JP6981272B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石式の交流電動機の制御装置に関する。
従来、永久磁石式の交流電動機の制御装置において、永久磁石の磁束を推定する技術が知られている。例えば特許文献1に開示された突極型永久磁石モータの制御装置は、q軸電圧のセンサ値に基づいて永久磁石の磁束を推定し、減磁故障の検出やトルク誤差の補正をする。
特許第2943657号公報
ここで、特定の交流電動機での基準状態における永久磁石の磁束を基準磁束と定義し、永久磁石の磁束の基準磁束に対する差分を磁束変化量と定義する。特許文献1の従来技術を応用すれば、q軸電圧のセンサ値を用いて磁束変化量を推定することができる。
特許文献1の従来技術に対しq軸電圧のセンサ値に代えて電圧指令値を用いることで、センサを廃止することができる。しかし、電圧指令値と、インバータ等の電力変換器から交流電動機に実際に印加される実電圧との間には電圧ずれが生じる。例えば、インバータを構成する同相の上下アームのスイッチング素子が同時にOFFする期間であるデッドタイムや、スイッチング素子の電圧降下等が電圧指令値と実電圧とのずれの要因となる。このような電圧指令値と実電圧とのずれにより、q軸電圧指令値を用いて磁束変化量を推定したとき、推定値に誤差が生じる。
また、特許文献1の従来技術では磁束推定にq軸電圧のみを用いd軸電圧を用いていない。そのため、電圧センサの検出誤差や、機器定数であるインダクタンスの変化等の影響を受けやすく、推定精度が低下するおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、電圧指令値に基づいて磁束変化量を精度良く推定する交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明による交流電動機の制御装置は、永久磁石式の交流電動機(80)の通電を制御する制御装置であって、電圧指令演算部(24)と、電力変換器(62)と、磁束変化量推定部(30)と、を備える。電圧指令演算部は、交流電動機に対するトルク指令に基づいて電圧指令値(Vd*、Vq*)を演算する。電力変換器は、電圧指令値に基づいて直流電力を交流電力に変換し、交流電動機に供給する。
所定の基準状態における交流電動機の永久磁石の磁束を「基準磁束(φstd)」と定義すると、磁束変化量推定部は、永久磁石の磁束の基準磁束に対する差分である「磁束変化量(Δφ)」を推定する。磁束変化量推定部は、電圧指令補正部(31)と、基準電圧演算部(37)と、磁束変化量推定値演算部(38)と、を有する。
電圧指令補正部は、電圧指令値と交流電動機に実際に印加される実電圧との間に生じる電圧誤差を低減するように、d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を補正し、d軸補正後電圧指令値及びq軸補正後電圧指令値(Vd**、Vq**)を出力する。
基準電圧演算部は、交流電動機の電気角速度及び電流に基づいて、基準状態で交流電動機に印加されるd軸基準電圧(Vd_std)及びq軸基準電圧(Vq_std)を演算する。磁束変化量推定値演算部は、d軸補正後電圧指令値に対するq軸補正後電圧指令値の比をd軸基準電圧に乗じてq軸実電圧推定値([Vq])を算出し、q軸実電圧推定値とq軸基準電圧との差に基づいて、磁束変化量を推定する。
本発明は、電圧指令補正部により、電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を低減するように電圧指令値を補正することで、センサ値を用いることなく、q軸実電圧を精度良く推定することができる。また、磁束変化量推定値演算部は、q軸電圧に加えてd軸電圧の情報を用いて磁束変化量を推定するため、センサ値や機器定数等のずれによる推定誤差への影響を小さくすることができる。具体的に電圧指令補正部は、次のように構成されることで実電圧を精度良く推定することができる。
(1)電力変換器は、複数相の上下アームのスイッチング素子(63−68)がブリッジ接続されて構成されており、電圧指令補正部はデッドタイム補正部(32)を含む。デッドタイム補正部は、同相の上下アームのスイッチング素子が同時にOFFする期間であるデッドタイムにより、電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を補正する。好ましくは、デッドタイム補正部は、交流電動機の電流振幅もしくはトルク指令値、電力変換器の温度に基づいて、或いは電力変換器の変調方式に応じて、電圧指令値の補正値を変化させる。
(2)電圧指令補正部は電圧降下補正部(36)を含む。電圧降下補正部は、電力変換器を構成するスイッチング素子の直流電圧降下により、電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を補正する。好ましくは、電圧降下補正部は、電力変換器の温度に基づいて、電圧指令値の補正値を変化させる。
一実施形態のMG制御装置が適用されるMG駆動システムの全体構成図。 一実施形態によるMG制御装置の制御ブロック図。 磁束変化量推定部の制御ブロック図。 (a)スイッチング素子の動作を示す図、(b)電圧誤差を説明する図。 三相変調用デッドタイム補正部の実装例の図。 スイッチング素子のON遅れ、OFF遅れ、デッドタイムの関係を示す図。 (a)電流−デッドタイム、(b)トルク指令−電流振幅の関係を示す図。 (a)ON遅れ、(b)OFF遅れ、(c)デッドタイムの温度特性図。 (a)変調方式に応じたデッドタイム補正部の実装例の図、(b)変調方式の切替領域を示すN−T図。 (a)二相変調用デッドタイム補正部の実装例の図、(b)パルスパターン用デッドタイム補正部の実装例の図。 (a)還流ダイオードの電圧降下、(b)スイッチング素子の電圧降下を示す特性図。 電圧降下補正部の実装例の図。 電圧降下の温度特性図。 基準電圧演算部の実装例の図。 d軸電圧及びq軸電圧に基づく磁束変化量の推定を説明する図(1)。 d軸電圧及びq軸電圧に基づく磁束変化量の推定を説明する図(2)。 スイッチング素子のOFF遅れに対する電圧位相の補正を説明する図。 従来技術に基づく磁束変化量の推定を説明する図。
以下、交流電動機の制御装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源であるモータジェネレータ(以下「MG」)を駆動するシステムにおいて、永久磁石式の交流電動機であるMGの通電を制御する装置である。実施形態の「MG」及び「MG制御装置」は、「交流電動機」及び「交流電動機の制御装置」に相当する。
(一実施形態)
図1を参照し、MG駆動システム90の全体構成について説明する。図1においてMG制御装置20は、一般的な構成に係る部分のみを示し、後述する本実施形態に特有の構成に係る記載を省略する。MG制御装置20は、主に電圧指令演算部24、変調器61及びインバータ62を備える。MG80は、永久磁石式同期型三相交流電動機である。基本的にはIPMSM(埋込永久磁石型同期モータ)を想定するがSPMSM(表面永久磁石型同期モータ)であってもよい。本実施形態のMG80は、ハイブリッド自動車の駆動輪を駆動するトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジンや駆動輪から伝達されるトルクを発電によってエネルギー回収する発電機としての機能を兼ね備える。
電流センサ70は、MG80の三相巻線81、82、83のうち二相又は三相に流れる相電流Iu、Iv、Iwを検出する。なお、二相の電流を検出する構成では、他の一相の電流は、キルヒホッフの法則により算出される。回転角センサ85は、レゾルバ等の回転角センサであり、MG80の電気角θを検出する。
「電力変換器」としてのインバータ62は、上下アームの6つのスイッチング素子63−68がブリッジ接続されている。詳しくは、スイッチング素子63、64、65は、それぞれU相、V相、W相の上アームのスイッチング素子であり、スイッチング素子66、67、68は、それぞれU相、V相、W相の下アームのスイッチング素子である。スイッチング素子63−68は、例えばIGBTで構成され、低電位側から高電位側へ向かう電流を許容する還流ダイオードが並列に接続されている。IGBT及び還流ダイオードは、パワーカードの形態で構成されてもよい。
また、本実施形態では、インバータ温度T_invを検出する温度センサ76が基板等に設けられている。インバータ温度T_invは、各スイッチング素子63−68の温度として扱われる。ただし、個々のスイッチング素子の温度が感温ダイオード等により検出されてもよい。
平滑コンデンサ15は、インバータ62の入力部に設けられ、バッテリ10から入力される直流電圧Vdcを平滑化する。なお、バッテリ10とインバータ62との間に昇圧コンバータが設けられてもよい。インバータ62は、MG制御装置20から指令されるスイッチングパルス(図中「SWパルス」)信号に従ってスイッチング素子63−68が動作することで、直流電力を三相交流電力に変換する。そして、インバータ62は、三相電圧Vu、Vv、VwをMG80の各相巻線81、82、83に印加する。
MG制御装置20の電圧指令演算部24及び変調器61は、マイコン等により構成され、図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を内部に備えている。マイコンは、ROM等の実体的なメモリ装置(すなわち、読み出し可能非一時的有形記録媒体)に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理による制御を実行する。
電圧指令演算部24は、図示しない上位ECUからのトルク指令Trq*、並びに、電流センサ70及び回転角センサ85からフィードバックされる相電流Iu、Iv、Iw、電気角θの情報に基づいて、MG80に印加する電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。変調器61は、直流電圧Vdc、電圧指令値Vd*、Vq*、電気角θ等に基づいてスイッチングパルス信号を生成し、インバータ62のスイッチング素子63−68に指令する。
MG制御装置20の構成について、図2を参照して説明する。図2では、電流フィードバック制御により電圧指令値を演算する構成を例示するが、トルクフィードバック制御により電圧指令値を演算する方式に適用されてもよい。MG制御装置20は、一般的な電流フィードバック制御の構成として、電圧指令演算部24、dq変換部29、変調器61、インバータ62、角速度演算部86等を含む。また、MG制御装置20は、本実施形態に特有の構成として磁束変化量推定部30を含む。なお、回転座標系のdq座標を用いるベクトル制御は周知技術であり、MG制御装置20の制御演算に用いられる電圧、電流は、特にことわらない限り、dq軸の電圧、電流を表すものとする。
電圧指令演算部24は、電流指令演算部21、電流偏差算出部22、制御器23を含む。電流指令演算部21は、トルク指令Trq*に基づいて、電流指令値Id*、Iq*を演算する。電流偏差算出部22は、電流指令値Id*、Iq*と、dq変換部29からフィードバックされた電流検出値Id、Iqとの電流偏差を算出する。制御器23は、電流偏差を0に近づけるように、PI制御により、電圧指令値Vd*、Vq*を演算する。dq変換部29は、電気角θに基づいて3相電流値Iu、Iv、Iwをdq軸電流値Id、Iqにdq変換し、電流偏差算出部22にフィードバックする。
変調器61は、直流電圧Vdc、電圧指令値Vd*、Vq*、電気角θ等に基づいてスイッチングパルス信号を生成し、インバータ62に出力する。変調器61は、変調率やMG80の回転数−トルク特性に応じて、PWM制御による三相変調又は二相変調方式、パルスパターン方式、矩形波制御方式等の変調方式を切り替える。インバータ62は、変調器61から出力されるスイッチングパルス信号に従ってスイッチング素子63−68が動作することでバッテリ10の直流電力を交流電力に変換し、MG80に供給する。
磁束変化量推定部30は、基準磁束φstdに対する現在の永久磁石の磁束の差分である「磁束変化量Δφ」を推定する。ここで、基準磁束φstdは、所定の基準状態におけるMG80の永久磁石の磁束と定義される。また、基準状態とは、例えば、「基準となる特定のMGが基準温度になっている状態」と定義される。
図2において磁束変化量推定部30には各種のパラメータが入力される。基本的には、実線で示すように、電圧指令値Vd*、Vq*、電流検出値Id、Iq、及び、角速度演算部86で電気角θが時間微分された電気角速度ωが入力される。なお、電流検出値Id、Iqに代えて、破線で示す電流指令値Id*、Iq*が入力されてもよい。また、後述する電圧誤差の補正構成に応じて、二点鎖線矢印で示すトルク指令Trq*、インバータ温度T_inv、変調器61の変調方式やその他のパラメータが入力される。
次に、本実施形態の磁束変化量推定部30の構成を説明する前に、特許文献1(特許第2943657号公報)の従来技術による磁束推定演算について説明する。一般に、MG80に印加される電圧と電流との関係は、巻線抵抗R、dq軸インダクタンスLd、Lq、磁石磁束φを用いた式(1)の電圧方程式で表される。
Figure 0006981272
式(1)のq軸電圧方程式を磁束φについて整理すると、式(2)が得られる。
Figure 0006981272
ここで、MG80が基準状態にあるときの永久磁石の磁束を「基準磁束φstd」と定義する。そして、基準磁束φstdに対する推定対象の磁束φの変化量を磁束変化量Δφ(=φ−φstd)と定義すると、磁束変化量Δφは、式(3)で表される。
Figure 0006981272
また、MG80が基準状態にあるとき、すなわち、磁石磁束が基準磁束φstdであるときにMG80に印加される電圧を「基準電圧」と定義し、そのd軸成分及びq軸成分をVd_std、Vq_stdと表す。これに対し、MG80に実際に印加される電圧を、以下「実電圧」という。式(1)のq軸電圧方程式より、q軸基準電圧Vq_stdは、式(4.1)で表される。このq軸基準電圧Vq_stdを式(3)に代入し、さらに、式(3)における磁束変化量Δφを磁束変化量推定値Δφestと改め、q軸電圧Vqをq軸実電圧推定値[Vq]と改めると、磁束変化量推定値Δφestは、式(4.2)で表される。以下、q軸実電圧推定値[Vq]は、磁束変化量Δφを推定するにあたりq軸実電圧とみなされる値を意味する。
Figure 0006981272
図18において、式(4.1)、(4.2)の関係はVd−Vq座標上に図示される。実線の太線矢印で示す部分が式(4.1)を反映し、合成ベクトルの終点のq軸成分はq軸基準電圧Vq_stdである。また、ブロック矢印で示す部分が式(4.2)を反映し、その終点のq軸成分はq軸実電圧推定値[Vq]である。なお、電気角速度ωを乗じる前の「電圧×時間」次元のベクトルは破線矢印で表される。
ところで、q軸実電圧を直接検出するには電圧センサが必要となる。本実施形態では搭載スペースや部品コストの低減のために電圧センサを用いず、q軸電圧指令値Vq*に基づいてq軸実電圧推定値[Vq]を演算するものとする。しかし、q軸電圧指令値Vq*とq軸実電圧との間には、後述する各種要因によるq軸電圧ずれVq_errが生じる。q軸実電圧推定値[Vq]をq軸電圧指令値Vq*とq軸電圧ずれVq_errとの和で表すと、式(4.2)は、式(5.1)で書き換えられる。また、式(5.2)に示すように、q軸電圧ずれVq_errを電気角速度ωで除した値が磁束変化量の推定誤差Δφest_errとなる。
Figure 0006981272
そこで本実施形態では、2ステップのアプローチで磁束変化量Δφの推定精度を向上させる。第一ステップでは、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*について実電圧との電圧誤差を補正してdq軸補正後電圧指令値Vd**、Vq**を算出し、電圧誤差のq軸成分Vq_errを低減する。具体的には、電圧ずれの主要因として、インバータ62のスイッチング素子63−68のデッドタイム及び直流電圧降下に基づく電圧誤差を補正する。
第二ステップでは、従来技術のようにq軸電圧のみを用いるのでなく、d軸電圧及びq軸電圧の両方を用いて磁束変化量Δφを推定する。すなわち式(6)に示すように、d軸補正後電圧指令値Vd**に対するq軸補正後電圧指令値Vq**の比(Vq**/Vd**)をd軸基準電圧Vd_stdに乗じた値をq軸実電圧推定値[Vq]とする。そして、q軸実電圧推定値[Vq]からq軸基準電圧Vq_stdを差し引いたq軸電圧変化量ΔVqを電気角速度ωで除し、磁束変化量推定値Δφ_estを演算する。この推定演算についての詳細は後述する。これにより、第一ステップ後に残った電圧ずれによる磁束変化量Δφの推定誤差への影響を小さくすることができる。
Figure 0006981272
次に図3を参照し、磁束変化量推定部30の構成の概要を説明する。磁束変化量推定部30は、電圧指令補正部31、基準電圧演算部37及び磁束変化量推定値演算部38を含む。電圧指令補正部31は、電圧指令値Vd*、Vq*と実電圧との間に生じる電圧誤差を低減するように電圧指令値Vd*、Vq*を補正し、補正後電圧指令値Vd**、Vq**を出力する。本実施形態では、電圧指令補正部31にデッドタイム補正部32及び電圧降下補正部36が含まれる。
デッドタイム補正部32は、スイッチング素子63−68のデッドタイムにより、電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を補正する。基本的にデッドタイム補正部32は、直流電圧Vdc、スイッチング周波数Fsw、電流Id、Iq(又はId*、Iq*)が入力され、デッドタイム補正値Vd_compDT、Vq_compDTを出力する。
電圧降下補正部36は、スイッチング素子63−68の直流電圧降下により、電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を補正する。基本的に電圧降下補正部36は、電流Id、Iq(又はId*、Iq*)が入力され、電圧降下補正値Vd_compVF、Vq_compVFを出力する。
デッドタイム補正値Vd_compDT、Vq_compDTは加算器312で、電圧降下補正値Vd_compVF、Vq_compVFは加算器316で、それぞれ、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*に加算される。
基準電圧演算部37は、MG80の電気角速度ω及び電流Id、Iq(又はId*、Iq*)に基づいて、基準状態でMG80に印加されるd軸基準電圧Vd_std及びq軸基準電圧Vq_stdを演算する。
磁束変化量推定値演算部38は、d軸補正後電圧指令値Vd**に対するq軸補正後電圧指令値Vq**の比(=Vq**/Vd**)から、d軸基準電圧Vd_stdに対応するq軸実電圧推定値[Vq]を算出する。そして、磁束変化量推定値演算部38は、q軸実電圧推定値[Vq]とq軸基準電圧Vq_stdとの差に基づいて、磁束変化量推定値Δφestを演算する。
続いて、磁束変化量推定部30の各部の詳細な構成について順に説明する。まず、電圧指令補正部31のデッドタイム補正部32及び電圧降下補正部36について、それぞれ、図4−図10、図11−図13を参照して説明する。
[デッドタイム補正部]
デッドタイム補正部32は、デッドタイムにより、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*と実電圧Vd、Vqとの間に生じる電圧誤差を補正する。デッドタイムは、インバータ62を構成する同相の上下アームのスイッチング素子が短絡防止のため同時にOFFする期間である。デッドタイム自体は周知技術であるため詳細な説明は省略するが、図4(a)、図4(b)を参照して簡単に説明する。
図4(a)において、スイッチングパルスは、上アーム素子に対する指令として変調器61から出力される。スイッチングパルスは、時刻t1に立ち下がり、時刻t3に立ち上がる。上アーム素子は時刻t1にOFFし、時刻t3からデッドタイムTdead後の時刻t4にONする。下アーム素子は時刻t1からデッドタイムTdead後の時刻t2にONし、時刻t3にOFFする。
電流方向が正のとき、出力電圧は上アーム素子のON時に直流電圧Vdcとなり、上アーム素子のOFF時に0となる。したがって、スイッチングパルスに対し、時刻t3から時刻t4までの期間の出力電圧がマイナスする。一方、電流方向が負のとき、出力電圧は下アーム素子のOFF時に直流電圧Vdcとなり、下アーム素子のON時に0となる。したがって、スイッチングパルスに対し、時刻t1から時刻t2までの期間の出力電圧がプラスされる。
図4(b)に正弦波PWM制御の三相変調におけるスイッチングパルス、電流、及び、デッドタイムによる電圧誤差の関係を示す。電圧誤差の平均は、インバータ62に入力される直流電圧Vdcとスイッチング周波数FswとデッドタイムTdeadとの積(=Vdc×Fsw×Tdead)となる。さらに、三相変調でのデッドタイム補正値のd軸成分Vd_compDT及びq軸成分Vq_compDTは、d軸基準の電流位相βdに基づき、式(7)で表される。
Figure 0006981272
式(7)の右辺のうち(Vdc×Fsw)を乗じる前の時間次元の値を、式(8.1)によりd軸成分寄与時間Td_ctrb及びq軸成分寄与時間Tq_ctrbと表す。これを用いると、式(7)は、式(8.2)に書き換えられる。
Figure 0006981272
図5に、電流位相βdに基づいて補正値を変化させるデッドタイム補正部32の実装例を示す。デッドタイム補正マップ321は、電流位相βdを引数として、式(8.1)のd軸成分寄与時間Td_ctrb及びq軸成分寄与時間Tq_ctrbを算出する。乗算器322は、マップ321の出力に直流電圧Vdc及びスイッチング周波数Fswを乗じてdq軸デッドタイム補正値Vd_compDT、Vq_compDTを出力する。マップ321に入力される電流は、実電流に近い値であれば指令値Id*、Iq*でもセンサ値Id、Iqでもよい。また、電流指令Id*、Iq*の位相がトルク指令Trq*から一意に決まる場合、トルク指令Trq*がマップ321の引数として用いられてもよい。
また、図6に示すように、スイッチング指令に対し実際のスイッチング挙動では、上アーム素子及び下アーム素子にそれぞれON遅れ及びOFF遅れが生じる。ON遅れは、例えばスイッチング指令のONタイミングから、コレクタエミッタ間電圧Vceが最大値の50%まで上昇する時間と定義される。同様にOFF遅れは、例えばスイッチング指令のOFFタイミングから、コレクタエミッタ間電圧Vceが最大値の50%まで低下する時間と定義される。したがって、実際のデッドタイム(実Tdead)は、指令されたデッドタイム(指令Tdead)に対し式(9)の関係となる。
実Tdead=指令Tdead+ON遅れ−OFF遅れ ・・・(9)
ここで、ON遅れ及びOFF遅れは、スイッチング素子63−68に流れる電流の振幅によって変化する。指令デッドタイムが固定値であり、電流振幅の増加に伴うON遅れの増加分がOFF遅れの減少分よりも大きい場合、図7(a)に示すように、実デッドタイムは、電流振幅の増加に伴って増加する。そのため、図5のマップ321の引数として、スイッチング素子63−68に流れる電流の振幅が加えられてもよい。
また、図7(b)に示すように、MG80のトルク制御において、一般に電流振幅はトルク指令と正の相関を有する。電流振幅がトルク指令から一意に決まる場合、トルク指令をマップ321の引数としてもよい。このようにデッドタイム補正部32は、電流振幅もしくはトルク指令に基づいてデッドタイム補正値の振幅を変化させることで、デッドタイム補正の精度を高めることができる。
さらに図8(a)、図8(b)に示すように、ON遅れ及びOFF遅れは、スイッチング素子63−68の温度、すなわち、例えば温度センサ76により検出されるインバータ温度T_invによっても変化する。同一の電流又はトルク指令において、例えば100℃でのON遅れは0℃でのON遅れより小さく、100℃でのOFF遅れは0℃でのOFF遅れより大きい。また、ON遅れの温度依存性はOFF遅れの温度依存性より大きい。
実デッドタイムは、式(9)に基づき、図8(a)及び図8(b)を組み合わせた図8(c)により示される。100℃での実デッドタイムは、0℃での実デッドタイムより小さくなる。そのため、図5のマップ321の引数として、インバータ温度T_invが加えられてもよい。或いは、マップ321の出力値がインバータ62の温度に応じて補正されてもよい。
このようにデッドタイム補正部32は、インバータ温度T_invに基づいてデッドタイム補正値の振幅を変化させることで、デッドタイム補正の精度を高めることができる。なお、インバータ温度T_invを用いず電流振幅又はトルク指令のみをマップ321の引数に加える場合、図8(c)に示す0℃又は100℃のいずれか一方の特性、或いは、それらの平均特性等を用いてデッドタイム補正値が決められてもよい。
次に図9(a)に、インバータ62の変調方式に応じて補正値を変化させるデッドタイム補正部32の実装例を示す。デッドタイム補正部32は、三相変調用デッドタイム補正部320、二相変調用デッドタイム補正部33、パルスパターン用デッドタイム補正部34、矩形波用デッドタイム補正部35を含み、変調方式、その他の入力情報に応じてデッドタイム補正値を出力する。なお、デッドタイム補正部32は、必要に応じて、これ以外の変調方式用のデッドタイム補正部を含んでもよい。
上述のデッドタイム補正値の式(7)は、電気1周期中のスイッチング回数が十分に多いか、スイッチング周期が一定のときには精度良く成り立つが、この前提が崩れる場合には精度が悪くなる。基本的に三相変調の場合には上記前提が成り立ち電圧誤差を精度良く補正できるが、三相変調以外の変調方式では電圧誤差の影響の現れ方が変わるため、補正精度が低下する。そこで、変調方式によってデッドタイム補正値を変化させることで、デッドタイム補正の精度を高めることができる。
上記の各変調方式は、例えば図9(b)のN−T(回転数−トルク)特性図に示される領域で使用される。すなわち、回転数が上昇するにしたがって、三相変調、二相変調、パルスパターン、矩形波の順に移行する。三相変調用デッドタイム補正部320の実装例は図4に示した通りであり、式(7)を用いてデッドタイム補正値が算出される。
二相変調ではスイッチング停止期間の影響により、直流電圧Vdc、スイッチング周波数Fsw、電流位相βdに加え、力率角等によってもデッドタイムによる電圧誤差の振幅、位相が変化する。そのため、予め演算してマップ化しておくこと等により補正値を演算可能である。
図10(a)に示す二相変調用デッドタイム補正部33の実装例では、電流位相βd及び力率角を引数とする二相変調用デッドタイム補正マップ331が用いられる。乗算器332は、マップ331の出力に直流電圧Vdc及びスイッチング周波数Fswを乗じてdq軸デッドタイム補正値Vd_compDT、Vq_compDTを出力する。二相変調でのデッドタイム補正値の位相は、三相変調でのデッドタイム補正値の位相に対し、力率角に応じて決まる値だけ補正した位相となる。また、二相変調でのデッドタイム補正値の振幅は、三相変調でのデッドタイム補正値の振幅に対し、力率角に応じて決まる値だけ補正した振幅となる。なお、力率角に応じて決まる位相、振幅の補正値は、予め机上で設計、もしくは実測してマップ331に反映されてもよい。
パルスパターンを用いるスイッチングパルス生成では、直流電圧Vdc、スイッチング周波数Fsw、電流位相βdに加え、パルスパターンや力率角等によってもデッドタイムによる電圧誤差の振幅、位相が変化する。そのため、予め演算してマップ化しておくこと等により補正値を演算可能である。
図10(b)に示すパルスパターン用デッドタイム補正部34の実装例では、電流位相βd、力率角及びパルスパターンを引数とするパルスパターン用デッドタイム補正マップ341が用いられる。乗算器342は、マップ341の出力に直流電圧Vdcを乗じてdq軸デッドタイム補正値Vd_compDT、Vq_compDTを出力する。
パルスパターンでのデッドタイム補正値の位相は、電流位相と180deg逆向きの位相に対し、パルスパターン及び力率角に応じて決まる値だけ補正した位相となる。また、パルスパターンでのデッドタイム補正値の振幅は、インバータに入力される直流電圧Vdcに対し、パルスパターン及び力率角に応じて決まる値を乗じた振幅となる。なお、パルスパターン及び力率角に応じて決まる値は、予め机上で設計、もしくは実測してマップ341に反映されてもよい。
矩形波を用いるスイッチングパルス生成では、デッドタイムによる電圧ずれは生じないため、デッドタイム補正値は0でよい。その代わり、OFF遅れによる電圧指令値と実電圧との電圧位相誤差の影響が大きくなるため、その分を補正する必要がある。この補正については、その他の実施形態として記載する。
[電圧降下補正部]
次に電圧降下補正部36は、インバータ62を構成するスイッチング素子63−68の直流電圧降下により、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*と実電圧Vd、Vqとの間に生じる電圧誤差を補正する。ここで、「スイッチング素子の直流電圧降下」には還流ダイオードの電圧降下Vf、及び、スイッチング素子本体のコレクタエミッタ間の電圧降下Vceが含まれる。例えばIGBT及び還流ダイオードがセットされたパワーカードの形態で用いられる場合、パワーカードの直流電圧降下として考えてもよい。
図11(a)、図11(b)に示すように、還流ダイオードの電圧降下Vf、スイッチング素子本体の電圧降下Vceの振幅は、いずれもスイッチング素子63−68に流れる電流の振幅に対し正の相関を有する。なお、還流ダイオードの電圧降下Vf及びスイッチング素子本体の電圧降下Vceの特性は、厳密には異なるものの大きな違いはないため、いずれか一方の値が代表として用いられてもよい。
図12に、電圧降下補正部36の実装例を示す。電圧降下補正マップ361は、電流を引数として、dq軸電圧降下補正値Vd_compVF、Vq_compVFを算出する。マップ361に入力される電流は、実電流に近い値であれば指令値Id*、Iq*でもセンサ値Id、Iqでもよい。また、図7(b)に示すように電流振幅がトルク指令から一意に決まる場合、トルク指令がマップ361の引数として用いられてもよい。
dq軸電圧降下補正値ベクトルの位相は、電流位相と180deg逆向きとなり、振幅は、電流振幅に応じたスイッチング素子の直流電圧降下分の振幅となる。このように電圧降下補正部36により、スイッチング素子63−68の直流電圧降下による電圧誤差を補正することで、磁束推定に用いられる補正後電圧指令値の精度が向上する。したがって、磁束変化量推定部30は、磁束変化量Δφを精度良く推定することができる。
スイッチング素子63−68の直流電圧降下Vf、Vceは、スイッチング素子63−68の温度、すなわちインバータ温度T_invによっても変化する。そこで、図13に示すように、電圧降下補正部36は、インバータ温度T_invに基づいて電圧降下補正値の振幅を変化させてもよい。例えば電圧降下補正マップ361の引数にインバータ温度T_invが加えられてもよい。或いは、インバータ温度T_invに応じて電圧降下補正マップ361の出力値が補正されてもよい。
これにより、電圧降下補正部36は電圧降下補正の精度を高めることができる。なお、インバータ温度T_invをマップ361の引数としない場合、電圧降下補正部36は、図13に示す0℃又は100℃のいずれか一方の特性、或いは、それらの平均特性等を用いて電圧降下補正値を決めてもよい。
[基準電圧演算部]
基準電圧演算部37は、MG80の電気角速度ω及び電流Id、Iqに基づいて、基準状態でMG80に印加されるd軸基準電圧Vd_std及びq軸基準電圧Vq_stdを演算する。ここで、基準状態とは、例えば、「基準となる特定のMGが基準温度になっている状態」と定義される。また、基準電圧Vd_std、Vq_stdは、基準温度において基準MGに印加されるdq軸電圧であり、式(10.1)で表される。ここで、Rmは基準状態での巻線抵抗であり、λd、λqは、基準状態でのdq軸鎖交磁束である。Rm及びλd、λqはMG80の機器定数である。
Figure 0006981272
ただし、基準電圧は固定の値である必要はなく、巻線抵抗やインダクタンス、磁石等の温度特性を考慮し、MG80各部の温度に応じて可変に設定されてもよい。また、基準電圧演算部37は、不可逆減磁が起きていない状況において、動作点や温度等に応じた電圧値を学習し、MG特性の個体差に応じて基準電圧を可変に設定してもよい。
図14に、基準電圧演算部37の実装例を示す。鎖交磁束マップ371は、dq軸電流Id、Iqを引数としてdq軸鎖交磁束λd、λqを出力する。マップ371に入力される電流は、実電流に近い値であれば指令値Id*、Iq*でもセンサ値Id、Iqでもよい。また、マップ371に代えて、dq軸インダクタンスLd、Lq及び基準状態の磁石磁束φから、式(10.2)によりdq軸鎖交磁束λd、λqが算出されてもよい。
Figure 0006981272
基準電圧算出部372は、電流Id、Iq、電気角速度ω、dq軸鎖交磁束λd、λq及び巻線抵抗Rmが入力され、式(10.1)により、d軸基準電圧Vd_std及びq軸基準電圧Vq_stdを演算する。
[磁束変化量推定値演算部]
磁束変化量推定値演算部38は、上述の式(6)により磁束変化量推定値Δφ_estを演算する。この磁束変化量推定演算について図15、図16を参照する。図15、図16に共通に、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*は、デッドタイム補正及び電圧降下補正により、dq軸補正後電圧指令値Vd**、Vq**に補正される。原点と補正後電圧指令値Vd**、Vq**とを結ぶ直線を「実電圧推定線」という。実電圧推定線の傾きは、補正後電圧指令値のd軸成分に対するq軸成分の比(Vq**/Vd**)で表される。この比(Vq**/Vd**)は、補正後電圧指令値の位相Vθを(1/tanVθ)で表現した値と考えてもよい。
そして、実電圧推定線上のd軸基準電圧Vd_stdに対応するq軸電圧値を実電圧推定値[Vq]とし、q軸基準電圧Vq_stdからq軸実電圧推定値[Vq]までのq軸電圧変化量ΔVqに基づき、式(4.2)により磁束変化量推定値Δφestが演算される。それをまとめた式が、式(6)である。
図15に示す例では、実電圧推定値[Vq]がq軸基準電圧Vq_stdより小さく、q軸電圧変化量ΔVq及び磁束変化量推定値Δφestは負の値となる。これは、例えば高温時における永久磁石の「減磁」の場合に相当する。q軸電圧のみを推定に用いる従来技術では、q軸基準電圧Vq_stdからq軸補正後電圧指令値Vq**までのq軸電圧変化量ΔVq_zに基づいて磁束変化量Δφが推定される。しかし、d軸電圧について、基準電圧とのずれによる磁束変化量推定誤差が考慮されていない。それに対し本実施形態では、q軸電圧に加えd軸電圧を推定に用いることで、ブロック矢印で示す量の推定誤差を低減することができる。
図16には、実電圧推定値[Vq]がq軸基準電圧Vq_stdより大きく、q軸電圧変化量ΔVq及び磁束変化量推定値Δφestが正の値となる場合を示す。例えば低温時に永久磁石が増磁する場合の図と考えてもよい。また、実電圧推定値[Vq]とq軸基準電圧Vq_stdとの大小関係にかかわらず、実電圧推定値[Vq]と真の実電圧との間には、厳密にはずれが存在する可能性がある。そのため、図15、図16は、真のq軸実電圧がq軸基準電圧Vq_stdに等しいと仮定した場合の、q軸基準電圧Vq_stdとq軸実電圧推定値[Vq]とのずれを示すと考えることもできる。
なお、式(6)において分母となるd軸補正後電圧指令値Vd**又は電気角速度ωが0に近い値になる場合がある。例えば、低回転又は小トルクの領域ではd軸補正後電圧指令値Vd**が0付近となり、低回転領域では電気角速度ωが0付近となる。このような場合には演算が発散するおそれがあるため、磁束変化量推定値演算部38は、演算を停止してもよい。
以上のように本実施形態の磁束変化量推定部30は、電圧指令補正部31により、電圧指令値Vd*、Vq*と実電圧との間に生じる電圧誤差を低減するように電圧指令値Vd*、Vq*を補正することで、センサ値を用いることなく、q軸実電圧を精度良く推定することができる。また、磁束変化量推定部30は、磁束変化量推定値演算部38は、q軸電圧に加えてd軸電圧の情報を用いて磁束変化量Δφを推定するため、センサ値や機器定数等のずれによる推定誤差への影響を小さくすることができる。
(その他の実施形態)
(a)上記実施形態の電圧指令補正部31は、具体的に、デッドタイム補正部32及び電圧降下補正部36を含む。ただし他の実施形態では、電圧指令補正部は、デッドタイム補正部32又は電圧降下補正部36の一方のみを含んでもよい。また、デッドタイム又は電圧降下以外の電圧誤差として、以下の電圧誤差が補正されてもよい。
[センサの応答遅れに対する補正]
磁石磁束推定の演算に用いる電流センサ、角度センサ等には応答遅れがあるため、応答遅れ分も考慮したサンプリングや補正を実施し正確な値を検出することで、磁束変化量推定誤差を減らすことができる。また、このようなセンサの応答遅れは温度特性を持つことが多いため、温度によって補正値が可変に設定されてもよい。なお、電流センサの応答遅れに対する補正に関しては、例えば特開平9−308300号公報に開示されており、角度センサの応答遅れに対する補正に関しては、例えば特許第3676435号公報に開示されている。
[スイッチング素子のOFF遅れに対する補正]
インバータのスイッチング素子はOFF(又は立下り)遅れ時間を持つため、電圧指令値に対し実際に出力される電圧(すなわち実電圧)の位相は遅れる。そこで、図17に示すように、電圧指令値の位相に対し、OFF遅れ時間[s]と電気角速度[deg/s]との積として算出される「OFF遅れ時間分の位相」を補正することで、磁束変化量推定誤差を減らすことができる
特に矩形波制御では、電気1周期にUVW各相で1回ずつしかON/OFFのスイッチングをしないため、三相変調等のデッドタイム補正を適用することができない。そこで、矩形波制御では、電圧指令値に対し実電圧がOFF遅れ時間分の位相だけ遅れる分を補正する。また、OFF遅れ時間は温度特性や電流特性を持つため、これらのOFF遅れ分の補正値は、スイッチング素子の温度や電流によって可変に設定されてもよい。
(b)上記実施形態では、磁束変化量推定値演算部38により、基準磁束に対する磁石磁束の変化量を求める演算例を説明している。ただし、式(4.2)により、d軸の鎖交磁束λdから基準状態の磁石磁束φを差し引いた値(Ld×Id)を用いて基準電圧のq軸成分を演算することにより、磁石磁束の「絶対量」を求めることもできる。
(c)本発明による交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車のMGに限らず、あらゆる分野の永久磁石式の交流電動機に適用可能である。また、交流電動機の相の数は、三相に限らず何相でもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
20・・・MG制御装置(交流電動機の制御装置)、
24・・・電圧指令演算部、
30・・・磁束変化量推定部、
31・・・電圧指令補正部、
32・・・デッドタイム補正部、
36・・・電圧降下補正部、
37・・・基準電圧演算部、
38・・・磁束変化量推定値演算部、
62・・・インバータ(電力変換器)、
80・・・MG(交流電動機)。

Claims (7)

  1. 永久磁石式の交流電動機(80)の通電を制御する制御装置であって、
    前記交流電動機に対するトルク指令に基づいて電圧指令値(Vd*、Vq*)を演算する電圧指令演算部(24)と、
    前記電圧指令値に基づいて直流電力を交流電力に変換し、前記交流電動機に供給する電力変換器(62)と、
    所定の基準状態における前記交流電動機の永久磁石の磁束を基準磁束(φstd)と定義すると、前記永久磁石の磁束の前記基準磁束に対する差分である磁束変化量(Δφ)を推定する磁束変化量推定部(30)と、
    を備え、
    前記磁束変化量推定部は、
    前記電圧指令値と前記交流電動機に実際に印加される実電圧との間に生じる電圧誤差を低減するように、前記電圧指令値のd軸成分であるd軸電圧指令値、及び、前記電圧指令値のq軸成分であるq軸電圧指令値を補正し、d軸補正後電圧指令値及びq軸補正後電圧指令値(Vd**、Vq**)を出力する電圧指令補正部(31)と、
    前記交流電動機の電気角速度及び電流に基づいて、前記基準状態で前記交流電動機に印加されるd軸基準電圧(Vd_std)及びq軸基準電圧(Vq_std)を演算する基準電圧演算部(37)と、
    前記d軸補正後電圧指令値に対する前記q軸補正後電圧指令値の比を前記d軸基準電圧に乗じてq軸実電圧推定値([Vq])を算出し、前記q軸実電圧推定値と前記q軸基準電圧との差に基づいて、前記磁束変化量を推定する磁束変化量推定値演算部(38)と、
    を有する交流電動機の制御装置。
  2. 前記電力変換器は、複数相の上下アームのスイッチング素子(63−68)がブリッジ接続されて構成されており、
    前記電圧指令補正部は、
    同相の上下アームのスイッチング素子が同時にOFFする期間であるデッドタイムにより、前記電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を補正するデッドタイム補正部(32)を含む請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記デッドタイム補正部は、前記交流電動機の電流振幅もしくは前記トルク指令値に基づいて前記電圧指令値の補正値を変化させる請求項2に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記デッドタイム補正部は、前記電力変換器の温度に基づいて前記電圧指令値の補正値を変化させる請求項2または3に記載の交流電動機の制御装置。
  5. 前記デッドタイム補正部は、前記電力変換器の変調方式に応じて前記電圧指令値の補正値を変化させる請求項2〜4のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  6. 前記電圧指令補正部は、
    前記電力変換器を構成するスイッチング素子の直流電圧降下により、前記電圧指令値と実電圧との間に生じる電圧誤差を補正する電圧降下補正部(36)を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  7. 前記電圧降下補正部は、前記電力変換器の温度に基づいて前記電圧指令値の補正値を変化させる請求項6に記載の交流電動機の制御装置。
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