JP2007009218A - 塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリジメチルシロキサン系共重合体と、カプロラクトンと、シロキサンとを必須成分とし、該シロキサンおよび該カプロラクトンを該ポリジメチルシロキサン系共重合体の骨格に導入した塗料組成物を提供する。
【選択図】 なし
Description
本発明の塗料組成物は、ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)と、カプロラクトン成分(B)と、シロキサン成分(C)とを必須成分とする。該カプロラクトン成分(B)及び該シロキサン成分(C)は、各々該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)の骨格に導入されている。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(A)は、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有する共重合体であり、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のOH基を有するビニルモノマーを用いることもできるし、カージュラEとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等との反応物を用いることもできる。
なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
本発明におけるポリカプロラクトン成分(B)としては、例えば、
カプロラクトン成分(B)をポリジメチルシロキサン系共重合体(A)の骨格に導入する場合には、ラクトン変成ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類を使用するのが好ましく、例えば、
本発明におけるシロキサン成分(C)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、または該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物を付加させたもの等を使用することができる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
該シロキサン成分(C)は、得られる塗料組成物に耐熱性、耐汚染性等を付与し、塗膜の表面硬度を向上させるのに重要な役割を果たす。
上記溶液重合の反応温度は、50〜150 ℃であるのが好ましく、反応時間は、3〜12時間であるのが好ましい。
該ポリジメチルシロキサン部分の分子量は、1000〜30000 程度であるのが好ましく、効果的に塗膜表面に配向し、潤滑性を与える分子量としては、特に5000〜20000 程度であるのが好ましい。
該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をウレタン架橋するには、OH基を有する該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)に対して、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤を使用することができる。
一方、該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をメラミン架橋するには、アルコキシメチロールメラミン等のメラミン架橋剤を使用することができる。
かかる塗料組成物は、屋内・屋外における樹脂成型品;自動車のボディ;階段、床、家具等の木工製品;メッキ、蒸着、スパッタリング等の処理が施されたアルミホイール、ドアミラー等の製品;レンジフード、台所用キッチンパネル、ステンレスシンク、浴槽等の金属製品;窯業系壁材、玄関床等の無機建材等、特に耐擦傷性が要求される分野で用いられる塗料として好適である。
〔合成例1〕
シロキサン成分Aの合成
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500 ml容のフラスコに、エタノール106 重量部(以下、単に「部」という。)、メチルトリメトキシシラン270 部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシラン23部、脱イオン水100 部、1%塩酸1部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1 部を仕込み、シロキサンを合成した。これをメチルイソブチルケトンにより50%に調整し、シロキサン成分A(共重合用)とした。
シロキサン成分AAの合成
合成例1と同様の設備を使用して、オルガノシリカゾル(分散媒:メチルイソブチルケトン、固形分:30%)100部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン1.5部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.01部及びギ酸0.01部を仕込み、80℃で3時間反応させ、シロキサン成分AA(共重合用)を得た。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Bの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及びメチルイソブチルケトン50部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、メタクリル酸1部及び片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製,ABN-E )1部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に3時間かけて滴下した。その後6時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Bを得た。得られたグラフト共重合体Bは、固形分50%、粘度W(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Cの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及び酢酸イソブチル50部を仕込み、110 ℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル20部、カプロラクトンメタクリルエステル(ダイセル化学工業株式会社製,プラクセルFM-5)32部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート17部、合成例1で得られたシロキサン成分A10部、片末端メタクリル基ポリジメチルシロキサン(東亞合成化学工業株式会社製,AK-32 ,分子量:20000 )20部及びメタクリル酸1部及び1,1−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル2部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及び酢酸イソブチルの混合液に2時間かけて滴下した。その後8時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Cを得た。得られたグラフト共重合体Cは、固形分50%、粘度X(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Dの合成
モノマー組成をメタクリル酸メチル20部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、シロキサン成分A10部、メタクリル酸1部及び片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部とした以外、合成例3と同様の方法でポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Dを合成した。得られたグラフト共重合体Dは、固形分50%、粘度U(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Eの合成
シロキサン成分Aの代わりにシロキサン成分AAを使用する以外、合成例5と同様の方法でポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Eを合成した。得られたグラフト共重合体Eは、固形分50%、粘度T(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Fの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及びメチルイソブチルケトン50部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル27部、カプロラクトンメタクリルエステル(ダイセル化学工業製,プラクセルFM-5)35部、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート17部、メタクリル酸1部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製,ABN-E )1部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に2時間かけて滴下した。その後6時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Fを得た。得られたグラフト共重合体Fは、固形分50%、粘度Y(ガードナーホルツ)であった。
合成例4で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体C100 部に、架橋剤としてHMDIイソシアヌレート体(武田薬品工業株式会社製,タケネートD-170N,固形分:100 %,NCO%:20.7)36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
架橋剤としてIPDIトリメチロールプロパンアダクト体ブロックイソシアネート(三菱化学株式会社製,マイテックBL-280,固形分:59.4%,NCO%:6.1 )122 部を使用する以外、実施例1と同様にして塗装を行った。
得られた塗装板を150 ℃で30分乾燥させ、これを試験板とした。
合成例3で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体B85部及びカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業株式会社製,プラクセル308 ,分子量:850 ,OH価(KOHmg/g):195 )15部を配合するとともに、架橋剤として実施例1と同様のHMDIイソシアヌレート体36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例5で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体D100 部に、架橋剤としてHMDIトリメチロールプロパンアダクト体(大日本インキ化学工業株式会社製,バーノックDN-950,固形分:75%,NCO%:12)62部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例6で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体E100 部に、架橋剤として実施例1と同様のHMDIイソシアヌレート体36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例7で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体F100 部に、架橋剤としてメトキシ化メチロールメラミン(三井サイテック株式会社製,サイメル303 ,固形分:100 %)20部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を150 ℃で30分乾燥させ、これを試験板とした。
架橋剤として実施例2と同様のIPDIトリメチロールプロパンアダクト体ブロックイソシアネート122 部を使用する以外、比較例4と同様にして試験板を作製した。
実施例1、2及び比較例1〜5で得られた試験板について、密着性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐溶剤性、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦傷性、耐汚染性、耐候性及び耐塩水性の評価を行った。なお、耐擦傷性のみガラス板の試験板を使用し、それ以外は磨き軟鋼板の試験板を使用した。
Claims (2)
- カプロラクトン成分およびシロキサン成分が骨格中に導入されたポリジメチルシロキサン系共重合体を含有することを特徴とする塗料組成物。
- 請求項1に記載の塗料組成物と、ウレタン架橋剤及び/又はメラミン架橋剤とを含むことを特徴とする塗料組成物。
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