JP5930071B2 - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置およびモータ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ制御装置およびモータ制御方法に関する。
内藤治夫編著の「実用モータドライブ制御系設計とその実際」の191−230頁には、誘導電動機のステータに流す三相交流電流を電源角周波数(=モータ電気角周波数+すべり角周波数)に同期した直交二軸座標系に変換した磁束電流とトルク電流を調整することによってモータトルクを制御する誘導モータ用ベクトル制御が開示されている。すべり角周波数をトルク電流とロータ磁束の比率に比例するように制御する場合、磁束電流に遅れを伴って発生するロータ磁束と直交するトルク電流の積に誘導モータトルクは比例する。また、各軸は互いに干渉し合っているため、それぞれ独立して制御できるように干渉項を相殺する非干渉制御器を設けている。
「実用モータドライブ制御系設計とその実際」に記載されている誘導モータを電気自動車に適用した場合、モータの出力軸からドライブシャフトを介して駆動輪へと至るトルクの伝達系がドライブシャフトをバネ要素としたねじれ共振系を構成する。このため、急発進時や急加速時等のようにアクセルペダルを急激に踏み込むと、この急激な出力トルクの増加によってねじれ共振系が共振し、車体振動が発生することがある。
本発明は、捻り振動を抑制するためのモータ制御装置およびモータ制御方法を提供することを目的とする。
一実施形態におけるモータ制御装置は、交流誘導モータに電圧を供給して駆動するインバータと、交流誘導モータの目標モータトルクに基づいて、電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、電流指令値を補正する電流補正手段と、補正された電流指令値に基づいて、インバータを制御するインバータ制御手段とを備える。交流誘導モータの目標モータトルクは、第1の目標モータトルク、および、少なくとも捻り振動を抑制するために第1の目標モータトルクよりも高速応答が要求される第2の目標モータトルクを含む。電流指令値算出手段は、第1の目標モータトルクに基づいて演算される、入力に対して電流応答性が速い交流誘導モータのトルク成分である第1の電流指令値、および第1の電流指令値よりも電流応答性が遅い、交流誘導モータの励磁成分である第2の電流指令値を算出し、電流補正手段は、第2の電流指令値および第2の目標モータトルクに基づいて第1の電流補正値を算出し、第1の電流指令値を第1の電流補正値で補正することによって、補正後の第1の電流指令値を算出する。
本発明の実施形態については、添付された図面とともに以下に詳細に説明される。
図1は、第1の実施形態におけるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、トルク応答改善演算器の詳細な構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態におけるモータ制御装置の制御結果を示す図である。 図4は、図1に示す構成のうち、目標モータトルクをT およびT の2つに分けず、トルク応答改善演算器を設けない従来のモータ制御装置の制御結果を示す図である。 図5は、モータ制御装置を、界磁電流を流すための界磁巻線がロータに巻かれている巻線界磁同期モータに適用した場合の構成を示す第1の実施形態の変形例のブロック図である。 図6は、図5に示す構成におけるトルク応答改善演算器の詳細な構成を示すブロック図である。 図7は、図5および図6に示す構成におけるモータ制御装置の制御結果を示す図である。 図8は、図5に示す構成のうち、目標モータトルクをT およびT の2つに分けず、トルク応答改善演算器を設けない従来のモータ制御装置の制御結果を示す図である。 図9は、第2の実施形態におけるモータ制御装置のトルク応答改善演算器の詳細な構成を示すブロック図である。 図10は、図9に示す構成による制御結果を示す図である。 図11は、第2の実施形態の第1変形例であって、δ軸電流指令値およびγ軸電流指令値の両方に適切な上限値を設定して上限を制限する場合のトルク応答改善演算器の詳細な構成を示すブロック図である。 図12は、第2の実施形態の第2変形例におけるモータ制御装置のトルク応答改善演算器の詳細な構成を示すブロック図である。 図13は、図12に示す構成におけるモータ制御装置の制御結果を示す図である。 図14は、第2の実施形態の第3変形例であって、トルク応答改善演算器が、d軸電流指令値i **およびq軸電流指令値i **のうち、d軸電流指令値i **のみを入力する場合の構成図である。 図15は、第2の実施形態の第4変形例であって、トルク応答改善演算器が、d軸電流指令値i **およびq軸電流指令値i **のうち、q軸電流指令値i **のみを入力する場合の構成図である。 図16は、第2の実施形態の第5変形例であって、q軸電流補正値iq_T2に基づいてq軸電流指令値i **を補正する場合のトルク応答改善演算器の詳細な構成を示すブロック図である。 図17は、第3の実施形態におけるモータ制御装置を誘導モータに適用した場合の電流指令値演算器およびトルク応答改善演算器の詳細な構成を示す図である。 図18は、誘導モータにおいて、トルクT1がゼロまたはゼロ近傍であっても、遅い応答のγ軸電流iγs を所定量出力するようにした場合の制御結果を示す図である。 図19は、第3の実施形態の変形例であって、モータ制御装置を巻線界磁モータに適用した場合の電流指令値演算器およびトルク応答改善演算器の詳細な構成を示す図である。 図20は、巻線界磁モータにおいて、トルクT1がゼロまたはゼロ近傍であっても、遅い応答のγ軸電流iγs を所定量出力するようにした場合の制御結果を示す図である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態におけるモータ制御装置の構成を示すブロック図である。このモータ制御装置は、例えば、電気自動車に適用される。なお、電気自動車以外に、例えば、ハイブリッド自動車や、自動車以外のシステムに適用することも可能である。
モータ1は、三相交流誘導モータである。モータ制御装置が電気自動車に適用される場合、モータ1は車両の駆動源となる。
PWM変換器6は、三相電圧指令値V 、V 、V に基づいて、三相電圧型インバータ3のスイッチング素子(IGBTなど)のPWM_Duty駆動信号Duu 、Dul 、Dvu 、Dvl 、Dwu 、Dwl を生成する。
インバータ3は、PWM変換器6によって生成される駆動信号に基づいて、直流電源2の直流電圧を交流電圧V、V、Vに変換し、モータ1に供給する。直流電源2は、例えば積層型リチウムイオンバッテリである。
電流センサ4は、インバータ3からモータ1に供給される三相交流電流のうち、少なくとも2相の電流(例えば、U相電流i、V相電流i)を検出する。検出された2相の電流i、iは、A/D変換器7でデジタル信号ius、ivsに変換され、3相/γ−δ交流座標変換器11に入力される。なお、電流センサ4を2相のみに取り付ける場合、残りの1相の電流iwsは、次式(1)により求めることができる。
Figure 0005930071
磁極位置検出器5は、モータ1の回転子位置(角度)に応じたA相B相Z相のパルスを出力し、パルスカウンタ8を通して回転子機械角度θrmが得られる。角速度演算器9は、回転子機械角度θrmを入力して、その時間変化率より、回転子機械角速度ωrm、および回転子機械角速度ωrmにモータ極対数pを乗じた回転子電気角速度ωreを求める。
γ−δ/3相交流座標変換器12は、後述する電源角速度ωで回転する直交2軸直流座標系(γ−δ軸)から3相交流座標系(UVW軸)への変換を行う。具体的には、γ軸電圧指令値(磁束電圧指令値)Vγs 、δ軸電圧指令値(トルク電圧指令値)Vδs と、電源角速度ωを積分した電源角θを入力し、次式(2)による座標変換処理を行うことによって、UVW各相の電圧指令値V 、V 、V を算出し、出力する。ただし、式(2)中のθ’はθと同一である。
Figure 0005930071
3相/γ−δ交流座標変換器11は、3相交流座標系(UVW軸)から直交2軸直流座標系(γ−δ軸)への変換を行なう。具体的には、U相電流ius、V相電流ivs、W相電流iwsと、電源角速度ωを積分した電源角θを入力し、次式(3)より、モータ1の励磁電流成分であるγ軸電流(磁束電流)iγs、モータ1のトルク電流成分であるδ軸電流(トルク電流)iδsを算出する。γ軸電流は、指令値に対する応答が遅く、δ軸電流は、γ軸電流に比べて指令値に対する応答が速い。
Figure 0005930071
電流指令値演算器13は、第1の目標モータトルクT 、モータ回転数(機械角速度ωrm)、直流電源2のDC電圧Vdcを入力し、γ軸電流指令値(磁束電流指令値)iγs **、δ軸電流指令値(トルク電流指令値)iδs **を算出する。γ軸電流指令値iγs **およびδ軸電流指令値iδs **は各々、第1の目標モータトルクT 、モータ回転数(機械角速度ωrm)、DC電圧Vdcと、γ軸電流指令値iγs **、δ軸電流指令値iδs **との関係を定めたマップデータを予めメモリに記憶させておき、このマップデータを参照することで求めることができる。
ここで、第1の目標モータトルクT は、アクセル開度に応じて求められるトルク指令値であり、高速応答は必要とされない。モータ1に対する目標モータトルクには、この第1の目標モータトルクT と、後述する第2の目標モータトルクT が含まれる。第2の目標モータトルクT は、モータ1から駆動輪に至る駆動力伝達系(ドライブシャフト)の捻り振動を抑制するために高速応答が必要とされるトルク指令値である。
非干渉制御器17は、γ軸電流iγs、δ軸電流iδs、電源角周波数ωを入力して、γ−δ直交座標軸間の干渉電圧を相殺するために必要な非干渉電圧V γs_dcpl、V δs_dcplを次式(4)より算出する。
Figure 0005930071
ただし、式(4)中のτはロータ磁束の時定数であり、電流応答の時定数に比べて非常に大きい値である。また、sはラプラス演算子である。
磁束電流制御器15は、γ軸電流指令値iγs に、計測されたγ軸電流iγsを定常偏差なく所望の応答性で追従させる。トルク電流制御器16は、δ軸電流指令値iδs に、計測されたδ軸電流iδsを定常偏差なく所望の応答性で追従させる。通常、非干渉制御器17によるγ−δ直交座標軸間の干渉電圧を相殺する制御が理想的に機能すれば、1入力1出力の単純な制御対象特性となるので、簡単なPIフィードバック補償器で実現可能である。磁束電流制御器15、トルク電流制御器16の出力である各電圧指令値を、非干渉制御器17の出力である非干渉電圧Vγs_dcpl、Vδs_dcplを用いて補正(加算)した値を、γ軸電圧指令値Vγs 、δ軸電圧指令値Vδs とする。
すべり角周波数制御器14は、γ軸電流iγs、δ軸電流iδsを入力とし、次式(5)からすべり角速度ωseを算出する。ただし、Rr、Lrは誘導モータのパラメータであり、それぞれロータ抵抗、ロータ自己インダクタンスを示す。
Figure 0005930071
回転子電気角速度ωreにすべり角速度ωseを加算した値を電源角速度ωとする。このすべり角周波数制御を実施することで、誘導モータトルクは、γ軸電流iγs、δ軸電流iδsの積に比例する。
トルク応答改善演算器18が行う制御内容について、以下で説明する。
一般的な誘導モータのトルク式は、次式(6)で表される。ただし、式(6)のKは、誘導モータのパラメータで決まる係数である。
Figure 0005930071
ここで、すべり角周波数を式(5)で示すように制御することで、φδγ=0とすることができる。従って、トルク式は、すべり角周波数制御によって式(7)として表すことができる。
Figure 0005930071
同様に、ベクトル制御を行うことによって、トルク式を式(8)として扱うことも可能である。
Figure 0005930071
簡単のため、以下では式(7)に基づいた説明を行うが、式(8)についても、同様の構成で同様の効果が得られる。
トルク応答改善演算器18は、高速応答が必要な第2の目標モータトルクT と、遅い応答のγ軸電流指令値iγs **を入力し、式(7)を変形して得られる式(9)によって、δ軸電流補正値iδs_T2を算出し、算出したδ軸電流補正値iδs_T2を、速い応答のδ軸電流指令値iδs **に加算することによって、δ軸電流指令値iδs **を補正する。
Figure 0005930071
図2は、トルク応答改善演算器18の詳細な構成を示すブロック図である。トルク応答改善演算器18は、電流補正値算出器181と加算器182とを備える。電流補正値算出器181は、式(9)より、δ軸電流補正値iδs_T2を算出する。加算器182は、δ軸電流指令値iδs **と、電流補正値算出器181によって算出されたδ軸電流補正値iδs_T2とを加算することによって、補正後のδ軸電流指令値iδs を算出する。
なお、図2において、Gp(s)は、誘導モータ1を表し、Gc(s)は、トルク応答改善演算器18と誘導モータ1との間にある制御ブロックを表した制御モデルを表している。
図3は、図1に示す第1の実施形態におけるモータ制御装置の制御結果を示す図である。図3(a)〜(j)は、γ軸電流iγs、δ軸電流iδs、電流ベクトルIs、γ軸電圧Vγs、δ軸電圧Vδs、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。
本実施形態では、高速応答が必要なトルクに対してのみ高応答化処理を施すので(図3(h)、(i)参照)、電流指令値が電流制限値(上限値)で制限され難く、所望のトルクを得ることができる。ただし、電流制限値は、電流の許容最大値Is_maxを元に、δ軸、γ軸の電流制限値が同じ値になるようにしている。
図4は、図1に示す構成のうち、目標モータトルクをT およびT の2つに分けず、トルク応答改善演算器18を設けない従来のモータ制御装置の制御結果を示す図である。図4(a)〜(j)は、γ軸電流iγs、δ軸電流iδs、電流ベクトルIs、γ軸電圧Vγs、δ軸電圧Vδs、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。
γ軸磁束応答遅れを考慮してδ軸電流を算出するため、γ軸電流が小さい場合や目標モータトルクが大きい場合、δ軸電流は電流制限値(上限値)で制限されやすい(図4(b)参照)。δ軸電流が電流制限値で制限されることにより、第2の実モータトルクTが第2の目標モータトルクT に追従できず(図4(i)参照)、モータトルク応答は目標値に対して緩やかな動作となる(図4(j)参照)。よって、本来、車両のねじれ振動など、速い応答が必要な第2の実モータトルクT2に対してγ軸磁束遅れが影響して振動を抑制することができない(図4(i)参照)。なお、ドライバのアクセル操作で決まる第1の実モータトルクT1は応答が遅くてもよく、目標値に対して緩やかな応答となるが問題はない(図4(f)、(g)参照)。
<第1の実施形態の変形例>
図5は、モータ制御装置を、界磁電流を流すための界磁巻線がロータに巻かれている巻線界磁同期モータ1Aに適用した場合の構成を示すブロック図である。図1に示す構成と同一の構成要素については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
図5に示す構成が図1に示す構成と異なるのは、界磁電流制御器19が追加されていること、および、すべり角周波数制御器14が省かれていることである。図5に示すトルク応答改善演算器18Aは、図1に示すトルク応答改善演算器18に対応し、d軸電流制御器15Aおよびq軸電流制御器16Aはそれぞれ、図1に示す磁束電流制御器15およびトルク電流制御器16に対応している。また、3相/d−q交流座標変換器11Aおよびd−q/3相交流座標変換器12Aはそれぞれ、図1に示す3相/γ−δ交流座標変換器11およびγ−δ/3相交流座標変換器12に対応している。
3相/d−q交流座標変換器11Aは、3相交流座標系(UVW軸)から直交2軸直流座標系(d−q軸)への変換を行なう。d−q/3相交流座標変換器12Aは、直交2軸直流座標系(d−q軸)から3相交流座標系(UVW軸)への変換を行う。
d軸電流制御器15Aは、d軸電流指令値i に、計測されたd軸電流iを定常偏差なく所望の応答性で追従させる。q軸電流制御器16Aは、q軸電流指令値i に、計測されたq軸電流iを定常偏差なく所望の応答性で追従させる。界磁電流制御器19は、界磁電流指令値i に、計測された界磁電流iを定常偏差なく所望の応答性で追従させる。
トルク応答改善演算器18Aが行う制御内容について、以下で説明する。
一般的な突極型の巻線界磁モータのトルク式は、次式(10)で表される。ただし、Mは相互インダクタンス、Lはd軸自己インダクタンス、Lはq軸自己インダクタンス、pは極対数である。
Figure 0005930071
また、非突極型の巻線界磁モータのトルク式は、次式(11)で表される。
Figure 0005930071
トルク応答改善演算器18Aは、高応答化が必要な第2の目標モータトルクT と、遅い応答の界磁電流指令値i を入力し、式(11)を変形して得られる式(12)によって、q軸電流補正値iq_T2を算出し、算出したq軸電流補正値iq_T2を、速い応答のq軸電流指令値i **に加算することによって、補正後のq軸電流指令値i を算出する。
Figure 0005930071
図6は、トルク応答改善演算器18Aの詳細な構成を示すブロック図である。トルク応答改善演算器18Aは、電流補正値算出器181Aと加算器182Aとを備える。電流補正値算出器181Aは、式(12)より、q軸電流補正値iq_T2を算出する。加算器182Aは、q軸電流指令値i **と、電流補正値算出器181Aによって算出されたq軸電流補正値iq_T2とを加算することによって、補正後のq軸電流指令値i を算出する。なお、q軸電流補正値iq_T2を算出する際に用いる界磁電流iは、実電流ではなく推定値を用いることもできる。
図7は、図5および図6に示す構成におけるモータ制御装置の制御結果を示す図である。図7(a)〜(j)は、d軸電流i、q軸電流i、電流ベクトルIa、界磁電流I、界磁電圧V、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。
上述したように、高速応答が必要なトルクに対してのみ高応答化処理を施すので(図7(h)、(i)参照)、電流指令値が電流制限値(上限値)で制限され難く、所望のトルクを得ることができる。
図8は、図5に示す構成のうち、目標モータトルクをT およびT の2つに分けず、トルク応答改善演算器18Aを設けない従来のモータ制御装置の制御結果を示す図である。図8(a)〜(j)は、d軸電流i、q軸電流i、電流ベクトルIa、界磁電流I、界磁電圧V、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。トルク応答改善演算器18Aを設けない構成では、トルク応答を高応答化させるために界磁電流の応答を高応答化させる必要があるが、これによって界磁電圧Vの電圧ピークが大きくなり上限値で制限されてしまう。界磁電圧Vが上限値で制限されている間、高応答化したい第2の実モータトルクTの応答が目標値に追従できていない。
なお、電流補正値を算出する際に用いるモータパラメータは動作条件によって変動するので、この変動を補償するためのパラメータ変動補償器を設けるようにしてもよい。
以上、第1の実施形態におけるモータ制御装置によれば、交流モータ1に電圧を供給して駆動するインバータ3と、交流モータ1の目標モータトルクに基づいて、電流指令値を算出する電流指令値演算器13(電流指令値算出手段)と、電流指令値演算器13によって算出された電流指令値を補正するトルク応答改善演算器18(電流補正手段)と、補正後の電流指令値に基づいて、インバータを制御するインバータ制御手段として機能する磁束電流制御器15、トルク電流制御器16、γ−δ/3相交流座標変換器12、およびPWM変換器6とを備える。交流モータの目標モータトルクは、第1の目標モータトルクT 、および、少なくとも捻り振動を抑制するために第1の目標モータトルクT よりも高速応答が要求される第2の目標モータトルクT を含む。電流指令値演算器13によって算出される電流指令値は、第1の目標モータトルクT に基づいて演算される、入力に対して電流応答性が速い交流モータ1のトルク成分であるδ軸電流指令値iδs **、およびδ軸電流指令値iδs **よりも電流応答性が遅い交流モータ1の励磁成分であるγ軸電流指令値iγs **である。トルク応答改善演算器18は、γ軸電流指令値iγs **および第2の目標モータトルクT に基づいてδ軸電流補正値iδs_T2を算出し、δ軸電流指令値iδs **をδ軸電流補正値iδs_T2で補正することによって、補正後のδ軸電流指令値iδs を算出する。目標モータトルクは、第1の目標モータトルクT および第2の目標モータトルクT を含み、第2の目標モータトルクT によって車体振動を抑制することができるので、乗員の乗り心地性能を向上させることができる。また、高速応答が要求される第2の目標モータトルクT 、および電流応答性が遅いγ軸電流指令値iγs **に基づいてδ軸電流補正値iδs_T2を算出して、電流応答性が速いδ軸電流指令値iδs **を補正するので、第2の目標モータトルクT の応答性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の変形例によれば、ロータに界磁巻線を備えた巻線界磁モータを制御するモータ制御装置において、高速応答が要求される第2の目標モータトルクT 、および電流応答性が遅い界磁電流指令値i に基づいてq軸電流補正値iq_T2を算出し、算出したq軸電流補正値iq_T2を、速い応答のq軸電流指令値i **に加算することによって、補正後のq軸電流指令値i を算出するので、第2の目標モータトルクT の応答性を向上させることができる。
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態におけるモータ制御装置のトルク応答改善演算器18Bの詳細な構成を示すブロック図である。図2に示す構成と同様に、モータ1は誘導モータとし、図2に示す構成と同様の構成については、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
第2の実施形態におけるトルク応答改善演算器18Bは、電流補正値算出器181と加算器182とリミッタ183とを備える。
リミッタ183は、電流補正値算出器181および加算器182によって補正されたδ軸電流指令値を上限値iδs_limで制限する処理を行う。上限値iδs_limは、電流の最大値Is_maxとγ軸電流指令値iγs に基づいて、次式(13)で表される。
Figure 0005930071
図10は、図9に示す構成による制御結果を示す図である。図10(a)〜(j)は、γ軸電流iγs、δ軸電流iδs、電流ベクトルIs、γ軸電圧Vγs、δ軸電圧Vδs、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。
本実施形態では、δ軸電流指令値を上限値iδs_limで制限することにより、過電流を防止し(図10(b)、(c)参照)、γ軸電流、δ軸電流の両方に等しい量の上限値で制限をかける第1の実施形態の場合と比べて、最大限の電流でトルク応答を実現することができる。
δ軸電流指令値ではなく、γ軸電流指令値を制限するようにしてもよい。この場合、γ軸電流指令値を制限するための上限値iγs_limは、次式(14)で表される。
Figure 0005930071
さらに、δ軸電流指令値およびγ軸電流指令値の両方に対して適切な上限値をそれぞれ算出して上限を制限するようにしてもよい。図11は、第2の実施形態の第1変形例であり、δ軸電流指令値およびγ軸電流指令値の両方に適切な上限値を設定して上限を制限する場合のトルク応答改善演算器18Cの詳細な構成を示すブロック図である。トルク応答改善演算器18Cは、電流補正値算出器181と加算器182とリミッタ183A、183Bを備える。
最大電流Is_maxと補正後の電流指令値であるγ軸電流指令値iγs 、δ軸電流指令値iδs に基づいて、次式(15)より、電流余剰分ΔI が求まる。
Figure 0005930071
式(15)により求まる電流余剰分ΔIを用いて、リミッタ183Bのγ軸電流上限値iγs_limおよびリミッタ183Aのδ軸電流上限値iδs_limは、次式(16)にて表される。
Figure 0005930071
また、任意のγδ軸電流比率Kを用いて、γ軸電流上限値iγs_limおよびδ軸電流上限値iδs_limを算出することもできる。この場合、補正後のγ軸電流指令値iγs とδ軸電流指令値iδs との関係は、次式(17)で表され、γ軸電流上限値iγs_limおよびδ軸電流上限値iδs_limは、次式(18)にて表される。
Figure 0005930071
Figure 0005930071
以上、第2の実施形態及びその第1変形例におけるモータ制御装置によれば、第1の電流指令値としてのδ軸電流指令値iδs **および第2の電流指令値としてのγ軸電流指令値iγs **のうちの少なくとも一方と最大指令値Is_maxとに基づいて、リミッタ値を算出し、算出したリミッタ値に基づいて、δ軸およびγ軸の少なくとも一方の電流指令値を制限するので、過電流を防止するとともに、両軸の指令値を、等しい量の制限値で制限する場合に比べて、最大限の電流でトルク応答を実現することができる。
<第2の実施形態の第2変形例>
図6に示す構成のモータ制御装置では、トルク応答改善演算器18Aが高応答化が必要な第2の目標モータトルクT と、遅い応答の界磁電流指令値i とに基づいてq軸電流補正値iq_T2を算出して、速い応答のq軸電流指令値i **を補正した。第2の実施形態の第2変形例におけるモータ制御装置では、トルク応答改善演算器18Dが高応答化が必要な第2の目標モータトルクT と、遅い応答の界磁電流指令値i と、速い応答のd軸電流指令値i **およびq軸電流指令値i **とに基づいて、q軸電流補正値iq_T2及びd軸電流補正値id_T2を算出して、速い応答のq軸電流指令値i **及びd軸電流指令値i **を補正する。なお、本変形例におけるモータ制御装置は、界磁電流を流すための界磁巻線がロータに巻かれている巻線界磁同期モータに適用される。
d軸電流指令値i **とq軸電流指令値i **との関係を電流比率Kを用いて式(19)で表せる場合、トルク式は式(20)で表せることから、q軸電流補正値iq_T2は、次式(21)で表せる。ただし、式(20)において、Rlct=L−L、id_T2=K・iq_T2である。なお、電流比率Kは、モータ効率やトルクの影響度等を考慮して決定する。
Figure 0005930071
Figure 0005930071
Figure 0005930071
図12は、本変形例におけるモータ制御装置のトルク応答改善演算器18Dの詳細な構成を示すブロック図である。トルク応答改善演算器18Dは、電流補正値算出器181Dと加算器182Dと加算器183Dとを備える。
電流補正値算出器181Dは、式(21)より、q軸電流補正値iq_T2、および、q軸電流補正値iq_T2をK倍して得られるd軸電流補正値id_T2を算出する。加算器182Dは、q軸電流指令値i **と、電流補正値算出器181Dによって算出されたq軸電流補正値iq_T2とを加算することによって、補正後のq軸電流指令値i を算出する。加算器183Dは、d軸電流指令値i **と、電流補正値算出器181Dによって算出されたd軸電流補正値id_T2とを加算することによって、補正後のd軸電流指令値i を算出する。
図13は、図12に示す構成におけるモータ制御装置の制御結果を示す図である。図13(a)〜(j)は、d軸電流i、q軸電流i、電流ベクトルIa、界磁電流I、界磁電圧V、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。
上述したように、本実施形態では、遅い応答の界磁電流指令値だけでなく、速い応答のd軸電流指令値とq軸電流指令値も用いて、速い応答のd軸電流指令値およびq軸電流指令値の補正値を算出して、d軸電流指令値とq軸電流指令値の両方に対して補正を行うので、界磁電圧Vfが電圧リミッタにかかっている場合でも、高速応答が必要な第2の実モータトルクTの高応答化を実現することができる(図13(i)参照)。また、電流ベクトルIaのピークを抑えた状態でトルク高応答化を実現することができる(図13(c)参照)。
電流補正値算出器181Dは、図12に示すように、d軸電流指令値i **およびq軸電流指令値i **を入力するものとして説明した。しかし、式(19)より、d軸電流指令値i **およびq軸電流指令値i **のうちの一方の値が分かれば、他方の値は演算により求めることができるので、いずれか一方の電流指令値を入力する構成とすることもできる。図14は、第2の実施形態の第3変形例であり、d軸電流指令値i **およびq軸電流指令値i **のうち、d軸電流指令値i **のみを入力する場合の構成図であり、図15は、第2の実施形態の第4変形例であり、q軸電流指令値i **のみを入力する場合の構成図である。
また、速い応答のd軸電流指令値とq軸電流指令値のうち、いずれか一方の電流指令値を補正する構成とすることもできる。q軸電流指令値を補正する場合、トルク式、および、目標モータトルクT 、T は、次式(22)で表されるので、q軸電流補正値iq_T2は式(23)で表される。
Figure 0005930071
Figure 0005930071
図16は、第2の実施形態の第5変形例であって、d軸電流指令値を補正せずに、q軸電流指令値を補正する場合のトルク応答改善演算器18Gの詳細な構成を示すブロック図である。トルク応答改善演算器18Gは、電流補正値算出器181Gと加算器182Gとを備える。電流補正値算出器181Gは、式(23)より、q軸電流補正値iq_T2を算出する。加算器182Gは、q軸電流指令値i **と、電流補正値算出器181Gによって算出されたq軸電流補正値iq_T2とを加算することによって、補正後のq軸電流指令値i を算出する。
以上、第2の実施形態の第2〜第5変形例におけるモータ制御装置によれば、交流モータは、界磁電流を流すための界磁巻線がロータに巻かれている巻線界磁同期モータであって、第1の電流指令値であるd軸電流指令値i **、q軸電流指令値i **、第2の電流指令値である界磁電流指令値i 、および第2の目標モータトルクT に基づいてd軸電流補正値、q軸電流補正値を算出し、第1の電流指令値であるd軸電流指令値i **、q軸電流指令値i **をd軸電流補正値、q軸電流補正値でそれぞれ補正することによって、補正後のd軸電流指令値、q軸電流指令値を算出する。これにより、界磁電圧Vfが電圧リミッタにかかっている場合でも、高速応答が必要な第2の目標モータトルクT の高応答化を実現することができる。また、電流ベクトルIaのピークを抑えた状態でトルク高応答化を実現することができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態におけるモータ制御装置では、高速応答が必要ではない第1の目標モータトルクT がゼロまたはゼロ近傍(所定トルク以下)の場合でも、ロータ側の磁束を生成する電流を0より大きい所定量出力する。
図17は、第3の実施形態におけるモータ制御装置を誘導モータに適用した場合の電流指令値演算器13Aおよびトルク応答改善演算器18Bの詳細な構成を示す図である。図9に示す構成と同じ構成要素には、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
電流指令値演算器13Aは、第1の目標モータトルクT 、モータ回転数(機械角速度ωrm)、DC電圧Vdcを入力し、γ軸電流指令値iγs 、δ軸電流指令値iδs **を算出して出力する。ただし、第1の目標モータトルクT がゼロ、または、ゼロ近傍であっても、遅い応答のγ軸電流指令値iγs を所定量出力するようにする。
図18は、誘導モータにおいて、第1の目標モータトルクT がゼロまたはゼロ近傍であっても、遅い応答のγ軸電流指令値iγs を所定量出力するようにした場合の制御結果を示す図である。図18(a)〜(j)は、γ軸電流iγs、δ軸電流iδs、電流ベクトルIs、γ軸電圧Vγs、δ軸電圧Vδs、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。上述したように、第1の目標モータトルクT がゼロ、または、ゼロ近傍であっても、遅い応答のγ軸電流指令値iγs を所定量出力するので(図18(a)参照)、磁束ゼロ近傍でのδ軸電流指令値の過大を防ぐとともに、磁束遅れを緩和して、所望のトルク応答を実現することができる(図18(i)参照)。
以上、第3の実施形態におけるモータ制御装置によれば、第1の目標モータトルクT が所定トルク以下の場合でも、第2の電流指令値であるγ軸電流指令値iγs を0より大きい所定値以上とするので、磁束ゼロ近傍でのδ軸電流指令値の過大を防ぐとともに、磁束遅れを緩和して、所望のトルク応答を実現することができる。
<第3の実施形態の変形例>
図19は、巻線界磁モータに適用した場合の電流指令値演算器13Bおよびトルク応答改善演算器18Dの詳細な構成を示す図である。図12に示す構成と同じ構成要素には、同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
電流指令値演算器13Bは、第1の目標モータトルクT 、モータ回転数(機械角速度ωrm)、DC電圧Vdcを入力し、界磁電流指令値i 、d軸電流指令値i **、q軸電流指令値i **を算出して出力する。ただし、第1の目標モータトルクT がゼロ、または、ゼロ近傍であっても、遅い応答の界磁電流指令値i を所定量出力するようにする。
図20は、巻線界磁モータにおいて、第1の目標モータトルクT がゼロまたはゼロ近傍であっても、遅い応答の界磁電流指令値i を所定量出力するようにした場合の制御結果を示す図である。図20(a)〜(j)は、d軸電流i、q軸電流i、電流ベクトルIa、界磁電流I、界磁電圧V、第1の目標モータトルクT 、第1の実モータトルクT、第2の目標モータトルクT 、第2の実モータトルクT、全体トルクをそれぞれ表している。上述したように、第1の目標モータトルクT がゼロ、または、ゼロ近傍であっても、遅い応答の界磁電流指令値i を所定量出力するので(図20(d)参照)、磁束ゼロ近傍でのd軸電流指令値、q軸電流指令値の過大を防ぐとともに、磁束遅れを緩和して、所望のトルク応答を実現することができる(図20(i)参照)。
以上、第3の実施形態の変形例におけるモータ制御装置によれば、第1の目標モータトルクT が所定トルク以下の場合でも、界磁電流指令値i を0より大きい所定値以上とするので、磁束ゼロ近傍でのd軸電流指令値、q軸電流指令値の過大を防ぐとともに、磁束遅れを緩和して、所望のトルク応答を実現することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、例えば、各実施形態の特徴を適宜組み合わせた構成とすることができる。
本願は、2012年12月28日に日本国特許庁に出願された特願2012−287744に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (6)

  1. 交流誘導モータに電圧を供給して駆動するインバータと、
    前記交流誘導モータの目標モータトルクに基づいて、電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、
    前記電流指令値算出手段によって算出された電流指令値を補正する電流補正手段と、
    前記電流補正手段によって補正された補正後の電流指令値に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御手段と、
    を備え、
    前記交流誘導モータの目標モータトルクは、第1の目標モータトルク、および、少なくとも捻り振動を抑制するために前記第1の目標モータトルクよりも高速応答が要求される第2の目標モータトルクを含み、
    前記電流指令値算出手段によって算出される電流指令値は、前記第1の目標モータトルクに基づいて演算される、入力に対して電流応答性が速い前記交流誘導モータのトルク成分である第1の電流指令値、および前記第1の電流指令値よりも電流応答性が遅い前記交流誘導モータの励磁成分である第2の電流指令値であり、
    前記電流補正手段は、前記第2の電流指令値および前記第2の目標モータトルクに基づいて第1の電流補正値を算出し、前記第1の電流指令値を前記第1の電流補正値で補正することによって、補正後の第1の電流指令値を算出する、
    モータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記第1の電流指令値および前記第2の電流指令値のうちの少なくとも一方の電流指令値と、電流指令値の最大値とに基づいて、リミッタ値を算出するリミッタ値算出手段と、
    前記リミッタ値に基づいて、前記補正後の第1の電流指令値を制限する電流指令値制限手段と、
    をさらに備えるモータ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記電流指令値算出手段は、前記第1の目標モータトルクが所定トルク以下の場合でも、前記第2の電流指令値を0より大きい所定値以上とする、
    モータ制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、
    前記第1の電流指令値はδ軸電流指令値、前記第2の電流指令値はγ軸電流指令値である、
    モータ制御装置。
  5. 交流誘導モータの目標モータトルクに基づいて、電流指令値を算出するステップと、
    前記算出した電流指令値を補正するステップと、
    前記補正した補正後の電流指令値に基づいて、ンバータを制御するステップと、
    を備え、
    前記交流誘導モータの目標モータトルクは、第1の目標モータトルク、および、少なくとも捻り振動を抑制するために前記第1の目標モータトルクよりも高速応答が要求される第2の目標モータトルクを含み、
    前記電流指令値を算出するステップでは、前記第1の目標モータトルクに基づいて、入力に対して電流応答性が速い前記交流誘導モータのトルク成分である第1の電流指令値、および前記第1の電流指令値よりも電流応答性が遅い前記交流誘導モータの励磁成分である第2の電流指令値を算出し、
    前記電流指令値を補正するステップでは、前記第2の電流指令値および前記第2の目標モータトルクに基づいて第1の電流補正値を算出し、前記第1の電流指令値を前記第1の電流補正値で補正することによって、補正後の第1の電流指令値を算出する、
    モータ制御方法。
  6. ロータに界磁巻線を備えた巻線界磁モータに電圧を供給して駆動するインバータと、
    前記巻線界磁モータの目標モータトルクに基づいて、電流指令値を算出する電流指令値算出手段と、
    前記電流指令値算出手段によって算出された電流指令値を補正する電流補正手段と、
    前記電流補正手段によって補正された補正後の電流指令値に基づいて、前記インバータを制御するインバータ制御手段と、
    を備え、
    前記巻線界磁モータの目標モータトルクは、第1の目標モータトルク、および、少なくとも捻り振動を抑制するために前記第1の目標モータトルクよりも高速応答が要求される第2の目標モータトルクを含み、
    前記電流指令値算出手段によって算出される電流指令値は、前記第1の目標モータトルクに基づいて演算される、入力に対して電流応答性が速い前記巻線界磁モータのトルク成分である第1の電流指令値、および前記第1の電流指令値よりも電流応答性が遅い前記巻線界磁モータの励磁成分である第2の電流指令値であり、
    前記電流補正手段は、前記第2の電流指令値および前記第2の目標モータトルクに基づいて第1の電流補正値を算出し、前記第1の電流指令値を前記第1の電流補正値で補正することによって、補正後の第1の電流指令値を算出する、
    モータ制御装置。
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