JP2007336790A - 高分子電気化学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速に動作することができ、工業的経済性に優れ、環境への影響が少なく、自立性を保持し、かつ力学的強度に優れた電気化学素子、特にアクチュエータ素子の提供。
【解決手段】芳香族ビニル化合物単位を主たる繰返し単位とする重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(A)と非相容である重合体ブロック(B)を有し、かつ、重合体ブロック(A)にイオン伝導性基を有する共重合体(Z)を主成分として含有する成形体と、該成形体に接合し互いに絶縁された少なくとも2つの電極とからなる電気化学素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の高分子を構成成分とする電気化学素子、特にはアクチュエータ素子に関し、より詳細にはイオン伝導性基を持つ特定の共重合体を構成成分とする電気化学素子、アクチュエータ素子に関する。
医療機器やマイクロマシンなどの分野においては小型かつ軽量なアクチュエータの必要性が高まっている。また産業用、及びパーソナルロボットなどの分野においても軽量で柔軟性に富むアクチュエータの必要性が高まっている。
アクチュエータを小型化すると慣性力よりも摩擦や粘性力が支配的となるため、モータやエンジンのような慣性力を利用してエネルギーを運動に変換する機構は、超小型機械用のアクチュエータとして用いることが困難であると言われている。これまでに提案されている超小型アクチュエータの作動原理としては、静電引力型、圧電型、超音波式、形状記憶合金式等が知られている。静電引力型アクチュエータは電極となる板や棒を対極に引きつけるもので、数十μm離れた対極との間に100V程度の電圧をかけて、電極をたわませるものが知られている。圧電型アクチュエータはチタン酸バリウムなどのセラミックの圧電素子に数Vの電圧をかけて素子を伸縮させるもので、ナノメートル単位の変位を制御できるものが知られている。また超音波式は圧電素子などで発生させた超音波振動と摩擦力との組み合わせで、ずれを生じさせることで駆動するものが知られている。形状記憶合金式アクチュエータは温度によって大きく形状が変化し、温度を変化させることで作動する。しかし、これらのタイプのアクチュエータは金属、セラミックス等の無機物質を材料としているため柔軟化、軽量化に限度があり、また構造が複雑であるため小型化が容易ではないといった問題点がある。
上記問題点を克服できるアクチュエータとして、高分子アクチュエータが近年注目されている。例えば、含水高分子ゲルの温度変化、pH変化、電場印加等の刺激による形態変化を利用した高分子アクチュエータが考案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、含水高分子ゲルの種々の刺激による形態変化は一般に非常に遅く、また含水高分子ゲルの不均一な架橋構造に由来して力学強度も低いため、実際にアクチュエータとして利用するには更なる改良が必要である。
上記の課題を克服すべく、イオン交換樹脂膜とその両面に接合した電極とからなり、前記イオン交換樹脂膜の含水状態において、前記イオン交換樹脂膜に電位差をかけて湾曲及び変形を生じさせることを特徴とする高分子アクチュエータが考案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら上記した高分子アクチュエータにおいては、スルホン酸基含有フッ素系樹脂膜(例えば、DuPont社製ナフィオン)等、フッ素原子を含有したイオン交換樹脂が利用されることが多いが、環境への悪影響が大きい、イオン交換樹脂あるいはその膜のコストが高いといった問題がある。特許文献2においては、フッ素原子を含有しない例として、ポリスチレンスルホン酸膜を用いた高分子アクチュエータの例が開示されているが、そのサイズは非常に小さく、また、ポリスチレンスルホン酸膜は架橋された状態にあるためその形状が限られるだけではなく、不均一な架橋構造に由来して力学強度に劣るといった問題がある。
特開昭63−309252号公報 特許1966645号公報
本発明の目的は、高分子電気化学素子、より詳細には特定の共重合体を含む高分子と電極とからなる電気化学素子、更には該電気化学素子からなる高分子アクチュエータ素子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の要件を満たす共重合体を含む成形体と、成形体に接合し互いに絶縁された少なくとも2つの電極とからなる高分子電気化学素子、ひいては高分子アクチュエータ素子が、工業的経済性に優れ、かつ、環境への影響が懸念されるハロゲンを含有しておらず、また力学的性質にも優れ、動作速度も高速であることを見出した。
すなわち本発明は、芳香族ビニル系化合物単位を主たる繰返し単位とする重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(A)と非相容である重合体ブロック(B)を有し、かつ、重合体ブロック(A)にイオン伝導性基を有する共重合体(Z)を主成分として含有する成形体と、該成形体に接合し互いに絶縁された少なくとも2つの電極とからなる電気化学素子に関する。
本発明の電気化学素子ひいてはアクチュエータ素子は、イオンチャンネルが形成されておりイオンがスムースに動くことができるため高速に動作することができ、安価な共重合体を用いているため工業的経済性に優れ、また実質的にフッ素等のハロゲンを含有していないため環境への影響が少ないといった利点がある。本発明の電気化学素子、アクチュエータ素子は、また、共重合体を用いることで、不均一な化学架橋構造を導入せずとも自立性を保持し、さらには力学的強度に優れており、マイクロマシン、産業用及びパーソナルロボット等の用途に好適に用いることができる。
本発明の電気化学素子の必須構成要素の1つである成形体の主成分である共重合体(Z)の構成成分の1つである重合体ブロック(B)を構成する主たる繰返し単位として、炭素数2〜8のアルケン単位、炭素数5〜8のシクロアルケン単位、炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位及び炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位、並びに炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位及び炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種、特に炭素数4〜8の共役アルカジエン単位又は炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数4〜8の共役アルカジエン単位を選択する場合には、本発明の電気化学素子は、上記効果に加え、柔軟性や伸びに優れ、アクチュエータ素子をより多様な用途、例えば人工筋肉等柔軟性が要求される用途に適用できるようになる。
本発明の電気化学素子は、芳香族ビニル系化合物単位を主たる繰り返し単位とする重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(A)と非相容である重合体ブロック(B)を有し、かつ、重合体ブロック(A)にイオン伝導性基を有する共重合体(Z)を主成分として含有する成形体と、該成形体に接合し互いに絶縁された少なくとも2つの電極とからなる。
本発明で用いる共重合体(Z)の重合体ブロック(A)における芳香族ビニル系化合物単位としては、下記一般式(I)
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表し、Arは1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表す)で表される単位から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、上記一般式(I)に包含される下記一般式(II)
(式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表す)で表される単位から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
上記一般式(I)や(II)でRが炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基である場合には、共重合体(Z)の耐ラジカル性が優れるので好ましい。
上記一般式(I)のArの定義において、炭素数6〜14のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、ビフェニリル基等が挙げられ、該アリール基に結合していてもよい1〜3個の置換基としては、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等)、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等)などが挙げられる。
上記一般式(I)及び(II)のRの定義において、炭素数1〜8のアルキル基は直鎖状もしくは分岐状でもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
上記一般式(II)のR〜Rの定義において、炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状もしくは分岐状でもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基は直鎖状もしくは分岐状でもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等が挙げられる。
本発明で用いる共重合体(Z)における重合体ブロック(A)の主たる繰返し単位である芳香族ビニル系化合物単位を与える芳香族ビニル系化合物としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルフェナントレン、ビニルビフェニル等の芳香環に置換基を有していてもよい芳香族ビニル系化合物;a−メチルスチレン、a−エチルスチレン、a−プロピルスチレン、a−ブチルスチレン、a−ペンチルスチレン、a−ヘキシルスチレン、a−ヘプチルスチレン、a−オクチルスチレン、a−イソプロピルスチレン、a−tert−ブチルスチレン、a−イソブチルスチレン、a−tert−ペンチルスチレン、a−ネオペンチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、1−メチル−1−ナフチルエチレン、1−メチル−1−ビフェニリルエチレン等のa−置換芳香族ビニル系化合物;4,a−ジメチルスチレン等のa位及び芳香環が置換基を有するスチレン系化合物等が挙げられる。上記芳香族ビニル系化合物としては、中でも、工業的経済性、重合の容易性及び後述するイオン伝導性基導入の容易性の観点から、スチレン及びa−メチルスチレンが好ましく、さらには、本発明者らが特願2004−377999に報告している通り、a−炭素が4級炭素である芳香族ビニル系化合物単位を重合体ブロック(A)の主たる繰返し単位とする共重合体(Z)が耐ラジカル性に優れていることから、a−メチルスチレンがより好ましい。これらの芳香族ビニル系化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。2種以上を共重合させる場合の形態はランダム共重合でもブロック共重合でもグラフト共重合でもテーパード共重合でもよい。
重合体ブロック(A)は、本発明の効果を損わない範囲内で、一般式(I)で表される芳香族ビニル系化合物単位以外に、1種もしくは複数の他の単量体単位を含んでいてもよい。かかる他の単量体単位を与える単量体としては、例えば、炭素数4〜8の共役アルカジエン(具体例は後述の重合体ブロック(B)の説明におけると同様)、炭素数2〜8のアルケン(具体例は後述の重合体ブロック(B)の説明におけると同様)、(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル等)、ビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等)、ビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等)等が挙げられる。一般式(I)の単位を与える芳香族ビニル系化合物と上記他の単量体との共重合形態はランダム共重合である必要がある。
重合体ブロック(A)に含まれる芳香族ビニル系化合物単位の割合は、重合体ブロック(A)に十分な量のイオン伝導性基を導入する観点から50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがより一層好ましい。
重合体ブロック(A)のイオン伝導性基が導入されていない状態での分子量は、電気化学素子の形状、要求性能等によって適宜選択されるが、ポリスチレン換算の数平均分子量として、通常、100〜1,000,000の間から選択されるのが好ましく、1,000〜100,000の間から選択されるのがより好ましい。
本発明で使用する共重合体(Z)は、重合体ブロック(A)以外に、重合体ブロック(A)と非相容である重合体ブロック(B)を有する。重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とは非相容であることにより、共重合体(Z)はミクロ相分離構造を形成し、重合体ブロック(A)の形成する相はイオンチャンネルとして機能してイオンの移動経路となり、重合体ブロック(B)の形成する相は電気化学素子全体の形状を保持する役割を担い、かつ重合体ブロック(B)がフレキシブルな成分であれば、電気化学素子全体に弾力性、柔軟性を付与することが可能となる。なお、重合体ブロック(B)は実質上イオン伝導性基を有さない。
重合体ブロック(B)の主たる繰返し単位としては、炭素数2〜8のアルケン単位、炭素数5〜8のシクロアルケン単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位、炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位、炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数4〜8の共役アルカジエン単位、炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位、(メタ)アクリル酸エステル単位、ビニルエステル単位、ビニルエーテル単位等が挙げられる。これらの単位を与えるビニル系化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。2種以上を共重合させる場合の形態はランダム共重合でもブロック共重合でもグラフト共重合でもテーパード共重合でもよい。また、(共)重合に供する単量体が炭素−炭素二重結合を2つ有する場合にはそのいずれが重合に用いられてもよく、共役アルカジエンの場合には1,2−結合であっても1,4−結合であってもよく、またガラス転移点あるいは軟化点が50℃以下であれば、1,2−結合と1,4−結合との割合にも特に制限はない。
重合体ブロック(B)の主たる繰返し単位が、炭素数2〜8のアルケン単位、炭素数5〜8のシクロアルケン単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位、炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位、炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数4〜8の共役アルカジエン単位、炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位及び炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種である場合には、得られる共重合体(Z)ひいては本発明の電気化学素子は柔軟性や伸びに優れる。柔軟性や伸びのさらなる向上、工業的経済性及び重合の容易性の観点から、重合体ブロック(B)の主たる繰返し単位は、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位又は炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数4〜8の共役アルカジエン単位であることがより好ましい。ただし、各単位の結合形態によっては、後で重合体ブロック(C)の説明で述べるごとく、重合体ブロックが結晶性になる場合があるので、柔軟性や伸びを問題とする場合には、重合体ブロック(B)は結晶性ではないものとする。
重合体ブロック(B)の主たる繰返し単位が、ビニルシクロアルケン単位や共役アルカジエン単位や共役シクロアルカジエン単位である場合のように、炭素−炭素二重結合を有している場合には、本発明の電気化学素子の耐劣化性の向上などの観点から、かかる炭素−炭素二重結合はその30モル%以上が水素添加されているのが好ましく、50モル%以上が水素添加されているのがより好ましく、70モル%以上が水素添加されているのがより一層好ましく、90モル%以上が水素添加されているのがさらにより一層好ましい。炭素−炭素二重結合の水素添加率は、一般に用いられている方法、例えば、ヨウ素価測定法、H−NMR測定等によって算出することができる。
重合体ブロック(B)の上述したような主たる繰返し単位を与える単量体について述べる。炭素数2〜8のアルケンとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン等が挙げられ、炭素数5〜8のシクロアルケンとしてはシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン及びシクロオクテンが挙げられ、炭素数7〜10のビニルシクロアルケンとしてはビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘプテン、ビニルシクロオクテンなどが挙げられ、炭素数4〜8の共役アルカジエンとしては1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエン、2,4−ヘプタジエン、3,5−ヘプタジエン等が挙げられ、炭素数5〜8の共役シクロアルカジエンとしてはシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル及びビニルエーテルとしては、重合体ブロック(A)の説明におけると同様のものが挙げられる。
また、重合体ブロック(B)は、上記したような単量体単位以外に、重合体ブロック(A)と非相溶であるという重合体ブロック(B)の機能を損なわない範囲で、他の単量体単位、例えば、スチレン単位、ビニルナフタレン単位等の芳香族ビニル系化合物単位等を含んでいてもよい。この場合、主たる繰返し単位を与える単量体と他の単量体との共重合形態はランダム共重合であることが必要である。重合体ブロック(B)における主たる繰返し単位を与える単量体の使用量は、主たる繰返し単位を与える単量体と他の単量体との合計に対して、70質量%以上であるのがより好ましく、90質量%以上であるのがより一層好ましい。
重合体ブロック(B)の分子量は、電気化学素子の形状、要求性能等によって適宜選択されるが、ポリスチレン換算の数平均分子量として、通常、100〜1,000,000の間から選択されるのが好ましく、1,000〜100,000の間から選択されるのがより好ましい。
重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)を構成成分とする共重合体(Z)の構造は特に限定されないが、例としてA−B型ジブロック共重合体、A−B−A型トリブロック共重合体、B−A−B型トリブロック共重合体、A−B−A−B型テトラブロック共重合体、A−B−A−B−A型ペンタブロック共重合体、B−A−B−A−B型ペンタブロック共重合体、(A−B)X型星形共重合体(Xはカップリング剤残基を表す)等が挙げられる。これらは単独で用いても2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との結合形態は、上記したブロック結合に限らず、一方がグラフト結合をした形態であってもよい。このとき、重合体ブロック(A)、(B)のいずれが幹あるいは枝であってもよいが、製造容易性の観点からは重合体ブロック(B)が幹、重合体ブロック(A)が枝であることが好ましい。
重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)との質量比は90:10〜10:90であるのが好ましく、80:20〜20:80であることがより好ましい。重合体ブロック(A)の質量割合が90質量%を超える場合においては、電気化学素子の形状保持の機能を有する重合体ブロック(B)の割合が相対的に低くなり、形状保持性に劣るため好ましくない。一方、重合体ブロック(A)の質量割合が10質量%を下回る場合においては、イオン伝導相として機能する重合体ブロック(A)が連続相を形成し難くなるため、イオン伝導性が低下し電気化学素子の機能が低下する。
本発明で使用する共重合体(Z)は、重合体ブロック(A)や重合体ブロック(B)と異なる他の重合体ブロック(C)を有していてもよい。
重合体ブロック(C)は、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)とミクロ相分離するものであれば特に限定されない。なお、重合体ブロック(C)は実質上イオン伝導性基を有さない。重合体ブロック(C)を構成する単量体単位としては、例えば前記一般式(I)もしくは(II)で表される芳香族ビニル系化合物単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン(具体例は既述の重合体ブロック(B)の説明におけると同様)単位、炭素数2〜8のアルケン(具体例は既述の重合体ブロック(B)の説明におけると同様)単位、(メタ)アクリル酸エステル(具体例は既述の重合体ブロック(A)の説明におけると同様)単位、ビニルエステル(具体例は既述の重合体ブロック(A)の説明におけると同様)単位、ビニルエーテル(具体例は既述の重合体ブロック(A)の説明におけると同様)単位等が挙げられる。重合体ブロック(C)を構成する単量体単位は1種であっても複数であってもよい。
重合体ブロック(C)に、重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)とミクロ相分離し、拘束相(共重合体(Z)の相分離構造を保持するよう機能する相)として働く機能を持たせる場合には、かかる重合体ブロック(C)を有する本発明の電気化学素子を構成する成形体は、形態安定性、耐久性、湿潤下での力学特性が優れる傾向にある。この場合の重合体ブロック(C)を構成する単量体単位の好ましい例としては、上記した芳香族ビニル系化合物単位が挙げられる。また、重合体ブロック(C)を結晶性にすることによっても上記した機能を持たせることができる。
上記した機能を芳香族ビニル系化合物単位に依存する場合、重合体ブロック(C)中の芳香族ビニル系化合物単位は、重合体ブロック(C)の50質量%以上を占めることが好ましく、70質量%以上を占めることがより好ましく、90質量%以上を占めることがより一層好ましい。また、上記と同じ観点から、重合体ブロック(C)中に含まれ得る芳香族ビニル系化合物単位以外の単位はランダム共重合していることが好ましい。
重合体ブロック(C)を重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(B)とミクロ相分離させ、かつ拘束相として機能させる観点から特に好適な重合体ブロック(C)の例としては、4−メチルスチレンブロック、4−tert−ブチルスチレンブロック、4,a−ジメチルスチレンブロック等のポリスチレン系ブロック;任意の相互割合の、上記したようなポリスチレン系ブロックとポリスチレンからなる共重合体ブロック;結晶性水添1,4−ポリブタジエンブロック;結晶性ポリエチレンブロック;結晶性ポリプロピレンブロック等が挙げられる。
また、重合体ブロック(C)は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば公知の方法で架橋させてもよい。架橋を導入することにより、拘束力が更に高くなり、共重合体(Z)ひいては電気化学素子の形状安定性が増す傾向にある。
重合体ブロック(C)の分子量は、電気化学素子の形状、要求性能等によって適宜選択することができる。分子量が大きい場合、高分子電解質の力学特性が高くなる傾向にあるが、大きすぎると共重合体(Z)の成形が困難になり、分子量が小さい場合、力学特性が低くなる傾向にあり、必要性能に応じて分子量を適宜選択することが重要である。ポリスチレン換算の数平均分子量として、通常、100〜1,000,000の間から選択されるのが好ましく、1,000〜100,000の間から選択されるのがより好ましい。
重合体ブロック(C)が含まれる場合においても、共重合体(Z)におけるブロックの:結合形態が、ブロック共重合体であっても、グラフト共重合体でもよく、その組み合わせであってもよい。ブロック共重合体である場合の連鎖構造の例としては、A−B−C型トリブロック共重合体、A−B−C−A型テトラブロック共重合体、A−B−A−C型テトラブロック共重合体、B−A−B−C型テトラブロック共重合体、A−B−C−B型テトラブロック共重合体、C−A−B−A−C型テトラブロック共重合体、C−B−A−B−C型テトラブロック共重合体等が挙げられる。
グラフト共重合体である場合には、重合体ブロック(A)、(B)、(C)のうち一種が幹、残る二種が枝である構造、1種の幹に対し、もう1種がグラフトして第一の枝を形成しており、さらに第一の枝から残る一種がグラフトして第2の枝を形成していてもよい。
ブロック共重合体とグラフト共重合体の組み合わせの場合では、重合体ブロック(A)、(B)、(C)のうち、2種類がブロック共重合体であり、そのブロック共重合体を幹として、残る一種がグラフトされて枝を形成している構造等を挙げることができる。
本発明で用いる共重合体(Z)が重合体ブロック(C)を含む場合、共重合体(Z)に占める重合体ブロック(C)の割合は40質量%以下であるのが好ましく、35質量%以下であるのがより好ましく、30質量%以下であるのがより一層好ましい。
本発明で用いる共重合体(Z)のイオン伝導性基が導入されていない状態での数平均分子量は特に制限されないが、ポリスチレン換算の数平均分子量として、通常10,000〜2,000,000の範囲内にあることが好ましく、15,000〜1,000,000の範囲内にあることがより好ましく、20,000〜500,000の範囲内にあることがより一層好ましい。
本発明で用いる共重合体(Z)は、重合体ブロック(A)にイオン伝導性基を有することが必要である。本発明でイオン伝導性に言及する場合のイオンとしてはプロトン、アルカリ金属イオン、(有機)アンモニウムイオン等のカチオン、ヒドロキシルイオン、ハロゲン化物イオン等のアニオン等が挙げられる。
伝導するイオンがカチオンである場合、イオン伝導性基としては、十分なイオン伝導度を発現できるような基であれば特に限定されないが、中でも−SOM又は−POHM(式中、Mは水素原子、アルカリ金属イオン又は(有機)アンモニウムイオンを表す)で表されるスルホン酸基、ホスホン酸基又はそれらの塩が好適に用いられる。イオン伝導性基としては、また、−COM(式中、Mは水素原子、アルカリ金属イオン又は(有機)アンモニウムイオンを表す)で表されるカルボキシル基又はその塩も用いることができる。上記でアルカリ金属イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。これらのうちでも、イオン伝導性の観点からスルホン酸基、ホスホン酸基又はそれらの塩が好ましく、重合体ブロック(A)へのイオン伝導性基導入の容易性の観点からスルホン酸基又はその塩であることがより好ましい。
伝導するイオンがアニオンである場合、イオン伝導性基としては、十分なイオン伝導度を発現できるような基であれば特に限定されないが、中でも−N(式中、R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基を表し、Xはヒドロキシルイオン、ハロゲン化物イオン等のアニオンを示す)で表される(置換)アンモニウム基が好適に用いられる。
イオン伝導性基の重合体ブロック(A)中への導入位置について特に制限はないが、主たる構成単位である芳香族ビニル系化合物単位の芳香環上に導入することが、導入の容易性の観点から好ましい。
イオン伝導性基の導入量は、電気化学素子の要求性能等によって適宜選択されるが、電気化学素子、ひいてはアクチュエータ素子として使用するのに十分なイオン伝導性を発現するためには、通常、共重合体(Z)のイオン交換容量が0.30meq/g以上となるような量であることが好ましく、0.40meq/g以上となる量であることがより好ましい。
本発明で用いられる共重合体(Z)の製造法に関しては、特に制限されるものではないが、主に次の2つの方法に大別される。すなわち、(1)まずイオン伝導性基を有さない共重合体を製造した後、イオン伝導性基を重合体ブロック(A)に導入する方法、及び(2)イオン伝導性基を有する単量体を用いて共重合体を製造する方法である。
まず第一の製造法について述べる。
重合体ブロック(A)又は(B)を構成する単量体の種類、分子量等によって、重合体ブロック(A)又は(B)の製造法は、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、配位重合法等から適宜選択されるが、特に分子量、分子量分布、重合体の構造、重合体ブロック(A)と(B)の結合の容易さの点からリビング重合法を用いることが好ましく、具体的にはリビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法を用いることが好ましい。
製造法の具体例として、ポリ(a−メチルスチレン)からなる重合体ブロック(A)、及び共役アルカジエン化合物からなる重合体ブロック(B)を成分とする共重合体(Z)の製造方法について述べる。この場合、工業的容易性、分子構造設計の容易性の観点からリビングアニオン重合法を採用するのが好ましく、次のような具体的な合成例が示される。
(1)テトラヒドロフラン溶媒中でジアニオン型重合開始剤を用いて共役アルカジエン化合物を重合した後に、−78℃の温度条件下においてa−メチルスチレンを重合させA−B−A型ブロック共重合体を得る方法(Macromolecules, (1969), 2(5), 453−458)、
(2)a−メチルスチレンをアニオン重合開始剤を用いてバルク重合を行った後に、共役アルカジエン化合物を重合させ、その後テトラクロロシラン等のカップリング剤によりカップリング反応を行い、(A−B)X型星形共重合体を得る方法(Kautsch. Gummi, Kunstst., (1984), 37(5), 377−399; Polym. Bull., (1984), 12, 71−77)、
(3)非極性溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤として用い、0.1〜10質量%の濃度の極性化合物の存在下、−30〜30℃の温度にて、5〜50質量%の濃度のa−メチルスチレンを重合させ、得られるリビングポリマーに共役アルカジエン化合物を重合させた後、カップリング剤を添加して、A−B−A型ブロック共重合体を得る方法。
上記した具体的方法のうちでも、工業的経済性の観点から、特に(3)の方法が好ましい方法として採用される。
なお、上記アニオン重合やカチオン重合等において反応させる成分を変えたり、追加したりすることによって、ブロック共重合体の成分として重合体ブロック(C)を加えることができる。
重合体ブロック(B)を構成する繰り返し単位が共役アルカジエン化合物や共役シクロアルカジエンやビニルシクロアルケンである場合のように、炭素−炭素二重結合を有している場合には、本発明の電気化学素子の耐劣化性の向上等の観点から、その一部又は全てが水素添加されているのが好ましい。水素添加の方法としては、例えば、有機溶媒に前駆体となる高分子を溶解し、水素添加触媒の存在下、水素を反応させる方法が挙げられる。このとき用いる溶媒としては、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼンなどの炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよいが、円滑な水素添加反応の進行の観点から、使用溶媒はシクロヘキサンであることが好ましい。
また水素添加触媒としては、ニッケル系チーグラー触媒、コバルト系チーグラー触媒などのチーグラー触媒、チタノセン触媒などのメタロセン触媒などを挙げることができる。これらの水素添加触媒は単独で使用しても、2種類以上を併用してもよいが、工業的経済性、取扱いの容易性の観点から、使用水素添加触媒はニッケル系チーグラー触媒であることが好ましい。
ニッケル系チーグラー触媒の調製方法に特に制限はないが、例えば有機酸のニッケル塩とトリアルキルアルミニウムを反応させることにより調製することができる。
水素添加を行う際の温度は0〜100℃、水素圧力は10〜10000kPaの範囲において行うことができ、さらには20〜90℃、水素圧力は500〜3000kPaの範囲内で行うことが、円滑な水素添加反応の進行、工業的経済性から好ましい。
次に、得られるブロック共重合体にイオン伝導性基を結合させる方法について述べる。
まず、得られた共重合体にスルホン酸基を導入する方法について述べる。スルホン化は、公知のスルホン化の方法で行える。このような方法としては、共重合体の有機溶媒溶液や縣濁液を調製し、スルホン化剤を添加し混合する方法や共重合体に直接ガス状のスルホン化剤を添加する方法等が例示される。
使用するスルホン化剤としては、硫酸、硫酸と脂肪族酸無水物との混合物系、クロロスルホン酸、クロロスルホン酸と塩化トリメチルシリルとの混合物系、三酸化硫黄、三酸化硫黄とトリエチルホスフェートとの混合物系、さらに2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸に代表される芳香族有機スルホン酸等が例示される。これらは単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いても良い。
また使用する有機溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチレン、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素等が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
次に得られた共重合体にホスホン酸基を導入する方法について述べる。ホスホン化は、公知のホスホン化の方法を採用することができ、例えば、共重合体の有機溶媒溶液や懸濁液を調製し、無水塩化アルミニウムの存在下、該共重合体にクロロメチルエーテル等を反応させて芳香環にハロメチル基を導入後、これに三塩化リンと無水塩化アルミニウムを加えて反応させ、さらに加水分解反応をおこなってホスホン酸基を導入する方法などが挙げられる。あるいは、該共重合体に三塩化リンと無水塩化アルミニウムを加えて反応させ、芳香環にホスフィン酸基を導入後、硝酸によりホスフィン酸基を酸化してホスホン酸基とする方法等が例示できる。
また得られた共重合体に(置換)アンモニウム基を導入する方法には、公知の方法を採用することができ、例えば上記の方法と同様にして共重合体の芳香環上にハロメチル基を導入し、これにアンモニアや有機アミン化合物と接触させることにより、対アニオンがハロゲン化物イオンであるアンモニウム基が導入する方法が挙げられる。また得られたアンモニウム基(対アニオン:ハロゲン化物)導入共重合体を例えば、水酸化ナトリウムのようなアルカリで処理することにより、対アニオンをヒドロキシル基に交換したアンモニウム基とすることも可能である。
また前駆体であるイオン伝導性基を有していない共重合体にイオン伝導性基を導入する方法以外の共重合体(Z)の製造法としては、イオン伝導性基を有する少なくとも1つの単量体を用いて共重合体を製造する方法である。
イオン伝導性基を有する単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、a−アルキル−スチレンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、ビニルアントラセンスルホン酸、スチレンホスホン酸、a−アルキル−スチレンホスホン酸、ビニルナフタレンホスホン酸、ビニルアントラセンホスホン酸、安息香酸ビニル、安息香酸イソプロペニル、安息香酸イソブテニル等を例示することができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、入手容易性、重合の容易性の観点からスチレンスルホン酸、a−アルキル−スチレンスルホン酸、安息香酸ビニル、安息香酸イソプロペニルであることが好ましく、上記観点に加え、得られる共重合体(Z)のイオン伝導性ないしは電気化学素子の性能の観点からは、スチレンスルホン酸、a−メチル−スチレンスルホン酸であることがより好ましい。
イオン伝導性基を含有する単量体としては、共役アルカジエン化合物にイオン伝導性基が結合した単量体も用いることができ、例えば、1,3−ブタジエン−1−スルホン酸、1,3−ブタジエン−2−スルホン酸、イソプレン−1−スルホン酸、イソプレン−3−スルホン酸、イソプレン−4−スルホン酸、1,3−ブタジエン−1−ホスホン酸、1,3−ブタジエン−2−ホスホン酸、イソプレン−1−ホスホン酸、イソプレン−3−ホスホン酸、イソプレン−4−ホスホン酸、1,3−ブタジエン−1−カルボン酸、1,3−ブタジエン−2−カルボン酸、イソプレン−1−カルボン酸、イソプレン−3−カルボン酸、イソプレン−4−カルボン酸等が挙げられる。
イオン伝導性基を含有する単量体としてはまた、ビニルスルホン酸、a−アルキル−ビニルスルホン酸、ビニルアルキレンスルホン酸、a−アルキル−ビニルアルキレンスルホン酸、ビニルホスホン酸、a−アルキル−ビニルホスホン酸、ビニルアルキレンホスホン酸、a−アルキル−ビニルアルキレンホスホン酸、ビニルカルボン酸、a−アルキル−ビニルカルボン酸、ビニルアルキレンカルボン酸、a−アルキル−ビニルアルキレンカルボン酸等も用いることができる。こられの中ではビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸が好ましい。
イオン伝導性基を含有する単量体としては、さらに、イオン伝導性基が結合した(メタ)アクリル系単量体を用いることもでき、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
上記したイオン伝導性基含有単量体のイオン伝導性基は、その重合性を改善する観点から、例えば適当な金属イオン(例えばアルカリ金属イオン)や(有機)アンモニウムイオン等で中和されている塩の形であってもよく、あるいはエステル化されていてもよい。前者の場合は、重合後そのまま用いてもよいし、適当な方法でイオン交換を行い酸の形で用いてもよい。後者の場合は、酸性条件下、あるいは塩基性条件下において加水分解を行い酸の形として用いてもよいし、後述する方法により塩の形に変換して用いてもよい。
共重合体(Z)に含まれるイオン伝導性基はその一部もしくは全部が塩の形に変換されていてもよい。塩の形への変換は、例えばアルカリ金属イオン水溶液、アンモニア水溶液、有機アミン水溶液等に共重合体(Z)を浸漬する方法が挙げられる。浸漬条件について特に制限はないが、例えば、0〜100℃の温度条件下、0.01〜100mol/Lの水溶液に、1分〜1週間浸漬させる方法が挙げられる。この際、適宜該水溶液を新しいものと交換してもよい。
また上記した以外にも、例えばアンモニウム基やその前駆体となるアミノ基を有している単量体を使用することもできる。それらの例としては、例えば4−ビニルアニリン、3−ビニルアニリン、2−ビニルアニリン、4−イソプロペニルアニリン、3−イソプロペニルアニリン、2−イソプロペニルアニリン等のビニルアニリン類及びそれらの窒素原子が4級化されたビニルアニリニウム塩;4−ビニルベンジルアミン、4−イソプロペニルベンジルアミン等の、芳香環とアミノ基との間にスペーサーを有するアミノ基含有スチレン誘導体及びそれらの窒素原子が4級化されたアンモニウム塩;4−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、4−イソプロペニルピリジン、3−イソプロペニルピリジン、2−イソプロペニルピリジン等のビニルピリジン類及びそれらの窒素原子が4級化されたビニルピリジニウム塩;アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル及びそれらの窒素原子が4級化されたアンモニウム塩;ビニルアミン、プロペニルアミン、イソプロペニルアミン等のアルケニルアミン類及びそれらの窒素原子が4級化されたアンモニウム塩等を挙げることができる。これらのアミノ基を有する単量体のアミノ基は、1級アミノ基の他にアルキル基で置換された2級アミノ基又は3級アミノ基であってもよい。
上記したいずれのイオン伝導性基を導入する方法を用いた場合でも、得られる共重合体(Z)やそれを用いる成形体のイオン交換容量や共重合体(Z)における重合体ブロック(A)中のスルホン化率、ホスホン化率等は、滴定法、赤外分光スペクトル測定、核磁気共鳴スペクトル(H−NMRスペクトル)測定等の分析手段を用いて算出することができる。
本発明においては、上記したようにして得られる共重合体(Z)を主成分として含有する成形体を使用する。本成形体は共重合体(Z)のみからなっていてもよいが、本発明の効果を損わない限り、他の樹脂、軟化剤、水、有機溶媒、その他の各種添加剤、無機充填剤等から選ばれる1種又は2種以上を含有していてもよい。
他の樹脂の例としては、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−4−メチルペンテン−1共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ヘプテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステルなどのポリオレフィン系樹脂;ポリオキシメチレン、ポリフェニレンエーテル系樹脂等のポリエーテル系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6,12、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、ポリノナメチレンジアミンテレフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン、ポリa−メチルスチレン、ポリp−メチルスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー等を挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
軟化剤としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系プロセスオイル等の石油系軟化剤、パラフィン、植物油系軟化剤、可塑剤等を挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン化合物、酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、乳酸エチル等のエステル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、オクタノール等のアルコール化合物、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル化合物、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物等を挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中ではカーボネート化合物、ニトリル化合物、グリコール系化合物が好ましく、共重合体(Z)、特に共重合体ブロック(A)との親和性の観点からエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートがより好ましい。
その他の各種添加剤としては、例えば、フェノール系安定剤、イオン系安定剤、リン系安定剤、光安定剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、発泡剤、顔料、染料、増白剤、カーボン繊維等を挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ガラス繊維、マイカ、カオリン、酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の成形体における共重合体(Z)の含有量は、イオン伝導性の観点や電気化学素子やアクチュエータ素子の性能の観点から、50質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましく、80質量%以上であるのがより一層好ましく、90質量%以上であるのがさらにより一層好ましい。
共重合体(Z)を含有する成形体の調製方法としては、かかる調製のための通常の方法であればいずれの方法を用いてもよく、例えば、共重合体(Z)又は共重合体(Z)と上記したような各種添加剤を適当な溶媒とを混合しして共重合体(Z)を溶解もしくは懸濁せしめ、ガラス等の板状体の上にキャストし、適切な条件で溶媒を除去することによって所望の厚みの有する膜を得る方法や、圧縮成形、ロール成形、押出成形、射出成形等を挙げることができる。これらの方法は、所望の電気化学素子の形状に応じて適宜選択することができる。上記で適当な溶媒としては、本発明における成形体の任意成分して上述した有機溶媒や水を例示することができる。
本発明の電気化学素子は、共重合体(Z)を含んでなる成形体と、成形体に接合し互いに絶縁された少なくとも2つの電極とからなる。ここで電極材として用いられるものとしては公知のものを使用でき、例えば、金、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム等の貴金属類、銀、銅、ニッケル等の卑金属類、活性炭、カーボンブラック、黒鉛等の炭素材料、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子等を挙げることができる。これらのうちでも耐食性の観点から貴金属類、炭素材料、導電性高分子を用いることが好ましく、電気化学素子の性能の観点から、金、活性炭、ポリアニリン又はポリピロールであることが好ましい。
電極の形成方法としては、公知の方法として、例えば、金属類の真空蒸着法、スパッタリング法や電気メッキ、化学メッキ法や、必要に応じ適切なバインダーに金属、炭素材料、導電性高分子を溶解あるいは分散させたインキを塗布する方法、別途作製した電極を圧着、溶着する方法等を挙げることができる。これらのうちでも、得られる電気化学素子の性能の観点から、化学メッキ法、塗布法が好ましく採用され、化学メッキ法がより好ましく採用される。
以下に化学メッキ法について具体的に述べる。化学メッキ法では、共重合体(Z)のイオン伝導性基がカチオン伝導性基である場合には、カチオン交換基として作用することを利用し、まず金属カチオン(錯イオンも含む)を導入した後に、適切な還元剤を用いて導入した金属カチオンを還元して0価の金属として電極を形成することができる(例えば、Chem. Mater., (2000), 12, 1750−1754)。金属カチオンの供給源としては、上記した貴金属類や卑金属類の錯体や塩が用いられる。
金属錯体の例としては、各種金属のフェナントロリン錯体、ビスエチレンジアミン錯体、アンモニア錯体、ビピリジル錯体等を挙げることができる。
金属塩の例としては、各種金属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩等を挙げることができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。金属カチオンの供給源としては、これらの中でも調製の容易性、取扱性の観点から金属錯体であることが好ましく、金もしくは白金の錯体であることが得られる電気化学素子の性能の観点からより好ましい。
これらの金属カチオンの導入の方法については特に制限はないが、例えば、上記した金属錯体又は金属塩の水溶液に共重合体(Z)を浸漬することによって、容易に行うことができる。
導入された金属カチオンを還元する還元剤としては公知のものを適宜選択して使用することができ、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
金属カチオンの還元の方法に特に制限はなく、公知の方法を用いることができ、例えば、上記した還元剤水溶液中に金属カチオンが導入された共重合体(Z)を浸漬し、例えば20〜100℃の適当な温度条件下において還元する方法を挙げることができる。
本発明の電気化学素子の形状については特に制限はなく、例えば、膜、フィルム、シート、板、繊維、ロッド、立方体、直方体、球状、ラグビーボール状、複雑な形状などが上げられ、これらは使用目的に応じて適宜選択すればよい。また電気化学素子の厚さについても特に制限はないが、例えば形状が膜状である場合には、電極は膜の両面に形成されていることが好ましく、膜自身の抵抗の観点から、厚みが10−6〜10−1mの範囲にあるのが望ましい。
上記のような方法で得られた本発明の共重合体(Z)の電極接合体、すなわち電気化学素子は、本質的に圧電素子であるため、アクチュエータ素子を含む種々の素子として利用することができ、素子の例としては、例えば、圧力、力、変位等を検知するセンサー素子やキャパシタ素子としても利用することが可能である。アクチュエータ素子として利用する場合には、互いに絶縁された電極に電場を印加することによって素子がアクチュエーションを起こす。センサーとして利用する場合には、互いに絶縁された電極と電圧計とを接続することにより、素子に変形が加えられた際に発生する電圧を検知しセンシングする。また電圧印加により、電極近傍では電気二重層が形成されるため、キャパシタとして機能させることができる。
本発明の電気化学素子は、種々の態様において使用することができる。例えば水中、塩水溶液中もしくは有機溶媒中や、人体内等の湿潤環境中で使用することができる。本発明の電気化学素子は、湿潤状態にある場合に特に高い機能を発現するため、例えば湿潤状態にある電気化学素子を封止して空気中あるいは真空中で用いることもできる。封止に用いる材料に特に制限はなく、各種樹脂や金属等を用いることができる。上記で有機溶媒としては、本発明における成形体の任意成分して上述した有機溶媒を例示することができる。
以下、実施例及び比較例並びに参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。また、以下の参考例、実施例及び比較例において用いた測定機器、測定方法及び使用材料を以下に示す。
(1)核磁気共鳴スペクトル(H−NMRスペクトル)によるブロック共重合体及び共重合体(Z)の分子構造の解析
機器 : 日本電子社製核磁気共鳴装置(JNM−LA 400)
溶媒 : 重クロロホルム単独、又は重テトラヒドロフランと重メタノールとの混合物(質量比 80:20)
(2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)の測定
機器 : 東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフ(HLC−8020)
カラム : いずれも東ソー社製TSKgelであるGMHXL、G4000HXL及びG5000HXLを直列に連結
溶離液 : テトラヒドロフラン、流量 1.0ml/分
検量線 : 標準ポリスチレンを用いて作成
検出方法 : 示差屈折率(RI)
(3)イオン交換容量の測定
共重合体(Z)又は共重合体(Z)−電極複合体を密閉できるガラス容器中に秤量(a(g))した。このとき、共重合体(Z)−電極複合体については、大過剰量の塩化リチウム水溶液(1mol/L)に一晩浸漬したものを用いた。ガラス容器中に過剰量の塩化ナトリウム飽和水溶液を添加して一晩攪拌した。系内に発生した塩化水素を、フェノールフタレイン液を指示薬とし、0.01NのNaOH標準水溶液(力価f)にて適定(b(ml))した。イオン交換容量は次式により求めた。
イオン交換容量 = (0.01×b×f)/a
(4)引張試験
共重合体(Z)の電極接合体をダンベル状に切り出し、塩化リチウムの1mol/L水溶液中に24時間以上保管した後、万能材料試験機(インストロンジャパン社製「TM−MS−134」)を用い、引張速度200mm/minの条件において破断強度を測定した。
(5)動作試験
共重合体(Z)の電極接合体の4辺を切り取って幅約5mm、長さ約40mmのサイズとし、かつ膜両面の電極間を絶縁させた。これを塩化リチウムの1mol/L水溶液中に一晩保管し、共重合体(Z)の電極接合体の表面の水分を拭き取り、互いに絶縁された2つの電極にそれぞれ、幅1mmのサイズにカットした銅箔シールドテープ(ソニーケミカル社製「CU7636R」)を貼り付けて素子とした。得られた素子を直流安定化電源装置(菊水電子工業社製、PMC18−3)に接続し、(i)素子が蒸留水に浸漬した状態(1.2V)、(ii)素子を蒸留水から引き上げた直後に空気中(5V)において直流電圧を印加し、目視によって動作の有無、変形量(湾曲角度)、速度を確認した。
参考例1
ポリa−メチルスチレン(重合体ブロック(A))と水添ポリブタジエン(重合体ブロック(B))とからなるブロック共重合体の製造
既報の方法(WO 02/40611)と同様の方法で、ポリa−メチルスチレン−b−ポリブタジエン−b−ポリa−メチルスチレン型トリブロック共重合体を合成した。得られたトリブロック共重合体において、ポリa−メチルスチレン部のMn=6600、Mw/Mn=1.08、全体のMn=80590、Mw/Mn=1.07であり、ポリブタジエンブロックにおける1,4−結合量は58.9%、a−メチルスチレン単位の含有量は28.7質量%であった。また、ポリブタジエンブロック中にはa−メチルスチレンが実質的に共重合されていないことが、H−NMRスペクトル測定による組成分析により判明した。
得られたトリブロック共重合体をシクロヘキサンに溶解させて耐圧容器に仕込み、十分に窒素置換を行った後、ニッケル系チーグラー触媒存在下、981kPaの水素圧、80℃の条件において水素添加を実施してポリa−メチルスチレン−b−水添ポリブタジエン−b−ポリa−メチルスチレン型トリブロック共重合体(以下、mSEBmSと略記する)を得た。得られたmSEBmSのH−NMRスペクトル測定による水素添加率は99.7%であった。
参考例2
mSEBmSのスルホン化
参考例1で得られたmSEBmS 355gを攪拌機付きのガラス製反応容器中にて1時間真空乾燥し、ついで窒素で系内を置換した後、塩化メチレン3Lを加え、35℃にて2時間攪拌して溶解させた。溶解後、塩化メチレン155ml中、0℃にて無水酢酸34.7mlと硫酸77.5mlとを反応させて得られたスルホン化剤を、5分間かけて徐々に滴下した。35℃にて7時間攪拌後、10Lの蒸留水の中に攪拌しながら反応溶液を注ぎ、スルホン化mSEBmSを凝固析出させた。析出した固形分を90℃の蒸留水で30分間洗浄し、ついでろ別した。この洗浄及びろ別の作業を洗浄水のpHに変化がなくなるまで繰り返し、最後にろ集した重合体を真空乾燥してスルホン化mSEBmSを得た。得られたスルホン化mSEBmSのa−メチルスチレン単位のベンゼン環のスルホン化率はH−NMRスペクトル測定から49.8mol%、イオン交換容量は1.08meq/gであった。
参考例3
ポリスチレン−b−ポリ(エチレン/ブチレン)−b−ポリスチレンのスルホン化
参考例2において、mSEBmSの代わりにポリスチレン−b−ポリ(エチレン/ブチレン)−b−ポリスチレン((株)クラレ製「セプトン8007」、以下SEBSと略記する)を用いた以外は同様の操作を行い、スルホン化SEBSを得た。得られたスルホン化SEBSのスチレン単位のベンゼン環のスルホン化率は48.5mol%、イオン交換容量は1.21meq/gであった。
参考例2のスルホン化mSEBmS、参考例3のスルホン化SEBS及び後記参考例8で使用したフッ素系イオン交換樹脂膜のスルホン化率及びイオン交換容量を下記表1にまとめて示す。
参考例4
スルホン化mSEBmS及びスルホン化SEBS成形体の調製
参考例2で合成したmSEBmS 0.515gをトルエン/イソブチルアルコール混合溶媒(質量比 80:20)10.3gに溶解させて5質量%溶液を調製し、5cm×5cmのポリテトラフルオロエチレン製枠中に溶液を注ぎキャスト製膜して膜状成形体を得た。得られた成形体を40℃で24時間真空乾燥して後述する試験に用いた。平均の膜厚は190μmであった。
同様の方法で、スルホン化SEBSについても膜状成形体を得た。平均の膜厚は201μmであった。
参考例5
金−フェナントロリン錯体の製造
還流冷却管を取り付けた300mlのガラス製反応容器に、1,10−フェナントロリン(和光純薬社製)0.5g及び80mlの蒸留水を仕込み60℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却した。攪拌を継続しながら、この水溶液にテトラクロロ金(III)酸・4水和物1gを蒸留水17.2mlに溶解させた水溶液を30分かけて徐々に滴下した。滴下終了後、温度を110℃に上げて5時間還流させた後、反応液に塩化アンモニウム15gを加えてオレンジ色の粉体を析出させた。析出した粉体をろ集し、冷却したメタノール、ついで冷却したジエチルエーテルで洗浄し、得られた粉末を乾燥して、金−フェナントロリン錯体(以下、[Au(phen)ClClと略記する)0.79gを得た。
実施例1
スルホン化mSEBmS−金電極複合体(本発明の電気化学素子)の調製
参考例5で得られた[Au(phen)ClCl 48mgを蒸留水96mlに溶解して黄色の金錯体水溶液を得た。ここに、参考例4で得られたスルホン化mSEBmSの膜状成形体を浸漬させ、1晩振とうしながら攪拌した。放置後、水溶液は失色し、一方膜状成形体が黄色に着色しており、金錯体が膜状成形体に取り込まれたことが分かった。得られた膜状成形体を蒸留水で洗浄したのち、亜硫酸ナトリウム1.26gを蒸留水1Lに溶解させた還元液に浸漬し、60℃に加温して4時間還元反応を行った。なお、還元中、還元液は1時間ごとに新しいものと交換した。
当該作業を2回繰り返し、スルホン化mSEBmS−金電極複合体を得た。
実施例2
スルホン化SEBS−金電極複合体(本発明の電気化学素子)の調製
実施例1において、スルホン化mSEBmSの膜状成形体の代わりに、参考例4で得られたスルホン化SEBSの膜状成形体を用いた以外は同様の操作を行い、スルホン化SEBS−金電極複合体を得た。
比較例1
フッ素系イオン交換樹脂膜−金電極複合体(比較例としての電気化学素子)の調製
実施例1において、スルホン化mSEBmSの膜状成形体の代わりに、フッ素系イオン交換樹脂膜(テトラフルオロエチレン−パーフルオロスルホニルエトキシビニルエーテル共重合体、DuPont社製「ナフィオン117」、平均の膜厚200μm)を用い、金錯体導入−還元の工程を3回繰り返した以外は同様の操作を行い、フッ素系イオン交換樹脂−金電極複合体を得た。
試験例1
スルホン化mSEBmS−金電極複合体及び該複合体から作製したアクチュエータ素子についての試験
実施例1で調製したスルホン化mSEBmS−金電極複合体についてイオン交換容量測定及び引張試験を実施し、該複合体から前述の動作試験に沿って作製したアクチュエータ素子について、前述の動作試験を実施した。イオン交換容量測定、引張試験及び動作試験の結果を表2に、動作試験時の様子を図1に示す。
試験例2
スルホン化SEBS−金電極複合体及び該複合体から作製したアクチュエータ素子についての試験
実施例2で調製したスルホン化SEBS−金電極複合体についてイオン交換容量測定及び引張試験を実施し、該複合体から前述の動作試験に沿って作製したアクチュエータ素子について、前述の動作試験を実施した。イオン交換容量測定、引張試験及び動作試験の結果を表2に示す。
試験例3
フッ素系イオン交換樹脂膜−金電極複合体及び該複合体から作製したアクチュエータ素子についての試験
比較例1で調製したフッ素系イオン交換樹脂膜−金電極複合体についてイオン交換容量測定及び引張試験を実施し、該複合体から前述の動作試験に沿って作製したアクチュエータ素子について、前述の動作試験を実施した。イオン交換容量測定、引張試験及び動作試験の結果を表2に示す。
表2より、実施例1及び2の共重合体(Z)−金電極複合体並びに比較例1のナフィオン117−金電極複合体のイオン交換容量はいずれも0であり、高分子内に存在するスルホン酸基は、いずれもリチウム塩の形で存在していることが分かる。
また表2から明らかなように、高分子−金電極複合体の引張強度は実施例1、実施例2及び比較例1においてほぼ同等であるが、引張伸びに関しては比較例1に比べ実施例1及び2では大きな伸びが観測され、実施例1及び2の共重合体(Z)−金電極複合体が柔軟であり、大きな変形に対してもアクチュエータ素子が崩壊することなく追随できることが示唆されている。
また表2より、アクチュエータ素子の動作試験の結果、動作の大きさについては実施例1、実施例2及び比較例1でほぼ同等であるが、動作速度の点においては実施例1及び2が比較例1に比し優れていることが明らかである。
本発明の電気化学素子ひいてはアクチュエータ素子は、高速に動作することができ、工業的経済性に優れ、実質上ハロゲン元素を含有しないので環境への影響性が低く、不均一な化学架橋構造を導入せずとも自立性を保持し、力学的強度に優れていることから、医療機器やマイクロマシン、産業用ロボット、パーソナルロボット等の分野において好適に用いることができる。
実施例1で調製したスルホン化mSEBmS−金電極複合体(本発明の電気化学素子)についての動作試験の結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 芳香族ビニル化合物単位を主たる繰返し単位とする重合体ブロック(A)及び重合体ブロック(A)と非相容である重合体ブロック(B)を有し、かつ、重合体ブロック(A)にイオン伝導性基を有する共重合体(Z)を主成分として含有する成形体と、該成形体に接合し互いに絶縁された少なくとも2つの電極とからなる電気化学素子。
  2. 芳香族ビニル化合物単位が一般式(I)
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表し、Arは1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表す)で表される単位から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の電気化学素子。
  3. 芳香族ビニル系化合物単位が下記一般式(II)
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表す)で表される単位から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の電気化学素子。
  4. が炭素数1〜8のアルキル基又は1〜3個の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  5. 重合体ブロック(B)の主たる繰返し単位が炭素数2〜8のアルケン単位、炭素数5〜8のシクロアルケン単位、炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位及び炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位、並びに炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数7〜10のビニルシクロアルケン単位、炭素数4〜8の共役アルカジエン単位及び炭素数5〜8の共役シクロアルカジエン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  6. 重合体ブロック(B)の主たる繰返し単位が炭素数4〜8の共役アルカジエン化合物単位又はその炭素−炭素二重結合の一部もしくは全部が水素添加された炭素数4〜8の共役アルカジエン化合物単位である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  7. アクチュエータ素子としての請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学素子。
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