JP2008011128A - 映像検波回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】AM変調されたPIF信号から映像信号を同期検波するVIF回路において、過変調状態にて復調される映像信号の精度が低くなる。
【解決手段】比較器68は、過変調状態であるVTH超の映像信号か否かを判定する。VTH以下の期間では、スイッチ回路56はAPCフィルタ54の出力電圧をVCO48に入力させ、PLLを構成する。PLLは、PIF信号にロックするように動作し、搬送波を再生する。一方、VTHを超える期間では、スイッチ回路56はSH回路58の出力電圧VSHをVCO48に入力する。SH回路58は、水平同期期間でのロック状態のAPCフィルタ54の電圧を保持しており、これを用いてVCO48を制御することで、フリーランや周波数ドリフトが抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、搬送波を振幅変調した映像変調信号から映像信号を検波する映像検波回路に関し、特に100%を超える過変調状態に対応した回路に関する。
テレビジョン受信機は、目的とする放送局から受信した無線周波数のテレビジョン信号を所定の中間周波数(IF:Intermediate Frequency)にダウンコンバートし、そのIF信号から映像信号、色信号、音声信号を復調する。例えば、VIF(Video Intermediate Frequency)回路は、中間周波数の映像変調信号(映像IF信号、以下、PIF信号)から、輝度情報を含む映像信号を復調する。PIF信号は、映像信号により振幅変調されており、VIF回路は、PIF信号の搬送波を再生し、この再生搬送波を用いて同期検波を行い、映像信号を抽出する。
図4は、従来のVIF回路の構成を示すブロック図である。入力端子2から入力されたPIF信号はアンプ4にて増幅された後、検波器(VDET)6及びAPC(Automatic Phase Control)検波器8に入力される。APC検波器8、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)10、移相器12は、フェーズロックループ(PLL:Phase Locked Loop)を構成し、入力されたPIF信号に基づいて、その搬送波を再生する。
移相器12はVCO10からの入力信号に対して、±45°の位相差を有する2つの信号を生成し、一方をAPC検波器8、他方をVDET6へ出力する。例えば、移相器12から+45°位相差の出力がAPC検波器8へ入力される。ここで、PLLは、APC検波器8に入力される2つの入力信号間の位相差が90°となるように同期制御を行う。
APC検波器8は2つの入力信号を混合し、それらの周波数の差に対応するDC成分として、両信号の間の位相差と目標値90°との位相ずれ量δに応じた電流IAPCを出力する。また、APC検波器8からは周波数の和に対応する高周波成分も出力される。APC検波器8の出力には低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)であるAPCフィルタ14が接続される。APCフィルタ14は平滑化を行って、この高周波成分を落とす。また、APCフィルタ14は、IAPCを所定の時定数で積分し、VCO10に対する制御電圧に変換する。
PLLを例えば、アンプ4からAPC検波器8へ入力されるPIF信号に対して、移相器12からAPC検波器8へ入力される信号が+90°の位相差を有するように構成すると、移相器12からVDET6へ入力される信号として、PIF信号の搬送波と同じ周波数で、かつ位相差が0°の再生搬送波が得られる。すなわち、VDET6に入力されるPIF信号と再生搬送波との間の位相差が0°に制御される。
VDET6は、移相器12からの再生搬送波を用いた同期検波により、アンプ4からのPIF信号をAM検波して映像信号を抽出する。抽出された映像信号はビデオアンプ(VAMP)16にて増幅され、出力端子18から出力される。
また、VAMP16から出力される映像信号は自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)回路20に入力され、AGC回路20は、アンプ4のゲインを制御して、映像信号を適正レベルに調整する。
比較器22は、映像信号の過変調を判定する。比較器22の一方入力端子には、適正レベルに調整される映像信号が入力され、他方入力端子には過変調と判断する閾値に対応する所定の基準電圧が入力される。APC検波器8は、後述するように、比較器22の判定結果に応じてPLLのループゲインを制御するように構成される。
映像変調度の上限は、日本では例えば地上波放送について、87.5%という値が規格により設定されており、これを超える変調状態を過変調と呼んでいる。ここで、様々な映像メディアや他の国の放送の中には、過変調のPIF信号を生じるものもある。過変調状態では、PIF信号の振幅が微小となり、PLLの同期が難しくなるという問題の他、100%を超える過変調状態(以下、強過変調状態と称する。)は、映像信号が100%未満の領域に折り返されるため、画面上にて正しい階調が再現されないという問題があった。
図5は、この折り返しを説明するPIF信号及び映像信号の一例の模式図である。本来の映像信号30は、PIF信号32の互いに同位相のピークを結ぶ包絡線である。映像変調度が100%を超える期間34と100%未満の期間36とでは、PIF信号32の極性が互いに反転した関係となる。このようなPIF信号32がAPC検波器8に入力されると、PLLはこの反転に起因する180°の位相ずれにも追随してしまう。その結果、VDET6に入力される再生搬送波の位相も180°ずれ、期間34では、点線で示す下側の包絡線が映像信号38として検波されることになる。このように、映像変調度が100%を超える映像信号が、100%の線を中心として下側に折り返されるため、この部分では映像変調度が大きくなるほど、暗くなるという不自然な映像となってしまう。
上述の従来回路はこの折り返しを防止するために、比較器22の判定結果に基づいて、過変調時にAPC検波器8が出力電流IAPCを微弱値又は0に切り替えるように構成される。これにより、PLLのループゲインが抑制され、PIF信号32の極性反転時の180°の位相ずれにPLLが追随することが抑制され、折り返しが防止される。
上述の従来のVIF回路は、過変調状態時にループゲインを抑えることで、過変調状態前のPLLのロック状態でのPIF信号と再生搬送波との位相関係の維持を図る。しかし、ループゲインを抑制するとVCO10の発振はフリーランとなり得、また、例えば、APCフィルタ14の放電によるVCO10の制御電圧の変化などによるVCO10の発振周波数のドリフトを止めることができなくなり得る。そのため、必ずしもPIF信号と再生搬送波との位相関係は過変調状態においては好適に維持されない。その結果、VDET6に供給される再生搬送波の位相が変動し、VDET6にて復調される映像信号の精度が低下し、画質の劣化を招くという問題があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、過変調状態においても好適な映像信号の復調が可能な映像検波回路を提供することを目的とする。
本発明に係る映像検波回路は、映像信号に応じて原搬送波が振幅変調された映像変調信号に基づいて再生搬送波を生成するフェーズロックループと、当該再生搬送波を用いて前記映像変調信号から前記映像信号を同期検波する検波回路とを有したものであって、前記フェーズロックループ内の電圧制御発振器に対する制御電圧を、前記映像変調信号が所定の変調度閾値以下の通常変調状態にあるときのロック状態にてサンプルホールドし、ホールド電圧として出力するサンプルホールド回路と、前記変調度閾値を超える過変調状態を検出する過変調検出回路と、前記過変調状態では、前記電圧制御発振器に、前記制御電圧に代えて前記ホールド電圧を入力する制御電圧切換回路と、を有するものである。
上記サンプルホールド回路は、前記映像信号の同期期間にて前記ホールド電圧をサンプリングするように構成することができる。さらに、上記サンプルホールド回路は、前記映像信号の水平同期信号に同期して前記ホールド電圧をサンプリングするように構成することができる。
また、上記制御電圧切換回路は、前記映像信号を前記変調度閾値に対応した電圧と比較して前記過変調状態を判定する比較器を有する構成とすることができる。
前記変調度閾値は、100%未満かつ、前記映像変調信号から前記フェーズロックループが前記原搬送波を検出可能な上限の変調度に応じた値に設定することができる。
本発明によれば、過変調になる前のロック状態での電圧制御発振器に対する制御電圧を記憶する。過変調状態では、記憶した制御電圧を電圧制御発振器に入力して、その発振を制御する。これにより、過変調状態において、電圧制御発振器がフリーラン状態となることや電圧制御発振器の発振周波数のドリフトが抑制され、これにより得られる再生搬送波を用いて好適な映像信号の復調が可能となる。サンプルホールド回路は、ホールド電圧を例えば、水平ブランキング期間(HBLK)や垂直ブランキング期間(VBLK)等の同期期間に同期して更新する。更新を水平走査周期(1H)や垂直走査周期(1V)毎に行うこと、及び、同期期間はPIF信号の搬送波振幅が大きく、フェーズロックループが安定した、かつ精度良いロック状態となることが期待できることから、電圧制御発振器はホールド電圧を入力される期間においても、良好なロック状態を維持し得る。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係るVIF回路の概略の構成を示すブロック図である。本回路は、例えば、テレビジョン受信信号を処理する半導体集積回路(IC)の一部として構成することができる。
入力端子40から入力されたPIF信号はアンプ42にて増幅された後、VDET44及びAPC検波器46に入力される。VDET44及びAPC検波器46はそれぞれ入力される2つの信号を乗算する混合器を含んで構成される。
APC検波器46、VCO48、移相器50は、PLLを構成し、APC検波器46に入力されたPIF信号に基づいて、その搬送波を再生する。
移相器50はVCO48からの入力信号に対して、±45°の位相差を有する2つの信号を生成し、一方をAPC検波器46、他方をVDET44へ出力する。例えば、移相器50から+45°位相差の出力がAPC検波器46へ入力される。ここで、PLLは、APC検波器46に入力される2つの入力信号間の位相差が90°となるように同期制御を行う。
APC検波器46の出力端子は、ICの端子52に接続される。端子52には、APCフィルタ54を外付けすることができる。APCフィルタ54は、APC検波器46の出力に含まれる高周波成分を除去すると共に、PIF信号と再生搬送波との位相ずれ量δに応じたDC成分である電流IAPCを所定の時定数で積分し平滑化し、端子52に時間tと共に変化し得る電圧V(t)を生じる。
APC検波器46と端子52とを結ぶ信号線には、スイッチ回路56及びサンプルホールド(SH:Sample-and-Hold)回路58の入力端子が接続される。これらスイッチ回路56及びSH回路58は、APCフィルタ54の機能に影響を与えることがないように信号線にハイインピーダンスに接続され、V(t)を取り込む。
SH回路58は、映像信号の所定のタイミングtSHに同期して電圧V(t)をサンプリングし、その値VSH(≡V(tSH))をホールドすると共に、スイッチ回路56へ出力する。
スイッチ回路56は、映像信号が所定電圧VTH以下のとき、端子52につながる信号線から直接取り込んだV(t)を、VCO48へ制御電圧VCNTとして出力し、映像信号がVTHを超えるとSH回路58から入力されるVSHをVCNTとして出力する。
すなわち、映像信号が所定電圧VTH以下のときは、APCフィルタ54の出力電圧をVCO48へ入力する信号経路がスイッチ回路56を介して構成され、上述した従来のVIF回路と同様にPLLが実現される。
PLLを例えば、アンプ42からAPC検波器46へ入力されるPIF信号に対して、移相器50からAPC検波器46へ入力される信号が+90°の位相差を有するように構成すると、移相器50からVDET44へ入力される信号として、PIF信号の搬送波と同じ周波数で、かつ位相差が0°の再生搬送波が得られる。すなわち、VDET44に入力されるPIF信号と再生搬送波との間の位相差が0°に制御される。
VDET44は、移相器50からの再生搬送波を用いた同期検波により、アンプ42からのPIF信号をAM検波して映像信号を抽出する。抽出された映像信号はVAMP60に入力される。例えば、VDET44は、映像信号と共にPIF信号の中心のDCレベルをVAMP60へ供給する構成とすることができる。また、映像信号の伝達経路には、映像信号に重畳されて検波された音声搬送波成分を除去するトラップ回路62を設けることができる。当該トラップ回路62は、制御信号に応じてオン/オフを切り替えられるように構成され、例えば、外付け回路で音声搬送波成分のトラップを行う場合などにはトラップ回路62をオフすることができる。
VAMP60は、検波された映像信号を増幅し、出力端子64から出力する。また、VAMP60から出力される映像信号はAGC回路66に入力される。AGC回路66は、映像信号のうち水平同期期間HBLK内の所定の信号に基づいて、映像信号を適正なレベルに保つようにアンプ42のゲインを制御する。
スイッチ回路56の切り換えは、比較器68の出力に基づいて行われる。比較器68は、VAMP60が出力する映像信号と基準電圧源70から供給される電圧VTHとを比較して、その比較結果をスイッチ回路56へ出力する。
図2はSH回路58の概略の構成を示すブロック図である。SH回路58は、比較器80、シフトレジスタ82、D/A(Digital-to-Analog)変換回路84、同期分離回路86を含んで構成され、比較器80にAPCフィルタ54の電圧V(t)を取り込み、シフトレジスタ82が記憶する値をD/A変換回路84により電圧VSHに変換してスイッチ回路56へ出力する。
D/A変換回路84から出力される電圧VSHは比較器80にも入力され、比較器80は入力されたV(t)とVSHとを比較し、その大小関係に応じて論理値「1」に相当するH(High)レベル又は論理値「0」に相当するL(Low)レベルをシフトレジスタ82へ出力する。
同期分離回路86はVAMP60から出力される映像信号を入力され、水平同期期間内の特定の信号期間PSHを抽出し、信号期間PSHに対応したサンプリングゲートパルスを生成する。シフトレジスタ82は、サンプリングゲートパルスが入力される特定信号期間PSHのみ、その記憶内容の更新を可能とする。
シフトレジスタ82はクロック信号CLKに同期して動作し、期間PSHにおいて比較器80の出力レベルに基づいて記憶内容を更新する。CLKは、例えば、本回路が用いられるテレビジョン受信回路に内蔵される水晶発振器が受信回路の各部に供給するクロックを用いることができる。NTSC方式のテレビジョン受信回路でのCLKの周波数は例えば3.5795MHzに設定される。
比較器80とシフトレジスタ82とは、取り込んだ電圧V(t)を逐次近似する動作を行い、nビットのシフトレジスタ82の最上位ビット(MSB:Most Significant Bit)である第1ビットから最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)である第nビットへ向けて順番に値を定める。シフトレジスタ82に対して、CLKに同期して設定される期間PSH内の時系列をt(0≦k≦n)、各時刻tでのシフトレジスタ82の記憶値をB、そしてBに対応するD/A変換回路84の出力電圧値をVと表す。例えば、比較器80は、各時刻tにてVk−1とV(tk−1)とを比較し、シフトレジスタ82は、その比較結果がV(tk−1)>Vk−1である場合には、Bk−1に第kビットに対応する2n−kを加算した値(Bk−1+2n−k)をBとして設定し、比較結果がV(tk−1)≦Vk−1である場合には、Bk−1から2n−kを減算した値(Bk−1−2n−k)をBとして設定する。なお、Bk−1+2n−kがシフトレジスタ82の上限値2−1を超える場合や、Bk−1−2n−kが0未満となる場合は、Bk−1をそのままBとする。
SH回路58では以上の動作により期間PSH内にて記憶値及びスイッチ回路56への出力電圧VSHが更新される。このように更新を水平同期期間にて行うことにより、映像信号の有効期間(映像期間)内では固定したVSHが得られる。また、同期期間でのPIF信号の搬送波振幅は映像期間よりも大きく、PLLが安定したロック状態となることを期待でき、SH回路58はその安定状態でのVCO制御電圧VCNTをサンプリングすることができる。例えば、期間PSHとして、水平同期信号(シンクチップ)の期間を設定することができる。また、PSHはカラーバーストの期間など、水平同期期間の他の期間に設定することもできる。
次に本VIF回路に特徴的な動作を説明する。上述の回路にて、基準電圧源70の電圧VTHは、映像信号が過変調状態であるか否かを判定する閾値として設定される。すなわち、映像信号がVTH以下である場合には、過変調ではない通常の変調状態であり、一方、映像信号がVTHを超える場合には、過変調状態であることを意味する。なお、このVTHは、規格で定められる値、例えば上述の変調度87.5%に対応した電圧である必要はなく、基本的に、変調度の上昇によりPIF信号の振幅が微小となってPLLがアンロック状態となる映像信号の電圧より低い範囲で任意に設定可能である。ここで、PIF信号の振幅が微小となるためPLLがPIF信号から搬送波を検出できなくなるような変調度の範囲をα〜α(α<100%、100%<α)とすると、例えば、VTHは、αを少し下回る変調度αTHに対応する映像信号の電圧値に設定することができる。この設定値は、可能な限りPLLの同期動作を持続することで、映像信号がVTHを超えてVCNTがVSHで置き換えられた後の再生搬送波の位相精度の向上が図られる点で好適である。
図3は、本VIF回路に入力されるPIF信号及び、本VIF回路で検波される映像信号の一例を示す模式図である。図において横軸が時間軸、縦軸が振幅である。PIF信号100は搬送波周波数fcに応じて短い周期で振動し、その振幅が映像信号102により変調される。PIF信号100は、所定の形式で振幅変調された水平同期期間110と、映像の輝度に応じた映像信号で振幅変調された映像期間112とからなる。図に示す例は、映像信号の振幅変調度αが次第に増加し、87.5%、100%を順次超え、その後、100%未満へ減少する場合を示している。
映像信号がVTH以下、すなわち変調度αがαTH以下の時刻t2以前では、APCフィルタ54の端子52をVCO48に接続する信号経路がスイッチ回路56を介して構成され、従来のVIF回路と同様にPLLが構成される。
αは時刻t1にて87.5%を超え、さらに時刻t2にてαTHを超える。この時刻t2にて映像信号がVTHを超え、それに伴い比較器68はスイッチ回路56を切り換え、スイッチ回路56はSH回路58が出力する電圧VSHをVCO48へ出力する。この状態は、αがαTHを超えている間、すなわちαが100%を超えている期間を包含する期間、持続される。
電圧VSHは映像期間内にて固定であるので、VSHがVCO48に入力されるα>αTHの期間、再生搬送波がPIF信号の搬送波の位相変動に追随するPLLの動作が停止される。その結果、時刻t3にてαが100%を超えても映像信号102は折り返しを生じずに増加する。
図3にて、αは100%超の状態から減少し、時刻t4にてαTHを下回る。このように、映像信号がVTH超の状態からVTH以下の状態へ戻った場合には、比較器68の出力が変化する。これに連動して、スイッチ回路56がAPCフィルタ54をVCO48に接続する状態に切り替わり、PLLの動作が再開される。
本VIF回路では、変調度がαを超える過変調状態において、VCO48の発振周波数は電圧VSHにより設定されるので、フリーラン状態となることや、APCフィルタ54の電圧変動による周波数変動が防止される。電圧VSHは1H周期で更新されるので、直近のPLLやVCO48の状態を反映し得る。つまり、過変調時にPLLの同期動作を停止してVCO48をVSHで固定制御する状態に切り替えても、真の同期状態に対してずれの小さい状態が維持され得る。また、VSHで固定制御される過変調状態の期間は通常、映像期間のうち一部である。さらに上述のようにVTHをαに近づけて設定することで、VSHで固定制御される期間を短くすることができる。このように、VSHによる固定制御期間は1Hのうち短時間であり、その間に生じる真の同期状態からの変動は基本的に小さく抑えられる。
なお、SH回路58は、他の回路構成のものとすることもできる。また、上述の実施形態では、所定の過変調状態の判定を比較器68と基準電圧源70とを用い、映像信号レベルに基づいて行う構成としたが、他の回路構成や判定方法とすることもできる。
本発明の実施形態のVIF回路の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のサンプルホールド回路の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のVIF回路の基本動作を説明するPIF信号及び映像信号の一例を示す模式図である。 従来のVIF回路の構成を示すブロック図である。 従来の問題点である映像信号の折り返しを説明するPIF信号及び映像信号の一例の模式図である。
符号の説明
40 入力端子、42 アンプ、44 検波器(VDET)、46 APC検波器、48 電圧制御発振器(VCO)、50 移相器、52 端子、54 APCフィルタ、56 スイッチ回路、58 サンプルホールド(SH)回路、60 ビデオアンプ(VAMP)、62 トラップ回路、64 出力端子、66 AGC回路、68 比較器、70 基準電圧源。

Claims (5)

  1. 映像信号に応じて原搬送波が振幅変調された映像変調信号に基づいて再生搬送波を生成するフェーズロックループと、当該再生搬送波を用いて前記映像変調信号から前記映像信号を同期検波する検波回路とを有した映像検波回路において、
    前記フェーズロックループ内の電圧制御発振器に対する制御電圧を、前記映像変調信号が所定の変調度閾値以下の通常変調状態にあるときのロック状態にてサンプルホールドし、ホールド電圧として出力するサンプルホールド回路と、
    前記変調度閾値を超える過変調状態を検出する過変調検出回路と、
    前記過変調状態では、前記電圧制御発振器に、前記制御電圧に代えて前記ホールド電圧を入力する制御電圧切換回路と、
    を有することを特徴とする映像検波回路。
  2. 請求項1に記載の映像検波回路において、
    前記サンプルホールド回路は、前記映像信号の同期期間にて前記ホールド電圧をサンプリングすることを特徴とする映像検波回路。
  3. 請求項1に記載の映像検波回路において、
    前記サンプルホールド回路は、前記映像信号の水平同期信号に同期して前記ホールド電圧をサンプリングすることを特徴とする映像検波回路。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の映像検波回路において、
    前記制御電圧切換回路は、
    前記映像信号を前記変調度閾値に対応した電圧と比較して前記過変調状態を判定する比較器を有することを特徴とする映像検波回路。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の映像検波回路において、
    前記変調度閾値は、100%未満かつ、前記映像変調信号から前記フェーズロックループが前記原搬送波を検出可能な上限の変調度に応じた値に設定されること、を特徴とする映像検波回路。
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