験後も安定な信頼性の高い液晶表示装置とその製造方法を提供できるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、液晶セル用シール剤において特定のエポキシ樹脂を組み合わせ、さらに硬化剤として特定のチオール系化合物を使用すること等によって上記問題点が解決されることを見出し本発明に到達することができた。
【0009】
プラスチックフィルム基板に対する高い接着性、剥離強度を得るためには、特許第2129470号でも示しているように、エポキシ樹脂は下記構造式(1)、(2)、(3)、(4)に示されるようなアルキレングリコール型エポキシ樹脂(エポキシ2)が特に優れているが、このアルキレングリコール型エポキシ樹脂(エポキシ2)の硬化物は耐液晶性が劣る。そこで、耐熱性が良好なビスフェノール型のエポキシ樹脂(エポキシ1)との混合物にすることにより、耐液晶性の改善を試み、以下のような知見を得ることができた。
【0010】
【化1】
【0011】
アルキレングリコール型エポキシ樹脂(エポキシ2)の種類によっても、耐液晶性、接着性が異なり、また、下記構造式(5)、(6)に示すようなビスフェノール型のエポキシ樹脂(エポキシ1)の配合量を多くすることにより、接着性は低下するが、耐液晶性は改善される。
すなわち、前記エポキシ1の配合量が多くなると、耐液晶性が向上し、接着性が低下する。逆に前記エポキシ2の配合量が多くなると、耐液晶性が低下し、接着性が向上する。従って、上記の配合が両者を満足する最適範囲となる。また、特に上記構造式(2)に示すようなビスフェノール骨格を有するアルコール型エポキシ樹脂(エポキシ2)は配合量
を多くしても耐液晶性の低下が小さく、接着性は得られやすい。
【0012】
エポキシ2配合量(wt%)と比抵抗(Ω・cm)の関係およびエポキシ2配合量と基板の接着強度(g/5mm)の関係を表1および表2に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
前表1および2において、従来材料とは、比較例1で示された材料である。基板Aは、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムの両面にエチレンビニルアルコール共重合体よりなるガスバリヤー膜や保護コート膜が形成された基板であり、ガスバリヤー膜と保護コート膜の合計厚さは約10μmである。基板Bは、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムの片面にSiO2膜が約0.1μm、もう一方の面にガスバリヤーと耐溶剤コートを兼ねた有機膜が形成された基板である。ITO面(接着剤層)は有機膜側で、有機膜の厚さが約2μmとなっている。また、前記接着強度は、シール厚さ6.5μm、5mm幅のシール部の90°剥離強度データである。
【0016】
以上の結果より、フィルム基板への接着性が高く、耐液晶性が良好なシール剤は、主剤が前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ1)と前記分子内にビスフェノール骨格を有するアルコール型エポキシ樹脂(エポキシ2)の混合物が良いこと、この時の両者の配合比は90/10〜60/40、さらに好ましくは、80/20〜70/30であることが判明した。
【0017】
【化2】
【0018】
前記エポキシ樹脂の混合物の硬化剤としては、脂肪族アミン、3級アミン系は可使時間が短く、耐液晶性が低く、使用できない。芳香族アミンは毒性が強い、常温で固体の材料が多い、硬化温度が高い等の理由により、使用できにくく、酸無水物、イミダゾール系は、硬化温度が高く、フィルム基板には使えず、ガラス基板用シール剤として使用されているあるいは検討されている、1液配合用硬化剤〔ジシアンジアミド(DICY)〕、ヒドラジド系、イミダゾール変性系潜在性硬化剤、ポリアミン変性系潜在性硬化剤、尿素アダクト系潜在性硬化剤はいずれも100℃以上の硬化温度が必要で、フィルム基板への適用は難しい。また、ポリチオール系材料は3級アミン系材料の添加で低温化が可能であるが、可使時間の調整が難しい、耐液晶性が得にくい等の問題がある。
本発明者らは、特に下記構造式(7)の2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メルカプトプロピオナート)のような分子骨格内にイソシアヌレート骨格を有する3官能ポリチオールは添加触媒量で硬化速度の調整が容易で、しかも耐液晶性の低下も小さく、プラスチックフィルム基板を用いるLCD用のシール剤の優れた硬化剤であることが判明した。
【化3】
【0019】
前記チオール系硬化剤を用いたエポキシは3級アミン系の触媒添加で硬化が促進され、添加量が多いほど、反応はより低温化、短時間化になる。
したがって、本発明で用いる硬化剤は、前記の4,6−トリオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メルカプトプロピオナート)のような分子骨格内にイソシアヌレート骨格を有する3官能ポリチオールと3級アミン系の触媒を併用することが好ましい。前記3級アミン系の触媒材料としては、2,4,6−トリジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリジメチルアミノメチルフェノールと酸(オクチル酸、カルボン酸等)との塩等がある。ただし、触媒量が少なすぎると硬化が遅くなり、一次ベーク条件での硬化が不充分になる。また多すぎると、室温での硬化も早くなり、可使時間が短くなり、生産性が悪くなる。
【0020】
本発明のシール剤にはスクリーン印刷適合性のためフィラー材料の添加が必須となる。添加するフィラーの例としては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどを挙げることが出来る。炭酸カルシウムは比重が大きく、沈降することが多く、保存安定性に問題があり、フィラー材料としてはシリカ、酸化チタン、アルミナが好ましい。これらのフィラーは単独あるいは複数で用いることが出来、エポキシ成分、あるいは硬化剤成分、あるいはその両方に添加することが出来る。添加の方法はホモジナイザーや3本ロールミルが適当である。添加量はエポキシ成分あるいは硬化剤成分の100重量部に対して5〜70重量部が適当である。
【0021】
基板表面の改質、樹脂とフィラーの反応による基板との接着強度の向上あるいは耐液晶性向上のため、シランカップリング剤を添加する。シランカップリング剤の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの添加量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0022】
前述の技術的知見から明らかなように、本発明のプラスチック基板を用いた液晶表示装置用シール剤は、下記の各成分を含有することを特徴とする。
(1)少なくとも下記の材料を必須成分とするエポキシ成分(主剤)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ1)
ビスフェノール骨格を有するアルコール型エポキシ樹脂(エポキシ2)
少なくとも1種類以上の平均粒径が2μm以下のフィラー材料
(2)少なくとも下記の材料を必須成分とする硬化剤成分
イソシアヌレート骨格を有する多官能チオール系樹脂
反応性触媒材料として3級アミン系材料
シラン系カップリング剤
【0023】
前記のエポキシ樹脂と硬化剤の反応は加熱により、反応が開始し、粘度が低下した後に、硬化が進み、増粘していくが、一度粘度が低下するため、シール剤が流れ出し、シールの直進性が乱れるという問題が発生する。そこで、一般には、粒径の非常に細かい粒子(一次粒子がmμmオーダーの材料)が、使用されるが、LCDのような6μm程度の狭ギャップでは、それだけでは押さえられない。上下基板を重ね合わせ後、室温で長時間放置したり、低温(40℃以下)で長時間ベークする方法が採られ、非常に生産性の悪い工程設定になる。
前記ゲル化はゲル化開始温度より充分高い温度(10℃以上)であれば、数秒で起こるが、基板のカールを考慮すると1分以上は必要になる。100℃を超える温度で1分以上プリベークすると主剤と硬化剤の反応が進みすぎ、接着性不良が発生するため100℃以下で処理する必要がある。
【0024】
この問題を鑑みて、シール剤中に100℃以下の温度でゲル化反応する高分子粒子を含有させ、粘度低下に伴うシール剤の流れ出しを防止することが提案されている。このような高分子粒子としては、特公平7−53855号や特開平5−271333号で例示され、主として、熱硬化樹脂の改質を目的として使用されている。このような高分子粒子としてはアクリル系粒子、塩化ビニル系粒子、スチレン系粒子等があるが、材料の安定性からアクリル系粒子(ポリメチルメタアクリレート)が好ましい。
【0025】
本発明においても、前記高分子粒子を主剤、硬化剤の少なくとも一方に添加し、スクリーン印刷後、100℃以下の前記高分子粒子のゲル化開始温度以上の温度でプリベークし、増粘させ、しかる後に重ね合わせ、シールベークすることにより、シールの流れ出しを防止し、シールの直進性を向上させることが出来る。
【0026】
前記高分子粒子としては、高分子粒子内部にゴム系の材料を包含しているコアーシェルタイプのPMMA微粒子が特に好ましい。すなわち、このPMMA微粒子を本発明のシール剤に混合すると、シール強度が未処理のものに比べると、90°のシール剥離強度で約20%の強度上昇が認められた。この現象は、エポキシ硬化物中にコアーシェル型粒子が分散され、海島状態をとるミクロ相分離構造をとっているために、エポキシ樹脂が強靱化された結果によるものと考えら、シール強度を向上する有効な方法である。
【0027】
本発明の液晶表示装置は、例えば図3に示すように、少なくとも1枚のプラスチックフィルム基板1、2からなり、ITO電極3、4が加工され、基板表面に配向膜5、球状粒子スペーサー6、液晶材料9が介在し、周辺を前記の本発明のシール剤7でシールされた構成からなるものである。
【0028】
液晶材料はLCDに対する要求特性(例えば、duty比、駆動電圧、応答速度)によって材料の種類、配合比等を調整し、10種類程度の混合物となっている。ところで、最近、携帯電話、PHS、カードページャー等の軽量、薄型の情報端末機が多く生産されてきたが、これらに求められる液晶材料特性はDuty比が1/16〜1/64、低電圧、高速応答のSTN型LCDであり、例えばHigh Duty用(1/100duty以上)の液晶材料では駆動電圧が1.5V以上でΔεが10以下の特性を要求される。
【0029】
しかしながら、駆動電圧が1.5V以下、液晶のΔεが10以上の液晶材料を用いる場合には、特開平9−15611号で示されるような公知のシール剤を用いても信頼性試験(80℃以上高温環境及び60℃90%以上の高温高湿環境の放置試験、動作試験)において、液晶の消費電流増大、配向不良等の問題は発生しないが、液晶に前記のような低電圧化や高速化を求めると、液晶材料が敏感になり、周辺材料の影響を受けやすくなり、液晶の比抵抗値の低下に伴う消費電流値の増加、配向性の劣化等の問題が発生するが、本発明のシール剤を用いると前記問題が解決できることがわかった。
【0030】
プラスチックフィルム基板のベース材料としては、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリサルフォンフィルム等がある。しかし、ベース基板単独ではガスバリヤー性、耐溶剤性等の諸特性が不充分のため基板の両面、あるいは片面にガスバリヤー層、保護膜等の無機物、あるいは有機物のコーティング膜が形成され、その上にITO膜が形成される。基板厚は総厚で0.1〜0.3mmである。
【0031】
最近、基板の低コスト化とガスバリヤー性の向上の観点からITO電極面の裏面に無機バリヤー膜(SiO2)を設け、ITO面には約5μm厚の薄い有機コートが設けられた改良型新基板が開発されている。この基板は、シール剤が直接接着する有機コート層が薄いため、シール強度が得られにくくなっている。本発明のシール剤では、このような基板にも対応できるシール剤となっている。
【0032】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、少なくとも1枚がプラスチックフィルム基板である基板上にITO電極と配向膜の形成およびラビング処理が行われ、一方の基板に球状粒子スペーサーを散布し、他方の基板にシール剤をスクリーン印刷し、加熱処理した後に両基板を重ね合わせ、重ね合わされた基板を一定の圧力を印加し、シール剤をベークして実施されるが、シールベーク後圧力を解除する時の温度は、Tg以上の温度で圧力を解除すると、上下導通部の接続抵抗が上昇することがあり、歩留まりを低下させるのでシール剤のTg以下の温度であることが好ましい。
【0033】
シール剤の基板への塗布は、スクリーン印刷法で行う。スクリーン印刷法では、シール剤の粘度によって、膜厚が異なる。また、粘度が低すぎると、にじみが発生し、シール剤の直進性が悪くなる。高すぎると、シールカスレやシール版の目ずまりが発生しやすくなる。そこで、均一なシール幅を得るため、主剤、硬化剤混合後の粘度値を設定する必要があり、本発明におけるシール剤の粘度は70〜130Pa・s/2.5rpm/25℃である。
【0034】
一次ベーク条件はフィルム基板の耐熱性、基板の寸法変化、熱、圧力下の基板変形、生産性等総合的に決定される条件であるが、温度は60℃以下、時間は6時間以下が好ましく、このような条件で行う一次ベークで、シール剤をある程度硬化させる必要がある。ある程度とは、一次ベーク後、圧力を解除したときにシール内部に気泡が混入しないレベルを言う。硬化レベルの管理項目として、150℃熱板上でのゲル化時間に着目した。このゲル化時間は240〜360secが好ましい。240sec未満では可使時間が短くなり(室温で2時間以下)好ましくない。360secを越えると60℃6時間で硬化しなくなり、シールベーク圧解除したときにシール内部に気泡が混入し、外観不良が発生する。
したがって、フィルム基板用シール剤として、求められる硬化条件は、加圧状態(一次ベーク)での硬化温度は80℃以下、加圧フリーでは120℃以下が好ましい。
【0035】
前述のように、シール剤の硬化物はパネル特性に大きな影響を及ぼす。すなわち、液晶材料は活性な官能基を有する材料もブレンドされるため、液晶中にシール剤中のイオン成分や低分子量化合物が溶出し、消費電流値を増大させたり、外気の水分を吸収し、シール剤が膨潤し、シール部内で上下導通部構造を有したパネルでは、接続不良が発生する場合もある。従ってシール剤には耐熱性、耐液晶性が要求される。そこで、シール剤硬化物特性の中でもシール剤の硬化物Tgとの関係について鋭意検討した。その結果、硬化物Tgとパネルの信頼性特性の間に、相関性が得られることがわかった。すなわち、Tgが35℃未満の場合、消費電流値は上昇しやすく、また上下導通部の接続抵抗が、環境保存試験で増加する傾向が認められた。35℃以上では電流値の増加及び上下導通部の抵抗増加が緩和され、目標の信頼性を達成できることがわかった。75℃以上では硬化物が硬くなり過ぎ、基板の表面コート層の種類によっては、シール強度は低下することがわかった。従って、シール剤の硬化物Tgは35℃以上75℃以下が好ましい。
【0036】
なお、前記の目標の信頼性とは80℃高温保存試験(240時間以上)、60℃90%の高温高湿保存試験(240時間以上)、70℃環境動作試験(240時間以上)、40℃90%環境動作試験(240時間以上)、ヒートサイクル試験をいう。
【0037】
前記した技術的知見から明らかなように、本発明の耐液晶性と接着性に優れた液晶用シール剤としては、以下の特性を満足するものが好ましい。
(1)エポキシ成分と硬化剤成分の混合物の粘度が70〜130Pa・s/2.5rpm/25℃。
(2)エポキシ成分と硬化剤成分の混合物の150℃におけるゲル化時間が240〜360sec。
(3)エポキシ成分と硬化剤成分の硬化物のTgが35℃以上75℃以下。
【0038】
本発明者らは、本発明における液晶表示装置のシール剤の接着性と耐液晶性を評価した。
(1)接着性の評価
プラスチック基板、特に厚さ0.1mm程度のフィルム基板に対する接着性と耐液晶性についての評価を行った。接着性の評価は、シール部の厚さが6μm、シール幅が2mmになるようなサンプルを作成し、90°剥離強度を測定し、接着性を評価した。
(2)耐液晶性の評価
耐液晶性の評価は硬化したシール剤を高温下で液晶中に保存し、保存後の液晶の固有抵抗値を計測することや、シール剤への液晶の膨潤度を計測することで、耐液晶性がよく評価できることを確認した。この評価では、耐液晶性が悪いものは保存後の液晶は低い固有抵抗値となり、また、シール剤へ液晶が浸透膨潤しシール剤の重量が増加する。固有抵抗値が高いものは膨潤しない傾向となり、このような性能を有するシール剤は耐液晶性が高いと判定される。
【0039】
【実施態様】
実施態様1
プラスチックフィルム基板を用いた液晶表示装置の作製方法
液晶表示装置用プラスチックフィルム基板上にフォトリソグラフィー法等の公知の方法でITO電極パターンを形成する。該基板面を洗浄後、ポリアミド、ポリイミド等の配向膜をフレキソ印刷法等の任意の方法でパターンに印刷する。所定の温度でベーク後、ラビング処理し、液晶の配向処理を完成する。ラビングゴミを超音波ドライ洗浄で除去後、一方あるいは両方の基板に電極端子部に対応する位置の窓枠をあける(プレカット工程と略称する)。さらにゴミを完全に除去するために超音波洗浄(30〜60KHzの超音波水洗浄と1MHz近傍の周波数での水洗浄)を実施する。
【0040】
一方の基板にセルギャップを決定するプラスチックあるいは無機物からなる球状粒子のギャップ材を散布し、他方の基板には、本発明で示すシール剤をスクリーン印刷し、シールプリベークを実施した後に、両基板の位置をアライメントし、重ね合わせる。シール剤には、ギャップ材粒子の粒径より0.5〜2μm大きい粒径の金属(Au)が被覆されたプラスチック粒子を含有している。この時、プリベーク温度はシール剤に含有する高分子粒子のゲル化開始温度以上の温度で1〜3分間加熱する。加熱により、高分子粒子はゲル化し、増粘する。その結果、シールベーク時にシール剤が流れ出すことなく、均一なシールが達成できる。またシールプリベークはシール剤に内包する気泡を除去するためにも実施される工程である。重ね合わされた一対の基板はエアーバッグ方式の加圧焼成器にセットし、60℃以下の温度で2〜3kgf/cm2の圧力でシールベークする。ベーク時間はシール剤によって異なるが、3時間以上10時間以下である。ベーク終了後、圧力を解除し、基板を取り出すが、この時の温度がシール剤硬化物のTg温度以下に設定する必要がある。Tg以上の温度で圧力を解除すると、上下導通部の接続抵抗が上昇することがあり、歩留まりを低下させる。
【0041】
次に、シール剤で固定された一対の基板を個々のセルに分断するためのカットを実施する(一般的には大面積基板に多数個のセルを配置する多数個取り法を用いるため)。個々のセルに分割されたセルをさらに120℃以上の高温でベークし、シール剤の架橋反応を向上させる。この時のベークはセルをカセット等の治具に収納し、セルは無加圧でベークする。
液晶注入は気圧差を利用した真空法で注入する。注入後のセルは過剰に液晶が注入され、セルギャップの均一が充分でないので、プレスして過剰液晶を注入口から押し出した後に封止する。封止剤はUV硬化型樹脂が生産性の点で優れているが、エポキシ系の熱硬化型樹脂でもよい。
【0042】
フロント側に偏光板あるいは位相差板つき偏光板を貼付する(TN型は偏光板、STN型は位相差板つき偏光板)。リヤー側には反射板つき偏光板あるいは半透過板つき偏光板を貼付し、反射型、あるいは半透過式パネルの完成となる。LCDユニットはさらに駆動回路や駆動回路とのコネクターを実装するが、本実施態様では省略する。
【0043】
本発明は周辺材料の影響を受けやすい低電圧液晶材料を用いたPF―LCDにおいて、特に有効であり、他の材料系では達成不可能な信頼性を達成する画期的なシール剤を提供するものである。
【0044】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示す。
【0045】
実施例1
下記のエポキシ成分をホモジナイザー及び3本ロールミルを用いて混合し、エポキシ主剤を作製した。また、下記の硬化剤成分をホモジナイザーで混合し硬化剤を作製した。このようにして作製したエポキシ主剤100部と硬化剤を94部を配合し、60℃で5時間、ついで120℃で2時間硬化させた。この硬化物約0.1gを液晶〔チッソ(株)RC−4096〕1.2ml中に投入し、85℃で4日間保存し、保存後の液晶の固有抵抗(以下、比抵抗と称す)と、保存前後のエポキシ硬化物の重量変化率(以下、膨潤率と称す)を測定した。その結果、抵抗は2.8×1010Ωcm、膨潤率は1.00(膨潤せず)であった。
【0046】
透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕のITO層をエッチング剥離した基板上にスクリーン印刷した上記配合品を挟み込み、同様条件で硬化させ、その90度剥離強度(以下、剥離強度と称す)を測定したところ、270gf/5mmであり、剥離面は基板とコート層の界面であり、基板表面との密着性は充分であった。
総厚105μmのベース材料がポリカーボネートフィルムで、裏面にSiO2膜を設けた透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕を用い、フォトリソグラフィー法を用い、ITO電極をパターン形成する。基板をアルカリ性洗剤(LGL:横浜油脂製)で洗浄後、UV/オゾンプロセッサーで表面の有機物汚れを光分解除去する。配向剤(AL−3046:JSR製)をフレキソ印刷法で任意のパターンに印刷する。85℃で溶剤乾燥し、120℃で配向膜を焼成する。ベーク後、ラビング処理し、配向処理膜を完成する。ラビングは上下基板で液晶分子が240°ツイストするような角度で、押し込み量が0.7mmになるように設定して行う。なお、シール部及び電極取り出し部はラビングされないように金属製のマスクを取り付ける。ラビングで発生したゴミを超音波ドライ洗浄で除去後、R側基板とF側基板の電極端子部に対応する位置に窓枠をあける工程(プレカット工程と略称する)を行う。さらにゴミを完全に除去するために超音波洗浄(30〜60KHzの超音波水洗浄と1MHz近傍の周波数での水洗浄)を実施する。
【0047】
R側基板にセルギャップを決定するプラスチック球状粒子のギャップ材(6.5μm粒径:XC650ナトコペイント製)を散布する。散布密度は300±30個/mm2。F側基板にシール剤をスクリーン印刷する。シール剤は下記配合の材料を用い、上下導通粒子としてAuがメッキされた7.0μm粒径のプラスチック粒子〔ミクロパールAU:Au−207(積水ファインケミカル製)〕をシール剤全体の2.0wt%配合し、500±30個/mm2の密度を得た。シール剤プリベークは50℃2minで行った。上下基板をアライメントして重ね合わせた。重ね合わされた一対の基板はエアーバッグ方式の加圧焼成器にセットし、3kgf/cm2の圧力で加圧し、加圧保持状態で60℃7時間のベークを実施した。ベーク終了後、加圧焼成器をオーブンの外に出し、1時間室温で冷却し、基板の温度が35℃の時に、圧力を解除し、基板を取り出した。
【0048】
次に、シール剤で固定された一対の基板を個々のセルに分断するためのカットを実施する(一般的には大面積基板に多数個のセルを配置する多数個取り法を用いるため)。個々のセルに分割されたセルをさらに120℃2時間の2次ベークを施し、シール剤の架橋反応を向上させる。この時のベークはセルをカセット等の治具に収納し、セルは無加圧でベークする。ベーク後、0.2torr環境で1時間以上真空保管した後に注入工程に進んだ。液晶注入は気圧差を利用した真空法で注入する。注入後のセルは過剰に液晶が注入され、セルギャップの均一が充分でないので、プレス(40kgf/セル)して過剰液晶を注入口から押し出した後に封止する。封止剤はUV硬化型樹脂(ハイロックUV581:東邦化成製)を用いた。液晶注入口に封止剤を浸せきし、圧力を緩和して、封止剤をセル内部に浸透させた。圧力をかけたままUV光を照射し、封止剤を硬化した。
注入口の汚れを取るため、洗剤(LC841:花王製)を用いて封止後のセルを洗浄した。純水リンス洗浄後、85℃のオーブンで乾燥し、セルを乾燥させると共に液晶の配向性を安定化させた。フロント側に位相差板つき偏光板を貼付する。リヤー側には半透過板つき偏光板を貼付し、半透過式パネルの完成となる。
【0049】
用いたシール剤は下記の主剤と硬化剤。
液晶材料はRC−4096〔チッソ(株)製〕である。
RC−4096のVthは1.33V、Δεが14.0である。
シール剤の硬化条件は60℃5時間+120℃2時間
得られたパネルの信頼性は以下の下表3の通りであった。
【表3】
【0050】
主剤(エポキシ成分)
高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)エピコー
トYL−980〕 85重量部
アルコール型2官能エポキシ樹脂〔三洋化成(株)グリシエールBPP35
0〕〔主成分は上記構造式(2)〕 15重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社KBM403) 5重量部
硬化剤(硬化剤成分)
2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メ
ルカプトプロピオナート)〔淀化学(株)〕 100重量部
2,4,6−トリジメチルアミノメチルフェノール 1.2重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
【0051】
(シール剤評価結果)
【表4】
【0052】
実施例2
下記のエポキシ成分をホモジナイザー及び3本ロールミルを用いて混合し、エポキシ主剤を作製した。また、下記の硬化剤成分をホモジナイザーで混合し硬化剤を作製した。このようにして作製したエポキシ主剤100部と硬化剤を93部を配合し、60℃で5時間、ついで120℃で2時間硬化させた。この硬化物約0.1gを液晶〔チッソ(株)RC−4087〕1.2ml中に投入し、85℃で4日間保存し、保存後の液晶の固有抵抗(以下、比抵抗と称す)と、保存前後のエポキシ硬化物の重量変化率(以下、膨潤率と称す)を測定した。その結果、抵抗は1.9×1010Ωcm、膨潤率は1.00(膨潤せず)であった。
【0053】
透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕のITO層をエッチング剥離した基板上にスクリーン印刷した上記配合品を挟み込み、同様条件で硬化させ、その90度剥離強度(以下、剥離強度と称す)を測定したところ、320gf/5mmであり、剥離面は基板とコート層の界面であり、基板表面との密着性は充分であった。
【0054】
総厚105μmのベース材料がポリカーボネートフィルムで、裏面にSiO2膜を設けた透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕を用い、フォトリソグラフィー法を用い、ITO電極をパターン形成する。基板をアルカリ性洗剤(LGL:横浜油脂製)で洗浄後、UV/オゾンプロセッサーで表面の有機物汚れを光分解除去する。配向剤(AL−3046:JSR製)をフレキソ印刷法で任意のパターンに印刷する。85℃で溶剤乾燥し、120℃で配向膜を焼成する。ベーク後、ラビング処理し、配向処理膜を完成する。ラビングは上下基板で液晶分子が240°ツイストするような角度で、押し込み量が0.7mmになるように設定して行う。なお、シール部及び電極取り出し部はラビングされないように金属製のマスクを取り付ける。ラビングで発生したゴミを超音波ドライ洗浄で除去後、R側基板とF側基板の電極端子部に対応する位置に窓枠をあける工程(プレカット工程と略称する)を行う。さらにゴミを完全に除去するために超音波洗浄(30〜60KHzの超音波水洗浄と1MHz近傍の周波数での水洗浄)を実施する。
【0055】
R側基板にセルギャップを決定するプラスチック球状粒子のギャップ材(6.5μm粒径:XC650ナトコペイント製)を散布する。散布密度は300±30個/mm2。F側基板にシール剤をスクリーン印刷する。シール剤は下記配合の材料を用い、上下導通粒子としてAuがメッキされた7.25μm粒径のプラスチック粒子〔ミクロパールAU:Au−20725(積水ファインケミカル製)〕をシール剤全体の2.0wt%配合し、470±30個/mm2の密度を得た。シール剤プリベークは85℃2minで行った(添加したPMMA粒子のゲル化開始温度は70℃付近である)。
【0056】
上下基板をアライメントして重ね合わせた。重ね合わされた一対の基板はエアーバッグ方式の加圧焼成器にセットし、3kgf/cm2の圧力で加圧し、加圧保持状態で60℃7時間のベークを実施した。ベーク終了後、加圧焼成器をオーブンの外に出し、1時間室温で冷却し、基板の温度が35℃の時に、圧力を解除し、基板を取り出した。次に、シール剤で固定された一対の基板を個々のセルに分断するためのカットを実施する(一般的には大面積基板に多数個のセルを配置する多数個取り法を用いるため)。個々のセルに分割されたセルをさらに120℃2時間の2次ベークを施し、シール剤の架橋反応を向上させる。この時のベークはセルをカセット等の治具に収納し、セルは無加圧でベークする。ベーク後、0.2torr環境で1時間以上真空保管した後に注入工程に進んだ。
【0057】
液晶注入は気圧差を利用した真空法で注入する。注入後のセルは過剰に液晶が注入され、セルギャップの均一性が充分でないので、プレス(40kgf/セル)して過剰液晶を注入口から押し出した後に封止する。封止剤はUV硬化型樹脂(ハイロックUV581:東邦化成製)を用いた。液晶注入口に封止剤を浸せきし、圧力を緩和して、封止剤をセル内部に浸透させた。圧力をかけたままUV光を照射し、封止剤を硬化した。注入口の汚れを取るため、洗剤(LC841:花王製)を用いて封止後のセルを洗浄した。純水リンス洗浄後、85℃のオーブンで乾燥し、セルを乾燥させると共に液晶の配向性を安定化させた。フロント側に位相差板つき偏光板を貼付する。リヤー側には半透過板つき偏光板を貼付し、半透過式パネルの完成となる。
【0058】
用いたシール剤は下記の主剤と硬化剤。
液晶材料はRC−4087〔チッソ(株)製〕である。
RC−4087のVthは1.38V、Δεが12.4である。
シール剤の硬化条件は60℃5時間+120℃2時間
得られたパネルの信頼性は以下の下表5の通りであった。
【0059】
【表5】
【0060】
主剤(エポキシ成分)
高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)エピコー
トYL−980〕 80重量部
アルコール型2官能エポキシ樹脂〔三洋化成(株)グリシエールBPP35
0〕〔主成分は上記構造式(2)〕 20重量部
PMMA粒子 F351〔日本ゼオン(株)〕 5重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 3重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社KBM403) 5重量部
硬化剤(硬化剤成分)
2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メ
ルカプトプロピオナート)〔淀化学(株)〕 100重量部
2,4,6−トリジメチルアミノメチルフェノール 1.1重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
【0061】
(シール剤評価結果)
【表6】
【0062】
実施例3
下記のエポキシ成分をホモジナイザー及び3本ロールミルを用いて混合し、エポキシ主剤を作製した。また、下記の硬化剤成分をホモジナイザーで混合し硬化剤を作製した。このようにして作製したエポキシ主剤100部と硬化剤を86部を配合し、60℃で5時間、ついで120℃で2時間硬化させた。この硬化物約0.1gを液晶〔チッソ(株)RC−4076〕1.2ml中に投入し、85℃で4日間保存し、保存後の液晶の固有抵抗(以下、比抵抗と称す)と、保存前後のエポキシ硬化物の重量変化率(以下、膨潤率と称す)を測定した。その結果、抵抗は1.8×1010Ωcm、膨潤率は1.05(膨潤せず)であった。
【0063】
透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕のITO層をエッチング剥離した基板上にスクリーン印刷した上記配合品を挟み込み、同様条件で硬化させ、その90度剥離強度(以下、剥離強度と称す)を測定したところ、355gf/5mmであり、剥離面は基板とコート層の界面であり、基板表面との密着性は充分であった。
総厚105μmのベース材料がポリカーボネートフィルムで、裏面にSiO2膜を設けた透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕を用い、フォトリソグラフィー法を用い、ITO電極をパターン形成する。基板をアルカリ性洗剤(LGL:横浜油脂製)で洗浄後、UV/オゾンプロセッサーで表面の有機物汚れを光分解除去する。配向剤(AL−3046:JSR製)をフレキソ印刷法で任意のパターンに印刷する。85℃で溶剤乾燥し、120℃で配向膜を焼成する。ベーク後、ラビング処理し、配向処理膜を完成する。ラビングは上下基板で液晶分子が240°ツイストするような角度で、押し込み量が0.7mmになるように設定して行う。なお、シール部及び電極取り出し部はラビングされないように金属製のマスクを取り付ける。ラビングで発生したゴミを超音波ドライ洗浄で除去後、R側基板とF側基板の電極端子部に対応する位置に窓枠をあける工程(プレカット工程と略称する。)を行う。さらにゴミを完全に除去するために超音波洗浄(30〜60KHzの超音波水洗浄と1MHz近傍の周波数での水洗浄)を実施する。
【0064】
R側基板にセルギャップを決定するプラスチック球状粒子のギャップ材(6.5μm粒径:XC650ナトコペイント製)を散布する。散布密度は300±30個/mm2。F側基板にシール剤をスクリーン印刷する。シール剤は下記配合の材料を用い、上下導通粒子としてAuがメッキされた7.25μm粒径のプラスチック粒子〔ミクロパールAU:Au−20725(積水ファインケミカル製)〕をシール剤全体の2.0wt%配合し、470±30個/mm2の密度を得た。シール剤プリベークは50℃2minで行った。
【0065】
上下基板をアライメントして重ね合わせた。重ね合わされた一対の基板はエアーバッグ方式の加圧焼成器にセットし、3kgf/cm2の圧力で加圧し、加圧保持状態で60℃7時間のベークを実施した。ベーク終了後、加圧焼成器をオーブンの外に出し、1時間室温で冷却し、基板の温度が35℃の時に、圧力を解除し、基板を取り出した。次に、シール剤で固定された一対の基板を個々のセルに分断するためのカットを実施する(一般的には大面積基板に多数個のセルを配置する多数個取り法を用いるため)。個々のセルに分割されたセルをさらに120℃2時間の2次ベークを施し、シール剤の架橋反応を向上させる。この時のベークはセルをカセット等の治具に収納し、セルは無加圧でベークする。ベーク後、0.2torr環境で1時間以上真空保管した後に注入工程に進んだ。
【0066】
液晶注入は気圧差を利用した真空法で注入する。注入後のセルは過剰に液晶が注入され、セルギャップの均一性が充分でないので、プレス(40kgf/セル)して過剰液晶を注入口から押し出した後に封止する。
封止剤はUV硬化型樹脂(ハイロックUV581:東邦化成製)を用いた。液晶注入口に封止剤を浸せきし、圧力を緩和して、封止剤をセル内部に浸透させた。圧力をかけたままUV光を照射し、封止剤を硬化した。
注入口の汚れを取るため、洗剤(LC841:花王製)を用いて封止後のセルを洗浄した。純水リンス洗浄後、85℃のオーブンで乾燥し、セルを乾燥させると共に液晶の配向性を安定化させた。フロント側に位相差板つき偏光板を貼付する。リヤー側には半透過板つき偏光板を貼付し、半透過式パネルの完成となる。
【0067】
用いたシール剤は下記の主剤と硬化剤。
液晶材料はRC−4087〔チッソ(株)製〕である。
RC−4087のVthは1.38V、Δεが12.4である。
シール剤の硬化条件は60℃5時間+120℃2時間
得られたパネルの信頼性は以下の通りであった。
【0068】
【表7】
【0069】
主剤(エポキシ成分)
高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)エピコー
トYL−980〕 75重量部
アルコール型2官能エポキシ樹脂〔三洋化成(株)グリシエール
BPP350〕〔主成分は上記構造式(2)〕 25重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社KBM403) 5重量部
硬化剤(硬化剤成分)
2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メ
ルカプトプロピオナート)〔淀化学(株)〕 100重量部
2,4,6−トリジメチルアミノメチルフェノール 1.2重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
【0070】
(シール剤評価結果)
【表8】
【0071】
比較例1
下記のエポキシ成分をホモジナイザー及び3本ロールミルを用いて混合し、エポキシ主剤を作製した。また、下記の硬化剤成分をホモジナイザーで混合し硬化剤を作製した。このようにして作製したエポキシ主剤100部と硬化剤を93部を配合し、60℃で5時間、ついで120℃で2時間硬化させた。この硬化物約0.1gを液晶〔チッソ(株)RC−4076〕1.2ml中に投入し、85℃で4日間保存し、保存後の液晶の固有抵抗(以下、比抵抗と称す)と、保存前後のエポキシ硬化物の重量変化率(以下、膨潤率と称す)を測定した。その結果、抵抗は2.3×109Ωcm、膨潤率は1.15であった。
透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕のITO層をエッチング剥離した基板上にスクリーン印刷した上記配合品を挟み込み、同様条件で硬化させ、その90度剥離強度(以下、剥離強度と称す)を測定したところ、450gf/5mmであり、基板表面との密着性は充分であった。
【0072】
総厚105μmのベース材料がポリカーボネートフィルムで、裏面にSiO2膜を設けた透明導電性フィルム〔帝人(株)HA100−B200〕を用い、フォトリソグラフィー法を用い、ITO電極をパターン形成する。基板をアルカリ性洗剤(LGL:横浜油脂製)で洗浄後、UV/オゾンプロセッサーで表面の有機物汚れを光分解除去する。配向剤(AL−3046:JSR製)をフレキソ印刷法で任意のパターンに印刷する。85℃で溶剤乾燥し、120℃で配向膜を焼成する。ベーク後、ラビング処理し、配向処理膜を完成する。ラビングは上下基板で液晶分子が240°ツイストするような角度で、押し込み量が0.7mmになるように設定して行う。なお、シール部及び電極取り出し部はラビングされないように金属製のマスクを取り付ける。ラビングで発生したゴミを超音波ドライ洗浄で除去後、R側基板とF側基板の電極端子部に対応する位置に窓枠をあける工程(プレカット工程と略称する。)を行う。さらにゴミを完全に除去するために超音波洗浄(30〜60KHzの超音波水洗浄と1MHz近傍の周波数での水洗浄)を実施する。
【0073】
R側基板にセルギャップを決定するプラスチック球状粒子のギャップ材(6.5μm粒径:XC650ナトコペイント製)を散布する。散布密度は300±30個/mm2。F側基板にシール剤をスクリーン印刷する。シール剤は下記配合の材料を用い、上下導通粒子としてAuがメッキされた7.25μm粒径のプラスチック粒子〔ミクロパールAU:Au−20725(積水ファインケミカル製)〕をシール剤全体の2.0wt%配合し、470±30個/mm2の密度を得た。シール剤プリベークは50℃2minで行った。
【0074】
上下基板をアライメントして重ね合わせた。重ね合わされた一対の基板はエアーバッグ方式の加圧焼成器にセットし、3kgf/cm2の圧力で加圧し、加圧保持状態で60℃7時間のベークを実施した。ベーク終了後、加圧焼成器をオーブンの外に出し、1時間室温で冷却し、基板の温度が35℃の時に、圧力を解除し、基板を取り出した。次に、シール剤で固定された一対の基板を個々のセルに分断するためのカットを実施する(一般的には大面積基板に多数個のセルを配置する多数個取り法を用いるため)。個々のセルに分割されたセルをさらに120℃2時間の2次ベークを施し、シール剤の架橋反応を向上させる。この時のベークはセルをカセット等の治具に収納し、セルは無加圧でベークする。ベーク後、0.2torr環境で1時間以上真空保管した後に注入工程に進んだ。
液晶注入は気圧差を利用した真空法で注入する。注入後のセルは過剰に液晶が注入され、セルギャップの均一性が充分でないので、プレス(40kgf/セル)して過剰液晶を注入口から押し出した後に封止する。封止剤はUV硬化型樹脂(ハイロックUV581:東邦化成製)を用いた。液晶注入口に封止剤を浸せきし、圧力を緩和して、封止剤をセル内部に浸透させた。圧力をかけたままUV光を照射し、封止剤を硬化した。注入口の汚れを取るため、洗剤(LC841:花王製)を用いて封止後のセルを洗浄した。純水リンス洗浄後、85℃のオーブンで乾燥し、セルを乾燥させると共に液晶の配向性を安定化させた。フロント側に位相差板つき偏光板を貼付する。リヤー側には半透過板つき偏光板を貼付し、半透過式パネルの完成となる。
【0075】
用いたシール剤は下記の主剤と硬化剤。
液晶材料はRC−4087〔チッソ(株)製〕である。
RC−4087のVthは1.38V、Δεが12.4である。
シール剤の硬化条件は60℃5時間+120℃2時間
得られたパネルの信頼性は以下の下表9の通りであった。
【0076】
【表9】
【0077】
主剤
高純度ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔油化シェルエポキシ(株)エピコー
トYL−980〕 80重量部
アルコール型2官能エポキシ樹脂〔三洋化成(株)グリシエール
PP300P〕〔主成分は上記構造式(1)、ビスフェノール骨格のない
エポキシ〕 20重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
シランカップリング剤(信越シリコーン社KBM403) 5重量部
硬化剤(硬化剤成分)
2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリイルトリエチル−トリス(3−メ
ルカプトプロピオナート)〔淀化学(株)〕 100重量部
2,4,6−トリジメチルアミノメチルフェノール 1.2重量部
酸化チタン〔日本アエロジル(株)P−25〕 20重量部
無定型シリカ〔同上R−805〕 10重量部
(シール剤評価結果)
【表10】
【0078】
【効果】
1.請求項1
プラスチックフィルム基板に対する接着性と耐液晶性が良好なシール剤が得られ、またスクリーン印刷工法によるシール部分を形成でき、良好な信頼性を有する液晶表示素子が達成できる。接着性に関しては、特にシール剤が接するベースフィルム基板上のコート膜の厚さを薄くしても、接着できるシール剤が提供される。
2.請求項2
さらに接着性と耐液晶性を向上し、かつ周辺材料の影響を受けやすい、低電圧、高Δεの液晶を用いても、消費電流値の変化が少なく、上下導通部の接続信頼性が良好な高信頼性液晶表示装置が達成できるシール剤が提供される。
3.請求項3
接着性と耐液晶性を向上し、かつ連続スクリーン印刷を可能にし、シール部の直進性が良好な、外観品質の優れた液晶表示装置が得られるシール剤が提供される。
4.請求項4
接着性と耐液晶性を向上し、かつ可使時間とシールベーク工程のベーク時間の両者のバランスをとり、工程でのトラブル(シール剤が固まらない、室温で硬化が進みすぎ、粘度が変化し、シール幅がばらつく等)を未然に防ぐシール剤が提供される。
5.請求項5
基板への接着性と耐液晶性およびパネル信頼性の両者を達成するシール剤が提供される。特に上下導通部の信頼性を確保するシール剤が提供される。
6.請求項6
高分子粒子(PMMA粒子)を添加することにより、硬化時の粘度低下を防ぎ、シール部の直進性を向上させ、パネル外観品質の向上ができるシール剤が提供される。
7.請求項7
コアーシェル型PMMA粒子の使用により、上記第6項記載の効果に加えて、シール強度を向上させるシール剤が提供される。
8.請求項8
前記効果を奏する液晶表示装置が提供される。
9.請求項9
極薄型、極軽量のLCDパネルを搭載された携帯機器が実用化でき、異形表示も可能なLCD搭載の携帯機器の用途が拡大する液晶表示装置が提供される。
10.請求項10
基板への接着性と耐液晶性およびシール部の直進性を高め、外観品質を向上した液晶表示装置の製造法が提供される。
11.請求項11
基板への接着性と耐液晶性および上下導通部の接続信頼性を安定化させることが可能となる液晶表示装置製造法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】エポキシ2の配合比と液晶の比抵抗変化の関係を示す図である。
【図2】エポキシ2の配合比と接着強度の関係を示す図である。
【図3】本発明の液晶表示装置の1例の模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板(プラスチックフィルム)
2 基板(プラスチックフィルム)
3 ITO電極
4 ITO電極
5 配向膜
6 ギャップ材(スペーサー)
7 シール剤
8 上下導通剤
9 液晶
10 偏光板
11 偏光板
Claims (11)
- 下記の各成分を含有することを特徴とするプラスチック基板用シール剤。
(1)少なくとも下記の材料を必須成分とするエポキシ成分(主剤)
ビスフェノール型エポキシ樹脂
ビスフェノール骨格を有するアルコール型エポキシ樹脂
少なくとも1種類以上の平均粒径が2μm以下のフィラー材料
(2)少なくとも下記の材料を必須成分とする硬化剤成分
イソシアヌレート骨格を有する多官能チオール系樹脂
反応性触媒材料として3級アミン系材料
シラン系カップリング剤 - ビスフェノール型エポキシとビスフェノール骨格を有するアルコール型エポキシ樹脂の配合比が90/10〜60/40である請求項1記載のプラスチック基板用シール剤。
- エポキシ成分と硬化剤成分の混合物の粘度が70〜130Pa・s/2.5rpm/25℃である請求項1〜2のいずれかに記載のプラスチック基板用シール剤。
- エポキシ成分と硬化剤成分の混合物の150℃におけるゲル化時間が240〜360秒である請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック基板用シール剤。
- エポキシ成分と硬化剤成分の硬化物のTgが35℃以上75℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック基板用シール剤。
- エポキシ成分および/または硬化剤成分に100℃以下でゲル化反応する高分子粒体が含有されている請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック基板用シール剤。
- 高分子粒体がその内部にゴム系材料を含有しているコアーシェル型PMMA粒子である請求項6記載のプラスチック基板用シール剤。
- 少なくとも1枚の基板がプラスチックフィルム基板からなる一対の基板間に液晶材料層が挟持され、該液晶材料層の周辺を請求項1〜7のいずれかに記載のシール剤でシールされたことを特徴とする液晶表示装置。
- Δε(誘電異方性)が10以上、かつしきい値電圧が1.5V以下の液晶材料を用いる請求項8記載の液晶表示装置。
- 基板上にITO電極および配向膜を形成し、ラビング処理し、一方の基板に球状粒子スペーサーを散布し、他方の基板に導電性粒子を含有したシール剤をスクリーン印刷し、加熱処理した後に両基板を重ね合わせ、該重ね合わされた基板を一定の圧力を印加し、シール剤をベークする液晶表示装置の製造方法において、シール剤中に高分子粒体を含有し、かつ加熱処理の温度は配合された高分子粒体のゲル化開始温度よりも高い温度で処理することを特徴とする少なくとも一方の基板にプラスチック基板を用いた液晶表示装置の製造方法。
- 基板上にITO電極および配向膜を形成し、ラビング処理し、一方の基板に球状粒子スペーサーを散布し、他方の基板に導電性粒子を含有したシール剤をスクリーン印刷し、加熱処理した後に両基板を重ね合わせ、該重ね合わされた基板を一定の圧力を印加し、シール剤をベークする液晶表示装置の製造方法において、シールベーク後圧力を解除する時の温度はシール剤のTg以下の温度であることを特徴とする少なくとも一方の基板にプラスチック基板を用いた液晶表示装置の製造方法。
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