JP7013847B2 - モータの制御装置 - Google Patents

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この発明は、モータの制御装置に関し、特に、電流指令値を演算する電流指令演算部を備えるモータの制御装置に関する。
従来、電流指令値を演算する電流指令演算部を備えるモータの制御装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、永久磁石型同期電動機の制御装置が開示されている。この制御装置では、電力変換器から永久磁石型同期電動機に供給される電力の電圧が入力電圧検出器により検出される。また、入力電圧検出器により検出された検出値に基づいて、電力変換器の最大出力電圧以下の電圧制限値が電圧制限値演算器により演算される。また、電圧指令値の振幅が、電圧振幅演算部により演算される。そして、電圧制限値、電圧指令値の振幅、および、トルク指令値に基づいて、電流指令演算部により、電流指令値が演算される。そして、この制御装置では、入力電圧検出器により検出された検出値(永久磁石型同期電動機の端子電圧)が、電力変換器の最大出力電圧を超えた場合に、永久磁石型同期電動機の磁束を低下させて永久磁石型同期電動機の端子電圧を電圧制限値以下に低下させるように構成されている。
また、この制御装置の電流指令演算部では、電流指令値に基づいて、永久磁石型同期電動機の出力トルクがトルク演算部により演算される。そして、トルク指令値と、演算された出力トルクとの偏差を増幅することにより、負荷角指令値が演算される。なお、負荷角とは、電機子から発生する磁束の位相である。また、負荷角指令値は、永久磁石型同期電動機の端子電圧が電圧制限値以下に低下されたことに起因する出力トルクの低下を補償するように求められる。そして、負荷角指令値に基づいて、電流指令値が演算される。これにより、永久磁石型同期電動機の端子電圧が電圧制限値以下に低下された状態において、トルク/電流が最大になるように電流指令値が演算される。その結果、永久磁石型同期電動機の端子電圧が電圧制限値以下に低下されたことに起因する出力トルクの低下が補償される。
特開2009-124811号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の永久磁石型同期電動機の制御装置では、永久磁石型同期電動機の端子電圧が電圧制限値以下に低下された場合に、出力トルクの低下を補償するための負荷角指令値が、トルク指令値と演算された出力トルクとの偏差を増幅することにより求められている。ここで、トルク指令値と演算された出力トルクとの偏差を増幅するための増幅率を調整する必要があると考えられる。つまり、増幅率が比較的大きい場合、出力トルクの低下を補償するような適切な負荷角指令値が演算されるまでの時間(応答)は速くなる一方、演算された負荷角指令値の値が不安定になる(負荷角指令値の変動が過度に大きくなる)場合がある。また、増幅率が比較的小さい場合、演算された負荷角指令値の値は安定する一方、出力トルクの低下を補償するような適切な負荷角指令値が演算されるまでの時間が遅くなる。つまり、上記特許文献1では、出力トルクの低下を補償するために、増幅率の調整を行う必要があるため、出力トルクの低下の補償処理が比較的複雑であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、モータの端子電圧が電圧制限値以下に低下された場合において、出力トルクの低下の補償を容易に行うことが可能なモータの制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるモータの制御装置は、モータに電力を供給する電力変換部を制御するモータの制御装置であって、電力変換部の入力電圧を検出する電圧検出部と、電圧検出部により検出された入力電圧に基づいて電力変換部の電圧制限値を演算する電圧制限値演算部と、電圧指令値の振幅を演算する電圧振幅演算部と、電圧制限値、電圧指令値の振幅、および、トルク指令値に基づいて、電流指令値を演算する電流指令演算部と、電流指令値に基づいて電圧指令値を演算する電流調節部とを備え、電流指令演算部は、トルク指令値から第1磁束指令値を演算する第1磁束指令演算部と、電圧制限値と電圧指令値の振幅とに基づいて磁束補正値を演算する磁束調節部と、トルク指令値から第1負荷角指令値を演算する負荷角指令演算部と、フィードバック制御を行うことなく、磁束補正値と第1負荷角指令値とに基づいて負荷角指令補正値を演算式により演算する負荷角指令補正値演算部とを含み、演算された負荷角指令補正値に基づいて、電流指令値を演算するように構成されている。
この発明の一の局面によるモータの制御装置では、上記のように、電流指令演算部は、磁束補正値と第1負荷角指令値とに基づいて負荷角指令補正値を演算式により演算する負荷角指令補正値演算部を含む。これにより、モータの端子電圧が電圧制限値以下に低下された場合において、出力トルクの低下を補償するための負荷角指令補正値が演算式により一意に演算されるので、トルク指令値と演算された出力トルクとの偏差を増幅することにより負荷角指令補正値を求める場合と異なり、増幅率を調整する必要がない。その結果、モータの端子電圧が電圧制限値以下に低下された場合において、出力トルクの低下の補償を容易に行うことができる。
上記一の局面によるモータの制御装置において、好ましくは、電流指令演算部は、第1磁束指令値と磁束補正値とに基づいて、第2磁束指令値を演算する第2磁束指令演算部と、第1負荷角指令値と負荷角指令補正値とを加算して、第2負荷角指令値を演算する加算部と、第2磁束指令値と第2負荷角指令値とに基づいて、電流指令値を演算する電流指令生成部とをさらに含む。このように構成すれば、演算式により一意に演算された負荷角指令補正値に基づいて、容易に、電流指令値を演算することができる。
この場合、好ましくは、第2磁束指令演算部は、第1磁束指令値と0以下の値である磁束補正値とを加算して、第2磁束指令値を演算するように構成されており、負荷角指令補正値演算部は、第1磁束指令値と、第2磁束指令値と、第1負荷角指令値とに基づいて、負荷角指令補正値を演算式により演算するように構成されている。このように構成すれば、負荷角指令補正値が、第1磁束指令値と、第1負荷角指令値と、第2磁束指令値との3つの値に基づいて求められるので、負荷角指令補正値を、容易に、演算することができる。
上記第1磁束指令値と磁束補正値とを加算して第2磁束指令値を演算するモータの制御装置において、好ましくは、モータは、回転子にフラックスバリアが設けられるシンクロナスリラクタンスモータであり、負荷角指令補正値演算部は、第1磁束指令値をΨ0 *とし、第2磁束指令値をΨ*とし、第1負荷角指令値をδ0 *として、下記の数式3に基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算するように構成されている。
Figure 0007013847000001
このように構成すれば、既知の値である、第1磁束指令値Ψ0 *、第2磁束指令値Ψ*、および、第1負荷角指令値δ0 *に基づいて、直接的に負荷角指令補正値δcmp *を演算することができる。
上記電流指令演算部が電流指令生成部を含むモータの制御装置において、好ましくは、第2磁束指令演算部は、第1磁束指令値と、0以上1以下の値である磁束補正値とを乗算して、第2磁束指令値を演算するように構成されており、負荷角指令補正値演算部は、磁束補正値と、第1負荷角指令値とに基づいて負荷角指令補正値を演算式により演算するように構成されている。このように構成すれば、負荷角指令補正値が、磁束補正値と第1負荷角指令値との2つの値に基づいて求められるので、負荷角指令補正値を、より容易に、演算することができる。
上記第1磁束指令値と磁束補正値とを乗算して第2磁束指令値を演算するモータの制御装置において、好ましくは、モータは、回転子にフラックスバリアが設けられるシンクロナスリラクタンスモータであり、負荷角指令補正値演算部は、磁束補正値をKΨ*とし、第1負荷角指令値をδ0 *として、下記の数式4に基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算するように構成されている。
Figure 0007013847000002
このように構成すれば、既知の値である磁束補正値KΨ*、および、第1負荷角指令値δ0 *に基づいて、直接的に負荷角指令補正値δcmp *を演算することができる。
本発明によれば、上記のように、モータの端子電圧が電圧制限値以下に低下された場合において、出力トルクの低下の補償を容易に行うことができる。
第1実施形態によるモータの制御装置のブロック図である。 第1実施形態による電流指令演算部のブロック図である。 第2実施形態による電流指令演算部のブロック図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、第1実施形態によるモータ1の制御装置100の構成について説明する。
まず、モータ1について説明する。モータ1は、シンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)からなる。シンクロナスリラクタンスモータは、回転子には永久磁石が設けられていない。回転子は、回転子に生じるリラクタンストルクのみによって回転する。具体的には、回転子には、フラックスバリアと呼ばれる溝(空気の層)が複数設けられている。フラックスバリアは、磁束が比較的通り易い部分と、通りにくい部分とが回転子の周方向において交互に現れるように設けられている。そして、固定子に設けられる巻線から発生する磁束により回転子に生じるリラクタンストルクによって、回転子が回転する。
整流回路部2は、三相交流電源3の三相交流電圧を直流電圧に変換するとともに、変換した直流電圧を電力変換部4に供給するように構成されている。また、電力変換部4は、たとえば、インバータなどからなる。また、電力変換部4は、整流回路部2から入力される直流電圧を所望の大きさの三相の交流電力に変換して、モータ1に出力するように構成されている。
次に、モータ1の制御装置100の構成について説明する。モータ1の制御装置100は、モータ1に電力(交流電力)を供給する電力変換部4を制御するように構成されている。
制御装置100は、電圧検出部11を備えている。電圧検出部11は、電力変換部4に入力される直流電圧(入力電圧Edc)を検出するように構成されている。
また、制御装置100は、U相電流検出部12uとW相電流検出部12wとを備えている。U相電流検出部12uは、電力変換部4から出力される交流電力のうちのU相の電流(U相電流検出値iu)を検出するように構成されている。また、W相電流検出部12wは、電力変換部4から出力される交流電力のうちのW相の電流(W相電流検出値iw)を検出するように構成されている。
また、制御装置100は、磁極位置検出部13を備えている。磁極位置検出部13は、モータ1の磁極位置(座標位置検出値θ1)を検出するように構成されている。
また、制御装置100は、速度検出部14を備えている。速度検出部14は、モータ1の速度(角速度)ω1を検出するように構成されている。
また、制御装置100は、減算器15を備えている。減算器15は、速度指令値ω*と速度検出部14により検出された速度ω1との偏差を演算するように構成されている。
また、制御装置100は、速度制御部16を備えている。速度制御部16は、減算器15により演算された偏差を増幅することにより、トルク指令値τ*を演算するように構成されている。
また、制御装置100は、電流指令演算部17を備えている。電流指令演算部17は、後述する電圧制限値Valim、後述するd軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *の振幅Va *、および、トルク指令値τ*に基づいて、d軸電流指令値id *およびq軸電流指令値iq *を演算するように構成されている。具体的には、電流指令演算部17は、モータ1の端子電圧が電圧制限値Valim以下に制御された状態において、トルク/電流が最大(最大トルク制御)になり、かつ、所望のトルクを出力可能なd軸電流指令値id *およびq軸電流指令値iq *を演算する。
また、制御装置100は、電圧制限値演算部18を備えている。電圧制限値演算部18は、電圧検出部11により検出された入力電圧Edcに基づいて電力変換部4の電圧制限値Valimを演算するように構成されている。具体的には、電圧制限値Valimは、入力電圧Edcに略比例する。
また、制御装置100は、電圧振幅演算部19を備えている。電圧振幅演算部19は、下記の数式5に基づいて、前述の振幅Va *を演算するように構成されている。
Figure 0007013847000003
また、制御装置100は、電流座標変換部20を備えている。電流座標変換部20は、座標位置検出値θ1に基づいて、U相電流検出部12uにより検出されたU相電流検出値iu、および、W相電流検出部12wにより検出されたW相電流検出値iwを、d軸電流検出値idおよびq軸電流検出値iqに変換するように構成されている。
また、制御装置100は、減算器21を備えている。減算器21は、d軸電流指令値id *と、d軸電流検出値idとの偏差を演算するように構成されている。
また、制御装置100は、d軸電流制御部22を備えている。d軸電流制御部22は、減算器21により演算された偏差を増幅して、d軸電圧指令値Vd *を演算するように構成されている。なお、d軸電流制御部22は、特許請求の範囲の「電流調節部」の一例である。
また、制御装置100は、減算器23を備えている。減算器23は、q軸電流指令値iq *と、q軸電流検出値iqとの偏差を演算するように構成されている。
また、制御装置100は、q軸電流制御部24を備えている。q軸電流制御部24は、減算器23により演算された偏差を増幅して、q軸電圧指令値Vq *を演算するように構成されている。なお、q軸電流制御部24は、特許請求の範囲の「電流調節部」の一例である。
また、制御装置100は、電圧座標変換部25を備えている。電圧座標変換部25は、座標位置検出値θ1に基づいて、d軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *を、相電圧指令Vu *、Vv *およびVw *に変換するように構成されている。
また、制御装置100は、PWM回路部26を備えている。PWM回路部26は、相電圧指令Vu *、Vv *およびVw *、および、入力電圧Edcに基づいて、ゲート信号を生成する。ゲート信号は、電力変換部4から出力される電圧が、相電圧指令Vu *、Vv *およびVw *に一致するように調整されている。そして、電力変換部4において、PWM回路部26により生成されたゲート信号に基づいて、電力変換部4の内部に設けられるスイッチング素子のオンオフが制御される。これにより、モータ1の端子電圧は、相電圧指令Vu *、Vv *およびVw *に一致するように制御される。
次に、図2を参照して、電流指令演算部17の構成について説明する。
電流指令演算部17は、磁束指令演算部17aを備えている。磁束指令演算部17aは、トルク指令値τ*から第1磁束指令値Ψ0 *を演算するように構成されている。第1磁束指令値Ψ0 *は、トルク/電流が最大になるように演算される。また、第1磁束指令値Ψ0 *の演算は、比較的複雑であるので、リアルタイムで演算することが困難な場合がある。そこで、たとえば、予め磁束指令演算部17aにトルク/電流が最大になる第1磁束指令値Ψ0 *のテーブルを設けておき、モータ1の運転時に、このテーブルを参照することにより第1磁束指令値Ψ0 *を取得する。なお、磁束指令演算部17aは、特許請求の範囲の「第1磁束指令演算部」の一例である。
また、電流指令演算部17は、減算器17bを備えている。減算器17bは、電圧制限値Valimと振幅Va *との偏差を演算するように構成されている。
また、電流指令演算部17は、磁束調節部17cを備えている。磁束調節部17cは、減算器17bによって演算された偏差を増幅して、磁束補正値Ψcmp *として出力するように構成されている。なお、磁束補正値Ψcmp *は、制限器17dにより、0以下の値に制限されて出力される。
電流指令演算部17は、負荷角指令演算部17eを備えている。負荷角指令演算部17eは、トルク指令値τ*から第1負荷角指令値δ0 *を演算するように構成されている。第1負荷角指令値δ0 *は、トルク/電流が最大になるように演算される。
ここで、第1実施形態では、電流指令演算部17は、負荷角指令補正値演算部17fを備えている。負荷角指令補正値演算部17fは、負荷角指令補正値δcmp *を演算式により演算するように構成されている。そして、制御装置100は、演算された負荷角指令補正値δcmp *に基づいて、d軸電流指令値id *およびq軸電流指令値iq *を演算するように構成されている。以下、具体的に説明する。
第1実施形態では、電流指令演算部17は、加算器17gを備えている。加算器17gは、第1磁束指令値Ψ0 *と磁束補正値Ψcmp *とに基づいて、第2磁束指令値Ψ*を演算するように構成されている。具体的には、第1実施形態では、加算器17gは、第1磁束指令値Ψ0 *と磁束補正値Ψcmp *とを加算して、加算した値を第2磁束指令値Ψ*として出力(演算)するように構成されている。ここで、磁束補正値Ψcmp *は、上記の制限器17dによって0以下の値に制限されているので、第2磁束指令値Ψ*は、第1磁束指令値Ψ0 *以下の値となる。つまり、モータ1の端子電圧が、電力変換部4の最大出力電圧よりも大きくなった場合、第1磁束指令値Ψ0 *以下の値である第2磁束指令値Ψ*に基づいて、モータ1の端子電圧を低下させる。なお、加算器17gは、特許請求の範囲の「第2磁束指令演算部」の一例である。
そして、第1実施形態では、負荷角指令補正値演算部17fは、第1磁束指令値Ψ0 *と、第2磁束指令値Ψ*と、第1負荷角指令値δ0 *とに基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算式により演算するように構成されている。負荷角指令補正値δcmp *は、第2磁束指令値Ψ*が第1磁束指令値Ψ0 *よりも小さくなった場合に、モータ1の出力トルクの低下を補償するように調整される。
また、電流指令演算部17は、加算器17hを備えている。加算器17hは、第1負荷角指令値δ0 *と負荷角指令補正値δcmp *とを加算して、第2負荷角指令値δ*として出力するように構成されている。なお、加算器17hは、特許請求の範囲の「加算器」の一例である。
また、電流指令演算部17は、電流指令生成部17iを備えている。電流指令生成部17iは、第2磁束指令値Ψ*と第2負荷角指令値δ*とに基づいて、d軸電流指令値id *、および、q軸電流指令値iq *を演算するように構成されている。具体的には、電流指令生成部17iは、下記の数式6および数式7に基づいて、d軸電流指令値id *、および、q軸電流指令値iq *を演算するように構成されている。
Figure 0007013847000004
Figure 0007013847000005
なお、上記の数式6および数式7において、Ldは、d軸インダクタンスを表し、Lqは、q軸インダクタンスを表す。また、LdおよびLqは、予め定められた定数である。
次に、負荷角指令補正値δcmp *の演算式について説明する。
まず、シンクロナスリラクタンスモータにおけるトルクτは、下記の数式8により表される。
Figure 0007013847000006
また、上記数式8に、上記の数式6および数式7を代入することにより、下記の数式9が得られる。
Figure 0007013847000007
なお、上記数式9において、(Ld-Lq)/2Ldqをkとした。
そして、負荷角指令補正値δcmp *によって補償されたトルクと、トルク指令値τ*とが一致するためには、下記の数式10を満たす必要がある。
Figure 0007013847000008
そして、上記の数式10を負荷角指令補正値δcmp *について解くと下記の数式11が得られる。
Figure 0007013847000009
そして、第1実施形態では、負荷角指令補正値演算部17fは、上記の数式11に基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算するように構成されている。上記の数式11において、第1磁束指令値Ψ0 *、第2磁束指令値Ψ*、第1負荷角指令値δ0 *は、既知の値であるため、負荷角指令補正値δcmp *が一意に(直接的に)演算される。つまり、フィードバック制御を行うことなく、負荷角指令補正値δcmp *が演算される。なお、負荷角指令補正値演算部17fは、上記の数式11における逆正弦関数(sin-1)を、テーブルを用いて演算する。なお、上記の数式11における逆正弦関数を、プログラミング言語に予め準備されている数学計算用のライブラリを用いて演算してもよい。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、電流指令演算部17は、負荷角指令補正値δcmp *を演算式により演算する負荷角指令補正値演算部17fを含む。これにより、モータ1の端子電圧が電圧制限値Valim以下に低下された場合において、出力トルクの低下を補償するための負荷角指令補正値δcmp *が演算式により一意に演算されるので、トルク指令値τ*と演算された出力トルクとの偏差を増幅することにより負荷角指令補正値δcmp *を求める場合と異なり、増幅率を調整する必要がない。その結果、モータ1の端子電圧が電圧制限値Valim以下に低下された場合において、出力トルクの低下の補償を容易に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、電流指令演算部17は、第1磁束指令値Ψ0 *と磁束補正値Ψcmp *とに基づいて、第2磁束指令値Ψ*を演算する加算器17gと、第1負荷角指令値δ0 *と負荷角指令補正値δcmp *とを加算して、第2負荷角指令値δ*を演算する加算器17hと、第2磁束指令値Ψ*と第2負荷角指令値δ*とに基づいて、d軸電流指令値id *およびq軸電流指令値iq *を演算する電流指令生成部17iとを含む。これにより、演算式により一意に演算された負荷角指令補正値δcmp *に基づいて、容易に、d軸電流指令値id *およびq軸電流指令値iq *を演算することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、負荷角指令補正値演算部17fは、第1磁束指令値Ψ0 *と、第2磁束指令値Ψ*と、第1負荷角指令値δ0 *とに基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算式により演算するように構成されている。これにより、負荷角指令補正値δcmp *が、第1磁束指令値Ψ0 *と、第1負荷角指令値δ0 *と、第2磁束指令値Ψ*との3つの値に基づいて求められるので、負荷角指令補正値δcmp *を、容易に、演算することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、負荷角指令補正値演算部17fは、上記の数式11に基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算するように構成されている。これにより、既知の値である、第1磁束指令値Ψ0 *、第2磁束指令値Ψ*、および、第1負荷角指令値δ0 *に基づいて、直接的に負荷角指令補正値δcmp *を演算することができる。
[第2実施形態]
図3を参照して、第2実施形態による電流指令演算部117の構成について説明する。第2実施形態では、第1磁束指令値Ψ0 *と、0以上1以下の値である磁束補正値KΨ*とが乗算されることにより、第2磁束指令値Ψ*が演算される。
電流指令演算部117は、制限器117dを備えている。制限器117dは、磁束調節部17cから出力された値を、0以上1以下の値に制限して、磁束補正値KΨ*として出力するように構成されている。
また、電流指令演算部117は、乗算器117gを備えている。乗算器117gは、第1磁束指令値Ψ0 *と、磁束補正値KΨ*とを乗算して、第2磁束指令値Ψ*を演算するように構成されている。なお、乗算器117gは、特許請求の範囲の「第2磁束指令演算部」の一例である。
また、電流指令演算部117は、負荷角指令補正値演算部117fを備えている。ここで、第2実施形態では、負荷角指令補正値演算部117fは、磁束補正値KΨ*と、第1負荷角指令値δ0 *とに基づいて負荷角指令補正値δcmp *を演算式により演算するように構成されている。具体的には、負荷角指令補正値演算部117fは、下記の数式12に基づいて、負荷角指令補正値δcmp *を演算するように構成されている。
Figure 0007013847000010
上記の数式12において、磁束補正値KΨ*と、第1負荷角指令値δ0 *とは既知の値であるので、負荷角指令補正値δcmp *が一意に(直接的に)演算される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、負荷角指令補正値演算部117fは、磁束補正値KΨ*と、第1負荷角指令値δ0 *とに基づいて負荷角指令補正値δcmp *を演算式により演算するように構成されている。これにより、負荷角指令補正値δcmp *が、磁束補正値KΨ*と第1負荷角指令値δ0 *との2つの値に基づいて求められるので、負荷角指令補正値δcmp *を、より容易に、演算することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、モータがシンクロナスリラクタンスモータである例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、モータがシンクロナスリラクタンスモータ以外のモータ(たとえば、ロータに永久磁石が配置されたモータ)にも本発明を適用することも可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、上記の数式11および数式12に基づいて負荷角指令補正値δcmp *が演算される例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記の数式11および数式12以外の式に基づいて負荷角指令補正値δcmp *を演算してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、上記の数式11および数式12に基づいて負荷角指令補正値δcmp *が直接的に演算される例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、負荷角指令補正値δcmp *を演算する式が比較的複雑な場合、非線形計画法などにより、負荷角指令補正値δcmp *を演算してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の第2磁束指令演算部として、加算器および乗算器を用いる例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2磁束指令演算部として、加算器および乗算器以外を用いてもよい。
1 モータ
4 電力変換部
11 電圧検出部
17、117 電流指令演算部
17a 磁束指令演算部(第1磁束指令演算部)
17c 磁束調節部
17e 負荷角指令演算部
17f、117f 負荷角指令補正値演算部
17g 加算器(第2磁束指令演算部)
17h 加算器(加算部)
17i 電流指令生成部
18 電圧制限値演算部
19 電圧振幅演算部
22 d軸電流制御部(電流調節部)
24 q軸電流制御部(電流調節部)
100 制御装置
117g 乗算器(第2磁束指令演算部)

Claims (6)

  1. モータに電力を供給する電力変換部を制御する前記モータの制御装置であって、
    前記電力変換部の入力電圧を検出する電圧検出部と、
    前記電圧検出部により検出された入力電圧に基づいて前記電力変換部の電圧制限値を演算する電圧制限値演算部と、
    電圧指令値の振幅を演算する電圧振幅演算部と、
    前記電圧制限値、前記電圧指令値の振幅、および、トルク指令値に基づいて、電流指令値を演算する電流指令演算部と、
    前記電流指令値に基づいて前記電圧指令値を演算する電流調節部とを備え、
    前記電流指令演算部は、
    前記トルク指令値から第1磁束指令値を演算する第1磁束指令演算部と、
    前記電圧制限値と前記電圧指令値の振幅とに基づいて磁束補正値を演算する磁束調節部と、
    前記トルク指令値から第1負荷角指令値を演算する負荷角指令演算部と、
    フィードバック制御を行うことなく、前記磁束補正値と前記第1負荷角指令値とに基づいて、負荷角指令補正値を演算式により演算する負荷角指令補正値演算部とを含み、
    演算された前記負荷角指令補正値に基づいて、前記電流指令値を演算するように構成されている、モータの制御装置。
  2. 前記電流指令演算部は、
    前記第1磁束指令値と前記磁束補正値とに基づいて、第2磁束指令値を演算する第2磁束指令演算部と、
    前記第1負荷角指令値と前記負荷角指令補正値とを加算して、第2負荷角指令値を演算する加算部と、
    前記第2磁束指令値と前記第2負荷角指令値とに基づいて、前記電流指令値を演算する電流指令生成部とをさらに含む、請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記第2磁束指令演算部は、前記第1磁束指令値と0以下の値である前記磁束補正値とを加算して、前記第2磁束指令値を演算するように構成されており、
    前記負荷角指令補正値演算部は、前記第1磁束指令値と、前記第2磁束指令値と、前記第1負荷角指令値とに基づいて、前記負荷角指令補正値を演算式により演算するように構成されている、請求項2に記載のモータの制御装置。
  4. 前記モータは、回転子にフラックスバリアが設けられるシンクロナスリラクタンスモータであり、
    前記負荷角指令補正値演算部は、前記第1磁束指令値をΨ とし、前記第2磁束指令値をΨとし、前記第1負荷角指令値をδ として、下記の数式1に基づいて、前記負荷角指令補正値δcmp を演算するように構成されている、請求項3に記載のモータの制御装置。
    Figure 0007013847000011
  5. 前記第2磁束指令演算部は、前記第1磁束指令値と、0以上1以下の値である前記磁束補正値とを乗算して、前記第2磁束指令値を演算するように構成されており、
    前記負荷角指令補正値演算部は、前記磁束補正値と、前記第1負荷角指令値とに基づいて前記負荷角指令補正値を演算式により演算するように構成されている、請求項2に記載のモータの制御装置。
  6. 前記モータは、回転子にフラックスバリアが設けられるシンクロナスリラクタンスモータであり、
    前記負荷角指令補正値演算部は、前記磁束補正値をKΨ とし、前記第1負荷角指令値をδ として、下記の数式2に基づいて、前記負荷角指令補正値δcmp を演算するように構成されている、請求項5に記載のモータの制御装置。
    Figure 0007013847000012
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