JP5770625B2 - ビニルエーテル系星型ポリマーおよびその製造方法 - Google Patents

ビニルエーテル系星型ポリマーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規なビニルエーテル系星型ポリマーとその製造方法に関する。更に詳しくは、アーム部にビニルエーテル系重合体とオキシスチレン系重合体を含む星型ポリマーおよびその製造方法に関する。
ヒドロキシスチレンをはじめとするオキシスチレン系重合体は、各種の産業分野で機能性高分子材料として使用されており、中でも電子材料の分野、特に半導体レジスト用樹脂成分の原料として使用されている。また、半導体素子などの層間絶縁膜や表面保護膜に用いられる感光性樹脂成分としての利用も検討されている。
近年半導体素子の高集積化、大型化、封止樹脂パッケージの薄型化、小型化、半田リフローによる表面実装への移行等により、オキシスチレン系重合体においても、物性の更なる向上や新規な物性の付与が望まれており、ブロックポリマーや星型ポリマーといった特殊な構造を有するポリマー中への導入が試みられている。
なかでも、オキシスチレン系重合体とその他の重合体をアームに併せ持つ星型ポリマーは、星型ポリマー特有の性質である低粘性、微粒子性に加えて、オキシスチレン系重合体とその他の重合体特有の機能を同時に付与できるため、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性樹脂成分の原料として好適に用いることができる。
たとえば、特許文献1では、オキシスチレン系重合体、アクリル酸・メタクリル酸系重合体、ノルボルネン系重合体、テトラシクロデセン系重合体、マレイミド系重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種類の繰り返し単位をアームに持つ星型ポリマーを製造する方法が開示されている。また、特許文献2では、オキシスチレン系重合体、アクリル酸・メタクリル酸系重合体を含む星型ポリマーを製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1で具体的に合成が示されているのは、メタクリル酸系重合体をアームに持つ星型ポリマーのみであり、特許文献2で具体的に合成が示されているのは、オキシスチレン系重合体をアームに持つ星型ポリマーのみであり、同時に両者の重合体をアームへと導入する方法については、これらの特許文献に明記されていない。
一方、特許文献3では、アニオン重合開始剤の存在下、アルケニルフェノールをアニオン重合してアームを合成し、次に、多官能性カップリング剤を反応させ、さらに、メタクリルモノマーを反応させる方法によりアルケニルフェノール系重合体とメタクリル系重合体をアームに持つ星型ポリマーを製造する方法が開示されている。しかしながら、当該方法ではアニオン重合性を有しないモノマーを導入することはできない。
また、アクリル系重合体をアームに有する星型ポリマーは耐水性、電気的特性が低くなるという問題を有している。このため、オキシスチレン系重合体とアクリル系重合体以外の組合せのアームを有する星型ポリマーの製造が求められている。
ところで、アクリル系重合体に代替可能な重合体は多数挙げられるが、なかでもビニルエーテル系重合体はアクリル系重合体と同等の流動性を持ちながらも、電気特性を低下させない重合体として注目され、星型ポリマーへの適用が進んでいる。
例えば、特許文献4では、プロトン酸とルイス酸を組み合わせた開始剤により、ビニルエーテルをリビングカチオン重合し、次いで、得られたリビングポリマーにジビニルエーテルを添加する方法によりビニルエーテル系星型ポリマーを製造する方法が開示されている。
また、特許文献5では、アルコキシエチルアセテートなどの開始種とルイス酸により、ビニルエーテルをリビングカチオン重合し、次いで、得られたリビングポリマーにジビニルエーテルを添加して、刺激応答性を有するビニルエーテル系星型ポリマーを製造する方法が開示されている。
また更に、非特許文献1では、一官能性開始剤とルイス酸を組み合わせた開始剤により、ビニルエーテルをリビングカチオン重合し、次いで、得られたリビングポリマーにジビニルエーテルを添加して核を形成し、更に異なるビニルエーテルを反応させて核から異なるビニルエーテル鎖を伸長させることで、ヘテロアーム系星型ポリマーが合成されている。
しかしながら、特許文献4、5および非特許文献1に記載の星型ポリマーは、何れもビニルエーテル系重合体のみからなる星型ポリマーであり、ビニルエーテル系重合体とオキシスチレン系重合体の両者を含む星型ポリマーが報告された例はない。
また、特許文献6では、多官能性開始種を用いたコアファースト法によるビニルエーテル系重合体とオキシスチレン系重合体のブロックポリマーをアームとする星型ポリマーの合成方法が開示されている。しかしながら、ビニルエーテルとオキシスチレンは反応性が大きく異なるので、ビニルエーテル系重合体からなるアームとオキシスチレン系重合体からなるアームを同時に導入することは困難であり、コアファースト法ではビニルエーテル系重合体からなるアームとオキシスチレン系重合体からなるアームの両者を含む星型ポリマーを得ることはできなかった。更にコアファースト法は多官能性開始種の合成を含むため製造方法が煩雑となり、枝数も官能基数と同数になるため枝数の制御が難しいという問題があった。
一方、非特許文献1のヘテロアーム系星型ポリマーの合成方法をビニルエーテルとオキシスチレンに適用しても、前述したようにビニルエーテル系重合体とオキシスチレン系重合体の反応性の違いから両者を同時に有する星型ポリマーを得ることはできなかった。更に、非特許文献1では、ジビニルエーテルの反応をガスクロマトグラフィー(GC)で測定したジビニルエーテルの消費量によりモニタリングしているが、このような方法では架橋反応が終了した時点を確認することができず、ジビニルエーテルのビニル基が未反応のまま残存するという問題があった。
そのため、ビニルエーテル系重合体からなるアームとオキシスチレン系重合体からなるアームを同時に含む星型ポリマーと、その簡便な製造方法の開発が求められている。
特開2006−45550号公報 特開2007−86516号公報 特開2001−139647号公報 特許第2782000号公報 特開2005−154497号公報 特開平6−239944号公報
"Macromolecules",26巻, 254〜259頁, 1993年
本発明の課題は、ビニルエーテル系重合体からなるアームとオキシスチレン系重合体からなるアームを含むビニルエーテル系星型ポリマーおよび一連の工程で継続して実施することのできる当該星型ポリマーの製造方法を提供することである。
上記実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、ルイス酸の存在下、開始種を用いてビニルエーテルをリビングカチオン重合して星形ポリマーのアームとなる部分を形成し、次いで、得られたリビングポリマーにジビニルエーテルを添加し、反応させることで星形ポリマーの核を形成し、更に異なるルイス酸の存在下でオキシスチレンを核より伸長させることで、新規なビニルエーテル系星型ポリマーを得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、中心核と中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム部を有するビニルエーテル系星型ポリマーであって、ビニルエーテル系繰り返し単位からなるアーム部とオキシスチレン系繰り返し単位からなるアーム部とを有することを特徴とするビニルエーテル系星型ポリマーである。
また本発明は、アーム部のビニルエーテル系繰り返し単位が、次の一般式(1)
Figure 0005770625
[式中、Rは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であって全部または一部の水素がフッ素に置換されたフルオロアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、次の基(a)
Figure 0005770625
(ここで、mは0、1、2または3であり、Xは未置換のフェニル基、または、一つまたはそれ以上の炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であって全部または一部の水素がフッ素に置換されたフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基もしくはハロゲン原子によって置換されたフェニル基である)で表されるアリール基もしくはアリールアルキル基または次の基(b)
Figure 0005770625
(ここで、R'はメチル基またはエチル基を示し、kは1〜10の整数である)で表されるアルコキシポリオキシアルキル基を表す]
で表されるものであり、アーム部のオキシスチレン系繰り返し単位が、次の一般式(2)
Figure 0005770625
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜のアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはアルキルシリル基を表す)
で表されるものである前記ビニルエーテル系星型ポリマーである。
更に本発明は、開始種、ビニルエーテル系単量体のカチオン重合に適したルイス酸および溶媒の存在下、一般式(4)
Figure 0005770625
(式中、Rは前記した意味を有する)
で表されるビニルエーテル系単量体をリビングカチオン重合させ、次いで、一般式(3)
Figure 0005770625
(式中、RおよびRは、それぞれ水素原子またはメチル基を示し、Rは、二価の有機基を示す)
で表されるジビニル化合物を添加して側鎖にビニル基を導入し、当該ビニル基の分子間架橋により核を生成させた後、一般式(5)
Figure 0005770625
(式中、RおよびRは前記した意味を有する)
で表されるオキシスチレン系単量体およびオキシスチレン系単量体のカチオン重合に適するルイス酸を添加することを特徴とする前記ビニルエーテル系星型ポリマーの製造方法である。
本発明のビニルエーテル系星型ポリマーは、中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム中に、ビニルエーテル系重合体とオキシスチレン系重合体を含むため、星型ポリマー固有の性質に加えて、オキシスチレン系重合体とビニルエーテル系重合体特有の特性を付与できる。
特に、オキシスチレン系重合体がヒドロキシスチレンである場合は、星型ポリマー特有の性質である低粘性、微粒子性に加えて、現像性の付与が可能なため、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性樹脂成分の原料として好適に用いることができる。
また、本発明のビニルエーテル系星型ポリマーの製造方法は、重合反応をワンポットで継続して行うことができるため、製造工程や製造設備を大幅に簡略化することが可能であり、工業的に有利である。
以下に、本発明のビニルエーテル系星型ポリマーおよびその製造方法について具体的に説明する。
本発明の星型ポリマーにおいて、上記一般式(1)で表されるビニルエーテル系繰り返し単位は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル系単量体により形成される。
一般式(1)および一般式(4)のRの定義において、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−アミル基、イソアミル基等が挙げられ、炭素数1〜6のフルオロアルキル基としてはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基などが挙げられ、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基としてはメトキシメチル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、アダマンチル基などが挙げられる。また、基(a)のうち、アリール基としてはフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基等が挙げられ、アリールアルキル基としてはベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、フルオロベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基等が挙げられる。更に、基(b)で表されるアルコキシポリオキシアルキル基としては2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル基、2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エチル基、2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、2−(2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基等が挙げられる。
前記の式(4)で表されるビニルエーテル系単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;トリフルオロメチルビニルエーテル、ペンタフルオロエチルビニルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル等のフルオロアルキルビニルエーテル類;2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル、2−テトラヒドロピラニルビニルエーテル、2−テトラヒドロフラニルビニルエーテル等のアルコキシアルキルビニルエーテル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘプチルビニルエーテル、シクロオクチルビニルエーテル、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルビニルエーテル、2−ビシクロ[2.2.2]オクチルビニルエーテル、8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルビニルエーテル、1−アダマンチルビニルエーテル、2−アダマンチルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル類;フェニルビニルエーテル、4−メチルフェニルビニルエーテル、4−トリフルオロメチルフェニルビニルエーテル、4−フルオロフェニルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル類;ベンジルビニルエーテル、4−フルオロベンジルビニルエーテル等のアリールアルキルビニルエーテル類;2−(2−メトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル等のアルコキシポリオキシアルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
特に、オキシスチレン系重合体の可撓性や耐衝撃性を改善するために、ソフトセグメントとしてポリビニルエーテルを導入する場合は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル、トリフルオロメチルビニルエーテル、ペンタフルオロエチルビニルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシエチルビニルエーテル、2−(2−メトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル、2−(2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル等を好ましく用いることができ、特にメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、イソアミルビニルエーテル等の低級アルキルビニルエーテル類を好ましく用いることができる。
一方、本発明の星型ポリマーにおいて前記一般式(2)で表されるオキシスチレン系繰り返し単位は、前記一般式(5)で表されるオキシスチレン系単量体により形成される。
一般式(2)および一般式(5)のRの定義において、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
また、一般式(2)および一般式(5)のRの定義において、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−アミル基、イソアミル基等が挙げられ、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基としてはメトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基等が挙げられ、炭素数2〜6のアシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、tert−ブチルカルボニル基などが挙げられ、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられ、炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアルキル基としてはtert−ブトキシカルボニルメチル基などが挙げられ、炭素数2〜6のアルキルシリル基としてはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は、酸やアルカリにより容易に脱離して水酸基を与えることから、得られた星型ポリマーを脱保護して、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位をアームに持つ星型ポリマーを得ることもできる。
上記の一般式(5)で表されるオキシスチレン系単量体としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール等のヒドロキシスチレン類;p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、m−エトキシスチレン、p−プロポキシスチレン、m−プロポキシスチレン、p−イソプロポキシスチレン、m−イソプロポキシスチレン、p−n−ブトキシスチレン、m−n−ブトキシスチレン、p−イソブトキシスチレン、m−イソブトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン等のアルコキシスチレン類;p−メトキシメトキシスチレン、m−メトキシメトキシスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレン、m−(1−エトキシエトキシ)スチレン、p−(2−テトラヒドロピラニル)オキシスチレン、m−(2−テトラヒドロピラニル)オキシスチレン等のアルコキシアルキルオキシスチレン類;p−アセトキシスチレン、m−アセトキシスチレン、p−tert−ブチルカルボニルオキシスチレン、m−tert−ブチルカルボニルオキシスチレン等のアルカノイルオキシスチレン類;p−メトキシカルボニルオキシスチレン、m−メトキシカルボニルオキシスチレン、p−tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン、m−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン等のアルコキシカルボニルオキシスチレン類;p−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン、m−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシスチレン等のアルコキシカルボニルアルキルオキシスチレン類;p−トリメチルシリルオキシスチレン、m−トリメチルシリルオキシスチレン、p−tert−ブチルジメチルシリルオキシスチレン、m−tert−ブチルジメチルシリルオキシスチレン等のアルキルシリルオキシスチレン類等が挙げられる。
なかでも、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、p−tert−ブトキシスチレン、p−アセトキシスチレン等が好ましく用いられる。
これらのオキシスチレン系単量体およびビニルエーテル系単量体は、それぞれ1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明の星型ポリマーの中心核としては、多官能性カップリング剤を好適に使用することができ、特に、多官能性カップリング剤が重合架橋した構造を有する中心核が好ましい。
上記多官能性カップリング剤としては、前記一般式(3)で表されるジビニルエーテルが挙げられる。一般式(3)の、RおよびRはそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、Rは2価の有機基を示す。2価の有機価Rとしては、下記式で示される基が含まれる。
Figure 0005770625
(式中、n、lおよびpはそれぞれ1以上の整数を、Rは−O−、−O−Ph−O−あるいは−O−Ph−C(CH−Ph−O−または炭素数3以上のシクロアルキル基を示す。式中、Phはフェニレン基を示す)
上記式(3)のジビニルエーテルとしては、エチレングリコールジビニルエーテル、ビスフェノールAビス(ビニルオキシエチレン)エーテル、ビス(ビニルオキシエチレン)エーテル、ヒドロキノンビス(ビニルオキシエチレン)エーテル、1,4−ビス(ビニルオキシメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
本発明の星型ポリマーにおいて、分子量は、用途や目的、発現したい機能に合わせて適宜設定されるが、例えば、本発明の星型ポリマーを半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性樹脂成分の原料として用いる場合、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜100,000であり、より好ましくは2,000〜80,000であり、更に好ましくは4,000〜60,000である。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表される分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは1.0〜2.0であり、より好ましくは1.0〜1.8であり、更に好ましくは1.0〜1.6である。Mwが上記範囲より大きくなると塗膜形成時に使用される溶剤やアルカリ現像液への溶解性が悪くなり、Mwが上記範囲より小さくなると塗膜性能が悪くなる場合がある。
本発明の星型ポリマーの製造は、開始種、ルイス酸および溶媒の存在下に、前記一般式(4)で表されるビニルエーテル系単量体をリビングカチオン重合させ、次いで、前記一般式(3)で表されるジビニルエーテルを添加し、核を形成させた後、最初のルイス酸とは別のルイス酸の存在下、前記一般式(5)で表されるオキシスチレン系単量体を添加し、リビングカチオン重合させることにより行うことができる。
本発明において使用し得る開始種とは、水、アルコール、プロトン酸などのプロトンを生成する化合物、またはハロゲン化アルキルなどのカルボカチオンを生成する化合物を含む。また、前記ビニルエーテルとプロトンを生成する化合物との付加物などのカチオン供給化合物であってもよい。このようなカルボカチオンを生成する化合物としては、例えば、1−イソブトキシエチルアセテートなどの1−アルコキシエチルアセテートなどが挙げられる。
上記開始種の添加量には特に制限はなく、目的とする分子量により適宜決定される。
また、前記リビングカチオン重合反応において使用されるルイス酸としては、ビニルエーテル系単量体や、オキシスチレン系単量体のカチオン重合に一般的に用いられるルイス酸を使用することができる。具体的には、例えば、Et1.5AlCl1.5等の有機金属ハロゲン化物、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SnCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、ZnBr、ZnCl、AlCl、AlBr等の金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。これらのルイス酸は、単独で使用してもよいし、複数のルイス酸を併用してもよい。
ところで、ビニルエーテル系単量体とオキシスチレン系単量体とでは、カチオン重合における反応性が大きく異なるため、ビニルエーテル系単量体の重合において使用されるルイス酸(以下、「ルイス酸(I)」という)とオキシスチレン系単量体の重合において用いられるルイス酸以下、「ルイス酸(II)」という)は、それぞれの単量体の反応性に応じて異なるルイス酸を用いることが必要である。すなわち、ビニルエーテル系単量体や、オキシスチレン系単量体の重合速度は、ルイス酸の酸性度、ルイス酸と安定塩基の相互作用、ルイス酸と塩素の親和性等によるため、それぞれの重合反応においては、適切なルイス酸の選定が重要である。
上記のルイス酸(I)としては、一般式(6)
Figure 0005770625
(式中、Rは一価の有機基を、Yはハロゲン原子を示し、q及びrはq+r=3でかつ0≦q<3、0<r≦3の数を示す)
で表される有機ハロゲン化アルミニウム化合物またはハロゲン化アルミニウム化合物が挙げられる。
一般式(6)のRの定義において、一価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基が挙げられるが、とくに制限されるものではない。また、Yのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等が挙げられ、q及びrは、qが1〜2の範囲であり、rが1〜2の範囲であることが好ましい。
上記の一般式(6)で表される有機ハロゲン化アルミニウム化合物またはハロゲン化アルミニウム化合物の例としては、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジフルオライド、イソブチルアルミニウムジクロリド、オクチルアルミニウムジクロリド、エトキシアルミニウムジクロリド、フェニルアルミニウムジクロリド等が挙げられる。
一方、前記のルイス酸(II)としては、Al以外の元素からなる金属ハロゲン化合物または有機金属ハロゲン化合物が挙げられ、これらの化合物としては、TiCl、TiBr、BCl、BF、BF・OEt、SnCl、SnCl、SbCl、SbF、WCl、TaCl、VCl、FeCl、ZnBr、ZrClなどが挙げられる。なかでも、ルイス酸(II)として、SnCl、FeClなどが好ましく用いられる。
例えば、ビニルエーテル重合時にはEt1.5AlCl1.5をルイス酸として用い、次いでオキシスチレン重合時にはSnClを追加して用いてオキシスチレン成分の重合速度を加速することで、ビニルエーテル系アームとオキシスチレン系アームの両方を有する星型ポリマーを製造することができる。
ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用するビニルエーテル系単量体とオキシスチレン系単量体の重合特性あるいは重合濃度を考慮して設定することができる。通常は各種単量体に対して0.1〜100モル%で使用することができ、好ましくは1〜50モル%の範囲で使用することができる。
前記重合反応の溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、デカン、ヘキサデカン、イソペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒の中でも、トルエン、塩化メチレン、ヘキサンが好適に使用される。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせても良い。
具体的な重合反応は、まず、反応容器に開始種、溶媒、ビニルエーテル系単量体を順次投入し、その後にルイス酸(I)を添加して行う。この工程で始めにビニルエーテル系アームが合成される。次いで、ビニルエーテル系単量体の転換が終了した時点でジビニルエーテルを添加して側鎖にビニル基を導入し、当該ビニル基の分子間架橋により核を形成する。最後に、架橋反応が終了した時点でオキシスチレン系単量体を添加し、更にルイス酸(II)を追加して核からオキシエチレン系アームを伸長させる。これらの重合反応は、同一の反応容器内で一連の工程として継続して進めることができる。
各重合条件は、使用するルイス酸、開始種、単量体および溶媒等の種類により異なるが、重合温度としては、通常−80℃〜150℃の範囲が好ましく、−78℃〜80℃の範囲内がより好ましい。また重合時間は、通常10時間から250時間の範囲である。
なお、前記ジビニルエーテルによる核形成の過程では、ジビニルエーテルのビニル基が全て消費されるまで反応させることが重要である。ジビニルエーテルが全て重合反応により消費されてポリマー鎖に結合していても、架橋反応が不十分でビニル基が未反応の状態で残存している場合、オキシスチレン系単量体とともに追加した活性効果の高いルイス酸(II)により核間反応が起こり、巨大分子やゲルを発生する可能性がある。
架橋反応の終点は、例えば、GPCのRIチャートを時分割にモニタリングし、GPCの波形の変化が収束することにより確認することができる。
目的とする星型ポリマーは、所望の重合度で反応停止剤を添加して重合反応を停止し、必要に応じて金属化合物等の触媒残渣を除去した後、<1>ポリマー溶液から揮発分を留去する方法、または<2>大量の貧溶媒を添加し、ポリマーを沈殿させ分離する方法等により単離することができる。
反応停止剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール;ジメチルアミン、ジエチルアミン等のアミン;水、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液等のように、末端停止剤として作用する化合物及び/又はルイス酸の活性を失活させる働きを有する化合物が用いられる。
また、ルイス酸である金属化合物等を除去する方法としては、水又は塩酸、硝酸、硫酸等の酸を含む水溶液で処理する方法;シリカゲル、アルミナ、シリカ−アルミナ等の無機酸化物で処理する方法;イオン交換樹脂で処理する方法等が挙げられる。金属化合物等の除去効率やコストを考慮するとイオン交換樹脂を用いて処理する方法が最も好ましい。
金属イオンの除去には、陽イオン交換樹脂が有効である。また、陽イオン交換樹脂の酸性度が高く、得られた星型ポリマーが加水分解及び/又は架橋反応を起こして低分子量化又は高分子量化する恐れがある場合は、イオン交換樹脂として陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の混合品(混床イオン交換樹脂)を用いてもよい。
陽イオン交換樹脂としては、例えば、オルガノ(株)製アンバーリスト15DRY(商品名)、三菱化学(株)製ダイヤイオンSK1BH、SK104H、PK208H、PK216H、PK228H(商品名)等の強酸性陽イオン交換樹脂などが挙げられる。混床イオン交換樹脂としては、オルガノ(株)製アンバーリストMSPS2−1・DRY(商品名)等の強酸性陽イオン交換樹脂と弱塩基性陰イオン交換樹脂の混合品などが挙げられる。
また、オキシスチレン系単位の保護基を脱保護してヒドロキシスチレン系重合体をアームに持つ星型ポリマーを得る場合には、例えば溶媒中、塩酸、硫酸などの酸触媒下や水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ条件下で、反応温度50〜150℃、反応時間1〜30時間反応を行い、保護基を脱離させてヒドロキシスチレン系重合体にすればよい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例において得られた星型ポリマーの物性評価は以下の方法により行った。
(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布
(Mw/Mn):
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレン検量線から求めた[RI検出器;カラムはShodex社製LF−804×3本;溶離液はテトラヒドロフラン]。
(2)絶対分子量(Mwabsolute):
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)−粘度法により絶対分子量を求めた〔RI検出器;粘度計;カラムはShodex社製KF−800D+KF−805L×2本;溶離液はテトラヒドロフラン〕。
(3)枝数(f):
枝数(f)は、次式に従って算出した。
f = A × B /C
A:アーム形成モノマーの重量画分
B:Mwabsolute(星)
C:Mw(枝)
(4)粒径
粒径は、動的光散乱(DLS)(大塚電子(株)製)により解析した〔溶離液はテトラヒドロフラン〕。
実 施 例 1
エチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレン系星型 ポリマーの製造(1):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にエチルビニルエーテル(以下、「EVE」と記載する。)0.18モーラー(以下、「M」と略記する)、酢酸エチル 3.9M、1−イソブトキシエチルアセテート 15ミリモーラー(以下、「mM」と略記する)、トルエン 222mlを入れ、冷却した。系内温度が−10℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(12mM)を加えて重合を開始した。EVEの転換が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する)により分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,500、Mw/Mn=1.12の単分散ポリマーであった。
次いで、1,4−ビス(ビニルオキシメチル)シクロヘキサン(以下、「CHDVE」と記載する)30mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−10℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた。GPCにより分析したところ、得られたEVE−核系星型ポリマーは、Mw=13,100、Mw/Mn=1.25の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にp−tert−ブトキシスチレン(以下、「PTBOS」と記載する)0.18Mを反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(41mM)を加えて3時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止し、目的とする星型ポリマーを得た。得られた星型ポリマーは、Mw=20,300、Mw/Mn=1.32の単分散ポリマーであった。
更に反応混合物溶液をセライト、孔径0.1μmのフィルタに通液させた。通液させた重合液にアンバーリストMSPS2−1・DRY〔商品名、オルガノ(株)製〕を7wt%添加し、室温で2時間攪拌した後、孔径1μmのフィルタに通液させた。この液をエバポレータで減圧濃縮し、エチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレン系星型ポリマーを得た。ここで得られたポリマーは、Mw=21,900、Mw/Mn= 1.35のポリマーであった。また、得られたポリマーの絶対分子量をGPC−LALLSにより測定したところ、Mwabsoluteは51,200となり、それに基づいて求めた枝の数は16本であり、粒径は7.2nmであった。通常の重量平均分子量がGPC−LALLSによる絶対分子量に比べて小さいことから得られたポリマーは分岐の多いコンパクトな構造を持つことが明らかである。さらに、粒径の解析から、分子同士は会合せずに存在していることも明らかである。したがって、得られたポリマーは星型ポリマーである。
実 施 例 2
エチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレン系星型 ポリマーの製造(2):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にEVE0.18M、酢酸エチル3.9M、1−イソブトキシエチルアセテート15mM、トルエン222mlを入れ、冷却した。系内温度が−20℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(12mM)を加えて重合を開始した。EVEの転換が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させ、GPCにより分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,500、Mw/Mn=1.11の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 30mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−20℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた。GPCにより分析したところ、得られたEVE−核系星型ポリマーは、Mw=12,800、Mw/Mn=1.23の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にPTBOS 0.18Mを反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(41mM)を加えて3時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止し、目的とする星型ポリマーを得た。得られた星型ポリマーは、Mw=13,300、Mw/Mn=1.22の単分散ポリマーであった。
実 施 例 3
エチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレン系星型 ポリマーの製造(3):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にEVE 0.18M、酢酸エチル 3.9M、1−イソブトキシエチルアセテート 15mM、トルエン 222mlを入れ、冷却を行った。系内温度が0℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(12mM)を加えて重合を開始した。EVEの転換が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,700、Mw/Mn=1.20の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 30mMを反応溶液に添加し、更に反応温度0℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた。GPCにより分析したところ、得られたEVE−核系星型ポリマーは、Mw=17,800、Mw/Mn=1.30の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にPTBOS 0.18Mを反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(41mM)を加えて4時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止し、目的とする星型ポリマーを得た。得られた星型ポリマーは、Mw=25,600、Mw/Mn=1.56の単分散ポリマーであった。
実 施 例 4
エチルビニルエーテル−核−p−イソプロペニルフェノール系星型ポ リマーの製造(1):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にEVE 0.19M、酢酸エチル 4.3M、1−イソブトキシエチルアセテート 17mM、トルエン 222mlを入れ、冷却を行った。系内温度が−20℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(13mM)を加えて重合を開始した。EVEの転化が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,700、Mw/Mn=1.10の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 33mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−20℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた。GPCにより分析したところ、得られたEVE−核星型ポリマーは、Mw=13,400、Mw/Mn=1.22の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にp−イソプロペニルフェノール(以下、「PIPP」と記載する)の酢酸エチル溶液(34mM)を反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(8.9mM)を加えて24時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止し、目的とする星型ポリマーを得た。得られた星型ポリマーは、Mw=16,100、Mw/Mn=1.23の単分散ポリマーであった。
実 施 例 5
エチルビニルエーテル−核−p−イソプロペニルフェノール系星型ポ リマーの製造(2):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にEVE 0.36M、酢酸エチル 4.0M、1−イソブトキシエチルアセテート 32mM、トルエン 222mlを入れ、冷却を行った。系内温度が−20℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(25mM)を加えて重合を開始した。EVEの転化が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,600、Mw/Mn=1.15の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 63mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−20℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVE−核星型ポリマーは、Mw=20,700、Mw/Mn=1.37の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にPIPPの酢酸エチル溶液(64mM)を反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(24.7mM)を加えて3時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止し、目的とする星型ポリマーを得た。得られた星型ポリマーは、Mw=17,800、Mw/Mn=1.31の単分散ポリマーであった。
実 施 例 6
メトキシエチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレ ン系星型ポリマーの製造(1):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にメトキシエチルビニルエーテル(以下、「MOVE」と記載する)0.17M、酢酸エチル 4.0M、1−イソブトキシエチルアセテート 15mM、トルエン 222mlを入れ、冷却を行った。系内温度が−10℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(12mM)を加えて重合を開始した。MOVEの転化が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたMOVEポリマーは、Mw=1,700、Mw/Mn=1.19の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 30mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−10℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたMOVE−核星型ポリマーは、Mw=12,100、Mw/Mn=1.23の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にPTBOS 0.17Mを反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(41mM)を加えて7時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止し、目的とする星型ポリマーを得た。得られた星型ポリマーは、Mw=19,600、Mw/Mn=1.35の単分散ポリマーであった。
実 施 例 7
2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテ ル−核−p−イソプロペニルフェノール系星型ポリマーの製造:
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内に2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチルビニルエーテル(以下、「MOEOEOVE」と記載する)0.18M、酢酸エチル4.26M、1−イソブトキシエチルアセテート16.9mMおよびトルエン222mlを入れ、系内温度が−10℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(13.2mM)を加えて重合を開始した。MOEOEOVEの転化が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたMOEOEOVEポリマーは、Mw=3800,Mw/Mn=1.18の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE33mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−10℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたMOEOEOVE−核星型ポリマーは、Mw=13400,Mw/Mn=1.27の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にPIPPの酢酸エチル溶液(33mM)を反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(53mM)を加えて5時間反応を続けた。重合反応系内にメタノールを加えて反応を停止した。得られたポリマーは、Mw=14300、Mw/Mn=1.38の単分散ポリマーであった。
比 較 例 1
エチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレン系星型 ポリマーの製造(4):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にEVE 0.18M、酢酸エチル 3.9M、1−イソブトキシエチルアセテート15mM、トルエン222mlを入れ、冷却を行った。系内温度が−10℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(12mM)を加えて重合を開始した。EVEの転換が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,400、Mw/Mn=1.15の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 30mMを反応溶液に添加し、更に反応温度−10℃で反応を続けた。CHDVEのビニル基の転換を時分割にGPCを用いてモニタリングし、GPCの波形が一定の波形となった時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVE−核系星型ポリマーは、Mw=12,900、Mw/Mn=1.24の単分散ポリマーであった。またこのポリマーのチャート中には、枝のピークが完全に消失していることを確認した。
次にPTBOS 0.18Mを反応溶液に添加し、ルイス酸を追加せず反応を続けた。PTBOSの転換率は56時間で38%、118時間で38%であり、38%付近の値で一定となった。
比 較 例 2
エチルビニルエーテル−核−p−tert−ブトキシスチレン系星型 ポリマーの製造(5):
三方活栓をつけたガラス容器を準備し、アルゴン置換後、アルゴン雰囲気下で加熱してガラス容器内の吸着水を除いた。容器内にEVE 0.18M、酢酸エチル 3.9M、1−イソブトキシエチルアセテート 15mM、トルエン 222mlを入れ、冷却を行った。系内温度が0℃に達したところでEt1.5AlCl1.5のトルエン溶液(12mM)を加えて重合を開始した。EVEの転化が終了した時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた後、GPCにより分析したところ、得られたEVEポリマーは、Mw=1,500、Mw/Mn=1.12の単分散ポリマーであった。
次いで、CHDVE 78mMを反応溶液に添加し、更に反応温度0℃で反応を続けた。CHDVEの残存量を時分割にGCを用いてモニタリングし、GC上CHDVEが全て消費された時点で反応溶液を少量採取し、ナトリウムメトキシドを含むメタノールで反応を停止させた。得られたポリマーは、Mw=18,200、Mw/Mn=1.58のポリマーであった。
次にPTBOS 0.18Mを反応溶液に添加し、更にSnClのトルエン溶液(41mM)を加えて4時間反応を続けた。重合反応系内に0.5M アンモニア/メタノールを加えて反応を停止した。得られたポリマーは、Mw=175,500、Mw/Mn=2.30の多峰性ポリマーであった。
比較例1で示されるように、ビニルエーテル系単量体とオキシスチレン系単量体とではカチオン重合性が大きく異なるため、ビニルエーテル系単量体を重合において使用されるルイス酸をそのまま用いてオキシスチレン系単量体の重合を行っても反応は殆ど進行せず転換率は一定値となる。一方、実施例1〜7のように、オキシスチレン系単量体を重合する際には、より高い活性を付与することが可能なルイス酸を追加することで、重合反応を進めることができる。
また、比較例2で示されるように、ジビニルエーテルによる核形成過程において、GCのみでジビニルエーテルの消費量をモニタリングしてオキシスチレン系単量体とルイス酸を追加した場合には、分子量の大きな多峰性のポリマーが得られ、目的とする星型ポリマーは得られない。これは、ジビニルエーテルがすべて消費された後もジビニルエーテルの架橋反応は完了しておらず、未反応の状態で残存しているビニル基が、オキシスチレン系単量体とともに追加したルイス酸により反応して巨大分子やゲルが生成するためである。本発明の星型ポリマーを製造する際には、実施例1〜7のようにGPCにより架橋反応をモニタリングする方法が有効である。
本発明により得られるビニルエーテル系星型ポリマーは、中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム中に、ビニルエーテル系重合体とオキシスチレン系重合体を含むものであり、星型ポリマー固有の性質に加えて、オキシスチレン系重合体とビニルエーテル系重合体特有の特性を有するものである。
特に、オキシスチレン系重合体がヒドロキシスチレンである場合は、星型ポリマー特有の性質である低粘性、微粒子性に加えて、現像性の付与が可能なため、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性樹脂成分の原料として好適に用いることができる。
また、本発明のビニルエーテル系星型ポリマーの製造方法は、重合反応をワンポットで継続して行うことができるため、製造工程や製造設備を大幅に簡略化可能な方法であり、工業的に有利である。

Claims (6)

  1. 中心核と中心核より伸びるポリマー鎖からなるアーム部を有するビニルエーテル系星型ポリマーであって、ビニルエーテル系繰り返し単位からなるアーム部とオキシスチレン系繰り返し単位からなるアーム部を有し、中心核が下記一般式(3)
    Figure 0005770625
    [式中、R およびR はそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、R は下記式の何れかにより示される2価の有機基を示す
    Figure 0005770625
    (式中、n、lおよびpはそれぞれ1以上の整数を、R は−O−、−O−Ph−O−あるいは−O−Ph−C(CH −Ph−O−または炭素数3以上のシクロアルキル基を示す。式中、Phはフェニレン基を示す)]
    で表されるジビニル化合物の架橋により形成されたものであることを特徴とするビニルエーテル系星型ポリマー。
  2. アーム部のビニルエーテル系繰り返し単位が、次の一般式(1)
    Figure 0005770625
    [式中、Rは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であって全部または一部の水素がフッ素に置換されたフルオロアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、次の基(a)
    Figure 0005770625
    (ここで、mは0、1、2または3であり、Xは未置換のフェニル基、または、一つまたはそれ以上の炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であって全部または一部の水素がフッ素に置換されたフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基もしくはハロゲン原子によって置換されたフェニル基である)で表されるアリール基もしくはアリールアルキル基または次の基(b)
    Figure 0005770625
    (ここで、R'はメチル基またはエチル基、kは1〜10の整数である)で表されるアルコキシポリオキシアルキル基を表す]
    で表されるものであり、アーム部のオキシスチレン系繰り返し単位が、次の一般式(2)
    Figure 0005770625
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはアルキルシリル基を表す)
    で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載のビニルエーテル系星型ポリマー。
  3. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が5,000〜200,000の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1〜2であることを特徴とする請求項1又は2に記載のビニルエーテル系星型ポリマー。
  4. 開始種、ビニルエーテル系単量体のカチオン重合に適したルイス酸および溶媒の存在下、一般式(4)
    Figure 0005770625
    [式中、Rは炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であって全部または一部の水素がフッ素に置換されたフルオロアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、次の基(a)
    Figure 0005770625
    (ここで、mは0、1、2または3であり、Xは未置換のフェニル基、または、一つまたはそれ以上の炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基、1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基であって全部または一部の水素がフッ素に置換されたフルオロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原子によって置換されたフェニル基である)で表されるアリール基もしくはアリールアルキル基または次の基(b)
    Figure 0005770625
    (ここで、R'はメチル基またはエチル基を示し、kは1〜10の整数である)で表されるアルコキシポリオキシアルキル基)を表す]
    で表されるビニルエーテル系単量体をリビングカチオン重合させ、次いで、一般式(3)
    Figure 0005770625
    (式中、RおよびRは、それぞれ水素原子またはメチル基を示し、Rは、価の有機基を示す)
    で表されるジビニル化合物を添加して側鎖にビニル基を導入し、当該ビニル基の分子間架橋により核を生成させた後、一般式(5)
    Figure 0005770625
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基またはアルキルシリル基を表す)
    で表されるオキシスチレン系単量体およびオキシスチレン系単量体のカチオン重合に適するルイス酸を添加して核からオキシスチレン系アームを伸長させることを特徴とするビニルエーテル系星型ポリマーの製造方法。
  5. ビニルエーテル系単量体のカチオン重合に適したルイス酸が、一般式(6)
    Figure 0005770625
    (式中、Rは一価の有機基を示し、Yはハロゲン原子を示し、q及びrはq+r=3でかつ0≦q<3、0<r≦3の数を示す)
    で表される有機ハロゲン化アルミニウム化合物またはハロゲン化アルミニウム化合物であり、オキシスチレン系単量体のカチオン重合に適するルイス酸がAl以外の元素からなる金属ハロゲン化合物または有機金属ハロゲン化合物である請求項5に記載のビニルエーテル系星型ポリマーの製造方法。
  6. 分子間架橋による核の生成を、GPCチャートの波形をモニタリングすることにより確認する請求項又はに記載のビニルエーテル系星型ポリマーの製造方法。

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