JP5992113B2 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

交流回転機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5992113B2
JP5992113B2 JP2015546223A JP2015546223A JP5992113B2 JP 5992113 B2 JP5992113 B2 JP 5992113B2 JP 2015546223 A JP2015546223 A JP 2015546223A JP 2015546223 A JP2015546223 A JP 2015546223A JP 5992113 B2 JP5992113 B2 JP 5992113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
voltage
winding
rotating machine
command value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015546223A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015068258A1 (ja
Inventor
辰也 森
辰也 森
古川 晃
晃 古川
金原 義彦
義彦 金原
勲 家造坊
勲 家造坊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP5992113B2 publication Critical patent/JP5992113B2/ja
Publication of JPWO2015068258A1 publication Critical patent/JPWO2015068258A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/22Current control, e.g. using a current control loop

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

本発明は、少なくとも第1巻線および第2巻線を有する交流回転機の制御装置に関するものである。
複数の巻線を有する交流回転機では、複数の巻線間の相互インダクタンスに起因して複数の電流制御系が相互に干渉するために、電流、電圧が振動的になり易い性質があり、制御系の応答帯域を高めることが単一系に比べて難しい。そのため、いくつかの方法が提案されている。
その一つとして、従来の交流回転機の制御装置では、多相交流電動機に並列接続された複数台のインバータの、交流電動機の回転座標系に設けられた代表の電流制御系への帰還信号を各インバータ出力電流の平均値とする。また、交流電動機の回転座標系上に設けられた不平衡抑制の電流制御系への帰還信号を各インバータ出力電流の差分値としている。
これにより、各インバータの出力電流が等しくなるように不平衡抑制の電流制御系が作用するので、多相交流電動機の各相の各巻線の電流を平衡させることができる。
また、外部リアクトルを用いて並列接続したインバータにおいても、同様に電流制御系の作用により不平衡電流を低減することができる。
このように、各インバータの出力電流を平衡させることにより、外部リアクトルを小さくまたは無くすることができ、高速応答可能な制御を実現することが可能となる(例えば特許文献1)。
また、従来の交流回転機の制御装置では、3相N重巻線モータの各巻線を駆動する各インバータINV1〜INVNの各制御回路に、非干渉電圧演算部を設け、励磁指令値IO*、トルク指令値IT*と、IO*、IT*を巻線の多重数Nで割ったd、q軸電流指令値i1d*、i1q*および1次側周波数ωを取り込む。そして、これらの値から、d、q軸電圧設定値v1d*、v1q*を演算し、ベクトル制御することで、3相多重巻線モータの非干渉制御を実現している(例えば特許文献2)。
特許第2614788号公報 特開平11−262293号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1では、第1、第2の巻線電流双方を用いて代表の電流制御系と不平衡抑制の電流制御系といった複雑で多量の演算をする必要があった。さらに、第1、第2の巻線電流等の検出電流に基づいた非干渉制御は、第1、第2の巻線電流を検出してから、代表の電流制御系や不平衡抑制の電流制御系の演算を実施して複数台のインバータに電圧が印加されるまでの無駄時間の影響によって、完全に干渉の影響を取り除くことは困難であった。
従って、従来の単一系巻線と同等の電流応答性を実現するのは困難であり、これは特に演算速度の低い廉価なマイコンで実現した場合に顕著となる。
特許文献2は、各インバータINV1〜INVNの各制御回路に対してそれぞれ、フィードフォワードとして応答性を向上させるため、非干渉電圧演算部を設けている。これには特許文献2に示される式(1)のように交流回転機の電源周波数ωを含む形で構成し、複雑で多量な演算を必要とする。それでできる応答性は、従来の単一系巻線の応答性と同等レベルに過ぎず、また、フィードバックのゲインが十分上げられないため、例えば3相2重巻線電動機の速度が急変することによる外乱電圧に対する抑圧性能は低いものだった。
従って、本発明は、少なくとも第1巻線および第2巻線を有し、回転二軸上で制御演算を行う交流回転機の制御装置において、演算量が少なく、応答性が高く、かつ外乱の影響を受け難い性能を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る交流回転機の制御装置は、第1巻線および第2巻線を有し、回転二軸上で制御演算を行う交流回転機の制御装置において、第1巻線の電流および第2巻線の電流をそれぞれ検出する電流検出部と、交流回転機の電流指令値および電気的定数に基づいて基本電圧を算出する基本電圧演算部と、電流指令値と基本電圧と第1巻線の電流とに基づいて第1巻線の電圧指令値を算出する第1電圧演算部と、電流指令値と基本電圧と第2巻線の電流とに基づいて第2巻線の電圧指令値を算出する第2電圧演算部と、第1巻線の電圧指令値に基づいて交流回転機の第1巻線に電圧を印加する第1電圧印加部と、第2巻線の電圧指令値に基づいて交流回転機の第2巻線に電圧を印加する第2電圧印加部とを備え、第1電圧演算部は、電流指令値、基本電圧、第1巻線の電流とともに、さらに第2巻線の電流に基づいて、第1巻線の電圧指令値を算出するものである。
本発明の交流回転機の制御装置によれば、第1電圧演算部は、第1巻線の電流と基本電圧と電流指令値とに基づいて第1巻線の電圧指令値を算出する。第2電圧演算部は、第2巻線の電流と基本電圧と電流指令値とに基づいて第2巻線の電圧指令値を算出する。この場合、少なくとも第1電圧演算部は、第2巻線の電流も考慮して第1巻線の電圧指令値を算出する。
従って、本発明の第1巻線、第2巻線の電流の検出値に基づくフィードバック制御においては、特許文献1のように、第1、第2の巻線電流双方を用いて第1、第2巻線の電圧指令値を生成する必要はない。すなわち、少なくとも第1電圧演算部だけが、他方の第2巻線の電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を算出することができる。このような簡素な構成だけでも、干渉は相互に作用するものであるから、第1電圧演算部のみの対策でも、電流制御系間の干渉を抑制することができる。この結果、応答性は、少なくとも従来と同等に近いレベルを実現できるという効果が得られる。
また、特許文献2のように、INV1〜INVNの各制御回路に対してそれぞれ非干渉電圧演算部を設け、交流回転機の電源周波数ωを含む形で構成する必要がなく、複雑で多量の演算をする必要がない。
また、本発明では、少なくとも第1、第2巻線の電流の和の応答に対して電流指令値および電気的定数に基づいて単一の基本電圧を演算すればよい。従って、高周波帯域においては、回転機のインダクタンスや巻線抵抗などの、電気的定数のみを考慮した基本電圧だけで電流応答を改善できる。この結果、応答性は、少なくとも従来の単一系巻線と同等に近いレベルを実現できるという効果が得られる。
以上のように、上記複数の電流制御系間の干渉を抑制する効果、電流指令値に対する電流応答性が向上する効果、高周波帯域においても電流指令値に対応した電圧指令値を出力できる効果、電流指令値に対する電流応答性の作用によって多重系巻線においても応答性は従来の単一系巻線よりも高いレベルを実現できるという効果が得られる。また、フィードバックも非干渉化により電流応答性能を向上きるので、外乱抑圧性能も確保できる。
また、本発明では、フィードフォワード、フィードバック共に演算を増やしてもよい。例えば、電源周波数の項や第2巻線の電流に加え、第1巻線の電流に基づいて電圧指令値を演算する第2電圧演算部を付与するなどしてもよい。この場合は、さらに、外乱電圧に対する抑制性能や電流指令値に対する電流応答性が向上する。
このように、本発明では、多重系巻線においても、従来に比べて、演算量を少なくした上で、高い応答性が得られるという、従来にない顕著な効果を奏する。
本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態1を示す回路ブロック図である。 本発明に用いる交流回転機の第1巻線および第2巻線を示した図である。 図2に示した巻線を有する交流回転機の等価回路図である。 図3に示した回路図をq軸上電流の等価回路図である。 図3に示した回路図をd軸上電流の等価回路図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態2を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態2における差電圧から差電流までのd軸上での伝達特性を示す図である。 本発明の実施の形態2における差電圧から差電流までのq軸上での伝達特性を示す図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態3を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態3における和電圧から和電流までのd軸上での伝達特性示す図である。 本発明の実施の形態3における和電圧から和電流までのq軸上での伝達特性示す図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態4を示す回路ブロック図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態5を示す回路ブロック図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態6および7を示す回路ブロック図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態8を示す回路ブロック図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態9を示す回路ブロック図である。 本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態10を示す回路ブロック図である。
以下、本発明に係る交流回転機の制御装置の種々の実施の様態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態1の全体構成を示す。図において、交流回転機1aは、第1巻線U1、V1、W1および第2巻線U2、V2、W2(図2参照)の2つの三相巻線を有する。なお、以下の全ての実施の形態では交流回転機1aとして2つの巻線を有する永久磁石型同期回転機について説明するが、2つ以上の巻線を有する永久磁石型同期回転機や界磁巻線型同期回転機であっても同様に適用される。
位置検出部2aは、交流回転機1aの回転位置θを検出するホール素子やレゾルバ、エンコーダ等で構成される。また、後述する電流検出部3、4で検出された第1巻線の電流および第2巻線の電流に基づいて位置を推定する技術を用いても良い。
電流検出部3は、交流回転機1aの第1巻線U1、V1、W1を流れる電流i1u、i1v、i1wを検出するシャント抵抗やホール素子等で構成される。電流検出部4は、交流回転機1aの第2巻線U2、V2、W2を流れる電流i2u、i2v、i2wを検出するシャント抵抗やホール素子等で構成される。
基本電圧演算部5aは、外部からの交流回転機1aの電流指令値id*、iq*および内部に記憶する交流回転機1aの電気的定数に基づいて回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を演算する。
第1電圧演算部6aは、電流指令値id*、iq*と、電流検出部3で検出された第1巻線の電流i1u、i1v、i1wと、電流検出部4で検出された第2巻線の電流i2u、i2v、i2wと、基本電圧vdF*、vqF*とに基づいて、第1巻線の電圧指令値v1u*、v1v*、v1w*を算出する。
第2電圧演算部7aは、電流指令値id*、iq*と、電流検出部4で検出された第2巻線の電流i2u、i2v、i2wと、基本電圧vdF*、vqF*とに基づいて、第2巻線の電圧指令値v2u*、v2v*、v2w*を算出する。
第1電力印加部8は、第1巻線の電圧指令値v1u*、v1v*、v1w*を、PWMやPAM等の既存技術により変調処理することによって交流回転機1aの第1巻線U1、V1、W1に印加するインバータやマトリックスコンバータ等の電力変換器である。
第2電力印加部9は、第2巻線の電圧指令値v2u*、v2v*、v2w*を、PWMやPAM等の既存技術により変調処理することによって交流回転機1aの第2巻線U2、V2、W2に印加するインバータやマトリックスコンバータ等の電力変換器である。
第1電圧演算部6aは、座標変換器10、11、12、減算器13、14、電流制御器15、16、および加算器17、18を具備している。第2電圧演算部7aは、座標変換器11、22、減算器19、電流制御器20、および加算器21を具備している。座標変換器11に関しては、第1電圧演算部6aと共通である。
座標変換器10は、電流検出部3で検出された電流i1u、i1v、i1wと位置検出部2aで検出された回転位置θとに基づいて回転二軸(d−q軸)上の電流i1d、i1qを演算する。
減算器13は電流指令値id*、iq*をそれぞれ、座標変換器10から得た電流i1d、i1qで減算して偏差di1d(=id*−i1d)、di1q(=iq*−i1q)を出力する。
電流制御器15は、減算器13から得たdi1d(=id*−i1d)、di1q(=iq*−i1q)が共に零に一致するように、すなわち互いに等しくなるように比例積分(PI)制御にて回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v1d*、v1q*を演算する。
座標変換器11は、電流検出部4で検出された電流i2u、i2v、i2wと位置検出器2で検出された回転位置θに基づいて回転二軸(d−q軸)上の電流i2d、i2qを演算する。
減算器14は、電流指令値id*、iq*をそれぞれ、座標変換器11から得た電流i2d、i2qで減算して偏差di2d(=id*−i2d)、di2q(=iq*−i2q)を出力する。
電流制御器16は、減算器14から得たdi2d(=id*−i2d)、di2q(=iq*−i2q)が共に零に一致するように比例積分制御または比例(P)制御にて回転二軸(d−q軸)上の補償電圧指令値V1d_h*、V1q_h *を演算する。
加算器17は、電流制御器15から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v1d*、v1q*と、電流制御器16から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v1d_h*、v1q_h*とを加算して、回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V1d’*、V1q’*を出力する。
加算器18は、加算器17から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V1d’*、V1q’*と、基本電圧演算部5aから得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値vdF*、vqF*とを加算して、回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V1d’’*、V1q’’*を演算する。
座標変換器12は、加算器17から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V1d’’*、V1q’’*を第1巻線の電圧指令値v1u*、v1v*、v1w*に変換する。
第2電圧演算部7aにおいて、減算器19は、電流指令値id*、iq*をそれぞれ、座標変換器11から得た電流i2d、i2qで減算して偏差di2d(=id*−i2d)、di2q(=iq*−i2q)を出力する。
電流制御器20は、減算器19から得たdi2d(=id*−i2d)、di2q(=iq*−i2q)が共に零に一致するように比例積分制御にて回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v2d*、v2q *を演算する。
加算器21は、電流制御器20から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v2d*、v2q*と、基本電圧演算部5aから得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値vdF*、vqF*とを加算して、回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v2d’*、v2q’*を演算する。
座標変換器22は、加算器21から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V2d’*、V2q’*を第2巻線の電圧指令値v2u*、v2v*、v2w*に変換する。
次に、交流回転機1aについて述べる。交流回転機1aは、図2に示すように、中性点N1で接続された一組のU1、V1、W1の三相巻線および中性点N2で接続された一組のU2、V2、W2の三相巻線が互いに電気的に接続されることなく回転機の固定子(図示せず)に収められている。
これら2つの巻線は電気的に接続されていないが、交流回転機が形成する磁気回路により磁気的に結合されており、丁度トランスの一次側と二次側のような結合状態にある。
このため、並列して配置されたU1相とU2相の等価回路は図3のように表すことができる。図中、Vu1、Vu2は各中性点からの各端子電圧、Rは電機子巻線抵抗、euは誘起電圧、Muは電機子巻線の相互インダクタンス、Lu−Muは漏れインダクタンス(電機子巻線自己インダクタンス−電機子巻線相互インダクタンス)を表している。またnはトランスで言う巻数比である。
なお、これらの値の内、特にLu−MuとMuは1重巻線のモータ制御で用いる値とは異なり、並列して配置された多重の2相間のそれである。また、一般には交流回転機では並列する巻線の巻数は同じであるので、n=1である。またこの時、U1相とU2相、V1相とV2相、W1相とW2相の等価回路でも同じであるので、三相の特性が等しい場合、U、V、W3相から回転二軸(d−q軸)上に座標変換を行っても、この回転二軸(d−q軸)上での等価回路は図3に示した等価回路と同じである。
以上のように、交流回転機の複数の巻線は磁気的に結合しているので、相互に干渉電圧が生じる。U、V、W三相の交流回転機の等価回路を回転二軸(d−q軸)に座標変換したとき、それぞれの相の回路構成は上記のように図3と同じであるが、そのq軸の等価回路をブロック図形式で表したものを図4に示す。
図中、V1q、V2qはそれぞれ第1、第2の巻線組に対する巻線のq軸電圧であり、i1q、i2qはそれぞれ第1、第2の巻線組に対する巻線のq軸電流である。また、図中Viq12、Viq21で表される電圧が、他の巻線組からの干渉電圧を示している。なお、図中のsはラプラス変換の微分演算子、Rは抵抗値、Lqはq軸自己インダクタンス、Mqはq軸相互インダクタンスをそれぞれ表す。
図4は回転二軸(d−q軸)の内、q軸の等価回路を表したものであるが、d軸上の等価回路も、図5に示すように、同様の構成となる。
通常、交流回転機のベクトル制御は、回転子d−q軸上でそれぞれ独立して電流制御を行うが、複数の巻線組を有する交流回転機では上述したように干渉電圧が相互に作用して、電流制御系に対して外乱として入力される。この干渉電圧は、図4から分かるように、各巻線電流の微分値に比例するため、電流を高速に応答させるほど大きくなる性質があり、従って単一巻線組の電流制御と比べて電流制御系の応答を高めることが難しい。
この課題に対し、特許文献1では、代表の電流制御系への帰還信号を各インバータ出力電流の平均値とし、また、交流電動機の回転座標系上に設けられた不平衡抑制の電流制御系への帰還信号を各インバータ出力電流の差分値としている。これにより、各インバータの出力電流が等しくなるように不平衡抑制の電流制御系が作用するので、多相交流電動機の各相の各巻線の電流を平衡にさせていることで対処している。
しかし、この構成は、電流の平均値と電流の差分値を計算する際に、第1巻線の回転二軸(d−q軸)電流と、第2巻線の回転二軸(d−q軸)電流の双方を用いた計算が必要である。さらに、代表の電流制御系、不平衡抑制の電流制御の演算を実施した上で、第1巻線の電圧、第2巻線の電圧を計算する必要があり、多量の演算を必要とする。
以上の干渉電圧に対する特許文献1での対処方法に対し、本実施の形態1では、第2巻線を流れる電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を補償する簡素な構成である。
以下、図1に戻って説明すると、第1電圧演算部6aでは、第2巻線の電流i2u、i2v、i2wに基づいて、回転二軸(d−q軸)上の補償電圧指令値V1d_h*、V1q_h *を電流制御器16が算出する。
電流制御器16においては、図5におけるVid12を補償する電圧をV1d_h*として出力し、図4におけるViq12を補償する電圧をV1q_h*として出力する。Vid12、Viq12が補償されることにより、i1d、i1qが受ける干渉の影響が低減し安定する。その結果、i1d、i1qにそれぞれsMd、sMqを乗算して得られるVid21、Vid12も安定し、i2d、i2qも安定する。
従って、特許文献1のような複雑な電流制御系の構成にしなくても、本実施の形態1のように、第2巻線の電流により第1巻線の電圧を補償(補正)する簡素な、演算量の少ない構成により、特許文献1と少なくとも同等の非干渉化の効果(特許文献1と同等の電流応答の改善)が得られる。
しかながら、特許文献1や本実施の形態1における第2巻線の電流を第1巻線の電圧へ補償するといった、検出電流を用いた非干渉化制御で電流制御の応答を高くする方法では、先に述べた、電流を高速に応答させるほど干渉電圧が大きくなる。そして、その大きな干渉電圧を補償する補償電圧は、電流を検出してから補償電圧を出力するまでの無駄時間による影響を受けてしまう。これは、特に演算速度の低い廉価なマイコンを用いた場合に大きく受けるため、電流制御の応答を高めた上で干渉の影響を完全に取り除くことが難しいことを示している。
この課題に対し、特許文献2では、特許文献2内の[数1]で表されるように、非干渉電圧を加算することによって、電流応答を改善する例が開示されている。しかしながら、各巻線に対する各制御回路に対して[数1]を演算する構成であり、多量な演算を要するため、廉価なマイコンへの実装は難しい場合がある。
これに対して、本実施の形態1では、基本電圧演算部5aにて、電流指令値id*、iq*に基づいて回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を簡素に演算する。
以下、基本電圧演算部5aについて説明する。
下記の式(1)は、交流回転機1aにおける回転二軸上(d−q軸)の電圧と電流の関係式である。ここで、ωは電気角速度、φは磁束鎖交数である。この式(1)は、先に述べた図4、図5のブロック図で表した電圧と電流の関係に加え、インダクタンスLd、Lq、Md、Mqによる電機子反作用に起因する速度起電力を考慮したものと等価である。
Figure 0005992113
以下、式(1)より基本電圧vdF*、vqF*の導出過程を説明する。
基本電圧演算部5aは、電流指令値id*、iq*に基づいて回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を演算するものであるため、まず、式(1)において、電流をid*=i1d=i2d、iq*=i1q=i2qで与える(式(2))。
Figure 0005992113
ここで、右辺1行目と3行目、2行目と4行目はそれぞれ同一であるので、下記の式(3)、式(4)が得られる。
Figure 0005992113
電流指令値id*、iq*より、式(3)、式(4)の関係から、式(3)のv1d=vdF*、式(4)のv1q=vqF*として、回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を演算することによって、電流指令値id*、iq*に基づいて必要な基本電圧vdF*、vqF*が出力され、交流回転機の応答が改善される効果がある。
さらに、以下では、式(3)、式(4)より簡素な演算で電流応答を改善する基本電圧演算法について述べる。式(3)、式(4)において、電気角速度ωは交流回転機自身の慣性モーメントに加え交流回転機に接続される負荷の慣性モーメントの影響を受けるため、電流に比べて高速に応答しない。
電気角速度ωのような比較的低周波数帯域では、先に述べた特許文献1や本発明における第2巻線を流れる電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を補償するといった、検出電流に基づいた非干渉化制御で対応できる。しかしながら、交流回転機の電流指令値および電気的定数に基づく項に対する周波数帯域は、電流制御の限界付近の高い周波数帯域と等しいため、その項に対しては基本電圧として補償することで電流制御応答を確保することが可能である。
以上により、式(3)、(4)における電気角ωに関する項をそれぞれ下式(5)、式(6)のように省略し、電流指令と交流回転機1aの電気的定数(電機子巻線抵抗Rや電機子巻線インダクタンスLd、Lq、Md、Mq)で表される簡素な演算で電流応答を改善できる。
Figure 0005992113
以上のように、本発明における実施の形態1においては、まず、第2巻線を流れる電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を補償する構成とすることで、特許文献1のように多量な演算をすることなく、電気角周波数ωの帯域を含めた電流制御の応答帯域を確保する。その上で、検出電流に基づく非干渉化制御が追従しない帯域においては、電流指令値と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答まで確保することができる。
その際、電気角周波数ωの帯域は検出電流に基づく非干渉化制御で対応できていることを考慮し、特許文献2のように電気角周波数ωに関する項を含むことなく、簡素に1重巻線レベルの応答を確保している。
以上の構成により、簡素な構成で、電流制御の応答を1重巻線の交流回転機のレベルまで高めることが可能となる。
実施の形態2.
図6は、本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態2の構成を示しており、前記実施の形態1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。本実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、第1電圧演算部6bにおける差電流演算器211、減算器212、電流制御器213、加算器214および差電圧演算部215である。
まず、差電流演算器211は、座標変換器10から得た第1巻線の電流i1d、i1qをそれぞれ、座標変換器11から得た第2巻線の電流i2d、i2qで減算して第1巻線の電流と第2巻線の電流の差である差電流Δid、Δiqを出力する。
減算器212は、所定の差電流指令値Δid*、Δiq*をそれぞれ、差電流演算器211で得た電流Δid、Δiqから減算して偏差dΔid(=Δid*−Δid)、dΔiq(=Δiq*−Δiq)を出力する。前記差電流指令値Δid*、Δiq*は共に0に設定する。
電流制御器213は、減算器212から得た偏差dΔid(=Δid*−Δid)、dΔiq(=Δiq*−Δiq)が共に零になるように比例積分制御または比例制御を用いて差電圧Vd_dif*、Vq_dif*を演算する。
この結果、差電圧演算部215は、減算器212と電流制御器213から構成され、第1巻線の電流と第2巻線の電流の差である差電流Δid、Δiqと差電流指令値Δid*、Δiq*に基づいて、差電圧Vd_dif*、Vq_dif*を出力する。
加算器214は、電流制御器213から得た差電圧vd_dif*、vq_dif*と、電流制御器15から得た回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値v1d*、v1q*とをそれぞれ加算して、回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V1d’*、V1q’*を演算する。
交流回転機の制御装置を図6のように構成することによって、差電流演算器211によって第1巻線の電流と第2巻線の電流との差である差電流を求め、減算器212によってその差電流と差電流指令値との偏差を求め、この偏差を零とするべく差電圧v1d_dif*、v1q_dif*を電流制御器214へ加算することができる。この結果、第1巻線の電圧指令値v1d’*、v1q’*は、差電流を抑制するように働き、実施の形態1で述べた干渉電圧の影響を抑制することができる。
以下、上記の差電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を演算することで干渉電圧が抑制されることに関して詳細に述べる。まず、図4、5より、次式(7)、(8)を得る。
Figure 0005992113
ただし、Vid12 =sMdi2d、Vid21 =sMdi1d、Viq12 =sMqi2q、Viq21 =sMqi1qである。
式(7)、(8)より、1、2群電圧の差で表される差電圧(V1d−V2d、V1q−V2q)から差電流(i1d−i2d、i1q−i2q)までの伝達特性は図7、8に示すような単純な1次遅れ系であり、図4、5のような干渉電圧は存在しない。従って差電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を補償する電流制御器213を、図7、8のような単純な1次遅れ系の制御対象に対する制御器として設計することで干渉電圧の影響を低減し、第1巻線の電流と第2巻線の電流の不平衡を抑制できる。
この実施の形態2では、差電流に基づいて、電流制御器213から得た差電圧Vd_dif*、Vq_dif*で第1巻線の電圧指令値を補正することで干渉電圧の影響を抑制でき、電流制御応答を改善できるという効果を得る。
以上のように、本発明における実施の形態2においては、第1電圧演算部において、第1巻線の電流と第2巻線の電流との差電流を求め、この差電流および差電流指令値に基づいて差電圧演算部215にて差電圧を出力し、この差電圧に基づいて第1巻線の電圧指令値を補正する構成としている。この結果、実施の形態1に対して、差電圧から差電流までの単純な1次遅れ形の制御対象に対して、電流制御器212を設計することで干渉電圧の影響を受けず、第1巻線の電流と第2巻線の電流の不平衡をより抑制できる。
また、本実施の形態2の構成においても、差電流に基づいて第1巻線の電圧指令値を補正し、第2巻線の電圧指令値は電流指令値と第2巻線の電流に基づいて演算するという簡素な構成である。従って、特許文献1のように多量な演算をすることなく、電気角周波数ωの帯域を含めた電流制御の応答帯域を確保できる。また、本実施の形態2は、実施の形態1と同様に、特許文献2のように電気角周波数ωを含んだ演算を必要としない。さらに、本実施の形態2は、検出電流に基づく非干渉化制御が追従しない帯域においては、電流指令値と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答にまで、簡素な構成で高めることが可能となる。
実施の形態3.
図9は、本発明に係る交流回転機の制御装置の実施の形態3の構成を示しており、前記実施の形態1、2と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
本実施の形態3が実施の形態2と異なるのは、第1電圧演算部6cにおいて、和電流演算器311、減算器312、電流制御器313および加算器314を具備している点である。
和電流演算器311は、座標変換器10から得た第1巻線の電流i1d、i1qにそれぞれ、座標変換器11から得た第2巻線の電流i2d、i2qを加算して、第1巻線の電流と第2巻線の電流の和である和電流id_sum、iq_sumを出力する。
減算器312は電流指令値id*、iq*をK2倍した値からそれぞれ、和電流演算器311から得た電流id_sum、iq_sumを減算して偏差Δid_sum(=K2×id*−id_sum)、Δiq_sum(=K2×iq*−iq_sum)を出力する。ここで、K2は2(定数)に設定する。
和電圧演算部315は、減算器312と電流制御器313から構成され、和電流演算器311による第1巻線の電流と第2巻線の電流の和である和電流id_sum、iq_sumと電流指令値id*、iq*とに基づいて、回転二軸(d−q軸)上の和電圧Vd_sum*、Vq_sum*を電流制御器313から出力する。
すなわち、電流制御器313は、減算器312から得た偏差Δid_sum、Δiq_sumが共に零に一致するように比例積分制御を用いて回転二軸(d−q軸)上の和電圧Vd_sum*、Vq_sum*を演算する。
加算器314は、電流制御器313から得た和電圧Vd_sum*、Vq_sum*にそれぞれ電流制御器213から得た差電圧Vd_dif*、Vq_dif*を加算した後、各々定数倍(K倍)して、その出力を回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V1d’*、V1q’*として出力する。ここでKは0.5に設定する。
交流回転機の制御装置を図9のように構成することによって、和電流演算器311で第1巻線の電流と第2巻線の電流との和電流を求め、減算器312によって、和電流指令値の定数(K2)倍との偏差を求め、その偏差を零とするべく和電圧Vd_sum*、V1q_sum*を電流制御器313にて演算する。
そして電流制御器313から得た和電圧Vd_sum*、V1q_sum*と電流制御器213から得た差電圧Vd_dif*、Vq_dif*に基づいて電圧指令値V1d’*、V1q’*を加算器314にて算出することによって、実施の形態1で述べた干渉電圧の影響を抑制することができる。以下この理由について述べる。
図4、5より、次式(9)、(10)を得る。
Figure 0005992113
ただし、Vid12 =sMdi2d、Vid21 =sMdi1d、Viq12 =sMqi2q、Viq21 =sMqi1qである。
式(9)、(10)より、1、2群電圧の和で表わされる和電圧(V1d+V2d、V1q+V2q)から和電流(i1d+i2d、i1q+i2q)までの伝達特性は図10、11に示すような単純な1次遅れ系であり、図4、5のように干渉電圧は存在しない。従って、電流制御器313では、図10、11に示す制御対象に対して、和電流(i1d+i2d、i1q+i2q)に基づいて和電圧Vd_sum*、V1q_sum*を演算する電流制御器を構成することによって干渉電圧の影響を抑制できる。
さらに、実施の形態2で述べたように差電圧Vd_dif*、Vq_dif*を得るため干渉電圧の影響を抑制できる。加算器314では、共に干渉電圧の影響が抑制された和電圧Vd_sum*、V1q_sum*と差電圧Vd_dif*、Vq_dif*に基づいて電圧指令値V1d’*、V1q’*を演算する構成であるため、電圧指令値V1d’*、V1q’*は干渉電圧の影響が小さい。
従って、V1d’*、V1q’*に基づいて第1巻線を流れる電流が実施の形態1、2に比べさらに安定し、そのことで図4、5における干渉電圧Vid21、Viq21が安定するため、第2巻線の電流も安定し、交流回転機1を安定して駆動することが可能となるという効果を得る。
なお、本実施の形態3では、第1巻線の電圧指令値を和電圧、差電圧、基本電圧に基づいて出力する構成について述べたが、第1巻線の電圧指令値を、和電圧、実施の形態1で述べた補償電圧指令値V1d_h*、V1q_h*、および基本電圧に基づいて出力する構成にしてもよい。この場合においても、和電圧による干渉電圧の抑制効果による効果が得られる。
以上のように、本発明における実施の形態3においては、第1電圧演算部は和電流演算器にて第1巻線の電流と第2巻線の電流との和電流を求め、この和電流および電流指令値に基づいて和電圧演算部にて和電圧を出力し、この和電圧に基づいて第1巻線の電圧指令値を出力する構成とする。従って実施の形態2に比べて、和電圧から和電流までの単純な1次遅れ系の制御対象に関して、和電流に基づき和電圧を出力する電流制御器313を用いることで干渉電圧の影響をより低減でき、第1巻線の電流と第2巻線の電流の不平衡をより抑制し、交流回転機を安定して駆動できる。
また、本実施の形態3の構成においても、第1巻線の電圧は和電流と差電流、および電流指令値に基づいて演算し、第2巻線の電圧指令値は、電流指令値と第2巻線の電流に基づいて演算するという簡素な構成であり、特許文献1のように多量な演算をすることなく、電気角周波数ωの帯域を含めた電流制御の応答帯域を確保できる。さらに、本実施の形態3では、検出電流に基づく非干渉化制御が追従しない帯域においては、電流指令値と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答まで確保する。
その際、本実施の形態3は、電気角周波数ωの帯域は検出電流に基づく非干渉化制御で対応できていることを考慮し、特許文献2のように電気角周波数ωに関する項を含むことなく、簡素に1重巻線レベルの応答を確保している。以上により、特許文献2に対して簡素な構成で、電流制御の応答を1重巻線の交流回転機のレベルまで高めることが可能となる効果を得る。
なお、ここでは、和電圧を用いて和電流を制御したためK2を2、Kを0.5としたが、K2を1、Kを1として平均電圧を用いて平均電流を制御しても同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図12は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態4の構成を示しており、前記実施の形態1〜3と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。本実施の形態4が実施の形態3と異なるのは、第1電圧演算部6d、第2電圧演算部7d、および加算器401である。
加算器401は、電流制御器313から得た和電圧vd_sum*、vq_sum*からそれぞれ、電流制御器213(構成は上記と同様)から得た差電圧vd_dif*、vq_dif*を減算した後、各々定数倍(K倍)して、その出力を回転二軸(d−q軸)上の電圧指令値V2d*、V2q*として出力する。
交流回転機の制御装置を図12のように構成することによって、第1巻線の電圧指令値V1d’’*、V1q’’*に加えて、第2巻線の電圧指令値V2d’’*、V2q’’*も干渉電圧の影響が抑制された和電圧vdsum*、vqsum*および差電圧vd_dif*、vq_dif*に基づいて出力されることになる。
従って、本実施の形態4は、実施の形態3における第1巻線の電圧指令値のみが和電圧および差電圧に基づいて補償された場合と比較して、干渉電圧の影響がより抑制され、実施の形態1〜3に比べてさらに電流制御応答を改善できる効果がある。
以上のように、本発明における実施の形態4においては、和電圧および差電圧に基づいて第1巻線の電圧指令値および第2巻線の電圧指令値を出力するように、第1電圧演算部、第2電圧演算部を構成した。従って、第1巻線の電圧指令値および第2巻線の電圧指令値は、共に和電圧および差電圧に基づいて演算されることになり、実施の形態3に比べて第2巻線の電圧指令値も干渉電圧の影響が低減され、第1巻線の電流と第2巻線の電流の不平衡をより抑制し、交流回転機を安定して駆動できる。
また、特許文献1に対しては、実施の形態1〜3と同様に、検出電流に基づく非干渉化制御が追従しない帯域においては、基本電圧演算部における電流指令値と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答まで確保できる効果がある。
その際、電気角周波数ωの周波数帯域は検出電流に基づく非干渉化制御で対応できていることを考慮し、特許文献2のように電気角周波数ωに関する項を含むことなく、簡素に1重巻線レベルの応答を確保している。以上により、特許文献2に対し、簡素な構成で、電流制御の応答を1重巻線の交流回転機のレベルまで高めることが可能となる効果がある。
実施の形態5.
図13は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態5の構成を示しており、前記実施の形態1〜4と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。本実施の形態5が実施の形態1〜4と異なるのは、第1電圧演算部6e、第2電圧演算部7e、加算器501、加算器502および加算器503である。
加算器501は、電流制御器313から得た和電圧vd_sum*、vq_sum*と、基本電圧演算部5aから得た基本電圧を定数(K2)倍した値K2×vd_F*、K2×vq_F*とを加算して、加算値Vd_sum’*、Vq_sum’*として出力する。ここでK2は減算器312と同じ値を使用する。
基本電圧にK2を乗算する理由は、実施の形態1〜4では第1巻線の電圧指令値および第2巻線の電圧指令値にそれぞれ基本電圧を加算していたのに対し、本実施の形態では加算器501の出力が和電圧Vdsum’*、Vqsum’*であるためである。また、基本電圧へK2を乗算する演算は、加算器501で実施せずに、基本電圧演算部5aで実施してもよい。
加算器502は、加算器501から得た加算値Vd_sum’*、Vq_sum’*と電流制御器213から得た差電圧vd_dif*、 vq_dif*との和を演算した後、その出力を各々定数(K)倍して回転二軸(d−q軸)上の第1巻線の電圧指令値V1d’’*、V1q’’*を演算する。ここでKは減算器314と同じ値を使用する。加算器503では、加算器501から得た加算値Vd_sum’*、Vq_sum’*からそれぞれ電流制御器213から得た差電圧vd_dif*、 vq_dif*を減算した後、その出力を各々K倍して回転二軸(d−q軸)上の第2巻線の電圧指令値V2d’*、V2q’*を算出する。ここでKは減算器314と同じ値を使用する。
交流回転機の制御装置を図13のように構成することによって、基本電圧を加算する加算器が実施の形態1〜4では加算器18、21の2個必要であったが、本実施の形態では加算器501の1個で済むため演算の簡素化が図れるという効果がある。
以上のように、本発明における実施の形態5においては、和電圧と基本電圧の加算値を演算し、その加算値と差電圧に基づいて第1巻線の電圧指令値および第2巻線の電圧指令値を出力するように、第1電圧演算部および第2電圧演算部を構成している。これにより、実施の形態4では基本電圧を加算する加算器が加算器18、21の合計2個必要であったが、加算器501の1個で済むため、演算が簡素になるという効果がある。
さらに、特許文献1のような検出電流に基づく非干渉化制御だけの構成では対応できない周波数帯域で、基本電圧演算部における電流指令値と電気的定数に基づいて演算された基本電圧を用いることで、電流制御応答を1重巻線レベルの応答にまで確保できる効果がある。
また、基本電圧演算部は実施の形態1〜4と同構成であり、特許文献2のように電気角周波数ωに関する項を含むことなく、簡素に1重巻線レベルの応答を確保している。
以上のように、特許文献1や2のような従来の技術に対し、簡素な構成で、電流制御の応答を1重巻線の交流回転機のレベルまで高めることが可能となる。
実施の形態6.
上記の実施の形態1〜5の基本電圧演算器5aにおいて、電流指令値に、電流指令値に対する第1巻線の電流、第2巻線の電流の所望の応答周波数以上の周波数帯域の成分が含まれる場合、基本電圧は電流指令値と電気的定数に基づいて演算されることから基本電圧にもその所望の周波数以上の周波数帯域の成分が含まれる。その結果、基本電圧に基づいて交流回転機1aに電圧を印加すると、第1巻線の電流および第2巻線の電流にもその所望の応答周波数以上の周波数帯域の成分が含まれ、例えばその帯域が人間の可聴域の周波数帯域と一致すると、交流回転機から騒音が発生するといった課題がある。本実施の形態6ではこのような課題に対処する例を示す。
図14は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態6の構成を示しており、前記実施の形態1〜5と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。実施の形態1〜5では、電流指令値と交流回転機1aの電気的定数に基づいて式(5)、(6)により基本電圧Vdf*、Vqf*を演算していたが、本実施の形態6では、下記の基本電圧演算部5bにおいて、次式(11)、(12)によって基本電圧を算出する。
Figure 0005992113
ここで、idrはd軸電流指令値id*に対し電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の時定数で応答する応答電流、iqrはq軸電流指令値iq*に対し電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の時定数で応答する応答電流である。これらは、それぞれ次式(13)、(14)で表されるように、電流指令値にフィルタ処理を施した出力が応答電流である。
Figure 0005992113
ただし、Tcdはd軸応答電流の時定数、Tcqはq軸応答電流の時定数である。
式(13)、(14)は電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の応答の時定数の1次のローパスフィルタを構成するが、次数は1次に限定しない。
従って、実施の形態6では、電流指令値に基づいて応答電流演算器(図示せず)にて式(13)、(14)より電流指令値に対する電流の所望の応答の応答電流を出力し、その応答電流に基づいて式(11)、(12)より基本電圧を演算する。
次に、式(13)、式(14)をそれぞれ式(11)、式(12)に代入すると次式(15)、式(16)が得られる。
Figure 0005992113
従って、式(15)、式(16)により、基本電圧vdF*、vqF*を演算してもよい。また、実施の形態6では、実施の形態5に対して、基本電圧演算部を同5bとして実施する例を述べたが、実施の形態1〜5の構成に対しても基本電圧演算部を同5bの構成としても良いことは言うまでもない。
基本電圧演算部を同5bのように構成することによる効果について述べる。電流指令値に対し、式(13)、(14)のように、電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の応答の時定数を持つローパスフィルタを通した出力である応答電流からは電流指令値に含まれる所望の応答以上の周波数帯域の周波数が除去される。
そして、その応答電流と基本電圧に基づいて、式(15)、(16)に基づいて演算することにより、基本電圧からも所望の応答以上の周波数成分が除去され、その基本電圧に基づいて、交流回転機1aの第1巻線および第2巻線に電流を通電しても、その電流には所望の応答以上の周波数成分が低減され、交流回転機から発生する騒音を低減できる効果がある。
以上のように、本発明における実施の形態6においては、電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の応答を応答電流として演算し、その応答電流に基づいて基本電圧を演算する構成とした。これにより、基本電圧から所望の応答以上の周波数帯域成分が除去され、その基本電圧に基づいて、交流回転機の第1巻線および第2巻線に電流を通電しても、その電流からは所望の応答以上の周波数成分は除去され、実施の形態1〜5に比べて交流回転機から発生する騒音を低減できる効果がある。
さらに、特許文献1に対して、検出電流に基づく非干渉化制御では対応できない周波数帯域は基本電圧演算部における応答電流と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答まで確保できる効果がある。また、基本電圧演算部は、特許文献2のように電気角周波数ωに関する項を含むことなく、簡素に1重巻線レベルの応答を確保できる効果がある。
また、特許文献2(数[1]、数[2])では、巻線抵抗R1や自己インダクタンスL1等の電気定数に電流指令値を乗算した値に基づいて非干渉電圧を演算する構成であるため、電流指令値に所望の応答以上の周波数成分が含まれると、非干渉電圧および3相2重巻線電動機の電流にその成分が含まれ、その周波数成分が可聴域と一致した場合に騒音が生じることが懸念される。
これに対し、本実施の形態6では、上述したように応答電流に基づいて基本電圧を演算する構成にしたことによって、基本電圧に含まれる所望の応答以上の周波数成分を除去することで、特許文献2の構成に比べ交流回転機の騒音を低減できる効果を有する。
実施の形態7.
図14は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態7の構成にも適用され、前記実施の形態1〜6と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
上記の実施の形態6のように、電流指令値に基づいて電流制御器313によって和電圧を演算すると、電流指令値に、電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の応答以上の周波数帯域の成分が含まれる場合、電流制御器313の電流指令値に対する電流の応答によって大きさは変わるものの、和電圧にもその成分が含まれることになる。
従って、その和電圧に基づいて、第1巻線の電圧指令値、第2巻線の電圧指令値を演算し、それら電圧指令値に基づいた電圧を交流回転機1aの第1巻線、第2巻線に印加し、第1巻線および第2巻線に電流を通電した場合、それら電流には所望の応答以上の周波数成分が含まれ、交流回転機から発生する騒音が発生するという課題が生じる。
そこで、本実施の形態7においても、実施の形態6と同様に、第1電圧演算部6fおよび第2電圧演算部7fは電流指令値id*、iq*を入力する代わりに上述した応答電流idr、iqrを基本電圧演算部5bから入力する。
すなわち、基本電圧演算部5bは、上記の基本電圧演算部5aの構成において、応答電流演算器(図示せず)で演算した応答電流idr、iqrを出力する。
減算器701は、応答電流idr、iqrをK2倍した値からそれぞれ、和電流演算器311から得た電流id_sum、iq_sumを減算して偏差Δid_sum(=K2×idr−id_sum)、Δiq_sum(=K2×idr−iq_sum)を算出する。ここで、K2は例えば2(定数)に設定する。
以下、第1電圧演算部6fおよび第2電圧演算部7fに入力する電流指令値id*、iq*を、基本電圧演算部5bを経て応答電流idr、iqrとする効果を述べる。
電流指令値に、それに対する第1巻線および第2巻線の電流の所望の応答の時定数を持つローパスフィルタを通した出力である応答電流指令値は、元の電流指令値より所望の応答以上の周波数帯域の周波数が除去されている。次に、その応答電流に基づいて、減算器701および電流制御器313により和電圧を演算することによって、和電圧の所望の応答以上の周波数帯域の成分は除去される。
その和電圧に基づいて、第1巻線の電圧指令値、第2巻線の電圧指令値を補償演算することで、交流回転機1aの第1巻線および第2巻線に電流を通電しても、その電流には所望の応答以上の周波数成分が低減され、その周波数成分が可聴域と一致した場合においても、交流回転機から発生する騒音を低減できる。
以上のように、本実施の形態7においては、第1電圧演算部、第2電圧演算部に入力する電流指令値を応答電流とする構成にしたことによって、和電圧から所望の応答以上の周波数帯域の成分が除去される。その和電圧に基づいて、交流回転機の第1巻線および第2巻線に電流を通電しても、その電流に含まれる所望の応答以上の周波数成分が低減され、実施の形態1〜6に比べて交流回転機から発生する騒音を低減できる効果がある。
さらに、特許文献1に対して、交流回転機検出電流に基づく非干渉化制御では対応できない周波数帯域は基本電圧演算部における応答電流と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答まで確保できる効果を得る。
これに加えて、特許文献1では、電流調節器17A、18Aに電流指令値がそのまま入力されており、電流指令値に所望の応答以上の周波数帯域の成分が存在すると、代表の電圧指令値にもその周波数帯域の成分が含まれ、その代表の電圧指令値に基づいて交流電動機に電流を通電すると、その周波数帯域の成分の帯域が可聴周波数と一致すると交流電動機より騒音を発生する懸念がある。しかしながら、本実施の形態では、応答電流に基づいて第1の電圧指令値および第2の電圧指令値を演算する構成としたことによって、この騒音が低減される効果を得る。
また、基本電圧演算部は上記の実施の形態と同構成であり、特許文献2のように電気角周波数ωに関する項を含むことなく、簡素に1重巻線レベルの応答を確保している。
また、特許文献2では、特許文献2(数[1]、数[2])では、巻線抵抗R1や自己インダクタンスL1等の電気定数に電流指令値を乗算した値に基づいて非干渉電圧を演算する構成である。このため、電流指令値に所望の応答以上の周波数成分が含まれると、非干渉電圧および3相2重巻線回転機の電流にその成分が含まれ、発生する周波数成分によっては騒音が生じることが懸念される。
これに対し、本実施の形態7では、上述のように応答電流に基づいて基本電圧を演算する構成にしたことによって、基本電圧に含まれる所望の応答以上の周波数成分を除去することで、特許文献2に比べ交流回転機の騒音を低減できる効果がある。
実施の形態8.
図15は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態8の構成を示しており、前記実施の形態1〜7と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。本実施の形態8が実施の形態1〜7と異なるのは、基本電圧演算部5cおよび速度演算器801である。
速度演算器801は、位置検出器2aから検出した交流回転機1aの回転位置θを微分演算または差分演算することによって交流回転機1aの回転速度ωを算出する。基本電圧演算部5cは、電流指令値id*、iq*、速度演算器801より得た回転速度ω、交流回転機1aの電気的定数である磁束差交数φに基づいて回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を演算する。
以下、基本電圧演算部5cについて詳細に述べる。実施の形態1で述べたように、交流回転機1aの電流指令値と電圧の関係は式(3)、(4)で表されるので、基本電圧演算部5dでは、基本電圧を次式(17)、(18)のように回転速度ωに比例する速度起電力の項を含める。
Figure 0005992113
ここで、ωは速度演算器801より得た交流回転機1aの回転速度である。ただし、式(17)、(18)における電流指令値を応答電流idr、iqrに置き換えて次式(19)、(20)から基本電圧を求めてもよい。
Figure 0005992113
次に、基本電圧演算部5cにて、回転速度ωを用いて式(17)、(18)あるいは式(19)、(20)から基本電圧を演算することによる効果について述べる。上記の式(17)〜(20)では、基本電圧に速度起電力を含めたため、例えば回転速度ωが急変し、交流回転機1aの速度起電力(外乱電圧)が急変した場合においても、基本電圧の速度起電力項が外乱電圧を抑圧することによって、電流指令値あるいは応答電流に基づいた基本電圧が得られる効果がある。
以上のように、本実施の形態8においては、基本電圧演算部5dが交流回転機1aの回転速度および磁束鎖交数に基づいて基本電圧を演算する構成とした。従って、実施の形態1〜7における基本電圧演算部の構成に比べて、交流回転機の速度が急変した場合に、交流回転機の速度起電力(外乱電圧)が急変しても、基本電圧に交流回転機の回転速度および磁束鎖交数に基づいて演算した速度起電力の項を含めたことによって、外乱電圧を抑制できる。これによって、電流指令値あるいは応答電流に応じた基本電圧を出力でき、電流指令値に対する第1巻線の電流および第2巻線の電流の所望の応答の電流が出力できる効果がある。
さらに、特許文献1に対して、検出電流に基づく非干渉化制御では対応できない周波数帯域については、基本電圧演算部における電流指令値または応答電流と電気的定数に基づいて演算された基本電圧によって電流制御応答を1重巻線レベルの応答にまで確保できる効果がある。
さらに、特許文献2のように、各巻線に対する各制御回路に非干渉電圧演算部を設けて、各制御回路毎に数[1]、数[2]の演算を実施する必要はなく、基本電圧演算部から出力された基本電圧に基づいて第1巻線の電圧指令値および第2巻線の電圧指令値を出力でき、演算を簡素にできるという効果がある。
実施の形態9.
図16は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態9の構成を示しており、前記実施の形態1〜8と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。本実施の形態9が実施の形態1〜8と異なるのは、交流回転機1b、速度検出器2b、すべり角速度演算器901、基本電圧演算部5d、第1電圧演算部6gおよび第2電圧演算部7gにおける加算器902および位置演算器903である。
ここで、交流回転機1bは2つの巻線を有する誘導回転機である。速度検出器2bは、交流回転機1bの回転速度ωを検出するものである。すべり角速度演算器901は、電流指令値iq*に基づいて、ベクトル制御を成立させるすべり角速度ωsを算出する。本算出方法は、間接形(すべり周波数形)ベクトル制御としてしられる公知の技術である。
加算器902は、速度検出器2bから得た回転速度ωにすべり角速度演算器901から得たすべり角速度ωsを加算することで、同期角速度ω1を算出する。
位置検出器903は、加算器902から得た同期角速度ω1を積分演算することによって、交流回転機1bの位置θを出力する。
次に、基本電圧演算部5dについて詳細に説明する。
次式(21)は、交流回転機1bにおける回転二軸上(d−q軸)の固定子電圧と固定子電流の関係式である。ここで、ω1は同期角速度、ωsはすべり角速度、Rは電機子巻線抵抗、Lsは電機子巻線自己インダクタンス、M12は複数の巻線間の相互インダクタンスを示す。
Figure 0005992113
以下、式(21)より基本電圧vdF*、vqF*の導出過程を説明する。
基本電圧演算部5dでは、電流指令値id*、iq*に基づいて回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を演算する構成であるため、まず、式(1)において、電流をid*=i1d=i2d、iq*=i1q=i2qで与えると、次式(22)となる。
Figure 0005992113
ここで、右辺1行目と3行目、2行目と4行目はそれぞれ同一であるので、次式(23)、式(24)を得る
Figure 0005992113
また、同期角速度ω1と交流回転機1bの回転速度ωとすべり角速度ωsの関係は次式(25)で表わされる。
Figure 0005992113
よって、基本電圧演算部5dにおいては、式(25)より同期角速度ω1を求め、電流指令値id*、iq*より、式(23)、式(24)の関係から、式(3)のv1d=vdF*、式(4)のv1q=vqF*として、回転二軸(d−q軸)上の基本電圧vdF*、vqF*を演算することによって、電流指令値id*、iq*を通電するのに必要な基本電圧vdF*、vqF*が算出され、交流回転機の応答が改善される効果がある。
また、交流回転機1aの場合で説明した実施の形態1と同様に、式(23)、式(24)において、同期角速度ω1は交流回転機自身の慣性モーメントに加え交流回転機に接続される負荷の慣性モーメントの影響を受ける。このため、電流に比べて高速に応答しないことを考慮して、式(23)、(24)より同期角速度ω1を含む項を省略し、式(26)、(27)のように演算してもよい。
Figure 0005992113
また、電流指令値と交流回転機1bの電気的定数(R、Ls、M12)に基づいて基本電圧を演算する式(23)、(24)、(26)、(27)に対して、実施の形態6〜8で述べたように応答電流を用いて演算することによって、交流回転機1bの電流指令値に対する電流の所望の応答に対する基本電圧を演算することも可能である。
本実施の形態9では、交流回転機1aについて述べた実施の形態1〜8に対する効果を交流回転機1bに対しても実施できる効果がある。
実施の形態10.
図17は、本発明における交流回転機の制御装置の実施の形態10の構成を示しており、前記実施の形態1〜9と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものである。
本実施の形態10が実施の形態1〜9と異なるのは、電流指令制限部802を設けた点である。高回転領域では誘起電圧が大きくなるため、電圧飽和が発生する。この場合には、式(13)および式(14)のような応答電流を得ることができない。本実施の形態10では、入力である電流指令値に対して電圧飽和を考慮することにより、基本電圧vd_Fおよびvq_Fが必要以上に大きくなることによる高回転域でのフィードバック不良を防止する。
以下、電流指令制限部802について詳細に述べる。第1巻線および第2巻線において、回転二軸上(d−q軸)の電圧は、電源電圧をvdcとすると次式(28)を満たす必要がある。
Figure 0005992113
この場合、v1d、v1q、v2d、v2qは式(3)および式(4)のように表現できるため、定常状態においては次式(29)が成り立つ。
Figure 0005992113
d軸電流idが指令通り制御できている場合には、q軸電流iqは式(29)に従って制限される。式(29)を解いて電圧飽和時のiqを算出することも可能であるが、廉価なマイコンで実現できる方法を下記に述べる。
一般的に、高回転域での出力を稼ぐために、d軸電流を負値にして弱め磁束制御を実施する。その場合、vdは負値となるため、例えば次式(30)で制限する。
Figure 0005992113
回転速度ωに応じて、iq*を次式(31)で簡易的に制限することができる。
Figure 0005992113
電流指令制限部802では、式(31)によりid*およびωに基づいてq軸電流指令値iq*を制限して、q軸電流指令値iq’*を算出する。
以上のように、本発明における実施の形態10においては、交流回転機1aの回転速度および電流指令値に基づいて制限を掛けた電流指令値を基本電圧演算部の入力とする。これにより、回転速度ωが急増して電圧飽和が発生した場合においても、電流制御器313で得られるフィードバック項を大きく変動させる必要が無く電流指令値に対する追従性を向上させることができる。また、回転速度ωが大きい領域において、電流制御器313での積分項の無用な増加を防止できるため制御安定性が向上する。
本実施の形態では電流指令制限部802によって制限を掛けた電流指令値を基本電圧演算部5eの入力として使用したが、基本電圧演算部5a〜5dの入力として使用した場合にも同様の効果を得ることができる。
ここでは、電流指令制限値をid*およびωに基づいて算出する例を示したが、次式(32)のように前記第1巻線の電圧指令値v1d’’*を用いて制限を掛けても同様の効果が得られる。また、前記第2巻線の電圧指令値v2d’’*または前記和電圧vdsum’*を用いても同様の効果が得られる。
Figure 0005992113
電流制御が正常に動作している場合においては検出電流と大きな差異が出ないことを用いて、前記第1巻線の検出電流を用いて次式(33)のように制限をかけても同様の効果が得られる。
Figure 0005992113
αは、電流検出誤差および電流制御によって発生する偏差を考慮して設定すればよい。なお、前記第2巻線の検出電流を用いても同様の効果が得られる。

Claims (17)

  1. 第1巻線および第2巻線を有し、回転二軸上で制御演算を行う交流回転機の制御装置において、
    前記第1巻線の電流および前記第2巻線の電流をそれぞれ検出する電流検出部と、
    前記交流回転機の電流指令値および電気的定数に基づいて基本電圧を算出する基本電圧演算部と、
    前記電流指令値と前記基本電圧と前記第1巻線の電流とに基づいて前記第1巻線の電圧指令値を算出する第1電圧演算部と、
    前記電流指令値と前記基本電圧と前記第2巻線の電流とに基づいて前記第2巻線の電圧指令値を算出する第2電圧演算部と、
    前記第1巻線の電圧指令値に基づいて前記交流回転機の第1巻線に電圧を印加する第1電圧印加部と、
    前記第2巻線の電圧指令値に基づいて前記交流回転機の第2巻線に電圧を印加する第2電圧印加部と
    を備え、
    前記第1電圧演算部は、前記電流指令値、前記基本電圧、前記第1巻線の電流とともに、さらに前記第2巻線の電流に基づいて、前記第1巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部は、前記電流指令値と前記第1巻線の電流との偏差である第1偏差、および前記電流指令値と前記第2巻線の電流との偏差である第2偏差を算出し、前記第2偏差に基づいて前記第1偏差を補償することで前記第1巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  3. 請求項1に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部は、前記第1巻線の電流と前記第2巻線の電流との差電流を算出し、算出した前記差電流に基づいて前記第1巻線の電流と前記電流指令値との偏差を補償することで前記第1巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  4. 請求項1に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部は、前記第1巻線の電流と前記第2巻線の電流との差電流および和電流を算出するとともに、前記和電流と前記電流指令値との差分を算出し、算出した前記差分を前記差電流に基づいて補償することで前記第1巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  5. 請求項1に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部は、前記第1巻線の電流と前記第2巻線の電流との差電流および和電流を算出するとともに、前記和電流と前記電流指令値に基づいて和電圧を算出し、
    前記第2電圧演算部は、前記差電流と差電流指令値に基づいて差電圧を算出し、
    前記第1電圧演算部は、前記和電圧と前記差電圧と前記基本電圧とに基づいて前記第1巻線の電圧指令値を算出し、
    前記第2電圧演算部は、前記和電圧と前記差電圧と前記基本電圧とに基づいて前記第2巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  6. 請求項5に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部は、前記和電圧と前記差電圧と前記基本電圧との加算値に基づいて前記第1巻線の電圧指令値を算出し、
    前記第2電圧演算部は、前記差電圧と前記和電圧との差分に前記基本電圧を加算した値に基づいて前記第2巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  7. 請求項5に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部は、前記和電圧と前記差電圧と前記基本電圧との加算値に基づいて前記第1巻線の電圧指令値を算出し、
    前記第2電圧演算部は、前記加算値から前記差電圧を減算した値に基づいて前記第2巻線の電圧指令値を算出する
    交流回転機の制御装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記基本電圧演算部は、前記電流指令値に対する前記第1巻線の電流および前記第2巻線の電流の所望の応答を応答電流として算出し、算出した前記応答電流に基づいて前記基本電圧を算出する
    交流回転機の制御装置。
  9. 請求項8に記載の交流回転機の制御装置において
    前記基本電圧演算部は、前記電流指令値にフィルタ処理を施すことで前記応答電流を算出する
    交流回転機の制御装置。
  10. 請求項9に記載の交流回転機の制御装置において
    前記基本電圧演算部は、前記フィルタ処理を、前記電流指令値に対する前記第1巻線の電流および前記第2巻線の電流の所望の応答に対応する時定数のローパスフィルタ形式で行う
    交流回転機の制御装置。
  11. 請求項8から10のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記第1電圧演算部および前記第2電圧演算部は、前記基本電圧演算部で算出された前記応答電流を前記電流指令値の代わりとして用いる
    交流回転機の制御装置。
  12. 請求項11に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記交流回転機の回転速度を検出する速度演算器をさらに備え、
    前記基本電圧演算部は、前記回転速度と前記電流指令値に基づいて前記基本電圧および前記応答電流を算出する
    交流回転機の制御装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記電気的定数は、前記交流回転機の電機子巻線抵抗および電機子巻線インダクタンスを含む
    交流回転機の制御装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記電気的定数は、多重巻線回転機の磁束鎖交数を含む
    交流回転機の制御装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記交流回転機は、同期回転機である
    交流回転機の制御装置。
  16. 請求項1から14のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記交流回転機は、誘導回転機であり、
    前記電流指令値に基づき前記交流回転機のすべり速度を演算するすべり速度演算器をさらに備え、
    前記基本電圧演算部は、前記交流回転機の回転速度と前記すべり速度と前記電流指令値に基づいて前記基本電圧を算出する
    交流回転機の制御装置
  17. 請求項15または16に記載の交流回転機の制御装置において、
    前記電流指令値の内の回転二軸上における一方の電流指令値に制限をかける電流指令制限部をさらに備える
    交流回転機の制御装置。
JP2015546223A 2013-11-08 2013-11-08 交流回転機の制御装置 Expired - Fee Related JP5992113B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/080235 WO2015068258A1 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 交流回転機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5992113B2 true JP5992113B2 (ja) 2016-09-14
JPWO2015068258A1 JPWO2015068258A1 (ja) 2017-03-09

Family

ID=53041060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015546223A Expired - Fee Related JP5992113B2 (ja) 2013-11-08 2013-11-08 交流回転機の制御装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9954472B2 (ja)
EP (1) EP3068034B1 (ja)
JP (1) JP5992113B2 (ja)
CN (1) CN105706354B (ja)
WO (1) WO2015068258A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6188931B2 (ja) * 2014-04-28 2017-08-30 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置および制御方法、並びに電動パワーステアリング装置
US9991778B2 (en) 2016-02-29 2018-06-05 The Boeing Company Balancing current within a modular converter system
EP3223422B1 (en) * 2016-03-24 2023-06-14 Siemens Gamesa Renewable Energy A/S Control arrangement of a multi-stator machine
US10454393B2 (en) * 2016-07-25 2019-10-22 The Boeing Company Balancing current within a parallel modular converter system
JP6893293B2 (ja) * 2017-02-21 2021-06-23 有限会社シー・アンド・エス国際研究所 二重三相巻線永久磁石同期形電動機の駆動システム
EP3675352B1 (en) * 2017-08-21 2021-09-22 Mitsubishi Electric Corporation Power conversion device and electric power steering device
US11329584B2 (en) * 2018-03-05 2022-05-10 Mitsubishi Electric Cornoration Control device for ac rotating machine, and control device for electric power steering
CN113454425A (zh) * 2019-02-20 2021-09-28 日本电产株式会社 位置推断装置
JP7183322B2 (ja) * 2021-03-16 2022-12-05 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置
EP4274091A1 (en) * 2022-05-06 2023-11-08 Volvo Car Corporation Method for operating an electric drive unit, data processing device and electric drive unit

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2614788B2 (ja) * 1991-04-24 1997-05-28 株式会社日立製作所 交流電動機制御装置
JP2003153585A (ja) * 2001-11-06 2003-05-23 Mitsubishi Electric Corp 多重巻線電動機の制御装置
WO2008047438A1 (fr) * 2006-10-19 2008-04-24 Mitsubishi Electric Corporation Contrôleur vectoriel d'un moteur synchrone à aimant permanent

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2515903B2 (ja) * 1990-03-02 1996-07-10 株式会社日立製作所 交流電動機駆動システムとその制御方法
JP3899648B2 (ja) 1998-03-13 2007-03-28 株式会社明電舎 多重巻線電動機の制御方法
JP2000032799A (ja) * 1998-07-07 2000-01-28 Hitachi Ltd 回転電機の制御装置及び制御方法
JP3777953B2 (ja) * 2000-06-20 2006-05-24 株式会社日立製作所 交流電動機の駆動システム
US6936991B2 (en) * 2002-06-03 2005-08-30 Ballard Power Systems Corporation Method and apparatus for motor control
JP4519864B2 (ja) * 2007-01-29 2010-08-04 三菱電機株式会社 交流回転機の電気的定数測定方法およびこの測定方法の実施に使用する交流回転機の制御装置
JP5292995B2 (ja) * 2008-08-22 2013-09-18 株式会社ジェイテクト モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置
JP5178768B2 (ja) * 2010-04-06 2013-04-10 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置及び電動パワーステアリングの制御装置
JP5397785B2 (ja) * 2011-08-01 2014-01-22 株式会社デンソー 3相回転機の制御装置
JP5916343B2 (ja) * 2011-10-21 2016-05-11 三菱重工業株式会社 モータ制御装置、モータ制御方法
EP3070835B1 (en) * 2013-11-11 2020-01-01 Mitsubishi Electric Corporation Power conversion device
EP3110001B1 (en) * 2014-02-21 2020-12-23 Mitsubishi Electric Corporation Ac rotating machine control device and electric power steering control device
JP6188928B2 (ja) * 2014-04-23 2017-08-30 三菱電機株式会社 交流回転機の制御装置
CN107078673B (zh) * 2014-09-12 2019-07-05 三菱电机株式会社 交流旋转机的控制装置以及磁极位置校正量运算方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2614788B2 (ja) * 1991-04-24 1997-05-28 株式会社日立製作所 交流電動機制御装置
JP2003153585A (ja) * 2001-11-06 2003-05-23 Mitsubishi Electric Corp 多重巻線電動機の制御装置
WO2008047438A1 (fr) * 2006-10-19 2008-04-24 Mitsubishi Electric Corporation Contrôleur vectoriel d'un moteur synchrone à aimant permanent

Also Published As

Publication number Publication date
EP3068034B1 (en) 2022-08-03
CN105706354A (zh) 2016-06-22
US20160204726A1 (en) 2016-07-14
EP3068034A1 (en) 2016-09-14
JPWO2015068258A1 (ja) 2017-03-09
EP3068034A4 (en) 2017-08-16
WO2015068258A1 (ja) 2015-05-14
CN105706354B (zh) 2018-10-30
US9954472B2 (en) 2018-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5992113B2 (ja) 交流回転機の制御装置
US10300940B2 (en) Electric power steering apparatus
RU2392732C1 (ru) Устройство управления вектором асинхронного двигателя, способ управления вектором асинхронного двигателя и устройство управления приводом асинхронного двигателя
JP3928575B2 (ja) モーター制御装置
JP4910445B2 (ja) Ipmモータのベクトル制御装置
JPWO2009072359A1 (ja) 交流電動機の制御装置
JPWO2016189694A1 (ja) 交流回転機の制御装置および電動パワーステアリングの制御装置
US9935568B2 (en) Control apparatus of rotary electric machine
JP2018182780A (ja) 多相回転機の制御装置
CN109952701B (zh) 电动机控制装置及具备该电动机控制装置的电动助力转向控制装置
JP2016021803A (ja) モータ制御装置並びにそれを搭載した電動パワーステアリング装置及び車両
WO2013111357A1 (ja) 交流回転機の制御装置、及びその制御装置を備えた電動パワーステアリング装置
JP2014200129A (ja) モータの速度制御装置
JP5276688B2 (ja) 同期機制御装置
JP5900656B2 (ja) モータ制御装置およびモータ制御方法
JP6115392B2 (ja) モータ制御装置
WO2020105204A1 (ja) 電力変換装置
JP5620526B2 (ja) モータ制御装置
US10389279B2 (en) Controller of rotary electric machine
JP4359546B2 (ja) 交流モータの制御装置
JP2008167630A (ja) 電力変換器の制御装置
JP5930071B2 (ja) モータ制御装置およびモータ制御方法
Tabasian et al. Indirect field‐oriented control of star‐connected three‐phase induction machine drives against single‐phase open‐circuit fault
JP2018007454A (ja) モータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置
JP5517983B2 (ja) 交流回転機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5992113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees