JP2008005604A - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置検出手段を必要とすることなく、簡便安価な機構でアクチュエータの制御が可能となる交流回転機の制御装置を得ることを目的とする。
【解決手段】コイルが巻回された固定子と、回転子103とを備え、
固定子はその周方向位置が可変とされた第1の固定子101と固定された第2の固定子102とに分割されており、第1の固定子101を駆動することにより回転子103に基づき固定子のコイルに誘起する電圧を調整するアクチュエータ2、交流回転機1の回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算する磁束指令演算手段15、交流回転機1の推定磁束振幅を演算する磁束推定器10、推定磁束振幅が磁束振幅指令に追従するようアクチュエータ2のアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算器12、およびアクチュエータ速度指令に基づきアクチュエータ2を制御するアクチュエータ制御手段14を備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、アクチュエータによって誘起電圧の大きさを調整することができる交流回転機の制御装置に関するものである。
交流回転機の誘起電圧は、磁束の大きさと回転速度との積に比例する。電力変換器で交流回転機を可変速駆動する場合、高回転域で誘起電圧が高くなり電力変換器が出力できる電圧の大きさを誘起電圧が超えてしまうことがある。永久磁石を用いない誘導機やシンクロナスリラクタンス同期機のような交流回転機では、磁束の大きさは電機子電流の磁束成分に比例するので、高回転域で駆動する場合でも電機子電流の磁束成分を小さくすることで誘起電圧を電力変換器の出力電圧範囲内に抑えることができる。
一方、永久磁石を用いた交流回転機では、永久磁石に起因する誘起電圧が発生するので、高回転域で駆動する場合、永久磁石の磁束を打ち消すような電機子電流の磁束成分が必要であり、電機子電流の増大を招く。即ち、永久磁石を用いる交流回転機を高回転域で駆動する場合、電流容量が大きな電力変換器を必要とするという欠点や電流増大に伴う損失や発熱に関する問題があった。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1の交流回転機の制御装置では、複数のコイルを巻回した磁極歯を有する固定子と、永久磁石を有する回転子とから構成され、外部よりコイルに電力を供給して複数の磁極歯上に磁界を形成させ、回転子にトルクを発生する同期モータにおいて、固定子をその回転軸の方向に少なくとも2つに分割し、分割した固定子のうち、少なくとも1つの固定子を、他の固定子に対し磁極歯の位相を変更できる可動固定子とする。そして、この可動固定子の状態を制御する可動固定子制御装置を備え、同期モータの運転状態に応じて可動固定子の位相を制御する。
トルク指令がゼロの場合、発生するトルクがゼロとなるように、可動固定子の位相を変化させることで、ゼロトルク時に発生する逆起電力を低減することができる。また、弱め界磁電流が不要となるため、連れ回り時の損失を大幅に低減することが可能となる。更に、回転数がしきい値以上の場合、逆起電力が発生しないように、可動固定子の位相を変化させてもよく、このような構成により、逆起電力を低減でき、インバータやバッテリ電圧を大きくすること無く、高回転化することが可能となる。
特開2005−160278号公報(段落0013、0014、要約参照)
以上のように、従来の交流回転機の制御装置にあっては、固定子と可動固定子との位相差をアクチュエータによって制御していた。そして、そのアクチュエータの制御対象は、固定子と可動固定子との位相差であった。従って、そのアクチュエータの制御機構には、アクチュエータによって駆動される固定子と可動固定子との位相差を検出する手段、即ち、一般的に複雑高価となる位置検出手段を必要とし、位相差の時間微分値しか制御できないような位置検出不能な安価なアクチュエータが適用できないという問題があった。
この発明は、以上のような従来の問題点を解消するためになされたもので、位置検出手段を必要とすることなく、簡便安価な機構でアクチュエータの制御が可能となる交流回転機の制御装置を得ることを目的とする。
この発明に係る交流回転機の制御装置は、コイルが巻回された固定子と、回転子とを備え、
固定子および回転子のいずれか一方または双方が、少なくとも2つに分割され少なくともその1つと他との周方向の相対位置である位相差が可変となるよう構成された交流回転機の制御装置であって、
分割された固定子または回転子の少なくとも1つを駆動することにより回転子に基づき固定子のコイルに誘起する電圧を調整するアクチュエータ、交流回転機の回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算する磁束指令演算手段、交流回転機の推定磁束振幅を演算する磁束推定手段、推定磁束振幅が磁束振幅指令に追従するようアクチュエータのアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算手段、およびアクチュエータ速度指令に基づきアクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段を備えたものである。
この発明に係る交流回転機の制御装置は、以上のように、そのアクチュエータ制御手段は、位置指令ではなくアクチュエータ速度指令に基づき制御動作を行うので、一般的に複雑高価となる位置検出手段を必要とせず、アクチュエータとして、例えば、アクチュエータの位相差の時間微分値しか制御できないような、位相差検出不能な安価なものを適用することもでき、交流回転機の制御装置を簡便安価に実現することが出来る。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。ここでは、交流回転機1に接続したアクチュエータ2によって、永久磁石に起因する誘起電圧の大きさを操作する。
先ず、各構成要素について概要を説明し、続いて、要部について、その動作を詳細に説明するものとする。
PWMインバータ(電圧印加手段)3は、交流回転機1に三相電圧を印加する。電流検出手段4は、交流回転機1の電流を検出する。本実施の形態1では、三相交流のうちの二相を検出している例について記したが、公知の手法で三相交流に相当する値をPWMインバータ3内部の直流電流とPWM変調の情報とに基づいて交流回転機1の電流を検出しても良い。
電圧指令演算手段5は、電流検出手段4から得た検出電流に基づいて電圧印加手段3が印加すべき電圧指令を電圧印加手段3に出力する。座標変換器6は、推定磁束位相に基づいて電流検出手段4が出力した検出電流を回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流に座標変換する。なお、回転二軸座標(d−q軸)の位相となる推定磁束位相の導出については、後述する。
電圧指令演算手段5内部には、電流制御器7と座標変換器8とが設けてある。電流制御器7は、交流回転機1の電気的回転角周波数と同期して回転する回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流指令およびq軸電流指令に電流検出手段4から得た検出電流に基づく回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流が一致するように回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令を演算し、出力する。
座標変換器8は、電流制御器7が出力した回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令と推定磁束位相に基づいて電圧印加手段3が印加すべき三相交流の電圧指令を出力する。
アクチュエータ速度指令演算手段9は、磁束推定器(磁束推定手段)10と減算器11と速度指令演算器(速度指令演算手段)12と電流指令演算器13とから構成する。
磁束推定器10は、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令と回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流とに基づいて、交流回転機1の推定磁束振幅と推定回転速度と推定磁束位相とを出力する。この推定磁束位相は、座標変換器6および座標変換器8が座標変換動作に使用する位相である。
なお、磁束推定演算器10自体の構成は、例えば、再公表特許WO2002/091558号公報に開示されており、ここでは、その詳細の説明は省略する。
減算器11は、交流回転機1の磁束振幅指令から磁束推定器10で得られた推定磁束振幅を減算し、磁束振幅偏差を出力する。
速度指令演算器12は、磁束振幅指令と磁束振幅偏差とに基づいて、アクチュエータ2が動作すべき速度であるアクチュエータ速度指令を演算する。
電流指令演算器13は、アクチュエータ速度指令の絶対値が所定の大きさを超えた場合、磁束振幅偏差を増幅して回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流指令を出力する。
アクチュエータ制御手段14は、永久磁石に起因する誘起電圧の大きさを可変に操作するアクチュエータ2の速度がアクチュエータ速度指令に一致するようにアクチュエータ2の速度を制御する。
磁束指令演算手段15は、アクチュエータ速度指令演算手段9から得た推定回転速度に応じて、交流回転機1が発生すべき回転子磁束の磁束振幅を磁束振幅指令として出力する。
なお、本実施の形態1では、磁束指令演算手段15は、磁束振幅指令を出力するが、交流回転機1における永久磁石に起因する誘起電圧の大きさは、磁束振幅と回転速度との積に比例するので、磁束振幅指令の代わりに誘起電圧振幅指令を与える、従って、減算器11のもう一方の入力である推定磁束振幅についても同一の扱いとする構成にしても、同様の効果を得ることができる。従って、本願明細書においては、このように、電圧振幅で処理する変形例も、単なる表現上の差であり磁束振幅で処理する場合と実質的に同等であり、権利解釈上磁束振幅で処理する場合に含めるものとする。
速度制御手段16は、減算器17と速度制御器18とから構成する。減算器17は、回転速度指令からアクチュエータ速度指令演算手段9で得られた推定回転速度を減算し速度偏差を出力する。速度制御器18は、この速度偏差を増幅して回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流指令を出力する。
次に、交流回転機1およびアクチュエータ2について、図2に基づいて説明する。図2において、交流回転機1は軸方向に2分割された第1の固定子101と第2の固定子102とを備える。回転子103は、シャフト105に固定され、第1の固定子101と第2の固定子102とに対向している。この第1、第2の固定子101、102には、それぞれコイルが設けられており、軸方向端部から外部にコイルエンド104が突出している。アクチュエータ2は、補助回転機106とギア107とで構成され、ギア107によって第1の固定子101を円周方向に回転させる。ギア107の形状は、図2に示した平行軸の形状でも良いし、交差軸や食い違い軸の形状でも良い。また、第1の固定子101の円周方向の移動は、交流回転機1の電気角相当値で0度から180度の範囲に制限するようにストッパー(図示せず)を設けている。
なお、アクチュエータ2の補助回転機106としては、同期機や誘導機といった交流回転機でなくても直流回転機でも良い。また、回転機でなくともリニア同期機やリニア誘導機といった直線運動をする機器を適用しても良い。
この固定子101、102の側面図を図3(a)、(b)に示す。図3から判るように、例えば、U相巻線201は、第1の固定子101と第2の固定子102との間に位相差Δθを有するよう、第1の固定子101を円周方向に移動させるアクチュエータ2を有している。両固定子101、102の巻線201は、直列結線か或いは並列結線する。
図4は、磁束指令演算手段15の入力である回転速度と出力である磁束振幅指令との関係を例示したものである。式で表すと以下の通りとなる。
|回転速度|<基準速度の範囲では、磁束振幅指令=基準磁束
|回転速度|≧基準速度の範囲では、磁束振幅指令=基準磁束×基準速度÷|回転速度|
即ち、回転速度に応じてこの特性で決められた磁束振幅を実現することで、高速域での過電圧が防止されるわけである。
第1の固定子101を駆動するアクチュエータ2は、交流回転機1の磁束振幅がこの図4に示された磁束振幅指令に追従するようにその位相角Δθを制御するもので、従来、これを位置(位相差)指令に基づき制御していたものを、本願発明では、速度指令に基づき制御するものである。
なお、ここで、一般的に、位置検出器より回転速度検出器が簡便安価となることについて触れると以下の通りである。即ち、位置検出器としては、絶対値エンコーダ、ABZ相エンコーダ、レゾルバ、ホール素子などがある。また、回転速度検出器としては、AB相エンコーダ、タコジェネレータなどがある。例えば、ABZ相エンコーダとAB相エンコーダとを比較してみると、位置検出器の場合、ゼロ点検出用のZ相があり、Z相用のI/F回路が必要となるが、回転速度検出器の場合、Z相が不要なので、Z相のI/F回路が不要な分だけ簡便安価な構成になる。
先ず、磁束振幅と位相角との関係について説明する。図5は、第1の固定子101と第2の固定子102との位相差Δθと交流回転機1の回転子磁束の磁束振幅との関係をプロットしたものである。横軸の位相差Δθは、アクチュエータ2のギア107によって交流回転機1の固定子101を円周方向に移動させた角度であり、交流回転機1の電気角相当値として扱っている。図5から分るように、磁束振幅と位相差Δθとの間には(1)式の関係が成立する。
磁束振幅 ∝ cos(Δθ/2) ・・・(1)
また、アクチュエータ2の速度と位相差Δθとの間には(2)式が成り立つ。
位相差Δθ=∫(アクチュエータの速度)dt ・・・(2)
次に、アクチュエータ速度指令演算手段9の動作を、この(1)、(2)式の関係を利用して説明する。(2)式の関係から、アクチュエータ制御手段14がアクチュエータ2の速度を正にするとΔθも増加し、アクチュエータ制御手段14がアクチュエータ2の速度を負にするとΔθも減少する。一方、図5を見て分るように、位相差Δθを大きくすると磁束振幅は減少し、位相差Δθを小さくすると磁束振幅は増大する。
そこで、減算器11が出力する交流回転機1の磁束振幅指令と磁束推定器10から得た推定磁束振幅との磁束振幅偏差が正であれば、アクチュエータ2の速度を負であたえ、減算器11が出力する交流回転機1の磁束振幅指令と磁束推定器10から得た推定磁束振幅との磁束振幅偏差が負であれば、アクチュエータ2の速度を正で与えれば良い。
従って、磁束振幅指令偏差を入力としアクチュエータ速度指令を出力とする速度指令演算器12は、出力値が入力値に比例し、しかも、符号を反転させる比例制御器で構成するのが適当である。
もっとも、アクチュエータ2を含む制御機構の特性によっては、比例成分だけでなく、これに積分要素を含む比例積分制御器で構成するようにしても良い。
また、図5中の領域(a)と領域(b)について考察する。アクチュエータ2によって位相差Δθを30度変化させた場合、磁束振幅が100%近傍である領域(a)では磁束振幅は3.4%しか変化しないが、磁束振幅が50%以下である領域(b)でΔθを30度変化させると、24.1%も磁束振幅が変化する。換言すると、磁束振幅が100%近傍で磁束振幅を制御する場合、アクチュエータ2は高い速度で固定子101を円周方向に移動させなければならないが、磁束振幅が50%以下で磁束振幅を制御する場合、アクチュエータ2は低い速度で固定子101を円周方向に移動させても同じ応答を保つことができる。
このことを踏まえて、速度指令演算器12の構成の詳細について説明する。図6は、速度指令演算器12の内部構成を示す図であり、ゲインテーブル301は、磁束振幅指令に応じてゲインを可変出力し、乗算器302は、磁束振幅偏差にゲインテーブル301が出力したゲインを乗算し、アクチュエータ速度指令として出力する。
磁束振幅を制御する上で磁束振幅の大小に拘わらず同じ磁束振幅制御応答を保つためには、上述したように、磁束振幅指令の大きさに応じて、アクチュエータの速度を計算するゲインを可変にすればよい。
(1)、(2)式の関係を勘案すると、ゲインテーブル301が出力するゲインは(3)式に基づくと良い。
ゲイン ∝ −1÷√(1−(磁束振幅指令/磁束振幅最大値))・・・(3)
磁束振幅指令が磁束振幅最大値の場合、(3)式右辺の分母は零となり、(3)式右辺が−∞となってしまうが、(3)式右辺の出力範囲を適切に制限することでこの問題は回避できる。
即ち、図7はこの問題を考慮したもので、ゲインテーブル301が磁束振幅指令に基づいて出力するゲインをプロットしたものである。磁束振幅指令が100%に近づくにつれ、ゲインは−∞に近づくが、ゲインを有限の下限値(例えば−10)で制限すれば実用できる。
このように、本実施の形態1では、磁束振幅指令の大きさに応じて、アクチュエータ2の速度を計算するゲインを可変にしたので、磁束振幅を制御する上で磁束振幅の大小に拘わらず同じ磁束振幅制御応答を保つことができる。
一方、アクチュエータ2の駆動機構およびその能力特性によっては、アクチュエータ2の速度が与えられた速度指令に追従できない場合が考えられる。以下では、この現象と解決策として採用する電流指令演算器13の動作について説明する。
図8は、電流指令演算器13の内部構成を示した図であり、ゲインテーブル401は、アクチュエータ速度指令に応じてゲインを可変出力する。乗算器402は、減算器11から得た磁束振幅偏差とゲインテーブル401が出力したゲインとを乗算する。リミッタ403は、d軸電流指令が所定の範囲内になるように乗算器402の出力を制限し、d軸電流指令として出力する。
図9は、ゲインテーブル401が、アクチュエータ速度指令に基づいて出力するゲインをプロットしたものである。速度指令演算器12は、磁束振幅を増大させたい場合はアクチュエータ速度指令を減少させ、磁束振幅を減少させたい場合はアクチュエータ速度指令を増大させる。しかしながら、アクチュエータ速度の範囲は有限であり、アクチュエータ速度指令がこの有限値を越えると、アクチュエータ2の速度はアクチュエータ速度指令に追従しない。アクチュエータ速度指令が回転可能範囲よりも小さい場合は、磁束振幅を増大させたいが磁束振幅が磁束振幅指令に追従できない現象が発生し、アクチュエータ速度指令が回転可能範囲よりも大きい場合は、磁束振幅を減少させたいが磁束振幅が磁束振幅指令に追従できない現象が発生する。
磁束振幅が磁束振幅指令よりも小さければ、交流回転機1の誘起電圧も所望の値より小さいだけであるが、磁束振幅が磁束振幅指令よりも大きければ、交流回転機1の誘起電圧は所望の値より大きくなり、場合によっては交流回転機1の誘起電圧がPWMインバータ3の出力電圧範囲を超えてしまうことになる。
一方、弱め磁束制御として知られるように、d軸電流指令を負値にすると交流回転機1の誘起電圧を小さくすることが可能である。そこで、磁束振幅を減少したいが磁束振幅が磁束振幅指令に追従できず交流回転機1の誘起電圧が所望の値より大きくなることを防ぐために、アクチュエータ速度指令が+100%よりも大きい場合は、d軸電流指令が発生するよう図9に示すようなゲインテーブルを設定する。アクチュエータ速度指令が+100%よりも小さい場合は、ゲインテーブルの出力は零であり、d軸電流指令は発生しない。
このように、アクチュエータ速度指令演算手段9は、アクチュエータ速度指令と磁束振幅指令とに基づいて交流回転機1の回転子磁束と同じベクトルの電流指令、即ち、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流指令を演算し、電圧指令演算手段5は、電流検出手段4から得た検出電流の回転子磁束と同じベクトル成分の電流、即ち、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流がd軸電流指令に一致するようにPMWインバータ3(電圧印加手段)が印加すべき電圧指令を出力することで、アクチュエータ2の速度がアクチュエータ速度指令に追従できない場合でも、交流回転機1の誘起電圧の大きさをPWMインバータ3の出力電圧範囲にすることができる効果がある。
以上のように、本実施の形態1では、検出電流と電圧指令と磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータが動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力するアクチュエータ速度指令演算手段9を備えたので、第1の固定子101と第2の固定子102との位相差Δθを検出するための位置センサを用いることなく、交流回転機1の回転子磁束の磁束振幅を所望の値に制御できる効果がある。
また、アクチュエータ速度指令演算手段9は、検出電流と電圧指令とに基づいて推定磁束振幅を演算し、この推定磁束振幅と磁束振幅指令とが一致するようにアクチュエータ速度指令を演算するので、アクチュエータ制御手段14は、速度制御さえできれば、位置制御ができなくても良く、安価なアクチュエータで対応できる効果がある。
また、アクチュエータ速度指令演算手段9は、検出電流と電圧指令とに基づいて推定磁束振幅を演算する磁束推定器10と、減算器11が出力する推定磁束振幅と磁束振幅指令との偏差に基づいてアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算器12とを備えるので、第1の固定子101と第2の固定子102との位相差Δθを検出して回転子磁束の磁束振幅を算出する必要がなく、位相差Δθを検出するための位置センサを用いることなく、交流回転機1の回転子磁束の磁束振幅を所望の値に制御できる効果がある。
また、アクチュエータ速度指令演算手段9は、検出電流と電圧指令とに基づいて推定磁束振幅を演算する磁束演算器10と、減算器11が出力する推定磁束振幅と磁束振幅指令との偏差と、磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算器12を備えたので、磁束振幅指令に基づいてアクチュエータの速度を計算するゲインを可変にすることができ、磁束振幅指令の大小に拘わらず同じ磁束振幅制御応答を保つことができる。
また、アクチュエータ速度指令演算手段9は、検出電流と電圧指令と磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータが動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力するとともに、磁束推定器10によって交流回転機1の推定回転速度と推定磁束位相とを出力し、電圧指令演算手段5は、この推定磁束位相と電流検出手段4から得た検出電流とに基づいて電圧印加手段3が印加すべき電圧指令を出力し、磁束指令演算手段15は、上記推定回転速度に基づいて磁束振幅指令として出力するので、交流回転機1の回転位置を検出するセンサなしで交流回転機1を可変速制御することができる効果がある。
なお、以上では、アクチュエータ制御手段14は、アクチュエータ2の回転速度を検出しこれがアクチュエータ速度指令に一致するように制御するとしているが、必ずしも回転速度検出器を設ける必要はない。即ち、例えば、アクチュエータ2の駆動を直流回転機で行う場合、その回転速度制御は、回転速度が端子電圧の大きさに比例することを利用して、端子電圧の大きさを変化させるだけで実現できる。また、誘導機を使用する場合のその回転速度制御は、誘導機の電圧振幅と周波数とが概ね比例することを利用して、V/f一定制御として知られている可変周波数制御で実現できる。従って、この発明は、アクチュエータ2として、直流回転機やV/f一定制御を利用した誘導機など、位相差検出不要な安価なものを適用することができる効果がある。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、アクチュエータ速度指令の絶対値が所定の大きさを超えた場合、電流指令演算器13が磁束振幅偏差を増幅して回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流指令を出力するようにしたが、アクチュエータ2のアクチュエータ速度がアクチュエータ速度指令に十分追従できるようなアクチュエータ制御手段14を備えれば、電流指令演算器13を省いても良い。
以下、この発明の実施の形態2を図10に基づいて説明する。図10において、アクチュエータ速度指令演算手段9aは、磁束推定器10と減算器11と速度指令演算器12とから構成する。また、電圧指令演算手段5に入力するd軸電流指令は常に零である。なお、その他の構成は、実施の形態1と同一のものであり、その説明を省略する。
本実施の形態2では、d軸電流指令を演算する電流指令演算器13が不要となるので、その分、演算内容が簡便となる。
また、d軸電流を常に零としたので、電圧指令演算手段5に入力される電流指令は速度制御手段16が出力する回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流指令だけとなる。交流回転機1に発生する電流は、d軸電流とq軸電流との二乗の平方根であり、d軸電流を零とすれば、交流回転機1に発生する電流を最小にする効果が得られる。
実施の形態3.
先の各実施の形態例で示した速度指令演算器12は、磁束振幅指令と磁束振幅偏差とに基づいて、アクチュエータ2が動作すべき速度アクチュエータ速度指令を演算していたが、磁束振幅指令の代わりに、磁束推定器10が出力する推定磁束振幅を用いても良い。
以下、この発明の実施の形態3を図11に基づいて説明する。図11において、速度指令演算器12bは、磁束推定器10が出力する推定磁束振幅と減算器11が出力する磁束振幅偏差とに基づいて、アクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令を演算する。なお、その他の構成は、実施の形態1と同一のものであり、その説明を省略する。
この実施の形態3では、磁束振幅指令に推定磁束振幅が十分高い応答で追従している場合、磁束振幅指令と推定磁束振幅とは等しいので、磁束振幅指令に代わって、推定磁束振幅を使用しても同じ効果が得られる。加えて、磁束振幅指令を推定磁束振幅に代えることにより、磁束振幅指令に対する推定磁束振幅の応答に遅れがある場合でも、速度指令演算器12b内部のゲインテーブルは、推定磁束振幅に応じたゲインを可変出力するので、推定磁束振幅の応答を一定に保つ効果を得ることができる。
実施の形態4.
先の実施の形態1、2で示した速度指令演算器12は、磁束振幅指令と磁束振幅偏差とに基づいて、アクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令を演算していたが、磁束振幅偏差を増幅してアクチュエータ2が動作すべき速度アクチュエータ速度指令を演算しても良い。
以下、この発明の実施の形態4を図12に基づいて説明する。図12において、速度指令演算器12cは、減算器11が出力する磁束振幅偏差に基づいて、アクチュエータ2が動作すべき速度アクチュエータ速度指令を演算する。なお、その他の構成は、実施の形態1と同一のものであり、その説明を省略する。
速度指令演算器12cは、磁束振幅偏差を増幅し、アクチュエータ速度指令として出力する。速度指令演算器12cは、入力を比例演算して出力しても良いし、比例積分して出力しても良い。
なお、本実施の形態4で示した速度指令演算器12cは、先の実施の形態で説明した、磁束振幅の大小に拘わらず同じ磁束振幅制御応答を保つ効果は得ることができないが、それ以外については、先の実施の形態1、2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
先の実施の形態1〜3で示した速度指令演算器12は、磁束振幅指令または推定磁束振幅と磁束振幅偏差とに基づいて、アクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令を演算することで、磁束振幅の大小に拘わらず同じ磁束振幅制御応答を保つ効果を得るようにしていたが、この実施の形態5は、同じ効果を得られる更なる変形例である。
以下、この発明の実施の形態5を図13に基づいて説明する。図13において、アクチュエータ速度指令演算手段9dは、磁束振幅指令に基づいてアクチュエータ2が存在すべき位置指令を演算する位置指令演算器501と、検出電流と電圧指令とに基づいて推定磁束振幅を演算する磁束推定器10と、この推定磁束振幅に基づいてアクチュエータ2の推定位置(推定位相差Δθ)を演算する位置推定器502と、この位置指令とこの推定位置との偏差を増幅してアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算器12dとによって構成する。
速度指令演算器12dは、入力を比例演算して出力しても良いし、比例積分して出力しても良い。なお、その他の構成は、実施の形態1と同一のものであり、その説明を省略する。
図14は、位置指令演算器501が磁束振幅指令に基づいてアクチュエータ2が存在すべき位置指令(位相差指令Δθ)を演算するためのテーブルである。このテーブルは、図5に示した磁束振幅とΔθとの関係から求めることができる。
図15は、位置推定器502がアクチュエータ2の推定位置(推定位相差Δθ)を演算するためのテーブルである。このテーブルも、図14と同様の関係から求めることができる。
本実施の形態5では、以上の構成にしたことにより、磁束振幅指令を位置指令に一旦変換して制御することができるので、磁束振幅の大小に拘わらず、同じ磁束振幅制御応答を保つ効果を得ることができる。
実施の形態6.
先の各実施の形態例におけるアクチュエータ速度指令演算手段9は、検出電流と電圧指令と磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力していたが、アクチュエータ速度指令演算手段9内の磁束推定器10は、誘起電圧が小さい低速領域では、推定回転速度の演算精度が低下することが知られている。
そこで、交流回転機1の回転速度を検出する回転速度検出手段601を新たに備え、アクチュエータ速度指令演算手段9は、この回転速度検出手段601から得た回転速度も利用してアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力しても良い。
以下、この事例をこの発明の実施の形態6として図16に基づいて説明する。図16において、回転速度検出手段601は、交流回転機1の回転速度を検出し、アクチュエータ速度指令演算手段9eは、回転速度検出手段601から得た回転速度と検出電流と電圧指令と磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力するとともに、交流回転機1の推定磁束位相を出力する。
磁束推定器10eは、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令と、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流と、回転速度検出手段601から得た回転速度とに基づいて、推定磁束振幅と推定磁束位相を出力する。
先の実施の形態1等に示した磁束指令演算手段15は、推定回転速度に基づいて磁束振幅指令を出力していたが、本実施の形態6に示す磁束指令演算手段15eは、推定回転速度の代わりに回転速度検出手段601から得た回転速度に基づいて磁束振幅指令を出力する。
先の実施の形態1等に示した速度制御手段16では、減算器17は、回転速度指令からアクチュエータ速度指令演算手段9から得た推定回転速度を減算して速度偏差を算出し、この速度偏差を増幅した値を回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流指令として出力していたが、本実施の形態6に示す速度制御手段16eでは、減算器17eは、回転速度指令から回転速度検出手段601で得た回転速度を減算して速度偏差を算出し、この速度偏差を増幅した値を回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流指令として出力する。なお、その他の構成は、実施の形態1と同一のものであり、その説明を省略する。
図17は、磁束推定器10eの内部構成を示す図である。
電圧ベクトル演算器701は、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令を
Figure 2008005604
として出力する。電流ベクトル演算器702は、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流を
Figure 2008005604
として出力する。加減算器703は、電圧ベクトル演算器701が出力する電圧ベクトルと、後述する行列ゲイン演算器708が出力する、
Figure 2008005604
と、後述する行列ゲイン演算器709が出力する
Figure 2008005604
とのベクトル和を算出する。積分器704は、加減算器703が出力するベクトルを積分して、
Figure 2008005604
を出力する。
この磁束ベクトルは、交流回転機1の回転二軸座標(d−q軸)上の推定d軸電機子反作用^φds、推定q軸電機子反作用^φqs、推定磁束振幅^φdrから成るベクトルである。行列ゲイン演算器705は、上記磁束ベクトルに
Figure 2008005604
を乗算して
Figure 2008005604
を出力する。この行列ゲイン演算器705の演算で用いる所定の行列は、交流回転機1のインダクタンス値Lに基づく要素から成る。
減算器706は、この推定電流ベクトルから電流ベクトル演算器702から得た電流ベクトルを減算し、
Figure 2008005604
を出力する。
行列ゲイン演算器707は、上記磁束ベクトルに
Figure 2008005604
を乗算し推定磁束振幅^φdrを抽出する。行列ゲイン演算器708は、上記磁束ベクトルに、回転速度検出手段601から得た回転速度ωrと、後述する一次周波数ωと交流回転機1の抵抗RとインダクタンスLとに基づいた
Figure 2008005604
を乗算した結果を先の状態ベクトルとして、加減算器703に出力する。行列ゲイン演算器709は、減算器706から得た上記電流偏差ベクトルに対して
Figure 2008005604
を乗算する。ここで、h11,h12,h21,h22,h31,h32は、回転速度検出手段601から得た回転速度ωrによって定まる関数である。行列ゲイン演算器709の乗算結果は、先の偏差ベクトルとして加減算器703に出力する。位相演算器710は、回転速度検出手段601から得た回転速度ωrと、上記電流偏差ベクトルと推定磁束振幅とに基づいて、一次周波数ωと推定磁束位相θを次式に従って演算する。
Figure 2008005604
本実施の形態6では、以上の構成にしたことにより、交流回転機1の回転速度検出手段601を備え、アクチュエータ速度指令演算手段9eは、この回転速度検出手段601から得た回転速度も利用してアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力する。
即ち、交流回転機1の回転速度を検出する回転速度検出手段601を備え、アクチュエータ速度指令演算手段9e内の磁束推定器10eは、この回転速度検出手段601から得た回転速度も利用して推定磁束と推定位相を演算するので、低速域での演算精度を確保することができ、誘起電圧が大きく高回転域でΔθが変化しても軸ずれすることなく、交流回転機1を駆動できる効果がある。
実施の形態7.
この実施の形態7では、交流回転機1の回転位置を検出する位置検出手段801と、この位置検出手段801から得られた位置に基づいて回転速度を演算する回転速度演算手段802とを備え、アクチュエータ速度指令演算手段9fは、回転速度演算手段801から得た回転速度と検出電流と電圧指令と磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力するようにしている。
以下、この発明の実施の形態7を図18に基づいて説明する。図18において、位置検出手段801は、交流回転機1の回転位置を検出し、回転速度演算手段802は、位置検出手段801から得られた回転位置に基づいて回転速度を演算する。
アクチュエータ速度指令演算手段9fは、回転速度演算手段802から得た回転速度と回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流と回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令と磁束指令演算手段15eが出力する磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力する。
アクチュエータ速度指令演算手段9f内部には、磁束指令に基づいてアクチュエータ2が存在すべき位置指令を演算する位置指令演算器501を備えている。この位置指令演算器501は、先の実施の形態5の図13の位置指令演算器501と同じ、アクチュエータ2が存在すべき位置指令をゲイン803に出力する。ゲイン803は、位置指令演算器501が出力する位置指令に所定の係数を乗算する。この所定の乗算は、交流回転機1の固定子101、102の軸方向の長さ比で定め、固定子101、102の軸方向の長さ比が1:nであれば、ゲイン803は位置指令演算器501が出力する位置指令を1/(1+n)倍する。
例えば、固定子101、102の軸方向の長さ比が1:1であれば、ゲイン803はアクチュエータ2が存在すべき位置指令を1/2倍し、軸方向の長さ比が1:2であれば、ゲイン803はアクチュエータ2が存在すべき位置指令を1/3倍する。
加算器804は、ゲイン803の出力に位置検出手段801から得られた回転位置を加算する。電圧指令演算手段5f内部の座標変換器8fは、推定磁束位相の代わりに加算器804の出力に基づいて座標変換を行う。同様に、座標変換器6fも推定磁束位相の代わりに加算器804の出力に基づいて座標変換を行う。
このように構成しても、先の実施の形態例と同様に、第1の固定子101と第2の固定子102との位相差Δθを検出して回転子磁束の磁束振幅を算出する必要がなく、位相差Δθを検出するための位置センサを用いることなく、交流回転機1の回転子磁束の磁束振幅を所望の値に制御できる効果がある。また、磁束推定器10eは、推定磁束位相の演算が不要になるので、その分、その演算構成が簡便となる利点がある。
実施の形態8.
先の実施の形態7で示したアクチュエータ速度指令演算手段9fは、回転速度演算手段802から得た回転速度と回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流およびq軸電流と回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電圧指令およびq軸電圧指令と磁束指令演算手段15eが出力する磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力していたが、この実施の形態8では、d軸電流指令を零とし、アクチュエータ速度指令演算手段9gは、回転速度演算手段802から得た回転速度と回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流と回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電圧指令と磁束指令演算手段15eが出力する磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力するようにしている。
以下、この発明の実施の形態8を図19に基づいて説明する。アクチュエータ速度指令演算手段9gは、回転速度演算手段802から得た回転速度と回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流と回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電圧指令と磁束指令演算手段15eが出力する磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力する。アクチュエータ速度指令演算手段9g内部の磁束推定器10gは、回転速度演算手段802から得た回転速度と回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電流と回転二軸座標(d−q軸)上のq軸電圧指令と磁束指令演算手段15eが出力する磁束振幅指令とに基づいて、推定磁束振幅を演算する。
磁束推定器10gは、d軸電流が零であることを利用して推定磁束振幅の演算を簡素化したものである。
d軸電流が零として、定常状態を考えた場合、q軸電圧とq軸電流、磁束振幅の間には次式が成り立つ。
q軸電圧=電機子抵抗値R×q軸電流+回転角速度×磁束振幅
この関係を利用して、磁束推定器10gでは次式の演算により推定磁束振幅の演算を行う。
推定磁束振幅=(q軸電圧指令−R×q軸電流)÷回転角速度
図20に、磁束推定器10gの内部構成を具体的に示す。図20において、ゲイン演算器901は、q軸電流に交流回転機1の電機子抵抗値Rを乗算する。減算器902は、q軸電圧指令から、ゲイン演算器901で得られた、q軸電流による抵抗Rの電圧降下分を減算する。制限器903は、除算器904が零で除算することを防ぐために、回転速度の絶対値が零近傍の場合は、所定値を出力し、零近傍以外では、回転速度を出力する。除算器904は、減算器902の出力を制限器903の出力で除算し、推定磁束振幅として出力する。
この構成により、アクチュエータ速度指令演算手段9gは、検出電流と電圧指令とに基づいて推定磁束振幅を演算する磁束推定器10gと、減算器11が出力する推定磁束振幅と磁束振幅指令との偏差に基づいてアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算器12cを備えるので、第1の固定子101と第2の固定子102との位相差Δθを検出して回転子磁束の磁束振幅を算出する必要がなく、位相差Δθを検出するための位置センサを用いることなく、交流回転機1の回転子磁束の磁束振幅を所望の値に制御できる効果がある。また、磁束推定器10gは、その演算構成が簡便となる利点がある。
実施の形態9.
先の各実施の形態例では、回転速度指令に基づいて交流回転機1の制御を行っていたが、トルク指令に基づいて交流回転機1の制御を行っても良い。以下、この発明の実施の形態9を図21に基づいて説明する。
交流回転機1のトルクと磁束とq軸電流との間には次式が成り立つ。
交流回転機1のトルク=(交流回転機1の極対数)×磁束×q軸電流
トルク指令に基づいて交流回転機1の制御を行う場合、この関係を利用した次式に従ってq軸電流指令を計算しても良い。
q軸電流指令=交流回転機1のトルク指令÷{(交流回転機1の極対数)×磁束振幅指令}
以上に従い、ゲイン演算器1001は、トルク指令に対して交流回転機1の極対数の逆数を乗算し、除算器1002は、ゲイン演算器1001の出力を磁束振幅指令で除算し、q軸電流指令として出力する。
この構成により、先の実施の形態例と同様の効果を得ながら、トルク指令に基づいて交流回転機1の制御を行なうことができる。
実施の形態10.
先の実施の形態例で示したアクチュエータ速度指令演算手段は、検出電流と電圧指令と磁束振幅指令とに基づいてアクチュエータ2が動作すべきアクチュエータ速度指令をアクチュエータ制御手段14に出力するようにしていたが、この検出電流の代わりに電流指令を用いても良い。
以下、この発明の実施の形態10を図22に基づいて説明する。
先の実施の形態9で示したアクチュエータ速度指令演算手段9gは、q軸電流とq軸電圧指令と回転速度とを入力としていたが、図22のアクチュエータ速度指令演算手段9hは、q軸電流の代わりにq軸電流指令を用いる。
電圧指令演算手段5fは、q軸電流指令にq軸電流が一致するように制御しているので、q軸電流の代わりにq軸電流指令を用いても、アクチュエータ速度指令演算手段9gと同様の効果を得ることができる。加えて、q軸電流は電流検出手段4での検出に起因するノイズが含まれ得るが、q軸電流指令にはそのノイズが含まれないので、磁束推定器10hが出力する推定磁束振幅に含まれるノイズも低減する効果が得られる。
実施の形態11.
先の各上記実施の形態例の交流回転機1は、軸方向に2分割された第1の固定子101と第2の固定子102とを備えていたが、径方向に2分割された第1の固定子101iと第2の固定子102iとを備えていても良い。
本実施の形態11の交流回転機1iおよびアクチュエータ2iについて、図23に基づいて説明する。
図23において、交流回転機1iは、径方向に2分割された第1の固定子101iと第2の固定子102iとを備える。
この第1、第2の固定子101i、102iは、それぞれコイルが設けられており、軸方向外部にコイルエンド104が存在している。アクチュエータ2iは、補助回転機106iとギア107iとで構成し、ギア107iによって固定子101iを円周方向に回転させる。ギア107iの形状は、図23に示した交差軸でも良いし、平行軸や食い違い軸の形状でも良い。また、第1の固定子101iの円周方向移動は、交流回転機1の電気角相当値で0度から180度の範囲に制限するようにストッパー(図示せず)を設けている。
この交流回転機1iの側面図を図24に示す。図24において、第1の固定子101iと第2の固定子102iとの間に位相差Δθを有するよう、第1の固定子101iを円周方向に移動させるアクチュエータ2iを有している。固定子101i、102iのコイル(図示せず)は、直列結線か或いは並列結線する。
このように、先の各実施の形態例で示した交流回転機1の代わりに、本実施の形態11で示した交流回転機1iを用いても、先の実施の形態例と同様の効果が得られることは言うまでもない。なお、固定子を軸方向に並べた回転機はコイルエンド104が軸方向に4箇所現れるが、この実施の形態11のように、固定子を径方向に並べた回転機では、コイルエンド104が軸方向に2箇所現れるだけなので、回転機の軸長を短くすることができるという利点がある。
なお、先の各実施の形態例では、交流回転機1の固定子を2つに分割し、その内の一方の固定子をアクチュエータ2で駆動することで、固定子に誘起する電圧を調整するようにしたが、固定子を3個以上に分割し、少なくともその1個の固定子をアクチュエータで駆動するようにしても、同様に誘起電圧を調整することが出来、従って、本願発明を同様に適用することが出来、同等の効果を奏する。
更なる変形例として、交流回転機1の回転子を少なくとも2個に分割し、少なくともその1個の回転子を他の回転子との周方向の相対位置である位相差が可変となるように構成し、分割された回転子の少なくとも1個をアクチュエータで駆動するようにしても、原理上は、以上で説明した固定子分割の場合と同様、誘起電圧の調整が可能となり、従って、本願発明を同様に適用することが出来、同等の効果を奏する。固定子と回転子の両者を分割してそれぞれにアクチュエータを設けて駆動するようにしても良い。
また、先の各実施の形態例では、交流回転機1の回転子に永久磁石を使用したものについて説明したが、本願発明は、永久磁石を使用しないものにも適用できることは勿論である。
また、この発明の各変形例において、速度指令演算手段は、磁束振幅指令と推定磁束振幅との偏差を入力とし、当該偏差入力に少なくとも比例演算を施しアクチュエータ速度指令として出力することで、推定磁束振幅に磁束振幅指令が確実に追従する制御特性が得られる。
また、速度指令演算手段は、その制御ゲインを磁束振幅指令に応じて調整する構成とすることにより、アクチュエータの制御応答が磁束振幅の大小に拘わらず一定となるようにしたことで、より円滑な制御特性が得られる。
また、速度指令演算手段は、その制御ゲインを推定磁束振幅に応じて調整する構成とすることにより、アクチュエータの制御応答が磁束振幅の大小に拘わらず一定となるようにしたことで、より円滑な制御特性が得られる。
また、磁束振幅指令に基づき上記位相差の取るべき値を演算し位置指令として出力する位置指令演算器、および推定磁束振幅に基づき位相差の取るべき値を演算し推定位置として出力する位置推定器を備え、速度指令演算手段は、位置指令と推定位置との偏差を入力とし、当該偏差入力に少なくとも比例演算を施しアクチュエータ速度指令として出力することで、アクチュエータの制御応答が磁束振幅の大小に拘わらず一定となり、より円滑な制御特性が得られる。
また、交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、交流回転機の電流を検出する電流検出手段、および所望の電流指令と電流検出手段から得た検出電流とに基づき電圧印加手段が印加すべき電圧指令を出力する電圧指令演算手段を備え、
磁束推定手段は、検出電流と電圧指令とに基づき磁束振幅と回転速度を推定演算することで、速度指令演算が確実になされる。
また、交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、交流回転機の電流を検出する電流検出手段、所望の電流指令と電流検出手段から得た検出電流とに基づき電圧印加手段が印加すべき電圧指令を出力する電圧指令演算手段、および交流回転機の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
磁束推定手段は、検出電流と電圧指令とに基づき磁束振幅を推定演算し、磁束指令演算手段は、回転速度検出手段から得た回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算することで、簡便な演算構成で速度指令演算が確実になされる。
また、交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、交流回転機の電流を検出する電流検出手段、所望の電流指令と電流検出手段から得た検出電流とに基づき電圧印加手段が印加すべき電圧指令を出力する電圧指令演算手段、交流回転機の回転位置を検出する回転位置検出手段、および回転位置検出手段から得た回転位置に基づき回転速度を演算する回転速度演算手段を備え、
磁束推定手段は、検出電流と電圧指令とに基づき磁束振幅を推定演算し、磁束指令演算手段は、回転速度演算手段から得た回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算することで、簡便な演算構成で速度指令演算が確実になされる。
また、電圧指令、電流指令および検出電流を回転二軸座標(d−q軸)上で制御する場合であって、
磁束振幅指令と推定磁束振幅との偏差および上記アクチュエータ速度指令を入力し、アクチュエータ速度指令が所定の上限値を越えたとき、交流回転機の誘起電圧を抑制するためのd軸電流指令を電圧指令演算手段に出力する電流指令演算器を備えたことで、アクチュエータの速度がその速度指令に追従できない場合にも交流回転機の誘起電圧を所望の範囲に収めることが出来る。
また、回転子は、永久磁石を備えたことで、高速回転域で誘起電圧が過大となりやすい永久磁石使用の交流回転機に本願発明が適用され、その効果が一層有益となる。
本発明の実施の形態1による交流回転機の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における交流回転機1およびアクチュエータ2の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における固定子101、102を示す側面図である。 回転速度と磁束振幅指令との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1において、第1の固定子101と第2の固定子102との位相差Δθと交流回転機1の回転子磁束の磁束振幅との関係をプロットした図である。 本発明の実施の形態1による交流回転機1における速度指令演算器12の内部構成を示す図である。 図6の速度指令演算器12において、ゲインテーブル301が磁束振幅指令に基づいて出力するゲインをプロットした図である。 本発明の実施の形態1による交流回転機1における電流指令演算器13の内部構成を示した図である。 図8の電流指令演算器13において、ゲインテーブル401がアクチュエータ速度指令に基づいて出力するゲインをプロットした図である。 本発明の実施の形態2による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 図13の位置指令演算器501が磁束振幅指令に基づいてアクチュエータ2が存在すべき位置指令(位相差指令Δθ*)を演算するためのテーブルである。 図13の位置推定器502がアクチュエータ2の推定位置(推定位相差Δθ)を演算するためのテーブルである。 本発明の実施の形態6による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 図16の磁束推定器10eの内部構成を示す図である。 本発明の実施の形態7による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態8による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 図19の磁束推定器10gの内部構成を示す図である。 本発明の実施の形態9による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態10による交流回転機1の制御装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態11による交流回転機1の制御装置の交流回転機1iおよびアクチュエータ2iの構成を示した図である。 図23の交流回転機1iおよびアクチュエータ2iの側面について示した図である。
符号の説明
1,1i 交流回転機、2,2i アクチュエータ、
3 PWMインバータ(電圧印加手段)、4 電流検出手段、5 電圧指令演算手段、
7 電流制御器、
9,9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h, アクチュエータ速度指令演算手段、
10,10e,10g,10h 磁束推定器、11 減算器、
12,12b,12c,12d 速度指令演算器、13 電流指令演算器、
14 アクチュエータ制御手段、15 磁束指令演算手段、
16,16a 速度制御手段、101,101i 第1の固定子、
102,102i 第2の固定子、103 回転子、301 ゲインテーブル、
401 ゲインテーブル、501 位置指令演算器、502 位置推定器、
601 回転速度検出手段、801 位置検出手段、802 回転速度演算手段。

Claims (10)

  1. コイルが巻回された固定子と、回転子とを備え、
    上記固定子および回転子のいずれか一方または双方が、少なくとも2つに分割され少なくともその1つと他との周方向の相対位置である位相差が可変となるよう構成された交流回転機の制御装置であって、
    上記分割された固定子または回転子の少なくとも1つを駆動することにより上記回転子に基づき上記固定子のコイルに誘起する電圧を調整するアクチュエータ、上記交流回転機の回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算する磁束指令演算手段、上記交流回転機の推定磁束振幅を演算する磁束推定手段、上記推定磁束振幅が上記磁束振幅指令に追従するよう上記アクチュエータのアクチュエータ速度指令を演算する速度指令演算手段、および上記アクチュエータ速度指令に基づき上記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御手段を備えたことを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 上記速度指令演算手段は、上記磁束振幅指令と上記推定磁束振幅との偏差を入力とし、当該偏差入力に少なくとも比例演算を施し上記アクチュエータ速度指令として出力することを特徴とする請求項1記載の交流回転機の制御装置。
  3. 上記速度指令演算手段は、その制御ゲインを上記磁束振幅指令に応じて調整する構成とすることにより、上記アクチュエータの制御応答が磁束振幅の大小に拘わらず一定となるようにしたことを特徴とする請求項2記載の交流回転機の制御装置。
  4. 上記速度指令演算手段は、その制御ゲインを上記推定磁束振幅に応じて調整する構成とすることにより、上記アクチュエータの制御応答が磁束振幅の大小に拘わらず一定となるようにしたことを特徴とする請求項2記載の交流回転機の制御装置。
  5. 上記磁束振幅指令に基づき上記位相差の取るべき値を演算し位置指令として出力する位置指令演算器、および上記推定磁束振幅に基づき上記位相差の取るべき値を演算し推定位置として出力する位置推定器を備え、上記速度指令演算手段は、上記位置指令と上記推定位置との偏差を入力とし、当該偏差入力に少なくとも比例演算を施し上記アクチュエータ速度指令として出力することを特徴とする請求項1記載の交流回転機の制御装置。
  6. 上記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、上記交流回転機の電流を検出する電流検出手段、および所望の電流指令と上記電流検出手段から得た検出電流とに基づき上記電圧印加手段が印加すべき電圧指令を出力する電圧指令演算手段を備え、
    上記磁束推定手段は、上記検出電流と電圧指令とに基づき上記磁束振幅と回転速度を推定演算することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の交流回転機の制御装置。
  7. 上記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、上記交流回転機の電流を検出する電流検出手段、所望の電流指令と上記電流検出手段から得た検出電流とに基づき上記電圧印加手段が印加すべき電圧指令を出力する電圧指令演算手段、および上記交流回転機の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
    上記磁束推定手段は、上記検出電流と電圧指令とに基づき上記磁束振幅を推定演算し、上記磁束指令演算手段は、上記回転速度検出手段から得た回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の交流回転機の制御装置。
  8. 上記交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段、上記交流回転機の電流を検出する電流検出手段、所望の電流指令と上記電流検出手段から得た検出電流とに基づき上記電圧印加手段が印加すべき電圧指令を出力する電圧指令演算手段、上記交流回転機の回転位置を検出する回転位置検出手段、および上記回転位置検出手段から得た回転位置に基づき回転速度を演算する回転速度演算手段を備え、
    上記磁束推定手段は、上記検出電流と電圧指令とに基づき上記磁束振幅を推定演算し、上記磁束指令演算手段は、上記回転速度演算手段から得た回転速度に基づき所望の磁束振幅指令を演算することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の交流回転機の制御装置。
  9. 上記電圧指令、電流指令および検出電流を回転二軸座標(d−q軸)上で制御する場合であって、
    上記磁束振幅指令と上記推定磁束振幅との偏差および上記アクチュエータ速度指令を入力し、上記アクチュエータ速度指令が所定の上限値を越えたとき、上記交流回転機の誘起電圧を抑制するためのd軸電流指令を上記電圧指令演算手段に出力する電流指令演算器を備えたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の交流回転機の制御装置。
  10. 上記回転子は、永久磁石を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の交流回転機の制御装置。
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