JP2010093931A - 永久磁石型同期モータの制御装置及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ8の周波数に比例した電圧指令値IIを回転直角座標系のδ軸及びγ軸の2軸で設定する電圧指令値設定手段3と、2軸の電圧指令値IIを3相へ座標変換する2相/3相変換手段5と、3相の電圧指令値IIIをインバータによる電力変換を経てモータに印加するインバータ7と、モータ8の界磁方向を検出せずに、モータ8の端子電流を電圧指令値IIにフィードバックする手段と、過変調制御領域において、電圧指令値とインバータ7からの出力電圧とが比例するように、電圧指令値IIを補正する補正手段4と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、過変調制御領域においても、インバータ出力電圧を電圧指令値と比例させることのできる永久磁石型同期モータの制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
また、本発明の永久磁石型同期モータの制御装置において、3相の電圧指令値IIIをパルス幅変調波形に変換するPWM波形手段を有することが好ましい。
また、本発明の制御方法において、3相の電圧指令値IIIをパルス幅変調波形に変換して、インバータに供給するステップ(f)を有することが好ましい。
具体的に式(3−1)の演算では、δ軸電圧指令値v* δはδ軸電流iδが0になるように負の比例制御を行っている。これで、iδの正負のふらつきがあれば、ゲインKδによって早急にiδのふらつきをなくすように電圧指令値v* δが決定される。
上記のように近似せずにd軸電流とq軸電流をつかってプロットして得られる位相差φとモータ電流Iの関係を示したのが図3である。このようにしてもほぼ比例しており、比例関係を用いて制御することの妥当性がわかる。
このようにしても、iδとiγとの組み合わせである2次元テーブルを参照するのとは異なり、モータ電流Iは実際のフィードバックで得られるので、φは一義的に決定でき、常に適切な位相差φを求めることができる。
(1)過変調制御領域を使用しない従来制御に係るモータと同じターン数のモータ8を駆動することにより、インバータ7の出力電圧が従来の1.12倍までアップする。したがって、従来制御と同じターン数のモータ7を用いたとすると、図7に示すように、従来の最大回転数より1.12倍の回転数まで制御が可能である。
(2)従来制御に係るモータよりターン数の多いモータ8を駆動したとすると、図8に示すように、従来と最大回転数は同等レベルとなるが、インバータ7の出力電流は従来の1/1.12まで低減されるので、モータ8の運転効率が向上する。
このようなPWM波形手段6を設けることにより、正弦波をPWM波形に変換することができ、制御中のスイッチング回数を減らして、モータ8の駆動効率を向上できる。
制御装置1は、電圧指令値補正手段4を、電圧指令値設定手段3と2相/3相変換手段5との間に設けている。また、制御装置1は、電圧指令値v* δおよび電圧指令値v* γのうち、電圧指令値v* γのみを補正している。このように、制御装置1は、構成の変更を最小限に抑えて、補正を示現している。
上述したように、本実施形態に係る永久磁石型同期モータは、上記(3−1)、(3−2)式に示す通り、vδ=0となるように制御されている。また、本実施形態に係る制御方法では、制御安定化のために、δ軸電流指令値iδ *との偏差を積分して、この偏差を打ち消すように電圧指令値vδ、vγを決定している。従って、通常運転状態においては、γ軸電圧オフセット値Vγofs(=K∫iδdt)は、略一定値に収束する。
図10に、正常時おける永久磁石型同期モータの起動時の波形を示す。図10において、上からγ軸電圧オフセット値Vγofs、δ軸電流iδ、モータ電流波形(U相)の波形を示している。この図に示すように、正常時においては、γ軸電圧オフセット値Vγofs及びδ軸電流iδの双方において、ゼロに収束している。
そこで、制御装置1の脱調検出方法では、このδ軸電流iδ或いはγ軸電圧オフセット値Vγofsの増大を検知することにより、脱調の検出を行う。
更に、δ軸電流iδに代わって、このδ軸電流の積分値であるγ電圧オフセット値Vγofsを用いて脱調を検出するようにしても良い。具体的には、γ電圧オフセット値Vγofsが規定値以上となった場合、好ましくは、γ電圧オフセット値Vγofsが規定値以上の状態が所定の期間継続した場合に、脱調を検出するようにしても良い。
よって、γ軸電圧オフセット値Vγofsが規定値以上となる状態が所定期間継続し、且つ、インバータ出力電力が規定値以下となる状態が所定期間継続した場合に、脱調と判断することで、磁束量の変動による誤検知を回避することが可能となる。また、インバータ出力電力以外に、モータ電流の実効値等により判断することも可能である。
2…速度指令設定手段
3…電圧指令値設定手段
4…電圧指令値補正手段
5…2相/3相変換手段
6…PWM波形手段
7…インバータ
8…永久磁石型同期モータ(モータ)
9…3相/2相変換手段
10…力率角設定手段
Claims (6)
- モータの周波数に比例した電圧指令値IIを回転直角座標系のδ軸及びγ軸の2軸で設定する電圧指令値設定手段と、
2軸の前記電圧指令値IIを3相の電圧指令値IIIへ座標変換する2相/3層変換手段と、
3相の前記電圧指令値IIIを電力変換してモータに印加するインバータと、
前記モータの界磁方向を検出せずに、前記モータの端子電流を前記電圧指令値IIにフィードバックする手段と、
過変調制御領域において、前記電圧指令値IIIと前記インバータからの出力電圧とが比例するように、前記電圧指令値IIを補正する補正手段と、
を有することを特徴とする永久磁石型同期モータの制御装置。 - 前記補正手段は、
前記電圧指令値設定手段と前記2相/3相変換手段の間で、前記電圧指令値設定手段で設定された電圧指令値v* δ及びv* γの一方又は双方を補正することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石型同期モータの制御装置。 - 3相の前記電圧指令値IIIをパルス幅変調波形に変換するPWM波形手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石型同期モータの制御装置。
- モータの周波数に比例した電圧指令値IIを回転直角座標系のδ軸及びγ軸の2軸で設定するステップ(a)と、
2軸の前記電圧指令値IIを3相の電圧指令値IIIへ座標変換するステップ(b)と、
3相の前記電圧指令値IIIをインバータにより電力変換をして前記モータに印加するステップ(c)と、
前記モータの界磁方向を検出せずに、前記モータの端子電流をフィードバックするステップ(d)と、
過変調制御領域において、前記電圧指令値IIIとインバータからの出力電圧とが比例するように、前記電圧指令値IIを補正するステップ(e)と、
を有することを特徴とする永久磁石型同期モータの制御方法。 - 前記補正するステップ(e)は、
前記ステップ(a)と前記ステップ(b)の間で、設定された電圧指令値v* δ及びv* γの一方又は双方を補正することを特徴とする請求項4に記載の永久磁石型同期モータの制御方法。 - 3相の前記電圧指令値IIIをパルス幅変調波形に変換して、前記インバータに供給するステップ(f)を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の永久磁石型同期モータの制御装置。
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